【文献】
坂入 威郎,Ajax−GISにおけるサーバサイドレンダリングを用いたレイヤ制御と図形編集,電気学会論文誌C Vol.130 No.1,日本,(社)電気学会,2010年 1月 1日,130巻 1号,P.146-153,ISSN 0385-4221
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
表示される前記画像又はタイルを表す1つ又は複数のグラフィックスプリミティブにテクスチャを適用するために、前記画像又は地図に対して表示される1つ以上の特徴を含む第1のグラフィックステクスチャと第2のグラフィックステクスチャとを組み合わせて使用することは、
前記画像又はタイルを表す前記1つ又は複数のグラフィックスプリミティブに適用される前記第1のグラフィックステクスチャと第2のグラフィックステクスチャとを組み合わせることと、
前記画像を表示するために又は前記地図情報を表示するための前記タイルを表示するために、前記適用されて組み合わされた第1のグラフィックステクスチャ及び第2のグラフィックステクスチャを有する前記画像又はタイルを表す前記1つ又は複数のグラフィックスプリミティブを表示することと、
を備えることを特徴とする請求項2記載の方法。
表示される画像又はタイルを表す1つ又は複数のグラフィックスプリミティブにテクスチャを適用するために、前記画像又は前記地図の前記タイルに対して表示される1つ以上の画像又は地図の特徴を含む第1のグラフィックステクスチャと第2のグラフィックステクスチャとを組み合わせて使用することにより、前記画像又は前記デジタル地図を表示するために表示される前記タイルをレンダリングする手段は、
前記画像又はタイルを表す前記1つ又は複数のグラフィックスプリミティブに適用される前記第1のグラフィックステクスチャと第2のグラフィックステクスチャとを組み合わせ、前記画像を表示するために又は前記デジタル地図を表示するための前記タイルを表示するために、前記適用されて組み合わされた第1のグラフィックステクスチャ及び第2のグラフィックステクスチャを有する前記画像又はタイルを表す前記1つ又は複数のグラフィックスプリミティブを表示する手段を含むことを特徴とする請求項10記載の装置。
【背景技術】
【0002】
GPS(全地球測位システム)信号受信/処理機能性を含むポータブルナビゲーション装置(PND)は周知であり、車両搭載型のナビゲーションシステム又は他の車両ナビゲーションシステムとして広く採用される。
【0003】
一般に、最近のPNDは、プロセッサ、メモリ(揮発性及び不揮発性の少なくとも一方であり、通常は双方)及び前記メモリ内に格納された地図データを備える。プロセッサ及びメモリは協働して、ソフトウェアオペレーティングシステムが確立される実行環境を提供する。更に、PNDの機能性を制御可能にするため及び種々の他の機能を提供するために1つ以上の追加のソフトウェアプログラムが提供されることは一般的である。
【0004】
通常、これらの装置は、ユーザが装置と対話し且つ装置を制御できるようにする1つ以上の入力インタフェースと、情報がユーザに中継されるようにする1つ以上の出力インタフェースとを更に備える。出力インタフェースの例は、表示装置及び可聴出力用スピーカを含む。入力インタフェースの例は、装置のオン/オフ動作又は他の特徴を制御するための1つ以上の物理ボタン(これらのボタンは、必ずしも装置自体に存在する必要はなく、装置が車両に組み込まれる場合はステアリングホイール上に存在してもよい)及びユーザの音声を検出するためのマイクを含む。特に好適な構成において、出力インタフェースディスプレイは、ユーザが触れることにより装置を操作できるようにする入力インタフェースを更に提供するためにタッチセンシティブディスプレイとして(例えば、タッチセンシティブオーバーレイにより)構成される。
【0005】
また、この種の装置は、装置との間で電力及びオプションとしてデータ信号を送受信可能にする1つ以上の物理コネクタインタフェースと、オプションとして、セルラ通信、並びに例えばWi−Fi及びWi−MaxGSM(登録商標)等である他の信号及びデータネットワークを介する通信を可能にする1つ以上の無線送信機/受信機とを含むことが多い。
【0006】
この種のPND装置はGPSアンテナを更に含み、これにより場所データを含む衛星放送信号が受信され、その後装置の現在地を決定するために処理される。
【0007】
PND装置は、現在の角加速度及び直線加速度を判定し、GPS信号から導出された場所情報と関連して装置及び装置が搭載されている車両の速度及び相対変位を判定するために処理可能な信号を生成する電子ジャイロスコープ及び加速度計を更に含んでもよい。通常、そのような特徴を車両搭載型のナビゲーションシステムに提供するのが最も一般的であるが、PND装置に提供するのが好都合な場合はPND装置に提供する。
【0008】
そのようなPNDの有用性は、第1の場所(通常は出発地又は現在地)と第2の場所(通常は目的地)との間の経路を決定する機能において主に示される。これらの場所は、例えば郵便番号、道路名及び番地、事前に格納された「既知の」目的地(有名な場所、公営の場所(運動場又は水泳プール等)又は他の関心点等)、並びにお気に入りの目的地又は最近訪問した目的地、による種々の異なる方法のうちのいずれかによって、装置のユーザにより入力可能である。
【0009】
通常、PNDは、地図データから出発地の住所の場所と目的地の住所の場所との間の「最善」又は「最適」な経路を計算することがソフトウェアにより可能になる。「最善」又は「最適」な経路は所定の基準に基づいて決定され、必ずしも最速又は最短の経路である必要はない。運転者を案内する経路の選択は非常に高度であり、選択された経路は、既存の交通道路情報、予測された交通道路情報、動的に及び/又は無線で受信された交通道路情報、道路速度に関する履歴情報、並びに道路選択を決定する要因に対する運転者自身の好み(例えば運転者は、経路が高速自動車道路又は有料道路を含むべきではないと指定する)を考慮してもよい。
【0010】
更に、装置は道路及び交通状況を継続的に監視し、状況変化によりとられる残りの移動に対して経路を変更するように提案又は選択してもよい。種々の技術(例えば、移動電話データ交換、固定カメラ、GPSフリートトラッキング)に基づくリアルタイム交通監視システムは、交通遅滞を識別し且つ通知システムに情報を供給するために使用されている。
【0011】
この種のPNDは、通常は車両のダッシュボード又はフロントガラスに搭載されるが、車両のラジオの内蔵コンピュータの一部又は実際は車両自体の制御システムの一部として形成されてもよい。ナビゲーション装置は、PDA(ポータブルデジタルアシスタント)、メディアプレーヤ又は移動電話等のハンドヘルドシステムの一部であってもよく、その場合、ハンドヘルドシステムの標準的な機能性は、経路の計算及び計算された経路に沿うナビゲーションの双方を実行するために装置にソフトウェアをインストールすることにより拡張される。
【0012】
経路計画/ナビゲーション機能性は、適切なソフトウェアを実行するデスクトップ又は移動演算リソースにより提供される場合もある。例えばroutes.tomtom.comは、オンライン経路計画/ナビゲーション機能を提供する。この機能により、ユーザは出発地及び目的地を入力でき、その結果、ユーザのPCが接続されるサーバは経路(この経路全般に関してはユーザが指定してもよい)を計算し、地図を生成し、選択された出発地から選択された目的地にユーザを案内するための全ナビゲーション命令の集合を生成する。
【0013】
PNDの場合、経路が計算されると、ユーザはナビゲーション装置と対話し、オプションとして、提案された経路のリストから所望の計算された経路を選択する。オプションとして、ユーザは、例えばある特定の移動に対して特定の経路、道路、場所又は基準が回避されるべきであるか又は必須であると指定することにより、経路選択処理を仲介又は誘導する。PNDの経路計算の側面は1つの主要な機能を形成し、そのような経路に沿うナビゲーションは別の主要な機能である。
【0014】
計算された経路に沿うナビゲーション中、そのようなPNDが、選択された経路に沿ってその経路の終点、すなわち所望の目的地にユーザを案内するための視覚命令及び/又は可聴命令を提供することは一般的である。また、PNDがナビゲーション中に地図情報を画面上に表示することも一般的であり、そのような情報は、表示される地図情報が装置の現在地を示し、従って装置が車両ナビゲーションに使用されている場合はユーザ又はユーザの車両の現在地を示すように、画面上で定期的に更新される。
【0015】
画面上に表示されるアイコンは、通常は装置の現在地を示し、装置の現在地の近傍の現在の道路及び周辺の道路の地図情報、並びに同様に表示されている他の地図の特徴と共に中央に配置される。更にナビゲーション情報は、オプションとして、表示された地図情報の上方、下方又は片側のステータスバーに表示される。ナビゲーション情報の例は、ユーザが走行する必要のある現在の道路から次の進路変更までの距離を含み、その進路変更の特性は、例えば左折又は右折である特定の種類の進路変更を示す更なるアイコンにより示される。ナビゲーション機能は、経路に沿ってユーザを案内する可聴命令の内容、継続時間及びタイミングを更に決定する。理解されるように、「100m先で左折」等の単純な命令は膨大な処理及び解析を必要とする。上述のように、装置とのユーザ対話はタッチスクリーンにより行われてもよく、それに加えて又はその代わりに、ステアリングコラムリモコン、音声起動又は他の何らかの適切な方法により行われてもよい。
【0016】
装置により提供される更なる重要な機能は、ユーザがナビゲーション中に事前に計算された経路から外れる(誤って又は故意に)場合、別の経路がより適切であるとリアルタイムの交通状況が示し且つ装置がそのような状況を適切に自動認識できる場合、あるいはユーザが何らかの理由で能動的に装置に経路の再計算を実行させる場合における自動経路再計算である。
【0017】
また、ユーザが定義した基準で経路を計算できることも既知である。例えばユーザは、景色のよい経路が装置により計算されることを好み、あるいは交通渋滞が発生する可能性が高いか、予想されるか又は現在発生している道路を回避することを要求する場合がある。その場合、装置のソフトウェアは種々の経路を計算し、例えば景色が美しい所としてタグ付けされた関心点(POIとして知られる)を経路に沿って最も多く含む経路をより有利に重み付けするか、あるいは特定の道路で発生しやすい交通状況を示す格納された情報を使用することにより、起こる可能性のある渋滞又はそれによる遅滞のレベルに関して計算された経路を順序付けする。他のPOI及び交通情報を使用する経路計算及びナビゲーション基準も可能である。
【0018】
経路計算機能及びナビゲーション機能はPNDの総合的な実用性の基本になるものであるが、装置を単に情報表示、すなわち「フリードライビング」のために使用することが可能である。この場合、装置の現在地に関連する地図情報のみが表示され、経路は計算されておらず、ナビゲーションは現時点で装置により実行されていない。そのような動作モードは、ユーザが移動時に使用するのが望ましい経路を既に認識しており且つナビゲーション支援を必要としない場合に適用可能であることが多い。
【0019】
例えばTomTom International B.V.により製造及び供給されるGO LIVE 1005モデルである上述の種類の装置は、ユーザが1つの位置から別の位置へナビゲートできるようにする信頼性の高い手段を提供する。
【0020】
上記から明らかなように、そのようなナビゲーション装置の動作の重要な側面は、装置によるユーザに対する地図情報の表示である。これは、例えばフレーム毎にベクトルデータに基づいてシーン全体をレンダリングすることにより行われる。
【0021】
別の既知の技術は、地図情報(3D世界における)をタイル毎に表現することであり、すなわち、表示される地図の3D「世界」ビューにおける地図の一部又は全てを各々が表現する1つ以上のタイルとして地図の3D世界ビューを表現することである(当技術において既知であるように、これは後で表示用2D画面空間に変換される)。
【0022】
そのような構成において、当技術において既知であるように、タイルは種々の解像度(ミップマップ)で格納及び表示されてもよい。ミップマップ間をよりシームレスに移行するために、異なる解像度のタイルが重ね合わされ且つフィルタリングされてもよい。
【0023】
そのようなタイルベースの地図及び道路網のレンダリングは、2次元及び3次元の双方において、道路網及び地理データを表示する効率的で効果的な方法である。大部分のモバイルグラフィックスレンダリングサブシステム(PNDにおいて一般に使用される(当技術において既知であるように、ハードウェア、ソフトウェア又はそれらの双方で実現される))は、許容できるフレームレートを得るために処理できるジオメトリの量が制限され、また、デスクトップグラフィックスアクセラレータにおいて見られる多くの高性能の特徴はまだモバイル空間対応になっていないため、タイルベースレンダリングは特に効率的である。
【0024】
しかし、現在の形式のタイルベースの方法は、水域特徴(運河、河川等)及び/又は低い道路区分等の地下(又は地上)の特徴、あるいは実際に地下又は地上に表現される何らかの「野外の」特徴を表示するのにあまり適さないことを、本出願人は認識した。
【0025】
そのような特徴は、例えばタイルを更に小さいタイル及び/又は三角形に分割してそれらを上下するか、あるいは例えば三角形の頂点が正確な高さ又は深さに配置される三角形メッシュを使用することでタイルのジオメトリを変更することにより取得される。しかし、それにより、格納及び処理する必要のあるジオメトリの量が大幅に増加し、一般に、性能が低下し且つ格納コストが増加する。
【0026】
新規のハードウェアにおいて、頂点又はジオメトリシェーダ等のグラフィックスアクセラレータの特徴を使用して、グラフィックスアクセラレータに提供されるジオメトリを変更する場合がある。
【0027】
しかし、特に移動装置において、そのような技術は、必要なジオメトリの量を考えると効率が悪い。あるいは、必要なハードウェアの特徴が装置において使用されるグラフィックスレンダリングサブシステムに存在しない場合、そのような技術を使用できない。
【0028】
従って、本出願人は、ナビゲーション装置における地図情報の表示を改善する余地が残っていると考える。
【発明の概要】
【0029】
本発明の第1の態様によると、地図情報を表示する方法であって、
地図情報を表示するために1つ又は複数のグラフィックスプリミティブにテクスチャを適用するために、地図に対して表示される1つ以上の地図の特徴を含む第1のグラフィックステクスチャと第2のグラフィックステクスチャとを組み合わせて使用することと、
地図情報を表示するために、適用されたテクスチャを有する1つ又は複数のグラフィックスプリミティブを表示することとを備え、
第2のテクスチャ及び組み合わせ動作は、第1のテクスチャと第2のテクスチャとを組み合わせて使用することにより、表示されている少なくとも1つの地図の特徴が当該地図の特徴の境界を表す境界領域により縁取られるように構成される方法が提供される。
【0030】
本発明の第2の態様によると、
ユーザに対してデジタル地図を表示するためのディスプレイと、
デジタル地図データにアクセスし且つディスプレイ上に表示されるようにデジタル地図をレンダリングするように構成されたプロセッサとを備え、プロセッサが、
地図を表示するために1つ又は複数のグラフィックスプリミティブにテクスチャを適用するために、表示される1つ以上の地図の特徴を含む第1のグラフィックステクスチャと第2のグラフィックステクスチャとを組み合わせて使用し、且つ
地図を表示するために、適用されたテクスチャを有する1つ又は複数のグラフィックスプリミティブを表示することにより、
デジタル地図データを表示するためにレンダリングする手段を更に備えることを特徴とし、
第2のテクスチャ及び組み合わせ動作は、第1のテクスチャと第2のテクスチャとを組み合わせて使用することにより、表示されている少なくとも1つの地図の特徴が当該地図の特徴の境界を表す境界領域により縁取られるように構成されるナビゲーション又はマッピング装置が提供される。
【0031】
本発明において、表示される地図情報は、表示されている地図の特徴の少なくとも1つが当該地図の特徴の境界を表す境界領域により縁取られるように2つのテクスチャを組み合わせて使用することにより、表示するためにレンダリングされる。
【0032】
以下に更に説明するように、本出願人は、これにより、例えば水域特徴、建物、建物の窓等の所定の平面の上方又は下方に存在する特徴を更にリアル且つ効率的にレンダリングする技術が提供されることを認識した。そのような方法は、例えば移動装置等の制限される(例えば、グラフィックスジオメトリが制限される)装置において使用するのに適している。
【0033】
特に、本出願人は、そのような境界効果が表示の視覚品質を大幅に向上することに気付いた。特に、表示地図上で見られる特徴に例えばコントラストの異なる境界を提供することにより、観察者は当該境界領域を表示画像における平面の内側(又は外側)に延伸する表面又はエッジとして知覚する傾向があり、それにより、表示画像における奥行き(高差)の印象を向上できることを本出願人は認識した。
【0034】
更に、本技術の視覚品質は、例えばゲームにおいて使用される更に複雑な方法(例えば、頂点数の増加、バンプマッピング等)に完全に匹敵することはできないが、例えばタイルベースの地図表示の視覚品質を向上する相対的に高速且つ効率的な方法を提供できる。
【0035】
このように、本発明は、ジオメトリを全く又は全く増加せずに(例えば、既存の頂点バッファオブジェクトを再利用することにより)所望の効果を作成できるため、組み込みグラフィックスハードウェアに適している。従って、PNDに対する現在及び(近い)将来のシステムオンチップ構成に含まれるグラフィックスレンダリングサブシステムの種類が効率的に処理できるジオメトリの数において通常は非常に制限されるため、本発明はそのような構成において使用するのに適している。
【0036】
しかし、以下に更に説明するように、本発明は、ポータブル装置及び更に制限される装置のみに適用可能であるのでなく、要望に応じて、高性能のグラフィックスレンダリングサブシステムにも有利に使用可能である。
【0037】
本発明は、特にタイルベースの地図情報レンダリングに適しているが、それに限定されない。本例において、レンダリングされているプリミティブは、表示される地図の各タイルを表す。
【0038】
従って、本発明の第3の態様によると、タイルベースの地図情報レンダリングを使用して地図情報を表示する方法であって、
地図情報を表示するために表示されるタイルに対して、
地図情報を表示するために表示されるタイルを表す1つ又は複数のグラフィックスプリミティブにテクスチャを適用するために、地図のタイルに対して表示される1つ以上の地図の特徴を含む第1のグラフィックステクスチャと第2のグラフィックステクスチャとを組み合わせて使用し、且つ
地図情報を表示するためにタイルを表示するために、適用されたテクスチャを有するタイルを表す1つ又は複数のグラフィックスプリミティブを表示することにより、タイルを表示するためにレンダリングすることを備え、
第2のテクスチャ及び組み合わせ動作は、第1のテクスチャと第2のテクスチャとを組み合わせて使用することにより、タイル上に表示されている少なくとも1つの地図の特徴が当該地図の特徴の境界を表す境界領域により縁取られるように構成される方法が提供される。
【0039】
本発明の第4の態様によると、
ユーザに対してデジタル地図を表示するためのディスプレイと、
デジタル地図データにアクセスし且つタイルベースの地図情報レンダリングを使用してデジタル地図をディスプレイ上に表示させるように構成されたプロセッサとを備え、プロセッサが、
地図情報を表示するために表示されるタイルを表す1つ又は複数のグラフィックスプリミティブにテクスチャを適用するために、地図のタイルに対して表示される1つ以上の地図の特徴を含む第1のグラフィックステクスチャと第2のグラフィックステクスチャとを組み合わせて使用し、且つ
地図情報を表示するためにタイルを表示するために、適用されたテクスチャを有するタイルを表す1つ又は複数のグラフィックスプリミティブを表示することにより、
地図情報を表示するために表示されるタイルをレンダリングする手段を更に備えることを特徴とし、
第2のテクスチャ及び組み合わせ動作は、第1のテクスチャと第2のテクスチャとを組み合わせて使用することにより、タイル上に表示されている少なくとも1つの地図の特徴が当該地図の特徴の境界を表す境界領域により縁取られるように構成されるナビゲーション又はマッピング装置が提供される。
【0040】
明らかなように、本発明の上記の態様及び実施形態において参照されるレンダリングされるタイルは、3D空間において地図情報を表すタイルであり、従って、表示用画面空間において2Dシーンをレンダリングする際に使用される「タイル」ではなく、実際に表示される際に2D画面空間に投影される3D世界におけるタイルである。従って、文脈上明らかに他の意味に解釈するべき場合を除いて、本明細書中のタイルベースレンダリングに対する参照は、表示される画像(例えば、地図情報)が3D「世界」空間における1つ又は複数のタイルとして表される構成を参照することを意図する。これらのタイルは、表示用2D「画面」空間に投影される。
【0041】
本発明の技術は、例えば表示されている画像の特性に依存して、表示される地図情報(表示されている画像)の要求される数のタイル(タイルの位置)に対して使用されてもよい。従って、例えば本発明の技術を使用してレンダリングされる画像のタイルの位置は1つのみであってもよく、あるいは、実際は一般に、そのようにレンダリングされるタイル(タイルの位置)は複数であってもよい(これは、例えば表示されている画像(地図)の複数のタイルを通る水域特徴等の特徴が存在する場合である)。本発明の技術を使用してレンダリングされないタイルは、通常の方法でレンダリングされてもよい。
【0042】
テクスチャが適用される1つ又は複数のプリミティブは、あらゆる適切な所望のグラフィックスプリミティブ(すなわち、グラフィックスレンダリング演算に使用されるプリミティブ)であってもよい。当技術において既知であるように、グラフィックスプリミティブは、通常は三角形又は矩形等の単純な多角形であり、そのような多角形であるのが好ましい。所定の地図のタイルは、要望に応じて、単一のプリミティブを使用して表されてもよく、複数のプリミティブを使用して表されてもよい。
【0043】
本発明において境界領域を提供される地図の特徴は、表示地図の平面の上方又は下方に存在する特徴を表すのが好ましい(本発明の効果が、表示画像における奥行き及び高差の知覚を向上することであるため)。
【0044】
好適な一実施形態において、地図の平面は「地表」を表し、その場合、「縁取られた」地図の特徴は、水域特徴、トンネル、切通し等の地下の特徴及び/又は建物の屋根等の地上の特徴を表すのが好ましい。
【0045】
地図の平面が地表ではなく、建物又は他のオブジェクトの側面(例えば、水平面ではなく垂直面)等の他の何らかの平面を表すことも可能である。この場合、地図の平面は例えば建物の外面を表し、縁取られる特徴は例えば建物の窓及び/又は扉の位置である。
【0046】
上述のように、本発明の構成は、河川等の1つ以上の地図の特徴が境界を用いて表示されるようにする。構成は、「縁取られる」ことを意図する地図の特徴が異なる外見を有する地図(画像)領域により少なくとも部分的に縁取られるようにするのが好ましい。これにより、境界効果が地図の特徴に相対的に簡単に与えられる。
【0047】
従って、境界(境界領域)は、「縁取られて」いる地図の特徴と異なる色又は色調になるようにレンダリングされるのが好ましい。これは、地図の特徴と対照的な色又は色調になるようにレンダリングされるのが好ましい。境界は、地図の特徴自体の色と異なる例えば暗い色調であってもよく、あるいは地図の特徴自体の色と異なる色であってもよい。これは、地図の特徴より暗い色であり、例えば黒色、暗い青色又は暗い灰色であるのが好ましい。境界は、問題の地図の特徴に対する暗いエッジとして現われるのが最も好ましい。
【0048】
構成は、境界及び地図の特徴が適切に表示されるようにする必要がある。従って、境界は、画像の表示時に地図の特徴のエッジに現れる必要がある。
【0049】
境界は、地図の特徴を包囲してもよい。しかし、本出願人は、画像の表示時に境界が地図の特徴の全周に見える必要がない(実際は、そのように見えないのが好ましい)ことを理解した。むしろ、境界は、問題の観察方向に適するように見えるのが好ましく、例えば観察者から見て地図の特徴の手前側(又は奥側)ではなく、観察者から見て地図の特徴の奥側(又は手前側)に存在するのが好ましい。これにより、表示時に地図の特徴が地図内の他の特徴と異なる高さに存在するように見え、地図における境界領域の視覚効果が向上される。
【0050】
一般に、第1のテクスチャ及び第2のテクスチャは、所望の表示を達成するあらゆる適切な所望の方法で構成されてもよい。同様に、第1のテクスチャ及び第2のテクスチャは、例えば既存のグラフィックス処理システムのテクスチャマッピング処理及びシステムを使用することにより、あらゆる適切な所望のテクスチャ処理(例えば、テクスチャマッピング)技術を使用してプリミティブに適用され且つ組み合わせて使用されてもよい。
【0051】
(しかし、本出願人は、本発明の効果を達成するためにテクスチャを構成し且つ使用する特定の好適な技術を開発した。これらの技術を以下に説明する。)
第1のテクスチャは、表示される1つ以上の地図の特徴を含む(すなわち、プリミティブに適用された場合に示す)必要がある。これらの特徴は、道路、建物、田畑等のあらゆる適切な地図の特徴を含んでもよい。第1のテクスチャは、境界を用いて表示される特徴を含んでもよい(いくつかの好適な実施形態において、第1のテクスチャはそのような特徴を含む)。
【0052】
第1のテクスチャは、例えば問題の地図を定義する地図情報の一部として格納される事前に定義されたテクスチャであってもよく、あるいは、格納された地図のジオメトリから使用時に生成されるテクスチャであってもよい。
【0053】
1つの好適な実施形態において、第2のテクスチャは同様に、表示される地図の特徴を含むテクスチャであってもよい。しかし、第2のテクスチャはそのようなテクスチャである必要がなく、例えば第1のテクスチャの特徴が表示される際にそれらを変調又は変更するために使用されるテクスチャであってもよい(別の好適な実施形態において、第2のテクスチャは、このようなテクスチャである)。後者の場合、第2のテクスチャマップは、例えば第1のテクスチャと組み合わされた(第1のテクスチャに適用された)場合に第1のテクスチャの領域を選択的に暗くする(又は明るくする)「ダークマップ」の形態であってもよく、好適な一実施形態において、そのような形態である。
【0054】
第2のテクスチャは同様に、事前に定義され且つ格納されたテクスチャであってもよい(1つの好適な実施形態において、そのようなテクスチャである)。しかし、他の好適な実施形態において、第2のテクスチャは、使用時に生成されるテクスチャである。第2のテクスチャが使用時に生成される場合、好適な一実施形態において、これは別のテクスチャから生成される。この他のテクスチャ自体は、事前に定義される(且つ格納される)か又は生成されてもよい。
【0055】
1つの好適なそのような実施形態において、第2のテクスチャは第1のテクスチャから生成される。1つの好適な実施形態において、以下に更に説明するように、第2のテクスチャは、タイルに対する地図の特徴の高さを示す高さマップから生成される(この高さマップは事前に定義されてもよく、あるいはそれ自体が例えば第1のテクスチャから使用時に生成されてもよく、そのように生成されるのが好ましい)。
【0056】
尚、本明細書中で第1のテクスチャ及び第2のテクスチャを参照する場合、これらは、地図を表示するためにレンダリングする際に実際は2つのテクスチャが使用されていることを示すことを意図する。しかし、第1のテクスチャ及び第2のテクスチャは事前に定義される必要はなく、実際は、それらの一方又は双方は、地図を表示するためにレンダリングしている際に使用時に生成可能である(実際、好適な一実施形態において、それらはそのように生成される)。第2のテクスチャは、第1のテクスチャのバージョンであってもよく、あるいは第1のテクスチャから導出されてもよい。
【0057】
また、第1のテクスチャ及び第2のテクスチャは別々に格納される必要がなく、例えばテクスチャマップのRGBチャネルを使用して一方のテクスチャを格納し且つテクスチャマップのアルファチャネルを使用して他方のテクスチャを格納することにより、単一のテクスチャマップとして格納されてもよい。また、第2のテクスチャは、それ自体が実際にプリミティブに適用される必要がなく、例えばプリミティブに対する第1のテクスチャの適用を変更するために使用されるテクスチャであってもよい。
【0058】
地図を表示する場合、第1のテクスチャ及び第2のテクスチャはあらゆる適切な所望の方法で組み合わせて使用されてもよい。例えばアルファブレンド等のあらゆる適切なグラフィックスブレンド技術が使用されてもよい(1つの好適な実施形態において、グラフィックスブレンド技術が使用される)。あるいはテクスチャは、他の方法で組み合わせることができ、例えばそれらを乗算することにより、あるいは第1のテクスチャマップの選択的変更をトリガする(例えば、好ましくは、所定の画素に対する第1のテクスチャマップの値と第2のテクスチャマップの値との比較に基づいて、あるいはプリミティブに対する第1のテクスチャの適用を選択的に変更する関数に対する入力として第2のテクスチャマップの値を使用して)ために第2のテクスチャを使用することにより組み合わせることができる。
【0059】
本発明のいくつかの特に好適な実施形態において、第1のテクスチャ及び第2のテクスチャは、地図を表す1つ又は複数のグラフィックスプリミティブに適用される第1のテクスチャと第2のテクスチャとを組み合わせ、地図情報を表示するために、地図を表す1つ又は複数のグラフィックスプリミティブに組み合わされた第1のテクスチャ及び第2のテクスチャを適用することにより、組み合わせて使用される。
【0060】
従って、本発明の第5の態様によると、好ましくはタイルベースの地図情報レンダリングを使用して地図情報を表示する方法であって、
表示される地図を表す1つ又は複数のグラフィックスプリミティブに、地図に対して表示される1つ以上の地図の特徴を含む第1のテクスチャを適用することと、
地図を表す1つ又は複数のグラフィックスプリミティブに適用された第1のテクスチャと、地図を表す1つ又は複数のグラフィックスプリミティブに適用される第2のテクスチャと、を組み合わせることと、
地図情報を表示するために、適用されて組み合わされた第1のテクスチャ及び第2のテクスチャを有する地図を表す1つ又は複数のグラフィックスプリミティブを表示することとを備え、
第2のテクスチャ及び組み合わせ動作は、組み合わされたテクスチャにより、表示されている少なくとも1つの地図の特徴が当該地図の特徴の境界を表す境界領域により縁取られるように構成される方法が提供される。
【0061】
本発明の第6の態様によると、
ユーザに対してデジタル地図を表示するためのディスプレイと、
デジタル地図データにアクセスし且つ好ましくはタイルベースの地図情報レンダリングを使用してディスプレイ上に表示されるようにデジタル地図をレンダリングするように構成されたプロセッサとを備え、プロセッサが、
表示される地図を表す1つ又は複数のグラフィックスプリミティブに地図に対して表示される1つ以上の地図の特徴を含む第1のテクスチャを適用することと、
地図を表す1つ又は複数のグラフィックスプリミティブに適用された第1のテクスチャと地図を表す1つ又は複数のグラフィックスプリミティブに適用される第2のテクスチャとを組み合わせることと、
地図を表示するために、適用されて組み合わされた第1のテクスチャ及び第2のテクスチャを有する地図を表す1つ又は複数のグラフィックスプリミティブを表示することとにより、
デジタル地図データを表示するためにレンダリングする手段を更に備えることを特徴とし、
第2のテクスチャ及び組み合わせ動作は、組み合わされたテクスチャにより、表示されている少なくとも1つの地図の特徴が当該地図の特徴の境界を表す境界領域により縁取られるように構成されるナビゲーション又はマッピング装置が提供される。
【0062】
本発明の第1の特に好適な実施形態において、第1のテクスチャは、1つ以上の地図の特徴及び1つ以上のシースルー形状(透明領域)を地図上に表示するように構成され、第2のテクスチャは、テクスチャが地図のプリミティブに適切にマッピングされ且つ組み合わされる場合に第1のテクスチャにおけるシースルー形状(透明領域)を「通して見える」(すなわち、それの代わりに現われる)ように地図の特徴及びそれらの境界を表示するように構成される。
【0063】
従って、本発明の本実施形態において、表示される地図情報は、1つ以上のシースルー形状が提供されたプリミティブに第1のテクスチャを適用し、プリミティブに第2のテクスチャを適用することで実際は第1のテクスチャにおけるシースルー形状(部分)を「塗りつぶす」(追加の視覚情報を用いて)ことにより、表示するためにレンダリングされる。
【0064】
これらの構成において、第1のテクスチャは例えば「地表」を表す。この場合、第1のテクスチャは例えば適切に構成される必要があり、その場合、シースルー形状は、水域特徴、トンネル、切通し等の地下の特徴の位置を表す。第1のテクスチャが建物の屋根等の地上の特徴を表すことも可能である。この場合、シースルー形状は、例えば道路、田畑等の地表の特徴の位置を表す。
【0065】
第1のテクスチャが地表ではなく、建物又は他のオブジェクトの側面(例えば、水平面ではなく垂直面)等の他の何らかの平面を表すことも可能である。この場合、第1のテクスチャは例えば建物の外面をレンダリングするために使用されてもよく、その場合、シースルー形状は例えば建物の窓及び/又は扉の位置である。
【0066】
第1のテクスチャにおけるシースルー形状(透明領域)は、あらゆる適切な所望の方法で提供されてもよい。好適な一実施形態において、シースルー形状はアルファテクスチャ(透明度)を使用することにより提供される。従って、シースルー形状が現れる第1のテクスチャの範囲(領域)に透明係数が適用される。
【0067】
シースルー形状は、完全に透明であってもよく、部分的にのみ透明であるようにレンダリングされてもよく、あるいはそれらの組み合わせであってもよい。例えばトンネルをレンダリングするためのシースルー形状は、トンネルの入口では完全に透明であるがトンネルが実際に地下に存在する部分では半透明であるようにレンダリングされてもよい。このように、特に好適な一実施形態において、第1のテクスチャにおけるシースルー形状(透明領域)は、可変であり且つ/又は異なる透明度を使用してもよい。
【0068】
特に好適な一実施形態において、第1のテクスチャにおけるシースルー形状(透明領域)のエッジは、シースルー形状の本体と異なる透明度でレンダリングされ、好ましくは本体より低い透明度でレンダリングされる。第1のテクスチャにおけるシースルー形状のエッジに例えば半透明性を適用することにより、表示画像における明瞭な線を避けられる。
【0069】
従って、本発明の第1の特に好適な本実施形態において、第2のテクスチャは、トンネル、水域特徴等の地下の特徴、地表の特徴又は垂直面における特徴等、第1のテクスチャにおけるシースルー形状により形成される「間隙」を通して見える適切な地図の特徴を適宜表す必要がある。
【0070】
従って、第2のテクスチャは、第1のテクスチャにおけるシースルー形状を「通して」見える関連する地図の特徴を表すか又は示す画像領域を含むのが好ましい。従って、これらの画像領域は、水域特徴、トンネル、切通し、建物の窓、道路、田畑、庭等のうちの1つ以上を表すのが好ましい。第2のテクスチャにおける画像領域は、画像がレンダリングされる際に第1のテクスチャにおけるシースルー領域と全体が重なり合う(一致する)ように構成される必要がある。従って、好適な一実施形態において、一般に、第2のテクスチャにおける画像領域の大きさは第1のテクスチャにおける対応するシースルー形状と同様である(一致する)。第2のテクスチャにおける所定の地図の特徴を表す画像領域は、第1のテクスチャにおける対応するシースルー形状と同一の大きさ、形状及び位置を第2のテクスチャおいて有するのが最も好ましい。
【0071】
好適な本実施形態において、第2のテクスチャは、画像の表示時に、第1のテクスチャにおけるシースルー形状を通して見えることを意図する画像領域が、画像領域により示される地図の特徴の境界を表し且つ形成する異なる外見を有する他の領域により縁取られ且つ/又は包囲されるように更に構成されるのが好ましい。以下に更に説明するように、境界領域の少なくとも一部が同様に第1のテクスチャにおけるシースルー形状を通して見えるように2つのテクスチャが組み合わされる場合、表示タイルにおいて所望の地図の特徴に所望の境界効果を相対的に簡単に与えることができる。上述のように、第2のテクスチャにおける境界領域は、第2のテクスチャ上の画像領域と対照的な色又は色調であるのが好ましい。これは画像領域より暗い色であり、例えば黒色、暗い青色又は暗い灰色であるのが好ましい。
【0072】
従って、本発明のこれらの構成の特に好適な一実施形態において、第2のテクスチャは、対応する第1のテクスチャにおけるシースルー形状を通して見える地図の特徴に対応し且つコントラストが異なるのが好ましい境界を表す色により縁取られる画像領域を含む。
【0073】
本発明の本実施形態において、第1のテクスチャ及び第2のテクスチャは、グラフィックスアルファブレンド演算を使用して組み合わされるのが好ましい。これにより、簡単に、地図の特徴を表す第2のテクスチャにおける画像及び境界領域が第1のテクスチャにおけるシースルー(透明)形状(領域)では見えるがそれ以外の部分では見えないようにできる。
【0074】
上述のように、第1のテクスチャ及び第2のテクスチャの構成及び組み合わせは、画像が表示される際に、第2のテクスチャにおける境界を形成する領域が第2のテクスチャにおける画像領域と第1のテクスチャにおける(不透明な)画像との間に現れるようにする必要がある。従って、境界は、第1のテクスチャにおけるシースルー形状のエッジと第2のテクスチャにおける画像領域との間に現れる必要がある。
【0075】
更に、上述したように、境界は、例えば問題の観察方向に適するように見えるのが好ましく、観察者から見て第2のテクスチャにおける画像領域の手前側ではなく奥側に存在する(あるいは、奥側ではなく手前側に存在する)ように見えるのが好ましい。
【0076】
画像が表示される際の第1のテクスチャ及び第2のテクスチャにおける画像領域、境界領域及びシースルー形状の本構成は、あらゆる適切な所望の方法で達成されてもよい。
【0077】
しかし、特に好適な一実施形態において、第2のテクスチャの変位バージョンが1つ又は複数のプリミティブに適用され且つ第1のテクスチャと組み合わされる。第2のテクスチャの変位バージョンは、ビュー方向に依存してパースペクティブ補正用に変位された第2のテクスチャのバージョン、すなわち、カメラの位置に依存したパースペクティブ補正変位が施された第2のテクスチャのバージョンである。
【0078】
特に好適な一実施形態において、1つ又は複数のプリミティブに適用される場合の第2のテクスチャの変位は、第2のテクスチャが実際は(テクスチャが適用されているプリミティブの)第1のテクスチャの平面の後方(下方)に存在する平面に適用されているように表示されるような(そのような効果を有するような)変位である。
【0079】
これは、第2のテクスチャが適用されるプリミティブ(すなわち、表示されているプリミティブ)の座標をプリミティブの平面からその下方(後方)の平面にカメラビューに従って(且つパースペクティブ補正用に)投影した後に、投影されたプリミティブ座標をプリミティブの平面の下方(後方)の平面からプリミティブの平面に正射影(垂直射影)することにより達成されるのが好ましい。そのように投影されたプリミティブ座標により、第2のテクスチャがプリミティブに適用される時に元のプリミティブ座標(すなわち、未投影のプリミティブ座標)に適用される(マッピングされる)第2のテクスチャにおける位置が得られる。
【0080】
換言すると、第2のテクスチャの視点依存パースペクティブ補正変位を取得するために、表示されているプリミティブにおける各位置に対応する変位された第2のテクスチャにおける位置は、プリミティブにおける位置を表示されているプリミティブの平面の下方(後方)の平面にカメラビューに従って(且つパースペクティブ補正用に)投影した後に、プリミティブの平面の下方(後方)の平面における投影されたプリミティブの位置を表示されているプリミティブの平面に正射影(垂直射影)することにより決定されるのが好ましい。その場合、投影された位置が正射影された表示されているプリミティブの元の平面における位置は、表示されているプリミティブにおける各位置に対して使用される(適用される)第2のテクスチャにおける変位位置である。
【0081】
別の見方をすると、この効果は、実際は、プリミティブにおける位置を第2のテクスチャであると考えられる「仮想」平面が表示されている地図の平面の後方の変位された「仮想」平面にカメラの位置(視点)に従ってパースペクティブ補正用に投影し、その後、第2のテクスチャをプリミティブに適用する際に当該プリミティブの位置に対して使用する第2のテクスチャにおけるテクスチャ座標として、変位された仮想平面上の投影されたプリミティブの位置の交点を取得することである。
【0082】
従って、好適な一実施形態において、表示されているプリミティブにおける各位置に対して使用する第2のテクスチャのテクスチャ空間(s,t)における座標は、プリミティブにおける世界空間(x,y,z)の位置を第2のテクスチャが概念上適用されている変位された「仮想」平面上にパースペクティブ補正用に投影することにより決定される。(この投影は、プリミティブにおける位置及び投影の中心(カメラの位置/視点)を通る線に沿う必要がある。)この場合、投影されたプリミティブの位置が変位された「仮想」平面において第2のテクスチャのテクスチャ空間(s,t)と交差する位置は、問題のプリミティブの位置に関連付けられ且つそれに対して使用される第2のテクスチャのテクスチャ(s,t)座標セットである。
【0083】
パースペクティブ補正変位を取得する他の構成が使用されてもよい。例えば変位された第2のテクスチャにおいて、表示される1つ(又は複数)のプリミティブの頂点に対して使用するテクスチャ座標は、表示される1つ(又は複数)のプリミティブの頂点に対する法線ベクトルを使用して導出されてもよい(別の好適な実施形態において、そのようなテクスチャ座標はこのように取得される)。
【0084】
本構成の好適な実現例において、表示される1つ(又は複数)のプリミティブの頂点に対する法線ベクトルが決定され、単位長さに正規化され、その後、選択されたスカラー値を用いて乗算することにより所望の長さに変倍される(所望の長さは、表示される1つ(又は複数)のプリミティブの平面と第2のテクスチャが効果的に表示されている平面との間のオフセットに対応すると考えられる(そのように設定される必要がある))。変倍された法線ベクトルは、表示される1つ(又は複数)のプリミティブの平面上に投影される(すなわち、表示される1つ(又は複数)のプリミティブの平面と一致する第2のテクスチャのテクスチャ空間上に投影される)。変倍された各法線投影の2つのデルタ成分s及びtは、それらのプリミティブに第2のテクスチャを適用する際に、表示される1つ(又は複数)のプリミティブの頂点に関連付けられる(且つ使用される)第2のテクスチャの各テクスチャ空間座標を導出するために使用される各(s,t)テクスチャ空間座標の変位として使用される。
【0085】
所定のプリミティブの位置に対して使用する第2のテクスチャにおける座標(位置)が例えば上記の方法のうちの1つで決定されると、第2のテクスチャは、そのように導出された(s,t)テクスチャ空間座標を使用してプリミティブに適用される。
【0086】
使用される第2のテクスチャにおける変位位置(テクスチャ座標)はプリミティブの頂点に対して決定され、プリミティブの他の位置の値は頂点の値からパースペクティブ補正補間により決定されるのが好ましい。(プリミティブの表面属性(テクスチャ座標を含む)に沿うパースペクティブ補正補間は、OpenGL等の3Dグラフィックスレンダリングパイプラインにおいて一般に使用可能な機能である。)第2のテクスチャをプリミティブに適用する際にそのように導出されたプリミティブの頂点に対する第2のテクスチャの位置及びパースペクティブ補正補間を使用することにより、第2のテクスチャの縮小(変倍、収縮)を含むパースペクティブ補正変位をプリミティブの頂点においてだけでなく内部表面に沿っても取得できることが保証される。
【0087】
第2のテクスチャがプリミティブに適用され且つ第1のテクスチャと組み合わされる前に第2のテクスチャをパースペクティブ補正変位することの効果は、第2のテクスチャにおける画像及び境界領域が、第1のテクスチャの平面の後方の平面に存在し且つ第1のテクスチャにおけるシースルー形状を通して見えるように第1のテクスチャにおけるシースルー(透明)形状に対して位置決めされることである。従って、第2のテクスチャにおける境界及び画像領域は、本発明の所望の境界効果を達成する適切な方法で、表示画像において第1のテクスチャの画像領域に対して位置決めされる。(例えば、第2のテクスチャ上の画像領域が第1のテクスチャにおける対応するシースルー形状と同一の大きさ、形状及び位置を第2のテクスチャにおいて有する場合、3D世界空間における実際の地図の後方に適用されているように第2のテクスチャを効果的に適用することにより、画像が表示用2D画面空間に投影される場合、画像領域を包囲する境界は適切に見える。)
これらの構成において、第2のテクスチャが概念上表示される「仮想」平面は、プリミティブの平面の後方に存在する必要がある。好適な一実施形態において、例えば地図情報の表示の場合、平面間の垂直方向のオフセット(3D空間における)が使用され、それにより、本発明により提供される奥行き効果が全ての観察方向から機能するようになる。他の構成において、例えば建物の外面等の垂直な表面を表示する場合、水平方向のオフセット(3D空間における)が使用されてもよく、使用されるのが好ましい。
【0088】
1つの好適な実施形態において、第2のテクスチャの「レイヤ」(すなわち、第2のテクスチャが実際に「適用」されている仮想の変位平面)は1つのみである。しかし、表示される地図の平面の後方に「仮想」深さの異なる複数の「第2の」テクスチャが存在するように、3つ以上の「第2の」「レイヤ」を有することも可能である。この場合、中間の第2のテクスチャ(すなわち、最後の「最後方の」第2のテクスチャではない)は、第1のテクスチャにおけるシースルー形状を通して見える画像領域と、画像が適切に表示される場合に中間の第2のテクスチャの下方に存在する更なる「第2の」テクスチャにおける画像領域が中間の第2のテクスチャ(及び第1のテクスチャ)を通して見えるようにするシースルー形状自体との双方を有してもよい。
【0089】
異なる相対的「仮想」深さに存在するテクスチャを積み重ねることにより、異なる(複数の)レベルに存在する特徴及び境界を取得できる。
【0090】
従って、好適な一実施形態において、1つ以上のシースルー形状を有する第1のテクスチャ、上位レイヤのテクスチャ(第1のテクスチャ等)におけるシースルー領域を通して見える画像領域と下位レイヤのテクスチャが見えるようにするシースルー領域との双方を有する中間テクスチャの1つ以上のレイヤ、並びに最上位テクスチャ及び中間テクスチャ(テクスチャレイヤ)におけるシースルー領域を通して見える画像領域を有する最下位テクスチャがレンダリングされる。
【0091】
第2のテクスチャの適切な変位(マッピング)が実行されると、そのようにマッピングされた第2のテクスチャは、第1のテクスチャ及び適切に合成された(組み合わされた)テクスチャと共に表示される1つ(又は複数)のプリミティブに適用される。上述のように、本発明の上記の実施形態において、テクスチャは、アルファブレンド演算を使用して組み合わされる(合成される)のが好ましい(これは、あらゆる適切な所望の方法で実行されてもよい)。その場合、これは、第1のテクスチャが透明である部分において第2のテクスチャ内の所望の特徴が可視になり、本発明に従って表示画像において高差の印象を与えられる効果を有する。
【0092】
要望に応じて、本実施形態の種々の変更及び改善が使用されてもよい。例えば、投影の結果、第2のテクスチャの更に広い範囲が必要になる場合、第2のテクスチャの更に広い範囲(第1のテクスチャと比較して)をテクスチャ処理に使用できるようする(キャッシュからの取得、ダウンロード、生成等により)。その代わりに又はそれに加えて、表示される1つ(又は複数)のプリミティブの平面へのマッピング後、第2のテクスチャの「欠落」部分を補償するために、テクスチャのクランプ又はミラーリング等の他の技術が使用されてもよい。また、地図が複数のプリミティブの連続するセットを使用して定義される場合、要望に応じて、変位テクスチャにおける「欠落」部分は隣接するプリミティブから取得されてもよい。
【0093】
また、カメラの投影モードは透視投影である必要はない。正射影も全く同様に機能する。
【0094】
本発明の特に好適な第2の実施形態において、第1のテクスチャは、表示される全ての地図の特徴を含み、第2のテクスチャは、2つのテクスチャが組み合わされる場合に第1のテクスチャの選択領域を変更又は変調し且つ好ましくは色を暗くする値を含むテクスチャの形態である。従って、第2のテクスチャは、第1のテクスチャと組み合わされた場合に、第1のテクスチャ内の領域が表示画像において例えば色の暗くなる水域のエッジ等の地図の特徴の境界(エッジ)として示される(しかし、第1のテクスチャの残りの部分は変更されないのが好ましい)ように構成されるのが好ましい。従って、これらの構成における第2のテクスチャは、所望の境界効果を表示するために第1のテクスチャ(好ましくは、その強度)を変調又は変更する「変調マップ」であると考えられる。
【0095】
従って、第1のテクスチャは、地図の特徴(例えば、土地及び河川の特徴)を有する不透明なテクスチャであり、第2のテクスチャは、第1のテクスチャの強度を変調する「変調マップ」であるのが好ましい。
【0096】
本実施形態において、地図を表示するためにレンダリングする場合、第1のテクスチャ及び第2のテクスチャは乗算されて組み合わされるのが好ましい。
【0097】
第2のテクスチャである「変調マップ」は、好ましくは0.0〜1.0である固定範囲内の値を含むのが好ましく、第2のテクスチャがとることができる最大値(1.0等)を下回る値を第2のテクスチャが有する部分でのみ第1のテクスチャを変更する(例えば、色を暗くする)ように動作するのが好ましい(そのため、第2のテクスチャは、表示画像において地図の特徴の境界(エッジ)として示される必要がある場所で最大値を下回る(例えば、1.0を下回る)値を有する(それ以外の場所ではそのような値を有さない)ように構成される必要があり且つ好ましい)。
【0098】
「変調マップ」である第2のテクスチャは、事前に定義されてもよい(例えば、問題のタイルに対して)。しかし、本実施形態において、「変調マップ」である第2のテクスチャは、変調マップである第2のテクスチャが適用される第1のテクスチャ内の異なる地図の特徴の相対的高さを示す高さマップから使用時に動的に導出されるのが好ましい。この高さマップは複数の高さのレベルを含むことができ且つ好ましく、そのため、単一の高さマップ(第2のテクスチャである変調マップ)で低い領域(例えば、水域領域)及び高い領域(例えば、建物)の双方を表し且つ表示するためにレンダリングできる。
【0099】
高さマップは、事前に決定され、レンダリング処理への入力として使用される事前に定義された高さマップ(テクスチャ)として格納されてもよい。この場合、高さマップは、例えば別個のテクスチャとして格納されてもよく、あるいは、第1のテクスチャのアルファチャネルに格納されてもよい(当該チャネルが利用可能であり且つ第1のテクスチャに対して使用されない場合)。あるいは、高さマップは、例えばカラーマップのデータから使用時に導出されてもよく(例えばテクスチャを解析し、第1のテクスチャ内の対応するテクセルが「水域」の色(あるいは、低い(又は高い)位置に存在する他の何らかの特徴の色)に対応する高さマップ内の全てのテクセルをより「低く」設定することにより、例えば地図の特徴を表す第1のテクスチャから導出されるのが好ましい)。
【0100】
例えば高さマップは、特定の色を指定された高さにマッピングする(例えば、水域の色を低い高さにマッピングし、建物の色を高い高さにマッピングする等)ことにより、例えばカラーマップのデータから(例えば、地図の特徴を表す第1のテクスチャから)導出されてもよい。
【0101】
高さマップは、何らかの所望の適切な方法で「変調マップ」である第2のテクスチャを導出するために使用される。しかし、特に好適な一実施形態において、第2のテクスチャは、高さマップ及び高さマップの変位バージョンから導出(計算)される。高さマップの変位バージョンは、ビュー方向に依存してパースペクティブ補正変位された高さマップのバージョンであるのが好ましい。変調マップである第2のテクスチャは、高さマップから以下のように導出されるのが最も好ましい。
【0102】
第2のテクスチャ(変調マップ)=H0+(1−H1)
H0は高さマップであり、H1は変位された高さマップ(好ましくは、カメラの位置に依存してパースペクティブ補正変位された高さマップのバージョン)である。
【0103】
この構成の効果は、結果として得られた変調マップである第2のテクスチャにおいて、低く又は高く示される第1のテクスチャ内の地図の特徴の「可視エッジ」側(観察者の視点から見て)以外の大部分が最大値を有することであり、そのようであるのが好ましい。従って、本構成は、低い(又は高い)地図の特徴の片側のみに色の暗いエッジが現れるようにする効果を有する変調マップである第2のテクスチャを提供する(上述のように、これは本発明にとって特に望ましい動作である)。
【0104】
そのように導出された変調マップである第2のテクスチャの値は、変調マップである第2のテクスチャに許される最大値(1.0等)にクランプされるのが好ましい。その場合、変調マップにより表示地図内に明るいエッジが生じることが避けられる。
【0105】
導出された変調マップである第2のテクスチャは、要望に応じて第1のテクスチャの表示を変調又は変更するために使用可能である。1つの好適な実施形態において、導出された変調マップである第2のテクスチャは第1のテクスチャと乗算され、第1のテクスチャにおける低い又は高い地図の特徴のエッジ領域の強度を変調する(暗くするのみ)。要望に応じて、第1のテクスチャがプリミティブに適用される場合に、例えば第1のテクスチャにおけるテクセルの色及び/又は画素の色を導出された変調マップである第2のテクスチャの値に依存して選択的に変更又は修正する関数に対する入力として、導出された変調マップである第2のテクスチャを使用する他の構成が使用されてもよい。
【0106】
要望に応じて、変調マップ(及び変調された第1のテクスチャ)において高いコントラストを取得するために、例えば0.5の減算及び2の乗算である(変調マップの値が0.0〜1.0の範囲にクランプされる場合)更なる変倍が変調マップである第2のテクスチャに適用されてもよい。
【0107】
上記の実施形態において、変調マップである第2のテクスチャは、第1のテクスチャに適用される(第1のテクスチャを変調するために使用される)前に全体が計算されてもよい。しかし、これは必須ではなく、代わりに例えば画素(又は画素セット)毎に実行時に計算されてもよい。例えば高さマップ及び変位された高さマップにおけるテクスチャルックアップを画素の位置毎に実行した後に組み合わせて、第2のテクスチャに対する変調マップの値を実行時に出力してもよい。第2のテクスチャに対する計算された変調マップの値は、カラーマップである第1のテクスチャのチャネルを変調するために直接使用されてもよい。
【0108】
第2のテクスチャとして使用される変調マップを生成するために使用される高さマップの(パースペクティブ補正)変位バージョンは、何らかの適切な所望の方法で導出可能である。これは、本発明の第1の特に好適な実施形態に対する第2のテクスチャの変位に関連して上述した1又は複数の方法で導出されるのが好ましい。
【0109】
従って、例えば1つの特に好適な実施形態において、「未変位の」高さマップにおける各位置に対応する変位された高さマップにおける位置は、高さマップにおける位置を高さマップの平面の下方(後方)の平面にカメラビュー(視点)に従ってパースペクティブ補正用に投影した後に、高さマップの平面の下方(後方)の平面における投影された高さマップの位置を高さマップの「元の」平面に正射影(垂直射影)することにより決定される。この場合、投影された位置が正射影される高さマップの元の平面における位置は、「未変位の」高さマップにおける各位置に対応する変位された高さマップにおける位置である。
【0110】
本発明の第3の特に好適な実施形態において、第1のテクスチャは、上述の本発明の第2の特に好適な実施形態と同様に、表示される全ての地図の特徴を含み(表示される全ての地図の特徴を表すカラーマップであるのが好ましい)、第2のテクスチャは、第1のテクスチャの表示時に好ましくは第1のテクスチャの選択領域の色を暗くするように、レンダリングされたプリミティブにおいて第1のテクスチャの表示を変調又は変更するために使用される。
【0111】
しかし、本実施形態において、第2のテクスチャは第1のテクスチャから導出されるのが好ましく、そのように導出された第2のテクスチャは、第1のテクスチャの表示時に第1のテクスチャに適用される変調(変更)が存在する場合はそれを判定するために、第1のテクスチャと比較されるのが好ましい。換言すると、第1のテクスチャの表示は、第1のテクスチャと第2のテクスチャとの比較に基づいて選択的に変更されるのが好ましい(第2のテクスチャは、第1のテクスチャから導出される)。
【0112】
本発明の特に好適な本実施形態において、従って、第2のテクスチャ及び比較処理は、第1のテクスチャの選択領域(例えば、それらは境界領域であることを意図するのが好ましい)を変更する、例えば色を暗くする、ようにする必要がある。従って、第2のテクスチャ及び比較処理は、表示画像において、例えば水域のエッジ等である地図の特徴の境界(エッジ)として示される第1のテクスチャ内の領域の色を暗くする(好ましくは、第1のテクスチャの残りの部分は変更されない)ように構成されるのが好ましい。
【0113】
構成は、色の暗いエッジが低い(又は高い)地図の特徴の片側のみに現れるようにする効果を有するのが好ましい(上述のように、これは本発明にとって特に望ましい動作である)。
【0114】
これを達成するために、本実施形態において、第2のテクスチャは、第1のテクスチャの変位バージョンとして導出され、好ましくはパースペクティブ補正変位バージョンとして導出されるのが好ましい。
【0115】
本発明の本実施形態において第2のテクスチャとして使用されるこの第1のテクスチャの(パースペクティブ補正)変位バージョンは、何らかの適切な所望の方法で導出可能である。これは、本発明の第1の特に好適な実施形態に対する第2のテクスチャの変位に関連して上述した1又は複数の方法で導出されるのが好ましい。
【0116】
従って、例えば1つの特に好適な実施形態において、「未変位の」第1のテクスチャにおける各位置に対応し且つ第1のテクスチャと比較される第2のテクスチャを形成する第1のテクスチャの変位バージョンにおける位置は、第1のテクスチャにおける位置を第1のテクスチャの平面の下方(後方)の平面にカメラビューに従って(パースペクティブ補正用に)投影した後に、第1のテクスチャの平面の下方(後方)の平面における投影された第1のテクスチャの位置を第1のテクスチャの「元の」平面に正射影(垂直射影)することにより決定される。この場合、投影された位置が正射影される第1のテクスチャの元の平面における位置は、「未変位の」第1のテクスチャにおける各位置に対応する変位された第1のテクスチャにおける位置である(そのため、第1のテクスチャと第2のテクスチャとを比較する際に第2のテクスチャの値として使用される)。
【0117】
本発明の上記の実施形態において、比較処理は、所定の画素の位置における第1のテクスチャに対する特徴と第2のテクスチャを形成する第1のテクスチャの変位バージョンに対する特徴とが同一のレベル(高さ)に存在するか否かを判定するのが好ましい。特徴が同一のレベル(高さ)に存在する(例えば、双方が地表の特徴である)場合、第1のテクスチャは変更されずに表示されるが、所定の画素の位置に対して、第1のテクスチャが第2のテクスチャを形成する第1のテクスチャの変位バージョンより低いレベルの特徴(例えば、水域)を含む場合(及び/又は第1のテクスチャの変位バージョンが第1のテクスチャより低いレベルの特徴を含む場合)、画素の位置に対する表示されるテクスチャはエッジを表す(示す)ように変更される。
【0118】
上述のように、「エッジ」は、例えば当該画素の位置における第1のテクスチャの強度を暗くするか、あるいは画素の色を要望に応じて黒色又は暗い青色等のエッジ色に変更することにより表される。レベルの比較は、画素の色データに基づいてもよく、基づくのが好ましい。例えば、「青色」は水域を示し、「緑色」は地表を示すものとする。
【0119】
従って、本実施形態において、地図を表す1つ又は複数のプリミティブの1つ(又は複数)の画素に対して表示される出力色は、当該画素に対する第1のテクスチャの値と当該画素に対する第1のテクスチャの変位バージョンの値との比較に基づくのが好ましい。換言すると、出力画素の色は、当該画素に対する第1のテクスチャの値と第1のテクスチャにおける変位位置に対する値との比較に基づくのが好ましい。
【0120】
従って、本発明の第7の態様によると、好ましくはタイルベースの地図情報レンダリングを使用して地図情報を表示する方法であって、
地図を表示するためにプリミティブに適用され且つ地図に対して表示される1つ以上の地図の特徴を含むテクスチャの画素に対する値とテクスチャの変位バージョンの当該画素に対する値との比較に基づいて、地図を表すプリミティブの当該画素に対して表示される出力色を決定することを備える方法が提供される。
【0121】
本発明の第8の態様によると、
ユーザに対してデジタル地図を表示するためのディスプレイと、
デジタル地図データにアクセスし且つ好ましくはタイルベースの地図情報レンダリングを使用してデジタル地図をディスプレイ上に表示させるように構成されたプロセッサとを備え、プロセッサが、
地図を表示するためにプリミティブに適用され且つ地図に対して表示される1つ以上の地図の特徴を含むテクスチャの画素に対する値とテクスチャの変位バージョンの当該画素に対する値との比較に基づいて、地図を表すプリミティブの当該画素に対して表示される出力色を決定する手段を更に含むことを特徴とするナビゲーション又はマッピング装置が提供される。
【0122】
当業者には明らかなように、本発明の上記の態様及び実施形態は、本明細書中で説明する本発明の好適なオプションの特徴のいずれか1つ以上又は全てを適宜含むことができ且つ含むのが好ましい。
【0123】
従って、例えばテクスチャの変位バージョンは、第1のテクスチャを変位された「後方の」平面にカメラビュー(視点)に従って投影した後に、結果として得られた変位された「後方の」平面におけるテクスチャを元の「平面」に垂直射影することにより取得されるのが好ましい。
【0124】
同様に、値を比較に使用する変位されたテクスチャの座標は、注目画素の位置をプリミティブの平面の下方に変位される平面にカメラの位置に従って投影した後に、結果として得られた画素の位置を変位平面から表示される地図を表すプリミティブの平面に正射影することにより決定されるのが好ましい。そのように投影された画素の位置は、注目画素の位置に対するテクスチャの値と比較するために、テクスチャにおけるサンプルに対する位置として使用される。
【0125】
本発明の上記の実施形態において、第2のテクスチャ及び比較処理等は、あらゆる適切な所望の方法で導出及び実行されてもよい。このために画素シェーダプログラムを使用して、例えば第2のテクスチャを形成する第1のテクスチャの変位バージョンを導出し、比較を実行し且つ表示される第1のテクスチャの値を変調(変更)する(必要に応じて)のが好ましい。
【0126】
上記の実施形態において、第2のテクスチャ(第1のテクスチャの変位バージョン)は、画素(又は画素セット)毎に実行時に計算されるのが好ましい。例えば画素の位置毎に、第1のテクスチャマップ及び変位された第1のテクスチャにおけるテクスチャルックアップが実行時に実行され且つ比較される。
【0127】
例えば好ましくは、例えばツーパス手法を使用して、第2のテクスチャを形成する変位された第1のテクスチャを導出し且つそれと第1のテクスチャとを比較する処理を繰り返すことにより、水域のエッジの反射をシミュレーションするために本発明の本実施形態の手法を使用することも可能である。
【0128】
本発明の実施形態において、表示画像の品質を向上するために、多くの他の技術が更に使用されるのが好ましい。
【0129】
例えば好適な一実施形態において、本発明の実施形態においてテクスチャ等が実際に投影される後方の「仮想」平面の位置(例えば、オフセット)は、例えばフレーム毎に2つ(又は3つ以上)の位置の間で変動するように、使用時に(画像が表示されている時に)変更されることが可能であり且つ好ましい。これは、例えば水域のレンダリング時に潮流又は波の効果を与えるために使用可能である。
【0130】
特に好適な構成において、本発明の実施形態においてテクスチャ等が実際に投影される後方の「仮想」平面の位置(例えば、オフセット)は、観察距離の関数として好ましくは自動的に選択され、好ましくは自動的に減少されることが可能であり且つ好ましい(直線として測定される観察距離は、ユーザの視点(すなわち、ユーザの目)から地図の平面が存在する空間内の(仮想)点までの距離である)。これは、表示画像の向上を更に助長する。
【0131】
好適な一実施形態において、画素シェーディング演算を使用できる場合、表示されている画像を向上し、好ましくは地図の特定の画像領域に効果を適用するために、それを使用する。例えば画素シェーディング演算は、更にリアルな水域効果を作成するために、水域特徴のレンダリング時に日光及び/又は波の反射をシミュレーションするために使用されてもよい。
【0132】
上記から明らかなように、本発明は、建物の屋根、水域特徴及びトンネル等の地上又は地下に現れる(「地表」に現われる)特徴を表示するのに特に適しているが、他の特徴をレンダリングするために同様に使用されてもよく、特に、奥行き(例えば、雲の層等)を有するように見える必要のあるあらゆる平面をレンダリングするために使用されてもよい。
【0133】
地図表示の場合の本例は、例えば都市部を表示する際の建物の外面である。本発明は、例えばそのような表示に対して従来使用されているテクスチャの一般的な使用と比較して、建物の外面を更にリアルに表示するために使用可能である。更に、建物の外面のレンダリングは(特に、オフィスビルの場合)通常は反復的なテクスチャを使用するため、この場合、本発明は、定義されたテクスチャを単一の窓に対して使用し且つ建物の外面にわたりそれらのテクスチャを繰り返すことにより実現されることが可能であり且つ好ましい。これにより、その使用が非常に効率的になる。
【0134】
本発明の技術は、建物の屋根をシミュレートするために同様に使用されてもよく、使用されるのが好ましい。
【0135】
いずれかの態様及び実施形態における本発明の原理は、あらゆる形態のマッピング又はナビゲーション装置、並びにあらゆる所望の適切な形態の地図情報の表示に適用可能である。好適な実施形態において、装置はナビゲーション装置である。1つの特に有用な分野は、ポータブルナビゲーション装置(PND)に関する。従って、実施形態において、マッピング又はナビゲーション装置はポータブルナビゲーション装置(PND)である。更なる態様によると、本発明は、説明した本発明のいずれかの態様又は実施形態に係る装置を備えるポータブルナビゲーション装置(PND)を提供する。従って、本発明の実施形態において、方法は、ポータブルナビゲーション装置のマッピング又はナビゲーションシステムを動作する方法である。PNDは、ユーザが装置及び/又はデバイスと対話し且つ/又はそれらを制御できるようにするように構成された入力インタフェース等であり且つそのような入力インタフェースであるのが好ましいPNDに一般的な1つ以上の他の特徴を含んでもよく且つ含むのが好ましい。
【0136】
本発明は、一体型ナビゲーションシステムの一部として提供されるナビゲーション装置に更に適用可能である。例えば装置は、一体型車載ナビゲーションシステムの一部を形成してもよい。本発明の別の態様によると、本発明は、説明した本発明のいずれかの態様又は実施形態に係るナビゲーション装置を備えるナビゲーションシステムを提供する。従って、本発明の実施形態において、方法は、ナビゲーションシステムのナビゲーション装置を動作する方法である。ナビゲーションシステムは、一体型車載ナビゲーションシステムであってもよい。
【0137】
実現例に関係なく、本発明のナビゲーション装置は、プロセッサ、メモリ及び前記メモリに格納されたデジタル地図データを備えてもよい。プロセッサ及びメモリは協働して、ソフトウェアオペレーティングシステムが確立される実行環境を提供する。装置の機能性を制御可能にするため及び種々の他の機能を提供するために1つ以上の追加のソフトウェアプログラムが提供されてもよい。本発明のナビゲーション装置は、GPS(全地球測位システム)信号受信/処理機能性を含むのが好ましい。装置は、情報がユーザに中継されるようにする1つ以上の出力インタフェースを備えてもよい。出力インタフェースは、可聴出力用スピーカ及び表示装置を含んでもよい。装置は、装置のオン/オフ動作又は他の特徴を制御するための1つ以上の物理ボタンを含む入力インタフェースを備えてもよい。
【0138】
他の実施形態において、マッピング又はナビゲーション装置は、特定のマッピング又はナビゲーション装置の一部を形成しない処理装置のアプリケーションにより実現されてもよい。例えば本発明は、マッピング又はナビゲーションソフトウェアを実行するように構成された適切なコンピュータシステムを使用して実現されてもよい。システムは、例えば移動電話又はラップトップである移動又はポータブルコンピュータシステムであってもよく、あるいはデスクトップシステムであってもよい。
【0139】
実際、本発明は、要望に応じて、デスクトップシステム等のハイエンドシステムにおいて同様に有利に使用されてもよい。例えばハイエンドシステムにおいて、高性能グラフィックスアクセラレータは高度な頂点モデルを使用して建物の外面を詳細にレンダリングできるが、例えば高精細及び高精度である重要性が低い観察者から遠い画像領域に対して本発明の技術を使用し、近い画像領域に対して「フル」3Dで高精細の高度な頂点モデルを依然として使用することにより、相対的効率と所望の画像品質との間のトレードオフが可能になる。
【0140】
地図情報レンダリング及び特にタイルベースの地図情報レンダリングを特に参照して本発明を上述したが、本発明の技術は、要望に応じて、地図情報をレンダリングする他の技術に適用されてもよく、実際は、他の画像のレンダリングに適用されてもよい。
【0141】
例えば本発明の技術は、ベクトルグラフィックス又は三角形メッシュ等を使用して地図をレンダリングする際に向上された地図情報の表示を提供するために同様に使用可能である。この場合、本発明の技術は、例えば上述の方法で画像を地図情報の3D世界の表現における「レイヤ」として表し且つ適切な画像領域及び境界領域を有するテクスチャを画像のレイヤに適用することにより実現される。(従って、実際は、レイヤは上述のタイルに対応する。)
同様に、本技術は、地図情報以外の画像をレンダリングする場合に使用されてもよい。例えば上述のように、本発明は建物を表示する場合に有利に使用されてもよい。これは単に地図情報の場合である必要はなく、例えばゲーム又は他の用途である他の場合の建物の表示に使用されてもよい。
【0142】
従って、本発明の更なる態様によると、
画像を表示する方法であって、
画像を表示するために、表示される画像を表す1つ又は複数のグラフィックスプリミティブにテクスチャを適用するために、画像に対して表示される1つ以上の特徴を含む第1のグラフィックステクスチャと第2のグラフィックステクスチャとを組み合わせて使用することと、
画像を表示するために、適用されたテクスチャを有する画像を表す1つ又は複数のグラフィックスプリミティブを表示することとを備え、
第2のテクスチャ及び組み合わせ動作は、第1のテクスチャと第2のテクスチャとを組み合わせて使用することにより表示されている少なくとも1つの画像の特徴が当該特徴の境界を表す境界領域により縁取られるように構成される方法が提供される。
【0143】
本発明の更なる態様によると、画像を表示する装置であって、
画像を表示するために、表示される画像を表す1つ又は複数のグラフィックスプリミティブにテクスチャを適用するために、画像に対して表示される1つ以上の特徴を含む第1のグラフィックステクスチャと第2のグラフィックステクスチャとを組み合わせて使用する手段と、
画像を表示するために、適用されたテクスチャを有する画像を表す1つ又は複数のグラフィックスプリミティブを表示する手段とを備え、
第2のテクスチャ及び組み合わせ動作は、第1のテクスチャと第2のテクスチャとを組み合わせて使用することにより、表示されている少なくとも1つの画像の特徴が当該特徴の境界を表す境界領域により縁取られるように構成される装置が提供される。
【0144】
本発明の更なる態様によると、画像を表示する方法であって、
表示される画像を表す1つ又は複数のグラフィックスプリミティブに画像に対して表示される1つ以上の特徴を含む第1のテクスチャを適用することと、
画像を表す1つ又は複数のグラフィックスプリミティブに適用された第1のテクスチャと画像を表す1つ又は複数のグラフィックスプリミティブに適用される第2のテクスチャとを組み合わせることと、
画像を表示するためにプリミティブを表示するために、適用されて組み合わされた第1のテクスチャ及び第2のテクスチャを有する画像を表す1つ又は複数のグラフィックスプリミティブを表示することとを備え、
第2のテクスチャ及び組み合わせ動作は、組み合わされたテクスチャにより、表示されている少なくとも1つの画像の特徴が当該特徴の境界を表す境界領域により縁取られるように構成される方法が提供される。
【0145】
本発明の更なる態様によると、画像を表示する装置であって、
表示される画像を表す1つ又は複数のグラフィックスプリミティブに画像に対して表示される1つ以上の特徴を含む第1のテクスチャを適用する手段と、
画像を表す1つ又は複数のグラフィックスプリミティブに適用された第1のテクスチャと画像を表す1つ又は複数のグラフィックスプリミティブに適用される第2のテクスチャとを組み合わせる手段と、
画像を表示するためにプリミティブを表示するために、適用されて組み合わされた第1のテクスチャ及び第2のテクスチャを有する地図を表す1つ又は複数のグラフィックスプリミティブを表示する手段とを備え、
第2のテクスチャ及び組み合わせ動作は、組み合わされたテクスチャにより、表示されている少なくとも1つの画像の特徴が当該特徴の境界を表す境界領域により縁取られるように構成される装置が提供される。
【0146】
本発明の更なる態様によると、画像を表示する方法であって、
画像を表示するためにプリミティブに適用され且つ画像に対して表示される1つ以上の画像の特徴を含むテクスチャの画素に対する値とテクスチャの変位バージョンの当該画素に対する値との比較に基づいて、画像を表すプリミティブの当該画素に対して表示される出力色を決定することを備える方法が提供される。
【0147】
本発明の更なる態様によると、画像を表示する装置であって、
画像を表示するためにプリミティブに適用され且つ画像に対して表示される1つ以上の画像の特徴を含むテクスチャの画素に対する値とテクスチャの変位バージョンの当該画素に対する値との比較に基づいて、画像を表すプリミティブの当該画素に対して表示される出力色を決定する手段を備える装置が提供される。
【0148】
当業者には明らかなように、本発明の上記の態様及び実施形態は、本明細書において説明する本発明の好適なオプションの特徴のうちのいずれか1つ以上を適宜含むことができ、含むのが好ましい。従って、例えば表示される画像は、地図情報を表すのが好ましい。
【0149】
本発明に係る方法は、例えばコンピュータプログラムであるソフトウェアを少なくとも部分的に使用して実現されても良い。従って、本発明は、本発明のいずれかの態様又は実施形態に係る方法を実行するために実行可能なコンピュータ可読命令を含むコンピュータプログラムに更に適用される。
【0150】
従って、本発明は、データ処理手段を備えるシステム又は装置を動作するために使用される場合に前記データ処理手段と関連して前記装置又はシステムに本発明の方法のステップを実行させるソフトウェアを含むコンピュータソフトウェア記憶媒体に適用される。そのようなコンピュータソフトウェア記憶媒体は、ROMチップ、CD ROM又はディスク等の非一時的な物理記憶媒体であってもよく、あるいは回線を介する電子信号、光信号又は衛星等に対する無線信号等の信号であってもよい。
【0151】
明示的に記載されない場合、いずれかの態様における本発明は、互いに矛盾しない範囲で、本発明の他の態様又は実施形態に対して説明される特徴のいずれか又は全てを含んでもよいことが明らかだろう。特に、方法及び装置により実行される動作の種々の実施形態を説明したが、それらの動作のいずれか1つ以上又は全ては、要望に応じて適宜組み合わされて方法及び装置により実行されてもよいことが明らかだろう。
【0152】
上記の実施形態の利点は以下に記載され、上記の各実施形態の更なる詳細及び特徴は添付の従属請求項及び以下の詳細な説明中で定義される。
【発明を実施するための形態】
【0154】
添付の図面を参照して、本発明の教示の種々の態様及びそれらの教示を実現する構成を例により以下に説明する。
【0155】
図中、同様の参照番号は同様の特徴に対して使用される。
【0156】
特にPNDを参照して、本発明の好適な実施形態を以下に説明する。尚、本発明の教示はPNDに限定されず、地図情報を表示するように(且つ好ましくは経路計画/ナビゲーション機能性を提供するためにナビゲーションソフトウェアを実行するように)構成されるあらゆる種類の処理装置にも例外なく適用可能である。従って、本出願において、ナビゲーション装置は、PND、車両に内蔵されたナビゲーション装置、あるいは実際は経路計画/ナビゲーションソフトウェアを実行する演算リソース(デスクトップ又はポータブルパーソナルコンピュータ(PC)、移動電話、あるいはポータブルデジタルアシスタント(PDA)等)として実現されるかに関わらず、あらゆる種類の経路計画/ナビゲーション装置も含む(それらに限定されない)ことを意図する。
【0157】
また、ユーザが1つの地点から別の地点にナビゲートする方法に関する命令を求めているのではなく所定の場所のビューを単に提供されたい状況においても本発明の教示が有用であることは以下の説明から明らかとなるだろう。そのような状況において、ユーザにより選択された「目的地」の場所は、ユーザがナビゲーションを開始したい対応する出発地を有する必要がない。そのため、本明細書において「目的地」の場所又は実際は「目的地」ビューを参照することは、経路の生成が必須であること、「目的地」への移動が必ず行われること、あるいは実際は目的地の存在が対応する出発地の指定を必要とすることを意味すると解釈されるべきではない。
【0158】
上記の条件を考慮して、
図1は、ナビゲーション装置により使用可能な全地球測位システム(GPS)の一例を示す。そのようなシステムは既知であり、種々の目的で使用される。一般に、GPSは、連続した位置、速度、時間及びいくつかの例においては無数のユーザに対する方向情報を決定できる衛星無線を使用したナビゲーションシステムである。以前はNAVSTARとして知られていたGPSは、極めて正確な軌道で地球を周回する複数の衛星を含む。これらの正確な軌道に基づいて、GPS衛星は自身の場所をあらゆる受信ユニットに中継できる。
【0159】
特にGPSデータを受信できる装置がGPS衛星信号に対する無線周波数の走査を開始する場合にGPSシステムは実施される。GPS衛星から無線信号を受信すると、装置は、複数の異なる従来の方法のうちの1つを用いて、その衛星の正確な場所を決定する。殆どの例において、装置は、少なくとも3つの異なる衛星信号を取得するまで信号の走査を継続する(尚、位置は、通常は2つの信号のみでは決定されないが、他の三角測量技術を使用して2つの信号のみから決定することもできる)。幾何学的三角測量を実施すると、受信機は、3つの既知の位置を利用して衛星に対する自身の2次元位置を決定する。これは既知の方法で行われる。更に、第4の衛星信号を取得することにより、受信装置は、同一の幾何学計算により既知の方法でその3次元位置を計算できる。位置及び速度データは、無数のユーザにより連続的にリアルタイムで更新可能である。
【0160】
図1に示すように、GPSシステム全体を図中符号100で示す。複数の衛星120は、地球124の周囲の軌道上にある。各衛星120の軌道は、他の衛星120の軌道と必ずしも同期せず、実際には非同期である可能性が高い。GPS受信機140は、種々の衛星120からスペクトル拡散GPS衛星信号160を受信するものとして示される。
【0161】
各衛星120から継続的に送信されたスペクトル拡散信号160は、極めて正確な原子時計を用いて達成された非常に正確な周波数標準を利用する。各衛星120は、そのデータ信号送信160の一部として、その特定の衛星120を示すデータストリームを送信する。一般に、GPS受信装置140は、GPS受信装置140に対する少なくとも3つの衛星120からスペクトル拡散GPS衛星信号160を取得し、三角測量によりその2次元位置を計算することが当業者には理解される。追加の信号を取得した結果、全部で4つの衛星120から信号160を取得することになり、それによりGPS受信装置140は、その3次元位置を既知の方法で計算できる。
【0162】
図2は、本発明の好適な一実施形態に係るナビゲーション装置200の電子構成要素をブロック構成要素の形式で例示的に示す図である。尚、ナビゲーション装置200のブロック図は、ナビゲーション装置の全ての構成要素を含むものではなく、構成要素の多くの例を表すにすぎない。
【0163】
ナビゲーション装置200は、筐体(不図示)内に配置される。筐体は、入力装置220及び表示画面240に接続されるプロセッサ210を含む。入力装置220は、キーボード装置、音声入力装置、タッチパネル及び/又は情報を入力するために利用される他の何らかの既知の入力装置を含むことができ、表示画面240は、例えばLCDディスプレイ等の何らかの種類の表示画面を含むことができる。特に好適な構成において、入力装置220及び表示画面240はタッチパッド又はタッチスクリーン入力を含む一体型入力表示装置に一体化され、それによりユーザは、複数の表示選択肢のうちの1つを選択するか又は複数の仮想ボタンのうちの1つを操作するために表示画面240の一部分に触れるだけでよい。
【0164】
ナビゲーション装置は、例えば可聴出力装置(例えば、スピーカ)である出力装置260を含んでもよい。出力装置260がナビゲーション装置200のユーザに対する可聴情報を生成できるため、同様に、入力装置240は入力音声コマンドを受信するマイク及びソフトウェアも含むことができると理解されるべきである。
【0165】
ナビゲーション装置200において、プロセッサ210は、接続225を介して入力装置220に動作可能に接続され且つ入力装置220から入力情報を受信するように設定される。また、プロセッサ210は、情報を出力するために、出力接続245を介して表示画面240及び出力装置260の少なくとも一方に動作可能に接続される。更に、プロセッサ210は、接続235を介してメモリリソース230に動作可能に結合され、接続275を介して入出力(I/O)ポート270との間で情報を送受信するように更に構成される。この場合、I/Oポート270は、ナビゲーション装置200の外部のI/O装置280に接続可能である。メモリリソース230は、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)等の揮発性メモリ及び例えばフラッシュメモリ等のデジタルメモリである不揮発性メモリを含む。外部I/O装置280は、例えばイヤホン等の外部リスニングデバイスを含んでもよいが、これに限定されない。更に、I/O装置280への接続は、例えばイヤホン又はヘッドホンへの接続のため及び/又は移動電話への接続のためにハンズフリー動作及び/又は音声起動動作を行うカーステレオユニット等の他の何らかの外部装置への有線接続又は無線接続であってもよい。この場合、移動電話接続は、ナビゲーション装置200とインターネット又は例えば他の何らかのネットワークとの間のデータ接続を確立するため、並びに/あるいはインターネット又は例えば他の何らかのネットワークを介するサーバへの接続を確立するために使用されてもよい。
【0166】
図2は、接続255を介するプロセッサ210とアンテナ/受信機250との間の動作可能な接続を更に示す。この場合、アンテナ/受信機250は、例えばGPSアンテナ/受信機である。図中符号250で示されるアンテナ及び受信機は図示のために概略的に組み合わされるが、アンテナ及び受信機は別個に配置された構成要素であってもよく、アンテナは例えばGPSパッチアンテナ又はヘリカルアンテナであってもよいことが理解されるだろう。
【0167】
更に、
図2に示す電子構成要素は従来の方法で電源(不図示)により電力を供給されることが当業者には理解されるだろう。当業者により理解されるように、
図2に示す構成要素の異なる構成は本出願の範囲に含まれると考えられる。例えば
図2に示す構成要素は、有線接続及び/又は無線接続等を介して互いに通信していてもよい。従って、本出願のナビゲーション装置200の範囲は、ポータブル又はハンドヘルドナビゲーション装置200を含む。
【0168】
更に、
図2のポータブル又はハンドヘルドナビゲーション装置200は、例えば自転車、オートバイ、自動車又は船舶等の乗り物に既知の方法で接続されるか又は「ドッキング」される。その場合、そのようなナビゲーション装置200は、ポータブル又はハンドヘルドナビゲーションとして使用するためにドッキング場所から取外し可能である。
【0169】
次に
図3を参照すると、ナビゲーション装置200は、デジタル接続(例えば既知のBluetooth(登録商標)技術を介するデジタル接続等)を確立する移動装置(不図示)(移動電話、PDA及び/又は移動電話技術を用いる何らかの装置等)を介して、サーバ302との「モバイル」ネットワーク接続又は電気通信ネットワーク接続を確立してもよい。その後、そのネットワークサービスプロバイダを介して、移動装置は、サーバ302とのネットワーク接続(例えば、インターネットを介する)を確立できる。そのため、「モバイル」ネットワーク接続は、情報に対する「リアルタイム」又は少なくとも「最新」のゲートウェイを提供するために、ナビゲーション装置200(単体で及び/又は車両に搭載されて走行するため移動装置であってもよく、多くの場合は移動装置である)とサーバ302との間に確立される。
【0170】
例えばインターネット(ワールドワイドウェブ等)を使用した移動装置(サービスプロバイダを介する)とサーバ302等の別の装置との間のネットワーク接続の確立は、既知の方法で行われる。これは、例えばTCP/IP階層プロトコルの使用を含む。移動装置は、CDMA、GSM(登録商標)、WAN等のあらゆる通信規格も利用できる。
【0171】
そのため、例えば移動電話又はナビゲーション装置200内の移動電話技術を介するデータ接続を介して達成されるインターネット接続が利用されてもよい。この接続の場合、サーバ302とナビゲーション装置200との間のインターネット接続が確立される。これは、例えば移動電話又は他の移動装置及びGPRS(汎用パケット無線サービス)接続(GPRS接続は通信会社により提供される移動装置用高速データ接続であり、GPRSはインターネットへの接続方法である)を介して行われる。
【0172】
更に、ナビゲーション装置200は、移動装置とのデータ接続を完了し、例えば既存のBluetooth(登録商標)技術を介して既知の方法でインターネット及びサーバ302とのデータ接続を最終的に完了する。この場合、データプロトコルは、例えばGSM(登録商標)規格に対するデータプロトコル規格であるGPRS等のあらゆる規格も利用できる。
【0173】
ナビゲーション装置200は、ナビゲーション装置200自体の内部にそれ自体の移動電話技術を含んでもよい(例えばアンテナを含むか、あるいはオプションとしてナビゲーション装置200の内部アンテナを使用する)。ナビゲーション装置200内の移動電話技術は、上述のような内部構成要素を含むことができ且つ/あるいは例えば必要な移動電話技術及び/又はアンテナを備える挿入可能なカード(例えば、加入者識別モジュール、すなわちSIMカード)を含むことができる。そのため、ナビゲーション装置200内の移動電話技術は、何らかの移動装置と同様の方法で、例えばインターネットを介してナビゲーション装置200とサーバ302との間にネットワーク接続を同様に確立できる。
【0174】
GPRS電話設定の場合、多様な移動電話の機種、製造業者等と共に正しく動作するために、Bluetooth(登録商標)対応のナビゲーション装置が使用されてもよく、機種/製造業者専用設定は、例えばナビゲーション装置200に格納されてもよい。この情報のために格納されたデータは更新可能である。
【0175】
図3において、ナビゲーション装置200は、多くの異なる構成のいずれかにより実現可能な汎用通信チャネル318を介してサーバ302と通信しているものとして示される。通信チャネル318を介する接続がサーバ302とナビゲーション装置200との間に確立される場合、サーバ302及びナビゲーション装置200は通信できる(尚、そのような接続は、移動装置を介するデータ接続、インターネットを介するパーソナルコンピュータを介する直接接続等である)。
【0176】
サーバ302は、不図示の他の構成要素に加えて、メモリ306に動作可能に接続され且つ有線又は無線接続314を介して大容量データ記憶装置312に動作可能に更に接続されるプロセッサ304を含む。プロセッサ304は、通信チャネル318を介してナビゲーション装置200との間で情報を送信及び送出するために、送信機308及び受信機310に動作可能に更に接続される。送受信される信号は、データ信号、通信信号及び/又は他の伝搬信号を含む。送信機308及び受信機310は、ナビゲーションシステム200の通信設計において使用される通信条件及び通信技術に従って選択又は設計されてもよい。尚、送信機308及び受信機310の機能は信号送受信機に組み合わされてもよい。
【0177】
サーバ302は、大容量記憶装置312に更に接続される(又は大容量記憶装置312を含む)。尚、大容量記憶装置312は、通信リンク314を介してサーバ302に結合されてもよい。大容量記憶装置312は、大量のナビゲーションデータ及び地図情報を含む。また、大容量記憶装置312はサーバ302とは別個の装置であってもよく、あるいはサーバ302に組み込まれてもよい。
【0178】
ナビゲーション装置200は、通信チャネル318を介してサーバ302と通信するように構成され、
図2に関して上述したように、プロセッサ、メモリ等を含み、通信チャネル318を介して信号及び/又はデータを送出する送信機320及び受信する受信機322を更に含む。尚、これらの装置はサーバ302以外の装置と通信するために更に使用可能である。更に、送信機320及び受信機322はナビゲーション装置200の通信設計において使用される通信条件及び通信技術に従って選択又は設計され、送信機320及び受信機322の機能は単一の送受信機に組み合わされてもよい。
【0179】
サーバメモリ306に格納されたソフトウェアは、プロセッサ304に命令を提供し、サーバ302がナビゲーション装置200にサービスを提供できるようにする。サーバ302により提供される1つのサービスは、ナビゲーション装置200からの要求の処理及び大容量データ記憶装置312からナビゲーション装置200へのナビゲーションデータの送信を含む。サーバ302により提供される別のサービスは、所望のアプリケーションに対する種々のアルゴリズムを使用したナビゲーションデータの処理及びナビゲーション装置200へのこれらの計算の結果の送出を含む。
【0180】
一般に、通信チャネル318は、ナビゲーション装置200とサーバ302とを接続する伝搬媒体又はパスを表す。サーバ302及びナビゲーション装置200の双方は、通信チャネルを介してデータを送信する送信機及び通信チャネルを介して送信されたデータを受信する受信機を含む。
【0181】
通信チャネル318は特定の通信技術に限定されない。更に、通信チャネル318は単一の通信技術に限定されない。すなわち、チャネル318は、種々の技術を使用する複数の通信リンクを含んでもよい。例えば通信チャネル318は、電気通信、光通信及び/又は電磁通信等のためのパスを提供するように構成可能である。そのため、通信チャネル318は、電気回路、ワイヤ及び同軸ケーブル等の電気導体、光ファイバケーブル、変換器、無線周波数(RF)波、大気、空間等のうちの1つ又はそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない。更に、通信チャネル318は、例えばルータ、中継器、バッファ、送信機及び受信機等の中間装置を含むことができる。
【0182】
1つの例示的な構成において、通信チャネル318は電話及びコンピュータネットワークを含む。更に、通信チャネル318は、無線周波数、マイクロ波周波数、赤外線通信等の無線通信に対応できてもよい。更に、通信チャネル318は衛星通信に対応できる。
【0183】
通信チャネル318を介して送信される通信信号は、所定の通信技術に必要とされるか又は要求される信号を含むが、それらに限定されない。例えば信号は、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、符号分割多元接続(CDMA)、グローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーションズ(GSM(登録商標))等のセルラ通信技術において使用されるように構成されてもよい。デジタル信号及びアナログ信号の双方が通信チャネル318を介して送信可能である。これらの信号は、通信技術にとって望ましい変調信号、暗号化信号及び/又は圧縮信号であってもよい。
【0184】
サーバ302は、無線チャネルを介してナビゲーション装置200によりアクセス可能なリモートサーバを含む。サーバ302は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、仮想プライベートネットワーク(VPN)等に配置されるネットワークサーバを含んでもよい。
【0185】
サーバ302はデスクトップ又はラップトップコンピュータ等のパーソナルコンピュータを含んでもよく、通信チャネル318はパーソナルコンピュータとナビゲーション装置200との間に接続されたケーブルであってもよい。あるいは、パーソナルコンピュータがナビゲーション装置200とサーバ302との間に接続されて、サーバ302とナビゲーション装置200との間にインターネット接続を確立してもよい。あるいは、インターネットを介してサーバ302にナビゲーション装置200を接続するために、移動電話又は他のハンドヘルド装置がインターネットへの無線接続を確立してもよい。
【0186】
ナビゲーション装置200は、情報ダウンロードを介してサーバ302から情報を提供されてもよい。情報は、自動的に又はユーザがサーバ302にナビゲーション装置200を接続する際に定期的に更新されてもよく、並びに/あるいは例えば無線移動接続装置及びTCP/IP接続を介してサーバ302とナビゲーション装置200との間により継続して又は頻繁に接続が確立される際により動的に更新されてもよい。多くの動的計算のため、サーバ302内のプロセッサ304が大量の処理要求を処理するために使用されてもよい。しかし、ナビゲーション装置200のプロセッサ210も同様に、多くの場合はサーバ302への接続に関係なく、多くの処理及び計算を処理できる。
【0187】
図2において上述したように、ナビゲーション装置200は、プロセッサ210、入力装置220及び表示画面240を含む。入力装置220及び表示画面240は、例えば情報の入力(直接入力、メニュー選択等を介する)及びタッチパネル画面を介する情報の表示の双方を可能にするために一体型入力表示装置に一体化される。当業者には既知であるように、そのような画面は例えば接触入力LCD画面である。更にナビゲーション装置200は、例えば音声入力/出力装置等の何らかの追加の入力装置220及び/又は何らかの追加の出力装置241も含むことができる。
【0188】
図4A及び
図4Bは、ナビゲーション装置200を示す斜視図である。
図4Aに示すように、ナビゲーション装置200は、一体型入力表示装置290(例えば、タッチパネル画面)及び
図2の他の構成要素(内部GPS受信機250、マイクロプロセッサ210、電源、メモリシステム230等を含むが、それらに限定されない)を含むユニットであってもよい。
【0189】
ナビゲーション装置200はアーム292上に位置してもよく、アーム292自体は吸着カップ294を使用して車両のダッシュボード/窓等に固定されてもよい。このアーム292は、ナビゲーション装置200がドッキング可能なドッキングステーションの一例である。
【0190】
図4Bに示すように、ナビゲーション装置200は、例えばアーム292にナビゲーション装置292を嵌合接続することにより、ドッキングステーションのアーム292にドッキングされるか又は接続される。この場合、ナビゲーション装置200は、
図4Bの矢印で示すようにアーム292上で回動可能であってもよい。ナビゲーション装置200とドッキングステーションとの間の接続を解除するには、例えばナビゲーション装置200上のボタンが押下される。ナビゲーション装置とドッキングステーションとを接続及び分離する他の同様に適切な構成は当業者には既知である。
【0191】
上述のように、本実施形態のナビゲーション装置200の動作の重要な側面は、表示画面240上でユーザに対して地図情報を表示することである。地図情報は、例えばユーザの入力に応答して、プロセッサ210の制御下で表示される。これを容易にするために、プロセッサ210は、プロセッサ210により生成された適切なグラフィックスコマンド及びデータに応答して所望の画像を表示するためにレンダリングするグラフィックスプロセッサを含む。
【0192】
多くのナビゲーション装置と同様に、本実施形態のナビゲーション装置200は、表示画面240上でユーザに対して地図情報を表示するために、タイルベースの道路網レンダリングを使用する。従って、プロセッサ210のグラフィックスプロセッサは、地図情報を3D空間におけるタイルとして描くことにより、表示される地図情報をレンダリングする。その後、タイルは、画像が実際に表示される際に2D画面空間に投影される。
【0193】
本実施形態は、特に、水域特徴等の基準面の上方及び/又は下方に存在する特徴の改善された表示を提供できるそのようなタイルベースの道路網レンダリングの改善された方法を提供する。
【0194】
図5は、本実施形態の改良された技術を示す。
図5aは、地面(タイル10の平面)と同一平面にレンダリングされた水域特徴11(本例では河川)を含む3D世界空間のタイル10を示す。これは、単調で非現実的に見える。
図5bは、本発明に従ってレンダリングされた同一の画像を示す。図からわかるように、問題のタイルの表現が改善される。
【0195】
図5bに示すように、本発明において、画像は、タイル10内の水域特徴11が境界色24により縁取られるようにレンダリングされる。従って、境界の色24は、水域特徴11のエッジにおいて色の暗いエッジとして現れる。その効果は、画像の表示時に水域特徴11がタイル10の平面の下方に存在するように見えることより、
図5bに示すように、例えば水域特徴11がタイル10と同一平面上にあるように見える
図5aに示す構成と比較して表現が改善されることである。
【0196】
図5bに示すレンダリング効果を達成するための3つの好適な実施形態を以下に説明する。
【0197】
本発明の第1の好適な実施形態において、所望の視覚効果を達成するために、2つのテクスチャが同一平面においてレンダリングされ(同一の表面に関連付けられ)且つ組み合わされる。第1のテクスチャは、例えば田畑及び道路等の地表の地図の特徴を示し、第2のテクスチャ内の例えば水域である地図の特徴が現れるシースルー(透明)領域(形状)を有する。この第1のテクスチャは、異なるレベルに(例えば、本例では低いレベルに)示され且つ色の暗い境界領域により縁取られる水域等の地図の特徴を有する第2のテクスチャと組み合わされる。以下に更に説明するように、第2のテクスチャのパースペクティブ補正変位後、テクスチャは、第1のテクスチャの透明度に従って、アルファブレンド等の組み合わせ動作を使用して組み合わされる。
【0199】
図6aは、地表の特徴61と、水域特徴が現れる予定の透明領域62(図示のために市松模様で示す)とを有する第1のテクスチャ60を示す。
【0200】
図6bは、色の暗い境界領域65により縁取られた水域特徴64を有する第2のテクスチャ63を示す。
【0201】
図6cは、
図6a及び
図6bのテクスチャが本実施形態の方法で3Dの地図のタイル上に組み合わされる場合に得られる画像66を示す。図からわかるように、第2のテクスチャ63の水域特徴64は第1のテクスチャ60の透明領域62内に見える。しかし、第2のテクスチャ63における境界領域も水域特徴64に対する色の暗いエッジ66として見えるため、奥行きの印象が与えられる。
【0202】
2つのテクスチャを使用してこれらのレンダリング効果を達成する技術を以下に説明する。
【0204】
図7は、実際は第1の地図のタイル71及び変位された第2の地図のタイル72を見ている斜視図の横断面図を示す。各タイル71及び72は、平面に対して垂直な角度に沿って変位されるグラフィックスプリミティブ(例えば、四角形又は三角形)により表される。図は、第1のタイル71を表すプリミティブの第1の頂点(頂点1)74及び第2の頂点(頂点2)75を示す横断面図である。これらの頂点の間の線は、プリミティブの辺である。
【0205】
図7は、カメラの位置73(投影の中心(c.o.p))を更に示す。
【0206】
この構成において、水域等の所望の高さが低い領域と一致する透明領域62を含む第1のテクスチャが上タイル71(プリミティブ1)上にレンダリングされ且つ例えば青色の水域領域64及び黒色の境界領域65を含む第2のテクスチャが下タイル72(プリミティブ2)上にレンダリングされる場合、第2のテクスチャにおける青色の「水域」部分及び境界部分の細い黒色のエッジ(
図7において「a」及び「b」で示す)が上タイル71(プリミティブ1)上の第1のテクスチャの透明領域62を通して見える。その効果は、黒色の境界領域a及びbが水域の周辺の色の暗いエッジとして現れることにより、高差の錯覚が与えられることである。
【0207】
(実際は、第2のテクスチャは、第2のテクスチャ上の水域特徴及び対応する境界が第1のテクスチャにおけるシースルー形状(透明領域)を通して見えるように、前方の第1のテクスチャの後方に若干ずれて現れるようにレンダリングされており、そのため、水域特徴が視覚的に訴えるように描かれる。)
本実施形態は、単一のプリミティブ(タイル)(複数のプリミティブの単一のレイヤ)に2つのテクスチャを適用することにより、このレンダリング効果を達成する。
図8はこれを示し、プリミティブ1の同一平面に貼付された(すなわち、同一のプリミティブに適用された)
図7の第1のテクスチャ及び第2のテクスチャの双方を示す。しかし、第2のテクスチャは、カメラの投影に従って、第2のテクスチャを
図7に示す(プリミティブ2の)後方タイルの平面からプリミティブ1の平面にマッピングするような効果を有する透視投影に従って変換されており、すなわち、変位され且つ縮小されている。これにより、
図7の構成で取得されるのと同一の視覚結果が得られる。
【0208】
本実施形態において、プリミティブに適用するための変換された第2のテクスチャを導出するために(すなわち、第2のテクスチャの視点依存パースペクティブ補正変位を取得するために)、プリミティブの頂点に対して使用される第2のテクスチャのテクスチャ空間における関連座標が導出される。これを行うために、後方のプリミティブ2に適用された場合に後方のプリミティブ2の平面においてプリミティブ1の投影された頂点に存在する第2のテクスチャのテクスチャ空間(s,t)における頂点座標が取得される。
【0209】
後方のプリミティブ2の平面におけるプリミティブ1の投影された頂点に存在する第2のテクスチャのテクスチャ空間(s,t)における頂点座標を取得するために、プリミティブ1の世界空間(x,y,z)の頂点は、
図7に示すように、プリミティブ2のテクスチャ平面上に(パースペクティブ補正用に)投影される(すなわち、第2のテクスチャがタイル(プリミティブ1)の後方に変位された
図7に示すプリミティブ2に適用されているように)。投影は、頂点74、75及び投影中心(c.o.p)73を通る線に沿う(これを
図7の一番上の破線及び一番下の破線で示す)。投影がプリミティブ2のテクスチャ空間(s,t)と交差する位置により、第2のテクスチャの座標属性としてプリミティブ1の頂点74、75に関連付けられる新規の(s,t)座標を決定する。その後、プリミティブ2のテクスチャは、新たに取得された(s,t)テクスチャ空間の頂点座標(s1,t1;s2,t2)を使用して、プリミティブ1の2次テクスチャになる。
【0210】
(s,t)テクスチャ空間におけるプリミティブ1の頂点に関連付けられた新たに取得された頂点を使用することにより、頂点においてだけでなく第2のテクスチャの内部表面に沿って、縮小(変倍)を含む第2のテクスチャの(パースペクティブ補正)変位が取得される。(プリミティブの表面属性(テクスチャ座標等)に沿うパースペクティブ補正補間は、OpenGL等の3Dグラフィックスレンダリングパイプラインにおいて一般に利用可能な機能である。)
その後、双方のテクスチャが適用された単一のプリミティブをレンダリングするために、変位された第2のテクスチャは、プリミティブのレンダリング時に第2のテクスチャを適用する際に使用される第2のテクスチャの座標対として、プリミティブ1の関連する頂点に取得された(s,t)テクスチャの頂点座標(s1,t1;s2,t2)を割り当てることにより、プリミティブ1に適用される。
【0211】
第2のテクスチャのパースペクティブ補正変位を取得するために、他の方法が更に使用されてもよい。例えば法線ベクトルを使用して、これを行うことができる。この場合、プリミティブ1の各頂点に対して、法線ベクトルが計算され且つ単位長さに正規化される。法線は、スカラーを用いて乗算することにより所望の長さに変倍される必要がある(この長さは、プリミティブ1とプリミティブ2との間のオフセットに対応すると考えられる)。その後、変倍された法線ベクトルはプリミティブ1の平面上に投影される(あるいは、更に正確に言えば、プリミティブ1の平面と一致する第2のテクスチャのテクスチャ空間上に投影される)。この場合、変倍された法線の投影の2つのデルタ成分s及びtは、(s,t)テクスチャ空間の頂点の変位を示す。
【0212】
第2のテクスチャの変位バージョンが決定されると、地図のタイルを表示するために、2つのテクスチャを1つ(又は複数)のプリミティブ上で組み合わせる必要がある。本実施形態において、これはアルファブレンド演算を使用してテクスチャを統合することにより行われる。従って、透明領域を含む(例えば、河川領域における)第1のテクスチャは第2のテクスチャとアルファブレンドされ、従って、第2のテクスチャは第1のテクスチャが透明である部分においてのみ可視になる。第2のテクスチャ(例えば、河川が青色であり、残りの部分が暗い色である)のカメラビューに依存する変位のため、第2のテクスチャの暗い部分は水域特徴のエッジとして可視になり、その結果、高差の印象が与えられる。
【0213】
OpenGL又はDirect3D
TM等の3Dグラフィックスパイプラインは、テクスチャを組み合わせるための異なるハードウェア加速サポートを提供する。このために、従来の「固定機能」テクスチャコンバイナが使用されてもよく、あるいは最近のプログラマブル画素シェーダハードウェアが使用されてもよい。
【0214】
尚、本実施形態において、プリミティブ2に元々貼付されていた第2のテクスチャより広い範囲の第2のテクスチャを取得できるため(
図7の上部の外挿を参照)、実際に利用可能な第2のテクスチャのより広い部分を有するのが有益である。しかし、これらのテクスチャの外挿を処理するために、テクスチャのクランプ又はミラーリング機構を使用すれば十分である場合もある(例えば、アーティファクトが許容される場合)。
【0215】
また、平面(又は表面)上に連続するプリミティブセットを有する場合、1つのプリミティブにおいて「欠けている」部分はまさに隣接するプリミティブに「残存している」部分であるため、変位テクスチャに存在しない部分は隣接するプリミティブから取得されてもよい。
【0216】
また、カメラの投影モードは透視投影である必要がない。正射影も全く同様に機能する。
【0217】
第1のテクスチャにおけるシースルー形状(透明領域)のエッジを半透明にレンダリングすることも可能である。第1のテクスチャにおけるシースルー形状のエッジに半透明性を適用することにより、レンダリング画像における明瞭な線を避けられる。
【0218】
図9〜
図13を参照して、本発明の第2の特に好適な実施形態を以下に説明する。
【0219】
本実施形態も2つのテクスチャを使用し、第1の実施形態において説明したのと同一の第2のテクスチャマップを視点依存変位する方法を使用する。しかし、2つのテクスチャの性質は異なり、第1のテクスチャマップ及び第2のテクスチャマップの組み合わせ動作も異なる。
【0220】
この第2の実施形態において、第1のテクスチャは、表示される全ての地図の特徴を示すカラーマップである。
【0221】
第2のテクスチャマップは、「ダークマップ」の形態である「変調マップ」の形態である。これは0.0〜1.0の値を含み、それらの値は第1のテクスチャと乗算され、1.0未満の値が現れる部分だけ色を暗くする(強度を変調する)。(従って、本実施形態において、第1のテクスチャと第2のテクスチャとを組み合わせるために、アルファブレンド演算の代わりに乗算が使用される。)ダークマップである第2のテクスチャは、地図の特徴のエッジ(例えば、水域のエッジ)に対応する場所において1.0未満の値を含むように構成される。
【0222】
図9はこれを示す。
図9aは、カラーマップである第1のテクスチャ90を示す。
図9bは、ダークマップである第2のテクスチャ91を示す。
図9cは、第1のテクスチャ90及び第2のテクスチャ91を組み合わせることにより生成された画像92を示す。この場合も、効果は、レベルの異なる特徴が色の暗いエッジを有するように示されることにより、奥行きの印象を与えることである。
【0223】
本実施形態におけるダークマップである第2のテクスチャ91は、方法に対する入力テクスチャである高さマップから動的に導出される。高さマップは、テクスチャの色を指定された高さ(水域の色は低い、建物の色は高い等)にマッピングすることにより、カラーマップのデータから導出される。高さマップ50を
図10に示す。これは、水域特徴51、地表の特徴52及び高い特徴(例えば、建物)53に対して異なる高さの値を示す。高さマップ50は複数の高度を含むことができ、これは、単一の高さマップが低い領域(例えば、水域領域)に加えて高い領域(例えば、建物領域)におけるエッジも同時に提供できることを意味する。
【0224】
高さマップが例えば単一のRGBAテクスチャのアルファチャネルに格納され(要望に応じて、「ダークマップ」が同様に格納され)、カラーマップである第1のテクスチャがそのRGBチャネルに格納されてもよい。
【0225】
本実施形態において、ダークマップである第2のテクスチャは、高さマップの変位バージョンと組み合わされた高さマップから実行時に導出される。高さマップの変位バージョンは、ビュー方向に従って(パースペクティブ補正用に)変位された高さマップである。(これは、エンボスマップが導出される方法に若干類似する。しかし、エンボスマップの場合、変位は光源の位置に依存するが、本実施形態のダークマップである第2のテクスチャの場合、変位はカメラの位置に依存する。また、高さマップ及び変位された高さマップは異なる方法で組み合わされる。)
第2のテクスチャとして使用されるダークマップを取得する手順の概要を以下に説明し、
図11に示す。例えば8ビット値のビットマップである高さマップの値が−0.5〜+0.5の範囲に変換され、0が中間灰色として示され、−0.5が黒色として示され、+0.5が白色として示される場合、変位された(ビューに依存する)高さマップ(H1)から減算された高さマップ(H0)は、高さが同一である全ての場所で0になる。高さが不連続である場所(低い水域領域又は高い建物領域のエッジ)でのみ、0ではない値(暗い又は明るいエッジ)になる。
【0226】
本実施形態において、高さマップの範囲は、[−0.5;+0.5]ではなく[0.0;1.0]の間で変換される(これは、例えばOpenGLがテクスチャマップの値を処理する方法である)。低い又は高い領域の片側に色の暗いエッジのみが現れるという所望の動作を得るために、ダークマップはH0+(1−H1)に従って計算される。式中、H0は、例えば8ビットのビットマップとしてテクスチャのアルファチャネルに格納される高さマップであり、H1は、変位された同一の高さマップである。結果として得られる値は、明るいエッジを避けるために、1.0にクランプされる(これは、OpenGLの正常な動作である)。
【0227】
図12はこれを示す。
図12からわかるように、結果として得られたダークマップの信号値(H0+(1−H1))は、低い又は高い領域の「可視エッジ」側を除いて、大部分が1.0の最大値に存在する。(線80は、ダークマップの出力値が1.0にクランプされた部分を示す。)従って、このダークマップである第2のテクスチャは、所望の境界領域(エッジ)において第1のテクスチャの強度を変調する(色を暗くするのみ)ために、カラーマップである第1のテクスチャと乗算される。
【0228】
変位された高さマップH1は、上述のように、元の高さマップH0がカメラの位置に従ってパースペクティブ補正用に変位されたバージョンである。
【0229】
第2のテクスチャとして使用されるダークマップを生成するために使用される高さマップの(パースペクティブ補正)変位バージョンH1は、何らかの適切な所望の方法で導出可能である。これは、本発明の特に好適な第1の実施形態に対する第2のテクスチャの変位に関連して上述した方法で導出されるのが好ましい。
【0230】
従って、本実施形態において、「未変位の」高さマップH0における各位置に対応する変位された高さマップH1における位置は、高さマップH0における位置を(表示されているタイルの)高さマップH0の平面の下方(後方)の平面にカメラビューに従って(パースペクティブ補正用に)投影した後に、高さマップの平面の下方(後方)の平面における投影された高さマップの位置を(表示されているタイルの)高さマップH0の「元の」平面に正射影(垂直射影)することにより決定される。この場合、投影された位置が正射影される(表示されているタイルの)高さマップH0の元の平面における位置は、「未変位の」高さマップにおける各位置に対応する変位された高さマップH1における位置である。
【0231】
要望に応じて、結果として得られたダークマップに更なる変倍が適用されてもよい。ダークマップ及び最終的に変調カラーマップにおいてコントラストを更に高くするために、例えば0.5を減算し且つ2を乗算してもよい。
【0232】
必要な値は実行時に計算可能であるため、ダークマップである第2のテクスチャは事前に計算されたテクスチャとして使用可能である必要がない。ダークマップの値を実行時に導出するために、高さマップにおけるテクスチャルックアップ及び変位された高さマップにおけるテクスチャルックアップが画素の位置毎に実行され且つ組み合わされる。その後、この計算されたダークマップの値は、カラーマップである第1のテクスチャのチャネルを変調するために直接使用される。
【0233】
例えばダークマップ及びカラーマップとの乗算は、OpenGL ES 1.1の機能性及び3段階マルチテクスチャコンバイナ対応ハードウェア(最大スループットにおいて)を使用して、以下のように取得される:
// TEXTURE-UNIT #0
glActiveTextureARB(GL_TEXTUREO_ARB);
glEnable(GL_TEXTURE_2D);
glBindTexture(GL_TEXTURE_2D, colorAndHeightMap); //Aチャネル内のH0高さマップ
gITexEnvf (GL_TEXTURE_ENV, GL_TEXTURE_ENV_MODE, GL_COMBINE_EXT);
gITexEnvf (GL_TEXTURE_ENV, GL_OPERAND0_RGB_EXT, GL_SRC_ALPHA); //RGBにコピーされたH0高さマップ
gITexEnvf (GL_TEXTURE_ENV, GL_COMBINE_RGB_EXT, GL_REPLACE);
// TEXTURE-UNIT #1:
glActiveTextureARB(GL_TEXTURE1_ARB);
glEnable(GL_TEXTURE_2D);
glBindTexture(GL_TEXTURE_2D, colorAndHeightMap); //H1(H0と同一であるが、変位される)
gITexEnvf (GL_TEXTURE_ENV, GL_TEXTURE_ENV_MODE, GL_COMBINE_EXT);
gITexEnvf (GL_TEXTURE_ENV, GL_OPERAND0_RGB_EXT, GL_ONE_MINUS_SRC_ALPHA); // 1-H1
gITexEnvf (GL_TEXTURE_ENV, GL_COMBINE_RGB_EXT, GL_ADD);// HO+(1-H1)
// TEXTURE-UNIT #2:
glActiveTextureARB(GL_TEXTURE2_ARB);
glDisable(GL_TEXTURE_2D);
glBindTexture(GL_TEXTURE_2D, colorAndHeightMap); //RGBチャネル内のカラーテクスチャ
gITexEnvf (GL_TEXTURE_ENV, GL_TEXTURE_ENV_MODE, GL_MODULATE);
最後のテクスチャユニットの結果として得られたフラグメントは、更なる処理のために出力され、最終的にフレームバッファに書き込まれるか又はブレンドされてもよい。
【0234】
図13は、上記のコードをブロック図で図示する。
【0235】
この処理は、例えばOpenGL ES 1.1において見られる固定機能テクスチャコンバイナを使用するか、あるいはOpenGL ES 2.0を含むがそれに限定されない最近のハードウェアによりサポートされるプログラマブル画素シェーダDSPにおいて実現可能である。
【0236】
本実施形態は、カラーマップ及び高さマップの双方が単一のRGBAテクスチャに適合するという利点を有する。そのため、必要なテクスチャ帯域幅は、RGBAテクスチャ及びRGB(又はRGBA)テクスチャを必要とする第1の実施形態より少ない。第1の実施形態の利点は、バックグラウンドの第2のテクスチャが利用できるRGBチャネルを有するため、エッジ(境界)の色を第1のテクスチャの色の強度変調に限定する必要がなく、自由に選択できることである。
【0237】
図14〜
図16を参照して、本発明の第3の好適な実施形態を以下に説明する。本実施形態は、画素(フラグメント)シェーダ等の更なるプログラマブルハードウェアを使用する。これは、例えば画素シェーダのプログラムを使用して、局所変位を決定することにより領域(地図の特徴)の境界上の色を選択的に暗くする。
【0238】
この第3の実施形態は、ソーステクスチャ(例えば、これは地面に存在する)における第1のルックアップ値と同一のソーステクスチャにおける変位位置からの第2のルックアップ値との比較に基づいて出力画素の色を計算することにより動作する。比較(例えば、水域を表す第1のルックアップ値及び水域に隣接する第2のルックアップ値)に依存して、対応する変調された出力画素の値が(選択的に)生成される。
【0239】
従って、本実施形態において、第1のテクスチャは、所望の地図の特徴の全てを示すカラーマップであり、それが組み合わされる第2のテクスチャは、当該カラーマップである第1のテクスチャの変位バージョンである。
【0240】
第2のテクスチャを形成するための第1のソーステクスチャの変位は、第1の実施形態に関連して上述したのと全く同一の方法で取得される。
【0241】
例えば第1のテクスチャの変位バージョンは、カメラビューに従って、第1のテクスチャの座標を後方の「仮想平面」40に投影した後に、結果として得られた位置を「地面」41に垂直射影することにより取得される。
図14及び
図15はこれを示す。
【0242】
従って、
図14及び
図15を参照すると、地面41である入力される第1のテクスチャにおける各サンプル座標(a)に対して、サンプル座標(a)に対する変位された第2のテクスチャの値として使用される変位テクスチャ座標(c)は、地面が下方に(すなわち、仮想平面40に)ある特定の距離変位された場合のサンプル座標(a)の位置を計算することにより計算される。双方の平面が実際に存在する場合、入力座標(a)は位置(b)に存在することになる。仮想入力座標(b)を地面41に正射影することにより座標(c)が得られ、これは、出力画素の値を決定するために(未変位の)第1のテクスチャにおける位置(a)に対応する(且つ位置(a)と比較される必要のある)第1のテクスチャの変位バージョンにおける位置である。
【0243】
図16は、変位座標(
図16において、p’で示す)の位置を計算する方法を示す。
図16に示すように、座標pを仮想平面40上に投影して座標qを得ることにより座標pに対して導出される変位座標p’の位置は、以下のように計算されてもよい:
p’=p*(x
2+x
1)/x
1
この場合、x2は次式により与えられる。
【0244】
y
1/x
1=y
2/x
2
x
2=y
2/(y
1/x
1) ⇔
x
2=x
1/y
1
式中、仮想平面40は、第1の平面(地面)41から距離y2下方に存在する。
【0245】
テクスチャを組み合わせるために、所定の画素における第1のソーステクスチャからのテクスチャの値と変位された第2のテクスチャからのテクスチャの値とが比較され(すなわち、
図14に示す第1のテクスチャ内の(a)及び(c)における値が比較され)、第1のテクスチャにより示される出力画素の値が比較に基づいて選択的に変更される(特に、比較の結果に依存して、エッジを表示する(又は表示しない)ために)。
【0246】
例えばテクスチャ座標(a)が「水域」(又は地面の下方に存在するように見える必要がある別の特徴)を表す値に対して第1のソーステクスチャをサンプリングし且つ第1のテクスチャの変位バージョンである第2のテクスチャ内の座標(c)における変位サンプルが「水域」の値を表さない場合、出力サンプルはエッジを表すように変更される(例えば、完全に黒色のサンプルに置換するか、あるいは色が暗くなるように第1のテクスチャルックアップを変調することにより)。
【0247】
本実施形態を実現するためのGLSLに類似するフラグメントシェーダプログラムの疑似コードの例を以下に示す:
vec2 CalculateDisplacedCoord(in vec2 sourceCoordinate)
{
//観察位置に基づいて
//地面(c)における仮想平面の座標(b)に投影された
//地面の座標(a)の位置を返す
}
void main()
{
//入力テクスチャをサンプリングする
vec3 inputColor = texture2D(inputTexture, inputTextureCoord);
if (inputColor == COLOR_OF_WATER) //水域か?
{
//変位座標(c)を計算する
vec2 virtualCoord = CalculateDisplacedCoord(inputTextureCoord);
//座標(c)における色値を取得するために入力をサンプリングする
vec3 virtualColor = texture2D(inputTexture, virtualCoord);
if (virtualColor≠ COLOR_OF_WATER)
{
//出力色を設定する(水域をエッジ色に再度マッピングするか又は色を暗くする等)
gl_FragColor = COLOR_OF_EDGE;
}
}
}
例えばツーパス手法が使用される場合、本実施形態は水域のエッジの反射をシミュレーションするためにも使用可能である。
【0248】
本実施形態はプログラマブルハードウェアシェーダを必要とするが、2つの前述の実施形態は固定機能テクスチャコンバイナ及びプログラマブルシェーダの双方を使用して動作する。この第3の実施形態の利点は、必要とされる記憶容量及び関連するテクスチャデータトラフィックが少ないことである。
【0249】
この第3の実施形態が色の比較に基づくため、これは主に「水域」の一様な領域に有用である。また、例えばアンチエイリアシング技術のため、カラーサンプルは水域の境界において異なる(すなわち、ブレンドされた)値を有する場合があり、必要に応じて、視覚的アーティファクトを避けるために個別に処理されてもよい。
【0250】
フラグメントシェーダは、例えば出力段階において波の表現を生成するために適用されてもよい。これにより、一様な「水域」領域を有する入力テクスチャの使用が容易になる。
【0251】
主に水域特徴の表示を参照して本発明を上述したが、当業者には明らかなように、本発明は、水域特徴を表示するために使用されるのに加えて、トンネル等の他の地下の特徴を表示するために有利に使用可能であり、建物の屋根等の地上の特徴を表示するために同様に使用可能である。
【0252】
また、地面の凹凸等の特徴を効率的にレンダリングできるのに加えて、本発明は、他の平面に奥行きを持たせる必要がある他の場合に使用可能である。そのような一般的なナビゲーションに関係する一例は、都市部における建物のレンダリングである。この場合、本発明のレンダリング技術は、例えば建物の外面の窓をレンダリングすることにより更にリアルなレンダリング効果を与える場合に使用可能である。
【0253】
要望に応じて、本実施形態及び本発明において種々の変更及び他の構成を使用できる。
【0254】
例えば「前方の」地面(基平面)と「変位された」後方の仮想平面との間の間隔は、観察距離の関数として自動的に減少されてもよい。
【0255】
ナビゲーション装置200のグラフィックスハードウェアが画素シェーディング演算をサポートする場合、これらの演算を使用して、タイルの全体的な視覚品質を更に向上できる。例えば画素シェーディング演算は、リアルな水域効果を作成するために反射する日光又は波の効果をシミュレーションするために使用可能である。
【0256】
当業者には明らかなように、上記の例は主に3D世界空間における単一のタイルの位置のレンダリングを参照して説明されたが、本発明は、表示されている画像において必要な数のタイルの位置に対して使用されてもよい。実際、本発明は通常は、例えば河川等の所定の水域特徴が通る一連の連続するタイルに対して使用される。画像を構成する残りのタイルは、通常の方法でレンダリングされてもよい。
【0257】
特にポータブルナビゲーション装置における使用を参照して本発明を上述したが(当業者には明らかなように、本発明は、移動又は組み込みシステム等のグラフィックス性能が制限されるシステムにおいて特定の用途及び利点を有する)、本発明はハイエンドシステムにおいて同様に有利に使用可能である。例えば都市の3Dビューは何百もの建物を含み、高性能グラフィックスアクセラレータは高度な頂点モデルを使用してそれらの建物を詳細にレンダリングできるが、本発明の技術は、観察者から遠く、一般に観察者に近い画像部分より細部が重要でない多くのジオメトリに対する効率が高い。それらの近い部分に対してフル3Dで高精細の高度な頂点モデルを依然として使用することにより、性能と品質とのバランスをとることができる。
【0258】
本発明は、例えば表示画像に対して特有の「特徴的な」外見を取得するため及び/又は細部を省略してユーザ体験を向上することで、全体的に「見やすい」ピクチャを作成するために更に使用可能である。
【0259】
上記から明らかなように、本発明は、ジオメトリをあまり又は全く増加せずに適切な効果を作成できるため、組み込みグラフィックスハードウェアに特に適している例えばタイルベースの地図表示の視覚品質を向上する相対的に高速で効率的な方法を提供する。本発明は、格納及びレンダリングする必要のあるジオメトリの量を減少するために使用可能であるため、より高性能のグラフィックスアクセラレータと共に更に使用されてもよい。
【0260】
例えば本発明は、水域特徴、建物の屋根、トンネル等又は特定の基準面の上方又は下方に存在する他の何らかの特徴をレンダリングするために使用されてもよい。
【0261】
少なくとも本発明の好適な実施形態において、これは、単一のレイヤをレンダリングする(例えば、多重テクスチャ処理又は画素シェーディング技術を使用して)だけで複数のレイヤの印象を与える視点依存エッジ効果をレンダリングすることにより達成される。特に、基平面の下方(又は上方)に存在する特徴の境界は(通常は)暗いエッジを示すようにレンダリングされ、それにより、高差の視覚的印象が得られる。基本的に、本技術は人間の視覚系に奥行き知覚を与え、この場合、実際は、奥行きが同一であるレイヤ上で全てのレンダリングが生成される。
【0262】
本発明の手法は、単一のプリミティブ(又は複数のプリミティブのレイヤ)のみを使用するため、テクスチャの格納及びデータトラフィック、並びに処理の双方に関してリソース効率が高い。同様に、それらは、奥行き効果を達成するためにプリミティブの2つ以上のレイヤをレンダリングする技術より効率的である(レンダリングされる必要のあるプリミティブの数が少ないため)。
【0263】
このように、本発明の技術は、例えば3D地図レンダリングを実行する際に画像において奥行きの印象を提供する効率的な方法を提供できる。
【0264】
以上、本発明の種々の態様及び実施形態を説明したが、本発明の範囲は本明細書に記載される特定の構成に限定されるのではなく、添付の特許請求の範囲の範囲に含まれる全ての構成、並びにそれらに対する変更及び変形を含むことが更に理解されるだろう。
【0265】
例えば、前述の詳細な説明中で説明した実施形態はGPSを参照するが、ナビゲーション装置は、GPSの代わりに(又は実際はGPSに追加して)あらゆる種類の位置検出技術を利用してもよい。例えばナビゲーション装置は、欧州のGalileoシステム等の他のグローバルナビゲーション衛星システムを利用してもよい。同様に、ナビゲーション装置は衛星の使用に限定されず、地上ビーコン、あるいは装置が自身の地理的場所を決定できるようにする他のあらゆる種類のシステムを使用しても容易に機能できる。
【0266】
好適な実施形態はある特定の機能性をソフトウェアにより実現するが、その機能性はハードウェアのみで(例えば、1つ以上のASIC(特定用途向け集積回路)により)同様に実現可能であり、あるいは実際はハードウェア及びソフトウェアの組み合わせにより実現可能であることが当業者には更に理解されるだろう。
【0267】
最後に、添付の特許請求の範囲は本明細書中で説明した特徴の特定の組み合わせを記載するが、本発明の範囲は、以下に特許請求される特定の組み合わせに限定されるのではなく、特定の組み合わせが添付の特許請求の範囲に特に記載されているか否かに関わらず、本明細書中で開示された特徴又は実施形態のあらゆる組み合わせも含む。