(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
副走査方向に沿って光源部を移動させつつ、当該光源部からの光を静止状態の原稿に照射し、当該原稿にて反射された光を撮像手段によって受光することにより当該原稿の画像を読み取る移動光学方式と、透光性部材の下方の位置で前記光源部を静止させた状態で、当該光源部から発せられる光を、前記透光性部材上を通過する原稿に照射して、その反射光を前記撮像手段によって受光することにより当該原稿の画像を読み取るシートスルー方式と、を切り替えて実行可能な画像読取装置であって、
前記透光性部材の上方に、主走査方向に平行な回転軸を中心として回転可能に配置されており、前記透光性部材上を通過する原稿を案内する外周面を有する回転体と、
前記回転体の外周面に設けられた光学的に読み取り可能なマークと、
前記回転体の回転角度を検出する角度検出手段と、
原稿画像の読み取りが実行されないときに、前記回転体を回転させて、静止状態の前記光源部から発せられた光の前記マークからの反射光が前記撮像手段によって検出された時点における前記角度検出手段にて検出された回転角度に基づいて、静止状態の前記光源部の副走査方向位置を特定し、その後に原稿の読み取り動作を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする画像読取装置。
前記制御手段は、静止状態の前記光源部が、前記透光性部材の下方における所定範囲内に位置することが特定された場合には、その後、シートスルー方式では前記光源部が特定された位置に置かれた状態で原稿画像の読み取り動作を実行し、移動光学方式では特定された位置から前記光源部の移動を開始して読み取り動作を実行することを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
前記制御手段は、前記光源部が、前記所定範囲内における基準位置に存することが特定された場合に、その後の原稿画像の読み取り動作の実行時に、所定のタイミングで前記撮像手段による読み取りを開始し、前記基準位置からずれている場合には、そのずれに基づいて、前記撮像手段による読み取りの開始タイミングを補正することを特徴とする請求項2に記載の画像読取装置。
前記制御手段は、前記撮像手段により前記マークが検出されない場合に、前記回転体を、前記光源部が基準位置にあるとすれば前記撮像手段により前記マークが検出されるべき回転位置に位置させた状態で、前記光源部を点灯状態で副走査方向に移動させて、前記撮像手段によって前記マークが検出された時点における前記光源部の位置に基づいて前記光源部を前記基準位置に停止させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像読取装置。
前記制御手段は、原稿の画像の読み取りが指示された場合に前記光源部の位置を特定する処理を実行することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像読取装置。
前記回転体には、当該回転体の回転によって前記透光性部材の上面を摺動して清掃する清掃部材が設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の画像読取装置。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、本発明の実施形態に係るMFP(Multi Function Peripheral)装置の構成を説明するための模式図である。
図1に示すように、MFP装置は、原稿の画像を読み取る画像読取装置Aと、電子写真方式によってトナー画像を形成する画像形成本体Bとを備えている。
画像読取装置Aは、画像形成本体B上に設けられた画像読取ユニット(画像読取機構)10と、画像読取ユニット10上に設けられたADFユニット(自動原稿搬送装置)40とを有している。
【0020】
画像読取ユニット10の上面には、長手方向が主走査方向(MFP装置の正面側から背面側方向)に沿った細長い帯板状の第1原稿ガラス(透光性部材)13と、当該第1原稿ガラス13の正面から背面側に向って右側(以下、単に「右側」とし、反対側を「左側」とする)に所定の間隔をあけて配置された平板状の第2原稿ガラス(透光性部材:原稿載置ガラス)16とが設けられている。
【0021】
画像読取ユニット10は、ADFユニット40によって搬送される原稿の画像を読み取るシートスルー方式と、第2原稿ガラス16上にユーザーが載置した原稿の画像を読み取る移動光学方式との両方によって、原稿の画像を読み取ることが可能になっている。
ADFユニット40は、原稿給紙トレイ41に載置された原稿を、1枚ずつ、画像読取ユニット10の第1原稿ガラス13上へ向けて搬送して、第1原稿ガラス13上を通過させる。画像読取ユニット10は、ADFユニット40によって第1原稿ガラス13上を通過する原稿の画像を読み取ってその原稿の画像データを生成する。また、画像読取ユニット10は、第2原稿ガラス16上に原稿が載置された場合には、その原稿の画像を読み取って、その原稿の画像データを生成する。
【0022】
<画像形成本体>
画像形成本体Bは、画像読取ユニット10によって生成された原稿の画像データに基づいて、記録シートS上にトナー画像を形成する。なお、画像形成本体Bは、外部の端末装置から送信される画像データに基づいて記録シートS上にトナー画像を形成することも可能である。
【0023】
図1に示すように、画像形成本体Bは、上部に設けられた画像形成部20と、下部に設けられた給紙部30とを、有している。
画像形成部20は、画像形成本体Bの上下方向のほぼ中央部に周回移動可能に配置された中間転写ベルト25を有している。中間転写ベルト25は、上側のベルト走行部が矢印Xで示す方向に移動し、下側のベルト走行部が矢印Xとは反対方向にほぼ水平な状態で移動する。
【0024】
中間転写ベルト25における下側のベルト走行部の下方には、プロセスユニット20Y、20M、20C、20Kが、下側のベルト走行部の走行方向に沿って順番に配置されている。
各プロセスユニット20Y、20M、20C、20Kには、中間転写ベルト25における下側のベルト走行部の下方に、感光体ドラム21Y、21M、21C、21Kがそれぞれ設けられている。各感光体ドラム21Y、21M、21C、21Kは、中間転写ベルト25における下側のベルト走行部に対向した状態で、下側のベルト走行部に沿って回転するようになっている。
【0025】
プロセスユニット20Y、20M、20C、20Kのそれぞれは、各感光体ドラム21Y、21M、21C、21Kによって、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の各色のトナー画像を形成する。
プロセスユニット20Y、20M、20C、20Kのそれぞれは、トナー画像を形成するためのトナーの色のみがそれぞれ異なっていること以外は概略同様の構成になっていることから、下側のベルト走行部の走行方向の最も下流側(最も右側)に配置されたプロセスユニット20Kの構成についてのみ詳細に説明し、他のプロセスユニット20Y、20M、20Cの構成の詳細な説明については省略する。
【0026】
プロセスユニット20Kの感光体ドラム21Kの周囲には、帯電器22K、露光器23K、現像器24Kが、感光体ドラム21Kの回転方向に沿って順番に設けられている。
帯電器22Kは、回転する感光体ドラム21Kの表面(外周面)を一様に帯電する。露光器23Kは、帯電された感光体ドラム21Kの表面に、画像データに基づく駆動信号によって光ビームを照射する。露光器23Kから出射された光ビームは、回転する感光体ドラム21Kの表面を軸方向(主走査方向)に走査される。これにより、感光体ドラム21Kの表面に画像データに対応した静電潜像が形成される。
【0027】
現像器24Kは、感光体ドラム21K上の静電潜像を、K色のトナーによって現像する。これにより、感光体ドラム21K上に、静電潜像に対応したK色のトナー画像が形成される。
中間転写ベルト25の周回移動域の内部には、中間転写ベルト25を挟んで感光体ドラム21Kに対向する1次転写ローラー26Kが配置されている。感光体ドラム21K上に形成されたトナー画像は、転写バイアス電圧が印加された1次転写ローラー26Kによって形成される電界の作用により、中間転写ベルト25上に1次転写される。
【0028】
他の画像形成ユニット20Y、20M、20Cの上方にも、中間転写ベルト25を挟んでそれぞれの感光体ドラム21Y、21M、21Cに対向する1次転写ローラー26Y、26M、26Cがそれぞれ設けられており、各感光体ドラム21Y、21M、21C上に形成されたトナー画像は、転写バイアス電圧が印加された1次転写ローラー26Y、26M、26Cによって形成される電界の作用により、中間転写ベルト25上に1次転写される。
【0029】
なお、フルカラーの画像を形成する場合には、周回移動している中間転写ベルト25上における同一の領域上に、Y、M、C、Kの各色のトナー画像が重ねて転写される。
中間転写ベルト25上に転写されたトナー画像は、中間転写ベルト25の周回移動によって、中間転写ベルト25における下側の走行部の移動方向下流側端部(右側の端部)にまで搬送される。なお、中間転写ベルト25におけるこの端部には、2次転写ローラー27が圧接されている。
【0030】
プロセスユニット20Y、20M、20C、20Kの下方に設けられた給紙部30には、複数の給紙カセット31が設けられている。給紙部30は、画像形成本体Bでのトナー画像の形成時に、いずれかの給紙カセット31から1枚の記録シートSを繰り出して、中間転写ベルト25と2次転写ローラー27との圧接部分(2次転写位置)へ搬送する。記録シートSは、中間転写ベルト25と2次転写ローラー27との圧接部分を通過する際に、中間転写ベルト25上のトナー画像が2次転写される。
【0031】
中間転写ベルト25と2次転写ローラー27とが圧接された2次転写位置の上方には定着装置29が設けられており、2次転写位置を通過した記録シートSが定着装置29へ搬送される。トナー画像が転写された記録シートSは、定着装置29を通過する間に、加熱および加圧されることによって、記録シートS上に転写されたトナー画像が熱定着される。トナー画像が定着された記録シートSは、記録シート用トレイ28上に排出される。
【0032】
<画像読取装置の画像読取ユニット>
図2は、画像読取装置Aにおける主要部の構成を説明するための模式図である。
図2に示すように、画像読取装置Aの下部に設けられた画像読取ユニット10の内部には、第1原稿ガラス13および第2原稿ガラス16が設けられた上面に沿って、主走査方向とは直交する方向(副走査方向)にスライド可能になったキャリッジ(光源部)18が設けられている。キャリッジ18には、長手方向が主走査方向に沿って直線状に配置された線状光源18aと、線状光源18aから照射されて、第1原稿ガラス13上を通過する原稿または第2原稿ガラス16上に載置された原稿によって反射された光が照射されるイメージセンサー(撮像手段)18bとが搭載されている。
【0033】
線状光源18aは、通常、蛍光灯、キセノンランプのような希ガスを用いたランプ、外面電極光源、LED等によって構成されており、第1原稿ガラス13の主走査方向の長さのほぼ全域にわたって光を照射できる構成になっている。
イメージセンサー18bは、主走査方向に沿って配列された複数の光電変換素子を有するCCD(Charge Coupled Device)が基板上に直線状に実装されたラインセンサーによって構成されている。イメージセンサー18bは、ラインセンサーが主走査方向に沿った状態で、キャリッジ18に搭載されている。
【0034】
キャリッジ18は、MFP装置の電源投入時等に実行される初期化制御において、第1原稿ガラス13の下方における予め設定されたホームポジションに位置されて静止される。初期化制御が終了すると、その後に、第1原稿ガラス13上を通過する原稿の画像を読み取る場合には、キャリッジ18は、ホームポジションに静止された状態で、線状光源18aを点灯状態とする。このような状態で、ADFユニット40によって原稿が第1原稿ガラス13へ搬送されると、第1原稿ガラス13上を通過する原稿に線状光源18aの光が照射される。
【0035】
イメージセンサー18bは、第1原稿ガラス13上を通過する原稿にて反射された光を受光し、受光量に対応した信号を出力する。イメージセンサー18bから出力される信号は、図示しない画像処理部に供給されて、画像処理部において、原稿の画像に対応した画像データが生成される。
第2原稿ガラス16上に載置された原稿の画像を読み取る場合には、キャリッジ18は、画像読取モーター17の正転によって、ホームポジションから、第2原稿ガラス16の下面に沿って
図2に矢印Gで示す第1方向にスライドされる。キャリッジ18がスライドされる間、線状光源18aは点灯状態とされ、線状光源18aの光が、第2原稿ガラス16上に載置された原稿に照射されて、その原稿によって反射される。第2原稿ガラス16上の原稿にて反射された光は、イメージセンサー18bに受光される。
【0036】
画像読取モーター17は、例えば、パルスモーターであり、イメージセンサー18bによって第2原稿ガラス16上の原稿の画像を適切に読み取ることができる所定の速度で、キャリッジ18を副走査方向にスライドさせる。
キャリッジ18が第2原稿ガラス16上に載置された原稿のサイズに対応した所定の距離にわたって第1方向にスライドされると、画像読取モーター17は逆転駆動される。これにより、キャリッジ18は、矢印Gで示す第1方向とは反対方向である第2方向にスライドされる。そして、キャリッジ18がホームポジションに戻ると、画像読取モーター17は停止される。
【0037】
<画像読取装置のADFユニット>
図2に示すように、画像読取ユニット10上に設けられたADFユニット40には、第1原稿ガラス13上へ原稿Dを搬送する搬送経路49が第1原稿ガラス13の上方域に設けられており、また、第2原稿ガラス16の上方域には、搬送経路49へ搬送される原稿が載置される原稿給紙トレイ41が設けられている。
【0038】
原稿給紙トレイ41上に載置された原稿は、ピックアップローラー42によって原稿給紙トレイ41から搬送経路49へと送り出されて、給紙ローラー対43によって搬送経路49内を水平方向に沿って搬送された後に、レジストローラー対44によって、円弧状に湾曲した搬送経路49内を下方に向って搬送される。その後、原稿は、読取前ローラー対45によって、第1原稿ガラス13の上方へと搬送され、第1原稿ガラス13上を通過する。
【0039】
第1原稿ガラス13の上方には、主走査方向に沿った回転軸を中心に回転する回転体51と、回転体51と一体となって回転して第1原稿ガラス13の表面に付着した紙粉等の異物を除去する清掃ブラシ(清掃手段)52とを有する回転部材50が設けられている。回転体51は、後述するように、回転体モーター53(
図3参照)によって回転されるように構成されている。
【0040】
搬送される原稿の画像を読み取る場合には、清掃ブラシ52が上方に向けられた状態で、回転体51が第1原稿ガラス13に対向される。このような状態で、原稿が、回転体51と第1原稿ガラス13との間を通過する。この場合、キャリッジ18は、第1原稿ガラス13の下方におけるホームポジションにて静止しており、キャリッジ18の線状光源18aからの光が、回転体51と第1原稿ガラス13との間を通過する原稿の下方に向けられた表面(第1面)に照射されて、その第1面からの反射光が、イメージセンサー18bによって受光される。
【0041】
また、清掃ブラシ52によって第1原稿ガラス13の上面を清掃する場合には、回転体51が1回転される。これにより、清掃ブラシ52が第1原稿ガラス13の上面を摺動して、第1原稿ガラス13の上面に付着する紙粉等の異物を除去する。回転部材50の具体的な構成については後述する。
第1原稿ガラス13上を通過した原稿Dは、裏面読取ユニット61の下方域を通過する。裏面読取ユニット61は、下方を通過する原稿の上方に向けられた表面(第2面)に光を照射する一対の線状光源と、原稿の第2面にて反射された各線状光源からの光を受光する密着型イメージセンサー(CIS:Contact Image Sensor)とを備えている。密着型イメージセンサーは、主走査方向に沿ってCCDが直線状に配置されたイメージセンサーによって構成されている。
【0042】
裏面読取ユニット61は、下方を通過する原稿の第2面に、一対の線状光源からの光を照射して、その反射光を密着型イメージセンサーによって受光する。密着型イメージセンサーは、原稿の第2面における画像データに対応した信号を出力する。
裏面読取ユニット61の下方を通過した原稿は、読取後ローラー対47および原稿排出ローラー対48によって搬送されて、原稿排出トレイ46上に排出される。
【0043】
なお、裏面読取ユニット61の下方には、裏面読取ユニット61における光照射面を清掃する回転部材62が設けられている。回転部材62は、回転部材50と同様に、主走査方向に沿った回転軸を中心に回転する回転体と、回転体と一体となって回転して裏面読取ユニット61の光照射面に付着した紙粉等の異物を除去する清掃ブラシとを有しており、回転体が回転することにより、裏面読取ユニット61の光照射面が清掃ブラシによって清掃される。
【0044】
<回転部材>
図3は、画像読取ユニット10上のADFユニット40に設けられた回転部材50の横断面の構成をキャリッジ18とともに示す模式図、
図4は回転部材50の斜視図である。
回転部材50の回転体51は、主走査方向(紙面垂直方向に相当)に沿った軸心(回転軸)Oxを有する軸体であり、回転体モーター53(
図4参照)によって、回転軸Oxを中心として矢印Eで示す方向に回転される。
【0045】
回転体51は、例えば、一定の外径を有する金属製の円柱の一部を、回転軸Oxに平行な平坦面51aが形成されるように、主走査方向に沿って切り欠いた形状に構成されており、横断面が「D」形状になっている。従って、回転体51の回転方向の外側表面は、主走査方向に沿った細長い長方形状に形成された平坦面51aと、回転方向に沿った一定の半径R(例えば7mm)の円周面によって形成された外周面51bと、を有している。回転体51の外周面51bは、220°程度の中心角の範囲にわたって形成されており、光を反射することができるように白色になっている。
【0046】
図3に示すように、回転体51の軸心Oxは、第1原稿ガラス13における副走査方向(幅方向)のほぼ中央部上に配置されており、第1原稿ガラス13上を通過する原稿の第1面の画像を読み取る場合には、
図3に示すように、平坦面51aが水平な状態で、上方に向けられた状態とされる。この場合には、回転体51の外周面51bが第1原稿ガラス13に対向した状態になり、第1原稿ガラス13との間に1〜2mm程度の間隔が形成される。原稿は、回転体51の外周面51bと第1原稿ガラス13との間を通過する。
【0047】
なお、以下においては、平坦面51aに垂直であって軸心Oxを含む平面を回転体51の基準面Loとし、平坦面51aが軸心Oxを挟んで第1原稿ガラス13とは反対側(上側)に位置した状態で基準面Loが垂直になった場合における回転体51の状態(
図3に示す状態)を、回転体51の標準位置とする。また、回転体51が標準位置から矢印E方向に回転した場合における回転角度を「α」とする。
【0048】
第1原稿ガラス13上を通過する原稿の第1面の画像を読み取る場合には、回転体51は標準位置(α=0°)とされ、キャリッジ18は、第1原稿ガラス13の下方における副走査方向に沿った所定範囲の初期領域FA内に位置(静止)される。なお、初期領域FAの副走査方向の具体的な長さについては後述する。
初期領域FAは、イメージセンサー18bにおけるラインセンサーのそれぞれの光軸が、標準位置になった回転体51の基準面Loに重なった状態になる位置(基準位置)を中心として、副走査方向の両側に一定の長さで設定されている。なお、以下においては、この基準位置をキャリッジ18のホームポジションHPとする。
【0049】
回転体51の外周面51bには、平坦面51aに対して回転体51の回転方向上流側に隣接する部分に、軸方向に沿って一定幅の帯状(周方向長さ)になった白色の補正基準面55が設けられている。補正基準面55は、線状光源18aのシェーディング補正を実行する場合に使用されるものであり、例えば、回転体51の外周面51bに貼り付けられた白色のPETフィルムの表面によって形成されている。
【0050】
補正基準面55は、一定の中心角θcの範囲(周方向長さ)に形成されており、回転体51の軸方向の全域にわたって設けられている。補正基準面55は、シェーディング補正の実行時に、回転体51の回転によって、第1原稿ガラス13に対向した状態とされる。この場合、キャリッジ18は、初期領域FA内に静止されて、シェーディング補正が実行される。
【0051】
回転体51の外周面51bには、回転体51の回転方向の下流側であって、平坦面51aの近傍に、軸方向に沿って一定の幅(周方向長さ)の帯状になった黒色の回転位置検出マーク56が設けられている。回転位置検出マーク56は、例えば、回転体51の外周面51bに貼り付けられた黒色のPETフィルムの表面によって形成されている。
回転位置検出マーク56は、原稿画像の読み取りが実行されない所定のタイミングで、キャリッジ18を初期領域FA内に位置させる制御を実行する場合に、キャリッジ18の副走査方向の位置を特定するために使用される。
【0052】
回転位置検出マーク56は、回転体51の基準面Loに対して、矢印Eで示す回転方向とは反対方向に、所定の中心角θaの範囲だけ離れた外周面51b上の位置に、所定の中心角θb(10〜20°程度)の範囲の周方向長さで、
図4に示すように、回転体51の軸方向の全域にわたって設けられている。従って、回転体51が、標準位置から矢印Eで示す方向に[θa+(θb/2)]だけ回転されると、
図6に示すように、回転位置検出マーク56における周方向(幅方向)の中央部が、第1原稿ガラス13に最も近接した状態で対向する。
【0053】
なお、以下においては、回転位置検出マーク56における周方向の中央部が、第1原稿ガラス13に最も近接した状態で対向する状態になった回転体51の位置(
図6に示すように、回転角度αが[θa+(θb/2)]になった位置)を、回転体51の検出位置とする。
回転体51における白色の外周面51bは、補正基準面55および回転位置検出マーク56がそれぞれ設けられた部分を除いて露出している。従って、露出した回転体51の白色の外周面51bは、線状光源18aから発せられた光を反射できるようになっている。
【0054】
線状光源18aから発せられた光が黒色の回転位置検出マーク56に照射されると、回転位置検出マーク56は光を反射しないために、回転体51の外周面51bに線状光源18aから発せられた光が照射される場合よりも、イメージセンサー18bにおける受光量は低下する。
なお、以下においては、イメージセンサー18bの受光量が、予め設定された所定の閾値以下の場合に、イメージセンサー18bから出力される信号の輝度レベルを黒レベル、その閾値よりも大きくなっている場合に、イメージセンサー18bから出力される信号の輝度レベルを白レベルとする。
【0055】
上記の閾値は、具体的には、線状光源18aから回転位置検出マーク56に光が照射された場合にイメージセンサー18bから出力される信号の輝度レベルが黒レベルになり、また、線状光源18aの光が、回転体51における露出した外周面51bにて反射された場合にイメージセンサー18bから出力される信号の輝度レベルが白レベルになるように、設定されている。
【0056】
従って、キャリッジ18がホームポジションHPに位置している場合には、回転体51が検出位置であれば、線状光源18aから発せられた光は、回転位置検出マーク56に照射されるために、イメージセンサー18bから出力される信号の輝度レベルは黒レベルになる。
回転位置検出マーク56は、回転体51の外周面51bの回転方向の下流側の側縁とは適当な間隔をあけて配置されている。従って、キャリッジ18がホームポジションHPに位置している場合には、回転体51の回転角度αが、0〜100°の範囲では、イメージセンサー18bから出力される信号の輝度レベルは、白レベルから黒レベルに変化し、その後に白レベルに変化することになる。
【0057】
回転位置検出マーク56の中心角θbの範囲(周方向長さ)は、回転体51が高速で回転された場合にも、イメージセンサー18bの出力信号の輝度レベルが確実に黒レベルになるように、回転体51の直径、回転速度等に基づいて設定されている。
補正基準面55に対して回転体51の回転方向上流側に隣接する白色の外周面51bは、例えば、80°程度の所定の中心角γの範囲(周方向長さ)の部分が、第1原稿ガラス13上を原稿が通過する場合に、第1原稿ガラス13に対向した状態で原稿を案内する案内面51fになっている。
【0058】
なお、回転体51の外周面51bにおける回転位置検出マーク56が設けられる位置については特に限定されるものではなく、補正基準面55、案内面51fの周方向長さ等に応じて適切に設定される。
回転体51の平坦面51aには清掃ブラシ52が設けられている。清掃ブラシ52は、回転体51の平坦面51aにおける幅方向の中央部に、一定の幅寸法でブラシ毛が回転体51の軸方向に沿って植毛されることによって形成されている。
【0059】
図4に示すように、回転体51の軸方向の両側の各端面には、軸心に沿って各端面から外側に突出する回転軸51mおよび51nがそれぞれ設けられており、一方の回転軸51mに、前述した回転体モーター53からの回転力が伝達されるようになっている。回転体モーター53は、画像読取モーター17によるキャリッジ18の副走査方向への移動速度よりも高速で回転体51を回転させるようになっている。
【0060】
他方の回転軸51nには、回転体51の回転角度を検出するための回転角検出器54が設けられている。回転角検出器54は、回転軸51nと一体となって回転する回転円板54aと、発光素子54bおよび受光素子54cを有するフォトセンサー54dとを備えている。回転円板54aは、回転軸51nに同軸状態で取り付けられており、回転円板54aにおける外周縁部の領域には、例えば、100°の範囲にわたって、周方向に一定の間隔で複数のスリット54eが形成されている。
【0061】
フォトセンサー54dの発光素子54bおよび受光素子54cは、回転円板54aにおけるスリット54eが形成された領域を挟んで相互に対向しており、フォトセンサー54dは、発光素子54bと受光素子54cとの間を回転円板54aのスリット54eが通過する際に、発光素子54bから発せられた光がスリット54eを通って受光素子54cに受光される。
【0062】
回転円板54aにおけるスリット54eは、回転体51が標準位置から矢印Eで示す方向に100°にわたって回転する間に、発光素子54bと受光素子54cとの間を通過するように設けられている。
従って、回転角検出器54は、回転体51が矢印E方向に回転して標準位置になる場合には、発光素子54bと受光素子54cとの間を通過する回転円板54aの領域は、スリット54eが形成されていない領域からスリット54eが形成された領域に変化する。これにより、受光素子54cは、発光素子54bからの光を受光しない状態から受光した状態に変化する。従って、矢印E方向に回転体51が回転したときに、最初に回転角検出器54の出力が、受光状態になった時点を、回転体51が標準位置として検出することができる。
【0063】
また、回転体51が、標準位置から100°にわたって矢印Eで示す方向に回転すると、その回転の間、発光素子54bと受光素子54cとの間をスリットが連続して通過するために、受光素子54cは、発光素子54bからの光を断続的に受光する。従って、受光素子54cによる受光回数(パルス数)をカウントすることにより、標準位置から矢印Eで示す方向の回転体51の回転角度αを、100°にわたって検出することができる。
【0064】
なお、回転体51の回転角度αは、このような構成の回転角検出器54によって検出する構成に限らない。例えば、回転体51を一定の速度で回転させる構成として、標準位置からの回転体51の回転時間に基づいて、回転体51の回転角度αを算出する構成としてもよい。
あるいは、回転体モーター53としてパルスモーターを使用する構成としてもよい。この場合には、回転体51の回転時におけるパルス信号のパルス数に基づいて回転体51の回転角度αを算出することができる。さらに、回転軸51mおよび51nのいずれか一方にロータリーエンコーダーを設けて、ロータリーエンコーダーから出力されるパルス数をカウントすることによって、回転体51の回転角度αを算出する構成としてもよい。
【0065】
図3に示すように、回転体51が標準位置であって、キャリッジ18がホームポジションHPに位置している場合に、線状光源18aが点灯された状態で、回転体51が矢印E方向に回転すると、線状光源18aから照射される光は、回転体51の回転に伴って、回転体51における露出した外周面51b上に照射された状態から、回転位置検出マーク56に照射された状態になり、その後は、線状光源18aの光は平坦面51aに照射される。
【0066】
従って、キャリッジ18がホームポジションHPに位置している場合には、線状光源18aが点灯した状態で、回転体51が標準位置から100°にわたって矢印E方向に回転すると、回転位置検出マーク56に線状光源18aからの光が照射されている期間を除いて、イメージセンサー18bの出力信号の輝度レベルは白レベルになり、回転位置検出マーク56に線状光源18aからの光が照射されている期間は、イメージセンサー18bの出力信号の輝度レベルは黒レベルになる。
【0067】
また、キャリッジ18がホームポジションHPに対して副走査方向にずれていても、線状光源18aの光が回転体51の外周面51bに照射される範囲内にキャリッジ18が位置している場合には、回転体51が標準位置から100°にわたって矢印E方向に回転される間に、線状光源18aの光が回転位置検出マーク56に照射される。従って、この場合にも、イメージセンサー18bから出力される信号の輝度レベルは、白レベルから黒レベルに変化する。
【0068】
なお、以下においては、点灯状態になった線状光源18aの光が回転位置検出マーク56に照射されるキャリッジ18の副走査方向の範囲を、キャリッジ18の検出範囲RAとする。
イメージセンサー18bから出力される信号の輝度レベルが白レベルから黒レベルに変化した時点における回転体51の回転角度αは、キャリッジ18がホームポジションHPに位置している場合と、ホームポジションHPに位置していない場合とでは異なる。キャリッジ18がホームポジションHPに位置していない場合には、イメージセンサー18bから出力される信号の輝度レベルが白レベルから黒レベルに変化した時点における回転角度αは、ホームポジションHPに対するキャリッジ18の副走査方向へのずれ量に応じて変化する。
【0069】
以上のことから、本実施形態では、キャリッジ18を静止させて線状光源18aを点灯した状態で、回転体51を標準位置から矢印E方向に回転させた場合に、イメージセンサー18bから出力される信号の輝度レベルが白レベルから黒レベルに変化した時点における回転体51の回転角度αを検出し、その回転角度αに基づいて、キャリッジ18の副走査方向位置を特定する制御(キャリッジ位置特定制御)を実行するようになっている。
【0070】
<画像読取装置の制御系>
図5は、画像読取装置Aの制御系におけるキャリッジ位置特定制御を実行する主要部のブロック図である。
キャリッジ位置特定制御は読取制御部65によって実行される。読取制御部65には、画像読取ユニット10に設けられたイメージセンサー18bの出力が与えられるとともに、ADFユニット40に設けられた回転角検出センサー54の出力が与えられている。回転角検出センサー54は、前述したように、回転体51の回転角度αに対応した信号を出力する。
【0071】
読取制御部65は、シートスルー方式、移動光学方式のそれぞれで原稿画像を読み取る場合、キャリッジ位置特定制御を実行する場合のいずれにおいても、画像読取ユニット10のキャリッジ18を副走査方向に移動させる画像読取モーター17と、回転部材50の回転体51を回転させる回転体モーター53と、キャリッジ18に搭載された線状光源18aとを、それぞれ制御する。
【0072】
<キャリッジ位置特定制御>
次に、読取制御部65において実行されるキャリッジ位置特定制御の詳細について説明する。
回転体51が、
図3に示す標準位置(回転角度α=0°)から矢印Eで示す方向に、回転角度[θa+(θb/2)]にわたって回転されると、回転体51は、
図6に示す検出位置になる。回転体51がこのような検出位置になっている場合には、キャリッジ18がホームポジションHPに位置していると、線状光源18aから発せられた光は、回転位置検出マーク56における周方向(幅方向)の中央部に照射される。これにより、イメージセンサー18bから出力される信号の輝度レベルは黒レベルになる。
【0073】
なお、回転位置検出マーク56は、回転体51の周方向に、中心角θbの範囲で形成されていることから、キャリッジ18がホームポジションHPに位置している場合には、回転体51は、標準位置からの矢印Eで示す方向への回転角度αが[θa]になると、線状光源18aから発せられた光は、回転位置検出マーク56に照射され、イメージセンサー18bから出力される信号の輝度レベルは、白レベルから黒レベルに変化する。
【0074】
図7は、キャリッジ18がホームポジションHPに位置している場合における回転体51の回転角度αと、イメージセンサー18bから出力される信号の輝度レベルとの関係を示す表である。
図7に示すように、標準位置からの回転体51の回転角度αが[θa]よりも小さければ(α=0〜[θa])、イメージセンサー18bから出力される信号の輝度レベルは白レベルになる(
図7の(a))。
【0075】
回転体51の回転角度αが、[θa]〜[θa+θb]の範囲では、線状光源18aから発せられた光が回転位置検出マーク56に照射されるために、イメージセンサー18bから出力される信号の輝度レベルは黒レベルになる(
図7の(b))。
さらに、回転体51の回転角度αが[θa+θb]〜100°の範囲では、線状光源18aから発せられた光が回転位置検出マーク56に照射されず、回転体51の外周面51b等によって反射されるために、イメージセンサー18bから出力される信号の輝度レベルは白レベルになる(
図7の(c))。
【0076】
このように、キャリッジ18がホームポジションHPに位置している場合には、線状光源18aを点灯状態として、回転体51を標準位置から矢印E方向に回転させると、回転体51の回転角度αが[θa]になった時点で、イメージセンサー18bから出力される信号の輝度レベルは、白レベルから黒レベルに変化する。
キャリッジ18が、ホームポジションHPに位置していない状態(副走査方向にずれた状態)であっても、検出範囲RA内に位置している場合には、回転体51が標準位置から矢印E方向に100°にわたって回転する間に、点灯状態になった線状光源18aの光は、回転位置検出マーク56上に照射される。従って、線状光源18aの光が回転位置検出マーク56に照射された時点で、イメージセンサー18bの出力信号の輝度レベルは白レベルから黒レベルに変化する。
【0077】
図8は、キャリッジ18が、ホームポジションHPに位置していないが、検出範囲RA内に位置している場合に、検出位置の回転体51に対して線状光源18aの光が照射された状態を説明するための模式図である。この場合、
図8に実線で示すキャリッジ18の位置は、
図8に二点鎖線で示すホームポジションHPから矢印Gで示す第1方向に距離d1だけずれている。
【0078】
このような状態では、回転体51が標準位置から矢印E方向に回転されて、回転体51が検出位置(回転角度αが[θa])になっても、線状光源18aから発せられた光は、回転位置検出マーク56に照射されず、回転位置検出マーク56に対して回転方向下流側に位置する回転体51の外周面51b上に照射される。このために、回転体51の外周面51bにて反射された光がイメージセンサー18bにて受光される。従って、イメージセンサー18bから出力される信号の輝度レベルは白レベルになる。
【0079】
このような状態から、回転体51がさらに矢印E方向に回転すると、線状光源18aから発せられた光は回転位置検出マーク56に照射され、イメージセンサー18bから出力される信号の輝度レベルは黒レベルになる。
図9は、キャリッジ18が、ホームポジションHPから第1方向に距離d1だけ離れている場合に、キャリッジ18の線状光源18aから発せられた光が、回転位置検出マーク56における周方向(幅方向)の中央部に照射された状態を説明するための模式図である。
図9においては、回転体51は、検出位置(回転角度α=θa)から、さらに矢印E方向に[(θb/2)+β]だけ回転することによって、回転体51の回転角度αが、[θa+(θb/2)+β]になった状態を示している。
【0080】
なお、この場合の回転角度βは、次の(1)式を満足する(但し、Rは回転体51の半径)。
β=sin
-1(d1/R)・・・(1)
この場合、回転体51の回転角度αが、[θa+β]になった時点でイメージセンサー18bから出力される信号の輝度レベルは黒レベルに変化する。
【0081】
図10は、キャリッジ18が、ホームポジションHPから矢印Gで示す第1方向に距離d1だけずれている場合における回転体51の回転角度αと、イメージセンサー18bから出力される信号の輝度レベルとの関係を示す表である。なお、
図10の表におけるβは、上記(1)式を満足する。
図10の表に示すように、回転角度αが、0〜[θa+β]の範囲では、イメージセンサー18bから出力される信号の輝度レベルは白レベルになり(
図10の(a))、回転角度αが、[θa+β]〜[θa+β+θb]の範囲では、イメージセンサー18bから出力される信号の輝度レベルは黒レベルになる(
図10の(b))。さらに、回転角度αが、[θa+β+θb]〜100°では、イメージセンサー18bから出力される信号の輝度レベルは白レベルになる(
図10の(c))。
【0082】
これに対して、キャリッジ18がホームポジションHPに対して、矢印Gで示す第1方向とは反対方向である第2方向に距離d1だけずれている場合には、イメージセンサー18bから出力される信号の輝度レベルが、白レベルから黒レベルに変化する回転体51の回転角度αの範囲は、キャリッジ18がホームポジションHPに位置している場合よりも、回転角度β(=sin
-1(d1/R))だけ小さくなる。
【0083】
この場合における回転体51の回転角度αと、イメージセンサー18bから出力される信号の輝度レベルとの関係を
図11の表に示す。但し、
図11の表に示されたβは、上記(1)式を満足する。
図11の表に示すように、イメージセンサー18bから出力される信号の輝度レベルは、標準位置からの回転体51の回転角度αが、0〜[θa−β]の範囲では、白レベルであり(
図11の(a))、[θa−β]〜[θa−β+θb]の範囲では、黒レベルになり(
図11の(b))、[θa−β+θb]〜100°の範囲では白レベルになる(
図11の(c))。
【0084】
従って、検出範囲RA内において、キャリッジ18がホームポジションHPから第1方向へ最もずれた状態の場合に、イメージセンサー18bから出力される信号の輝度レベルが黒レベルになった時点における回転体51の回転角度を[θa+θd]とすると、回転角度α(=[θa+β])が[θa+θd]よりも大きければ、キャリッジ18は、ホームポジションHPに対して第1方向にずれた状態で検出範囲RA内に位置していると判定することができる。
【0085】
また、検出範囲RA内において、キャリッジ18がホームポジションHPからの第2方向へ最もずれた状態の場合に、イメージセンサー18bから出力される信号の輝度レベルが黒レベルになった時点における回転体51の回転角度を[θa−θd]とすると、回転角度α(=[θa−β])が[θa−θd]よりも小さければ、キャリッジ18は、ホームポジションHPに対して第2方向にずれた状態で検出範囲RA内に位置していると判定することができる。
【0086】
いずれの場合にも、イメージセンサー18bから出力される信号の輝度レベルが黒レベルになった時点における回転体51の回転角度αが[θa]に等しくない場合(キャリッジ18がホームポジションHPに位置しない場合)には、その回転角度αと、[θa+θb/2]との差[β]を演算し、演算されたβを上記(1)式に代入することにより、ホームポジションHPに対する第1方向または第2方向へのキャリッジのずれ量である距離d1を算出することができる。
【0087】
以上のことから、イメージセンサー18bから出力される信号の輝度レベルが黒レベルになった時点における回転体51の回転角度αが、[θa−θd]以上であって[θa]未満の場合([θa−θd]≦α<[θa])には、キャリッジ18は第2方向にずれた状態で検出範囲RA内に位置していると判定することができ、α=[θa]の場合には、キャリッジ18はホームポジションHPに位置していると判定することができ、[θa]よりも大きく[θa+θd]以下の場合([θa]<α≦[θa+θd])には、キャリッジ18は、第2方向にずれた状態で検出範囲RA内に位置していると判定することができる。
【0088】
さらに、回転体51を標準位置から矢印Eで示す方向に100°にわたって回転させても、イメージセンサー18bから出力される信号の輝度レベルが白レベルから黒レベルに変化しない場合には、キャリッジ18は、検出範囲RA内に位置していないと判定することができる。
なお、キャリッジ18が検出範囲RA内に位置していない場合には、線状光源18aから発せられた光は、回転体51によって反射されないために、イメージセンサー18bの輝度レベルは変化しない。この場合には、回転体51を標準位置として、線状光源18aを点灯した状態でキャリッジ18を副走査方向に移動させて、線状光源18aから発せられた光が回転位置検出マーク56に照射されることによるイメージセンサー18bの輝度レベルの変化(白レベルから黒レベルへの変化)に基づいて、キャリッジ18の副走査方向の位置を特定するようになっている。
【0089】
図12は、読取制御部65においてプリンターの電源投入時に実行される初期化制御の処理手順を示すフローチャートである。この初期化制御では、まず、キャリッジ位置特定制御によって、キャリッジ18の副走査方向の位置を特定する。このために、読取制御部65は、回転体モーター53の駆動により回転体51を回転させて、回転角検出器54の出力に基づいて、回転体51を標準位置(回転角度α=0°)とする(
図12のステップS11)。
【0090】
次いで、キャリッジ18に搭載された線状光源18aを点灯(オン)状態にするとともに、回転体モーター53を駆動して回転体51を回転させる(ステップS12)。回転体51の回転が開始されると、読取制御部65は、イメージセンサー18bから出力される信号を読み込む(ステップS13)。
回転体51の回転は、回転角度αが100°になるまで(ステップS15において「NO」、および、ステップS14において「YES」)、あるいは、イメージセンサー18bから出力される信号の輝度レベルが、白レベルから黒レベルに変化するまで(ステップS14において「NO」、および、ステップS15において「YES」)、継続される。
【0091】
この場合、キャリッジ18が検出範囲RA内に位置していると、回転体51が標準位置(α=0°)から100°にわたって回転するまでの間に(ステップS14において「NO」)、線状光源18aの光は、回転体51における露出状態になった外周面51b(案内面51f)に照射された後に、回転位置検出マーク56に照射される。これにより、イメージセンサー18bから出力される信号の輝度レベルが白レベルから黒レベルに変化する(ステップS15において「YES」)。
【0092】
この場合には、読取制御部65は、キャリッジ18に搭載された線状光源18aを消灯(オフ)状態にするとともに、回転体モーター53の駆動を停止して回転体51を停止させる(ステップS16)。
次いで、イメージセンサー18bから出力される信号の輝度レベルが白レベルから黒レベルに変化した時点における回転体51の回転角度αに基づいてキャリッジ18の位置を特定する(ステップS17)。
【0093】
この場合、回転角検出器54によって検出される回転体51の回転角度αが[θa]に等しくなっている場合には、キャリッジ18がホームポジションHPに位置していると判定し(ステップS18において「YES」)、ステップS31に進んで、シェーディング補正制御を実施する。ステップS31以降のシェーディング補正の制御については後述する。
【0094】
回転体51の回転角度αが[θa]でない場合には、キャリッジ18がホームポジションHPに位置していないと判定し(ステップS18において「NO」)、回転体51の回転角度αに基づいて、キャリッジ18が初期領域FA内に位置しているかを判定する(ステップS19)。
この初期領域FAは、キャリッジ18がホームポジションHPに位置していない状態であっても、シートスルー方式で第1原稿ガラス13上を通過する原稿の画像を読み取る場合に、回転体51の案内面51fにて案内される原稿にて反射される光が、イメージセンサー18bに合焦状態で受光される範囲に設定されている。
【0095】
初期領域FAがこのように設定されていることにより、初期領域FA内にキャリッジ18が位置している場合には、キャリッジ18をホームポジションHPに位置させなくても、第1原稿ガラス13上を通過する原稿の画像を適切に読み取ることができる。
なお、移動光学方式で第2原稿ガラス16上に載置された原稿の画像を読み取る場合は、原稿にて反射される光がイメージセンサー18bにおいて常に合焦状態で受光されるために、シートスルー方式の場合のような問題は生じない。
【0096】
このことから、キャリッジ18が初期領域FA内に位置していると判定された場合には(ステップS19において「YES」)、キャリッジ18をホームポジションHPにまで移動させることなく、ステップS20に進む。
ステップS20では、キャリッジ18がホームポジションHPに位置していないことから、その後に、第1原稿ガラス13上を通過する原稿の画像を読み取る場合、および、第2原稿ガラス16上に載置された原稿の画像を読み取る場合のそれぞれにおいて、読み取りの開始タイミングを補正するための補正時間を、キャリッジ18のホームポジションHPからずれ量(距離d1)に基づいて算出する。
【0097】
これは、以下の理由による。すなわち、キャリッジ18が初期領域FA内に位置していると判定された場合、キャリッジ18をホームポジションHPへ移動させていないために、ホームポジションHPからずれた状態になっている。このため、シートスルー方式および移動光学方式のいずれの方式でも、原稿の画像を読み取る場合、原稿における線状光源18aの光が照射される位置は、ホームポジションHPにキャリッジ18が位置している線状光源18aの光が照射される位置に対して、副走査方向にずれることになる。
【0098】
このために、キャリッジ18がホームポジションHPに位置する場合と同様のタイミングで、イメージセンサー18bの出力の読み取り(原稿画像の読み取り)を開始すると、生成された画像データによって記録シート上に形成される画像が位置ずれ状態になるおそれがある。
このことから、キャリッジ18が初期領域FA内に位置していると判定された場合には、その後の原稿画像の読み取り時に、原稿の画像の読み取り開始タイミングを、キャリッジ18のホームポジションHPからのずれ量である距離d1に基づいて補正するようにしている。
【0099】
キャリッジ18のホームポジションHPからのずれ量である距離d1は、前述したように、イメージセンサー18bから出力される信号の輝度レベルが白レベルから黒レベルに変化した時点における回転体51の回転角度αと、前記(1)式とに基づいて算出される。原稿の画像の読み取り開始タイミングの補正時間は、算出されたずれ量に基づいて求められる。
【0100】
なお、ホームポジションHPに対するキャリッジ18のずれが第1方向および第2方向のいずれであるかによって、原稿画像の読み取りの開始タイミングの補正は異なる。
すなわち、キャリッジ18が第1方向(原稿搬送方向下流側方向)にずれている場合には、キャリッジ18の線状光源18aから原稿に照射される光の位置は、ホームポジションHPに位置するキャリッジ18の線状光源18aから原稿に照射される光の位置よりも第1方向にずれる。このために、第1原稿ガラス13上を通過する原稿、第2原稿ガラス16上に載置された原稿のいずれであっても、キャリッジ18がホームポジションHPに位置する場合における原稿画像の読み取り開始タイミングに対して、求められた補正時間だけ、原稿画像の読み取り開始タイミングが遅らされる。
【0101】
反対に、キャリッジ18が第2方向(原稿搬送方向上流側方向)にずれている場合には、キャリッジ18の線状光源18aから原稿に照射される光の位置は、ホームポジションHPに位置するキャリッジ18から原稿に照射される光の位置よりも第2方向にずれる。このために、第1原稿ガラス13上を通過する原稿、第2原稿ガラス16上に載置された原稿のいずれであっても、キャリッジ18がホームポジションHPに位置する場合における原稿画像の読み取り開始タイミングに対して、求められた補正時間だけ、原稿画像の読み取り開始タイミングが早められる。
【0102】
ステップS20では、原稿の読み取りタイミングの補正時間が求められると、その補正時間は、読取制御部65に設けられた記憶部に記憶される。そして、第1原稿ガラス13上を搬送される原稿の画像を読み取る場合、あるいは、第2原稿ガラス16上に載置された原稿の画像を読み取る場合に、記憶部に記憶された読み取りタイミングの補正時間に基づいて、イメージセンサー18bによる原稿の画像の読み取りの開始タイミングが補正されることになる。
【0103】
ステップS20において、原稿の画像の読み取り開始タイミングの補正時間が求められて記憶部に記憶されると、キャリッジ18がホームポジションHPに移動させることなく、ステップS31に進み、線状光源18aのシェーディング補正制御を実行する。
このように、キャリッジ18がホームポジションHP、あるいは、初期領域FA内に位置している場合には、キャリッジ18を副走査方向に移動させることなく、回転体51の回転だけで、キャリッジ18の位置が、ホームポジションHPまたは初期領域FA内に位置することを特定することができる。この場合、回転体51の回転速度は、キャリッジ18の移動速度よりも高速になっているために、キャリッジ18の位置を特定するために要する時間を、キャリッジ18の移動によって特定する場合よりも短縮することができる。
【0104】
ステップS19において、キャリッジ18が初期領域FA内に位置していないと判定された場合には(ステップS19において「NO」)、キャリッジ18をホームポジションHPに位置させる制御を実行する(ステップS21)。
キャリッジ18が初期領域FA内に位置していない場合には、ホームポジションHPからのキャリッジ18のずれ量が大きくなっているために、シートスルー方式によって原稿画像を読み取る場合に、原稿画像の読み取り開始のタイミングを補正しても、ホームポジションHPに対するキャリッジ18のずれ量が大きく、原稿にて反射された光が、イメージセンサー18bにおいて合焦状態にならないおそれがある。このことから、ステップS21以降の制御によって、キャリッジ18をホームポジションHPに位置させている。
【0105】
ステップS21では、キャリッジ18のホームポジションHPに対する副走査方向のずれ量に相当する距離d1だけ、ずれた方向とは反対方向にキャリッジ18を移動させる。これにより、キャリッジ18はホームポジションHPに位置される。この場合の距離d1は、初期領域FAの副走査方向の長さよりも長くなっているが、検出範囲RAの副走査方向の長さよりも短くなっている。従って、比較的短い距離d1の移動によりキャリッジ18をホームポジションHPに位置させることができる。
【0106】
その結果、従来技術のように、ホームポジションHPにマークを設けて、そのマークの検出によってキャリッジ18をホームポジションHPに位置させる場合と比較して、短時間でキャリッジ18をホームポジションHPに移動させることができる。
キャリッジ18がホームポジションHPに位置されると、ステップS31に進んで、シェーディング補正制御が実行される。従って、この場合にも、シェーディング補正制御を迅速に開始することができる。
【0107】
なお、キャリッジ18が、ステップS21においてホームポジションHPに位置された場合には、シェーディング補正が実行された後に、第1原稿ガラス13上を搬送される原稿の画像、あるいは、第2原稿ガラス16上に載置された原稿の画像を読み取る場合に、読み取りの開始タイミングを補正する必要はない。
ステップS14において、イメージセンサー18bから出力される信号の輝度レベルが黒レベルに変化することなく(ステップS15において「NO」)、回転体51の回転角度αが100°に達した場合には(ステップS14において「YES」)、キャリッジ18が検出範囲RA内に位置していないために、ステップS22に進み、キャリッジ18をホームポジションHPとするための制御を実行する。
【0108】
なお、イメージセンサー18bから出力される信号の輝度レベルが白レベルから黒レベルに変化したことを確認するために、回転体51を標準位置(α=0°)から100°にわたって回転させる構成としたが、このような構成に限定されるものではない。回転体51は、少なくとも、標準位置から、回転位置検出マーク56が設けられた位置を通過できる範囲にわたって、矢印E方向に回転させればよい。
【0109】
ステップS22では、標準位置からの回転角度αが[θa+(θb/2)]になるように、回転体51を回転させる。これにより、回転体51は、回転位置検出マーク56が第1原稿ガラス13に対向した検出位置になる。回転体51が検出位置になると、回転体51の回転が停止される(ステップS23)。
次いで、キャリッジ18に設けられた線状光源18aを点灯状態として、キャリッジ18を第1方向に移動させる(ステップS24)。キャリッジ18が移動を開始すると、イメージセンサー18bから出力される信号を読み込む(ステップS25)。
【0110】
この場合、キャリッジ18が、回転体51に対して、第2方向(原稿搬送方向上流側方向)に位置している場合には、線状光源18aから発せられた光の一部は、画像読取装置Aの上面等によって乱反射されてイメージセンサー18bに受光される。このために、イメージセンサー18bから出力される信号の輝度レベルは白レベルになる。このような状態で、キャリッジ18が第1方向に移動されて、回転体51の下方におけるホームポジションHPの近傍に位置されると、線状光源18aから発せられた光は、回転位置検出マーク56における矢印Eで示す回転方向の下流側に位置する側縁部に照射される。これにより、イメージセンサー18bから出力される信号の輝度レベルは、黒レベルに変化する。
【0111】
このように、イメージセンサー18bから出力される信号の輝度レベルが黒レベルに変化した場合には(ステップS26において「YES」)、キャリッジ18は、回転位置検出マーク56における中心角[θb/2](周方向長さ(幅寸法)の1/2)に相当する距離だけ第1方向に移動させる(ステップS27)。
その後に、キャリッジ18の移動を停止させて、線状光源18aをオフする(ステップS28)。これにより、イメージセンサー18bはホームポジションHPに位置される。イメージセンサー18bはホームポジションHPに位置されると、ステップS31に進んで、線状光源18aのシェーディング補正制御を実行する。
【0112】
ステップS24において、キャリッジ18が、第1方向に予め設定された距離だけ移動させても、イメージセンサー18bから出力される信号の輝度レベルが黒レベルに変化しない場合には、キャリッジ18の当初の位置が、回転体51よりも第1方向(原稿搬送方向下流側方向)側に位置していると判定し、キャリッジ18を第2方向に移動させる。
その後、イメージセンサー18bから出力される信号の輝度レベルが黒レベルに変化すると(ステップS26において「YES」)、ステップS27およびS28の順に処理を実行する。これにより、キャリッジ18はホームポジションHPに位置される。その後は、ステップS31に進んで、線状光源18aのシェーディング補正制御を実行する。
【0113】
次に、ステップS31以降において実行されるシェーディング補正制御について説明する。
ステップS31では、回転体51を、補正基準面55が第1原稿ガラス13に対向したシェーディング補正位置として、線状光源18aを点灯状態する。この場合、キャリッジ18は、ホームポジションHPに位置した状態、あるいは、初期領域FA内に位置した状態になっているために、線状光源18aから発せられた光が、回転体51の補正基準面55によって反射されて、イメージセンサー18bに受光される。イメージセンサー18bからは、補正基準面55からの反射光の光量に対応した信号が出力され、その出力が、線状光源18aの長手方向に沿って平均的に一様になるように、シェーディング補正が実施される(ステップS32)。
【0114】
シェーディング補正が終了すると、回転体51は標準位置とされる(ステップS33)。これにより、電源投入時に実行される初期化制御は終了する。
このような初期化制御によって、キャリッジ18は、回転体51の下方における所定のホームポジションHPに位置した状態、または、初期領域FA内に位置した状態であり、しかも、回転体51も、案内面51fが第1原稿ガラス13に対向した標準位置になっている。
【0115】
従って、その後、シートスルー方式によりADFユニット40によって搬送される原稿の画像をイメージセンサー18bによって読み取る場合には、直ちに、原稿の画像の読み取り動作を実行することができる。なお、キャリッジ18が初期領域FA内に位置している場合には、記憶部に記憶された読み取りタイミングの補正時間に基づいて、イメージセンサー18bによる原稿の画像の読み取りの開始タイミングが補正される。これにより、第1原稿ガラス13上を搬送される原稿の画像を、適切に読み取ることができる。
【0116】
第1原稿ガラス13上を1枚の原稿が通過して、その原稿の画像の読み取りが終了すると、回転部材50の回転体51が回転体モーター53によって矢印Eで示す方向に1回転される。回転体51が1回転することにより、清掃ブラシ52は、第1原稿ガラス13上を摺接して、第1原稿ガラス13上の紙粉等の異物を除去する。
移動光学方式により第2原稿ガラス16上に載置された原稿の画像を読み取る場合には、ホームポジションHPに位置した状態、または、初期領域FA内に位置した状態のキャリッジ18が第1方向に移動される。この移動の間に、第2原稿ガラス16上に載置された原稿に対して、線状光源18aの光が照射されて、その原稿の画像を読み取る。
【0117】
この場合も、キャリッジ18が初期領域FA内に位置していると、記憶部に記憶された読み取りタイミングの補正時間に基づいて、イメージセンサー18bによる原稿の画像の読み取りの開始タイミングが補正される。これにより、第2原稿ガラス16上に載置された原稿の画像を、適切に読み取ることができる。
以上のように、本実施形態では、キャリッジ18がホームポジションHP、初期領域FA内、検出範囲RA内のいずれに位置しているかを、短時間で特定することができる。しかも、キャリッジ18がホームポジションHPあるいは初期領域FA内に位置している場合には、キャリッジを移動させる必要がないために、初期化制御に要する時間をさらに短縮することができる。
【0118】
[変形例]
なお、上記実施の形態では、イメージセンサー18bをキャリッジ18に搭載して、キャリッジ18とともにイメージセンサー18bを移動させる構成であったが、このような構成に限らず、イメージセンサー18bをキャリッジ18に搭載せずに、画像読取装置Aの所定位置に固定する構成としてもよい。この場合には、線状光源と1つのミラーが搭載された第1キャリッジと、一対のミラーが搭載された第2キャリッジとを設けて、線状光源から照射されて原稿にて反射された光を、第1キャリッジのミラー、第2キャリッジの一対のミラーによって反射させて、一定の長さの光路を経て、固定されたイメージセンサー18bに受光させる構成とされる。
【0119】
また、MFP装置の電源投入時に実行する初期化制御を実行する構成であったが、このような構成に限らず、MFP装置の電源が投入された後において、プリントジョブが指示された場合にも、初期化制御を実行する構成としてもよい。あるいは、プリントジョブが指示された場合にのみ初期化制御を実行する構成としてもよい。
さらに、上記実施の形態では、画像読取装置が設けられた画像形成装置としてMFP装置について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置にも適用できる。さらに、画像形成装置に限らず、画像読取機能のみを有する画像読取装置であってもよい。