(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5986905
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年9月6日
(54)【発明の名称】液体供給装置
(51)【国際特許分類】
B05C 11/10 20060101AFI20160823BHJP
【FI】
B05C11/10
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-255197(P2012-255197)
(22)【出願日】2012年11月21日
(65)【公開番号】特開2014-100685(P2014-100685A)
(43)【公開日】2014年6月5日
【審査請求日】2015年1月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000145611
【氏名又は名称】株式会社コガネイ
(74)【代理人】
【識別番号】100080001
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 大和
(74)【代理人】
【識別番号】100093023
【弁理士】
【氏名又は名称】小塚 善高
(74)【代理人】
【識別番号】100117008
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 章子
(72)【発明者】
【氏名】堀川 昭芳
(72)【発明者】
【氏名】大村 雄太
【審査官】
平井 裕彰
(56)【参考文献】
【文献】
特開平08−038976(JP,A)
【文献】
特開2001−137766(JP,A)
【文献】
特開2001−276716(JP,A)
【文献】
特開2002−268247(JP,A)
【文献】
米国特許第07377758(US,B1)
【文献】
特開平04−135664(JP,A)
【文献】
特開平06−121957(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05C 5/00〜21/00
F04B43/00〜47/14
53/10
B05D 1/00〜 7/26
Japio−GPG/FX
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉粒体を含有する液体を塗布ノズルに供給する液体供給装置であって、
底壁、上壁および側壁を有し、液体を収容する液体タンクと、
前記塗布ノズルが接続される吐出口を有する塗布ポンプの流入口と前記液体タンクの流出口との間に接続され、前記液体タンク内の液体を前記塗布ポンプの前記流入口に案内する供給流路と、
前記塗布ポンプの前記流入口と前記液体タンクの戻し口との間に接続され、前記塗布ポンプから吐出されなかった液体を前記液体タンクに戻す戻し流路と、
前記供給流路と前記戻し流路からなる循環流路に設けられ、前記液体タンクを介して前記循環流路内に液体の循環流を形成する循環ポンプと、
空気供給源から調圧された空気を前記液体タンクに供給する空気供給流路と、
底壁、上壁および側壁を有し前記液体タンクに供給される液体を貯溜する補助タンクと、
開閉弁を有し前記補助タンクに設けられた外気導入流路と、
注入用開閉弁が設けられ前記補助タンクと前記液体タンクとを接続して前記補助タンク内の液体を前記液体タンクに供給する補充流路と、
均圧用開閉弁が設けられ前記補助タンクと前記液体タンクの液面上の空気を連通させる均圧流路とを有し、
前記開閉弁を閉じて前記均圧用開閉弁と前記注入用開閉弁とを開いて前記補助タンク内の液体を前記液体タンクに注入することを特徴とする液体供給装置。
【請求項2】
請求項1記載の液体供給装置において、前記補助タンクは、前記液体タンクの上に前記液体タンクと一体に設けられていることを特徴とする液体供給装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の液体供給装置において、前記塗布ポンプは、前記流入口および前記吐出口に連通するポンプ室が設けられた流路切換弁と、前記ポンプ室を膨張収縮させる駆動部材と、当該駆動部材により前記ポンプ室が膨張するときには前記流入口から前記ポンプ室に液体を案内し、前記ポンプ室が収縮するときには前記ポンプ室から前記吐出口に液体を案内する弁体とを有することを特徴とする液体供給装置。
【請求項4】
請求項3記載の液体供給装置において、前記流路切換弁は、
前記流入口、当該流入口に弁室を介して連通する前記吐出口、および前記弁室に連通するとともに前記ポンプ室に連通する連通室が形成されたバルブケースと、
前記弁室に配置され、前記ポンプ室が膨張するときに前記吐出口に連なる内側弁座面に密着して前記流入口と前記連通室とを連通させ、前記ポンプ室が収縮するときに前記流入口に連なる外側弁座面に密着して吐出口と前記連通室とを連通させる弁体とを有することを特徴とする液体供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は粉粒体を含有する液体を塗布ノズルに供給する液体供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
薬液等の液体を塗布ノズルに供給し、塗布ノズルにより被塗布物に液体を塗布するために液体供給装置が使用されている。薬液を塗布ノズルに供給するための液体供給装置としては、例えば、特許文献1に記載されるように、薬液タンク内の薬液を塗布ノズルに案内する流路にポンプが設けられたものがある。このポンプは流路に設けられた上流側と下流側の逆止弁の間に設けられた可撓性チューブを有し、可撓性チューブによりポンプ室を膨張収縮させて薬液タンク内の薬液を塗布ノズルに供給するようにしている。この形態の液体供給装置においては、塗布ノズルから液体を塗布するときに流路内に液体の流れを形成するようにしており、液体が塗布されないときには流路内には液体が静止した状態となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3853641号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のように、塗布ノズルから液体を塗布するときに流路内に液体の流れを形成するようにし、液体が塗布されないときには流路内には液体を静止状態とした液体供給装置を用いて、粉粒体を含有する液体を塗布ノズルから被塗布物に塗布するようにすると、粉粒体と液体との比重差により粉粒体が液体タンクや流路内に沈殿して液体と粉粒体とが分離することがある。液体と粉粒体とが分離すると、粉粒体が一定の含有率となった液体を塗布ノズルに供給することができ
なくなり、量産品に対して液体を塗布する場合には、製品によって品質にバラツキが発生することになる。また、水やアルコールなど揮発性の液体は、時間とともに濃度が変化し、塗布品質が変化してしまう。
【0005】
本発明の目的は、液体に含まれる粉粒体の含有率を一定に保持して被塗布物に液体を塗布し得るようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の液体供給装置は、粉粒体を含有する液体を塗布ノズルに供給する液体供給装置であって、底壁、上壁および側壁を有し、液体を収容する液体タンクと、前記塗布ノズルが接続される吐出口を有する塗布ポンプの流入口と前記液体タンクの流出口との間に接続され、前記液体タンク内の液体を前記塗布ポンプの前記流入口に案内する供給流路と、前記塗布ポンプの前記流入口と前記液体タンクの戻し口との間に接続され、前記塗布ポンプから吐出されなかった液体を前記液体タンクに戻す戻し流路と、前記供給流路と前記戻し流路からなる循環流路に設けられ、前記液体タンクを介して前記循環流路内に液体の循環流を形成する循環ポンプと、空気供給源から調圧された空気を前記液体タンクに供給する空気供給流路と、
底壁、上壁および側壁を有し前記液体タンクに供給される液体を貯溜する補助タンクと、開閉弁を有し前記補助タンクに設けられた外気導入流路と、注入用開閉弁が設けられ前記補助タンクと前記液体タンクとを接続して前記補助タンク内の液体を前記液体タンクに供給する補充流路と、均圧用開閉弁が設けられ前記補助タンクと前記液体タンクの液面上の空気を連通させる均圧流路とを有し、前記開閉弁を閉じて前記均圧用開閉弁と前記注入用開閉弁とを開いて前記補助タンク内の液体を前記液体タンクに注入することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
この薬液供給装置においては、塗布ポンプの流入口と液体タンクの流出口との間に供給流路が接続され、塗布ポンプの流入口と前記液体タンクの戻し口との間に戻し流路が接続されている。供給流路と戻し流路とにより液体タンクの流出口から戻し口に循環する循環流路が形成されており、循環ポンプにより液体タンクを介して循環流路内に液体の循環流が形成される。これにより、粉粒体が含有された液体を塗布ノズルから塗布する場合には、十分に撹拌されて粉粒体が均一に分散されて粉粒体の含有率が一定となった状態で液体を被塗布物に塗布することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施の形態である液体供給装置を示す概略図である。
【
図2】
図1に示された塗布ポンプを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示されるように、液体供給装置10は液体を収容する液体タンク11を有している。この液体タンク11は、底壁11a,上壁11bおよび側壁11cを有する密閉構造となっており、内部には粉粒体や揮発性流体に混濁させる物体を含有する揮発性の液体が収容される。被塗布物に液体を塗布する塗布ノズル12は塗布ポンプ13の吐出口14に吐出流路15により接続され、塗布ポンプ13の流入口16と液体タンク11の流出口17との間には供給流路18が接続されている。この供給流路18には開閉弁20が設けられており、供給流路18は開閉弁20により開閉される。
【0010】
図1に示される液体供給装置10は3つの塗布ノズル12を有しており、それぞれの塗布ノズル12が接続された塗布ポンプ13は、分岐された供給流路18により並列となって液体タンク11に接続されている。ただし、塗布ノズル12の数は1つでも2つ以上でも良く、塗布ノズル12の数に対応した数の塗布ポンプ13が供給流路18により液体タンク11に接続される。また、複数の塗布ノズル12が設けられる場合には、複数の塗布ポンプ13を液体タンク11に直列に接続するようにしても良い。
【0011】
流出口17は液体タンク11の底壁11aに設けられ、液体タンク11の側壁11cの上側には戻し口19が設けられている。この戻し口19と塗布ポンプ13の流入口16との間には戻し流路21が接続されており、塗布ノズル12から吐出されなかった液体は戻し流路21により液体タンク11に戻される。供給流路18と戻し流路21とにより、液体タンク11の流出口17から流出した液体を液体タンク11の戻し口19に案内する循環流路22が形成されている。塗布ポンプ13の流入口16に供給流路18と戻し流路21とを直接接続することも可能であるが、図示するように、共通流路22aを介して供給流路18と戻し流路21とが流入口16に接続されている。
【0012】
循環流路22を形成する供給流路18には循環ポンプ23が設けられており、塗布ノズル12から液体を塗布するときのみならず、塗布が停止されているときにも、循環流路22には液体タンク11の流出口17から流出し、戻し口19に向かう循環流が形成されている。これにより、戻し口19から液体タンク11内の液体Lの液面Sに落下する液滴と流出口17に向かう液体流れとにより、液体タンク11内の液体は常に撹拌された状態となり、液体に含まれる粉粒体が液体タンク11の底面に沈殿することがなく、常に粉粒体が液体に均一に分散した状態となる。循環流路22を流れる液体の流量を調整するために、戻し流路21には絞り弁24が設けられている。
【0013】
循環ポンプ23としては、ノンシールポンプあるいはマグネットポンプとも言われるキャンドポンプが使用されている。キャンドポンプは、ポンプインペラとこれを駆動するための電動モータとが仕切られた形態となっており、可燃性や揮発性を有する液体を循環供給するためにキャンドポンプを使用すると、ポンプからの液体の漏出を確実に防止することができる。ただし、循環ポンプ23としては流体によっては、ノンシールポンプでなくとも良い。
【0014】
塗布ノズル12から液体が塗布されると、密閉構造の液体タンク11内の液面Sが低下することになる。液面Sの低下に伴って液面Sよりも上側に占める空気の容積を増加させるために、液体タンク11の上端部には空気供給流路25が接続されている。空気供給流路25には、圧力調整弁26と開閉弁27とが設けられており、コンプレッサ等の空気供給源28からの空気が調圧されて液体タンク11に供給される。塗布ノズル12からの液体の塗布に伴って液体タンク11内の液面Sが低下する。液面Sの低下により液体タンク11の気圧が低下するが、液体タンク11に補給される空気によりその気圧低下が補わ
れる。これにより、循環ポンプ23による液体の供給が円滑に行われる。塗布ノズル12からの液体の塗布が停止されるときには、空気供給流路25は開閉弁27により閉塞される。開閉弁27は単なる逆止弁でも良い。
【0015】
液体タンク11の上には補助タンク31が液体タンク11と一体となって配置されている。補助タンク31は液体タンク11の上壁11bを底壁31aとし、上壁31bと側壁31cとを有する密閉構造となっている。補助タンク31の上壁31bには注入口32が設けられており、この注入口32はキャップ33により閉塞されるようになっている。キャップ33を取り外し、漏斗34を用いて補助タンク31内に液体が注入される。補助タンク31内に液体を注入する際には、補助タンク31に設けられた外気導入流路35に設けられた開閉弁36により外気導入流路35が開放される。
【0016】
液体タンク11内の液体の液位を検出するために、液体タンク11には液面計37が設けられ、液面計37に設けられたフロート38により液体タンク11内の液位を外部から観察することができる。同様に、補助タンク31内の液体の液位を検出するために、補助タンク31には液面計39が設けられ、液面計39に設けられたフロート40により補助タンク31内の液位を外部から観察することができる。
【0017】
液体タンク11内の液体Lの量が低下したときには、予め補助タンク31内に注入された液体Lを液体タンク11内に注入するために、補助タンク31に設けられた流出口41と液体タンク11に設けられた注入口42との間には補充流路43が接続されている。この補充流路43には、この流路を開閉する注入用開閉弁44が設けられている。
【0018】
この注入用開閉弁44を開放して補助タンク31内の液体を液体タンク11に注入するときに、液体タンク11内の液面上に占める空気と補助タンク31内の液面上に占める空気とを連通させてこれらの圧力を同一にするために、補助タンク31に設けられた連通口45と液体タンク11に設けられた連通口46との間には均圧流路47が接続されている。この均圧流路47には、この流路を開閉する均圧用開閉弁48が設けられている。液体タンク11の底壁11aには内部の液体Lを排出するための排出流路49が設けられ、この排出流路49には流路を開閉する開閉弁50が設けられている。
【0019】
上述したそれぞれの流路は、可撓性のチューブや金属製のパイプ等の配管により形成されており、内部には液体等を案内する貫通孔が設けられている。補充流路43としては、
図1に示されるように、補充流路43を液体タンク11と補助タンク31の外側に配置することなく、液体タンク11と補助タンク31の間の壁に貫通孔を設けてそれを補充流路としても良く、その場合には貫通孔に注入用開閉弁44を設けることになる。上述したそれぞれの開閉弁としては、ボールバルブが用いられている。
【0020】
液体供給装置10を立ち上げるときには、開閉弁20を開放し、絞り弁24を全開として循環ポンプ23を起動させ、循環流路22内に液体Lの循環流を形成する。塗布ポンプ13内の空気を排出するために、それぞれの塗布ポンプ13の流入口側には排気流路51が設けられており、排気流路51に設けられた開閉弁52を僅かに開いて塗布ポンプ13内の空気抜きを行う。空気抜き操作が終了したら、絞り弁24の開度を調整して循環流路22内を流れる液体の流量を調整する。これにより、塗布ポンプ13を駆動して塗布ノズル12から液体Lを吐出させることができる。塗布ポンプ13を起動させて塗布ノズル12から液体を塗布するときだけでなく、塗布ポンプ13が停止状態となっているときにも、液体タンク11内と循環流路22内には液体の流れが形成され、液体に含有された粉粒体の分布密度や含有率を全体的に一定に保持することができる。
【0021】
一方、補助タンク31内に液体Lを注入するときには、注入用開閉弁44と均圧用開閉弁48が閉じられた状態のもとで、キャップ33を取り外して注入口32から漏斗34を用いて補助タンク31内に液体Lを注入する。このときには、開閉弁36により外気導入流路35が開放状態に設定される。補助タンク31内に液体Lが注入されたら、開閉弁36が閉じられ、キャップ33により注入口32が閉じられる。
【0022】
補助タンク31内に注入された液体Lを液体タンク11内に注入するときには、均圧用開閉弁48を開放して、液体タンク11内の空気と補助タンク31内の空気とを連通状態として両方の圧力を同一にする。次いで、注入用開閉弁44を開放して、補助タンク31内の液体Lを液体タンク11内に向けて自重により補充流路43により注入する。液体Lが注入されたら、注入用開閉弁44と均圧用開閉弁48とを閉じ、開閉弁36を少しずつ開放して補助タンク31内の残圧を抜き、残圧を抜いたら開閉弁36を閉じる。これにより、液体タンク11内への液体Lの注入操作が完了する。
【0023】
塗布ノズル12から液体を吐出して被塗布物に液体を塗布する際には、塗布ポンプ13を駆動する。このときには、空気供給流路25から液体タンク11内に空気を供給することにより、被塗布物に対する液体塗布による液体タンク11内の液位低下に対応し外部から液体タンク11内に空気が補われる。
【0024】
図2は
図1に示された塗布ポンプ13を示す断面図である。塗布ポンプ13は流路切換弁54と駆動制御ブロック55とを有している。流路切換弁54は供給流路18が接続される流入口16と、吐出流路15が接続される吐出口14とが形成されたバルブケース56を有しており、流入口16と吐出口14は同軸となっている。バルブケース56には流入口16と吐出口14とに連通する連通室57が形成されており、連通室57は流入口16と吐出口14に対して直角方向に伸びている。
【0025】
バルブケース56の流入口16側には円筒形状の外側弁座面58が流入口16に連なって形成されており、吐出口14側には外側弁座面58の径方向内方に配置される円筒形状の仕切り部59が設けられている。この仕切り部59は先端部が外側弁座面58と径方向に対向しており、仕切り部59はその内側の吐出口14と外側の環状の供給室61とに仕切るとともに外側弁座面58との間で供給室61に連なる弁室62を形成しており、弁室62は流入口16に連通している。仕切り部59の先端側つまり弁室62を介して流入口16に対向する側の開口端面は、吐出口14に連なる内側弁座面63となっている。弁室62内にはゴム製の弁体64が配置されており、この弁体64は内側弁座面63に密着して流入口16と連通室57とを連通させる位置と、外側弁座面58に密着して連通室57と吐出口14とを連通させる位置とに流路切換動作する。
【0026】
駆動制御ブロック55には連通室57に流路65を介して連通するポンプ室66が形成されており、このポンプ室66を膨張収縮するために駆動部材しての駆動ロッド67が軸方向に往復動自在に装着されている。駆動ロッド67は図示しない駆動手段としての空気圧シリンダにより直線往復動され、駆動ロッド67が
図2において左方向に駆動されるとポンプ室66は収縮し、右方向に駆動されるとポンプ室66は膨張する。ポンプ室66が収縮すると、連通室57内の液体が加圧されて弁体64は外側弁座面58に密着する。これにより、連通室57と吐出口14とが連通してポンプ室66内の液体が塗布ノズル12に供給される。一方、ポンプ室66が膨張すると、流入口16内の液体が連通室57に向けて吸引されて弁体64は内側弁座面63に密着する。これにより、流入口16から連通室57に向けて液体が吸引されてポンプ室66に液体が吸入される。
【0027】
このように、駆動ロッド67によりポンプ室66を収縮させると、塗布ノズル12に液体が供給されて塗布ノズル12から被塗布物に液体が塗布され、駆動ロッド67によりポンプ室66を膨張させると、供給流路18内を循環する液体がポンプ室66に吸入される。駆動ロッド67にポンプ室66を膨張させる方向のばね力を加えると、吸入動作がばね力により行われ、吐出動作のみが空気圧シリンダ等の駆動手段により駆動される。なお、特許文献1に記載されるように径方向に膨張収縮する可撓性のチューブをポンプ部材としたチューブフラムポンプを塗布ポンプ13として使用するようにしても良い。
【0028】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、液体タンク11と補助タンク31の内部の液位は、液面計37,39を作業者が目視観察することにより検出するようにしているが、自動的にそれぞれの液面を検出するようにしても良い。
【符号の説明】
【0029】
10 液体供給装置
11 液体タンク
12 塗布ノズル
13 塗布ポンプ
14 吐出口
15 吐出流路
16 流入口
17 流出口
18 供給流路
19 戻し口
21 戻し流路
22 循環流路
23 循環ポンプ
25 空気供給流路
26 圧力調整弁
31 補助タンク
32 注入口
33 キャップ
34 漏斗
37,39 液面計
41 流出口
42 注入口
43 補充流路
44 注入用開閉弁
45,46 連通口
47 均圧流路
48 均圧用開閉弁
51 排気流路
54 流路切換弁
55 駆動制御ブロック
56 バルブケース
58 外側弁座面
59 仕切り部
62 弁室
63 内側弁座面
64 弁体
66 ポンプ室
67 駆動ロッド