特許第5987622号(P5987622)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5987622-真空コンデンサ形計器用変圧器 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5987622
(24)【登録日】2016年8月19日
(45)【発行日】2016年9月7日
(54)【発明の名称】真空コンデンサ形計器用変圧器
(51)【国際特許分類】
   H01G 4/02 20060101AFI20160825BHJP
   H01G 4/38 20060101ALI20160825BHJP
【FI】
   H01G4/02
   H01G4/38 A
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-225588(P2012-225588)
(22)【出願日】2012年10月11日
(65)【公開番号】特開2014-78608(P2014-78608A)
(43)【公開日】2014年5月1日
【審査請求日】2015年9月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006105
【氏名又は名称】株式会社明電舎
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100104938
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜澤 英久
(74)【代理人】
【識別番号】100096459
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 剛
(72)【発明者】
【氏名】高橋 大造
(72)【発明者】
【氏名】深井 利眞
(72)【発明者】
【氏名】家田 正彦
(72)【発明者】
【氏名】谷水 徹
【審査官】 田中 晃洋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−054796(JP,A)
【文献】 特開2001−054796(JP,A)
【文献】 特開2005−175027(JP,A)
【文献】 特開平05−041336(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 4/02
H01G 4/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁筒と導体筒を接合して形成される筒状の外筐と、
前記絶縁筒の開放端を閉塞して設けられる1次側端板と、
前記1次側端板面から前記外筐内に立設される内部1次電極と、
前記1次側端板の内部1次電極が設けられる面と対向して前記外筐内に設けられる2次側端板と、
前記2次側端板面から前記1次側端板方向に立設される内部2次電極と、
を有し、前記内部1次電極と前記内部2次電極を対向配置して主コンデンサを形成し、当該主コンデンサが形成される空間を真空とした真空コンデンサ形計器用変圧器であって、
前記外筐に最も近接して設けられる内部2次電極を、前記内部1次電極よりも前記外筐に近接して設け、
前記絶縁筒と前記導体筒の接合部と当該内部2次電極の側面とを対向させる
ことを特徴とする真空コンデンサ形計器用変圧器。
【請求項2】
前記外筐に最も近接して設けられる内部2次電極の側面と前記導体筒の内周面との距離を、前記内部1次電極と前記内部2次電極の電極間距離よりも短くする
ことを特徴とする請求項1に記載の真空コンデンサ形計器用変圧器。
【請求項3】
前記外筐に対向して設けられる内部2次電極を、前記2次側端板から前記外筐の両軸端方向に延在させる
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の真空コンデンサ形計器用変圧器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンデンサ形計器用変圧器に関し、特に、1次側端子と分圧点との間に設けられる主コンデンサに真空コンデンサを用いた真空コンデンサ形計器用変圧器に関する。
【背景技術】
【0002】
計器用変圧器(VT:Voltage Transformers)は分圧回路によって高電圧を安全な電圧に変換させ、電圧計などの計測器や保護継電器などに入力するために使用する機器である。計器用変圧器には、巻線形、コンデンサ形、抵抗形といくつかの方式がある。
【0003】
計器用変圧器として、真空コンデンサ(VC:Vacuum Capacitor)を用いた真空コンデンサ形計器用変圧器がある(例えば、特許文献1)。以下、真空コンデンサ形計器用変圧器を真空VTと称する。真空VTは、真空コンデンサの構成上、高い絶縁耐力を有し、また、経年劣化による焼損事故は発生せず信頼性の高い計器用変圧器である。
【0004】
真空VTにおいて、高電圧を分担する1次側コンデンサ(主コンデンサ)は、外筐内に内部1次電極と内部2次電極を対向配置して形成される。図6は、真空VTの外筺20の一側面を拡大した断面図である。図6に示すように、真空VTの外筐20は、絶縁筒21と、この絶縁筒21の開放端にそれぞれ接合される導体筒22,23とにより構成される。そして、導体筒22,23が接合される絶縁筒21の両端面には金属被覆(メタライズ)部21a,21bが形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−54796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
金属被覆部21aは非常に薄く、その断面はエッジ状(尖鋭)となる。エッジ状の導体部は閃絡が発生しやすく、この導体部と外筐5内に設けられる高電圧側の電極(内部1次電極)とが閃絡するおそれがある。
【0007】
上記事情に鑑み、本発明は、真空VTの安全性の向上に貢献する技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成する本発明の真空コンデンサ形計器用変圧器の一態様は、絶縁筒と導体筒を接合して形成される筒状の外筐と、前記絶縁筒の開放端を閉塞して設けられる1次側端板と、前記1次側端板面から前記外筐内に立設される内部1次電極と、前記1次側端板の内部1次電極が設けられる面と対向して前記外筐内に設けられる2次側端板と、前記2次側端板面から前記1次側端板方向に立設される内部2次電極と、を有し、前記内部1次電極と前記内部2次電極を対向配置して主コンデンサを形成し、当該主コンデンサが形成される空間を真空とした真空コンデンサ形計器用変圧器であって、前記外筐に最も近接して設けられる内部2次電極を、前記内部1次電極よりも前記外筐に近接して設け、前記絶縁筒と前記導体筒の接合部と当該内部2次電極の側面とを対向させることを特徴としている。
【0009】
また、上記目的を達成する本発明の真空コンデンサ形計器用変圧器の他の態様は、上記真空コンデンサ形計器用変圧器において、前記外筐に最も近接して設けられる内部2次電極の側面と前記導体筒の内周面との距離を、前記内部1次電極と前記内部2次電極の電極間距離よりも短くすることを特徴としている。
【0010】
また、上記目的を達成する本発明の真空コンデンサ形計器用変圧器の他の態様は、上記真空コンデンサ形計器用変圧器において、前記外筐に対向して設けられる内部2次電極を、前記2次側端板から前記外筐の両軸端方向に延在させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
以上の発明によれば、真空VTの安全性の向上に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態1に係る真空コンデンサ形計器用変圧器の断面図である。
図2】本発明の実施形態1に係る真空コンデンサ形計器用変圧器の部分断面図である。
図3】(a)従来技術に係る真空コンデンサ形計器用変圧器の回路図、(b)従来技術に係る真空コンデンサ形計器用変圧器の分圧コンデンサがオープンになった状態を示す回路図である。
図4】(a)本発明の実施形態1に係る真空コンデンサ形計器用変圧器の回路図、(b)本発明の実施形態1に係る真空コンデンサ形計器用変圧器の分圧コンデンサがオープンになった状態を示す回路図である。
図5】本発明の実施形態2に係る真空コンデンサ形計器用変圧器の断面図である。
図6】真空コンデンサ形計器用変圧器に設けられる外筐の一側面を拡大した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態に係る真空コンデンサ形計器用変圧器(真空VT)について、図を参照して詳細に説明する。
[実施形態1]
図1は、本発明の実施形態1に係る真空VT1の要部断面図である。図1に示すように、実施形態1に係る真空VT1は、1次側絶縁筒2、円筒部3及び接地円筒部4により形成される外筐5と、外筐5内に設けられる1次側コンデンサ6とを有する。なお、外筐5内に形成される2次側ケース7内には、保護継電器や計測器への出力電圧を分担する2次側コンデンサ(図示せず)が設けられる。
【0014】
1次側絶縁筒2は、例えば、セラミック材などの無機絶縁材料を円筒状に形成した部材である。1次側絶縁筒2の一方の開放端には円筒状の導電部材である円筒部3が設けられ、1次側絶縁筒2の他方の開放端には円筒状の導電部材である接地円筒部4が設けられる。1次側絶縁筒2の両端面(つまり、円筒部3が接合される1次側絶縁筒2の端面及び接地円筒部4が接合される1次側絶縁筒2の端面)には金属被覆(メタライズ)部2a,2bが設けられる。
【0015】
円筒部3の開放端には導電部材である1次側端板8が設けられる。一方、接地円筒部4の開放端には、導電部材である接地側端板9が設けられる。接地側端板9には、外筐5の軸を中心とした円形の孔が形成されており、この孔の外周部からから1次側端板8方向に立設して円筒状の絶縁部材である2次側絶縁筒10が設けられる。そして、2次側絶縁筒10の1次側端板8側の開放端は導電部材である2次側端板11により密閉される。このように、円筒部3の開放端を1次側端板8で密閉し、接地円筒部4の開放端を接地側端板9、2次側絶縁筒10及び2次側端板11で密閉することで外筐5内部を真空状態にした真空部12が形成される。なお、1次側絶縁筒2に直接1次側端板8を設けて1次側絶縁筒2の開放端を密閉してもよい。また、2次側絶縁筒10と接地側端板9は、直接または導電部材である円筒部13aを介して接続される。同様にして、2次側絶縁筒10と2次側端板11は、直接または導電部材である円筒部13bを介して接続される。
【0016】
1次側コンデンサ6は、1次側端板8と2次側端板11との間に形成される。1次側端板8の主面であって外筐5内周側の面には、内部1次電極8aが設けられる。内部1次電極8aは、例えば、円筒状の電極であり、2次側端板11方向に延設される。内部1次電極8aを複数設ける場合は、直径が順次小さくなる内部1次電極8aが同心円状に複数配置される。一方、2次側端板11の1次側端板8と対向する面には、内部2次電極11a,11bが設けられる。内部2次電極11a,11bは、例えば、内部1次電極8aと直径の異なる円筒状の電極であり、1次側端板8方向に延設される。内部1次電極8aと内部2次電極11a,11bは、その側面が非接触で対向するように交互に配置され1次側コンデンサ6が形成される。
【0017】
内部2次電極11a,11bのうち、最も大きい直径を有する内部2次電極11aの直径は、最も大きい直径を有する内部1次側電極8aの直径よりも大きい。つまり、最外周に設けられる内部2次電極11aの側面は、外筐5の内周面(接地円筒部4の内周面)に対向して設けられる。このように、内部2次電極11aの側面を接地円筒部4の内周面に対向配置することで、内部2次電極11aと接地円筒部4との間にコンデンサが形成される。また、内部2次電極11aは、その側面が1次側絶縁筒2と接地円筒部4との接続部(金属被覆部2a)と対向するように設けられる。このように内部2次電極11aを設けることで、比較的電位の低い内部2次電極11aにより、金属被覆部2aの端部(つまり、1次側絶縁筒2の内周面近傍の金属被覆部2a部分)が電界的に保護されるようになる。なお、内部2次電極11aを金属被覆部2aよりも1mm以上1次側端板8方向に延設させることで、内部2次電極11aによる金属被覆部2aの保護効果を得ることができる。
【0018】
1次側端板8の内部1次電極8aが設けられる面の反対側の面には、測定対象(高電圧側)と接続される接続導体8bが設けられる。この接続導体8bと1次側絶縁筒2が絶縁モールドで被覆されモールド部14が形成される。さらに、モールド部14の外周は金属皮膜15で覆われる。
【0019】
図2に示すように、2次側コンデンサ16は、2次側絶縁筒10の内周面と2次側端板11とで形成される2次側ケース7内に設けられ、2次側端板11及び接地側端板9と電気的に接続される。2次側コンデンサ16の分担電圧は、保護継電器(リレー)や計測器などの計測機器17に出力される。2次側コンデンサ16は、適宜周知のコンデンサを用いればよく、例えば、フィルムコンデンサが用いられる。なお、2次側ケース7内を真空にして、1次側コンデンサ6及び2次側コンデンサ16の両方のコンデンサを真空コンデンサとしてもよい。
【0020】
また、1次側コンデンサ6の電極間距離a(内部1次電極8aと内部2次電極11a,11bの電極間距離)は、最外周に設けられる内部2次電極11aと接地円筒部4により形成されるコンデンサの電極間距離bよりも長く設定される。このように電極間距離a,bを設定することにより、真空VT1に雷サージなどの過電圧が進入した場合の真空VT1に接続されている計測機器17に対する安全性が向上する。つまり、1次側コンデンサ6に過電圧が進入して内部1次電極8aと内部2次電極間11a,11bが閃絡すると、電極間距離a>電極間距離bであるため、内部2次電極11aと接地円筒部4との間も閃絡する。その結果、2次側コンデンサ16に過電圧がかかることにより生じる2次側コンデンサ16の破損やそれに付随する計測機器17の破損を防止することができる。なお、電極間距離bは、例えば、10mm以下とすればよく、この距離は、1次側絶縁筒2の厚さ(例えば、8〜12mm)や電極間距離aに基づいて設定される。
【0021】
以上のように、本発明の実施形態1に係る真空VT1によれば、金属被覆部2aと内部2次電極11aの側面とが対向するように、内部2次電極11aを2次側端板11に設けることで、金属被覆部2aを電位の低い内部2次電極11aで保護することができる。その結果、金属被覆部2aと内部1次電極8aとの間の閃絡を防止し、真空VT1の安全性が向上する。金属被覆部2aと内部2次電極11a間には電位差があるものの、内部2次電極11aと金属被覆部2aとの電位差は、2次側コンデンサ16が分担する電圧であり、内部1次電極8aと金属被覆部2aの電位差よりも非常に低く、内部1次電極8aと金属被覆部2aを対向させるよりは、内部2次電極11aと金属被覆部2a対向させた方がより金属被覆部2aからの閃絡が防止される。
【0022】
また、接地円筒部4の内周面と最外周に設けられる内部2次電極11aとの間で形成されるコンデンサの電極間距離bを1次側コンデンサの電極間距離aよりも短く設定することで、真空VT1に過電圧が進入した場合において、計測機器17に対する安全性が向上する。
【0023】
また、内部2次電極11aの側面と接地円筒部4の内周面とを対向させることで、分圧コンデンサの静電容量を大きくすることができる。つまり、2次側端板11に2次側コンデンサ16を接続した場合に、分圧コンデンサの静電容量が、内部2次電極11aと接地円筒部4との間に形成されるコンデンサと2次側コンデンサ16の合成容量となり、分圧コンデンサの静電容量を大きくすることができる。このように分圧コンデンサの静電容量を大きくすることで、真空VT1の電圧測定精度が向上する。また、真空VT1に分圧コンデンサの一部を形成することで、真空VT1に接続される計測機器17に対する安全性が向上する。
【0024】
この効果について図3,4を参照して具体的に説明する。図3(a)に示すように、分圧コンデンサが2次側ケース7内に設けられる2次側コンデンサC2だけである場合、計測機器17にかかる電圧は、2次側コンデンサC2が分担する電圧V2である。しかし、図3(b)に示すように、何らかの理由(例えば、誘電体フィルムの熱収縮による接続不安定など)により2次側コンデンサC2がオープン(または開放状態)になると、計測機器17に大きな電圧V2’(V2’>V2)がかかり、計測機器17の故障の原因となるおそれがある。
【0025】
これに対して、図4(a)に示すように、真空VT1の内部2次電極11aと接地円筒部4との間にコンデンサCVTを形成した場合、計測機器17にかかる電圧はこのコンデンサCVTと2次側コンデンサC2が分担する電圧V2’’となる。そして、図4(b)に示すように、何らかの理由により2次側コンデンサC2がオープンになった場合、計測機器17にかかる電圧V2’’’は、コンデンサCVTが分担する電圧V2’’’となる。この電圧V2’’’は、CVTがない場合の電圧V2’よりも小さな値となり、計測機器17を高電圧から保護することができる。
[実施形態2]
本発明の実施形態2に係る真空VT18について図5を参照して詳細に説明する。実施形態2に係る真空VT18は、最外周に設けられる内部2次電極11aの形状が異なること以外は、実施形態1に係る真空VT1と同じである。よって、実施形態2の説明では、内部2次電極11aの形状について詳細に説明する。その他の構成は、実施形態1に係る真空VT1と同じであるので、同じ符号を付し詳細な説明を省略する。
【0026】
実施形態2に係る真空VT18は、1次側絶縁筒2、円筒部3及び接地円筒部4により形成される外筐5と、外筐5内に設けられる1次側コンデンサ6とを有する。
【0027】
1次側コンデンサ6は、1次側端板8に設けられる内部1次電極8aと2次側端板11に設けられる内部2次電極11a,11bにより形成される。
【0028】
内部2次電極11a,11bのうち、最外周に設けられる内部2次電極11aは、その側面が外筐5の内周面と対向するように設けられる。また、内部2次電極11aは、その側面が金属被覆部2a(1次側絶縁筒2と接地円筒部4との接続部)と対向するように1次側端板方向に延設される。また、内部2次電極11aは、その側面が接地円筒部4の内周面と対向するように、接地側端板9方向(接地円筒部4の開放端方向)に延設される。
【0029】
実施形態2に係る真空VT18によれば、接地円筒部4の内周面との対向する内部2次電極11aの面積が増加するので、実施形態1の真空VT1の有する効果に加えて、さらに真空VT18に形成される分圧コンデンサの静電容量を増加させることができる。その結果、2次側ケース7内に設けられる2次側コンデンサ(図示せず)がオープンになった場合に、2次側コンデンサの分担電圧が出力される計測機器に対する保護効果がより向上する。
【0030】
なお、1次側端板8方向に延設される内部2次電極11aと接地円筒部4との電極間距離と、接地側端板9方向に延設される内部2次電極11aと接地円筒部4の電極間距離とは個別に設定してもよい。例えば、接地側端板9方向に延設される内部2次電極11aと接地円筒部4の内周面との距離が短くなるように内部2次電極11aを形成することで、真空VT18の分圧コンデンサの静電容量がさらに増加し、計測機器に対する保護効果が向上する。
【0031】
また、最外周に設けられる内部2次電極11aは、1つの部材で形成することに限定されるものではなく、例えば、接地側端板9方向に延設される内部2次電極11aと、1次側端板8方向に延設される内部2次電極11aとを別の部材で形成してもよい。
【0032】
以上、本発明の真空VTについて具体例を示して詳細に説明したが、本発明の真空VTは、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の特徴を損なわない範囲で適宜設計変更が可能であり、そのように変更された形態も本発明の技術範囲に属する。
【0033】
例えば、内部1次電極や内部2次電極の数は、真空VTを構成するために必要な静電容量を得ることができるように適宜必要な数を設ければよい。
【符号の説明】
【0034】
1,18…真空コンデンサ形計器用変圧器(真空VT)
2…1次側絶縁筒(絶縁筒)
2a,2b…金属被覆部
3,13a,13b…円筒部
4…接地円筒部(導体筒)
5…外筐
6…1次側コンデンサ(主コンデンサ)
7…2次側ケース
8…1次側端板
8a…内部1次電極、8b…接続導体
9…接地側端板
10…2次側絶縁筒
11…2次側端板
11a,11b…内部2次電極
12…真空部
14…モールド部
15…金属皮膜
16…2次側コンデンサ
17…計測機器
図1
図2
図3
図4
図5
図6