(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1型ドーパントがn型ドーパントを備え、前記第2型ドーパントがp型ドーパントを備える請求項1に記載のスーパージャンクショントレンチパワーMOSFET。
前記第1型ドーパントがp型ドーパントを備え、前記第2型ドーパントがn型ドーパントを備える請求項1に記載のスーパージャンクショントレンチパワーMOSFET。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の以下の詳細な説明では、本発明の完全な理解のために多数の特定の詳細が記述されている。しかしながら、当業者であれば分かるように、本発明は、これらの特定の詳細を伴うことなく或いはその等価物を伴って実施されてもよい。他の事例では、本発明の態様を不必要に曖昧にしないように、良く知られた方法、手続き、構成要素、回路が詳しく示されない。
【0014】
以下の詳細な説明のうちの幾つかの部分は、手続き、論理ブロック、手順、および、半導体デバイスを製造するための工程の他の記号表示の観点から与えられる。これらの記述および表示は、半導体デバイス製造の当業者の作業の内容を他の当業者に最も効果的に伝えるために半導体デバイス製造の当業者によって使用される手段である。本出願において、手続き、論理ブロック、プロセス等は、所望の結果につながる首尾一貫した一連のステップまたは命令であると考えられる。ステップは、物理量の物理的操作を必要とするステップである。しかしながら、これらの表現および同様の表現の全てが適切な物理量に関連付けられ且つこれらの量に適用される単なる便宜的な標示であることに留意すべきである。以下の説明から明らかなように別に具体的に述べられていなければ、本出願の全体にわたって、「形成する」、「実行する」、「生成する」、「堆積する」、「エッチングする」などの表現を利用する説明が、半導体デバイス製造の作業およびプロセス(例えば、
図3A,3B,3Cのフローチャート300)を示すことは言うまでもない。
【0015】
図は一定の倍率で描かれておらず、また、構造の一部だけ及び該構造を形成する様々な層が図中に示されている場合がある。更に、製造プロセスおよびステップは、本明細書中に記載されるプロセスおよびステップと共に行なわれてもよい。すなわち、本明細書中に図示されて説明されるステップの前に、該ステップ間で、及び/又は、該ステップの後に、多くのプロセスステップが存在してもよい。重要なことには、本発明に係る実施形態は、これらの他の(おそらく従来の)プロセスおよびステップと併せて、これらを著しくかき乱すことなく実施できる。一般的に言えば、本発明に係る実施形態は、周辺のプロセスおよびステップに著しい影響を及ぼすことなく、従来のプロセスの一部に取って代わることができる。
【0016】
本明細書中で使用される文字「n」はn型ドーパントを示し、文字「p」はp型ドーパントを示す。プラス符号「+」またはマイナス符号「−」は、ドーパントの比較的高い濃度または比較的低い濃度をそれぞれ表わすために使用される。
【0017】
表現「チャネル」は、本明細書中では一般に認められた態様で使用される。すなわち、電流がチャネルのFET内でソース接続部からドレイン接続部へと流れる。チャネルをn型またはp型半導体材料のいずれかにより形成することができる。したがって、FETは、nチャネルデバイスまたはpチャネルデバイスのいずれかとして特定される。
図1〜
図25をnチャネルデバイス、特にnチャネルスーパージャンクションMOSFETとの関連で説明するが、本発明に係る実施形態はそのように限定されない。つまり、本明細書中に記載される特徴は、以下で更に説明される
図26に示されるpチャネルデバイスで利用することができる。
図1〜
図25の説明は、n型ドーパントおよび材料を対応するp型ドーパントおよび材料と置き換えることによりpチャネルデバイスに容易に適用することができ、逆もまた同様である。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に係る半導体デバイス100(例えば、nチャネルSJトレンチパワーMOSFETデバイス)の要素を示す断面図である。デバイス100は、n+ドレイン層または基板104の底面にドレイン電極102を含む。基板104の上側には、p−ドリフト領域またはp型カラム106とn−ドリフト領域またはn型カラム108とが交互に配置される。交互に位置するp型(p−)カラム106およびn型(n−)カラム108は、スーパージャンクションとして知られるものを形成する。重大なことには、p型ドーパントのカラム106は、絶縁層またはカラム110(例えば、誘電体または酸化物の層/カラム)によって、n型ドーパントの隣接するカラム108から分離される。絶縁層110は、後述するように構造体が製造中に加熱されるときにn型およびp型カラム106,108が互いの中へ拡散しないようにする。そのため、絶縁層110は、絶縁破壊電圧が製造プロセスによって悪影響を受けないようにすることができる。
【0019】
また、重要なことには、
図1の例では、各p型カラム106がそれぞれのポリシリコン(ポリ)トレンチゲート111(ゲートポリ111)の下側に配置される。一般的に言えば、各トレンチゲート111は、対応するp型カラム106の上側で隣接する絶縁層110間に位置合わせされる。より具体的には、各トレンチゲート111は、対応するp型カラム106の長手方向軸(
図1の方向で考えると、長手方向軸はp型カラム内の垂直線である)に沿って位置合わせされる−一実施形態において、トレンチゲート111の長手方向軸は、トレンチゲートがp型カラム上で中心付けられるようにp型カラム106の長手方向軸と一致する。
図1の実施形態において、p型カラム106は、絶縁層110のために使用される材料とは異なる材料から形成されてもよいそれぞれの絶縁層109によってトレンチゲート111から分離される。
【0020】
トレンチゲート111をp型カラム106と位置合わせすることにより、n型カラム108の幅を減らすことができる。したがって、トレンチゲートを互いに近接させて配置でき、それにより、セル密度が増大され、また、これにより、デバイス100のオン抵抗(Rdson)が更に減少するという効果も有する。一実施形態において、隣接するトレンチゲート間のピッチは、従来のデバイスにおける5ミクロンとは対照的に、約1.2ミクロンである。
【0021】
図1の構造と関連する他の利点は、トレンチゲート111と隣接するn型カラム108との間の重なり122の量が小さいことからゲート−ドレイン間電荷量(Qgd)が減少されるという点である。一実施形態では、重なり122の量が約0.1ミクロンである。
【0022】
図1の実施形態において、隣接するトレンチゲート111間にはn型カラム108の上側にトレンチ125が形成される。より具体的には、各トレンチ125は、対応するn型カラム108の長手方向軸に沿って位置合わせされる−一実施形態において、トレンチ125の長手方向軸は、トレンチがn型カラム上で中心付けられるようにn型カラム108の長手方向軸と一致する。トレンチ125はソース金属124で満たされる。
【0023】
p+領域(p型接点領域112)が各トレンチ125内のソース金属124を対応するn型カラム108から分離する。p−領域(p型ボディ領域114)が、トレンチとトレンチゲート111との間で且つソース金属124とn型カラム108との間で、各トレンチ125の両側に配置される。また、
図1に示されるように、n+領域(n型ソース領域116)が各トレンチ125の両側に配置される。
【0024】
p型(p−)ボディ領域114およびn型(n+)ソース領域116は、他の絶縁層120(例えば、ゲード酸化物)によってそれぞれのトレンチゲート111から分離される。図示のように、絶縁層110,120は、製造プロセスの異なるポイントで形成され、そのため、
図1に示されるように位置合わせされない場合がある。また、絶縁層110,120が異なる材料を使用して形成されてもよい。それにもかかわらず、絶縁層110,120は、
図1のy方向でほぼ連続する境界を与え、その意味で、絶縁材料の単一のカラムとして特徴付けることができる。
【0025】
各n型ソース領域116上および各トレンチゲート111上にわたって絶縁層118を形成することができる。ソース金属層124は、絶縁層118上にわたって形成されており、前述したようにトレンチ125内へと延びる。
【0026】
本発明の一実施形態によれば、p型カラム106がピックアップされてソース金属層124に対して電気的に短絡される。これを達成するための1つの方法が
図2に示されている。
図2は、
図1の切断線A−Aに沿うデバイス100の断面図である。すなわち、
図2で与えられる図は、
図1に示される2つの次元(xおよびy)に対して直交する第3次元(z)にある。
【0027】
図2の実施形態では、トレンチ225が、対応するp型カラム106をソース金属層124に接続するように形成される。トレンチ225は金属で満たされており、トレンチ225内の金属は、図示のように、n型カラム108、ポリ領域211、および、絶縁層120によって、トレンチゲート111から分離される。p型カラム106をソース金属層124に短絡させることにより、結果として得られるボディダイオードがONからOFFへ切り換えられるときにp型カラム内のキャリアを急速に掃引することができる。したがって、デバイス100が高速回路での使用にうまく適する。
図3A,3B,3Cは、
図1および
図2のデバイスなどの半導体デバイスの製造で使用されるプロセスの一実施形態のフローチャート300を示している。
図3A〜
図3Cでは特定のステップが開示されるが、そのようなステップは典型的なものである。すなわち、本発明に係る実施形態は、様々な他のステップまたは
図3A〜
図3Cに列挙されるステップの変形例を実行するのにうまく適する。本発明の実施形態に係る半導体デバイスの製造における選択された段階を示す断面図である
図4〜
図25と併せて、
図3A,3B,3Cについて説明する。
【0028】
図3Aのブロック302では、p−ドーパントのエピタキシャル層402(
図4)がn+基板104上にわたって成長される。基板104がドレイン電極層102(
図1)を含んでもよい。
【0029】
ブロック304では、第1の誘電体層502がエピタキシャル層402上にわたって堆積され、また、フォトレジスト(PR)層504が誘電体層上にわたって堆積される(
図5)。誘電体層502は、例えば、減圧化学蒸着(SACVD)によって堆積される熱酸化物または酸化物であってもよい。
【0030】
ブロック306では、第1のマスク(図示せず)が形成され、フォトレジスト層504および誘電体層502の露出部分が
図6に示されるようにエッチング除去される。誘電体層502の残存部分が
図1の絶縁層109に対応する。
【0031】
ブロック308では、p型エピタキシャル層402の一部もエッチング除去され、それにより、
図7に示されるようにp型カラム106が形成される。エピタキシャル層402のエッチングは、比較的僅かな程度まで基板104へと及んでもよい。ブロック308において適用されるエッチング材料は、ブロック306で使用されるエッチング材料と異なってもよい。ブロック310では、残存するフォトレジスト層504が除去される(
図8)。
【0032】
図3Aのブロック312では、第2の誘電体層902(
図9)が絶縁層109およびp型カラム106の露出面上にわたって成長され或いは堆積される。特に、誘電体層902は、p型カラム106の両側および絶縁層109上にわたって形成され、それにより、実質的に、p型カラムの両側に誘電体材料の層またはカラムが形成される。第2の誘電体層902に使用される材料は、絶縁層109に使用される材料の厚さと比べて、異なってもよい。また、第2の誘電体層902は、絶縁層109の厚さと比べて比較的薄くてもよい(300〜500オングストローム程度)。
【0033】
図3Aのブロック314では、
図10に示されるように、基板104に隣接する誘電体層902の部分(
図9)が除去される。このプロセスはボトム酸化物ブレイクスルーと称されてもよい。p型カラム106の両側の誘電体層902の部分は除去されず、これらの部分が
図1の絶縁層110に対応する。絶縁層109を覆っている誘電体層902もボトム酸化物ブレイクスループロセスの一環として部分的に或いは完全に除去されてもよい。言い換えると、ボトム酸化物ブレイクスルーの後、
図10に示されるように基板104が露出され、一方、絶縁層109は、第1の誘電体層502の一部として堆積される材料のみから成ってもよく(
図5)、あるいは、第1の誘電体層502および第2の誘電体層902に含まれる材料の組み合わせから成ってもよい。また、ブロック314では、ボトム酸化物ブレイクスルーの後、n−ドーパントのエピタキシャル層1002が、基板104上にわたって及びp型カラム106と絶縁層109,110とを備える構造体の周囲で成長される。
【0034】
図3Aのブロック316では、フォトレジスト層が加えられ、その後、
図11に示されるようにマスク1102を形成するためにフォトレジスト層が選択的に除去される。マスク1102は、
図12に示されるように、n型エピタキシャル層1002に終端トレンチ1202を形成するために使用される。終端トレンチ1202は基板104中へと延びていてもよい。その後、
図12も示されるようにマスクを除去することができる。
【0035】
図3Aのブロック318では、
図13に示されるように、第3の誘電体層1302が終端トレンチ1202の内側およびn型エピタキシャル層1002上にわたって成長され或いは堆積される(例えば、SACVDを使用して)。第3の誘電体層1302のために使用される材料は、絶縁層109,110のために使用される材料と異なってもよい。その後、緻密化プロセスを使用して第3の誘電体層1302を硬化させ或いはアニールすることができる。重要なことには、絶縁層110は、緻密化プロセス中および構造体が加熱されてもよい製造プロセスの任意の他の時間にp型カラム106およびn型エピタキシャル層1002が互いの中へ拡散するのを防止し或いは制限する。
【0036】
図3Aのブロック320では、
図14に示されるように終端トレンチ1202内の誘電体の高さがn型エピタキシャル1002の上面とほぼ同じ高さとなるように誘電体層1302がエッチバッグされる。
【0037】
図3Bのブロック322では、フォトレジスト層が加えられ、その後、
図15に示されるようにマスク1502を形成するためにフォトレジスト層が選択的に除去される。マスクの開口1504はp型カラム106の位置と一致する。開口1504の幅(
図15のx方向で測定される)は、開口とp型カラムとの位置合わせに伴う問題を回避するために、p型カラム106の幅より小さくてもよい。言い換えると、図示のように、マスク1502は、p型カラム106の上側にトレンチを形成するために使用され、また、理想的には、それらのトレンチはp型カラムの外縁を越えて延びない。
【0038】
図3Bのブロック324では、
図15および
図16に関連して、開口1504の下側に位置するn型エピタキシャル層1002の部分がエッチング除去され、それにより、絶縁層109へと延びるトレンチ1602が形成される。エッチング除去されないエピタキシャル層1002の部分は、
図1のn型カラム108に対応する。その後、マスク1502を除去することができる。
【0039】
図3Bのブロック326では、トレンチ1602の側面および底面を含めて絶縁層109およびn型カラム108の露出面上にわたってゲート酸化物層1702(
図17)が成長される。ゲート酸化物層1702のために使用される材料は、第1の誘電体層502(
図5)および第2の誘電体層902(
図9)中に含まれる材料と異なっていてもよい。
図1の絶縁層109は、ゲート酸化物層1702と、第1の誘電体層502および第2の誘電体層902からの材料とを含んでもよい−すなわち、図では単一の均一な層として描かれているが、実際の実務では、絶縁層109が異なる絶縁材料を含んでもよい。また、トレンチ1602の幅に応じて、それらのトレンチの内側を覆うゲート酸化物層1702の部分が絶縁層110と一致してもよく、それにより、
図17の垂直方向(y方向)で絶縁材料のほぼ連続したカラムが形成される。
【0040】
図3Bのブロック328では、
図18に示されるように、ゲート酸化物層1702上にわたって及びトレンチ1602内にポリシリコン(ポリ)層1802が堆積される。
【0041】
図3Bのブロック330では、化学機械平坦化または研磨(CMP)プロセスを使用して、ゲート酸化物層1702に至るまでポリ層1802の一部を除去することができる(
図18)。その後、エッチバックプロセスを使用して、より多くのポリ層1802を除去することができ、それにより、
図19に示されるように陥凹要素が形成される。これらの陥凹要素は
図1のトレンチゲート111に対応する。
【0042】
図3Bのブロック332では、
図20に関連して、ブランケットp−ドーパントがデバイス100内−すなわち、n型カラム108内に注入され−それにより、
図1のp型(p−)ボディ領域114が形成される。p型ボディ領域114はトレンチゲート111よりも(
図20のy方向の)深さが浅い。
【0043】
図3Bのブロック334では、
図21に示されるように、終端トレンチ1202上および隣接領域上にわたってソースマスク2102が形成され、その後、n+ドーパントがp型ボディ領域114内に注入され、それにより、
図1のn型(n+)ソース領域116が形成される。このようにして、トレンチゲートがn型カラム108上ではなくp型カラム106上に形成される。p型カラム106上にトレンチゲートを形成することにより、ゲートを互いに近接して配置することができ、それにより、セル密度が増大され、また、これにより、Rdsonが減少するという効果も有する。n型ソース注入後、マスク2102を除去することができる。
【0044】
図3Bのブロック336では、低温酸化物(LTO)の層の後に引き続いてボロホスホシリケートガラス(BPSG)の層が堆積される−
図22ではこれらの層が層2202として特定される(明確にするため、ゲート酸化物領域1702の全てが
図22および
図23で確認されるとは限らない)。
【0045】
図3Bのブロック338では、フォトレジストの層が層2202上にわたって加えられ、その後、
図23に示されるように、n型カラム108と一致する開口2304を伴うマスク2302を形成するためにフォトレジストの層が選択的に除去される。その後、開口2304の真下の材料−それらの開口の真下にある層2202、ゲート酸化物1702、n+ソース領域116、および、p型ボディ領域114の部分−をエッチング除去して、
図1の絶縁層118を形成できるとともに、n+ソース領域116、p型ボディ領域114、および、ゲートピックアップ領域を露出させるトレンチ125を形成することができる。
図1の絶縁層118は、層2202の残存部分、および、ゲート酸化物層1702の残存水平(x方向)部分の両方を含む。また、ゲート酸化物層1702のy方向(垂直)部分は
図1の絶縁層120と一致する。その後、各トレンチ125の底部にp+ドーパントが注入され、それにより、
図1のp型(p+)接点領域112が形成される。
【0046】
同様の態様で、
図3Cのブロック340では、
図24に示されるように、p型カラム106と一致する開口2404を伴うマスク2402を
図23のz方向に形成することができる。その後、開口2404の真下の材料−それらの開口の真下にある層2202、トレンチゲート111、および、絶縁層109の部分−をエッチング除去して、絶縁ポリ領域211と、p型カラム106およびポリ領域211を露出させるトレンチ225とを形成することができる。p型カラム接点トレンチ225は、酸化層(ゲート酸化物)120、n型カラム108、および、他の酸化層120によってゲートポリ111から分離され、また、トレンチ225は酸化層120によっても分離される。
【0047】
図3Cのブロック342では、
図23,24,25にも関連して、マスク2302,2402が除去されるとともに、金属がトレンチ2304,2404内および絶縁層118上にわたって堆積される。フォトレジストの層が金属上にわたって加えられ、その後、開口を有するマスク(図示せず)を形成するためにフォトレジストの層が選択的に除去され、また、開口の下側の金属がエッチング除去されることにより、
図1および
図2のソース金属層124が形成されるとともに、ゲートバス(図示せず)が形成される。したがって、
図1および
図2に示されるように、p型カラム106およびn型カラム108の両方がソース金属層124に電気的に接続される。その結果、それに伴って得られるボディダイオードがONからOFFへ切り換えられるときにp型カラム106内のキャリアを急速に掃引することができる。
【0048】
図3Cのブロック344では、保護層が随意的に堆積される。その後、保護層をエッチングしてゲートパッドおよびソースパッドを形成するために、マスクを加えることができる。
【0049】
前述したように、本明細書中に記載される特徴は、pチャネルSJトレンチパワーMOSFETデバイスにも適用できる。
図26は、本発明の一実施形態に係るpチャネルSJトレンチパワーMOSFETデバイス2600の要素を示す断面図である。デバイス2600は、p+ドレイン層または基板2604の底面にドレイン電極(図示せず)を含む。スーパージャンクションを形成するために、基板2604の上側には、p−ドリフト領域またはp型カラム2606とn−ドリフト領域またはn型カラム2608とが交互に配置される。p型ドーパントのカラム2606は、絶縁層またはカラム110によって、n型ドーパントの隣接するカラム2608から分離され、それにより、構造体が製造中に加熱されるときにn型およびp型カラムが互いの中へ拡散しないように保たれる。
【0050】
図26の実施形態では、各n型カラム2608がそれぞれのポリシリコントレンチゲート111の下側に配置される。n型カラム2608は、それぞれの絶縁層109によってトレンチゲート111から分離される。トレンチゲート111をn型カラム2608と位置合わせすることにより、p型カラム2606の幅を減らすことができ、それにより、トレンチゲートを互いに近接して配置できる。
【0051】
隣接するトレンチゲート111間にはp型カラム2606の上側にトレンチ125が形成される。トレンチ125はソース金属124で満たされる。n+領域(n接点領域2612)が各トレンチ125内のソース金属124を対応するp型カラム2606から分離する。n−領域(n−ボディ領域2614)が各トレンチ125の両側で且つトレンチとトレンチゲート111との間およびソース金属124とp型カラム2606との間に配置される。また、p+領域(p−ソース領域2616)が各トレンチ125の両側に配置される。n型ボディ領域2614およびp型ソース領域2616は、他の絶縁層120(例えば、ゲート酸化物)によってそれぞれのトレンチゲート111から分離される。各p型ソース領域2616上および各トレンチゲート111上にわたって絶縁層118を形成することができる。ソース金属層124は、絶縁層118上にわたって形成されており、前述したようにトレンチ125内へと延びている。
【0052】
本発明の一実施形態によれば、n型カラム2608は、
図2に示される態様と同様の態様でピックアップされてソース金属層124に電気的に短絡される。
【0053】
要約すると、SJトレンチパワーMOFETデバイスの実施形態、および、そのようなデバイスを製造するための方法の実施形態が記載されている。本明細書中に記載される特徴は、スプリットゲート、デュアルトレンチ、および、他の従来の高電圧スーパージャンクションデバイスに代わる手段として、低電圧デバイスおよび1000ボルトパワーMOSFETなどの高電圧デバイスで使用できる。
【0054】
概して、この文書は以下を開示してきた。スーパージャンクショントレンチパワーMOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)デバイスでは、スーパージャンクションにおけるp型ドーパントのカラムが、酸化物の第1のカラムによってn型ドーパントの第1のカラムから分離されるとともに、酸化物の第2のカラムによってn型ドーパントの第2のカラムから分離される。nチャネルデバイスでは、FETのためのゲート要素がp型ドーパントのカラム上にわたって配置されるのが有益であり、また、pチャネルデバイスでは、FETのためのゲート要素がn型ドーパントのカラム上にわたって配置されるのが有益である。
【0055】
概して、この文書は以下を開示してきた。スーパージャンクショントレンチパワーMOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)デバイスでは、スーパージャンクションにおけるp型ドーパントのカラムが、酸化物の第1のカラムによってn型ドーパントの第1のカラムから分離されるとともに、酸化物の第2のカラムによってn型ドーパントの第2のカラムから分離される。nチャネルデバイスでは、FETのためのゲート要素がp型ドーパントのカラム上にわたって配置されるのが有益であり、また、pチャネルデバイスでは、FETのためのゲート要素がn型ドーパントのカラム上にわたって配置されるのが有益である。
【0056】
本発明の特定の実施形態の前述した記述は、例示目的で且つ説明のために与えられた。これらの記述は、包括的なものではなく、あるいは、開示された正にその形態に本発明を限定しようとするものではなく、また、前述した教示内容を踏まえて多くの改良および変形が可能である。実施形態は、本発明の原理およびその実用的用途を最も良く説明するために選択されて記載されており、それにより、他の当業者は、考えられる特定の用途に適するように本発明および様々な改良を伴う様々な実施形態を最も良く利用できる。本発明の範囲は、添付の請求項およびそれらの等価物によって規定されるものである。言うまでもなく、本明細書で与えられる任意の全ての要素およびステップが含まれるのが好ましい。これらの要素およびステップのうちのいずれかが当業者に明らかなように省かれ或いは置き換えられてもよい。
【0057】
要約すると、この文書は、少なくとも以下の広範な概念を開示してきた。
【0058】
概念1.第1型ドーパントのチャネルを有するスーパージャンクショントレンチパワー金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)デバイスであって、
第2型ドーパントのカラムを前記第1型ドーパントの第1のカラムから分離する絶縁材料を備える第1のカラムと、
前記第2型ドーパントの前記カラムを前記第1型ドーパントの第2のカラムから分離する絶縁材料を備える第2のカラムと、
絶縁材料の前記第1のカラムと絶縁材料の前記第2のカラムとの間に位置合わせされる電界効果トランジスタのためのゲート要素と、
を備えるスーパージャンクショントレンチパワーMOSFET。
【0059】
概念2.前記ゲート要素を前記第2型ドーパントの前記カラムから分離する絶縁層を更に備える概念1のスーパージャンクショントレンチパワーMOSFET。
【0060】
概念3.前記第1型ドーパントがn型ドーパントを備える場合には前記第2型ドーパントがp型ドーパントを備え、前記第1型ドーパントがp型ドーパントを備える場合には前記第2型ドーパントがn型ドーパントを備える概念1のスーパージャンクショントレンチパワーMOSFET。
【0061】
概念4.前記第2型ドーパントの前記カラムに電気的に短絡されるソース金属の層を更に備える概念1のスーパージャンクショントレンチパワーMOSFET。
【0062】
概念5.前記ゲート要素と隣接するゲート要素との間に形成されたトレンチを更に備え、前記ソース金属が前記トレンチを満たす概念4のスーパージャンクショントレンチパワーMOSFET。
【0063】
概念6.前記ゲート要素と前記トレンチとの間に配置された前記第2型ドーパントのボディ領域および前記第1型ドーパントのソース領域を更に備える概念5のスーパージャンクショントレンチパワーMOSFET。
【0064】
概念7.前記トレンチは、前記第1型ドーパントの前記第1のカラムの長手方向軸と位置合わせされる概念5のスーパージャンクショントレンチパワーMOSFET。
【0065】
概念8.前記トレンチは、前記第2型ドーパントの領域によって前記第1型ドーパントの前記第1のカラムから分離される概念7のスーパージャンクショントレンチパワーMOSFET。
【0066】
概念9.第1型ドーパントのチャネルを有する半導体デバイスであって、
前記第1型ドーパントの基板と、
前記基板に結合されるとともに、前記第1型ドーパントの柱状の第1の領域と前記第1型ドーパントの柱状の第2の領域との間に配置される第2型ドーパントの柱状領域を備え、前記第2型ドーパントの前記領域が、第1の絶縁層によって前記第1型ドーパントの前記第1の領域から分離されるとともに、第2の絶縁層によって前記第1型ドーパントの前記第2の領域から分離される、スーパージャンクション構造体と、
前記スーパージャンクション構造体に結合されるとともに、ゲート要素を備え、前記ゲート要素が前記第2型ドーパントの前記領域の長手方向軸と位置合わせされる電界効果トランジスタと、
を備える半導体デバイス。
【0067】
概念10.前記ゲート要素を前記第2型ドーパントの前記領域から分離する酸化物層を更に備える概念9の半導体デバイス。
【0068】
概念11.前記第2型ドーパントの前記領域に電気的に短絡されるソース金属の層を更に備える概念9の半導体デバイス。
【0069】
概念12.前記ゲート要素と隣接するゲート要素との間に形成されるトレンチを更に備え、前記ソース金属が前記トレンチを満たす概念11の半導体デバイス。
【0070】
概念13.前記ゲート要素と前記トレンチとの間に配置される前記第2型ドーパントのボディ領域および前記第1型ドーパントのソース領域を更に備える概念12の半導体デバイス。
【0071】
概念14.前記トレンチは、前記第1型ドーパントの前記第1の領域の長手方向軸と位置合わせされる概念12の半導体デバイス。
【0072】
概念15.第1型ドーパントのチャネルを有する半導体デバイスであって、
前記第1型ドーパントの基板と、
前記基板に結合されるとともに、前記第1型ドーパントの第1の領域と前記第1型ドーパントの第2の領域との間に配置された第2型ドーパントの領域を備え、前記第2型ドーパントの前記領域および前記第1型ドーパントの前記第1および第2の領域がそれぞれ第2の寸法よりも大きい第1の寸法を有し、前記第1の寸法が第1の方向で測定され、前記第2の寸法が前記第1の方向と直交する第2の方向で測定される、スーパージャンクション構造体と、
ゲート要素を備え、前記第2型ドーパントの前記領域が前記第1の方向で前記ゲート要素と前記基板との間に位置する、電界効果トランジスタと、
前記第1の方向および前記第2の方向の両方と直交する第3の方向で前記第2型ドーパントの前記領域に電気的に短絡されるソース金属の層と、
を備える半導体デバイス。
【0073】
概念16.前記第2型ドーパントの前記領域は、第1の絶縁層によって前記第1型ドーパントの前記第1の領域から分離されるとともに、第2の絶縁層によって前記第1型ドーパントの前記第2の領域から分離される概念15の半導体デバイス。
【0074】
概念17.前記ゲート要素を前記第2型ドーパントの前記領域から分離する酸化物層を更に備える概念15の半導体デバイス。
【0075】
概念18.前記ゲート要素と隣接するゲート要素との間に形成されたトレンチを更に備え、前記ソース金属が前記トレンチを満たす概念15の半導体デバイス。
【0076】
概念19.前記ゲート要素と前記トレンチとの間に配置された前記第2型ドーパントのボディ領域および前記第1型ドーパントのソース領域を更に備える概念18の半導体デバイス。
【0077】
概念20.前記第1型ドーパントの前記第1の領域が前記第1の方向で前記トレンチと前記基板との間に位置する概念18の半導体デバイス。