(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5987030
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年9月6日
(54)【発明の名称】タイヤ空気圧モニタリングシステム
(51)【国際特許分類】
B60C 23/04 20060101AFI20160823BHJP
G01L 17/00 20060101ALI20160823BHJP
【FI】
B60C23/04 E
G01L17/00 301P
【請求項の数】7
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-168192(P2014-168192)
(22)【出願日】2014年8月21日
(65)【公開番号】特開2016-43750(P2016-43750A)
(43)【公開日】2016年4月4日
【審査請求日】2014年8月21日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】504333868
【氏名又は名称】嵩鎔精密工業股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】黄 文火
【審査官】
谷治 和文
(56)【参考文献】
【文献】
特許第3061047(JP,B2)
【文献】
特開2007−022384(JP,A)
【文献】
米国特許第06507276(US,B1)
【文献】
特開2006−232130(JP,A)
【文献】
特開2007−237781(JP,A)
【文献】
特開2003−211924(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 23/04
G01L 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両にあるタイヤ上にそれぞれ設置して装置識別コードを有し、常態的に前記車両にあるタイヤ状態を検出してタイヤ状態情報を出力する検出ユニットと、前記検出ユニットに電気的に接続することで、前記タイヤ状態情報及び前記装置識別コードを伝送する第一データ伝送ユニットとを包括する複数のタイヤ空気圧検出モジュールと、
各前記タイヤ空気圧検出モジュールに電気的に接続し、且つ各前記第一データ伝送ユニットに接続することで各前記タイヤ空気圧検出モジュールに対応する前記装置識別コード及び前記タイヤ状態情報を受信する第二データ伝送ユニットと、前記第二データ伝送ユニットからこれ等装置識別コード及びこれ等タイヤ状態情報を取得し、各前記装置識別コードを装置選択コードとそれぞれ関連させて読み取るデータ処理ユニットと、前記データ処理ユニットと電気的に接続し、前記データ処理ユニットから取得した前記タイヤ状態情報を表示する表示ユニットと、前記データ処理ユニットと電気的に接続し、制御手段により前記データ処理ユニットに向かって少なくとも一つの選択信号を出力する無段式ノブと、前記情報処理ユニットに接続し、運転者の触発により前記データ処理ユニットが前記データ処理ユニットに予め設定された複数のミッションモードのいずれかに入るようにする設定部材とを包括し、そのうち、前記選択信号と前記装置選択コードとは互いに関連し合い、且つ前記データ処理ユニットが前記選択信号を受信した場合、対応する前記装置選択コードで相応する前記タイヤ状態情報を読み取り、前記表示ユニットに出力し、前記表示ユニットは図式化インターフェイスを介して前記タイヤ状態情報を表示し、これ等ミッションモードは、データ図形化モードを包含し、前記データ処理ユニットは、前記データ図形化モードにおいて、前記装置識別コードのモニタリング時間内に対応するこれ等タイヤ状態情報のいずれかに対してデータ処理を行うことで、これ等タイヤ状態情報をタイヤ空気圧模擬図形化データに転換して前記表示ユニットに表示し、前記データ処理ユニットは前記模擬図形化データにフラグデータをさらに包括し、前記フラグデータは前記模擬図形化データにある時点のいずれかを標記し且つ前記無段式ノブが出力する前記選択信号の制御を受けて前記フラグデータが前記模擬図形化データに標記する時点を変化することを特徴とするタイヤ空気圧モニタリングシステム。
【請求項2】
前記情報表示モジュールは、前記情報処理ユニットに電気的に接続し、各前記装置識別コード及び各前記タイヤ状態情報を保存するデータ保存ユニットをさらに包括することを特徴とする請求項1に記載のタイヤ空気圧モニタリングシステム。
【請求項3】
これ等ミッションモードは、異常警告モードを包含し、前記異常警告モードにおいて、前記データ処理ユニットは、前記データ処理ユニットに予め設定され、各前記タイヤ状態情報を比較して判断を行い、符合する場合は前記データ処理ユニットが前記表示ユニットに向かって警告信号を出力し、これを表示する異常条件を有するすることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ空気圧モニタリングシステム。
【請求項4】
これ等ミッションモードは、異常条件設定モードを包含し、前記異常条件設定モードにおいて、前記データ処理ユニットは、前記無段式ノブが出力する前記選択信号によって、前記タイヤ状態情報を比較するための比較基準値とする前記異常条件を決定することを特徴とする請求項1に記載のタイヤ空気圧モニタリングシステム。
【請求項5】
これ等ミッションモードは、タイヤ状態ポーリングモードを包含し、前記データ処理ユニットは、前記タイヤ状態ポーリングモードにおいて、一定の間隔で順次に各前記装置選択コードを読み取り、それに相応する前記タイヤ状態情報をさらに読み取り、前記表示ユニットに出力して表示を行うことを特徴とする請求項1に記載のタイヤ空気圧モニタリングシステム。
【請求項6】
これ等ミッションモードは、タイヤパラメータ設定モードを包含し、前記タイヤパラメータ設定モードにおいて、前記データ処理ユニットは、前記無段式ノブが出力する前記選択信号によって、前記車両にあるタイヤのタイヤパラメータを決定することを特徴とする請求項1に記載のタイヤ空気圧モニタリングシステム。
【請求項7】
これ等ミッションモードは、タイヤ空気圧検出モジュールマッチングモードを包含し、前記タイヤ空気圧検出モジュールマッチングモードにおいて、前記データ処理ユニットは、前記第二データ伝送ユニットに接続範囲内で取得可能な全ての前記装置識別コードを検索させ、前記装置識別コードを以前に取得したことがあるか否かを判断しており、検索できなかった場合は、前記無段式ノブが出力する前記選択信号によって、前記装置識別コードに対応する前記タイヤ空気圧検出モジュールを決定して接続を行うことを特徴とする請求項1に記載のタイヤ空気圧モニタリングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転者が必要に応じて車両上にある全てのタイヤ空気圧の状態を速やかに知り得ることができるタイヤ空気圧モニタリングシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
統計によると、高速道路上で発生した交通事故の七割以上がパンクによって引き起こったとしているが、日ごろから自主的に車両のタイヤ状態を検査する習慣があるのは操縦者の一割にも満たない。このことから分かるとおり、車両のタイヤの異常というのは、以前より全ての運転者にとって最も予防し難い問題であるため、どのようにして、常態的にタイヤ状態を検出し、車両のタイヤ状態が異常であった場合、早急に運転者に注意を促し、さらに事故による死傷を未然に防ぐタイヤ空気圧検出補助システムを構築するかが急務となっている。
【0003】
従来のタイヤ空気圧検出補助システムは、通常、複数のタイヤ空気圧検出モジュールを有しており、前記タイヤ空気圧検出モジュール毎で車両のタイヤ状態をそれぞれ検出し、車両のタイヤ状態が異常であった場合、ブザー或いは警告ランプを設置することにより、即刻運転者に注意を促しているが、従来のタイヤ空気圧検出補助システムでは、運転者は全てのタイヤ空気圧の状態情報を速やかに知り得ることができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の主要な目的は、運転者が車両上にある全てのタイヤ空気圧の状態を速やかに知り得ることにある。
【0005】
また、本発明のもう一つの目的は、車両上にあるタイヤのモニタリング時間内における空気圧の変化をシュミレーションする模擬図形化データを提供することで、運転者は前記模擬図形化データにより、走行過程におけるタイヤのタイヤ空気圧に異常が発生し易い時点を速やかに知り得ることができることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するため、本発明は、複数のタイヤ空気圧検出モジュールと情報表示モジュールとを包括するタイヤ空気圧モニタリングシステムを提供している。各前記タイヤ空気圧検出モジュールは、車両にあるタイヤ上にそれぞれ設置して装置識別コードを有し、また、各前記タイヤ空気圧検出モジュールは、常態的に前記車両にあるタイヤ状態を検出してタイヤ状態情報を出力する検出ユニットと、前記検出ユニットに電気的に接続することで、前記タイヤ状態情報及び前記装置識別コードを伝送する第一データ伝送ユニットとをさらに包括している。前記情報表示モジュールは、各前記タイヤ空気圧検出モジュールに電気的に接続し、且つ各前記第一データ伝送ユニットに接続することで各前記タイヤ空気圧検出モジュールに対応する前記装置識別コード及び前記タイヤ状態情報を受信する第二データ伝送ユニットと、前記第二データ伝送ユニットからこれ等装置識別コード及びこれ等タイヤ状態情報を取得し、各前記装置識別コードを装置選択コードとそれぞれ関連させて読み取るデータ処理ユニットと、前記データ処理ユニットと電気的に接続し、前記データ処理ユニットから取得した前記タイヤ状態情報を表示する表示ユニットと、前記データ処理ユニットと電気的に接続し、制御手段により前記データ処理ユニットに向かって少なくとも一つの選択信号を出力する無段式ノブとを包括している。そのうち、前記選択信号と前記装置選択コードとは互いに関連し合い、且つ前記データ処理ユニットが前記選択信号を受信した場合、対応し合う前記装置選択コードで相応する前記タイヤ状態情報を読み取り、前記表示ユニットに出力してデータの表示を行っている。
【0007】
また、実施例において、前記情報表示モジュールは、前記情報処理ユニットに電気的に接続し、各前記装置識別コード及び各前記タイヤ状態情報を保存するデータ保存ユニットをさらに包括している。
【0008】
また、実施例において、前記情報表示モジュールは、前記情報処理ユニットに接続し、運転者の触発により前記データ処理ユニットが前記データ処理ユニットに予め設定されたミッションモードに入るようにする設定部材をさらに包括している。
【0009】
また、実施例において、前記ミッションモードは、異常警告モードであって、前記異常警告モードにおいて、前記データ処理ユニットは、前記データ処理ユニットに予め設定され、各前記タイヤ状態情報を比較して判断を行い、符合する場合は前記データ処理ユニットが前記表示ユニットに向かって警告信号を出力し、これを表示する異常条件を有している。
【0010】
また、実施例において、前記ミッションモードは、異常条件設定モードであって、前記異常条件設定モードにおいて、前記データ処理ユニットは、前記無段式ノブが出力する前記選択信号によって、前記タイヤ状態情報を比較するための比較基準値とする前記異常条件を決定している。
【0011】
また、実施例において、前記ミッションモードは、データ図形化モードであって、前記データ処理ユニットは、前記データ図形化モードにおいて、前記装置識別コードのモニタリング時間内に対応するこれ等タイヤ状態情報のいずれかに対してデータ処理を行うことで、これ等タイヤ状態情報をタイヤ空気圧模擬図形化データに転換して前記表示ユニットに表示している。
【0012】
また、実施例において、前記ミッションモードは、タイヤ状態ポーリングモードであって、前記データ処理ユニットは、前記タイヤ状態ポーリングモードにおいて、一定の間隔で順次に各前記装置選択コードを読み取り、それに相応する前記タイヤ状態情報をさらに読み取り、前記表示ユニットに出力して表示を行っている。
【0013】
また、実施例において、前記ミッションモードは、タイヤパラメータ設定モードであって、前記タイヤパラメータ設定モードにおいて、前記データ処理ユニットは、前記無段式ノブが出力する前記選択信号によって、前記車両にあるタイヤのタイヤパラメータを決定している。
【0014】
また、実施例において、前記ミッションモードは、タイヤ空気圧検出モジュールマッチングモードであって、前記タイヤ空気圧検出モジュールマッチングモードにおいて、前記データ処理ユニットは、前記第二データ伝送ユニットに接続範囲内で取得可能な全ての前記装置識別コードを検索させ、前記装置識別コードを以前に取得したことがあるか否かを判断しており、検索できなかった場合は、前記無段式ノブが出力する前記選択信号によって、前記装置識別コードに対応する前記タイヤ空気圧検出モジュールを決定して接続を行っている。
【発明の効果】
【0015】
以上において叙述した本発明の構成から従来の実施方法を比較すると、本発明は以下のような利点を有する。
【0016】
第一に、本発明は無段式ノブを提供することで、運転者は制御手段により少なくとも一つの選択信号を発生させる操作を行い、前記データ処理ユニットは前記選択信号を受信してそれに相応する前記装置識別コードを解読し、対応する前記タイヤ空気圧検出モジュールで発生する前記タイヤ状態情報を読み取り、前記表示ユニットにおいてこれを表示しており、このことから、運転者の需要に応じて車両上にある全てのタイヤ状態を速やかに知り得ることができる。
【0017】
第二に、本発明は、前記情報表示モジュールにおいて、データ図形化モードを予め設定しており、前記データ図形化モードにより、前記表示ユニットは選択したタイヤのモニタリング時間内におけるタイヤ空気圧の変化を呈しており、運転者が走行過程におけるタイヤのタイヤ空気圧に異常が発生し易い時点を観察することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明に係るデータ表示モジュールの外観を示す模式図である。
【
図2】本発明に係るユニット構成を示す模式図である。
【
図5】本発明に係る実施例である異常警告モードの実施を示す模式図である。
【
図6】本発明に係る実施例であるデータ図形化モードの実施を示す模式図である。
【
図7】本発明に係る実施例であるデータ図形化モードの実施を示す模式図である。
【
図8】本発明に係る実施例であるメニューモードの実施を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明に係る詳細な説明及び技術内容について、図面を参照しつつ以下において説明する。
【0020】
まず、
図1乃至
図3を参照すると、図示されているように、本発明は、タイヤ空気圧モニタリングシステム1であって、前記タイヤ空気圧モニタリングシステム1は、複数のタイヤ空気圧検出モジュール2及び情報表示モジュール3から構成されている。さらに具体的に説明すると、本発明に係る各前記タイヤ空気圧検出モジュール2は、車両上にあるタイヤ毎に応じてそれぞれ設置し、且つ設置の数量は車両上にあるタイヤに応じて数量の調整を行うことができる。本発明は、十六個のタイヤを有する大型車両を例として挙げ、各前記タイヤは車両上にそれぞれ設置され、且つ対応する各前記タイヤで発生するタイヤ空気圧の状態を明確にするため、本発明は各前記タイヤ空気圧検出モジュール2に装置識別コードD1をさらに有するようにしている。本発明に係る各前記タイヤ空気圧検出モジュール2の実施態様は主に二つあり、そのいずれかはタイヤ内部式タイヤ空気圧検出器、もう一つはタイヤ外部式タイヤ空気圧検出器であって、上述のいずれの実施態様を問わずして実施を行っており、前記タイヤ空気圧検出モジュール2は、検出ユニット21と、第一データ伝送ユニット22とを包括しており、そのうち、前記検出ユニット21は設置したタイヤのタイヤ内部の状態を常態的に検出し、タイヤ状態情報D2を出力しており、前記タイヤ状態情報D2は、タイヤ内部圧力或いはタイヤ内部温度のいずれかであってよい。また、本発明に係る前記検出ユニット21がタイヤのタイヤ内部状態を検出するタイミングは、走行過程における車両だけでなく、車両が駐車している時でも行える。前記第一データ伝送ユニット22は前記検出ユニット21からの前記タイヤ状態情報D2を常態的に受信することで、前記情報表示モジュール3に伝送している。また、本発明に係る前記第一データ伝送ユニット22は、前記タイヤ状態情報D2を伝送するだけでなく、前記タイヤ空気圧検出モジュール2を表す前記装置識別コードD1をさらに同時に伝送している。
【0021】
次に、繰り返して
図2を参照すると、前記情報表示モジュール3は、各前記タイヤ空気圧検出モジュール2に電気的に接続し、第二データ伝送ユニット31と、データ処理ユニット32と、表示ユニット33と、無段式ノブ34とを包括している。そのうち、前記第二データ伝送ユニット31は、各前記タイヤ空気圧検出モジュール2の各前記第一データ伝送ユニット22と電気的に接続することで、各前記第一データ伝送ユニット22が出力した各前記タイヤ状態情報D2を受信している。本発明に係る前記第二データ伝送ユニット31と前記第一データ伝送ユニット22との間は、有線或いは無線を介してデータの伝送を行っている。例えば、ブルートゥースプロトコルで無線伝送を行っている。
【0022】
また、前記データ処理ユニット32は、前記第二データ伝送ユニット31に電気的に接続し、前記第二データ伝送ユニット31から前記第一データ伝送ユニット22が出力した前記装置識別コードD1及び前記タイヤ状態情報D2を取得している。また、前記データ処理ユニット32は、前記データ処理ユニット32内に予め設定された複数の装置選択コードと受信した各前記装置識別コードD1とをさらに関連させて読み取ることができる。上述のとおり、車両上には十六個のタイヤ空気圧検出モジュール2が設置されているため、前記第二データ伝送ユニット31は十六個の数値の異なる前記装置識別コードD1を受信し、前記データ処理ユニット32が予め設定したこれ等装置選択コードによって、各前記装置識別コードD1にそれぞれ対応しており、即ち、各前記装置選択コードは前記装置識別コードD1のいずれかにのみ対応している。さらにまた、前記表示ユニット33は、前記データ処理ユニット32と電気的に接続し、前記データ処理ユニット32から前記タイヤ状態情報D2を受信して表示を行っている。さらにいうと、本発明に係る実施例において、前記表示ユニット33は通電した後、図形化インタフェイス4をさらに表示しており、前記図形化インタフェイス4は、タイヤ位置表示ブロック41及びタイヤ情報表示ブロック42を有している。そのうち、前記タイヤ位置表示ブロック41は、車両グラフィック及び複数のタイヤグラフィックを表示しており、前記車両グラフィック及び前記タイヤグラフィックは前材実施の車両の態様を表現しており、各前記タイヤグラフィックの設置位置も実際の車両上にあるタイヤの位置に相当し且つ各前記タイヤグラフィックは前記装置選択コードのいずれかに対応している。また、前記タイヤ位置表示ブロック41が表示する図形は、設置した車両の違いによって調整することができ、且つ本発明に係る前記タイヤ位置表示ブロック41は、実施の際、運転者の選択に基づき、それに対応する前記タイヤグラフィックを顕著にすることもできる。前記タイヤ情報表示ブロック42は、タイヤ空気圧表示欄421と、タイヤ温度表示欄422と、警告信号表示欄423とを有しており、そのうち、前記タイヤ空気圧表示欄421は、前記タイヤ状態情報D2に含まれるタイヤ内部圧力数値を表示するために用いられており、前記タイヤ温度表示欄422は、前記タイヤ状態情報D2に含まれるタイヤ内部温度数値を表示するために用いられており、前記警告信号表示欄423は、前記情報表示モジュール3が受信した前記タイヤ状態情報D2が前記データ処理ユニット32に予め設定している比較基準値をすでに超えていることを運転者に警告するために用いている。
【0023】
さらにまた、本発明に係る前記無段式ノブ34は、前記データ処理ユニット32と電気的に接続し、運転者は制御手段により前記無段式ノブ34を操作することで、少なくとも一つの選択信号を発生している。なお、前記制御手段は、前記無段式ノブ34の実施方法によって異なり、例えば、前記無段式ノブ34が転動方法で操作を行う場合、前記制御手段は前記無段式ノブ34を転動させる動作を指している。前記無段式ノブ34は前記選択信号を発生した後、前記データ処理ユニット32に向かって出力し、且つ前記データ処理ユニット32が前記選択信号が表す各前記選択コードを判断できるようにするため、本発明は、さらに前記無段式ノブ34で発生した各前記選択信号毎の電気的性質を異なるものにしており、例を挙げていうと、各前記選択信号毎、電圧値の際を利用して区別を行っている。さらに具体的にいうと、実施例において、前記選択信号はロータリエンコーダ(Rotary encoder)(図示していない)をさらに包括することができ、前記ロータリエンコーダは、操作を受けて発生した回転量或いは回転した後の位置を判断して前記選択信号に転換しており、また、前記ロータリエンコーダは四つの接点を有し、三百六十度回転が可能で、各前記接点は導通状態及び閉鎖状態をそれぞれ有しており、また、前記ロータリエンコーダは前記四つの接点の設置位置及び前記ロータリエンコーダが転動可能な角度に基づき、複数の作業区間を定義しており、各前記作業区間における前記接点の状態は全て異なり、このことから、電気的性質が異なる複数の前記選択信号を発生している。また、実施例において、前記データ処理ユニット32は、前記データ処理ユニット32に接続するデータ保存ユニット35をさらに包括しており、前記データ保存ユニット35はフラッシュメモリ(Flash)或いは電気的消去可能PROM(EEPROM)であって、実施の際、前記データ保存ユニット35は前記データ処理ユニット32にデータの書き込み或いは読み取りを提供することができる。また、本発明に係る前記情報表示モジュール3は、前記データ処理ユニット32に電気的に接続し且つ外部装置と電気的に接続することができる第三データ伝送ユニット36をさらに包括することができ、前記第三データ伝送ユニット36は、電気的接続線で前記データ処理ユニット32に電気的に接続することで、前記データ処理ユニット32に対してファームウェアの更新或いはデータの読み取りといった動作を行うことを運転者に提供しており、前記第三データ伝送ユニット36はユニバーサルシリアルバス(USB)或いは汎用非同期送受信機(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter,UART)とすることができる。
【0024】
次に、
図4を参照しつつ、繰り返して
図3を参照すると、これ等は本発明の実施経過を具体的に説明しているものであって、ここで運転者が予め前記情報表示モジュール3に対応する車両の左前外輪のタイヤ状態を表示するように選択していた場合、前記表示ユニット33が通電した後発生する前記図形化インターフェイス4の前記タイヤ位置表示ブロック41には対応する前記左前外輪の前記タイヤ図形が、
図3に図示されている411のように、顕著に表示され、前記タイヤ情報表示ブロック42にある前記タイヤ空気圧表示欄421及び前記タイヤ温度表示欄422は前記左前外輪のタイヤ内部圧力数値及びタイヤ内部温度数値を表示している。その後、運転者がもう一つの左前外輪のタイヤ状態を調べたい場合は、前記無段式ノブ34を操作することで前記選択信号を発生させ、前記データ処理ユニット32は前記選択信号を受信し、前記選択信号を解読して対応する前記装置選択コードを検索しており、前記選択信号が前記もう一つの左前外輪の前記装置選択コードに対応していることを判明すると、すぐさま、前記データ処理ユニット32は前記装置選択コードに基づき、対応する前記装置識別コードD1及び前記タイヤ状態情報D2を読み取り、且つ前記装置選択コードより、
図4で図示する412のように、前記タイヤ位置表示ブロック41が表示する前記タイヤ図形を調整している。これと同時に、前記データ処理ユニット32は前記装置選択コードにより前記もう一つの左前外輪に対応する前記タイヤ状態情報D2を読み取り、前記表示ユニット33に出力して表示を行っており、前記タイヤ空気圧表示欄421及び前記タイヤ温度表示欄422は前記もう一つの左前外輪に対応するタイヤ内部圧力数値及びタイヤ内部温度数値を表示している。
【0025】
さらに繰り返して
図1を参照すると、実施例において、本発明に係る前記情報表示モジュール3は、前記データ処理ユニット32に電気的に接続する設定部材37をさらに包括しており、前記設定部材37の実施態様は様々あり、ボタンやマイクロスイッチ等とすることができる。前記設定部材37は、運転者の触発によって前記データ処理ユニット32を予め設定しているミッションモードに進入しており、前記ミッションモードは実施の需要によって異なったものとすることができる。
図5をさらに参照すると、実施例において、前記ミッションモードは異常警告モードとすることができ、前記異常警告モードにおける前記データ処理ユニット32は、前記データ処理ユニット32内に異常条件が予め設定されており、さらに具体的に説明すると、前記異常条件は比較基準値であって、前記タイヤ状態が異常に達する臨界値、或いは前記タイヤ状態が正常に属する区間値を表している。前記異常警告モードにおいて、前記データ処理ユニット32は、前記異常条件で受信した前記タイヤ状態情報D2と常態的に比較しており、受信した前記タイヤ状態情報D2のいずれかが前記異常条件において制限とする前記比較基準値に符合する場合、前記表示ユニット34に向かって警告信号を出力し、前記表示ユニット34は前記警告信号を前記警告信号表示欄423に表示しており、前記警告信号表示欄423は顕著に表示できるような方法で運転者に車両のタイヤに異常が発生していることを伝えている。また、異常警告モードにおいて、前記データ処理ユニット32は、表示している前記タイヤの前記タイヤ状態情報D2のいずれかに対して比較を行っているのではなく、前記車両にある全ての前記タイヤの前記タイヤ状態情報D2に対して比較を行っており、前記タイヤの前記タイヤ状態情報D2のいずれかが前記異常条件に符合する場合、前記データ処理ユニット32は異常のある前記装置選択コード及び前記タイヤ状態情報D2を前記表示ユニット33に出力して警告を行っている。
【0026】
また、車両に基づき前記異常条件に対して調整を行うことを運転者に提供するため、実施例において、前記データ処理ユニット32が予め設定している前記ミッションモードは異常条件設定モードとすることができ、前記異常条件設定モードにおいて、前記データ処理ユニット32は前記無段式ノブ34が出力する前記選択信号を受信しており、前記選択信号により前記異常条件を前記タイヤ状態情報D2と比較するための前記比較基準値としている。さらにいうと、運転者は、前記設定部材37を介して前記異常条件設定モードに進入し、前記無段式ノブ34を操作して前記選択信号を発生させることができ、前記データ処理ユニット32は前記選択信号を前記比較基準値の調整の程度として解読している。例を挙げていうと、前記無段式ノブ34を第一方向に向かって転動すれば、前記比較基準値が上げられ、第二方向に向かって転動すれば、前記比較基準値が下げらるようになっている。
【0027】
次に、
図6及び
図7を参照すると、本発明は上述したもの以外に、走行過程における全てのタイヤの変化を運転者に分かってもらうため、実施例において、前記データ処理ユニット32が予め設定している前記ミッションモードはデータ図形化モードとすることができる。前記データ図形化モードにおいて、前記データ処理ユニット32は前記装置識別コードD1のモニタリング時間内に対応するこれ等タイヤ状態情報D2のいずれかに対してデータ処理を行うことで、これ等タイヤ状態情報D2を模擬図形化データに転換している。さらに具体的いうと、本実施例において、運転者は前記設定部座37の触発を介して前記データ図形化モードに進入しており、前記データ図形化モードに入ると、運転者は前記モニタリング時間の長さ及び調べたい前記タイヤを設定することができ、また、運転者は前記無段式ノブ34を介して調べたい前記タイヤの前記装置選択コードを発生させることができ、前記装置選択コードにより対応する前記タイヤ状態情報D2を読み取っている。その後、前記モニタリング時間に符合する全ての前記タイヤ状態情報D2を数値化したら、前記模擬図形化データを完成させて前記表示ユニット33に出力し、前記図形化インターフェイス4の前記タイヤ情報表示ブロック42に呈している。上述で説明したことから分かるとおり、前記タイヤ状態情報D2は前記タイヤ内部圧力或いは前記タイヤ内部温度のデータを包括することができるため、実施例において、前記タイヤ情報表示ブロック42は、前記データ図形化モードにおいて、タイヤ空気圧図形表示欄424及びタイヤ温度図形表示欄425を有している。また、本発明は、
図6のように、前記模擬図形化データを曲線図で呈しているが、実際において、これを限定していない。さらにまた、前記データ図形化モードにおいて、前記データ処理ユニット32は前記模擬図形化データにフラグデータをさらに包括しており、前記フラグデータは前記無段式ノブ34が出力する前記選択信号の制御を受けることができ、具体的に説明すると、前記フラグデータは運転者の操作を受けて前記模擬図形化データに標記する位置を変化しており、さらに簡単にいうと、前記フラグデータは前記模擬図形化データにある時点のいずれかを標記しており、運転者は前記無段式ノブ34の操作を介して前記フラグデータが前記模擬図形化データにおいて標記する時点を変化させている。また、前記データ図形化モードにおいて、前記データ処理ユニット32は、前記模擬図形化データの過程にさらに転換することができ、前記異常条件で全ての前記タイヤ状態情報D2を比較し、前記タイヤ状態情報D2のいずれかが前記異常条件に符合する場合、前記模擬図形化データにおいて、前記異常条件に符合する前記タイヤ状態情報D2を顕著に表記している。
【0028】
次に、
図7を参照すると、実施例において、前記データ処理ユニット32が予め設定している前記ミッションモードはタイヤ状態ポーリングモードとすることができる。前記タイヤ状態ポーリングモードにおいて、前記データ処理ユニット32は一定の間隔で順次に各前記装置選択コードを読み取り、それに相応する前記タイヤ状態情報D2をさらに読み取って前記表示ユニット33に出力し、前記図形化インターフェイス4に呈している。繰り返して
図3及びず4を参照すると、ここで前記情報表示モジュール3が前記タイヤ状態ポーリングモードに進入した場合、前記左前外輪のタイヤ状態情報D2を表示し、一定の間隔を経た後、前記データ処理ユニット32は前記もう一つの左前外輪の前記装置選択コードを読み取り、前記もう一つの左前外輪に対応する前記タイヤ状態情報D2を
図4のように出力しており、その後、さらに一定の間隔を経てもう一つのタイヤに対応するもう一つの前記装置選択コードの表示を行うように、継続的に繰り返している。
【0029】
また、実施例において、前記データ処理ユニット32が予め設定している前記ミッションモードはタイヤパラメータ設定モードとすることができる。前記タイヤパラメータ設定モードにおいて、前記データ処理ユニット32は前記選択信号を受けて前記タイヤのパラメータを決定している。具体的にいうと、運転者は前記無段式ノブ34を操作して前記データ処理ユニット32に向かって前記選択信号を出力することができ、前記データ処理ユニット32は前記選択信号を解読し、前記データ処理ユニット32において予め設定している前記タイヤのパラメータを調整している。さらに具体的にいうと、本発明で称する前記タイヤパラメータは、タイヤ断面幅、タイヤ転がり抵抗、車輪リム指数或いはタイヤ負荷指数であって、そのうちのいずれかの前記タイヤパラメータの設定を行う前に、運転者は必ず調整するパラメータを選定する必要があり、その後前記無段式ノブ34を操作し、前記選択信号を発生させて調整を行っている。従って、タイヤの異なる銘柄や品番に応じてタイヤパラメータの調整を行うことができるように運転者に提供することで、検出によって発生した前記タイヤ状態情報D2がより実際の状況に符合している。
【0030】
また、上述した実施方法から分かるとおり、本発明に係る前記タイヤ空気圧検出モジュール2及び前記情報表示モジュール3は無線伝送の方法で実施することができる。そのため、実施例において、前記データ処理ユニット32が予め設定している前記ミッションモードはさらにタイヤ空気圧検出モジュールマッチングモードとすることができる。前記タイヤ空気圧検出モジュールマッチングモードにおいて、前記データ処理ユニット32は、前記第二データ伝送ユニット31に接続範囲内で取得可能な全ての前記タイヤ空気圧検出モジュール2の前記装置識別コードD1を検索させ、取得した前記装置識別コードD1が以前に前記装置選択コードのいずれかと関連して読み取ったことがあるか否かを判断しており、もし読み取ったことがない場合、前記第二データ伝送ユニット32は前記タイヤ空気圧検出モジュール2と接続したことがないことを表している。その後、運転者は前記無段式ノブ34をさらに操作して前記選択信号を出力し、前記選択信号のいずれかを指定して前記タイヤ空気圧検出モジュール2と関連して読み取り、前記第二データ伝送ユニット32をまだマッチングしていない前記タイヤ空気圧検出モジュール2の前記第一伝送ユニット21と電気的に接続することで、マッチングを完成させている。このことから、運転者は前記タイヤ空気圧検出モジュール2のいずれかが損傷した場合であっても、もう一つのタイヤ空気圧検出モジュールに取り換えて前記情報表示モジュール3と接続することができる。
【0031】
図8を参照すると、前記データ処理ユニット32が予め設定している前記ミッションモードはメニューモードとすることができ、前記メニューモードは運転者に上述のいずれか一つのミッションモードに入ることを選択できるようにしている。さらに具体的にいうと、前記メニューモードにおいて、前記図形化インターフェイス4はメニューブロック43を有しており、前記メニューブロック43には複数のメニュー項目431が包括されており、前記メニュー項目431毎に、例えば、前記異常条件設定モード、前記データ図形化モード或いは前記タイヤパラメータ設定モード等のミッションモードをそれぞれ表している。実施の際、運転者は前記設定部材37の触発を介して前記メニューモードに進入し、前記無段式ノブ34を操作して前記選択信号を発生させ、前記データ処理ユニット32に出力しており、前記データ処理ユニット32は前記選択信号が前記メニュー項目431のいずれかを選択したことをさらに判断し、対応する前記メニュー項目431が表す前記ミッションモードに進入している。
【0032】
上述のことから、本発明に係るタイヤ空気圧モニタリングシステムは、複数のタイヤ空気圧検出モジュールと、これ等タイヤ空気圧検出モジュールと電気的に接続する情報表示モジュールとを包括している。各前記タイヤ空気圧検出モジュールは、車両にあるタイヤに設置することで、タイヤ状態を検出してタイヤ状態情報と装置識別コードとを前記情報表示モジュールに伝送しており、前記情報表示モジュールは、各前記装置識別コードを装置選択コードとそれぞれ関連して読み取るデータ処理ユニットと、制御を受けて少なくとも一つの選択信号を前記データ処理ユニットに出力する無段式ノブとを包括しており、そのうち、前記データ処理ユニットは、前記選択信号を受信した際に前記選択信号に対応する前記装置選択コードを判断してこれに対応する前記タイヤ状態情報を読み取っており、従って、運転者が必要に応じて車両上にある全てのタイヤのタイヤ状態を速やかに知り得るということを達成している。さらに実施例において、前記表示ユニットに選択したタイヤのモニタリング時間内にあるタイヤ空気圧の変化を呈することができ、運転者が走行過程中においてタイヤ気圧に異常が発生し易い時点を調べることができるため、タイヤの異常によって引き起こる事故の再発を未然に防ぐことができる。
【0033】
以上において、本発明を詳細に説明したが、上述で述べた者は、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明の実施の範囲を限定するものではなく、本発明の請求の範囲を基に行った変化及び修正は、本発明の請求の範囲に属するものである。
【符号の説明】
【0034】
1 タイヤ空気圧モニタリングシステム
2 タイヤ空気圧検出モジュール
21 検出ユニット
22 第一データ伝送ユニット
3 情報表示モジュール
31 第二データ伝送ユニット
32 データ処理ユニット
33 表示ユニット
34 無段式ノブ
35 データ保存ユニット
36 第三データ伝送ユニット
37 設定部材
4 図形化インターフェイス
41 タイヤ位置表示ブロック
411 第一タイヤ図形
412 第一タイヤ図形
42 タイヤ情報表示ブロック
421 タイヤ空気圧表示欄
422 タイヤ温度表示欄
423 警告信号表示欄
424 タイヤ空気圧図形表示欄
425 タイヤ温度図形表示欄
43 メニューブロック
431 メニュー項目
D1 装置識別コード
D2 タイヤ状態情報