特許第5987069号(P5987069)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5987069シリアル通信信号監視による内部レジスタ自己リセット機能を備えた数値制御システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5987069
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年9月6日
(54)【発明の名称】シリアル通信信号監視による内部レジスタ自己リセット機能を備えた数値制御システム
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/18 20060101AFI20160823BHJP
   G05B 19/414 20060101ALI20160823BHJP
   G06F 1/24 20060101ALI20160823BHJP
   G06F 13/38 20060101ALI20160823BHJP
   G06F 13/14 20060101ALI20160823BHJP
【FI】
   G05B19/18 W
   G05B19/414 R
   G06F1/24 351
   G06F13/38 350
   G06F13/14 310E
   G06F13/38 320Z
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-6695(P2015-6695)
(22)【出願日】2015年1月16日
(65)【公開番号】特開2016-133877(P2016-133877A)
(43)【公開日】2016年7月25日
【審査請求日】2016年1月14日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】馬場 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】羽田 浩二
(72)【発明者】
【氏名】宮▲崎▼ 義人
【審査官】 中田 善邦
(56)【参考文献】
【文献】 特許第4185142(JP,B2)
【文献】 特開平09−198119(JP,A)
【文献】 特開平08−328636(JP,A)
【文献】 特許第4291384(JP,B2)
【文献】 特開2002−014877(JP,A)
【文献】 特開平05−030119(JP,A)
【文献】 特開平04−311123(JP,A)
【文献】 特開2011−107845(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B19/18−19/416,19/42−19/46,
H04L12/40−12/417,
G06F1/00,13/14,13/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
数値制御装置と、該数値制御装置に接続された一つまたは複数のI/Oユニットを有し、前記数値制御装置と前記I/Oユニットとの間で、シリアル通信により入出力信号の授受を行う数値制御システムにおいて、
前記I/Oユニットは、前記数値制御装置から送信されるシリアル通信信号を監視する監視手段を備え、
前記監視手段は、
前記数値制御装置もしくは前段のI/Oユニットから前記シリアル信号を受信し、後段のI/Oユニットへ前記シリアル信号を送信する送受信手段と、
前記シリアル信号が所定時間以上停止したことで前記数値制御装置の電源が停止されたと判定する判定手段と、
前記判定手段により、数値制御装置の電源が停止されたと判定された場合、後段のI/Oユニットへ送信する前記シリアル信号を停止する停止手段と、
前記判定手段により、数値制御装置の電源が停止されたと判定された場合、前記I/Oユニット内部のレジスタへリセット信号を出力するリセット信号出力手段と、
を備えたことを特徴とする数値制御システム。
【請求項2】
前記判定手段において、前記所定時間を設定可能であることを特徴とする請求項1記載の数値制御システム。
【請求項3】
前記リセット信号出力手段は、前記リセット信号の出力時間の長さを設定可能であることを特徴とする請求項1に記載の数値制御システム。
【請求項4】
数値制御装置とシリアル通信によって接続されるI/Oユニットであって、
前記I/Oユニットは、前記数値制御装置から送信されるシリアル通信信号を監視する監視手段を備え、
前記監視手段は、
前記数値制御装置もしくは前段のI/Oユニットから前記シリアル信号を受信し、後段のI/Oユニットへ前記シリアル信号を送信する送受信手段と、
前記シリアル信号が所定時間以上停止したことで前記数値制御装置の電源が停止されたと判定する判定手段と、
前記判定手段により、数値制御装置の電源が停止されたと判定された場合、後段のI/Oユニットへ送信する前記シリアル信号を停止する停止手段と、
前記判定手段により、数値制御装置の電源が停止されたと判定された場合、前記I/Oユニット内部のレジスタへリセット信号を出力するリセット信号出力手段と、
を備えたことを特徴とするI/Oユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、数値制御装置と工作機械との間で、入力信号/出力信号(DI/DO信号)の入出力を行う為に、外部信号入出力用ユニット(I/Oユニット)を複数接続する数値制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
数値制御装置と工作機械との間で、入力信号/出力信号(DI/DO信号)の入出力を行う為に、外部信号入出力用ユニット(I/Oユニット)を複数接続する構成(デイジーチェーン接続)においては、数値制御装置とやり取りされるDI/DO信号はシステムの構成によって変化するものであり、DI/DO信号を取り込む時には、該DI/DO信号に数値制御装置内部のアドレスが自由に割り付けられることが必要であるため、下記方法を用いる。
【0003】
<外部信号(DI/DO信号)を数値制御装置内部のアドレスに自由に割り付ける方法>
図1は数値制御装置と該数値制御装置に接続される複数個のI/Oユニットとからなるシステムにおいて、外部信号(DI/DO信号)を数値制御装置内部のアドレスに自由に割り付ける方法を説明する図である。
【0004】
数値制御装置と、工作機械(図示せず)との間で入力信号/出力信号(DI/DO信号)の入出力を行うために、外部信号入出力用ユニット(I/Oユニット)を複数接続する構成においては、数値制御装置とやり取りされるDI/DO信号はシステムの構成によって変化するものであり、DI/DO信号を取り込むときには該DI/DO信号に数値制御装置内部のアドレスが自由に割り付けられることが必要であるため、下記方法を用いる。
【0005】
以降の説明の中の各図で使用されている1,2,3… はグループIDを表す。グループIDは、各I/Oユニットに、数値制御装置から近い順番で割り振られる番号である。
またA,B,C…は、例えば、「Aは入力32点/出力24点のユニット、Bはアナログ入力ユニット」というように、信号の点数や機能で分類されるユニットの種類を表す情報を示している。また、I,II,III,…は実際に使われないが、各ユニットを固有に識別するための記号として、本案を説明する上で便宜的に割り付けた数字である。
【0006】
図1においては、数値制御装置6に対してI/Oユニット1,2,3,4,5が信号線7を介してデイジーチェーン式に接続されている。DI/DO信号に数値制御装置6内部のアドレスを自由に割り付けるため、電源オン時に数値制御装置6が各I/Oユニット1,2,3,4,5にグループIDを割り振る手段を説明する。数値制御装置6の電源をONした時に、まず数値制御装置6がグループIDを含んだ設定用の信号を送信する。受け取った各ユニットは自分がグループIDを取得していない場合は、送られてきたグループIDを取得し数値制御装置6にI/Oユニットの種類をあらわす情報(A,B,C…)を返信する。既に取得している場合は下位に繋がっているI/Oユニットに対して信号を渡す。図1では、I/OユニットIII(1〜3)までのグループIDが設定され、次にIVのグループIDを設定する時を例にしている。
【0007】
上記の手順が全て終了し、数値制御装置は接続されているI/Oユニットの構成を認識する。これは電源オン時に毎回行なわれる。これにより、DI/DO信号に数値制御装置内部のアドレスが自由に割り付けることが出来る。(特許文献1参照)
なお、前段のI/Oユニットまたは数値制御装置が、後段のI/Oユニットの断線を検出する方法が特許文献2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第4185142号公報
【特許文献2】特許第4291384号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
数値制御装置がI/Oユニットに対して、グループIDを毎回割り振るためには、グループID等の情報を保存しているI/Oユニットの内部レジスタも毎回リセットする必要がある。従来の方法では、I/Oユニットの内部レジスタをリセットする信号は、電源ON時に入力されるため、数値制御装置を電源OFF/ONするとき、I/Oユニットも電源OFF/ONする必要があった。I/Oユニットを電源OFF/ONせず内部レジスタがリセットされないと、正しくグループIDが割り振られず、数値制御システムが正常に動作しない(図2参照)。
【0010】
<I/Oユニットの内部レジスタをリセットしない場合の動作>
上記の方法のように、数値制御装置がI/Oユニットに対して、グループIDを毎回割り振るためには、グループID等の情報を保存しているI/Oユニットの内部レジスタも毎回リセットする必要がある。
ここで、数値制御装置のみを電源OFF/ONさせたとき、I/Oユニットの内部レジスタがリセットされず、数値制御システムが正常に動作しない場合の動作について説明する。図3は数値制御装置と該数値制御装置に接続される複数個のI/Oユニットとからなるシステムにおいて、I/Oユニットの内部レジスタをリセットしない場合の動作を説明する図である。
【0011】
DI/DO信号を数値制御装置内部のアドレスに自由に割り付ける上記の方法(背景技術の説明)において、グループID設定用の信号が送信されて来たとき、I/Oユニットは自分のグループIDを取得してから、後段のI/Oユニットに信号を渡す。ここで、内部レジスタがリセットされずに、リセット前のグループIDを持っているI/Oユニットでは、自分のグループIDを取得することなく、後段のI/OユニットにグループID設定用の信号を送信する。そのため、数値制御装置とI/OユニットでグループIDの設定がずれ、以下2つのことが起きる。(1)割り当ての誤ったグループIDを持つI/Oユニットが誤動作を起こす(図4参照)。(2)同じグループIDを持つ複数のI/Oユニットから、数値制御装置に信号が送信され、システムが正常に動作しない(図5参照)。
【0012】
上記(1)、(2)の問題が発生するのを回避するために、I/Oユニットの内部レジスタは必ずリセットする必要がある。従来方法では、I/Oユニットの内部レジスタをリセットする信号は、電源オン時に入力されるため、数値制御装置を電源OFF/ONする場合には、I/Oユニットも電源OFF/ONする必要があった。さらに、数値制御装置とI/Oユニットが互いに離れており、電源を別々にしなければならない場合、リレーなどを用いて、電源ONのタイミングを合わせる必要が有り、手間がかかっていた(図6)。
【0013】
I/Oユニットの内部レジスタをリセットする他の方法として、リセットコマンドを一斉に送信する方法が考えられるが、その方法にも欠点があった。まず、FA環境下ではノイズが多く発生しているため、信号にノイズが加わり、正しく伝わらない可能性がある。リセットコマンドを一斉送信する方法において、リセットコマンドにノイズが加わった場合、内部レジスタが正しくリセットされず、システムが正常に動作しない問題があった。
【0014】
そこで本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、I/Oユニットの電源OFF/ON無しで、I/Oユニットの内部レジスタをリセットすることが可能な、シリアル通信信号監視による内部レジスタ自己リセット機能を備えた数値制御システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本願の請求項1に係る発明は、数値制御装置と、該数値制御装置に接続された一つまたは複数のI/Oユニットを有し、前記数値制御装置と前記I/Oユニットとの間で、シリアル通信により入出力信号の授受を行う数値制御システムにおいて、前記I/Oユニットは、前記数値制御装置から送信されるシリアル通信信号を監視する監視手段を備え、前記監視手段は、前記数値制御装置もしくは前段のI/Oユニットから前記シリアル信号を受信し、後段のI/Oユニットへ前記シリアル信号を送信する送受信手段と、前記シリアル信号が所定時間以上停止したことで前記数値制御装置の電源が停止されたと判定する判定手段と、前記判定手段により、数値制御装置の電源が停止されたと判定された場合、後段のI/Oユニットへ送信する前記シリアル信号を停止する停止手段と、前記判定手段により、数値制御装置の電源が停止されたと判定された場合、前記I/Oユニット内部のレジスタへリセット信号を出力するリセット信号出力手段と、を備えたことを特徴とする数値制御システムである。
請求項2に係る発明は、前記判定手段において、前記所定時間を設定可能であることを特徴とする請求項1記載の数値制御システムである。
請求項3に係る発明は、前記リセット信号出力手段は、前記リセット信号の出力時間の長さを設定可能であることを特徴とする請求項1に記載の数値制御システムである
【0016】
請求項に係る発明は、数値制御装置とシリアル通信によって接続されるI/Oユニットであって、前記I/Oユニットは、前記数値制御装置から送信されるシリアル通信信号を監視する監視手段を備え、前記監視手段は、前記数値制御装置もしくは前段のI/Oユニットから前記シリアル信号を受信し、後段のI/Oユニットへ前記シリアル信号を送信する送受信手段と、前記シリアル信号が所定時間以上停止したことで前記数値制御装置の電源が停止されたと判定する判定手段と、前記判定手段により、数値制御装置の電源が停止されたと判定された場合、後段のI/Oユニットへ送信する前記シリアル信号を停止する停止手段と、前記判定手段により、数値制御装置の電源が停止されたと判定された場合、前記I/Oユニット内部のレジスタへリセット信号を出力するリセット信号出力手段と、を備えたことを特徴とするI/Oユニットである。
【発明の効果】
【0017】
本発明により、I/Oユニットの電源OFF/ON無しで、I/Oユニットの内部レジスタをリセットすることが可能な、シリアル通信信号監視による内部レジスタ自己リセット機能を備えた数値制御システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】数値制御装置と該数値制御装置に接続される複数個のI/Oユニットとからなるシステムにおいて、外部信号(DI/DO信号)を数値制御装置内部のアドレスに自由に割り付ける方法を説明する図である。
図2】従来の内部レジスタのリセットの方法のフローを示す図である。
図3】数値制御装置と該数値制御装置に接続される複数個のI/Oユニットとからなるシステムにおいて、I/Oユニットの内部レジスタをリセットしない場合の動作を説明する図である。
図4】I/Oユニットの内部レジスタをリセットしない場合に発生する問題を説明する図である。
図5】I/Oユニットの内部レジスタをリセットしない場合に発生する他の問題を説明する図である。
図6】従来のリセットの方法を説明する図である。
【0019】
図7】本発明に係るシリアル通信信号監視回路においてシリアル通信信号を監視し、リセット信号を生成する方法を説明する図である。
図8】本発明に係るシリアル通信信号監視回路においてシリアル通信信号を監視し、リセット信号を生成する方法を説明する図である。
図9】本発明に係るシリアル通信信号監視回路においてシリアル通信信号を監視し、リセット信号を生成する方法を説明する図である。
【0020】
図10】数値制御装置に複数段のI/Oユニットが接続されている場合、数値制御装置から複数段のI/Oユニットへの信号の流れを説明する図である。
図11】数値制御装置の電源が停止された場合、後段のI/Oユニットへ送信するシリアル信号を停止することを説明する図である。
図12】本発明に係る内部レジスタのリセットの方法のフローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。なお、従来技術と類似する構成あるいは同じ構成については同じ符号を用いて説明する。本発明は、あるパターンの出力を監視するのではなく、シリアル通信信号の所定時間以上の停止を監視しているため、数値制御装置がオフされたときには内部レジスタが必ずリセットされる。また、ノイズが加わったことで、ハイまたはローに固定されてしまうということは考えにくい為、勝手に内部レジスタをリセットしてしまうことも無い。本発明は、このアイドル信号を利用して、後段のI/Oユニットが、前段のI/Oユニットまたは数値制御装置の断線(シリアル通信信号の一定時間以上の停止)を検出する方法である。
【0022】
1.シリアル通信信号監視回路においてシリアル通信信号を監視し、リセット信号を生成する方法
本発明に係るシステムは、発明が解決しようとする課題を解決する方法として、シリアル通信信号監視回路においてシリアル通信信号を監視し、リセット信号を生成する方法について説明する。本発明のシステムにおいても図1に示されるのと同様に、数値制御装置6に複数のI/Oユニットがデイジーチェーン式に信号線7を介して接続されている。
【0023】
数値制御装置6とI/Oユニット1,2,3,4,5,はある一定周期毎にDI/DO信号の送受信を行っている。DI/DO信号の送受信を行っていない時は、ある周期で変調/復調を繰り返す信号(アイドル信号)が入出力されている。そのため、データとして送信される所定時間以上、DI/DO信号がハイまたはローに固定されることは無い。
【0024】
本発明のシステムに用いられるI/Oユニットは図7に示されるように、電源11、LSI12を備えている。各I/Oユニット1,2,3,4,5の内部にシリアル通信信号監視回路15を持ち、データ及びアイドル信号、つまりシリアル通信信号を監視する(図7参照)。
【0025】
シリアル通信信号監視回路15は、判定手段16により所定時間以上のシリアル通信信号がハイまたはローの状態を検出すると、シリアル通信信号の断線と見なして、リセット信号出力手段17がリセットパルス信号を生成してI/Oユニットの内部レジスタ14をリセットする。そのため、数値制御装置6を電源OFF/ONするときにI/Oユニットの電源OFF/ONは不要になる。
【0026】
そして、シリアル通信信号監視回路15のリセット信号出力手段17は、出力リセット信号の出力時間の長さを設定することができる(図8参照)。
なお、I/Oユニット1の電源11からのリセット信号、またはシリアル通信信号監視回路15からのリセット信号が内部レジスタ14にリセット信号として入力するようなAND回路13が備わっている。
【0027】
これにより、数値制御装置システムの数値制御装置6の電源OFF/ON時において、電源OFF時に内部レジスタ14がリセットされ、電源ON時に再度内部レジスタ14が設定されるまでに必要な時間に合わせて、出力リセット信号の出力時間の長さを変更できる。
【0028】
数値制御装置システムの数値制御装置6の電源OFFからONまでを短時間に行う場合では、出力リセット信号の出力時間の長さを短くすることで対応できる。また、例えば外部からのノイズの流入等により、リセット信号が伝わらないことも可能性として考えられるが、ノイズは短時間に加わる物であるので、出力リセット信号の出力時間を長くすることで、確実に内部レジスタにリセットをかけることが出来る。
【0029】
また、シリアル通信信号監視回路15において、シリアル通信信号の断線とみなす所定時間を設定することが出来る(図9参照)。これにより、数値制御装置6から送信されるデータの、所定時間以上のハイまたはローの固定の時間が変更された場合でも対応することができる。
【0030】
背景技術で説明したように、従来手法では、I/Oユニット1の電源オン時にリセットが入力され、内部レジスタ14がリセットされて、その後解除される方法であったため、数値制御装置6を電源OFF/ONするときに、I/Oユニット1を電源OFF/ONさせる必要があった。その為、数値制御装置6とI/Oユニット1が互いに離れており、電源を別々にしなければならない場合、リレーなどを用いて、電源ONのタイミングを合わせる必要が有った(図6参照)。これに対して、本発明に係るシステムを用いると、数値制御装置6を電源OFF/ONする場合、I/Oユニット1の電源OFF/ONは不要な為、電源ONのタイミングを合わせる為のリレー等は不要である。
【0031】
2.I/Oユニットが、前段のI/Oユニットから後段のI/Oユニットへシリアル信号を送信する方法、及び前段のI/Oユニットからのシリアル信号の停止を監視し、I/Oユニット内部のレジスタへリセット信号を出力する方法
図10は数値制御装置に複数段のI/Oユニットが接続されている場合、数値制御装置から複数段のI/Oユニットへのシリアル信号の流れを説明する図である。図11は数値制御装置の電源が停止された場合、後段のI/Oユニットへ送信するシリアル信号を停止することを説明する図である。
【0032】
図10に示されるように、数値制御装置6に複数段のI/Oユニット1,2,3,4,5が信号線7を介して接続されている場合、数値制御装置6からI/Oユニット1へ送信されたシリアル信号は、さらにそのI/Oユニット1の後段に接続されたI/Oユニット2へ送信される。
【0033】
I/Oユニット1は、数値制御装置6もしくは前段のI/Oユニットからシリアル信号を受信し、後段のI/Oユニット2へ前記シリアル信号を送信する手段と、判定手段は、数値制御装置6の電源が停止されたと判断された場合、後段のI/Oユニットに前記シリアル信号の送信を停止する手段を備えている。
【0034】
各I/Oユニットは、数値制御装置6から送信されるシリアル信号を監視する監視手段(シリアル通信信号監視回路15)に備わったシリアル信号が所定時間以上停止したことで数値制御装置6の電源が停止されたと判定する判定手段16により、数値制御装置6の電源が停止されたと判定された場合、後段のI/Oユニットへ送信するシリアル信号を停止する。前段のI/Oユニットからのシリアル信号停止により、後段のI/Oユニットは、I/Oユニット内部のレジスタへリセット信号を出力する。
【0035】
従来方法では、数値制御装置とI/Oユニットが互いに離れており、電源を別々にしなければならない場合、リレーなどを用いて、電源ONのタイミングを合わせる必要が有った。さらに上記のように、I/Oユニットを複数用いている場合などは、特にリレーが多くなる。リレーは、一般に消耗部品であるので、信頼性の観点から多用は望ましくない。また、リレーの個数増加は、設置スペースの増大や設置工数の増大にもなるので、やはり望ましくない。本発明によれば、リレーをなくすことができ、先述の問題点を全て解決できる。
【0036】
図12は本発明に係る内部レジスタのリセットの方法のフローを示す図である。本発明では、I/Oユニットへのシリアル通信信号の断線を、シリアル通信信号監視回路が検出し、リセット信号が出力され、内部レジスタがリセットされるため、I/Oユニットを電源OFF/ONする必要が無い。従来手法では、I/Oユニットの電源オン時にリセットが入力され、内部レジスタがリセットされて、その後解除される方法のため、I/Oユニットを電源OFF/ONする必要があった。
【0037】
ここで、ウォッチドッグ機能と本発明の相違を説明する。ウォッチドッグ機能(特開2011−107845号公報)を用いると、数値制御装置から定期的に決まった信号を出力し、I/Oユニット側ではその信号をチェックする。その信号をチェックできない場合には、正常に動作していないと判断する。つまり、ウォッチドッグ機能は、ある信号を定期的に出力する必要がある。しかし、シリアル通信信号を監視する本発明は、シリアル通信信号が変化しているかを監視するため、監視用の信号を新たに出力する必要は無い。所定時間以上ウォッチドッグデータの受信がない場合、スレーブはこれを通信異常と見做なす。この時スレーブは、自身にリセットをかけることで、電源投入時の状態に戻る。
【0038】
これに対し、本発明は、所定時間以上DOデータの受信がない場合、スレーブはこれを通信異常と見做す。この時スレーブは、ウォッチドッグアラーム検出状態となるが、自身にリセットをかけることはない。一方、一定時間以上アイドル信号の受信がない場合、スレーブはこれをマスタの電源停止と見做す。この時スレーブは、自身にリセットをかけることで、電源投入時の状態に戻る。
【0039】
要するに、:先行技術では「ウォッチドッグデータの停止」=「通信異常またはマスタの電源停止」であるのに対し、本発明は:「ウォッチドッグデータの停止」=「通信異常」、「アイドル信号の停止」=「マスタの電源停止」という差異があり、本発明は通信異常とマスタの電源停止を区別していることになる。この差異により、先行技術にはない以下の効果が得られる。
・ウォッチドッグアラーム発生状態をスレーブで保持しLED等で使用者に通知できる。先行技術では、自身をリセットしてしまうので、アラーム状態をLED等で表示することができない。
・ウォッチドッグアラーム発生後も必要に応じてアラーム探索などの通信を行いスレーブやDIの状態を調べることができる。先行技術では、自身をリセットしてしまうので、アラーム探索通信のために必要なスレーブの内部レジスタまでクリアされてしまい、アラーム探索通信ができない。
【符号の説明】
【0040】
1,2,3,4,5 I/Oユニット
6 数値制御装置
7 信号線

11 電源
12 LSI
13 AND回路
14 内部レジスタ
15 シリアル通信信号監視回路
16 判定手段
17 リセット信号出力手段

21 電源
22 LSI
23 AND回路
24 内部レジスタ
25 シリアル通信信号監視回路
図1
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図2
図12