(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記パス回路は、前記一方の遷移時にハイインピーダンス状態になり、前記他方の遷移時に前記第2ノードをプルアップするプルアップ素子、又は前記一方の遷移時にハイインピーダンス状態になり、前記他方の遷移時に前記第2ノードをプルダウンするプルダウン素子の何れかの素子を有することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のリング発振器。
【発明を実施するための形態】
【0012】
まず、
図1及び2を参照して、リング発振器の第1実施形態について説明する。
【0013】
図1は、リング発振器の一例を示す図である。
【0014】
リング発振器1は、半導体装置101上に形成され、一部の構成素子がリング発振器1に接続される複数のSRAMセル10と、複数のプルアップ素子20と、NAND素子30と、複数のインバータ素子31〜33を有し、さらに制御部40を有する。
【0015】
SRAMセル10は、6トランジスタ構成のSRAMセルである。SRAMセル10は、第1及び第2トランスミッショントランジスタ11及び12と、第1プルアップトランジスタ及び第1プルダウントランジスタ13及び14と、第2プルアップトランジスタ及び第2プルダウントランジスタ15及び16とを有する。
【0016】
第1及び第2トランスミッショントランジスタ11及び12はそれぞれ、nMOSトランジスタを有する。
【0017】
第1トランスミッショントランジスタ11のゲート端子は、ワード線に接続される。第1トランスミッショントランジスタ11のソース端子は、第1プルアップトランジスタ及び第1プルダウントランジスタ13及び14のドレイン端子と、第2プルアップトランジスタ及び第2プルダウントランジスタ15及び16のゲート端子とに接続される。さらに、第1トランスミッショントランジスタ11のソース端子は、第2トランスミッショントランジスタ12のドレイン端子と、プルアップ素子20のドレイン端子と、インバータ素子33の入力端子とに接続される。さらに、第1トランスミッショントランジスタ11のソース端子は、容量36と接続される。容量36は、SRAMセル10以外の他のSRAMセルと並列に接続されるビット線の寄生容量である。第1トランスミッショントランジスタ11のドレイン端子は、インバータ素子31の出力端子と、インバータ素子32の入力端子とに接続される。
【0018】
第2トランスミッショントランジスタ12のゲート端子は、VSSに接続される。したがって、第2トランスミッショントランジスタ12は、常時オフ状態、すなわち常時アサートされていない。第2トランスミッショントランジスタ12のソース端子は、第1プルアップトランジスタ及び第1プルダウントランジスタ13及び14のゲート端子と、第2プルアップトランジスタ及び第2プルダウントランジスタ15及び16のドレイン端子とに接続される。
【0019】
第1及び第2トランスミッショントランジスタ11及び12では、双方向に電流が流れるため、ソース端子及びドレイン端子を一義的に決定できない。そこで、本明細書では、第1及び第2トランスミッショントランジスタ11及び12のSRAMセル10の構成素子と接続される端子をソース端子と称する。すなわち、第1及び第2プルアップトランジスタ13及び15並びに第1及び第2プルダウントランジスタ14及び16に接続される端子をソース端子と称する。一方、本明細書では、第1及び第2トランスミッショントランジスタ11及び12のSRAMセル10の外部素子と接続される端子をドレイン端子と称する。
【0020】
第1及び第2プルアップトランジスタ13及び15はそれぞれ、pMOSトランジスタを有する。第1及び第2プルアップトランジスタ13及び15のソース端子はそれぞれ、VDDに接続される。
【0021】
第1及び第2プルダウントランジスタ14及び16はそれぞれ、nMOSトランジスタを有する。第1及び第2プルダウントランジスタ14及び16のソース端子はそれぞれ、VSSに接続される。
【0022】
SRAMセルを形成する上述の6つのトランジスタは、複数のプルアップ素子20、複数のNAND素子30、複数のインバータ素子31〜33等の論理回路素子よりも狭い配置配線規則に従って、半導体装置101上に配置配線されている。
【0023】
プルアップ素子20は、pMOSトランジスタを有する。プルアップ素子20を形成するpMOSトランジスタは、動作速度が第1トランスミッショントランジスタ11の動作速度の10倍になるように配置される。
【0024】
プルアップ素子20のゲート端子はインバータ素子32の出力端子に接続され、プルアップ素子20のソース端子はVDDに接続される。プルアップ素子20のドレイン端子は、第1トランスミッショントランジスタ11のソース端子と、インバータ素子33の入力端子とに接続される。さらに、プルアップ素子20のドレイン端子は、第1プルアップトランジスタ及び第1プルダウントランジスタ13及び14のドレイン端子と、第2プルアップトランジスタ及び第2プルダウントランジスタ15及び16のゲート端子とに接続される。
【0025】
プルアップ素子20は、並列に接続される第1トランスミッショントランジスタ11のソース端子の信号の信号レベルをLレベルからHレベルに立ち上げる機能を有する。第1トランスミッショントランジスタ11のドレイン端子、及びインバータ素子31の出力端子の信号レベルが立ち上がり遷移するときに、プルアップ素子20は、Hレベルの信号を第1トランスミッショントランジスタ11のソース端子に供給する。一方、インバータ素子31の出力端子の信号レベルが立ち下がり遷移するときに、プルアップ素子20はオフ状態となり、プルアップ素子20のドレイン端子は、ハイインピーダンス状態になる。
【0026】
NAND素子30の第1入力端子は、制御部40に接続され、NAND素子30の第2入力端子は、最終段のインバータ素子33の出力端子に接続される。NAND素子30の出力端子は、初段のインバータ素子31の入力端子に接続される。
【0027】
NAND素子30の第1入力端子にHレベルの信号が入力されると、リング発振器1は発振状態になり、NAND素子30の第1入力端子にLレベルの信号が入力されると、リング発振器1は発振停止状態になる。
【0028】
NAND素子30の第1入力端子にHレベルの信号が入力されているときに、第2入力端子にLレベルの信号が入力されると、NAND素子30の出力端子は、Hレベルの信号を出力する。一方、NAND素子30の第1入力端子にHレベルの信号が入力されているときに、第2入力端子にHレベルの信号が入力されると、NAND素子30の出力端子は、Lレベルの信号を出力する。リング発振器1では、NAND素子30の出力端子と第2入力端子とがリング接続されているので、第1入力端子にHレベルの信号が入力されるときに、リング発振器1は、接続される素子の遅延速度に応じた周期で発振する。
【0029】
インバータ素子31〜33は、インバータ素子32と33との間に接続されるプルアップ素子20を介して直列接続される。インバータ素子31及び33は、複数のSRAMセル10ごとにそれぞれ、第1トランスミッショントランジスタ11に直列接続される。プルアップ素子20とインバータ素子32とは、複数のSRAMセル10ごとにそれぞれ、第1トランスミッショントランジスタ11に並列接続され、インバータ素子33に立ち上がり信号を出力する補償パス回路として機能する。すなわち、インバータ素子31が立ち下がり信号を出力する場合には、信号は、第1トランスミッショントランジスタ11を介してインバータ素子33に伝播する。一方、インバータ素子31が立ち上がり信号を出力する場合には、信号は、インバータ素子32とプルアップ素子20とを介してインバータ素子33に伝播する。
【0030】
初段のインバータ素子31の入力端子は、NAND素子30の出力端子に接続される。初段のインバータ素子33の出力端子は、2段目のインバータ素子31の入力端子に接続される。以降、前段のインバータ素子33の出力端子は、次段のインバータ素子31の入力端子に接続される。そして、最終段のインバータ素子33の出力端子は、NAND素子30の一方の入力端子に接続される。
【0031】
制御部40は、複数の論理素子を有し、半導体装置101の外部から入力される指令信号に基づいて、リング発振器1を発振状態にする。制御部40は、指令信号を受信すると、ワード線にHレベルの信号を供給し、次いでNAND素子の第1入力端子にHレベルの信号を供給する。
【0032】
次に、発振状態のときのリング発振器1の構成素子の動作について説明する。
【0033】
図2は、リング発振器1のタイミングチャートである。
【0034】
波形〔ENABLE〕は、NAND素子30の第1入力端子に入力されるイネーブル信号の波形である。波形〔ENABLE〕がHレベルのとき、リング発振器1は発振状態になる。
【0035】
波形〔WL〕は、第1トランスミッショントランジスタ11のゲート端子に入力されるワード線信号の波形である。波形〔WL〕がHレベルのとき、第1トランスミッショントランジスタ11はアサートされる。
【0036】
波形〔A〕は、NAND素子30の出力信号の波形である。
【0037】
波形〔B〕は、インバータ素子31の出力信号の波形である。波形〔B〕で示される波形を有する信号は、第1トランスミッショントランジスタ11のドレイン端子に入力される。
【0038】
波形〔C〕は、インバータ素子32の出力信号の波形である。波形〔C〕で示される波形を有する信号は、プルアップ素子20のゲート端子に入力される。
【0039】
波形〔D〕は、第1トランスミッショントランジスタ11のソース端子、及びプルアップ素子20のドレイン端子の信号の波形である。
【0040】
波形〔E〕は、インバータ素子33の出力信号の波形である。波形〔E〕で示される波形を有する信号は、次段のインバータ素子31の入力端子に入力される。
【0041】
波形〔OUT〕は、最終段のインバータ素子33の出力信号の波形である。波形〔OUT〕で示される波形を有する信号は、NAND素子の第2入力端子に入力される。
【0042】
波形〔WL〕に示すように、制御部40は、指令信号を受信すると、ワード線にHレベルの信号を供給する。ワード線にHレベルの信号が供給されることにより、第1トランスミッショントランジスタ11はアサートされる。
【0043】
次いで、波形〔ENABLE〕に示すように、リング発振器1は、NAND素子30の第1入力端子に制御部40からNAND素子30の第1入力端子にHレベルの信号が供給されることにより、発振状態になる。
【0044】
次いで、波形〔A〕に示すように、第1入力端子にHレベルの信号が入力されてから時間Tf
30経過後に、NAND素子30は、Lレベルの信号をインバータ素子31の入力端子に出力する。時間Tf
30は、NAND素子30の立ち下がり遅延時間である。
【0045】
次いで、波形〔B〕に示すように、入力端子にLレベルの信号が入力されてから時間Tr
31経過後に、インバータ素子31は、Hレベルの信号を第1トランスミッショントランジスタ11のドレイン端子とインバータ素子32の入力端子とに出力する。時間Tr
31は、インバータ素子31の立ち上がり遅延時間である。
【0046】
次いで、波形〔C〕に示すように、入力端子にHレベルの信号が入力されてから時間Tf
32経過後に、インバータ素子32は、Lレベルの信号をプルアップ素子20のゲート端子に出力する。時間Tf
32は、インバータ素子32の立ち下がり遅延時間である。
【0047】
次いで、波形〔D〕に示すように、ゲート端子にLレベルの信号が入力されてから時間Tr
20経過後に、プルアップ素子20は、Hレベルの信号を第1トランスミッショントランジスタ11のソース端子とインバータ素子33の入力端子とに出力する。時間Tr
20は、プルアップ素子20の立ち上がり遅延時間である。
【0048】
第1トランスミッショントランジスタ11はアサートされているので、第1トランスミッショントランジスタ11のソース端子は、ドレイン端子にインバータ素子31からHレベルの信号が出力されてから変位を開始する。しかしながら、プルアップ素子20は、第1トランスミッショントランジスタ11よりも高速に動作するように配置されている。このため、第1トランスミッショントランジスタ11のソース端子の信号の立ち上がり遅延時間は、プルアップ素子20のドレイン端子の信号の遷移により決定される。
【0049】
次いで、波形〔E〕に示すように、入力端子にHレベルの信号が入力されてから時間Tf
33経過後に、インバータ素子33は、Lレベルの信号を2段目のインバータ素子31の入力端子に出力する。時間Tf
33は、インバータ素子33の立ち下がり遅延時間である。
【0050】
以降、信号の遷移は、最終段のインバータ素子33まで順に伝播する。そして、波形〔OUT〕に示すように、最終段のインバータ素子33がLレベルをNAND素子30の第2入力端子に出力する。
【0051】
次いで、波形〔A〕に示すように、第2入力端子にHレベルの信号が入力されてから時間Tr
30経過後に、NAND素子30は、Hレベルの信号をインバータ素子31の入力端子に出力する。時間Tr
30は、NAND素子30の立ち上がり遅延時間である。
【0052】
次いで、波形〔B〕に示すように、入力端子にHレベルの信号が入力されてから時間Tf
31経過後に、インバータ素子31は、Lレベルの信号を第1トランスミッショントランジスタ11のドレイン端子とインバータ素子32の入力端子とに出力する。時間Tf
31は、インバータ素子31の立ち下がり遅延時間である。
【0053】
次いで、波形〔C〕に示すように、入力端子にLレベルの信号が入力されてから時間Tr
32経過後に、インバータ素子32は、Hレベルの信号をプルアップ素子20のゲート端子に出力する。時間Tr
32は、インバータ素子32の立ち上がり遅延時間である。
【0054】
プルアップ素子20のゲート端子にHレベルの信号が入力されると、プルアップ素子20は、オフ状態になるので、プルアップ素子20のドレイン端子の信号は、Hレベルに維持される。
【0055】
次いで、波形〔D〕に示すように、第1トランスミッショントランジスタ11のドレイン端子にLレベルの信号が入力されてから時間Tf
11経過後に、第1トランスミッショントランジスタ11のソース端子の信号は、立ち下がり遷移する。時間Tf
11は、第1トランスミッショントランジスタ11のソース端子の信号が立ち下がり遷移するときの遅延時間である。
【0056】
次いで、波形〔E〕に示すように、入力端子にLレベルの信号が入力されてから時間Tr
33経過後に、インバータ素子33は、Hレベルの信号を2段目のインバータ素子31の入力端子に出力する。時間Tr
33は、インバータ素子33の立ち上がり遅延時間である。
【0057】
そして、最終段のインバータ素子33まで伝播して、波形〔OUT〕に示すように、最終段のインバータ素子33がHレベルをNAND素子30の第2入力端子に出力する。時間Tc
1は、リング発振器1の発振周期である。
【0058】
以上、発振状態のときのリング発振器1の構成素子の動作について説明した。
【0059】
リング発振器1の発振周期Tc
1から第1トランスミッショントランジスタ11のソース端子の信号が立ち下がり遷移するときの遅延時間Tf
11を演算する方法の一例について説明する。
【0060】
まず、リング発振器1の発振周期Tc
1を決定する。リング発振器1の発振周期Tc
1は、オシロスコープの表示画面に表示される発振波形から決定する。
【0061】
次いで、NAND素子30及び複数のインバータ素子31〜33の総遅延時間Tiを決定する。NAND素子30及び複数のインバータ素子31〜33の総遅延時間Tiは、リング発振器1が有するインバータ素子31〜33の数と同数のインバータ素子31〜33を有する不図示のリング発振器の発振周期から決定される。
【0062】
次いで、複数のプルアップ素子20の総遅延時間Tpuを決定する。複数のプルアップ素子20の総遅延時間Tpuは、トランジスタサイズが異なるプルアップ素子を有する少なくとも2つの不図示のリング発振器の発振周期から決定される。例えば、遅延時間Tpuは、プルアップ素子20と同一のトランジスタサイズを有するリング発振器の発振周期と、プルアップ素子20の2倍のトランジスタサイズを有するプルアップ素子を有するリング発振器の発振周期とを比較することにより決定される。
【0063】
そして、決定されたリング発振器1の発振周期Tc
1、複数のインバータ素子31〜33の総遅延時間Ti、及び複数のプルアップ素子20の総遅延時間Tpuから式(1)を使用して遅延時間Tf
11を演算する。
Tf
11 = (Tc
1 − (Ti + Tpu))/N (1)
ここで、Nは、リング発振器1に含まれる第1トランスミッショントランジスタ11の数である。
【0064】
リング発振器1を使用して、第1トランスミッショントランジスタ11と第1プルアップトランジスタ13との電流駆動能力の比を反映した遅延時間Tf
11が演算される。
【0065】
リング発振器1では、SRAMセル10を形成する全ての構成素子を通る経路ではなく、SRAMセル10を形成する構成素子の1つである第1トランスミッショントランジスタ11のドレイン端子とソース端子との間の経路を通ってバイパス出力される。このため、SRAMセル10の構成素子の1つである測定対象の第1トランスミッショントランジスタ11の遅延時間を測定できる。
【0066】
さらに、第1トランスミッショントランジスタ11に並列に接続されるプルアップ素子20とインバータ素子32とは第1トランスミッショントランジスタ11の補償パス回路としての機能を有する。すなわち、第1トランスミッショントランジスタ11のドレイン端子に立ち上がり遷移する信号が印加されたときには、第1トランスミッショントランジスタ11の立ち上がり遅延時間Tr
11が経過する前にプルアップ素子20がオンする。これにより、リング発振器1の発振周期Tc
1には、第1トランスミッショントランジスタ11の立ち上がり遅延時間Tr
11の代わりにプルアップ素子20の立ち上がり遅延時間Tr
20が含まれることになる。このため、リング発振器1では、第1トランスミッショントランジスタ11の立ち下がり遅延時間Tf
11は、第1トランスミッショントランジスタ11の立ち上がり遅延時間Tr
11から分離して演算できる。
【0067】
以上、リング発振器の第1実施形態について説明した。
【0068】
次に、
図3及び4を参照して、リング発振器の第2実施形態について説明する。
【0069】
図3は、リング発振器の一例を示す図である。
【0070】
リング発振器2は、半導体装置102上に形成され、一部の構成素子がリング発振器2に接続される偶数個のSRAMセル10と、偶数個のプルアップ素子20と、NAND素子30と、偶数個のインバータ素子31及び33とを有する。さらに、リング発振器2は、制御部40を有する。
【0071】
第1トランスミッショントランジスタ11のゲート端子は、VSSに接続され、第1トランスミッショントランジスタ11は、常時オフ状態になる。第1トランスミッショントランジスタ11のソース端子は、インバータ素子31の出力端子に接続される。第1トランスミッショントランジスタ11のドレイン端子は、開放状態にされる。
【0072】
第2トランスミッショントランジスタ12のゲート端子は、ワード線に接続される。第2トランスミッショントランジスタ12のドレイン端子は、インバータ素子33の入力端子に接続される。
【0073】
インバータ素子31の出力端子は、第1トランスミッショントランジスタ11のソース端子、及びプルアップ素子20のゲート端子に接続される。さらに、インバータ素子31の出力端子は、第1プルアップトランジスタ及び第1プルダウントランジスタ13及び14のドレイン端子、並びに第2プルアップトランジスタ及び第2プルダウントランジスタ15及び16のゲート端子に接続される。
【0074】
プルアップ素子20のドレイン端子は、第2トランスミッショントランジスタ12のドレイン端子、及びインバータ素子33の入力端子に接続される。
【0075】
したがって、第1プルアップトランジスタ及び第1プルダウントランジスタ13及び14、第2プルアップトランジスタ及び第2プルダウントランジスタ15及び16、並び第2トランスミッショントランジスタ12は、プルアップ素子20に並列接続される。
【0076】
プルアップ素子20は、並列に接続される第2トランスミッショントランジスタ12のソース端子の信号の信号レベルをLレベルからHレベルに立ち上げる機能を有する。
【0077】
次に、発振状態のときのリング発振器2の構成素子の動作について説明する。
【0078】
図4は、リング発振器2のタイミングチャートである。
【0079】
波形〔WL〕に示すように、制御部40は、指令信号を受信すると、ワード線にHレベルの信号を供給する。ワード線にHレベルの信号が供給されることにより、第2トランスミッショントランジスタ12はアサートされる。
【0080】
次いで、波形〔ENABLE〕に示すように、リング発振器2は、NAND素子30の第1入力端子に制御部40からNAND素子30の第1入力端子にHレベルの信号が供給されることにより、発振状態になる。
【0081】
次いで、波形〔A〕に示すように、第1入力端子にHレベルの信号が入力されてから時間Tf
30経過後に、NAND素子30は、Lレベルの信号をインバータ素子31の入力端子に出力する。時間Tf
30は、NAND素子30の立ち下がり遅延時間である。
【0082】
次いで、波形〔B〕に示すように、入力端子にLレベルの信号が入力されてから時間Tr
31経過後に、インバータ素子31は、Hレベルの信号を第2プルダウントランジスタ16のゲート端子、及びプルアップ素子20のゲート端子等に出力する。時間Tr
31は、インバータ素子31の立ち上がり遅延時間である。
【0083】
次いで、波形〔C〕に示すように、入力端子にHレベルの信号が入力されてから時間Tf
16経過後に、第2プルダウントランジスタ16のドレイン端子の信号は、Lレベルの信号になる。時間Tf
16は、第2プルダウントランジスタ16のドレイン端子の信号が立ち下がり遷移するときの遅延時間である。第2プルダウントランジスタ16のドレイン端子の信号は、第2トランスミッショントランジスタ12のソース端子の信号と等価である。
【0084】
次いで、波形〔D〕に示すように、第2トランスミッショントランジスタ12のソース端子の信号がLレベルになってから時間Tf
12経過後に、第2トランスミッショントランジスタ12のドレイン端子の信号は、Lレベルの信号になる。時間Tf
12は、第2トランスミッショントランジスタ12の立ち下がり遅延時間である。第2トランスミッショントランジスタ12のドレイン端子の信号は、インバータ素子33の入力端子の信号と等価である。
【0085】
次いで、波形〔E〕に示すように、入力端子にLレベルの信号が入力されてから時間Tr
33経過後に、インバータ素子33は、Hレベルの信号を2段目のインバータ素子31の入力端子に出力する。時間Tr
33は、インバータ素子33の立ち下がり遅延時間である。
【0086】
以降、信号の遷移は、最終段のインバータ素子33まで順に伝播する。そして、波形〔OUT〕に示すように、最終段のインバータ素子33がLレベルをNAND素子30の第2入力端子に出力する。
【0087】
次いで、波形〔A〕に示すように、第2入力端子にHレベルの信号が入力されてから時間Tr
30経過後に、NAND素子30は、Hレベルの信号をインバータ素子31の入力端子に出力する。時間Tr
30は、NAND素子30の立ち上がり遅延時間である。
【0088】
次いで、波形〔B〕に示すように、入力端子にHレベルの信号が入力されてから時間Tf
31経過後に、インバータ素子31は、Lレベルの信号を第2プルダウントランジスタ16のゲート端子、及びプルアップ素子20のゲート端子等に出力する。時間Tf
31は、インバータ素子31の立ち下がり遅延時間である。
【0089】
次いで、波形〔D〕に示すように、ゲート端子にLレベルの信号が入力されてから時間Tr
20経過後に、プルアップ素子20はオン状態になり、プルアップ素子20のソース端子は、Hレベルになる。時間Tr
20は、プルアップ素子20の立ち上がり遅延時間である。
【0090】
プルアップ素子20のソース端子がHレベルになると、第2トランスミッショントランジスタ12のドレイン端子及びインバータ素子33の入力端子はHレベルになる。
【0091】
次いで、波形〔E〕に示すように、入力端子にLレベルの信号が入力されてから時間Tr
33経過後に、インバータ素子33は、Hレベルの信号を2段目のインバータ素子31の入力端子に出力する。時間Tr
33は、インバータ素子33の立ち上がり遅延時間である。
【0092】
そして、最終段のインバータ素子33まで伝播して、波形〔OUT〕に示すように、最終段のインバータ素子33がHレベルをNAND素子30の第2入力端子に出力する。時間Tc
2は、リング発振器2の発振周期である。
【0093】
遅延時間Tf
16とTf
12との和Tf
16+12は、式(2)を用いて演算される。
Tf
16+12 = (Tc
2 − (Ti + Tpu))/N (2)
ここで、Tc
2はリング発振器2の発振周期であり、TiはNAND素子30及び複数のインバータ素子31及び33の総遅延時間であり、Tpuは複数のプルアップ素子20の総遅延時間である。また、Nは、リング発振器2に含まれる第2プルダウントランジスタ16及び第2トランスミッショントランジスタ12の数である。
【0094】
リング発振器2を使用して、第2トランスミッショントランジスタ12と第2プルダウントランジスタ16とを流れる電流、すなわち読み出し電流の大きさを反映した遅延時間Tf
16+12が演算される。
【0095】
以上、発振状態のときのリング発振器2の構成素子の動作について説明した。
【0096】
次に、
図5及び6を参照して、リング発振器の第3実施形態について説明する。
【0097】
図5は、リング発振器の一例を示す図である。
【0098】
リング発振器3は、半導体装置103上に形成され、一部の構成素子がリング発振器3に接続される偶数個のSRAMセル10と、偶数個のプルダウン素子21と、NAND素子30と、偶数個のインバータ素子31及び33とを有する。さらに、リング発振器2は、制御部40を有する。
【0099】
第1トランスミッショントランジスタ11のゲート端子は、ワード線に接続される。第2トランスミッショントランジスタ11のドレイン端子は、インバータ素子31の出力端子に接続される。
【0100】
第2トランスミッショントランジスタ12のゲート端子は、VSSに接続され、第1トランスミッショントランジスタ12は、常時オフ状態になる。第2トランスミッショントランジスタ12のソース端子及びドレイン端子は、インバータ素子33の入力端子に接続される。
【0101】
インバータ素子31の出力端子は、第1トランスミッショントランジスタ11のドレイン端子及びプルダウン素子21のゲート端子に接続される。
【0102】
プルダウン素子21のドレイン端子は、インバータ素子33の入力端子、及び第2トランスミッショントランジスタ12のドレイン端子に接続される。さらに、プルダウン素子21のドレイン端子は、第1プルアップトランジスタ及び第1プルダウントランジスタ13及び14のゲート端子、並びに第2プルアップトランジスタ及び第2プルダウントランジスタ15及び16のドレイン端子に接続される。
【0103】
したがって、第1トランスミッショントランジスタ11、第1プルアップトランジスタ及び第1プルダウントランジスタ13及び14、並び第2プルアップトランジスタ及び第2プルダウントランジスタ15及び16は、プルダウン素子21に並列接続される。
【0104】
プルダウン素子21は、並列に接続される第2トランスミッショントランジスタ12のソース端子の信号の信号レベルをHレベルからLレベルに立ち下げる機能を有する。
【0105】
次に、発振状態のときのリング発振器3の構成素子の動作について説明する。
【0106】
図6は、リング発振器3のタイミングチャートである。
【0107】
波形〔WL〕に示すように、制御部40は、指令信号を受信すると、ワード線にHレベルの信号を供給する。ワード線にHレベルの信号が供給されることにより、第1トランスミッショントランジスタ11はアサートされる。
【0108】
次いで、波形〔ENABLE〕に示すように、リング発振器3は、NAND素子30の第1入力端子に制御部40からNAND素子30の第1入力端子にHレベルの信号が供給されることにより、発振状態になる。
【0109】
次いで、波形〔A〕に示すように、第1入力端子にHレベルの信号が入力されてから時間Tf
30経過後に、NAND素子30は、Lレベルの信号をインバータ素子31の入力端子に出力する。時間Tf
30は、NAND素子30の立ち下がり遅延時間である。
【0110】
次いで、波形〔B〕に示すように、入力端子にLレベルの信号が入力されてから時間Tr
31経過後に、インバータ素子31は、Hレベルの信号を第2プルダウントランジスタ16のゲート端子、及びプルアップ素子20のゲート端子等に出力する。時間Tr
31は、インバータ素子31の立ち上がり遅延時間である。
【0111】
次いで、波形〔C〕に示すように、入力端子にHレベルの信号が入力されてから時間Tf
16経過後に、第2プルダウントランジスタ16のドレイン端子の信号は、Lレベルの信号になる。時間Tf
16は、第2プルダウントランジスタ16のドレイン端子の信号が立ち下がり遷移するときの遅延時間である。第2プルダウントランジスタ16のドレイン端子の信号は、第2トランスミッショントランジスタ12のソース端子の信号と等価である。
【0112】
次いで、波形〔D〕に示すように、第2トランスミッショントランジスタ12のソース端子の信号がLレベルになってから時間Tf
12経過後に、第2トランスミッショントランジスタ12のドレイン端子の信号は、Lレベルの信号になる。時間Tf
12は、第2トランスミッショントランジスタ12の立ち下がり遅延時間である。第2トランスミッショントランジスタ12のドレイン端子の信号は、インバータ素子33の入力端子の信号と等価である。
【0113】
次いで、波形〔E〕に示すように、入力端子にLレベルの信号が入力されてから時間Tr
33経過後に、インバータ素子33は、Hレベルの信号を2段目のインバータ素子31の入力端子に出力する。時間Tr
33は、インバータ素子33の立ち下がり遅延時間である。
【0114】
以降、信号の遷移は、最終段のインバータ素子33まで順に伝播する。そして、波形〔OUT〕に示すように、最終段のインバータ素子33がLレベルをNAND素子30の第2入力端子に出力する。
【0115】
次いで、波形〔A〕に示すように、第2入力端子にHレベルの信号が入力されてから時間Tr
30経過後に、NAND素子30は、Hレベルの信号をインバータ素子31の入力端子に出力する。時間Tr
30は、NAND素子30の立ち上がり遅延時間である。
【0116】
次いで、波形〔B〕に示すように、入力端子にHレベルの信号が入力されてから時間Tf
31経過後に、インバータ素子31は、Lレベルの信号を第2プルダウントランジスタ16のゲート端子、及びプルアップ素子20のゲート端子等に出力する。時間Tf
31は、インバータ素子31の立ち下がり遅延時間である。
【0117】
次いで、波形〔D〕に示すように、ゲート端子にLレベルの信号が入力されてから時間Tr
20経過後に、プルアップ素子20はオン状態になり、プルアップ素子20のソース端子は、Hレベルになる。時間Tr
20は、プルアップ素子20の立ち上がり遅延時間である。
【0118】
プルアップ素子20のソース端子がHレベルになると、第2トランスミッショントランジスタ12のドレイン端子及びインバータ素子33の入力端子はHレベルになる。
【0119】
次いで、波形〔E〕に示すように、入力端子にLレベルの信号が入力されてから時間Tr
33経過後に、インバータ素子33は、Hレベルの信号を2段目のインバータ素子31の入力端子に出力する。時間Tr
33は、インバータ素子33の立ち上がり遅延時間である。
【0120】
そして、最終段のインバータ素子33まで伝播して、波形〔OUT〕に示すように、最終段のインバータ素子33がHレベルをNAND素子30の第2入力端子に出力する。時間Tc
3は、リング発振器3の発振周期である。
【0121】
遅延時間Tr
11とTr
15との和Tr
11+15は、式(3)を用いて演算される。
Tr
11+15 = (Tc
3 − (Ti + Tpu))/N (3)
ここで、Tc
3はリング発振器3の発振周期であり、TiはNAND素子30及び複数のインバータ素子31及び33の総遅延時間であり、Tpuは複数のプルアップ素子20の総遅延時間である。また、Nは、リング発振器3に含まれる第1トランスミッショントランジスタ11及び第1プルダウントランジスタ15の数である。
【0122】
リング発振器3を使用して、第1トランスミッショントランジスタ11と第2プルアップトランジスタ15とを流れる電流の大きさを反映した遅延時間Tr
11+15が演算される。
【0123】
以上、発振状態のときのリング発振器3の構成素子の動作について説明した。
【0124】
次に、
図7及び8を参照して、リング発振器の第4実施形態について説明する。
【0125】
図7は、リング発振器の一例を示す図である。
【0126】
リング発振器4は、半導体装置104上に形成され、一部の構成素子がリング発振器4に接続される偶数個のSRAMセル10と、偶数個のプルアップ素子20と、NAND素子30と、偶数個のインバータ素子31及び33とを有する。さらに、リング発振器2は、制御部40を有する。
【0127】
第1トランスミッショントランジスタ11のゲート端子は、VDDに接続され、第1トランスミッショントランジスタ11は、常時オフ状態になる。第1トランスミッショントランジスタ11のドレイン端子は、開放される。
【0128】
第2トランスミッショントランジスタ12のゲート端子は、VSSに接続され、第2トランスミッショントランジスタ12は、常時オフ状態になる。第2トランスミッショントランジスタ12のソース端子及びドレイン端子は、インバータ素子33の入力端子に接続される。
【0129】
インバータ素子31の出力端子は、第1トランスミッショントランジスタ11のソース端子、及びプルアップ素子20のゲート端子に接続される。さらに、インバータ素子31の出力端子は、第1プルアップトランジスタ及び第1プルダウントランジスタ13及び14のドレイン端子、並びに第2プルアップトランジスタ及び第2プルダウントランジスタ15及び16のゲート端子に接続される。
【0130】
プルアップ素子20のドレイン端子は、インバータ素子33の入力端子、及び第2トランスミッショントランジスタ12のドレイン端子に接続される。さらに、プルダウン素子21のドレイン端子は、第1プルアップトランジスタ及び第1プルダウントランジスタ13及び14のゲート端子、並びに第2プルアップトランジスタ及び第2プルダウントランジスタ15及び16のドレイン端子に接続される。
【0131】
したがって、第1プルアップトランジスタ及び第1プルダウントランジスタ13及び14、並び第2プルアップトランジスタ及び第2プルダウントランジスタ15及び16は、プルアップ素子20に並列接続される。
【0132】
プルアップ素子20は、並列に接続される第2プルアップトランジスタ15のソース端子の信号の信号レベルをHレベルからLレベルに立ち下げる機能を有する。
【0133】
次に、発振状態のときのリング発振器4の構成素子の動作について説明する。
【0134】
図8は、リング発振器4のタイミングチャートである。
【0135】
波形〔ENABLE〕に示すように、リング発振器4は、NAND素子30の第1入力端子に制御部40からNAND素子30の第1入力端子にHレベルの信号が供給されることにより、発振状態になる。
【0136】
次いで、波形〔A〕に示すように、第1入力端子にHレベルの信号が入力されてから時間Tf
30経過後に、NAND素子30は、Lレベルの信号をインバータ素子31の入力端子に出力する。時間Tf
30は、NAND素子30の立ち下がり遅延時間である。
【0137】
次いで、波形〔B〕に示すように、入力端子にLレベルの信号が入力されてから時間Tr
31経過後に、インバータ素子31は、Hレベルの信号を第2プルダウントランジスタ16のゲート端子、及びプルアップ素子20のゲート端子等に出力する。時間Tr
31は、インバータ素子31の立ち上がり遅延時間である。
【0138】
次いで、波形〔C〕に示すように、入力端子にHレベルの信号が入力されてから時間Tf
16経過後に、第2プルダウントランジスタ16のドレイン端子の信号は、Lレベルの信号になる。時間Tf
16は、第2プルダウントランジスタ16のドレイン端子の信号が立ち下がり遷移するときの遅延時間である。第2プルダウントランジスタ16のドレイン端子の信号は、インバータ素子33の入力端子の信号と等価である。
【0139】
次いで、波形〔D〕に示すように、入力端子にLレベルの信号が入力されてから時間Tr
33経過後に、インバータ素子33は、Hレベルの信号を2段目のインバータ素子31の入力端子に出力する。時間Tr
33は、インバータ素子33の立ち下がり遅延時間である。
【0140】
以降、信号の遷移は、最終段のインバータ素子33まで順に伝播する。そして、波形〔OUT〕に示すように、最終段のインバータ素子33がLレベルをNAND素子30の第2入力端子に出力する。
【0141】
次いで、波形〔A〕に示すように、第2入力端子にHレベルの信号が入力されてから時間Tr
30経過後に、NAND素子30は、Hレベルの信号をインバータ素子31の入力端子に出力する。時間Tr
30は、NAND素子30の立ち上がり遅延時間である。
【0142】
次いで、波形〔B〕に示すように、入力端子にHレベルの信号が入力されてから時間Tf
31経過後に、インバータ素子31は、Lレベルの信号を第2プルダウントランジスタ16のゲート端子、及びプルアップ素子20のゲート端子等に出力する。時間Tf
31は、インバータ素子31の立ち下がり遅延時間である。
【0143】
次いで、波形〔C〕に示すように、ゲート端子にLレベルの信号が入力されてから時間Tr
20経過後に、プルアップ素子20はオン状態になり、プルアップ素子20のソース端子は、Hレベルになる。時間Tr
20は、プルアップ素子20の立ち上がり遅延時間である。
【0144】
プルアップ素子20のソース端子がHレベルになると、第2トランスミッショントランジスタ12のドレイン端子及びインバータ素子33の入力端子はHレベルになる。
【0145】
次いで、波形〔D〕に示すように、入力端子にLレベルの信号が入力されてから時間Tr
33経過後に、インバータ素子33は、Hレベルの信号を2段目のインバータ素子31の入力端子に出力する。時間Tr
33は、インバータ素子33の立ち上がり遅延時間である。
【0146】
そして、最終段のインバータ素子33まで伝播して、波形〔OUT〕に示すように、最終段のインバータ素子33がHレベルをNAND素子30の第2入力端子に出力する。時間Tc
4は、リング発振器4の発振周期である。
【0147】
遅延時間Tf
16は、式(4)を用いて演算される。
Tf
16 = (Tc
4 − (Ti + Tpu))/N (4)
ここで、Tc
4はリング発振器4の発振周期であり、TiはNAND素子30及び複数のインバータ素子31及び33の総遅延時間であり、Tpuは複数のプルアップ素子20の総遅延時間である。また、Nは、リング発振器4に含まれる第2プルダウントランジスタ16の数である。
【0148】
リング発振器4を使用して、第2プルダウントランジスタ16を流れる電流の大きさを反映した遅延時間Tf
16が演算される。
【0149】
以上、発振状態のときのリング発振器4の構成素子の動作について説明した。
【0150】
次に、
図9及び10を参照して、リング発振器の第5実施形態について説明する。
【0151】
図9は、リング発振器の一例を示す図である。
【0152】
リング発振器5は、プルアップ素子20の代わりにプルダウン素子21が配置されることがリング発振器4と相違する。
【0153】
図10は、リング発振器5のタイミングチャートである。
【0154】
リング発振器5の周期Tc
5から、第2プルアップトランジスタ15が出力信号が立ち上がり遷移するときの遅延時間Tr
15が演算される。
【0155】
遅延時間Tr
15は、式(5)を用いて演算される。
Tr
15 = (Tc
5 − (Ti + Tpu))/N (5)
ここで、Tc
5はリング発振器5の発振周期であり、TiはNAND素子30及び複数のインバータ素子31及び33の総遅延時間であり、Tpuは複数のプルアップ素子20の総遅延時間である。また、Nは、リング発振器5に含まれる第2プルダウントランジスタ16の数である。
【0156】
リング発振器5を使用して、第2プルアップトランジスタ15を流れる電流の大きさを反映した遅延時間Tr
15が演算される。
【0157】
以上、発振状態のときのリング発振器5の構成素子の動作について説明した。
【0158】
次に、
図11を参照して、複数のリング発振器が搭載される半導体装置の実施形態について説明する。
【0159】
図11は、リング発振器1〜5が搭載される半導体装置106を示す図である。
【0160】
半導体装置106は、5つのリング発振器1〜5と、論理回路部110と、メモリ回路部120とを有する。
【0161】
論理回路部110は、同一の配置配線規則に基づいて配置される複数の論理回路を有する。メモリ回路部120は、論理回路の配置配線規則よりも間隔が狭い配置配線規則に基づいて配置される複数のSRAMセル10がアレイ状に配置されるSRAMセルアレイ121を有する。SRAMセルアレイ121は、半導体装置106の外部からNウエルのボディー電位、Pウエルのボディー電位及びワード線の電位が調整可能である。
【0162】
リング発振器1〜5のSRAMセル10は、メモリ回路部120のSRAMセルアレイ121に配置されるSRAMセル10と同一の配置配線規則により配置される。リング発振器1〜5のプルアップ素子20、プルダウン素子21、NAND素子30及びインバータ素子31〜33は、論理回路部110の論理回路と同一の配置配線規則により配置される。
【0163】
半導体装置106は、不図示の出力部をさらに有し、リング発振器1〜5のOUT端子から出力される発振信号をそれぞれ出力信号として取り出すことができる。
【0164】
半導体装置106では、リング発振器1〜5の発振周期Tc
1〜Tc
5に基づいてNウエルのボディー電位、Pウエルのボディー電位及びワード線の電位を調整することができる。例えば、書き込み特性が悪い場合、トランスミッショントランジスタの電流をプルアップトランジスタの電流よりも大きくするように調整する。書き込み特性に加えて読み出し速度も遅い場合、プルアップトランジスタ、プルダウントランジスタの両方のボディ電位をフォワードにする。一方、読み出し速度が速い場合、nMOSトランジスタのボディ電位をフォワードにすると、いわゆる安定性マージンが悪くなり、保持特性が悪化する。このため、読み出し速度が速い場合、ワード線の電位を調整して、トランスミッショントランジスタの電流を逆に少なめにするとともに、pMOSのボディ電位をバックワードにして、プルアップトランジスタプル電流をより少なめにする。
【0165】
リング発振器1〜5はそれぞれ、複数のSRAMセル10の構成素子の1つである測定対象素子と、プルアップ素子20又はプルダウン素子21を含む補償パス回路とがそれぞれ、並列に接続される。プルアップ素子20は、並列に接続されるSRAMセル10の構成素子の出力端子の信号の立ち上がり時に構成素子の出力端子をプルアップする信号駆動素子である。プルダウン素子21は、並列に接続されるSRAMセル10の構成素子の出力端子の信号の立ち下がり時に構成素子の出力端子をプルダウンする信号駆動素子である。
【0166】
リング発振器1〜5はそれぞれ、信号駆動素子を含む補償パス回路を有するので、SRAMセル10の測定対象素子の立ち上がり時の遅延時間と立下り時の遅延時間を分離して測定することができる。このため、リング発振器1〜5の発振周期の測定結果からSRAMセル10のトランスミッショントランジスタとプルアップトランジスタの電流比などを反映した遅延時間を演算することができる。そして、これらの演算結果から、SRAMセル10の特性に即した書き込み動作マージンに対する調整、読み出しタイミング動作マージンに対する調整及び安定性動作マージンに対する調整が可能になる。また、調整によりタイミング不良が回避されるので、より高速なタイミング設定が可能になる。
【0167】
以下、他の実施形態について説明する。
【0168】
本発明の構成は、リング発振器1〜5の構成に限定されるものではない。例えば、リング発振器1及び2のプルアップ素子20をそれぞれ、プルダウン素子21に置換した構成としてもよい。また、例えば、リング発振器3のプルダウン素子21をプルアップ素子20に置換した構成としてもよい。
【0169】
リング発振器1〜5では、複数のSRAMセル10が配置されるが、単数のSRAMセル10のみが配置されてもよい。
【0170】
リング発振器1〜5では、容量36は、SRAMセル10以外の他のSRAMセルと並列に接続されるビット線の寄生容量であるが、トランジスタのジャンクション容量を利用してもよい。容量36を大きくし且つ信号駆動素子であるプルアップ素子20又はプルダウン素子21のトランジスタサイズを大きくすることにより、発振周期に占めるSRAMセル10の構成素子の遅延時間の割合を大きくすることができる。
【0171】
半導体装置106は、SRAMセルアレイ121とリング発振器1〜5とを有するが、リング発振器1〜5は半導体装置が形成されるウエハにそれぞれ1つずつ搭載してもよい。また、半導体装置106では、リング発振器1〜5はそれぞれ制御部40を有するが、単一の制御部によりリング発振器1〜5をそれぞれ制御してもよい。
【0172】
以上、実施形態を説明したが、ここに記載したすべての例や条件は、発明および技術に適用する発明の概念の理解を助ける目的で記載されたものであり、特に記載された例や条件は発明の範囲を制限することを意図するものではなく、明細書のそのような例の構成は発明の利点および欠点を示すものではない。発明の実施形態を詳細に記載したが、各種の変更、置き換え、変形が発明の精神および範囲を逸脱することなく行えることが理解されるべきである。