特許第5987503号(P5987503)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5987503
(24)【登録日】2016年8月19日
(45)【発行日】2016年9月7日
(54)【発明の名称】リング発振器及び半導体装置
(51)【国際特許分類】
   G11C 29/12 20060101AFI20160825BHJP
【FI】
   G11C29/00 671Z
【請求項の数】7
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2012-148493(P2012-148493)
(22)【出願日】2012年7月2日
(65)【公開番号】特開2014-10874(P2014-10874A)
(43)【公開日】2014年1月20日
【審査請求日】2015年4月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】514315159
【氏名又は名称】株式会社ソシオネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100119987
【弁理士】
【氏名又は名称】伊坪 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 努
(74)【代理人】
【識別番号】100135976
【弁理士】
【氏名又は名称】宮本 哲夫
(72)【発明者】
【氏名】鶴田 智也
【審査官】 塚田 肇
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2006/0050600(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 29/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リング接続される複数の遅延回路を有するリング発振器であって、
前記複数の遅延回路の少なくとも1つは、SRAMセルと、前記SRAMセルと並列に接続されるパス回路とを有し、
前記SRAMセルは、前記複数の遅延回路の内の前段の遅延回路から第1ノードに入力される信号の立ち上がり遷移又は立ち下がり遷移の何れか一方に応答して、前記複数の遅延回路の内の次段の遅延回路に第2ノードから出力信号を出力し、
前記パス回路は、前記一方の遷移の他方の遷移に応答して、前記次段の遅延回路に出力信号を出力し、
前記SRAMセルは、第1及び第2トランスミッショントランジスタと、前記第1トランスミッショントランジスタのソース端子にゲート端子が接続され、前記第2トランスミッショントランジスタのソース端子にドレイン端子が接続され、且つ直列接続される第1トランジスタ及び第2トランジスタと、前記第2トランスミッショントランジスタのソース端子にゲート端子が接続され、前記第1トランスミッショントランジスタのソース端子にドレイン端子が接続され、且つ直列接続される第3トランジスタ及び第4トランジスタとを有し、
前記第1ノードには、前記第1トランスミッショントランジスタのドレイン端子が接続され、前記第2ノードには、記第1トランスミッショントランジスタのソース端子が接続されることを特徴とするリング発振器
【請求項2】
リング接続される複数の遅延回路を有するリング発振器であって、
前記複数の遅延回路の少なくとも1つは、SRAMセルと、前記SRAMセルと並列に接続されるパス回路とを有し、
前記SRAMセルは、前記複数の遅延回路の内の前段の遅延回路から第1ノードに入力される信号の立ち上がり遷移又は立ち下がり遷移の何れか一方に応答して、前記複数の遅延回路の内の次段の遅延回路に第2ノードから出力信号を出力し、
前記パス回路は、前記一方の遷移の他方の遷移に応答して、前記次段の遅延回路に出力信号を出力し、
前記SRAMセルは、第1及び第2トランスミッショントランジスタと、前記第1トランスミッショントランジスタのソース端子にゲート端子が接続され、前記第2トランスミッショントランジスタのソース端子にドレイン端子が接続され、且つ直列接続される第1トランジスタ及び第2トランジスタと、前記第2トランスミッショントランジスタのソース端子にゲート端子が接続され、前記第1トランスミッショントランジスタのソース端子にドレイン端子が接続され、且つ直列接続される第3トランジスタ及び第4トランジスタとを有し、
前記第1ノードには、前記第1トランスミッショントランジスタのソース端子が接続され、前記第2ノードには、前記第2トランスミッショントランジスタのドレイン端子が接続されることを特徴とするリング発振器
【請求項3】
リング接続される複数の遅延回路を有するリング発振器であって、
前記複数の遅延回路の少なくとも1つは、SRAMセルと、前記SRAMセルと並列に接続されるパス回路とを有し、
前記SRAMセルは、前記複数の遅延回路の内の前段の遅延回路から第1ノードに入力される信号の立ち上がり遷移又は立ち下がり遷移の何れか一方に応答して、前記複数の遅延回路の内の次段の遅延回路に第2ノードから出力信号を出力し、
前記パス回路は、前記一方の遷移の他方の遷移に応答して、前記次段の遅延回路に出力信号を出力し、
前記SRAMセルは、第1及び第2トランスミッショントランジスタと、前記第1トランスミッショントランジスタのソース端子にゲート端子が接続され、前記第2トランスミッショントランジスタのソース端子にドレイン端子が接続され、且つ直列接続される第1トランジスタ及び第2トランジスタと、前記第2トランスミッショントランジスタのソース端子にゲート端子が接続され、前記第1トランスミッショントランジスタのソース端子にドレイン端子が接続され、且つ直列接続される第3トランジスタ及び第4トランジスタとを有し、
前記第1ノードには、前記第1トランスミッショントランジスタのドレイン端子が接続され、前記第2ノードには、前記第2トランスミッショントランジスタのソース端子が接続されることを特徴とするリング発振器
【請求項4】
前記パス回路は、前記一方の遷移時にハイインピーダンス状態になり、前記他方の遷移時に前記第2ノードをプルアップするプルアップ素子、又は前記一方の遷移時にハイインピーダンス状態になり、前記他方の遷移時に前記第2ノードをプルダウンするプルダウン素子の何れかの素子を有することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のリング発振器。
【請求項5】
複数のSRAMセルを有するSRAMセルアレイと、
リング接続される複数の遅延回路を有するリング発振器と、を有し、
前記リング発振器は、
前記複数の遅延回路の少なくとも1つは、SRAMセルと、前記SRAMセルと並列に接続されるパス回路とを有し、
前記SRAMセルは、前記複数の遅延回路の内の前段の遅延回路から第1ノードに入力される信号の立ち上がり遷移又は立ち下がり遷移の何れか一方に応答して、前記複数の遅延回路の内の次段の遅延回路に第2ノードから出力信号を出力し、
前記パス回路は、前記一方の遷移の他方の遷移に応答して、前記次段の遅延回路に出力信号を出力し、
前記SRAMセルは、第1及び第2トランスミッショントランジスタと、前記第1トランスミッショントランジスタのソース端子にゲート端子が接続され、前記第2トランスミッショントランジスタのソース端子にドレイン端子が接続され、且つ直列接続される第1トランジスタ及び第2トランジスタと、前記第2トランスミッショントランジスタのソース端子にゲート端子が接続され、前記第1トランスミッショントランジスタのソース端子にドレイン端子が接続され、且つ直列接続される第3トランジスタ及び第4トランジスタとを有し、
前記第1ノードには、前記第1トランスミッショントランジスタのドレイン端子が接続され、前記第2ノードには、記第1トランスミッショントランジスタのソース端子が接続されることを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
複数のSRAMセルを有するSRAMセルアレイと、
リング接続される複数の遅延回路を有するリング発振器と、を有し、
前記リング発振器は、
前記複数の遅延回路の少なくとも1つは、SRAMセルと、前記SRAMセルと並列に接続されるパス回路とを有し、
前記SRAMセルは、前記複数の遅延回路の内の前段の遅延回路から第1ノードに入力される信号の立ち上がり遷移又は立ち下がり遷移の何れか一方に応答して、前記複数の遅延回路の内の次段の遅延回路に第2ノードから出力信号を出力し、
前記パス回路は、前記一方の遷移の他方の遷移に応答して、前記次段の遅延回路に出力信号を出力し、
前記SRAMセルは、第1及び第2トランスミッショントランジスタと、前記第1トランスミッショントランジスタのソース端子にゲート端子が接続され、前記第2トランスミッショントランジスタのソース端子にドレイン端子が接続され、且つ直列接続される第1トランジスタ及び第2トランジスタと、前記第2トランスミッショントランジスタのソース端子にゲート端子が接続され、前記第1トランスミッショントランジスタのソース端子にドレイン端子が接続され、且つ直列接続される第3トランジスタ及び第4トランジスタとを有し、
前記第1ノードには、前記第1トランスミッショントランジスタのソース端子が接続され、前記第2ノードには、前記第2トランスミッショントランジスタのドレイン端子が接続されることを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
複数のSRAMセルを有するSRAMセルアレイと、
リング接続される複数の遅延回路を有するリング発振器と、を有し、
前記リング発振器は、
リング接続される複数の遅延回路を有するリング発振器であって、
前記複数の遅延回路の少なくとも1つは、SRAMセルと、前記SRAMセルと並列に接続されるパス回路とを有し、
前記SRAMセルは、前記複数の遅延回路の内の前段の遅延回路から第1ノードに入力される信号の立ち上がり遷移又は立ち下がり遷移の何れか一方に応答して、前記複数の遅延回路の内の次段の遅延回路に第2ノードから出力信号を出力し、
前記パス回路は、前記一方の遷移の他方の遷移に応答して、前記次段の遅延回路に出力信号を出力し、
前記SRAMセルは、第1及び第2トランスミッショントランジスタと、前記第1トランスミッショントランジスタのソース端子にゲート端子が接続され、前記第2トランスミッショントランジスタのソース端子にドレイン端子が接続され、且つ直列接続される第1トランジスタ及び第2トランジスタと、前記第2トランスミッショントランジスタのソース端子にゲート端子が接続され、前記第1トランスミッショントランジスタのソース端子にドレイン端子が接続され、且つ直列接続される第3トランジスタ及び第4トランジスタとを有し、
前記第1ノードには、前記第1トランスミッショントランジスタのドレイン端子が接続され、前記第2ノードには、前記第2トランスミッショントランジスタのソース端子が接続されることを特徴とする半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リング発振器及び半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
SRAMセルが搭載される半導体装置の製造ばらつきの電気特性への影響を抑制するために、SRAMセルの構成素子であるトランジスタのウエルのボディー電位又はワード線の電位を変更するなどして、SRAMセルの電気特性を調整することが知られる。SRAMセルの電気特性を調整するときに使用されるオン電流及びしきい値電圧などトランジスタの電気特性は、電気プローブ等を使用してアナログ信号として測定することは可能である。しかしながら、このような測定では、アナログ信号を測定することになるので、種々の測定ノイズの影響を受け易く、精度高く測定することは容易ではない。
【0003】
一方、半導体装置に搭載される種々の素子の速度特性を評価するためにリング発振器を使用することが知られている。リング発振器は、単数又は複数の非反転素子と、奇数個の反転素子とをリング接続することにより形成される。
【0004】
また、論理回路を形成するロジック部と、アレイ状に配置された複数のSRAMセルにより形成されるメモリ部とを有する半導体装置が知られている。このような半導体装置では、ロジック部に配置されるトランジスタは、種々の論理素子が同一の配置配線規則に基づいて配置されている。一方、メモリ部に配置されるSRAMセルは、論理回路を形成するロジック部に使用されるトランジスタと異なる配置配線規則で配置されることが多い。SRAMセルは、一般に6トランジスタ構成が採用されるので、配置配線面積が大きくなることを防止するために、可能な限り配置間隔が狭められた配置配線規則が採用されるためである。
【0005】
ロジック部と異なる配置配線規則により配置されるSRAMセルの速度を評価するために、複数のSRAMセルをリング接続して形成されるリング発振器を使用することが知られている。例えば、一対のトランスミッショントランジスタのゲート端子及びドレイン端子を相互接続した複数のSRAMセルをリング接続することによって形成されるリング発振器を使用される。ここでは、SRAMセル内部のインバータ素子の出力端子と、SRAMセルのトランスミッショントランジスタのドレイン端子とが接続されることにより反転信号を出力する遅延回路がリング接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−73282号公報
【特許文献2】特公平4−30764公報
【特許文献3】特開平10−242806公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、インバータ素子の出力端子とトランスミッショントランジスタのドレイン端子をリング接続して形成されるリング発振器では、SRAMセルの構成素子の立ち上がり遅延時間と立ち下がり遅延時間とをそれぞれ別個に測定できないという問題があった。すなわち、このようなリング発振器では、SRAMセルの構成素子の立ち上がり遅延時間と立ち下がり遅延時間とを同時に測定しているので、立ち上がり遅延時間と立ち下がり遅延時間をそれぞれ分離して測定できないという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、SRAMセルを形成する構成素子の立ち上がり遅延時間と立ち下がり遅延時間とを分離して測定できるリング発振器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、リング発振器は、リング接続される複数の遅延回路を有し、複数の遅延回路の少なくとも1つは、SRAMセルと、SRAMセルと並列に接続されるパス回路とを有する。SRAMセルは、複数の遅延回路の内の前段の遅延回路から第1ノードに入力される信号の立ち上がり遷移又は立ち下がり遷移の何れか一方に応答して、複数の遅延回路の内の次段の遅延回路に第2ノードから出力信号を出力する。パス回路は、一方の遷移の他方の遷移に応答して、次段の遅延回路に出力信号を出力する。
【発明の効果】
【0010】
一実施形態では、リング発振器は、一方の遷移の他方の遷移に応答して、次段の遅延回路に出力信号を出力するパス回路を有する。このため、リング発振器を使用して、SRAMセルを形成する構成素子の立ち上がり遅延時間と立ち下がり遅延時間をそれぞれ分離して測定できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1実施形態のリング発振器の回路ブロック図である。
図2図1に示すリング発振器のタイミングチャートを示す図である。
図3】本発明の第2実施形態のリング発振器の回路ブロック図である。
図4図3に示すリング発振器のタイミングチャートを示す図である。
図5】本発明の第3実施形態のリング発振器の回路ブロック図である。
図6図5に示すリング発振器のタイミングチャートを示す図である。
図7】本発明の第4実施形態のリング発振器の回路ブロック図である。
図8図7に示すリング発振器のタイミングチャートを示す図である。
図9】本発明の第5実施形態のリング発振器の回路ブロック図である。
図10図9に示すリング発振器のタイミングチャートを示す図である。
図11】複数のリング発振器が搭載される半導体装置の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
まず、図1及び2を参照して、リング発振器の第1実施形態について説明する。
【0013】
図1は、リング発振器の一例を示す図である。
【0014】
リング発振器1は、半導体装置101上に形成され、一部の構成素子がリング発振器1に接続される複数のSRAMセル10と、複数のプルアップ素子20と、NAND素子30と、複数のインバータ素子31〜33を有し、さらに制御部40を有する。
【0015】
SRAMセル10は、6トランジスタ構成のSRAMセルである。SRAMセル10は、第1及び第2トランスミッショントランジスタ11及び12と、第1プルアップトランジスタ及び第1プルダウントランジスタ13及び14と、第2プルアップトランジスタ及び第2プルダウントランジスタ15及び16とを有する。
【0016】
第1及び第2トランスミッショントランジスタ11及び12はそれぞれ、nMOSトランジスタを有する。
【0017】
第1トランスミッショントランジスタ11のゲート端子は、ワード線に接続される。第1トランスミッショントランジスタ11のソース端子は、第1プルアップトランジスタ及び第1プルダウントランジスタ13及び14のドレイン端子と、第2プルアップトランジスタ及び第2プルダウントランジスタ15及び16のゲート端子とに接続される。さらに、第1トランスミッショントランジスタ11のソース端子は、第2トランスミッショントランジスタ12のドレイン端子と、プルアップ素子20のドレイン端子と、インバータ素子33の入力端子とに接続される。さらに、第1トランスミッショントランジスタ11のソース端子は、容量36と接続される。容量36は、SRAMセル10以外の他のSRAMセルと並列に接続されるビット線の寄生容量である。第1トランスミッショントランジスタ11のドレイン端子は、インバータ素子31の出力端子と、インバータ素子32の入力端子とに接続される。
【0018】
第2トランスミッショントランジスタ12のゲート端子は、VSSに接続される。したがって、第2トランスミッショントランジスタ12は、常時オフ状態、すなわち常時アサートされていない。第2トランスミッショントランジスタ12のソース端子は、第1プルアップトランジスタ及び第1プルダウントランジスタ13及び14のゲート端子と、第2プルアップトランジスタ及び第2プルダウントランジスタ15及び16のドレイン端子とに接続される。
【0019】
第1及び第2トランスミッショントランジスタ11及び12では、双方向に電流が流れるため、ソース端子及びドレイン端子を一義的に決定できない。そこで、本明細書では、第1及び第2トランスミッショントランジスタ11及び12のSRAMセル10の構成素子と接続される端子をソース端子と称する。すなわち、第1及び第2プルアップトランジスタ13及び15並びに第1及び第2プルダウントランジスタ14及び16に接続される端子をソース端子と称する。一方、本明細書では、第1及び第2トランスミッショントランジスタ11及び12のSRAMセル10の外部素子と接続される端子をドレイン端子と称する。
【0020】
第1及び第2プルアップトランジスタ13及び15はそれぞれ、pMOSトランジスタを有する。第1及び第2プルアップトランジスタ13及び15のソース端子はそれぞれ、VDDに接続される。
【0021】
第1及び第2プルダウントランジスタ14及び16はそれぞれ、nMOSトランジスタを有する。第1及び第2プルダウントランジスタ14及び16のソース端子はそれぞれ、VSSに接続される。
【0022】
SRAMセルを形成する上述の6つのトランジスタは、複数のプルアップ素子20、複数のNAND素子30、複数のインバータ素子31〜33等の論理回路素子よりも狭い配置配線規則に従って、半導体装置101上に配置配線されている。
【0023】
プルアップ素子20は、pMOSトランジスタを有する。プルアップ素子20を形成するpMOSトランジスタは、動作速度が第1トランスミッショントランジスタ11の動作速度の10倍になるように配置される。
【0024】
プルアップ素子20のゲート端子はインバータ素子32の出力端子に接続され、プルアップ素子20のソース端子はVDDに接続される。プルアップ素子20のドレイン端子は、第1トランスミッショントランジスタ11のソース端子と、インバータ素子33の入力端子とに接続される。さらに、プルアップ素子20のドレイン端子は、第1プルアップトランジスタ及び第1プルダウントランジスタ13及び14のドレイン端子と、第2プルアップトランジスタ及び第2プルダウントランジスタ15及び16のゲート端子とに接続される。
【0025】
プルアップ素子20は、並列に接続される第1トランスミッショントランジスタ11のソース端子の信号の信号レベルをLレベルからHレベルに立ち上げる機能を有する。第1トランスミッショントランジスタ11のドレイン端子、及びインバータ素子31の出力端子の信号レベルが立ち上がり遷移するときに、プルアップ素子20は、Hレベルの信号を第1トランスミッショントランジスタ11のソース端子に供給する。一方、インバータ素子31の出力端子の信号レベルが立ち下がり遷移するときに、プルアップ素子20はオフ状態となり、プルアップ素子20のドレイン端子は、ハイインピーダンス状態になる。
【0026】
NAND素子30の第1入力端子は、制御部40に接続され、NAND素子30の第2入力端子は、最終段のインバータ素子33の出力端子に接続される。NAND素子30の出力端子は、初段のインバータ素子31の入力端子に接続される。
【0027】
NAND素子30の第1入力端子にHレベルの信号が入力されると、リング発振器1は発振状態になり、NAND素子30の第1入力端子にLレベルの信号が入力されると、リング発振器1は発振停止状態になる。
【0028】
NAND素子30の第1入力端子にHレベルの信号が入力されているときに、第2入力端子にLレベルの信号が入力されると、NAND素子30の出力端子は、Hレベルの信号を出力する。一方、NAND素子30の第1入力端子にHレベルの信号が入力されているときに、第2入力端子にHレベルの信号が入力されると、NAND素子30の出力端子は、Lレベルの信号を出力する。リング発振器1では、NAND素子30の出力端子と第2入力端子とがリング接続されているので、第1入力端子にHレベルの信号が入力されるときに、リング発振器1は、接続される素子の遅延速度に応じた周期で発振する。
【0029】
インバータ素子31〜33は、インバータ素子32と33との間に接続されるプルアップ素子20を介して直列接続される。インバータ素子31及び33は、複数のSRAMセル10ごとにそれぞれ、第1トランスミッショントランジスタ11に直列接続される。プルアップ素子20とインバータ素子32とは、複数のSRAMセル10ごとにそれぞれ、第1トランスミッショントランジスタ11に並列接続され、インバータ素子33に立ち上がり信号を出力する補償パス回路として機能する。すなわち、インバータ素子31が立ち下がり信号を出力する場合には、信号は、第1トランスミッショントランジスタ11を介してインバータ素子33に伝播する。一方、インバータ素子31が立ち上がり信号を出力する場合には、信号は、インバータ素子32とプルアップ素子20とを介してインバータ素子33に伝播する。
【0030】
初段のインバータ素子31の入力端子は、NAND素子30の出力端子に接続される。初段のインバータ素子33の出力端子は、2段目のインバータ素子31の入力端子に接続される。以降、前段のインバータ素子33の出力端子は、次段のインバータ素子31の入力端子に接続される。そして、最終段のインバータ素子33の出力端子は、NAND素子30の一方の入力端子に接続される。
【0031】
制御部40は、複数の論理素子を有し、半導体装置101の外部から入力される指令信号に基づいて、リング発振器1を発振状態にする。制御部40は、指令信号を受信すると、ワード線にHレベルの信号を供給し、次いでNAND素子の第1入力端子にHレベルの信号を供給する。
【0032】
次に、発振状態のときのリング発振器1の構成素子の動作について説明する。
【0033】
図2は、リング発振器1のタイミングチャートである。
【0034】
波形〔ENABLE〕は、NAND素子30の第1入力端子に入力されるイネーブル信号の波形である。波形〔ENABLE〕がHレベルのとき、リング発振器1は発振状態になる。
【0035】
波形〔WL〕は、第1トランスミッショントランジスタ11のゲート端子に入力されるワード線信号の波形である。波形〔WL〕がHレベルのとき、第1トランスミッショントランジスタ11はアサートされる。
【0036】
波形〔A〕は、NAND素子30の出力信号の波形である。
【0037】
波形〔B〕は、インバータ素子31の出力信号の波形である。波形〔B〕で示される波形を有する信号は、第1トランスミッショントランジスタ11のドレイン端子に入力される。
【0038】
波形〔C〕は、インバータ素子32の出力信号の波形である。波形〔C〕で示される波形を有する信号は、プルアップ素子20のゲート端子に入力される。
【0039】
波形〔D〕は、第1トランスミッショントランジスタ11のソース端子、及びプルアップ素子20のドレイン端子の信号の波形である。
【0040】
波形〔E〕は、インバータ素子33の出力信号の波形である。波形〔E〕で示される波形を有する信号は、次段のインバータ素子31の入力端子に入力される。
【0041】
波形〔OUT〕は、最終段のインバータ素子33の出力信号の波形である。波形〔OUT〕で示される波形を有する信号は、NAND素子の第2入力端子に入力される。
【0042】
波形〔WL〕に示すように、制御部40は、指令信号を受信すると、ワード線にHレベルの信号を供給する。ワード線にHレベルの信号が供給されることにより、第1トランスミッショントランジスタ11はアサートされる。
【0043】
次いで、波形〔ENABLE〕に示すように、リング発振器1は、NAND素子30の第1入力端子に制御部40からNAND素子30の第1入力端子にHレベルの信号が供給されることにより、発振状態になる。
【0044】
次いで、波形〔A〕に示すように、第1入力端子にHレベルの信号が入力されてから時間Tf30経過後に、NAND素子30は、Lレベルの信号をインバータ素子31の入力端子に出力する。時間Tf30は、NAND素子30の立ち下がり遅延時間である。
【0045】
次いで、波形〔B〕に示すように、入力端子にLレベルの信号が入力されてから時間Tr31経過後に、インバータ素子31は、Hレベルの信号を第1トランスミッショントランジスタ11のドレイン端子とインバータ素子32の入力端子とに出力する。時間Tr31は、インバータ素子31の立ち上がり遅延時間である。
【0046】
次いで、波形〔C〕に示すように、入力端子にHレベルの信号が入力されてから時間Tf32経過後に、インバータ素子32は、Lレベルの信号をプルアップ素子20のゲート端子に出力する。時間Tf32は、インバータ素子32の立ち下がり遅延時間である。
【0047】
次いで、波形〔D〕に示すように、ゲート端子にLレベルの信号が入力されてから時間Tr20経過後に、プルアップ素子20は、Hレベルの信号を第1トランスミッショントランジスタ11のソース端子とインバータ素子33の入力端子とに出力する。時間Tr20は、プルアップ素子20の立ち上がり遅延時間である。
【0048】
第1トランスミッショントランジスタ11はアサートされているので、第1トランスミッショントランジスタ11のソース端子は、ドレイン端子にインバータ素子31からHレベルの信号が出力されてから変位を開始する。しかしながら、プルアップ素子20は、第1トランスミッショントランジスタ11よりも高速に動作するように配置されている。このため、第1トランスミッショントランジスタ11のソース端子の信号の立ち上がり遅延時間は、プルアップ素子20のドレイン端子の信号の遷移により決定される。
【0049】
次いで、波形〔E〕に示すように、入力端子にHレベルの信号が入力されてから時間Tf33経過後に、インバータ素子33は、Lレベルの信号を2段目のインバータ素子31の入力端子に出力する。時間Tf33は、インバータ素子33の立ち下がり遅延時間である。
【0050】
以降、信号の遷移は、最終段のインバータ素子33まで順に伝播する。そして、波形〔OUT〕に示すように、最終段のインバータ素子33がLレベルをNAND素子30の第2入力端子に出力する。
【0051】
次いで、波形〔A〕に示すように、第2入力端子にHレベルの信号が入力されてから時間Tr30経過後に、NAND素子30は、Hレベルの信号をインバータ素子31の入力端子に出力する。時間Tr30は、NAND素子30の立ち上がり遅延時間である。
【0052】
次いで、波形〔B〕に示すように、入力端子にHレベルの信号が入力されてから時間Tf31経過後に、インバータ素子31は、Lレベルの信号を第1トランスミッショントランジスタ11のドレイン端子とインバータ素子32の入力端子とに出力する。時間Tf31は、インバータ素子31の立ち下がり遅延時間である。
【0053】
次いで、波形〔C〕に示すように、入力端子にLレベルの信号が入力されてから時間Tr32経過後に、インバータ素子32は、Hレベルの信号をプルアップ素子20のゲート端子に出力する。時間Tr32は、インバータ素子32の立ち上がり遅延時間である。
【0054】
プルアップ素子20のゲート端子にHレベルの信号が入力されると、プルアップ素子20は、オフ状態になるので、プルアップ素子20のドレイン端子の信号は、Hレベルに維持される。
【0055】
次いで、波形〔D〕に示すように、第1トランスミッショントランジスタ11のドレイン端子にLレベルの信号が入力されてから時間Tf11経過後に、第1トランスミッショントランジスタ11のソース端子の信号は、立ち下がり遷移する。時間Tf11は、第1トランスミッショントランジスタ11のソース端子の信号が立ち下がり遷移するときの遅延時間である。
【0056】
次いで、波形〔E〕に示すように、入力端子にLレベルの信号が入力されてから時間Tr33経過後に、インバータ素子33は、Hレベルの信号を2段目のインバータ素子31の入力端子に出力する。時間Tr33は、インバータ素子33の立ち上がり遅延時間である。
【0057】
そして、最終段のインバータ素子33まで伝播して、波形〔OUT〕に示すように、最終段のインバータ素子33がHレベルをNAND素子30の第2入力端子に出力する。時間Tc1は、リング発振器1の発振周期である。
【0058】
以上、発振状態のときのリング発振器1の構成素子の動作について説明した。
【0059】
リング発振器1の発振周期Tc1から第1トランスミッショントランジスタ11のソース端子の信号が立ち下がり遷移するときの遅延時間Tf11を演算する方法の一例について説明する。
【0060】
まず、リング発振器1の発振周期Tc1を決定する。リング発振器1の発振周期Tc1は、オシロスコープの表示画面に表示される発振波形から決定する。
【0061】
次いで、NAND素子30及び複数のインバータ素子31〜33の総遅延時間Tiを決定する。NAND素子30及び複数のインバータ素子31〜33の総遅延時間Tiは、リング発振器1が有するインバータ素子31〜33の数と同数のインバータ素子31〜33を有する不図示のリング発振器の発振周期から決定される。
【0062】
次いで、複数のプルアップ素子20の総遅延時間Tpuを決定する。複数のプルアップ素子20の総遅延時間Tpuは、トランジスタサイズが異なるプルアップ素子を有する少なくとも2つの不図示のリング発振器の発振周期から決定される。例えば、遅延時間Tpuは、プルアップ素子20と同一のトランジスタサイズを有するリング発振器の発振周期と、プルアップ素子20の2倍のトランジスタサイズを有するプルアップ素子を有するリング発振器の発振周期とを比較することにより決定される。
【0063】
そして、決定されたリング発振器1の発振周期Tc1、複数のインバータ素子31〜33の総遅延時間Ti、及び複数のプルアップ素子20の総遅延時間Tpuから式(1)を使用して遅延時間Tf11を演算する。
Tf11 = (Tc1 − (Ti + Tpu))/N (1)
ここで、Nは、リング発振器1に含まれる第1トランスミッショントランジスタ11の数である。
【0064】
リング発振器1を使用して、第1トランスミッショントランジスタ11と第1プルアップトランジスタ13との電流駆動能力の比を反映した遅延時間Tf11が演算される。
【0065】
リング発振器1では、SRAMセル10を形成する全ての構成素子を通る経路ではなく、SRAMセル10を形成する構成素子の1つである第1トランスミッショントランジスタ11のドレイン端子とソース端子との間の経路を通ってバイパス出力される。このため、SRAMセル10の構成素子の1つである測定対象の第1トランスミッショントランジスタ11の遅延時間を測定できる。
【0066】
さらに、第1トランスミッショントランジスタ11に並列に接続されるプルアップ素子20とインバータ素子32とは第1トランスミッショントランジスタ11の補償パス回路としての機能を有する。すなわち、第1トランスミッショントランジスタ11のドレイン端子に立ち上がり遷移する信号が印加されたときには、第1トランスミッショントランジスタ11の立ち上がり遅延時間Tr11が経過する前にプルアップ素子20がオンする。これにより、リング発振器1の発振周期Tc1には、第1トランスミッショントランジスタ11の立ち上がり遅延時間Tr11の代わりにプルアップ素子20の立ち上がり遅延時間Tr20が含まれることになる。このため、リング発振器1では、第1トランスミッショントランジスタ11の立ち下がり遅延時間Tf11は、第1トランスミッショントランジスタ11の立ち上がり遅延時間Tr11から分離して演算できる。
【0067】
以上、リング発振器の第1実施形態について説明した。
【0068】
次に、図3及び4を参照して、リング発振器の第2実施形態について説明する。
【0069】
図3は、リング発振器の一例を示す図である。
【0070】
リング発振器2は、半導体装置102上に形成され、一部の構成素子がリング発振器2に接続される偶数個のSRAMセル10と、偶数個のプルアップ素子20と、NAND素子30と、偶数個のインバータ素子31及び33とを有する。さらに、リング発振器2は、制御部40を有する。
【0071】
第1トランスミッショントランジスタ11のゲート端子は、VSSに接続され、第1トランスミッショントランジスタ11は、常時オフ状態になる。第1トランスミッショントランジスタ11のソース端子は、インバータ素子31の出力端子に接続される。第1トランスミッショントランジスタ11のドレイン端子は、開放状態にされる。
【0072】
第2トランスミッショントランジスタ12のゲート端子は、ワード線に接続される。第2トランスミッショントランジスタ12のドレイン端子は、インバータ素子33の入力端子に接続される。
【0073】
インバータ素子31の出力端子は、第1トランスミッショントランジスタ11のソース端子、及びプルアップ素子20のゲート端子に接続される。さらに、インバータ素子31の出力端子は、第1プルアップトランジスタ及び第1プルダウントランジスタ13及び14のドレイン端子、並びに第2プルアップトランジスタ及び第2プルダウントランジスタ15及び16のゲート端子に接続される。
【0074】
プルアップ素子20のドレイン端子は、第2トランスミッショントランジスタ12のドレイン端子、及びインバータ素子33の入力端子に接続される。
【0075】
したがって、第1プルアップトランジスタ及び第1プルダウントランジスタ13及び14、第2プルアップトランジスタ及び第2プルダウントランジスタ15及び16、並び第2トランスミッショントランジスタ12は、プルアップ素子20に並列接続される。
【0076】
プルアップ素子20は、並列に接続される第2トランスミッショントランジスタ12のソース端子の信号の信号レベルをLレベルからHレベルに立ち上げる機能を有する。
【0077】
次に、発振状態のときのリング発振器2の構成素子の動作について説明する。
【0078】
図4は、リング発振器2のタイミングチャートである。
【0079】
波形〔WL〕に示すように、制御部40は、指令信号を受信すると、ワード線にHレベルの信号を供給する。ワード線にHレベルの信号が供給されることにより、第2トランスミッショントランジスタ12はアサートされる。
【0080】
次いで、波形〔ENABLE〕に示すように、リング発振器2は、NAND素子30の第1入力端子に制御部40からNAND素子30の第1入力端子にHレベルの信号が供給されることにより、発振状態になる。
【0081】
次いで、波形〔A〕に示すように、第1入力端子にHレベルの信号が入力されてから時間Tf30経過後に、NAND素子30は、Lレベルの信号をインバータ素子31の入力端子に出力する。時間Tf30は、NAND素子30の立ち下がり遅延時間である。
【0082】
次いで、波形〔B〕に示すように、入力端子にLレベルの信号が入力されてから時間Tr31経過後に、インバータ素子31は、Hレベルの信号を第2プルダウントランジスタ16のゲート端子、及びプルアップ素子20のゲート端子等に出力する。時間Tr31は、インバータ素子31の立ち上がり遅延時間である。
【0083】
次いで、波形〔C〕に示すように、入力端子にHレベルの信号が入力されてから時間Tf16経過後に、第2プルダウントランジスタ16のドレイン端子の信号は、Lレベルの信号になる。時間Tf16は、第2プルダウントランジスタ16のドレイン端子の信号が立ち下がり遷移するときの遅延時間である。第2プルダウントランジスタ16のドレイン端子の信号は、第2トランスミッショントランジスタ12のソース端子の信号と等価である。
【0084】
次いで、波形〔D〕に示すように、第2トランスミッショントランジスタ12のソース端子の信号がLレベルになってから時間Tf12経過後に、第2トランスミッショントランジスタ12のドレイン端子の信号は、Lレベルの信号になる。時間Tf12は、第2トランスミッショントランジスタ12の立ち下がり遅延時間である。第2トランスミッショントランジスタ12のドレイン端子の信号は、インバータ素子33の入力端子の信号と等価である。
【0085】
次いで、波形〔E〕に示すように、入力端子にLレベルの信号が入力されてから時間Tr33経過後に、インバータ素子33は、Hレベルの信号を2段目のインバータ素子31の入力端子に出力する。時間Tr33は、インバータ素子33の立ち下がり遅延時間である。
【0086】
以降、信号の遷移は、最終段のインバータ素子33まで順に伝播する。そして、波形〔OUT〕に示すように、最終段のインバータ素子33がLレベルをNAND素子30の第2入力端子に出力する。
【0087】
次いで、波形〔A〕に示すように、第2入力端子にHレベルの信号が入力されてから時間Tr30経過後に、NAND素子30は、Hレベルの信号をインバータ素子31の入力端子に出力する。時間Tr30は、NAND素子30の立ち上がり遅延時間である。
【0088】
次いで、波形〔B〕に示すように、入力端子にHレベルの信号が入力されてから時間Tf31経過後に、インバータ素子31は、Lレベルの信号を第2プルダウントランジスタ16のゲート端子、及びプルアップ素子20のゲート端子等に出力する。時間Tf31は、インバータ素子31の立ち下がり遅延時間である。
【0089】
次いで、波形〔D〕に示すように、ゲート端子にLレベルの信号が入力されてから時間Tr20経過後に、プルアップ素子20はオン状態になり、プルアップ素子20のソース端子は、Hレベルになる。時間Tr20は、プルアップ素子20の立ち上がり遅延時間である。
【0090】
プルアップ素子20のソース端子がHレベルになると、第2トランスミッショントランジスタ12のドレイン端子及びインバータ素子33の入力端子はHレベルになる。
【0091】
次いで、波形〔E〕に示すように、入力端子にLレベルの信号が入力されてから時間Tr33経過後に、インバータ素子33は、Hレベルの信号を2段目のインバータ素子31の入力端子に出力する。時間Tr33は、インバータ素子33の立ち上がり遅延時間である。
【0092】
そして、最終段のインバータ素子33まで伝播して、波形〔OUT〕に示すように、最終段のインバータ素子33がHレベルをNAND素子30の第2入力端子に出力する。時間Tc2は、リング発振器2の発振周期である。
【0093】
遅延時間Tf16とTf12との和Tf16+12は、式(2)を用いて演算される。
Tf16+12 = (Tc2 − (Ti + Tpu))/N (2)
ここで、Tc2はリング発振器2の発振周期であり、TiはNAND素子30及び複数のインバータ素子31及び33の総遅延時間であり、Tpuは複数のプルアップ素子20の総遅延時間である。また、Nは、リング発振器2に含まれる第2プルダウントランジスタ16及び第2トランスミッショントランジスタ12の数である。
【0094】
リング発振器2を使用して、第2トランスミッショントランジスタ12と第2プルダウントランジスタ16とを流れる電流、すなわち読み出し電流の大きさを反映した遅延時間Tf16+12が演算される。
【0095】
以上、発振状態のときのリング発振器2の構成素子の動作について説明した。
【0096】
次に、図5及び6を参照して、リング発振器の第3実施形態について説明する。
【0097】
図5は、リング発振器の一例を示す図である。
【0098】
リング発振器3は、半導体装置103上に形成され、一部の構成素子がリング発振器3に接続される偶数個のSRAMセル10と、偶数個のプルダウン素子21と、NAND素子30と、偶数個のインバータ素子31及び33とを有する。さらに、リング発振器2は、制御部40を有する。
【0099】
第1トランスミッショントランジスタ11のゲート端子は、ワード線に接続される。第2トランスミッショントランジスタ11のドレイン端子は、インバータ素子31の出力端子に接続される。
【0100】
第2トランスミッショントランジスタ12のゲート端子は、VSSに接続され、第1トランスミッショントランジスタ12は、常時オフ状態になる。第2トランスミッショントランジスタ12のソース端子及びドレイン端子は、インバータ素子33の入力端子に接続される。
【0101】
インバータ素子31の出力端子は、第1トランスミッショントランジスタ11のドレイン端子及びプルダウン素子21のゲート端子に接続される。
【0102】
プルダウン素子21のドレイン端子は、インバータ素子33の入力端子、及び第2トランスミッショントランジスタ12のドレイン端子に接続される。さらに、プルダウン素子21のドレイン端子は、第1プルアップトランジスタ及び第1プルダウントランジスタ13及び14のゲート端子、並びに第2プルアップトランジスタ及び第2プルダウントランジスタ15及び16のドレイン端子に接続される。
【0103】
したがって、第1トランスミッショントランジスタ11、第1プルアップトランジスタ及び第1プルダウントランジスタ13及び14、並び第2プルアップトランジスタ及び第2プルダウントランジスタ15及び16は、プルダウン素子21に並列接続される。
【0104】
プルダウン素子21は、並列に接続される第2トランスミッショントランジスタ12のソース端子の信号の信号レベルをHレベルからLレベルに立ち下げる機能を有する。
【0105】
次に、発振状態のときのリング発振器3の構成素子の動作について説明する。
【0106】
図6は、リング発振器3のタイミングチャートである。
【0107】
波形〔WL〕に示すように、制御部40は、指令信号を受信すると、ワード線にHレベルの信号を供給する。ワード線にHレベルの信号が供給されることにより、第1トランスミッショントランジスタ11はアサートされる。
【0108】
次いで、波形〔ENABLE〕に示すように、リング発振器3は、NAND素子30の第1入力端子に制御部40からNAND素子30の第1入力端子にHレベルの信号が供給されることにより、発振状態になる。
【0109】
次いで、波形〔A〕に示すように、第1入力端子にHレベルの信号が入力されてから時間Tf30経過後に、NAND素子30は、Lレベルの信号をインバータ素子31の入力端子に出力する。時間Tf30は、NAND素子30の立ち下がり遅延時間である。
【0110】
次いで、波形〔B〕に示すように、入力端子にLレベルの信号が入力されてから時間Tr31経過後に、インバータ素子31は、Hレベルの信号を第2プルダウントランジスタ16のゲート端子、及びプルアップ素子20のゲート端子等に出力する。時間Tr31は、インバータ素子31の立ち上がり遅延時間である。
【0111】
次いで、波形〔C〕に示すように、入力端子にHレベルの信号が入力されてから時間Tf16経過後に、第2プルダウントランジスタ16のドレイン端子の信号は、Lレベルの信号になる。時間Tf16は、第2プルダウントランジスタ16のドレイン端子の信号が立ち下がり遷移するときの遅延時間である。第2プルダウントランジスタ16のドレイン端子の信号は、第2トランスミッショントランジスタ12のソース端子の信号と等価である。
【0112】
次いで、波形〔D〕に示すように、第2トランスミッショントランジスタ12のソース端子の信号がLレベルになってから時間Tf12経過後に、第2トランスミッショントランジスタ12のドレイン端子の信号は、Lレベルの信号になる。時間Tf12は、第2トランスミッショントランジスタ12の立ち下がり遅延時間である。第2トランスミッショントランジスタ12のドレイン端子の信号は、インバータ素子33の入力端子の信号と等価である。
【0113】
次いで、波形〔E〕に示すように、入力端子にLレベルの信号が入力されてから時間Tr33経過後に、インバータ素子33は、Hレベルの信号を2段目のインバータ素子31の入力端子に出力する。時間Tr33は、インバータ素子33の立ち下がり遅延時間である。
【0114】
以降、信号の遷移は、最終段のインバータ素子33まで順に伝播する。そして、波形〔OUT〕に示すように、最終段のインバータ素子33がLレベルをNAND素子30の第2入力端子に出力する。
【0115】
次いで、波形〔A〕に示すように、第2入力端子にHレベルの信号が入力されてから時間Tr30経過後に、NAND素子30は、Hレベルの信号をインバータ素子31の入力端子に出力する。時間Tr30は、NAND素子30の立ち上がり遅延時間である。
【0116】
次いで、波形〔B〕に示すように、入力端子にHレベルの信号が入力されてから時間Tf31経過後に、インバータ素子31は、Lレベルの信号を第2プルダウントランジスタ16のゲート端子、及びプルアップ素子20のゲート端子等に出力する。時間Tf31は、インバータ素子31の立ち下がり遅延時間である。
【0117】
次いで、波形〔D〕に示すように、ゲート端子にLレベルの信号が入力されてから時間Tr20経過後に、プルアップ素子20はオン状態になり、プルアップ素子20のソース端子は、Hレベルになる。時間Tr20は、プルアップ素子20の立ち上がり遅延時間である。
【0118】
プルアップ素子20のソース端子がHレベルになると、第2トランスミッショントランジスタ12のドレイン端子及びインバータ素子33の入力端子はHレベルになる。
【0119】
次いで、波形〔E〕に示すように、入力端子にLレベルの信号が入力されてから時間Tr33経過後に、インバータ素子33は、Hレベルの信号を2段目のインバータ素子31の入力端子に出力する。時間Tr33は、インバータ素子33の立ち上がり遅延時間である。
【0120】
そして、最終段のインバータ素子33まで伝播して、波形〔OUT〕に示すように、最終段のインバータ素子33がHレベルをNAND素子30の第2入力端子に出力する。時間Tc3は、リング発振器3の発振周期である。
【0121】
遅延時間Tr11とTr15との和Tr11+15は、式(3)を用いて演算される。
Tr11+15 = (Tc3 − (Ti + Tpu))/N (3)
ここで、Tc3はリング発振器3の発振周期であり、TiはNAND素子30及び複数のインバータ素子31及び33の総遅延時間であり、Tpuは複数のプルアップ素子20の総遅延時間である。また、Nは、リング発振器3に含まれる第1トランスミッショントランジスタ11及び第1プルダウントランジスタ15の数である。
【0122】
リング発振器3を使用して、第1トランスミッショントランジスタ11と第2プルアップトランジスタ15とを流れる電流の大きさを反映した遅延時間Tr11+15が演算される。
【0123】
以上、発振状態のときのリング発振器3の構成素子の動作について説明した。
【0124】
次に、図7及び8を参照して、リング発振器の第4実施形態について説明する。
【0125】
図7は、リング発振器の一例を示す図である。
【0126】
リング発振器4は、半導体装置104上に形成され、一部の構成素子がリング発振器4に接続される偶数個のSRAMセル10と、偶数個のプルアップ素子20と、NAND素子30と、偶数個のインバータ素子31及び33とを有する。さらに、リング発振器2は、制御部40を有する。
【0127】
第1トランスミッショントランジスタ11のゲート端子は、VDDに接続され、第1トランスミッショントランジスタ11は、常時オフ状態になる。第1トランスミッショントランジスタ11のドレイン端子は、開放される。
【0128】
第2トランスミッショントランジスタ12のゲート端子は、VSSに接続され、第2トランスミッショントランジスタ12は、常時オフ状態になる。第2トランスミッショントランジスタ12のソース端子及びドレイン端子は、インバータ素子33の入力端子に接続される。
【0129】
インバータ素子31の出力端子は、第1トランスミッショントランジスタ11のソース端子、及びプルアップ素子20のゲート端子に接続される。さらに、インバータ素子31の出力端子は、第1プルアップトランジスタ及び第1プルダウントランジスタ13及び14のドレイン端子、並びに第2プルアップトランジスタ及び第2プルダウントランジスタ15及び16のゲート端子に接続される。
【0130】
プルアップ素子20のドレイン端子は、インバータ素子33の入力端子、及び第2トランスミッショントランジスタ12のドレイン端子に接続される。さらに、プルダウン素子21のドレイン端子は、第1プルアップトランジスタ及び第1プルダウントランジスタ13及び14のゲート端子、並びに第2プルアップトランジスタ及び第2プルダウントランジスタ15及び16のドレイン端子に接続される。
【0131】
したがって、第1プルアップトランジスタ及び第1プルダウントランジスタ13及び14、並び第2プルアップトランジスタ及び第2プルダウントランジスタ15及び16は、プルアップ素子20に並列接続される。
【0132】
プルアップ素子20は、並列に接続される第2プルアップトランジスタ15のソース端子の信号の信号レベルをHレベルからLレベルに立ち下げる機能を有する。
【0133】
次に、発振状態のときのリング発振器4の構成素子の動作について説明する。
【0134】
図8は、リング発振器4のタイミングチャートである。
【0135】
波形〔ENABLE〕に示すように、リング発振器4は、NAND素子30の第1入力端子に制御部40からNAND素子30の第1入力端子にHレベルの信号が供給されることにより、発振状態になる。
【0136】
次いで、波形〔A〕に示すように、第1入力端子にHレベルの信号が入力されてから時間Tf30経過後に、NAND素子30は、Lレベルの信号をインバータ素子31の入力端子に出力する。時間Tf30は、NAND素子30の立ち下がり遅延時間である。
【0137】
次いで、波形〔B〕に示すように、入力端子にLレベルの信号が入力されてから時間Tr31経過後に、インバータ素子31は、Hレベルの信号を第2プルダウントランジスタ16のゲート端子、及びプルアップ素子20のゲート端子等に出力する。時間Tr31は、インバータ素子31の立ち上がり遅延時間である。
【0138】
次いで、波形〔C〕に示すように、入力端子にHレベルの信号が入力されてから時間Tf16経過後に、第2プルダウントランジスタ16のドレイン端子の信号は、Lレベルの信号になる。時間Tf16は、第2プルダウントランジスタ16のドレイン端子の信号が立ち下がり遷移するときの遅延時間である。第2プルダウントランジスタ16のドレイン端子の信号は、インバータ素子33の入力端子の信号と等価である。
【0139】
次いで、波形〔D〕に示すように、入力端子にLレベルの信号が入力されてから時間Tr33経過後に、インバータ素子33は、Hレベルの信号を2段目のインバータ素子31の入力端子に出力する。時間Tr33は、インバータ素子33の立ち下がり遅延時間である。
【0140】
以降、信号の遷移は、最終段のインバータ素子33まで順に伝播する。そして、波形〔OUT〕に示すように、最終段のインバータ素子33がLレベルをNAND素子30の第2入力端子に出力する。
【0141】
次いで、波形〔A〕に示すように、第2入力端子にHレベルの信号が入力されてから時間Tr30経過後に、NAND素子30は、Hレベルの信号をインバータ素子31の入力端子に出力する。時間Tr30は、NAND素子30の立ち上がり遅延時間である。
【0142】
次いで、波形〔B〕に示すように、入力端子にHレベルの信号が入力されてから時間Tf31経過後に、インバータ素子31は、Lレベルの信号を第2プルダウントランジスタ16のゲート端子、及びプルアップ素子20のゲート端子等に出力する。時間Tf31は、インバータ素子31の立ち下がり遅延時間である。
【0143】
次いで、波形〔C〕に示すように、ゲート端子にLレベルの信号が入力されてから時間Tr20経過後に、プルアップ素子20はオン状態になり、プルアップ素子20のソース端子は、Hレベルになる。時間Tr20は、プルアップ素子20の立ち上がり遅延時間である。
【0144】
プルアップ素子20のソース端子がHレベルになると、第2トランスミッショントランジスタ12のドレイン端子及びインバータ素子33の入力端子はHレベルになる。
【0145】
次いで、波形〔D〕に示すように、入力端子にLレベルの信号が入力されてから時間Tr33経過後に、インバータ素子33は、Hレベルの信号を2段目のインバータ素子31の入力端子に出力する。時間Tr33は、インバータ素子33の立ち上がり遅延時間である。
【0146】
そして、最終段のインバータ素子33まで伝播して、波形〔OUT〕に示すように、最終段のインバータ素子33がHレベルをNAND素子30の第2入力端子に出力する。時間Tc4は、リング発振器4の発振周期である。
【0147】
遅延時間Tf16は、式(4)を用いて演算される。
Tf16 = (Tc4 − (Ti + Tpu))/N (4)
ここで、Tc4はリング発振器4の発振周期であり、TiはNAND素子30及び複数のインバータ素子31及び33の総遅延時間であり、Tpuは複数のプルアップ素子20の総遅延時間である。また、Nは、リング発振器4に含まれる第2プルダウントランジスタ16の数である。
【0148】
リング発振器4を使用して、第2プルダウントランジスタ16を流れる電流の大きさを反映した遅延時間Tf16が演算される。
【0149】
以上、発振状態のときのリング発振器4の構成素子の動作について説明した。
【0150】
次に、図9及び10を参照して、リング発振器の第5実施形態について説明する。
【0151】
図9は、リング発振器の一例を示す図である。
【0152】
リング発振器5は、プルアップ素子20の代わりにプルダウン素子21が配置されることがリング発振器4と相違する。
【0153】
図10は、リング発振器5のタイミングチャートである。
【0154】
リング発振器5の周期Tc5から、第2プルアップトランジスタ15が出力信号が立ち上がり遷移するときの遅延時間Tr15が演算される。
【0155】
遅延時間Tr15は、式(5)を用いて演算される。
Tr15 = (Tc5 − (Ti + Tpu))/N (5)
ここで、Tc5はリング発振器5の発振周期であり、TiはNAND素子30及び複数のインバータ素子31及び33の総遅延時間であり、Tpuは複数のプルアップ素子20の総遅延時間である。また、Nは、リング発振器5に含まれる第2プルダウントランジスタ16の数である。
【0156】
リング発振器5を使用して、第2プルアップトランジスタ15を流れる電流の大きさを反映した遅延時間Tr15が演算される。
【0157】
以上、発振状態のときのリング発振器5の構成素子の動作について説明した。
【0158】
次に、図11を参照して、複数のリング発振器が搭載される半導体装置の実施形態について説明する。
【0159】
図11は、リング発振器1〜5が搭載される半導体装置106を示す図である。
【0160】
半導体装置106は、5つのリング発振器1〜5と、論理回路部110と、メモリ回路部120とを有する。
【0161】
論理回路部110は、同一の配置配線規則に基づいて配置される複数の論理回路を有する。メモリ回路部120は、論理回路の配置配線規則よりも間隔が狭い配置配線規則に基づいて配置される複数のSRAMセル10がアレイ状に配置されるSRAMセルアレイ121を有する。SRAMセルアレイ121は、半導体装置106の外部からNウエルのボディー電位、Pウエルのボディー電位及びワード線の電位が調整可能である。
【0162】
リング発振器1〜5のSRAMセル10は、メモリ回路部120のSRAMセルアレイ121に配置されるSRAMセル10と同一の配置配線規則により配置される。リング発振器1〜5のプルアップ素子20、プルダウン素子21、NAND素子30及びインバータ素子31〜33は、論理回路部110の論理回路と同一の配置配線規則により配置される。
【0163】
半導体装置106は、不図示の出力部をさらに有し、リング発振器1〜5のOUT端子から出力される発振信号をそれぞれ出力信号として取り出すことができる。
【0164】
半導体装置106では、リング発振器1〜5の発振周期Tc1〜Tc5に基づいてNウエルのボディー電位、Pウエルのボディー電位及びワード線の電位を調整することができる。例えば、書き込み特性が悪い場合、トランスミッショントランジスタの電流をプルアップトランジスタの電流よりも大きくするように調整する。書き込み特性に加えて読み出し速度も遅い場合、プルアップトランジスタ、プルダウントランジスタの両方のボディ電位をフォワードにする。一方、読み出し速度が速い場合、nMOSトランジスタのボディ電位をフォワードにすると、いわゆる安定性マージンが悪くなり、保持特性が悪化する。このため、読み出し速度が速い場合、ワード線の電位を調整して、トランスミッショントランジスタの電流を逆に少なめにするとともに、pMOSのボディ電位をバックワードにして、プルアップトランジスタプル電流をより少なめにする。
【0165】
リング発振器1〜5はそれぞれ、複数のSRAMセル10の構成素子の1つである測定対象素子と、プルアップ素子20又はプルダウン素子21を含む補償パス回路とがそれぞれ、並列に接続される。プルアップ素子20は、並列に接続されるSRAMセル10の構成素子の出力端子の信号の立ち上がり時に構成素子の出力端子をプルアップする信号駆動素子である。プルダウン素子21は、並列に接続されるSRAMセル10の構成素子の出力端子の信号の立ち下がり時に構成素子の出力端子をプルダウンする信号駆動素子である。
【0166】
リング発振器1〜5はそれぞれ、信号駆動素子を含む補償パス回路を有するので、SRAMセル10の測定対象素子の立ち上がり時の遅延時間と立下り時の遅延時間を分離して測定することができる。このため、リング発振器1〜5の発振周期の測定結果からSRAMセル10のトランスミッショントランジスタとプルアップトランジスタの電流比などを反映した遅延時間を演算することができる。そして、これらの演算結果から、SRAMセル10の特性に即した書き込み動作マージンに対する調整、読み出しタイミング動作マージンに対する調整及び安定性動作マージンに対する調整が可能になる。また、調整によりタイミング不良が回避されるので、より高速なタイミング設定が可能になる。
【0167】
以下、他の実施形態について説明する。
【0168】
本発明の構成は、リング発振器1〜5の構成に限定されるものではない。例えば、リング発振器1及び2のプルアップ素子20をそれぞれ、プルダウン素子21に置換した構成としてもよい。また、例えば、リング発振器3のプルダウン素子21をプルアップ素子20に置換した構成としてもよい。
【0169】
リング発振器1〜5では、複数のSRAMセル10が配置されるが、単数のSRAMセル10のみが配置されてもよい。
【0170】
リング発振器1〜5では、容量36は、SRAMセル10以外の他のSRAMセルと並列に接続されるビット線の寄生容量であるが、トランジスタのジャンクション容量を利用してもよい。容量36を大きくし且つ信号駆動素子であるプルアップ素子20又はプルダウン素子21のトランジスタサイズを大きくすることにより、発振周期に占めるSRAMセル10の構成素子の遅延時間の割合を大きくすることができる。
【0171】
半導体装置106は、SRAMセルアレイ121とリング発振器1〜5とを有するが、リング発振器1〜5は半導体装置が形成されるウエハにそれぞれ1つずつ搭載してもよい。また、半導体装置106では、リング発振器1〜5はそれぞれ制御部40を有するが、単一の制御部によりリング発振器1〜5をそれぞれ制御してもよい。
【0172】
以上、実施形態を説明したが、ここに記載したすべての例や条件は、発明および技術に適用する発明の概念の理解を助ける目的で記載されたものであり、特に記載された例や条件は発明の範囲を制限することを意図するものではなく、明細書のそのような例の構成は発明の利点および欠点を示すものではない。発明の実施形態を詳細に記載したが、各種の変更、置き換え、変形が発明の精神および範囲を逸脱することなく行えることが理解されるべきである。
【符号の説明】
【0173】
1、2、3、4、5 リング発振器
10 SRAMセル
11 第1トランスミッショントランジスタ
12 第2トランスミッショントランジスタ
13 第1プルアップトランジスタ(第3トランジスタ)
14 第1プルダウントランジスタ(第4トランジスタ)
15 第2プルアップトランジスタ(第1トランジスタ)
16 第2プルダウントランジスタ(第2トランジスタ)
20 プルアップ素子
21 プルダウン素子
30 NAND素子
31、32、33 インバータ素子
40 制御部
101、102、103、104、105、106 半導体装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11