(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
本発明のフロアパネルは、フリーアクセスフロア構造に用いられるものである。フロアパネルは、フリーアクセスフロア構造において、建築構造物の一部を構成するコンクリート材等により形成された基礎床面の上方に、空間を隔てて設けられるものである(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
図11から
図16は、従来のフロアパネル2及びその製造方法について説明するために参照する図である。従来のフロアパネル2は、
図11に示すように、基礎床面3上に立設する支持脚4と共にフリーアクセスフロア構造1を構成するようになっていた。
【0004】
フロアパネル2は、
図12に示すように、板状の天板6と、箱状の底板8と、これらの間に配置された補強部材12により構成されていた。ここで、天板6と底板8は共に鋼板材を用いて形成されていた。
【0005】
フロアパネル2の天板6は、
図13に示すように、略正方形の板状に形成され、その四隅部それぞれには、その平面形状が四半円弧状のテーパ部6bと、同様に四半円弧状の段差部6aが形成されていた。
【0006】
すなわち、天板6の四隅部には、
図12に示すように、図中左下方向に傾斜するテーパ部6bと、このテーパ部6bの下端部から上面6cと平行に伸びて、上面6cより高さが低い段差面を有する段差部6aが形成されていた。
【0007】
フロアパネル2の底板8は、
図12の右下部に示すように、その底板部8aの周縁部より略鉛直方向に折り曲げられた側板部8bと、この側板部8bの上端部から図中水平方向外側に折り曲げられた周縁部8cが形成されていた。このため、底板8は、その深さ方向に、かつ側板部8bの水平方向内側に内部空間を有する箱状に形成されていた。
【0008】
図12及び
図14に示すように、底板8の周縁部8cは、天板6の周縁部6dに当接し、周縁部6dに溶接やカシメ等により接合されていた。このため、フロアパネル2は、天板6と、底板8の底板部8aと、側板部8bに囲まれた内部空間10を有する中空状に形成されていた。
【0009】
図13に示すように、フロアパネル2は、その略正方形の一辺となっている側辺部に、内側に略矩形状に入り込むような開口部2aが形成されていた。
【0010】
そして、
図15に示すように、フロアパネル2の開口部2aを構成する略コの字状の3つの側辺部には、天板6の上面6cから斜め下方に伸びるテーパ部6fと、そのテーパ部6fの下端部から水平方向かつ略コの字状の開口部2aの中央側に突出するように伸びて、上面6cとの間に段差を有する段差部6eが形成されていた。
【0011】
この天板6の段差部6eの上面には、天板6の上面6cより高さが一段下がった位置に、水平の段差面6hが形成されていた。この天板6の段差面6h上に、
図11に示すような、板状の蓋部材18の下面を接触させて、フロアパネル2の開口部2aを閉塞することができるようになっていた。
【0012】
図12及び
図14に示すように、フロアパネル2の内部空間10には、板状の補強部材12が、天板6と、底板8の底板部8aの間に挟まれて設置されていた。この補強部材12には、木材を小さな木片に砕いて乾燥させ、接着剤を加えて高温高圧の下で成形したパーティクルボードが用いられていた。
【0013】
図13に示すように、補強部材12は、その四隅部に隅面12aが形成された略正方形に形成されており、その図中下側の側辺部に、略矩形状に入り込むよう切り欠かれた切欠き部12bが形成されていた。補強部材12は、プレス装置で切断されることによりその外形形状が形成されるが、切断された部分はその形が崩れてしまうので、その平面方向の寸法精度は低いものであった。
【0014】
図12から
図14に示すように、補強部材12は、フロアパネル2の内部空間10内の水平方向中央部に設置されていた。すなわち、補強部材12は、その隅面12aと底板8の側板部8bの隅部内側面との間に、大きな隙間S(
図14参照)が形成されていた。また、補強部材12は、その四辺と切欠き部12bのそれぞれの側辺部と、底板8の側板部8bの内側面との間にも大きな隙間Sが形成されていた。
【0015】
これらの隙間Sは、底板8がプレス加工により内部空間を有する箱状に形成された後に、その内部空間内に補強部材12が設置されるので、その設置の際に底板8や補強部材12の個々の寸法のばらつきや、加工による組み合わせ寸法の誤差等により、その設置が阻害されないように設けられていた。
【0016】
このようなフロアパネル2を支持する支持脚4は、
図11及び
図16に示すように、パネル調整台14と、脚部16により構成されていた。
【0017】
支持脚4のパネル調整台14は、
図16に示すように、その軸線部下端側に形成されたネジ孔14bに、脚部16の外周部に形成されたオネジ部16aをネジ結合した状態で、パネル調整台14を相対回転させることにより、パネル調整台14の基礎床面3からの高さ位置を調整するようになっていた。
【0018】
そして、パネル調整台14の下端部に形成された、軸線がパネル調整台14の半径方向に伸びるネジ孔14cに、ネジ部材15を締め付けることにより、パネル調整台14は基礎床面3から所望の高さ位置に固定されるようになっていた。
【0019】
パネル調整台14は、その上端部に軸線方向に凹んで形成された先端凹部14a上に、複数のフロアパネル2の、天板6の四隅部のいずれか1つの段差部6aがそれぞれ載置され、皿ボルト17等を用いて固定されていた。
【0020】
すなわち、皿ボルト17のオネジ部17bを、パネル調整台14の軸線部上端側のネジ孔14dに締め付けることにより、フロアパネル2の段差部6aが皿ボルト17の皿頭部17aにより下方に押え付けられて固定されていた。
【0021】
そして、複数のフロアパネル2は、それぞれの四隅部の段差部6aの1つを1箇所に寄せ集めて突き合わせるように配置され、1つの同じパネル調整台14の先端凹部14aに共に固定されていた。
【0022】
このため、
図11に示すように、フロアパネル2は、複数のパネルそれぞれの四隅部の1つずつが1箇所に寄せ集めて突き合わされて、基礎床面3から上方に空間を隔てた水平面上に、上から見て縦横二軸両方向に互いに隣接して配置されており、基礎床面3上に立設された支持脚4に着脱可能に支持されていた。
【0023】
このような従来のフロアパネル2によれば、その内部空間10内に設置された補強部材12によりその強度を向上させることができるようになっていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
しかしながら、この従来のフロアパネル2においては、パネル調整台14の先端凹部14a上に支持されるフロアパネル2の天板6の段差部6aや、フロアパネル2の開口部2aに設けられた段差部6eが、単に水平方向に伸びる板状に形成されていたので、天板6の段差部6a,6eの強度が十分でなく、その上方から大きな荷重が加えられた際には、その段差部6a,6eが変形するおそれがあるという問題があった。
【0026】
また、フロアパネル2の天板6の段差部6eの強度が不十分であると、その上に載置される蓋部材18にその上方から大きな荷重が加えられた際には、天板6の段差部6eがその大きな荷重を十分に支えることができないために、段差部6eの他に蓋部材18が変形するおそれがあるという問題もあった。
【0027】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みて、フロアパネルの段差部の強度を向上させることができ、その上方から大きな荷重が加えられてもその段差部が変形するのを防止することができるフロアパネル及びその製造方法を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0028】
上記課題を解決するために、本発明によるフロアパネルは、
上板部材と下板部材により形成された空間の内部に補強部材を内包するフロアパネルにおいて、
前記上板部材と
、前記下板部材
のそれぞれの周縁部
は、互い
に重なり合うように折れ曲がった状態で結合され
ており、
前記上板部材は、
その上面よりも下方に凹んだ位置において、前記上面に対して平行に伸びる段差部を有
し、
前記補強部材は、前記上板部材の前記段差部の内側面に沿うような形状の段差部を有し、
前記上板部材の前記段差部は、その下面が前記補強部材の前記段差部の上面に接触するように形成され、
前記上板部材の周縁部と互いに重なり合うように折れ曲がった前記下板部材の周縁部の上端面が、その鉛直方向上側に対向するように配置された前記上板部材の前記段差部の下面に対して接触しないように形成されたことを特徴とするものである。
【0030】
また、本発明によるフロアパネルは、
前記上板部材の
前記段差部は、前記フロアパネルの四隅部に形成されたことを特徴とするものである。
【0031】
また、本発明によるフロアパネルは、
前記上板部材の
前記段差部は、前記フロアパネルの側辺部に形成されたコの字状の開口部の周縁部に形成されたことを特徴とするものである。
【0032】
また、上記課題を解決するために、本発明によるフロアパネルの製造方法は、
上板部材と下板部材により形成された空間の内部に補強部材を内包
し、
前記上板部材と
、前記下板部材
のそれぞれの周縁部
は、互い
に重なり合うように折れ曲がった状態で結合され、
前記上板部材は、
その上面よりも下方に凹んだ位置において、前記上面に対して平行に伸びる段差部を
有し、
前記補強部材は、前記上板部材の前記段差部の内側面に沿うような形状の段差部を有し、
前記上板部材の前記段差部は、その下面が前記補強部材の前記段差部の上面に接触するように形成され、
前記上板部材の周縁部と互いに重なり合うように折れ曲がった前記下板部材の周縁部の上端面が、その鉛直方向上側に対向するように配置された前記上板部材の前記段差部の下面に対して接触しないように形成されたフロアパネルの製造方法において、
前記上板部材と前記下板部材は、それぞれの周縁部が互いの先端部を巻き込むように折り畳まれることにより結合され、
前記上板部材と前記補強部材を同時にプレス加工して前記上板部材に
前記段差部を形成したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0033】
このような本発明のフロアパネルによれば、
上板部材と下板部材により形成された空間の内部に補強部材を内包するフロアパネルにおいて、
前記上板部材は、前記補強部材と同時にプレス加工されて形成された段差部を有することにより、
フロアパネルの段差部の強度を向上させることができ、その上方から大きな荷重が加えられてもその段差部が変形するのを防止することができる。
【0034】
また、本発明のフロアパネルの製造方法によれば、
上板部材と下板部材により形成された空間の内部に補強部材を内包するフロアパネルの製造方法において、
前記上板部材と前記補強部材を同時にプレス加工して前記上板部材に段差部を形成したことにより、
フロアパネルの段差部の強度を向上させることができ、その上方から大きな荷重が加えられてもその段差部が変形するのを防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明に係るフロアパネル及びその製造方法を実施するための形態について、図面に基づいて具体的に説明する。
【0037】
図1から
図8は、本発明の第1の実施の形態に係るフロアパネル40及びその製造方法について説明するために参照する図である。
【0038】
本実施の形態に係るフロアパネル40は、
図1に示すように、天板44(上板部材)と、底板46(下板部材)と、これらの間に配置された補強部材50により構成されている。ここで、天板44と底板46は共に鋼板材を用いて形成されている。
【0039】
図2に示すように、フロアパネル40は、天板44と底板46の互いの周縁部44d,46d同士が結合されることにより、内部空間48を有する中空状に形成されている。そして、フロアパネル40は、その段差部44a,44eと、底板46の底板部46aとの上下間に内部空間48a,48b(
図1,7参照)が形成されており、これらの内部空間48,48a,48bには補強部材50が設置されている。
【0040】
フロアパネル40の天板44は、
図3に示すように、略正方形の板状に形成されており、その四隅部それぞれには、その平面形状が四半円弧状のテーパ部44bと、同様の四半円弧状の段差部44aが形成されている。
【0041】
すなわち、天板44の四隅部には、
図2に示すように、図中左下方向に傾斜するテーパ部44bと、このテーパ部44bの下端部から上面44cと平行に伸びて、かつ段差を有する段差部44aが形成されている。
【0042】
フロアパネル40の底板46は、
図4に示すように、その底板部46aが天板44の段差部44aの下方の周縁部より、略垂直に折り曲げられた側板部46bが形成されており、この側板部46bの上端部から略垂直に折り曲げられて、図中水平方向外側に向かって伸びる周縁部46dが形成されている。このため、底板46は、側板部46bの水平方向内側に内部空間を有する箱状に形成されている。
【0043】
図4に示すように、底板46の上方の周縁部46dは、天板44の周縁部44dに重なるように接触した後、
図5に示すように、その周縁部46dの先端部が、天板44の周縁部44dの内側に巻き込まれるように、天板44の周縁部44dと共に折り畳まれることにより、天板44と底板46は一体的に接合されている。
【0044】
フロアパネル40は、天板44の周縁部44dが、底板46の周縁部46dと共に、フロアパネル40の四辺にわたって一体的に接合されているため、天板44と、底板46の底板部46aと、側板部46bにより囲まれた内部空間48(第1の空間)を有する中空状に形成されている。
【0045】
そして、
図1に示すように、フロアパネル40の天板44の段差部44aと、その下方の底板46の底板部46aとの上下間の隙間状の空間もまた、内部空間48の一部分となっている。この内部空間48の、天板44の段差部44aと、その下方の底板46の底板部46aとの上下間の隙間状の空間を説明の便宜上、第2の内部空間48a(第2の空間)とする。
【0046】
また、
図6に示すように、フロアパネル40は、その側辺部に略矩形状に入り込むような開口部40aが形成されている。そして、
図7に示すように、フロアパネル40の開口部40aを構成する略コの字状の3つの側辺部には、天板44の上面44cから下方に向かう、その断面がテーパ状のテーパ部44fと、そのテーパ部44fの下端部から、開口部40aの中央側に、かつ水平方向に伸びるような段差部44eが形成されている。
【0047】
図7に示すように、この天板44の段差部44eの上面には、天板44の上面44dより高さが一段下がった位置に水平の段差面44hが形成されている。この天板44の段差面44h上に、
図11に示す蓋部材18を載置させて、蓋部材18の下面を接触させることにより、フロアパネル40の開口部40aを閉塞することができる。
【0048】
図7に示すように、フロアパネル40の天板44の段差部44eと、その下方の底板46の底板部46aとの上下間の隙間状の空間もまた、内部空間48の一部分となっている。この内部空間48の、天板44の段差部44eと、その下方の底板46の底板部46aとの上下間の隙間状の空間を説明の便宜上、第2の内部空間48b(第2の空間)とする。
【0049】
図2に示すように、フロアパネル40の内部空間48内には、所定の厚さを有する板状の補強部材50が、天板44と、底板46の底板部46aの間に挟まれて設置されている。
【0050】
この補強部材50は、木質材料が用いられて一体的に形成された板状部材である。具体的には補強部材50には、木材を小さな木片に砕いて乾燥させ、接着剤を加えて高温高圧の下で成形されて一体的に形成された板状のパーティクルボードが用いられている。
【0051】
図3に示すように、補強部材50は、その四隅部に隅面50aが形成された略正方形の板状に形成されており、同図中下側の側辺部(下辺部)には、略矩形状に入り込むような切欠き部50bが形成されている。
【0052】
図4に示すように、補強部材50は、上述したフロアパネル40の天板44と底板46の結合前に、底板46の側板部46bの水平方向内側に設置される。
【0053】
そして、補強部材50の平面形状は、後述する製造方法により、底板46の側板部46bの内側の水平断面形状に沿うような、その水平断面形状とほぼ同様の形状に形成されている。
【0054】
このため、フロアパネル40は、
図2に示すように、補強部材50の側面と、底板46の側板部46bの内側面との間に隙間が形成されているが、この隙間の水平長さ寸法は、
図12に示す従来のフロアパネル2の、補強部材12の側面と、底板8の側板部8bの内側面との間の隙間の水平長さ寸法に比べて著しく小さな寸法となっている。
【0055】
また同様に、フロアパネル40は、
図1に示す補強部材50の隅面50aと、底板46の側板部46bの隅部の内側面との間に隙間が形成されているが、この隙間の水平長さ寸法は、
図14に示す従来のフロアパネル2の、補強部材12の隅面12aと、底板8の側板部8bの内側面との間の隙間Sの水平長さ寸法に比べて著しく小さくなっている。
【0056】
同様に、フロアパネル40の、
図3及び
図7に示す補強部材50の切欠き部50bと、底板46の側板部46bの、コの字状を構成する側辺部の内側面との間に形成された隙間も、従来のフロアパネル2と比べるとその水平長さ寸法が著しく小さくなっている。
【0057】
図8に示すように、フロアパネル40は、基礎床面3上に立設する支持脚42と共にフリーアクセスフロア構造41を構成するようになっている。そして、フロアパネル40を支持する支持脚42は、パネル調整台56と脚部58により構成されている。
【0058】
支持脚42のパネル調整台56は、前記従来のフロアパネル2におけるパネル調整台14と同様に、脚部58の外周部に形成されたオネジ部58aを介して、その基礎床面3からの高さ位置を調整することができ、ネジ部材15を締め付けることにより、基礎床面3から所望の高さ位置に固定されるようになっている。
【0059】
パネル調整台56は、その支持面56a上に、複数のフロアパネル40の底板46の、底面46cの四隅部のいずれか1つずつが載置されている。そして、この底面46cの四隅部を介して、フロアパネル40にその上方から加えられた荷重を、複数の支持脚42により支持するようになっている。
【0060】
フロアパネル40は、皿ボルト17のオネジ部17bを、パネル調整台56の軸線部上端側のネジ孔56bに締め付けることにより、その天板44の四隅部の段差部44aが、皿ボルト17の皿頭部17aにより下方に押え付けられて、パネル調整台56の支持面56a上に固定されている。
【0061】
そして、複数のフロアパネル40は、それぞれの段差部44aを1箇所に寄せ集めて突き合わせるように配置され、1つの同じパネル調整台56に共に固定されている。
【0062】
このため、フロアパネル40は、
図11に示す従来のフロアパネル2と同様に、複数のパネルそれぞれの四隅部の1つずつが1箇所に寄せ集めて突き合わされて、基礎床面3から上方に空間を隔てた水平面上に、上から見て縦横二軸両方向に互いに隣接して配置されており、基礎床面3上に立設された支持脚42に着脱可能に支持されるようになっている。
【0063】
次に、
図1から
図7に基づいて、フロアパネル40の製造方法、特にフロアパネル40の天板44の段差部44a,44eの形成方法について説明する。
【0064】
まず、
図4に示すように、フロアパネル40の底板46は、プレス加工により側板部46bの水平方向内側に内部空間を有する箱状に形成される。
【0065】
補強部材50は、底板46の内部空間内に設置される前に、その上面に上型が上方から適度な力で押し付けられた状態で、その上型の外形形状に沿うような形状をした、金属切断等に用いられるような鋭利な刃が、上型の外側面に接触しながら押し下げられることにより、切断されてその平面形状が形成されている。
【0066】
このような補強部材50は、上型が上記適度な力で押し付けられた状態で切断されるため、その切断の際に加えられる力によって、接着剤を介して相互に接着されていた小さな木片が相互に離隔することを防止することができ、その平面方向の寸法精度を高いものとすることができる。
【0067】
このため、補強部材50の平面形状は、底板46の側板部46bの内側の水平断面形状に沿うような、その水平断面形状とほぼ同様の形状に形成することができる。
【0068】
補強部材50は、底板46の内部空間内に設置されて、その上に天板44が載せられる。ここで、補強部材50は、その厚さ方向の両端面が天板44の下面と底板46の底板部46aの上面それぞれとの間に、接着剤を介して接着される。このため、補強部材50は、天板44と、底板46の底板部46aの間に挟まれてそれらに固定される。
【0069】
図5に示すように、補強部材50の上に天板44を載せた状態でプレス加工をして、天板44と底板46の互いの周縁部44d,46d同士が結合されることにより、フロアパネル40が設けられている。
【0070】
そして、フロアパネル40の隅部における天板44の段差部44a及びテーパ部44bは、周縁部44d,46d同士の結合後に、
図5に示すように、天板44の下面と補強部材50の上端部を接触させた状態で、天板44と補強部材50を一緒にプレス加工することによりその形状が形成されているので、
図1に示すように、補強部材50の上端部は、天板44の段差部44a及びテーパ部44bの内側面に沿うような、それらの内側面と凹凸が入れ替っただけのほぼ同様の形状に形成されている。
【0071】
すなわち、補強部材50は、その四隅部のそれぞれに、天板44の段差部44a及びテーパ部44bの内側面に沿うような、段差部50cとテーパ部50dが形成されている。
【0072】
このため、フロアパネル40の隅部における内部空間48aには、補強部材50がその上端部の段差部50cとテーパ部50dを、天板44の段差部44aとテーパ部44bのそれぞれの内側面に接触させ、かつその下端部を底板46の底板部46aに接触させるようにして設置されている。
【0073】
上記のような、フロアパネル40の隅部における天板44の段差部44a及びテーパ部44bと同様に、
図3及び
図7に示すような、フロアパネル40の開口部40aにおける天板44の段差部44e及びテーパ部44fも、周縁部44d,46d同士の結合後に、補強部材50の上端部を接触させた状態でプレス加工することにより形成されているので、補強部材50の上端部は、天板44の段差部44e及びテーパ部44fの内側面に沿うような、それらの内側面と凹凸が入れ替っただけのほぼ同様の形状に形成されている。
【0074】
すなわち、
図7に示すように、補強部材50は、その切欠き部50bに、天板44の段差部44e及びテーパ部44fの内側面に沿うような、段差部50eとテーパ部50fが形成されている。
【0075】
このため、フロアパネル40の内部空間48bには、補強部材50がその上端部の段差部50eとテーパ部50fを、天板44の段差部44eとテーパ部44fのそれぞれの内側面に接触させ、かつその下端部を底板46の底板部46aに接触させるようにして設置されている。
【0076】
本実施の形態に係るフロアパネル40は、
図1及び
図7に示すように、その天板44の段差部44a,44eと、それらの下方の底板46の底板部46aとの間に補強部材50が挟みこまれているため、それらの段差部44a,44eの強度を向上させることができて撓み難くなっており、それらの上方から荷重が加えられた際に、段差部44a,44eが変形することを確実に防止することができる。
【0077】
また、天板44の段差部44eの上に載置された蓋部材18は、その上方から加えられた荷重を、段差部44eにより支持することができるため、蓋部材18が変形することを確実に防止することもできる。
【0078】
したがって、以上に説明したように、本実施の形態に係るフロアパネル40によれば、その段差部44a,44eの強度を向上させることができ、その上方から大きな荷重が加えられてもその段差部44a,44eが変形するのを防止することができる。
【0079】
図9及び
図10は、本発明の第2の実施の形態に係るフロアパネル60及びその製造方法について説明するために参照する図である。
【0080】
本実施の形態に係るフロアパネル60は、
図9に示すように、前記第1の実施の形態における天板44の代わりに、天板62(上板部材)を備えるようになっている点において、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル40とは異なるものである。
【0081】
すなわち、本実施の形態における天板62は、
図10に示すように、その天板部62eが略垂直に折り曲げられた側板部62fが形成されており、この側板部62fの下端部から略垂直に折り曲げられて、図中水平方向外側に向かって伸びる周縁部62dが形成されている。このため、天板62は、側板部62fの水平方向内側に内部空間を有する箱状に形成されている。
【0082】
次に、
図9及び
図10に基づいて、フロアパネル60の製造方法、特にフロアパネル60の天板62の段差部62aの形成方法について説明する。
【0083】
図10に示すように、フロアパネル60の天板62と底板46は、プレス加工により側板部62f,46bの水平方向内側に内部空間を有する箱状に形成される。
【0084】
補強部材50は、箱状に形成された天板62と底板46の内部空間48内に設置される。ここで、補強部材50は、その厚さ方向の両端面が、天板62の天板部62eの下面と底板46の底板部46aの上面それぞれとの間に、接着剤を介して接着される。このため、補強部材50は、天板62の天板部62eと、底板46の底板部46aの間に挟まれてそれらに固定される。
【0085】
図9に示すように、天板62と底板46の互いの周縁部62d,46d同士がプレス加工により結合されることにより、フロアパネル60が設けられている。
【0086】
そして、フロアパネル60の隅部における天板62の段差部62aとテーパ部62bは、周縁部62d,46d同士の結合後に、天板62の天板部62eの下面と補強部材50の上端部を接触させた状態で、天板62と補強部材50を一緒にプレス加工することによりその形状が形成されているので、
図9に示すように、補強部材50の上端部には、天板62の段差部62a及びテーパ部62bの内側面に沿うような、段差部50cとテーパ部50dが形成されている。
【0087】
このため、フロアパネル60の隅部における内部空間48aには、補強部材50がその上端部の段差部50cとテーパ部50dを、天板62の段差部62aとテーパ部62bのそれぞれの内側面に接触させ、かつその下端部を底板46の底板部46aに接触させるようにして設置されている。
【0088】
このような本実施の形態に係るフロアパネル60によっても、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル40と同様の効果を得ることができる。
【0089】
なお、本発明は、前記実施の形態にのみ限定されるものではなく、本発明の目的を達成することができる範囲内であれば、フロアパネル及びその製造方法について種々の変更が可能である。
【0090】
例えば、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル40は、その内部空間48,48a,48b内に一体的に形成されたパーティクルボードを用いた板状の補強部材50が設置されていたが、それらの内部空間48,48a,48b内にはパーティクルボード以外の他の木質材料、又は木質材料以外のコンクリート等の他の材料により形成された補強部材が設置されていてもよい。
【0091】
また、コンクリート等の他の材料により形成された補強部材を用いる場合には、一体的に形成された板状部材でなくてもよいし、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル40を天板44と底板46により形成した後、かつ段差部44a,44eの形成前に、その内部空間内に補強部材を充填するようになっていてもよい。
【0092】
また、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル40においては、天板44の外周部の段差部44a,44eの下方に内部空間48a,48bを形成して、これらの内部空間48a,48bに補強部材50を設置するようになっていたが、天板44の外周部の段差部44a,44e以外の段差部、又は外周部の段差部以外の段差に本発明を適用してもよい。
【0093】
また、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル40においては、天板44の上面44cを有する板部と段差部44a,44eの間に、段差部44a,44eに向かって傾斜するテーパ部44b,44fが形成されていたが、これらのテーパ部44b,44fは形成されていなくてもよい。すなわち、テーパ部44b,44fの代わりに、天板44の上面44cを有する板部と段差部44a,44eとを繋ぐ垂直方向に伸びる板部が形成されていてもよい。
【0094】
また、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル40においては、補強部材50の側面と、底板46の側板部46bの内側面との間、補強部材50の隅面50aと、底板46の側板部46bの内側面との間、及び補強部材50の切欠き部50bと、底板46の側板部44bの、コの字状を構成する内側面との間にそれぞれ隙間が形成されていたが、これらの間に隙間が形成されずに、互いに対向する各部材の各面が直接接触するようになっていてもよい。
【0095】
また、前記第1の実施の形態における補強部材50は、その側面に、略矩形状に入り込んだ切欠き部50bが1つ形成されていたが、フロアパネルの側辺部に、略矩形状に入り込んだ開口部が複数形成されている場合には、補強部材にも複数の切欠き部が形成されていてもよい。
【0096】
また、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル40は、天板44と底板46の互いの周縁部44d,46d同士を折り曲げて畳むことにより結合されていたが、天板44の外周部の段差部44a,44eの下方に内部空間48a,48bを形成して補強部材50を設置することができるようになっていれば、溶接やカシメ等の別の方法により接合されていてもよい。
【0097】
また、
図11においては、説明の便宜上、1つの支持脚4が3枚のフロアパネル2それぞれの隅部を支持する場合について示してあるが、1つの支持脚4は4枚のフロアパネル2の隅部を支持することができると共に、それが本来の支持脚4の使い方であることはいうまでもなく、本実施の形態に係るフロアパネル40についても同様である。