(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5987162
(24)【登録日】2016年8月19日
(45)【発行日】2016年9月7日
(54)【発明の名称】ブリケット型入浴剤
(51)【国際特許分類】
A61K 8/36 20060101AFI20160825BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20160825BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20160825BHJP
A61K 8/39 20060101ALI20160825BHJP
A61K 8/92 20060101ALI20160825BHJP
A61K 8/898 20060101ALI20160825BHJP
【FI】
A61K8/36
A61K8/37
A61Q19/10
A61K8/39
A61K8/92
A61K8/898
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-186173(P2012-186173)
(22)【出願日】2012年8月27日
(65)【公開番号】特開2014-43410(P2014-43410A)
(43)【公開日】2014年3月13日
【審査請求日】2015年8月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】308040638
【氏名又は名称】株式会社バスクリン
(74)【代理人】
【識別番号】110000590
【氏名又は名称】特許業務法人 小野国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 満
【審査官】
▲高▼ 美葉子
(56)【参考文献】
【文献】
特開平07−196471(JP,A)
【文献】
特開2012−158588(JP,A)
【文献】
特開2012−131740(JP,A)
【文献】
特開2012−001469(JP,A)
【文献】
特開平03−112922(JP,A)
【文献】
特開平01−238523(JP,A)
【文献】
特開平01−238520(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00−8/99
A61Q 1/00−90/00
CAplus/WPIDS/KOSMET(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機酸および炭酸塩を含むブリケット型入浴剤であって、次の成分(A)ないし(C)
(A)有機酸として、組成中10質量%以上のフマル酸、
(B)ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリル型またはプルロニック型ノニオン界面活性
剤、
(C)油性成分
を含有することを特徴とするブリケット型入浴剤。
【請求項2】
成分(B)のポリオキシエチレン脂肪酸グリセリル型ノニオン界面活性剤が、4ないし 8モルのエチレンオキサイドを付加した(カプリル/カプリン酸)グリセリルである請求項1記載のブリケット型入浴剤。
【請求項3】
成分(B)のプルロニック型ノニオン界面活性剤が、分子量が1500ないし4500であり、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの比率が、1:9ないし4:6であるエチレンジアミン型のプルロニック型ノニオン界面活性剤である請求項1記載のブリケット型入浴剤。
【請求項4】
成分(C)の油性成分が脂肪酸トリグリセライドである請求項1ないし3の何れかの項記載のブリケット型入浴剤。
【請求項5】
更に、ポリビニルピロリドンを含有する請求項1ないし4の何れかの項記載のブリケット型入浴剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はブリケット型入浴剤に関し、更に詳細には、有機酸としてフマル酸を高配合していながら、優れた溶解性を有し、浴湯中で炭酸ガスを発生させ、しかもフマル酸の不溶解物を発生させないブリケット型入浴剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より有機酸と炭酸塩を配合し、使用時に炭酸ガスを発生させる固型浴用剤が広く知られており、その一つとしてブリケット型入浴剤を挙げることができる。このブリケット型入浴剤は、特許文献1や、特許文献2などで知られているように、2本のロール間に原料粉体を圧縮成型する乾式圧縮造粒法を応用した入浴剤で、2本のロールを交換することで様々なサイズや形状を作ることができ、消費者へ外観上のアピールを容易にできるだけでなく、比表面積を調整することができるため、溶解時間を短くしたり長くしたりすることができることができる入浴剤である。特に粒径が3mmないし10mmの比表面積の大きいブリケット型入浴剤は、投入から完全に溶解する時間を1分以内にすることができ、素早く炭酸ガスを浴湯中に溶解することができるため、消費者が使いやすい炭酸ガス入浴剤として好評である。
【0003】
一方で、特許文献2にも記載のように、有機酸の中でも比較的安価でかつ成形性に優れるフマル酸を主な有機酸成分として、ブリケット型入浴剤、中でも3mmないし10mmの比表面積の大きいブリケット型入浴剤に配合した際は、フマル酸が完全に炭酸塩と反応することができない場合があり、一部のフマル酸が反応することなく浴湯に浮遊するという問題があった。そして、フマル酸は有機酸の中でも溶解度が低いため(0.63g/100mL、25℃)、いったん未反応の状態で浴湯表面に浮遊すると、溶解するのに数分かかり、消費者に不快に思われてしまうことがあった。そのため、従来、消費者からの許容範囲として、ブリケット型入浴剤でのフマル酸の配合量は10%以下としていた。
【0004】
また、3mmないし10mmの比表面積の大きいブリケット型入浴剤にフマル酸を高配合すると、特許文献2の実施例9でも記載するように、フマル酸自身の比重の小さいことから表面で溶解する部分が多く、浴槽表面でも勢いよく発泡する。そのため、炭酸ガスを浴湯中に効率的に溶存させることができないだけでなく、勢いよく発生する炭酸ガスが使用者にムセを引き起こすこともあり、この点も従来からの課題であった。これに対し、浴湯に炭酸ガスを有効に溶解させるために有機酸と炭酸塩の含有量を下げ、無機塩などの成分を高配合することで、浴湯中に発生する炭酸ガスを溶解させることができるが、このような配合では、発生する炭酸ガス量も低下させるため、想定する効能効果を得られることができなかった。
【0005】
上記課題のうち、発泡入浴剤が表面で浮くという課題に対しては、特許文献3に記載のように、HLBが2から6のノニオン界面活性剤を添加し、浴槽表面に浮く時間を極力少なくすることが知られている。しかしこの方法は、粒径の大きな錠剤では効果があるが、豆粒程の粒径であり、水と接する表面積が錠剤に比べ格段に大きなブリケット型入浴剤では改善効果が認められない。逆に、このようなノニオン界面活性剤は、相対的に疎水性が高いため、湯面が浮き上がってギラツクなどすることがあり、消費者にも不快感を与えてしまうという問題があった。
【0006】
以上のようにフマル酸を高配合しても素早く浴湯に溶け、浴湯表面でなく浴湯中で炭酸ガスを発生することで使用者がムセることなく、かつフマル酸の不溶解物や油膜等を発生させないブリケット型入浴剤が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−83584
【特許文献2】特開2003−342164
【特許文献3】特開2011−190190
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前記実情に鑑みなされたものであり、フマル酸を高い割合で配合しながらも、浴湯表面でなく浴湯中で素早く溶けて炭酸ガスを発生することで使用者がムセることなく、しかもフマル酸の不溶解物や油膜等を発生することのないブリケット型入浴剤を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、ブリケット型入浴剤、特にその粒径が3mmないし10mmであるブリケット型入浴剤において、その配合成分である有機酸の主成分としてフマル酸を使用すべく、その配合成分、配合組成について検討を行った。そしてその結果、入浴剤組成中に10質量%以上の配合量でフマル酸を配合しても、これと共に特定のノニオン界面活性剤および油性成分を配合することで、フマル酸の不溶解物を浴湯表面に浮遊させることなく、素早く浴湯中で溶解させることができるブリケット型入浴剤組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0010】
すなわち本発明は、
(1)有機酸および炭酸塩を含むブリケット型入浴剤であって、次の成分(A)ないし(C)
(A)有機酸として、組成中10質量%以上のフマル酸、
(B)ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリル型またはプルロニック型ノニオン界面活性
剤、
(C)油性成分
を含有することを特徴とするブリケット型入浴剤、
(2)成分(B)のポリオキシエチレン脂肪酸グリセリル型ノニオン界面活性剤が、4ないし6モルのエチレンオキサイドを付加した(カプリル/カプリン酸)グリセリルである前記のブリケット型入浴剤、
(3)成分(B)のプルロニック型ノニオン界面活性剤が、分子量が1500ないし4500であり、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの比率が、1:9ないし4:6であるエチレンジアミン型のプルロニック型ノニオン界面活性剤である前記のブリケット型入浴剤、
(4)成分(C)の油性成分が脂肪酸トリグリセリドである前記のブリケット型入浴剤、
(5)更に、ポリビニルピロリドンを含有する前記のブリケット型入浴剤
である。
【発明の効果】
【0011】
本発明のブリケット型入浴剤(以下、「ブリケット浴剤」という)は、有機酸の主成分としてフマル酸を配合していながら、ブリケット製剤特有の優れた溶解性を有して浴湯中に炭酸ガスを溶存させ、しかもフマル酸の不溶解物等を発生させないものである。従って、本発明のブリケット浴剤は、従来のブリケット浴剤に比べ、使用感が良く、その商品性も高いものである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明においてブリケット浴剤とは、小さい粒状の固型入浴剤、一般的にはその粒径範囲が3mmないし10mmで、ピロー状、レンズ状、アーモンド状、プリズム状、棒状、フィンガー状などの粒状の形状のものをいう。
【0013】
このブリケット浴剤の粒径範囲は、ブリケットの形状に応じて設定できるが、例えば、形状がアーモンド状などの楕円形状を有する場合には、楕円形状の長径を前記直径の範囲の上限内に設定すればよい。また、楕円形状の場合、その短径は前記直径の範囲の下限内に含まれることが好ましい。さらに、ブリケット製剤がピロー形などの多角形状を有する場合も、最長径が前記楕円形状の長径にあたり、最も短い辺の長さが、前記楕円形状の短径にあたるものとすればよい。更にまた、短径は長径の1/2以上1未満がより好ましい。以上の範囲を外れると、出来上がったブリケットは、解砕時や輸送時に粒子の折れが多数生じ、商品として満足できるものではなく、好ましくない。
【0014】
本発明のブリケット浴剤の組成中には、有機酸と炭酸塩が配合されており、このブリケット浴剤を浴湯に投入すると、有機酸と炭酸塩が反応し、炭酸ガスを発生する。本発明においては、この有機酸としてフマル酸を利用するが、このものは組成中10質量%(以下、単に「%」で示す)以上配合される。より好ましくは、組成中、10ないし40%であり、より好ましくは、10ないし30%である。
【0015】
このフマル酸は、350μm以下の粒子が95%を占めるものであることが好ましい。粒度が350μm以上の粒子が、5%以上となるようなフマル酸を用いると、フマル酸の比表面積が減少することで炭酸塩と反応しないフマル酸が浴湯中に浮遊しやすく、不溶解物が浴湯表面に浮き、使用者への不快感を与えてしまうことがある。
【0016】
本発明のブリケット浴剤においては、上記フマル酸の他、他の有機酸を併用することができる。併用される他の有機酸としては、例えば、リンゴ酸、コハク酸、クエン酸、酒石酸、マレイン酸、ピロリドンカルボン酸、アジピン酸、グルタミン酸、アスコルビン酸などが挙げられ、特にコハク酸やリンゴ酸が成形性の面で好ましい。
【0017】
また、本発明のブリケット浴剤中の有機酸の総配合量は、ブリケット浴剤の組成中、10ないし80%であり、更に15ないし75%、特に20ないし50%の範囲が好ましい。この範囲を下回ると、発泡力が弱くなり、この範囲を超えると、保存安定性の確保が難しくなってくるので、何れも好ましくはない。
【0018】
なお、本発明のブリケット浴剤中の有機酸における、フマル酸と他の有機酸の配合割合は、特に制約されるものではないが、フマル酸1重量部に対し、他の有機酸が、0.25ないし4重量部程度であることが好ましい。
【0019】
一方、本発明のブリケット浴剤で用いられる炭酸塩としては、従来より一般的に用いられている炭酸塩を使用することができ、その例としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸アンモニウムなどが挙げられ、特に炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウムが入手の容易さから好ましい。これらの炭酸塩は、単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0020】
本発明ブリケット浴剤での炭酸塩の配合量は、ブリケット浴剤の総量を基準として10ないし80%であり、好ましくは15ないし75%、特に20ないし60%の範囲であることが好ましい。この範囲を下回ると、発泡力が弱く充分な香料成分の揮散が得られない。また、この範囲を超えると、保存安定性の確保が難しくなってくる。
【0021】
また、本発明のブリケット浴剤には、成分(B)としてポリオキシエチレン脂肪酸グリセリル型またはプルロニック型ノニオン界面活性剤(以下、「ノニオン界面活性剤」と略すことがある)が配合される。このノニオン界面活性剤は、フマル酸と炭酸塩の反応性を上げるためのものであり、そのHLB値が7以上であることが好ましく、さらには10以上であることが好ましい。
【0022】
上記のノニオン界面活性剤のうち、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリル型ノニオン界面活性剤の例としては、4ないし8モルのエチレンオキサイドを付加した脂肪酸グリセリルが好ましく、特に好ましいものとしては、ポリオキシエチレン(6)(カプリル/カプリン酸)グリセリルを挙げることができる。一方、プルロニック型ノニオン界面活性剤のうち好ましいものとしては、分子量が1500ないし4500であり、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの比率が、1:9ないし4:6であるエチレンジアミン型のプルロニック型ノニオン界面活性剤が挙げられる。本発明のブリケット浴剤でのノニオン界面活性剤の配合量は、ブリケット浴剤中、0.001ないし0.8%程度であり、0.02ないし0.5%程度であることが好ましい。
【0023】
更に、本発明のブリケット浴剤には、成分(C)として油性成分が配合される。この油性成分は、ノニオン界面活性剤の配合により、ブリケットの溶解時に発生する浮泡を抑制するためのものである。この油性成分を更に配合することで、フマル酸の溶解を促進するだけでなく、浮泡を同時に抑制することができる。この油性成分としては、例えば、植物油、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリカプリル酸グリセリル、トリー2−エチルヘキサン酸グリセリルなどの脂肪酸トリグリセリドを使用することができる。この油性成分は、その比重が0.90ないし0.96程度のものを有するものであることが好ましい。このような比重の油性成分の配合は、ブリケット浴剤中にフマル酸を高配合しても、発泡を湯表面でなく湯中で行わせることができ、炭酸ガスを効果的に浴湯中に溶解できるので望ましい。この油性成分を配合する場合の配合量は、ブリケット浴剤中、0.1ないし1.0%程度であり、0.2ないし0.5%程度であることが好ましい。
【0024】
本発明のブリケット浴剤には、更に必要に応じて水溶性高分子を配合することもできる。この水溶性高分子は、フマル酸の不溶解物を更に減少させるためのものであり、好ましいものの例としては、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン等の水溶性高分子が挙げられ、特に、ポリビニルピロリドンは、少量の配合でもフマル酸の不溶解物を抑制する効果があるため、最も効果的である。この水溶性高分子を配合する場合の配合量は、ブリケット浴剤中、0.05ないし1%程度であり、0.1ないし0.5%程度であることが好ましい。
【0025】
本発明のブリケット浴剤には、上記した成分の他、無機塩類、色素、香料、保湿成分等の成分を配合することができる。また、ブリケット製剤を効率よく調製するために、滑沢剤、離型剤、結合剤等の成分を配合しても良い。
【0026】
本発明のブリケット浴剤は、従来公知のブリケット製剤製造法に従い製造される。すなわち、上記した各成分を配合した粉体組成物をブリケッティングマシンにて成形加工することで得られる。このブリケッティングマシンとは、同速で互いに反対方向に回転する2本のロール間で原料粉体を圧縮し成型する乾式圧縮造粒機の一つであり、ロールの表面には、ブリケットの母型であるポケットが刻まれている。そのポケットの形状や大きさによって、種々の形状や大きさのブリケットを得ることが可能となる。
【0027】
なお、上記粉体組成物の調合に当たり、まず、フマル酸とノニオン界面活性剤を直接混合した後、他の原料を配合し、ブリケット浴剤を成型すると、フマル酸の不溶解物は更に少なくなり好ましい。
【実施例】
【0028】
次に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるものではない。
【0029】
実 施 例 1
下記表1の浴用剤組成を均一に混合した後、ブリケットマシーン(BSS−1H新東工業社製)を用い、粒径4.8mmの、偏平型のブリケット浴剤(本発明品1から3および比較品1から4)を調製した。
【0030】
【表1】
【0031】
得られた本発明品1から3および比較品1から4のブリケット浴剤各30gを、200Lの浴湯(41℃)に投入し、浴槽中での発泡位置、発泡の際のムセ感、投入後の浴湯の表面状態、浴湯中と浴湯表面の溶解時間を調べた。このうち発泡位置は、最も強い発泡場所を示し、ムセ感の有無は、ムセ感がない場合を○と評価し、ある場合を×と評価した。また、浴湯表面状態は、投入1分後の浴湯表面状態を、何もない場合は○、特に湯面がきれいな状態を◎、白い不溶解物、浮泡、油膜等が認められる場合は×とし、併せて認められる事象も併記した。この結果を表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】
実 施 例 2
十分に混合した下記組成の浴剤組成により、ブリケットマシーン(BSS−1V型新東工業製)を用い、その平均粒径が9.0mmのラウンドコーナーピロ型のブリケット浴剤を調製した。このものは、浴湯中で素早く溶けて炭酸ガスを発生することで使用者がムセることなく、しかもフマル酸の不溶解物や油膜等を発生することはなかった。
【0034】
( 処 方 ) (%)
フマル酸 29
リンゴ酸 10
コハク酸 3
炭酸水素ナトリウム 29
炭酸ナトリウム 19
塩化ナトリウム 5
PEG6000 0.68
L−グルタミン酸ナトリウム 3
大豆油 0.3
POE(カプリル/カプリン酸)グリセリル
(HLB=19) 0.3
エチレンジアミンテトラPOEPOP
(HLB=5) 0.02
香料 0.7
色素 微 量
【0035】
実 施 例 3
十分に混合した下記組成の浴剤組成により、ブリケットマシーン(BSS−1V型新東工業製)を用い、その平均粒径が3.5mmの扁平状のブリケット浴剤を調製した。このものは、浴湯中で素早く溶けて炭酸ガスを発生することで使用者がムセることなく、しかもフマル酸の不溶解物や油膜等を発生することはなかった。
【0036】
( 処 方 ) (%)
フマル酸 12
リンゴ酸 30
炭酸水素ナトリウム 30
炭酸ナトリウム 17
硫酸ナトリウム 8
PEG6000 0.68
L−グルタミン酸ナトリウム 1.0
大豆油 0.3
エチレンジアミンテトラPOEPOP
(HLB=10) 0.02
香料 1.0
色素 微 量
【0037】
実 施 例 4
十分に混合した下記組成の浴剤組成により、ブリケットマシーン(BGS−1H型新東工業)を用い、その平均粒径が4.8mmの偏平状のブリケット浴剤を調製した。このものは、浴湯中で素早く溶けて炭酸ガスを発生することで使用者がムセることなく、しかもフマル酸の不溶解物や油膜等を発生することはなかった。
【0038】
( 処 方 ) (%)
フマル酸 19
リンゴ酸 19
炭酸水素ナトリウム 22
炭酸ナトリウム 25
硫酸ナトリウム 13
PEG6000 0.47
オリブ油 0.5
ジブチルヒドロキシトルエン 0.01
エチレンジアミンテトラPOEPOP
(HLB=10) 0.02
香料 1.0
色素 微 量
【0039】
実 施 例 5
十分に粉砕し、混合した下記組成の浴剤組成により、ブリケットマシーン(BSS−1H型新東工業製)を用い、その平均粒径が4.8mmの偏平型のブリケット浴剤を調製した。このものは、浴湯中で素早く溶けて炭酸ガスを発生することで使用者がムセることなく、しかもフマル酸の不溶解物や油膜等を発生することはなかった。
【0040】
( 処 方 ) (%)
フマル酸 20
リンゴ酸 18
炭酸水素ナトリウム 35
炭酸ナトリウム 18
ベントナイト 2
酸化チタンの水溶性高分子被覆物 5
PEG6000 0.29
大豆油 0.5
ジブチルヒドロキシトルエン 0.01
POE(カプリル/カプリン酸)グリセリル
(HLB=19 ) 0.5
香料 0.7
色素 微 量
【0041】
実 施 例 6
十分に粉砕し、混合した下記組成の浴剤組成により、ブリケットマシーンを用い、その平均粒径が4.8mmの偏平型のブリケット浴剤を調製した。
【0042】
( 処 方 ) (%)
フマル酸 25
リンゴ酸 14
炭酸水素ナトリウム 27
炭酸ナトリウム 20
硫酸アルミニウムカリウム水和物 2
硫酸ナトリウム 9
ベントナイト 0.8
PEG6000 0.8
大豆油 0.2
POE(カプリル/カプリン酸)グリセリル
(HLB=19) 0.2
香料 1.0
色素 微 量
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明のブリケット浴剤は、フマル酸を10%以上配合したものありながら、浴湯表面でなく浴湯中で発泡させることができるため、炭酸ガスを効果的に浴湯中に溶存させることができる。また、このように浴湯中で発泡させることができるため、使用者が発生する炭酸ガスでムセることがなく、また、発泡後の湯面も油膜等もなくきれいである。
【0044】
従って、本発明のブリケット浴剤は、使いやすく商品性の高い浴用剤として、使用できるものである。