特許第5987402号(P5987402)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5987402画像処理プログラム、および画像処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5987402
(24)【登録日】2016年8月19日
(45)【発行日】2016年9月7日
(54)【発明の名称】画像処理プログラム、および画像処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20160825BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20160825BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20160825BHJP
【FI】
   G06F3/12 323
   H04N1/00 107A
   H04N1/00 C
   G03G21/00 386
   G03G21/00 380
   G06F3/12 302
【請求項の数】11
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2012-74108(P2012-74108)
(22)【出願日】2012年3月28日
(65)【公開番号】特開2013-206102(P2013-206102A)
(43)【公開日】2013年10月7日
【審査請求日】2015年3月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】特許業務法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 博明
【審査官】 田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−241931(JP,A)
【文献】 特開2010−244099(JP,A)
【文献】 特開2003−316535(JP,A)
【文献】 特開2000−277828(JP,A)
【文献】 特開2006−120041(JP,A)
【文献】 特開2005−182396(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
G03G 21/00
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データに対して所定の処理を実行可能な画像形成装置と通信可能な画像処理装置のコンピュータが実行可能な画像処理プログラムであって、
前記画像形成装置が備える機能を用いた処理を実行させるための機能画像を表示部に表示させる機能表示制御手段と、
前記画像形成装置が備える機能を実行するための設定値を示す処理情報と、前記機能画像とを対応付けて記憶部に記憶させる記憶制御手段と、
前記機能画像に対して第1操作による入力を受け付けた場合、前記機能画像に対応付けて記憶されている設定値を変更可能に示す画面であって、当該画面に示される設定値に基づいて前記機能を実行させるための実行指示画像を含む第1設定画面を、前記表示部に表示させる第1表示制御手段と、
前記実行指示画像に対する入力を受け付けた場合、前記第1設定画面に示される設定値に基づいて前記機能を実行させる機能実行命令を、前記画像形成装置に送信する送信手段と、
前記機能画像に対して第2操作による入力を受け付けた場合、前記機能画像に対応付けて記憶されている設定値を変更可能に示す第2設定画面を、前記表示部に表示させる第2表示制御手段と、
前記第1設定画面が前記表示部に表示された状態において、前記第1操作による入力に応じて前記第1設定画面を表示させない非表示指示を受け付けた場合、当該非表示指示を受け付けたことを示す非表示情報を前記記憶部に記憶させる非表示記憶制御手段と、
前記非表示指示を受け付けた場合、前記機能画像に対する前記第2操作による入力によって設定値が変更可能であることを示す操作情報を前記表示部に表示させる操作表示制御手段と、
を前記コンピュータに実行させ、
前記記憶制御手段は、前記第2設定画面において設定値が変更された場合、前記処理情報を構成する設定値を、変更された設定値に更新し、
前記第1表示制御手段は、前記機能画像に対して前記第1操作による入力を受け付けた場合に、前記記憶部に前記非表示情報が記憶されていると、前記第1設定画面を前記表示部に表示させず、
前記送信手段は、前記記憶部に前記非表示情報が記憶されている場合において、前記機能画像に対して前記第1操作による入力を受け付けた場合、当該機能画像と対応付けて前記記憶部に記憶されている処理情報に基づいて前記機能を実行させる機能実行命令を、前記画像形成装置に送信することを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項2】
前記非表示記憶制御手段は、前記第2設定画面が前記表示部に表示された状態において、前記第1設定画面を表示させる表示指示を受け付けた場合、前記記憶部に記憶されている前記非表示情報を削除することを特徴とする請求項1に記載の画像処理プログラム。
【請求項3】
前記第1設定画面は、前記非表示指示を受け付けるための非表示指示受付画像を含み、
前記第2設定画面は、前記表示指示を受け付けるための表示指示受付画像を含み、
前記非表示指示受付画像の前記第1設定画面での表示位置と、前記表示指示受付画像の前記第2設定画面での表示位置とが、同じ領域内であることを特徴とする請求項2に記載の画像処理プログラム。
【請求項4】
前記第2設定画面は、前記記憶制御手段によって、前記処理情報を構成する設定値を、当該画面に示される設定値に更新させるための更新指示画像を含み、
前記実行指示画像の前記第1設定画面での表示位置と、前記更新指示画像の前記第2設定画面での表示位置とが、同じ領域内であることを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の画像処理プログラム。
【請求項5】
前記実行指示画像の前記第1設定画面での表示態様は、前記更新指示画像の前記第2設定画面での表示態様より、強調された表示態様であることを特徴とする請求項4に記載の画像処理プログラム。
【請求項6】
前記機能表示制御手段は、複数の前記機能画像を前記表示部に表示させ、
前記記憶制御手段は、前記複数の機能画像毎に、前記処理情報と前記機能画像とを対応付けて記憶部に記憶させ、
前記第1表示制御手段は、1の機能画像に対応付けて記憶されている設定値を変更可能に示す前記第1設定画面が表示された際に記憶された前記非表示情報が前記記憶部に記憶されている場合において、前記1の機能画像と異なる他の機能画像に対して前記第1操作による入力を受け付けた場合、前記第1設定画面を前記表示部に表示させず、
前記送信手段は、前記記憶部に前記非表示情報が記憶されている場合において、前記他の機能画像に対して前記第1操作による入力を受け付けた場合、当該機能画像と対応付けて前記記憶部に記憶されている処理情報に基づく前記機能実行命令を、前記画像形成装置に送信することを特徴とする請求項1ないし5の何れか1項に記載の画像処理プログラム。
【請求項7】
前記記憶部は、揮発性の第1記憶部と、不揮発性の第2記憶部とを有し、
前記記憶制御手段は、前記第1設定画面において設定値が変更された場合、変更された設定値を前記第1記憶部に記憶し、前記第2設定画面において設定値が変更された場合、変更された設定値を前記第2記憶部に記憶することを特徴とする請求項1ないし6の何れか1項に記載の画像処理プログラム。
【請求項8】
前記記憶部は、揮発性の第1記憶部と、不揮発性の第2記憶部とを有し、
前記実行指示画像に対する入力を受け付けた場合、当該実行指示画像を含む第1設定画面が表示された状態において前記非表示指示を受け付けたか否かを判断する非表示指示判断手段を備え、
前記記憶制御手段は、前記非表示指示判断手段により前記非表示指示を受け付けたと判断された場合において、前記第1設定画面において設定値が変更された場合、変更された設定値を前記第2記憶部に記憶し、前記非表示指示判断手段により前記非表示指示を受け付けていないと判断された場合において、前記第1設定画面において設定値が変更された場合、変更された設定値を前記第1記憶部に記憶することを特徴とする請求項1ないし6の何れか1項に記載の画像処理プログラム。
【請求項9】
前記第2表示制御手段は、前記機能画像に対して第2操作による入力を受け付けた場合であって、前記記憶部に前記非表示情報が記憶されている場合には、前記第2設定画面を前記表示部に表示させ、前記記憶部に前記非表示情報が記憶されていない場合には、前記第2設定画面を前記表示部に表示させないことを特徴とする請求項1ないし8の何れか1項に記載の画像処理プログラム。
【請求項10】
前記機能画像に対して前記第1操作による入力を受け付けた場合であって、前記記憶部に前記非表示情報が記憶されていない場合、前記第2設定画面において設定値の変更が受け付けられてから、前記機能画像に対して前記第1操作による入力を受け付けるまでに所定時間経過したか判断する入力判断手段を備え、
前記第1表示制御手段は、前記入力判断手段により前記所定時間経過後に前記第1操作による入力を受け付けたと判断された場合、前記第1設定画面を表示する一方、前記入力判断手段により前記所定時間内に前記第1操作による入力を受け付けたと判断された場合、前記第1設定画面を前記表示部に表示させず、
前記送信手段は、前記入力判断手段により前記所定時間経過後に前記第1操作による入力を受け付けたと判断された場合、前記第1設定画面に示される設定値に基づく前記機能実行命令を前記画像形成装置に送信する一方、前記入力判断手段により前記所定時間内に前記第1操作による入力を受け付けたと判断された場合、前記機能画像と対応付けて前記記憶部に記憶されている処理情報に基づく前記機能実行命令を前記画像形成装置に送信することを特徴とする請求項1ないし9の何れか1項に記載の画像処理プログラム。
【請求項11】
画像データに対して所定の処理を実行可能な画像形成装置と通信可能な画像処理装置のコンピュータで実行可能な画像処理方法であって、
前記画像形成装置が備える機能を用いた処理を実行させるための機能画像を表示部に表示させる機能表示制御ステップと、
前記画像形成装置が備える機能を実行するための設定値を示す処理情報と、前記機能画像とを対応付けて記憶部に記憶する記憶ステップと、
前記機能画像に対して第1操作による入力を受け付けた場合、前記機能画像に対応付けて記憶されている設定値を変更可能に示す画面であって、当該画面に示される設定値に基づいて前記機能を実行させるための実行指示画像を含む第1設定画面を、前記表示部に表示させる第1表示制御ステップと、
前記実行指示画像に対する入力を受け付けた場合、前記第1設定画面に示される設定値に基づいて前記機能を実行させる機能実行命令を、前記画像形成装置に送信する送信ステップと、
前記機能画像に対して第2操作による入力を受け付けた場合、前記機能画像に対応付けて記憶されている設定値を変更可能に示す第2設定画面を、前記表示部に表示させる第2表示制御ステップと、
前記第1設定画面が前記表示部に表示された状態において、前記第1操作による入力に応じて前記第1設定画面を表示させない非表示指示を受け付けた場合、当該非表示指示を受け付けたことを示す非表示情報を前記記憶部に記憶する非表示記憶ステップと、
前記非表示指示を受け付けた場合、前記機能画像に対する前記第2操作による入力によって設定値が変更可能であることを示す操作情報を前記表示部に表示させる操作表示制御ステップと、
を含み、
前記記憶ステップは、前記第2設定画面において設定値が変更された場合、前記処理情報を構成する設定値を、変更された設定値に更新し、
前記第1表示制御ステップは、前記機能画像に対して前記第1操作による入力を受け付けた場合、前記記憶部に前記非表示情報が記憶されていると、前記第1設定画面を前記表示部に表示させず、
前記送信ステップは、前記記憶部に前記非表示情報が記憶されている場合において、前記機能画像に対して前記第1操作による入力を受け付けた場合、当該機能画像と対応付けて前記記憶部に記憶されている処理情報に基づいて前記機能を実行させる機能実行命令を、前記画像形成装置に送信することを特徴とする画像処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データに対して所定の処理を実行させるための画像処理プログラム、および画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、多数の機能が搭載された画像形成装置が知られている。例えば、特許文献1には、多数の機能のうち所定の機能について、予め設定された設定内容に基づいて実行可能なアイコン(ワークフロー)を表示する画像形成装置が記載されている。特許文献1では、アイコンに対してユーザによる入力が受け付けられた場合、当該アイコンに対して予め設定された設定内容が表示された状態で、ユーザにより実行開始キーが押下されることに応じて、ジョブが実行される。
【0003】
また、特許文献2には、予め所定の機能を用いた処理内容が設定されたアイコン(ソフトボタン)に対して、ユーザが短押し操作を行った場合は、当該処理内容を示す設定画面を表示し、スタートキーが押下されることに応じて当該処理内容に基づく処理を実行する一方、ユーザが長押し操作を行った場合は、当該設定画面を表示することなく、当該処理内容に基づく処理を実行する画像形成装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−170182号公報
【特許文献2】特開2010−154039号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、アイコンに対して設定された設定内容に基づいてジョブが実行される際には、必ず設定内容が表示される。このため、設定内容を把握しているユーザにとっては、ジョブの実行のたびに設定内容が表示されることは煩わしい。また、特許文献2では、アイコンに対して長押し操作を行えば設定画面を表示させることなく処理を実行できるが、この操作方法を認識していないユーザにとっては、設定画面を表示させずに処理を実行させる方法が解らず、操作性が悪い。
【0006】
本発明は、上述した問題を解決するためになされたものであり、予め処理内容が設定されたアイコン等の機能画像を用いて処理の実行を指示する画像処理プログラムにおいて、ユーザの操作性を向上させることを目的とする。尚、本発明は、画像処理装置、画像処理装置を制御する制御装置、画像処理システム、画像処理方法、画像処理プログラムを記録する記録媒体等の種々の態様で実現可能である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に記載の画像処理プログラムは、画像データに対して所定の処理を実行可能な画像形成装置と通信可能な画像処理装置のコンピュータが実行可能な画像処理プログラムであって、前記画像形成装置が備える機能を用いた処理を実行させるための機能画像を表示部に表示させる機能表示制御手段と、前記画像形成装置が備える機能を実行するための設定値を示す処理情報と、前記機能画像とを対応付けて記憶部に記憶させる記憶制御手段と、前記機能画像に対して第1操作による入力を受け付けた場合、前記機能画像に対応付けて記憶されている設定値を変更可能に示す画面であって、当該画面に示される設定値に基づいて前記機能を実行させるための実行指示画像を含む第1設定画面を、前記表示部に表示させる第1表示制御手段と、前記実行指示画像に対する入力を受け付けた場合、前記第1設定画面に示される設定値に基づいて前記機能を実行させる機能実行命令を、前記画像形成装置に送信する送信手段と、前記機能画像に対して第2操作による入力を受け付けた場合、前記機能画像に対応付けて記憶されている設定値を変更可能に示す第2設定画面を、前記表示部に表示させる第2表示制御手段と、前記第1設定画面が前記表示部に表示された状態において、前記第1操作による入力に応じて前記第1設定画面を表示させない非表示指示を受け付けた場合、当該非表示指示を受け付けたことを示す非表示情報を前記記憶部に記憶させる非表示記憶制御手段と、前記非表示指示を受け付けた場合、前記機能画像に対する前記第2操作による入力によって設定値が変更可能であることを示す操作情報を前記表示部に表示させる操作表示制御手段とを前記コンピュータに実行させ、前記記憶制御手段は、前記第2設定画面において設定値が変更された場合、前記処理情報を構成する設定値を、変更された設定値に更新し、前記第1表示制御手段は、前記機能画像に対して前記第1操作による入力を受け付けた場合に、前記記憶部に前記非表示情報が記憶されていると、前記第1設定画面を前記表示部に表示させず、前記送信手段は、前記記憶部に前記非表示情報が記憶されている場合において、前記機能画像に対して前記第1操作による入力を受け付けた場合、当該機能画像と対応付けて前記記憶部に記憶されている処理情報に基づいて前記機能を実行させる機能実行命令を、前記画像形成装置に送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の画像処理プログラムによれば、機能画像に対する入力を受け付けた場合、非表示情報が記憶されていると、第1設定画面は表示部に表示されない。そして、非表示情報が記憶されている場合において、機能画像に対する入力を受け付けた場合、当該機能画像と対応付けて記憶されている処理情報に基づく実行命令が、画像形成装置に送信される。つまり、機能画像に対する入力により、第1設定画面を表示させることなく、実行命令を画像形成装置に送信できる。これにより、操作手順をシンプルにできる。
【0009】
また、非表示情報を記憶するための非表示指示を受け付けた場合、機能画像に対する特定の操作による入力によって設定値が変更可能であることを示す操作情報が、表示部に表示される。つまり、第1設定画面の表示を禁止するための指示が行われた際に、設定内容を変更するための手順が表示部に表示される。これにより、ユーザは、第1設定画面の表示が禁止される際に、設定内容の変更手順を把握できる。
【0010】
したがって、本発明の画像処理プログラムによれば、ユーザの操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】PC10のブロック図である。
図2】非表示情報が削除された状態でのLCD18の表示態様を示す図である。
図3】非表示情報が記憶された状態でのLCD18の表示態様を示す図である。
図4】非表示指示が受け付けられた際のLCD18の表示態様を示す図である。
図5】第1実施例のPC10の動作フローチャートを示す図である。
図6図5に示す動作フローチャートのサブルーチンを示す図である。
図7】第2実施例のPC10の動作フローチャートを示す図である。
図8】第3実施例のPC10の動作フローチャートを示す図である。
図9】第4実施例のPC10の動作フローチャートを示す図である。
図10】第5実施例のPC10の動作フローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<第1実施形態>
以下、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施形態であるデバイス制御プログラム(以下、「本プログラム」と称す)14aが搭載されたパーソナルコンピュータ(PC)10の電気的構成を示すブロック図である。PC10は、LAN50を介してスキャナ30と接続される。
【0013】
PC10は、CPU11、ROM12、RAM13、ハードディスクドライブ(HDD)14、LANインターフェイス(LANI/F)16、入力装置17、LCD18を主に有し、これらはバスライン19を介して互いに接続される。
【0014】
CPU11は、ROM12やHDD14に記憶される固定値やプログラムに従って、バスライン19により接続された各部を制御する。ROM12は、PC10の動作を制御するためのプログラム等が格納されたメモリである。RAM13は、CPU11の処理に必要なデータ等を一時的に記憶するための読み書き可能な揮発性のメモリであり、非表示フラグ13aが設けられている。非表示フラグ13aは、後述する設定変更ダイアログA(図2(b)参照)をLCD18に表示させるか否かを示すフラグである。
【0015】
HDD14は、書換え可能な不揮発性の記憶装置であり、CPU11の処理に必要なデータ等を恒久的に記憶する。HDD14には、本プログラム14aが格納される。本プログラム14aは、PC10からスキャナ30の動作を制御するためのプログラムである。後述する図5図6のフローチャートに示す処理は、本プログラム14aに従って、CPU11により実行される。
【0016】
LANI/F16は、LAN50に接続されている他の装置と通信を行うためのインターフェイスである。入力装置17は、PC10に指示や情報を入力するためのキーボードと、マウスとで構成される。LCD18は、液晶表示装置である。
【0017】
図2図4を用いて、画像読込処理が行われる際にLCD18に表示される各種表示画像について説明する。PC10において本プログラム14aが起動されると、図2(a)に示すスキャナ制御ウインドウが、LCD18に表示される
【0018】
スキャナ制御ウインドウには、各種の画像読込処理を個別に割り当てたボタンBT1〜BT4が表示される。各ボタンBT1〜BT4には、スキャナ30に対して原稿画像の画像データの読み取りを指示し、且つ、各ボタンBT1〜BT4に応じた処理が割り当てられる。原稿画像の読み取り、及び各ボタンBT1〜BT4に応じた処理は、ユーザが入力装置17としてのマウスを操作することにより行われる。
【0019】
詳しくは、ユーザが、マウスの操作によりカーソル(図示省略)を、所望する処理が割り当てられたボタンBT1〜BT4(以下、「所望するボタン」と称す)上に移動させ、所望するボタンBT1〜BT4をカーソルによって指示する。ユーザが、所望するボタンBT1〜BT4をカーソルによって指示した状態で、マウスの左ボタンを押下(左クリック)する。これにより、スキャナ制御ウインドウの代わりに、設定変更ダイアログAが、LCD18に表示される。
【0020】
設定変更ダイアログAには、各処理に応じた処理情報が表示される。処理情報は、各処理に応じた設定項目に対する設定値によって構成されており、ボタンBT1〜BT4に応じた処理毎に設定されている。具体的には、例えば、ユーザが、ボタンBT1をカーソルによって指示した状態で左クリックした場合には、図2(b)に示す設定変更ダイアログAが、LCD18に表示される。
【0021】
設定変更ダイアログAには、図2(b)に示すように、選択ボックスSB1群と、DefaultボタンBT5と、ScanボタンBT6と、CancelボタンBT7と、HelpボタンBT8とが表示される。選択ボックスSB1は、設定項目毎に設けられており、1の選択ボックスSB1は、1の選択項目に対する設定値を表示する。選択ボックスSB1には、最初、選択中のボタンBT1〜BT4に対応付けてHDD14に記憶されている設定値が表示される。
【0022】
選択ボックスSB1に表示されている設定値を変更する場合には、カーソルが1の選択ボックスを指示する状態において、ユーザが左クリックすることで、設定値の選択肢の一覧を表示させ、その一覧の中から1の設定値を選択することにより、設定値を変更することができる。
【0023】
次に、カーソルがScanボタンBT6を指示する状態において、ユーザが左クリックすることで、原稿画像の読み取り、及び選択中のボタンBT1〜BT4に応じた処理が実行される。この際、設定変更ダイアログAに表示されている処理情報に基づく処理が行われる。
【0024】
上記処理が行われている最中は、設定変更ダイアログAの代わりに、図2(c)に示す読取中ウインドウが表示される。読取中ウインドウは、原稿画像の読み取り、及び選択中のボタンBT1〜BT4に応じた処理の進行状況を示すものである。そして、上記処理が終了すると、読取中ウインドウの代わりに、図2(d)に示すように、スキャナ制御ウインドウが表示される。
【0025】
以上、一連の操作により、各種の画像読込処理が行われる。また、画像読込処理を行うことなく、各処理に応じた処理情報を変更することができる。詳しくは、ユーザが、マウスの操作によりカーソルを、処理情報の変更を所望するボタンBT1〜BT4上に移動させ、所望するボタンBT1〜BT4をカーソルによって指示する。ユーザが、所望するボタンBT1〜BT4をカーソルによって指示した状態で、マウスの右ボタンを押下(右クリック)する。これにより、スキャナ制御ウインドウの代わりに、設定変更ダイアログBが、LCD18に表示される。
【0026】
設定変更ダイアログBも、設定変更ダイアログAと同様に、ボタンBT1〜BT4に応じた処理毎に設定されており、例えば、ユーザが、ボタンBT1をカーソルによって指示した状態で右クリックした場合には、図2(e)に示す設定変更ダイアログBが、LCD18に表示される。
【0027】
設定変更ダイアログBには、図2(e)に示すように、選択ボックスSB2群と、DefaultボタンBT9と、OKボタンBT10と、CancelボタンBT11と、HelpボタンBT12とが表示される。選択ボックスSB2群は、設定変更ダイアログAに表示される選択ボックスSB1群と同様に、設定項目の設定値を変更することが可能となっている。
【0028】
次に、カーソルがOKボタンBT10を指示する状態において、ユーザが左クリックすることで、選択中のボタンBT1〜BT4の処理に応じた設定項目の設定値が更新される。つまり、選択中のボタンBT1〜BT4の処理に応じてHDD14に記憶されている設定値が、設定変更ダイアログBに表示されている設定値に更新される。そして、設定変更ダイアログBの代わりに、図2(f)に示すように、スキャナ制御ウインドウが表示される。
【0029】
また、LCD18に設定変更ダイアログAを表示させることなく、各種の画像読込処理を行うことができる。具体的には、設定変更ダイアログAには、図2(b)に示すように、非表示チェックボックスTB1が表示されている。非表示チェックボックスTB1は、設定変更ダイアログAの表示を禁止するためのものであり、ユーザにより非表示チェックボックスTB1に非表示指示が行われることで、設定変更ダイアログAの表示が禁止される。
【0030】
非表示指示は、ユーザが、空欄となっている非表示チェックボックスTB1をカーソルによって指示し、左クリックすることで行われる。非表示指示が行われた非表示チェックボックスTB1には、「レ」の記号が記される。以下、この記号を、非表示チェックと称す。なお、非表示チェックボックスTB1には、最初、非表示チェックが記されていない。
【0031】
非表示チェックボックスTB1に非表示指示が行われると、RAM13に設けられている非表示フラグ13aがONとされる。非表示フラグ13aがONとされた状態において、ユーザが、所望するボタンBT1〜BT4をカーソルによって指示し、左クリックした場合には、図3(a),(b)に示すように、設定変更ダイアログAが表示されることなく、読取中ウインドウが表示される。つまり、所望するボタンBT1〜BT4の左クリック操作により、設定変更ダイアログAが表示されることなく、選択されたボタンに応じた画像読込処理が行われる。
【0032】
これにより、ユーザの意思に従って、設定変更ダイアログAの表示を禁止することで、操作性をシンプルにすることができ、画像読込処理を行うための操作性が向上する。
【0033】
また、非表示チェックボックスTB1に非表示指示が行われると、LCD18には、図4(b)に示すように、インフォメーションウインドウが表示される。インフォメーションウインドウは、設定変更ダイアログBをLCD18に表示させるための手順を説明するものである。インフォメーションウインドウには、OKボタンBT13及び、「ボタンBT1〜4を右クリックすることで、設定値を変更できる」旨のメッセージが表示される。
【0034】
これにより、設定変更ダイアログAの表示が禁止されている状態での設定項目の設定値を変更するための手順を、ユーザに報知することができ、利便性が向上する。尚、インフォメーションウインドウにおいて、OKボタンBT13が左クリックされると、図4(c)に示すように、非表示チェックボックスTB1に非表示チェックが記された状態の設定変更ダイアログAが表示される。
【0035】
また、設定変更ダイアログAの表示の禁止を解除することもできる。具体的には、ボタンBT1〜BT4の右クリックにより表示される設定変更ダイアログBには、図3(b)に示すように、表示チェックボックスTB2が表示されている。表示チェックボックスTB2は、設定変更ダイアログAの表示の禁止を解除するためのものであり、ユーザにより表示チェックボックスTB2に表示指示が行われることで、設定変更ダイアログAの表示の禁止が解除される。
【0036】
表示指示は、ユーザが、空欄となっている表示チェックボックスTB2をカーソルによって指示し、左クリックすることで行われる。表示指示が行われた表示チェックボックスTB2には、「レ」の記号が記される。以下、この記号を、表示チェックと称す。
【0037】
表示チェックボックスTB2に表示指示が行われると、RAM13に設けられている非表示フラグ13aがOFFとされる。非表示フラグ13aがOFFとされた状態において、ユーザが、所望するボタンBT1〜BT4をカーソルによって指示し、左クリックした場合には、図2(a),(b)に示すように、設定変更ダイアログAが表示される。
【0038】
これにより、設定変更ダイアログAの表示が禁止された後に、その禁止をユーザの意思に従って解除することができ、利便性が向上する。尚、表示チェックボックスTB2に表示チェックが記されている状態では、図2(b)に示すように、設定変更ダイアログAの非表示チェックボックスTB1から非表示チェックが外されている。一方、非表示チェックボックスTB1に非表示チェックが記されている状態では、図3(d)に示すように、設定変更ダイアログBの表示チェックボックスTB2から表示チェックが外されている。
【0039】
また、ユーザは、表示チェックが記されている表示チェックボックスTB2をカーソルによって指示し、左クリックすることで、表示チェックボックスTB2から表示チェックを外すことができる。つまり、表示チェックボックスTB2に表示指示の解除が行われる。これにより、再度、設定変更ダイアログAの表示が禁止される。
【0040】
表示チェックボックスTB2に表示指示の解除が行われると、RAM13に設けられている非表示フラグ13aがONとされる。これにより、ユーザが、所望するボタンBT1〜BT4をカーソルによって指示し、左クリックした場合に、設定変更ダイアログAが表示されることなく、画像読込処理が行われる。
【0041】
また、表示チェックボックスTB2に表示指示の解除が行われると、LCD18には、図4(e)に示すように、インフォメーションウインドウが表示される。このインフォメーションウインドウは、非表示チェックボックスTB1への非表示指示により表示されるインフォメーションウインドウと同じであり、設定変更ダイアログBをLCD18に表示させるための手順を説明するものである。
【0042】
このように、設定変更ダイアログBにおいて設定変更ダイアログAの表示が禁止される場合でも、設定項目の設定値を変更するための手順を、ユーザに告知することができ、利便性が向上する。尚、インフォメーションウインドウでOKボタンBT13が左クリックされると、図4(f)に示すように、表示チェックボックスTB2から表示チェックが外された状態の設定変更ダイアログBが表示される。また、表示チェックボックスTB2に表示チェックが外されている状態では、設定変更ダイアログAの非表示チェックボックスTB1に非表示チェックが記される。
【0043】
また、設定変更ダイアログAの表示の禁止、及び、その禁止の解除を実行するための非表示フラグは、ボタンBT1〜BT4で共通化されている。つまり、ボタンBT1〜BT4のうちの1つのボタン操作において設定されたフラグ値が、ボタンBT1〜BT4のうちの他のボタン操作でも、使用される。したがって、ボタンBT1〜BT4のうち、直近に、1のボタン操作において設定されたフラグ値が、非表示フラグ13aとして記憶される。
【0044】
具体的には、例えば、ボタンBT1のボタン操作時にユーザが非表示チェックボックスTB1に非表示指示を行った後に、ボタンBT2のボタン操作がされた場合には、設定変更ダイアログAの表示が禁止された状態が維持されている。これにより、ボタンBT1〜BT4毎に、設定変更ダイアログAの表示を禁止するための操作を行う必要が無くなり、操作性が向上する。
【0045】
また、設定変更ダイアログAと設定変更ダイアログBとは、図2(b)、(e)に示すように、非表示チェックボックスTB1、表示チェックボックスTB2、ScanボタンBT6、OKボタンBT10を除いて、略同じ表示である。また、非表示チェックボックスTB1と表示チェックボックスTB2とは、コメント内容は異なるが、同じ領域内に表示されている。
【0046】
同じ領域内とは、例えば、設定変更ダイアログAと設定変更ダイアログBとを同じ比率で分割した際における、分割された同じ箇所を意味する。これにより、ユーザは、設定変更ダイアログAと設定変更ダイアログBとの何れがLCD18に表示されても、違和感を感じることなく、設定項目の設定値等を変更することができる。
【0047】
また、ScanボタンBT6とOKボタンBT10とも、同じ領域内に表示されている。これにより、ユーザは、設定変更ダイアログAと設定変更ダイアログBとの何れがLCD18に表示されても、違和感を感じることなく、ボタン操作を行うことができる。ただし、ScanボタンBT6は、OKボタンBT10より大きくされており、強調された表示態様とされている。これにより、ユーザが、よく似た表示の設定変更ダイアログAと設定変更ダイアログBと区別することができる。
【0048】
PC10は、本プログラム14aを用いて、上記画像読込処理の処理を実行させるための実行命令をスキャナ30に送信する。具体的に、図5図6を用いて、本プログラム14aに従うフローを説明する。図5のフローは、本プログラム14aに対する起動指示を受け付けた場合に開始される。
【0049】
S100において、CPU11は、アプリ画面を起動させ、スキャナ制御ウインドウ(図2(a)参照)をLCD18に表示させる。そして、S101へ進む。S101において、CPU11は、カーソルがボタン領域内に存在しているか否かを判断する。カーソルがボタン領域内に存在している場合(S101:YES)にはS104へ進む。S104において、CPU11は、左クリックされたか否かを判断する。左クリックされた場合(S104:YES)にはS106へ進む。S106において、CPU11は、HDD14に記憶されている設定項目の設定値を取得する。そして、S108へ進む。
【0050】
S108において、CPU11は、ボタンBT1〜BT4の全てに共通化された非表示フラグを取得する。そして、S110へ進む。S110において、CPU11は、全ボタンBT1〜BT4の非表示チェックボックスTB1に非表示チェックが記されているか否かを判断する。つまり、共通化された非表示フラグがONとされているか否かを判断する。非表示チェックが記されている場合(S110:YES)にはS112へ進む。
【0051】
一方、非表示チェックが記されていない場合(S110:NO)にはS114へ進む。S114では、図6(a)に示すダイアログA表示サブルーチンが実行される。S200において、CPU11は、設定変更ダイアログA(図2(b)参照)をLCD18に表示させる。そして、S202へ進む。S202において、CPU11は、非表示チェックボックスTB1が変更されたか否かを判断する。非表示チェックボックスTB1が変更されていない場合(S202:NO)にはS204へ進む。
【0052】
S204において、CPU11は、非表示チェックボックスTB1以外の設定変更ダイアログA内の設定変更をRAM13に記憶する。そして、S206へ進む。S206において、CPU11は、ScanボタンBT6若しくはCancelボタンBT7が左クリックされたか否かを判断する。ScanボタンBT6若しくはCancelボタンBT7が左クリックされた場合(S206:YES)には、図5に示すメインルーチンに戻る。一方、ScanボタンBT6若しくはCancelボタンBT7が左クリックされていない場合(S206:NO)にはS200に戻る。
【0053】
一方、S202において非表示チェックボックスTB1が変更されている場合(S202:YES)にはS208へ進む。S208において、CPU11は、非表示チェックボックスTB1の状態を確認する。つまり、非表示チェックボックスTB1の非表示チェックの有無を確認する。非表示チェックが有る場合(S208:チェック有)にはS210へ進む。S210において、CPU11は、非表示チェックがある旨を示す非表示チェック有情報をRAM13に記憶する。そして、S212へ進む。S212において、CPU11は、インフォメーションウインドウ(図4(b)参照)をLCD18に表示させる。そして、S200に戻る。
【0054】
一方、S208において非表示チェックが無い場合(S208:チェック無)にはS214へ進む。S214において、CPU11は、非表示チェックがない旨を示す非表示チェック無情報をRAM13に記憶する。そして、S200に戻る。
【0055】
ダイアログA表示サブルーチンの実行が終了すると、図5に示すメインルーチンのS116において、S206で左クリックされたと判断されたボタンはScanボタンBT6か否かを判断する。CancelボタンBT7が左クリックされた場合(S116:NO)にはS117へ進む。S117において、CPU11は、S204でRAM13に記憶された設定値、S210でRAM13に記憶された非表示チェック有情報、及び、S214でRAM13に記憶された非表示チェック無情報を削除し、S101に戻る。なお、S204で設定変更されていない場合であって、RAM13に非表示チェック有情報または非表示チェック無情報が記憶されていない場合、CPU11は、S117をスキップし、S101に戻る。
【0056】
一方、ScanボタンBT6が左クリックされた場合(S116:YES)にはS118へ進む。S118において、CPU11は、S204でRAM13に記憶した設定変更ダイアログA内の設定変更をHDD14に記憶し、RAM13に記憶された設定変更を削除する。そして、S120へ進む。S120において、CPU11は、RAM13に記憶されている非表示チェック有情報または非表示チェック無情報に基づいて、非表示フラグ13aを設定する。具体的に、CPU11は、非表示チェック有情報がRAM13に記憶されている場合、非表示フラグをONにし、非表示チェック無情報がRAM13に記憶されている場合、非表示フラグをOFFにする。そして、CPU11は、非表示チェック有情報または非表示チェック無情報をRAM13から削除し、S112へ進む。S112において、CPU11は、操作されたボタンBT1〜BT4に応じた処理を実行させるための実行命令をスキャナ30に送信する。そして、S101に戻る。
【0057】
一方、S104において左クリックされていない場合(S104:NO)にはS122へ進む。S122において、CPU11は、右クリックされたか否かを判断する。右クリックされていない場合(S122:NO)にはS101に戻る。
【0058】
一方、右クリックされている場合(S122:YES)にはS124へ進む。S124において、CPU11は、HDD14に記憶されている設定項目の設定値を取得する。そして、S126へ進む。S126において、CPU11は、ボタンBT1〜BT4の全てに共通化された非表示フラグを取得する。そして、S128へ進む。
【0059】
S128では、図6(b)に示すダイアログB表示サブルーチンが実行される。S300において、CPU11は、設定変更ダイアログB(図2(e)参照)をLCD18に表示させる。そして、S302へ進む。S302において、CPU11は、表示チェックボックスTB2が変更されたか否かを判断する。表示チェックボックスTB2が変更されていない場合(S302:NO)にはS304へ進む。
【0060】
S304において、CPU11は、表示チェックボックスTB2以外の設定変更ダイアログB内の設定変更をRAM13に記憶する。そして、S306へ進む。S306において、CPU11は、OKボタンBT10若しくはCancelボタンBT11が左クリックされたか否かを判断する。OKボタンBT10若しくはCancelボタンBT11が左クリックされた場合(S306:YES)には、図5に示すメインルーチンに戻る。一方、OKボタンBT10若しくはCancelボタンBT11が左クリックされていない場合(S306:NO)にはS300に戻る。
【0061】
一方、S302において表示チェックボックスTB2が変更されている場合(S302:YES)にはS308へ進む。S308において、CPU11は、表示チェックボックスTB2の状態を確認する。つまり、表示チェックボックスTB2の表示チェックの有無を確認する。表示チェックが無い場合(S308:チェック無)にはS310へ進む。S310において、CPU11は、表示チェックがない旨を示す表示チェック無情報をRAM13に記憶する。そして、S312へ進む。S312において、CPU11は、インフォメーションウインドウ(図4(e)参照)をLCD18に表示させる。そして、S300に戻る。
【0062】
一方、S308において表示チェックが有る場合(S308:チェック有)にはS314へ進む。S314において、CPU11は、表示チェックがある旨を示す表示チェック有情報をRAM13に記憶する。そして、S300に戻る。
【0063】
ダイアログB表示サブルーチンの実行が終了すると、図5に示すメインルーチンのS130において、S306で左クリックされたと判断されたボタンはOKボタンBT10か否かを判断する。CancelボタンBT11が左クリックされた場合(S130:NO)にはS131へ進む。S131において、CPU11は、S304でRAM13に記憶された設定値、S310でRAM13に記憶された表示チェック無情報、及び、S314でRAM13に記憶された非表示チェック有情報を削除し、S101に戻る。なお、S304で設定変更されていない場合であって、RAM13に表示チェック無情報または表示チェック有情報が記憶されていない場合、CPU11は、S131をスキップし、S101に戻る。
【0064】
一方、OKボタンBT10が左クリックされた場合(S130:YES)にはS132へ進む。S132において、CPU11は、S304でRAM13に記憶した設定変更ダイアログB内の設定変更をHDD14に記憶し、RAM13に記憶された設定変更を削除する。そして、S134へ進む。S134において、CPU11は、RAM13に記憶されている表示チェック無情報または表示チェック有情報に基づいて、非表示フラグ13aを設定する。具体的に、CPU11は、表示チェック無情報がRAM13に記憶されている場合、非表示フラグをONにし、表示チェック有情報がRAM13に記憶されている場合、非表示フラグをOFFにする。そして、CPU11は、表示チェック無情報または表示チェック有情報をRAM13から削除し、S101に戻る。
【0065】
一方、S101においてカーソルがボタン領域内に存在していない場合(S101:N0)にはS102へ進む。S102において、CPU11は、アプリが終了されたか否かを判断する。アプリが終了されていない場合(S102:NO)にはS101に戻る。一方、アプリが終了された場合(S102:YES)にはフローを終了する。
【0066】
以下に、第2実施形態〜第5実施形態に係るPC10の動作を、図7図10に示すフローを用いて説明する。尚、第2実施形態〜第5実施形態におけるPC10およびスキャナ30の構成は、第1実施形態におけるPC10およびスキャナ30の構成と同じであるため、説明を省略する。また、図7図10に示すフローの処理では、ボタンBT1〜BT4毎に非表示フラグが設定されている。このため、第2実施形態〜第5実施形態に係るPC10では、ボタンBT1〜BT4の全てに共通化された非表示フラグを取得する必要が無いため、図5に示すフローのS108、S126に相当する処理は行われない。
【0067】
<第2実施形態>
第2実施形態に係るPC10は、図7に示すフローに従って、画像読込処理を実行させるための実行命令をスキャナ30に送信する。図7に示すフローの処理内容は、S416〜S422を除いて、図5に示すフローの処理内容と略同じであるため、S416〜S422の処理内容を説明する。
【0068】
S416において、CPU11は、設定変更ダイアログAでの非表示チェックボックスTB1の非表示チェックの有無を判断する。つまり、非表示チェック有情報がRAM13に記憶されているか否かを判断する。非表示チェックが有る場合(S416:YES)にはS418へ進む。S418において、CPU11は、S204でRAM13に記憶した設定変更ダイアログA内の設定変更をHDD14に記憶する。そして、S420へ進む。一方、非表示チェックが無い場合(S416:NO)にはS420へ進む。S420において、CPU11は、RAM13に記憶されている非表示チェック有情報または非表示チェック無情報に基づいて、非表示フラグ13aを設定する。そして、CPU11は、非表示チェック有情報または非表示チェック無情報をRAM13から削除し、S410へ進む。
【0069】
S410において、CPU11は、S204でRAM13に記憶した設定項目の設定値に基づく処理を実行させるための実行命令をスキャナ30に送信する。そして、S422へ進む。S422において、CPU11は、RAM13に記憶された設定変更ダイアログA内の設定変更の内容を消去する。そして、S401に戻る。
【0070】
上記フローが実行されることで、設定変更ダイアログAの表示が禁止されている場合には、設定変更ダイアログA内の設定変更がHDD14に記憶される。つまり、設定変更ダイアログAの表示が禁止されている場合には、設定変更ダイアログA内の設定変更が、次回設定変更が行われるまで、恒久的に記憶される。これにより、設定項目の変更を行い難い状況において、変更された設定項目を継続して使用でき、便利である。
【0071】
一方、設定変更ダイアログAの表示が禁止されていない場合には、設定変更ダイアログA内の設定変更がRAM13に記憶され、実行命令が送信された後に消去される。つまり、設定変更ダイアログAの表示が禁止されていない場合には、設定変更ダイアログA内の設定変更は、一時的にしか記憶されない。これにより、設定項目の変更を行い易い状況において、初期設定の状態から設定項目を変更することができ、ユーザは混乱することなく設定項目を変更できる。
【0072】
<第3実施形態>
第3実施形態に係るPC10は、図8に示すフローに従って、画像読込処理を実行させるための実行命令をスキャナ30に送信する。図8に示すフローの処理内容は、S520を除いて、図5に示すフローの処理内容と略同じであるため、S520の処理内容を説明する。
【0073】
S520において、CPU11は、非表示チェックボックスTB1の非表示チェックの有無を判断する。つまり、非表示フラグがONとされているか否かを判断する。非表示チェックが有る場合(S520:YES)にはS522以降の処理が行われる。一方、非表示チェックが無い場合(S520:NO)にはS501に戻る。
【0074】
これにより、設定変更ダイアログAの表示が禁止されている場合にだけ、設定変更ダイアログBを表示させることができる。つまり、設定変更ダイアログAの表示が禁止されていない場合には、ボタンBT1〜BT4が右クリックされても、設定変更ダイアログBは表示されない。これは、設定変更ダイアログAの表示が禁止されていない場合には、設定項目の変更を容易に行うことができ、設定変更ダイアログBを表示させる必要性が低いためである。
【0075】
また、設定変更ダイアログAと設定変更ダイアログBとは、上述したように、似ており、設定変更ダイアログAを表示させるボタン操作(左クリック)と設定変更ダイアログBを表示させるボタン操作(右クリック)とも、似ている。このため、設定変更ダイアログA若しくは設定変更ダイアログBを表示させる際に、ユーザが混乱する虞が有るが、設定変更ダイアログBの表示を限定的にすることで、ユーザの混乱を低減することができる。
【0076】
<第4実施形態>
第4実施形態に係るPC10は、図9に示すフローに従って、画像読込処理を実行させるための実行命令をスキャナ30に送信する。図9に示すフローの処理内容は、S608、S610、S630を除いて、図5に示すフローの処理内容と略同じであるため、S608、S610、S630の処理内容を説明する。
【0077】
設定変更ダイアログBがLCD18に表示された際には、S630において、CPU11は、表示された設定変更ダイアログBが閉じられた時刻を設定時間として記憶する。そして、設定時間が記憶された後に、ボタンBT1〜BT4が左クリックされると、S608において、CPU11は、記憶されている設定時刻と現在の時刻との差が1分以内であるか否かを判断する。設定時刻と現在の時刻との差が1分以内でない場合(S608:NO)にはS612以降の処理が行われる。
【0078】
一方、設定時刻と現在の時刻との差が1分以内である場合(S608:YES)にはS610へ進む。S610において、CPU11は、設定変更ダイアログAでの設定項目の設定値に基づく処理を実行させるための実行命令をスキャナ30に送信する。
【0079】
上記フローが実行されることで、設定変更ダイアログBがLCD18に表示された後に、所定時間内(本実施例では1分以内)に、ボタンBT1〜BT4が左クリックされた場合には、設定変更ダイアログAが表示されることなく、各処理の実行命令が送信される。これは、設定変更ダイアログBが表示された直後に、設定変更ダイアログAを表示する必要性が低いためである。また、設定変更ダイアログBが表示された直後に、ユーザがボタンBT1〜BT4を左クリックするということは、ユーザは設定変更ダイアログBで設定した内容で処理を行いたいと判断される。したがって、ユーザの意図に従ったボタン操作を即座に行うことができる。
【0080】
<第5実施形態>
第5実施形態に係るPC10は、図10に示すフローに従って、画像読込処理を実行させるための実行命令をスキャナ30に送信する。図10に示すフローの処理内容は、S712〜S718、S734を除いて、図5に示すフローの処理内容と略同じであるため、S712〜S718、S734の処理内容を説明する。
【0081】
設定変更ダイアログBがLCD18に表示された際には、S734において、CPU11は、表示フラグをONとする。表示フラグは、表示チェックボックスTB2に表示チェックが記されているか否かを示すものであり、表示チェックボックスTB2に表示チェックが記された状態においてONとされる。表示フラグは、RAM13に記憶される。
【0082】
また、設定変更ダイアログAがLCD18に表示されており、非表示チェックボックスTB1に非表示チェックがない場合(S708:NO)には、S712において、CPU11は、表示フラグがONであるか否かを判断する。表示フラグがONでない場合(S712:NO)にはS714以降の処理が行われる。
【0083】
一方、表示フラグがONである場合(S712:YES)にはS716へ進む。S716において、CPU11は、非表示チェックボックスTB1に非表示チェックを記す。そして、S718へ進む。S718において、CPU11は、表示フラグをOFFとする。そして、S714以降の処理が行われる。
【0084】
上記フローが実行されることで、設定変更ダイアログBにおいて、表示チェックボックスTB2に表示チェックが記された場合には、一度だけ、設定変更ダイアログAが表示される。詳しくは、表示チェックボックスTB2に表示チェックが記された後に、設定変更ダイアログAが表示された場合には、自動的に非表示チェックボックスTB1に非表示チェックが記される。これにより、表示チェックボックスTB2に表示チェックが記された後のボタンBT1〜BT4の2回目以降の左クリック時には、設定変更ダイアログAが表示されることなく、画像読込処理が行われる。したがって、画像読込処理を行うためのボタン操作の回数を少なくすることができる。
【0085】
<変形例>
本実施形態では、第2実施形態を除いて、設定変更ダイアログA及び設定変更ダイアログB内の設定変更はHDD14に記憶されているが、この態様に限られない。例えば、設定変更ダイアログA内の設定変更は、RAM13に記憶され、設定変更ダイアログB内の設定変更は、HDD14に記憶されてもよい。つまり、設定項目の変更を行い易い状況において、設定変更が一時的に記憶され、設定項目の変更を行い難い状況において、設定変更が恒久的に記憶される。これにより、設定項目の変更を行い易い状況において、初期設定の状態から設定項目を変更することが使用でき、ユーザは混乱することなく設定項目を変更できる。また、設定項目の変更を行い難い状況において、変更された設定項目を継続して使用でき、便利となる。
【0086】
また、上記実施例では、各種ボタンへの操作が、マウスの左クリック若しくは、右クリックにより行われているが、この態様に限られない。例えば、キーボードの操作により、各種ボタンへの操作が行われてもよい。また、タッチパネル、タッチパッド等を設け、タッチパネル、タッチパッド等への入力媒体の接近・接触等により、各種ボタンへの操作が行われてもよい。さらに言えば、入力装置としてマウスが採用される場合には、シングルクリック・ダブルクリックにより、2種類の操作を区別してもよく、入力装置としてボタンが採用される場合には、長押し・短押しにより、2種類の操作を区別してもよい。
【0087】
また、上記実施例の設定変更ダイアログA及び設定変更ダイアログBにおいて、非表示チェックボックスTB1と表示チェックボックスTB2とは同じ位置に表示されているが、この態様に限られない。例えば、非表示チェックボックスTB1と表示チェックボックスTB2との表示位置がズレていても、同じ領域内であればよい。このことは、ScanボタンBT6とOKボタンBT10とに関しても、同じである。
【0088】
また、上記実施例の設定変更ダイアログA及び設定変更ダイアログBにおいて、ScanボタンBT6が、OKボタンBT10より大きくされることで、強調して表示されているが、この態様に限られない。例えば、ScanボタンBT6とOKボタンBT10とで、輝度、色、形状等を異ならせることで、ScanボタンBT6の表示態様を、OKボタンBT10の表示態様より強調することができる。
【0089】
また、プログラム14aの実行は、PC10のCPU11に限られず、多機能周辺機器、複合機、プリンタ、スキャナ、携帯電話、スマートフォン、PDA、タブレット端末等のコンピュータであってもよい。
【0090】
また、プログラム14aの実行により送信される実行命令の送信先は、スキャナ30に限られず、多機能周辺機器、複合機、プリンタ、スキャナ、携帯電話、スマートフォン、PDA、タブレット端末、デジタルカメラ等であってもよい。
【0091】
また、上記実施例で挙げた具体的な数、数値等は一例であり、種々の数、数値等に変更することは可能である。例えば、スキャナ制御ウインドウに表示される各種の画像読込処理を個別に割り当てたボタンの数、図9のS608の判定基準となる時間等は任意の数、数値等に設定することができる。
【0092】
本実施例のPC10では、プログラム14aに基づいて実行するCPU11が、各種の処理を行う場合を説明した。しかし、この形態に限られない。プログラム14aに基づいて実行するCPU11が、他のシステム、ハード構成に対して、各種の処理を行わせる指示を出す形態であってもよい。
【0093】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【0094】
PC10は画像処理装置の一例である。CPU11はコンピュータの一例である。RAM13は第1記憶部(記憶部)の一例である。HDD14は第2記憶部(記憶部)の一例である。非表示フラグ13aは非表示情報の一例である。非表示チェックは非表示指示の一例である。表示チェックは表示指示の一例である。デバイス制御プログラム14aは画像処理プログラムの一例である。LCD18は表示部の一例である。スキャナ30は画像形成装置の一例である。
【0095】
設定変更ダイアログAは第1設定画面の一例である。設定変更ダイアログBは第2設定画面の一例である。ボタンBT1〜BT4は機能画像の一例である。選択ボックスSB1、SB2は処理情報の一例である。非表示チェックボックスTB1は非表示指示受付画像の一例である。表示チェックボックスTB2は表示指示受付画像の一例である。ScanボタンBT6は実行指示画像の一例である。OKボタンBT10は更新指示画像の一例である。インフォメーションウインドウは操作情報の一例である。第1操作は左クリックの一例である。第2操作は右クリックの一例である。
【0096】
S100、S400、S500、S600、S700を実行するCPU11は、機能表示制御手段、機能表示制御ステップの一例である。S118、S132、S418、S204、S432、S516、S528、S618、S628、S722、S734を実行するCPU11は、記憶制御手段、記憶ステップの一例である。S114、S412、S512、S614、S714を実行するCPU11は、第1表示制御手段、第1表示制御ステップの一例である。S112、S410、S510、S610、S710を実行するCPU11は、送信手段、送信ステップの一例である。S128、S428、S524、S624、S728を実行するCPU11は、第2表示制御手段、第2表示制御ステップの一例である。S210、S310を実行するCPU11は、非表示記憶制御手段、非表示記憶ステップの一例である。S212、S312を実行するCPU11は、操作表示制御手段、操作表示制御ステップの一例である。S416を実行するCPU11は、非表示指示判断手段の一例である。S608を実行するCPU11は、入力判断手段の一例である。
【0097】
なお、プログラム14aは一つのプログラムモジュールから構成されるものであってもよいし、複数のプログラムモジュールから構成されるものであってもよい。また、各一例は置換可能な他の構成であってもよく、本発明の範疇である。画像処理プログラム(デバイス制御プログラム14aなど)に基づく処理を実行するコンピュータ(CPU11)であってもよいし、オペレーティングシステムや他のアプリケーション、プログラム等、画像処理プログラム以外のプログラムに基づく処理を実行するコンピュータであってもよいし、コンピュータの指示に従って動作するハード構成(LCD18等)であってもよいし、コンピュータとハード構成とが連動した構成であってもよい。もちろん、複数のプログラムに基づく処理を連動させて処理を実行するコンピュータであってもよいし、複数のプログラムに基づく処理を連動させて処理を実行するコンピュータの指示に従って動作するハード構成であってもよい。
【符号の説明】
【0098】
10:PC、11:CPU、13:RAM、13a:非表示フラグ、14:HDD、14a:デバイス制御プログラム、18:LCD、30:スキャナ、BT1〜BT4:ボタン、SB1、SB2:選択ボックス、TB1:非表示チェックボックス、TB2:表示チェックボックス、BT6:Scanボタン、BT10:OKボタン
図1
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図10