特許第5987641号(P5987641)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5987641
(24)【登録日】2016年8月19日
(45)【発行日】2016年9月7日
(54)【発明の名称】排紙装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 43/06 20060101AFI20160825BHJP
   B65H 31/26 20060101ALI20160825BHJP
【FI】
   B65H43/06
   B65H31/26
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-243407(P2012-243407)
(22)【出願日】2012年11月5日
(65)【公開番号】特開2014-91616(P2014-91616A)
(43)【公開日】2014年5月19日
【審査請求日】2015年3月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087343
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 智廣
(74)【代理人】
【識別番号】100082739
【弁理士】
【氏名又は名称】成瀬 勝夫
(74)【代理人】
【識別番号】100085040
【弁理士】
【氏名又は名称】小泉 雅裕
(74)【代理人】
【識別番号】100108925
【弁理士】
【氏名又は名称】青谷 一雄
(72)【発明者】
【氏名】染宮 勉
【審査官】 藤井 眞吾
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−275056(JP,A)
【文献】 特開2006−089198(JP,A)
【文献】 特開2002−087682(JP,A)
【文献】 特開2004−115236(JP,A)
【文献】 特開平09−020036(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 43/06
B65H 31/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙の排出口と、前記排出口から用紙を排出させるよう接触して回転する排出ロール対とを有する排出部と、
前記排出部の排出口から排出される用紙を落下させて積み重ねた状態で収容する積載面を有する収容部と、
前記排出部の排出口から排出されるときの用紙の上面に接触するとともに前記収容部の積載面に収容された用紙の積載高さに応じた位置まで持ち上げられるよう揺動する接触部材と、前記接触部材が用紙の満杯状態とみなす位置まで揺動して持続したときの状態を検出する検出手段とを有する満杯検出部と
を備え、
前記満杯検知部の接触部材は、前記収容部の積載面に用紙の排出方向後方部分が浮き上がって異常な状態で収容された用紙の当該後方部分の上面に接触するとともに、前記用紙の当該後方部分の上面の高さが前記排出部の排出ロール対の接触部における接線を用紙の排出方向とみなす仮想線に接近した高さになるときに当該接触部材を用紙の満杯状態とみなす位置まで揺動させる第2の接触部を有しており、
かつ、前記第2の接触部は、前記接触部材が前記積載面に収容される用紙の上面に接触していないときであって前記排出部からの用紙の排出もないときに、前記排出ロール対の下側ロールの下部よりも高い位置に存在するとともに当該下側ロールの上部よりも低い位置に存在し、
かつ、前記排出部における用紙の排出動作は前記満杯検出部で用紙の満杯状態が検出されたときに停止することを特徴する排紙装置。
【請求項2】
前記第2の接触部は、前記接触部材が有する、前記収容部の積載面に用紙の排出方向後方部分が浮き上がることなく正常な状態で収容された用紙の当該後方部分の上面に接触するとともに前記用紙の当該後方部分の積載高さが満杯状態になるときに当該接触部材を用紙の満杯状態とみなす位置まで揺動させる第1の接触部と、前記接触部材の揺動自在に支持される支持部との間に存在し、
前記第1の接触部と前記支持部を結ぶ直線よりも用紙との接触が可能な側に突出した状態で設けられている請求項1に記載の排紙装置。
【請求項3】
前記接触部材は、前記支持部と前記第2の接触部との間に、前記排出部から排出されるときの用紙の先端部が接触して前記第2の接触部を通過して進むよう誘導させられる誘導部が設けられている請求項2に記載の排紙装置。
【請求項4】
前記収容部の積載面は、用紙の排出方向の上流側において前記排出口よりも重力方向下方側の位置から用紙の排出方向の下流側にむけて上がり勾配の状態で形成された斜面部と、前記斜面部の上端から連続して用紙の排出方向の下流側にほぼ水平に延びる状態で形成された水平面部とで構成されており、
前記第2の接触部は、前記積載面の斜面部から用紙の排出方向後方部分が浮き上がって異常な状態で収容された用紙の当該後方部分の上面に接触し得るよう構成されている請求項1乃至3のいずれかに記載の排紙装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の排紙装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、排紙装置及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像の形成等の処理がなされた用紙を排出部の排出口から排出して収容部の積載面に積み重ねた状態で収容する排紙装置としては、例えば以下のものが知られている。
【0003】
すなわち、排出する用紙を収容するための排紙トレイを有する排出部と、その排紙トレイの満杯を検知する満杯検知手段とを備え、満杯検知手段が満杯検知高さの調整手段を有する画像形成装置の排紙装置である(特許文献1)。
特許文献1には、この排紙装置によれば、使用する用紙のカールに関する性状、状態に応じて最適の満杯検知状態を得られるようになり、カールのほとんどない用紙を使用した場合には満杯検知高さを高くして排紙口近くに設定することにより積載枚数を多くして対応可能であり、逆にカールが非常に大きい用紙を使用した場合には満杯検知高さを低く設定してスタック不良の発生を防止することが可能になることが示されている。
【0004】
また、排出口から排出されたシートが積載されるシート積載手段と、そのシート積載手段に積載されたシートの上面に当接可能とされ、シートの満杯状態を検知可能な満杯検知部材と、排出口から排出されるシートを上面から押圧可能なシート押さえ部材とを備え、前記満杯検知部材は、その検知部材またはシート押さえ部材のうち、シートの積載高さのより高い部分に当接されているいずれか一方の位置によりシートの満杯状態を検知し、前記シート押さえ部材のシートに対する押圧は、シート幅の狭い幅狭シートに対してよりもこの幅狭シートより幅の広い幅広シートに対しての方が強い力で行われる排紙装置である(特許文献2)。
特許文献2には、この排紙装置によれば、排出されたシートの満杯状態を適切に検知することが可能になり、またシートサイズに応じてシートへの押圧力を変更することが可能になることが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−137479号公報
【特許文献2】特開2005−96964号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は、排出口から排出されて積載面に積み重ねた状態で収容される用紙に接触しその積載高さに応じた高さまで揺動して満杯状態の検出に使用される接触部材が、その積載面に用紙の排出方向後方部分が浮き上がって異常な状態で収容された用紙についても、その用紙の状態に応じて適切に揺動して満杯状態として検出されることで、その異常な収容状態にある用紙の存在に起因した積載面での収容不良の発生を防止することができる排紙装置と、その排紙装置を備えた画像形成装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明(A1)の排紙装置は、
用紙の排出口と、前記排出口から用紙を排出させるよう接触して回転する排出ロール対とを有する排出部と、
前記排出部の排出口から排出される用紙を落下させて積み重ねた状態で収容する積載面を有する収容部と、
前記排出部の排出口から排出されるときの用紙の上面に接触するとともに前記収容部の積載面に収容された用紙の積載高さに応じた位置まで持ち上げられるよう揺動する接触部材と、前記接触部材が用紙の満杯状態とみなす位置まで揺動して持続したときの状態を検出する検出手段とを有する満杯検出部と
を備え、
前記満杯検知部の接触部材は、前記収容部の積載面に用紙の排出方向後方部分が浮き上がって異常な状態で収容された用紙の当該後方部分の上面に接触するとともに、前記用紙の当該後方部分の上面の高さが前記排出部の排出ロール対の接触部における接線を用紙の排出方向とみなす仮想線に接近した高さになるときに当該接触部材を用紙の満杯状態とみなす位置まで揺動させる第2の接触部を有しており、
かつ、前記第2の接触部は、前記接触部材が前記積載面に収容される用紙の上面に接触していないときであって前記排出部からの用紙の排出もないときに、前記排出ロール対の下側ロールの下部よりも高い位置に存在するとともに当該下側ロールの上部よりも低い位置に存在し、
かつ、前記排出部における用紙の排出動作は前記満杯検出部で用紙の満杯状態が検出されたときに停止することを特徴するものである。
【0008】
この発明(A2)の排紙装置は、上記発明A1の排紙装置において、
前記第2の接触部は、前記接触部材が有する、前記収容部の積載面に用紙の排出方向後方部分が浮き上がることなく正常な状態で収容された用紙の当該後方部分の上面に接触するとともに前記用紙の当該後方部分の積載高さが満杯状態になるときに当該接触部材を用紙の満杯状態とみなす位置まで揺動させる第1の接触部と、前記接触部材の揺動自在に支持される支持部との間に存在し、前記第1の接触部と前記支持部を結ぶ直線よりも用紙との接触が可能な側に突出した状態で設けられているものである。
【0009】
この発明(A3)の排紙装置は、上記発明A2の排紙装置において、
前記接触部材は、前記支持部と前記第2の接触部との間に、前記排出部から排出されるときの用紙の先端部が接触して前記第2の接触部を通過して進むよう誘導させられる誘導部が設けられているものである。
【0010】
この発明(A4)の排紙装置は、上記発明A1からA3のいずれかの排紙装置において、
前記収容部の積載面は、用紙の排出方向の上流側おいて前記排出口よりも重力方向下方側の位置から用紙の排出方向の下流側にむけて上がり勾配の状態で形成された斜面部と、前記斜面部の上端から連続して用紙の排出方向の下流側にほぼ水平に延びる状態で形成された水平面部とで構成されており、
前記第2の接触部は、前記積載面の斜面部から用紙の排出方向後方部分が浮き上がって異常な状態で収容された用紙の当該後方部分の上面に接触し得るよう構成されているものである。
【0011】
また、この発明(B1)の画像形成装置は、上記発明A1からA4のいずれかの排紙装置を備えていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
上記発明A1の排紙装置によれば、排出口から排出されて積載面に積み重ねた状態で収容される用紙に接触しその積載高さに応じた高さまで揺動して満杯状態の検出に使用される接触部材が、その積載面に用紙の排出方向後方部分が浮き上がって異常な状態で収容された用紙についても、その用紙の状態に応じて適切に揺動して満杯状態と検出されることで、その異常な収容状態にある用紙の存在に起因した積載面での収容不良の発生を防止することができる。
【0013】
上記発明A2の排紙装置では、その発明の構成を有しない場合に比べて、第2の接触部を有する接触部材を簡易に構成することができ、上記発明A1による効果を同様に得ることができる。
【0014】
上記発明A3の排紙装置では、その発明の構成を有しない場合に比べて、第2の接触部を有する接触部材であっても排出口から用紙の排出を阻害することなく、上記発明A2による効果を同様に得ることができる。
【0015】
上記発明A4の排紙装置では、その発明の構成を有しない場合に比べて、積載面の斜面部に用紙の排出方向後方部分が浮き上がって異常な状態で収容された用紙の存在についても、その異常な収容状態にある用紙の状態に応じて適切に揺動して満杯状態として検出されることで、その用紙の存在に起因した積載面での収容不良の発生を防止することができる。
【0016】
上記発明B1の画像形成装置によれば、排紙装置において、その排出口から排出されて積載面に積み重ねた状態で収容される用紙に接触しその積載高さに応じた高さまで揺動して満杯状態の検出に使用される接触部材が、その積載面に用紙の排出方向後方部分が浮き上がって異常な状態で収容された用紙についても、その用紙の状態に応じて適切に揺動して満杯状態として検出されることで、その異常な収容状態にある用紙の存在に起因した積載面での収容不良の発生を防止することができ、画像を形成した用紙の安定した排出収容を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施の形態1に係る排紙装置を備える画像形成装置の内部の構成を示す概略説明図である。
図2】排紙装置の要部を示す一部断面説明図である。
図3図2の排紙装置の一部の構成(主に接触部材)を拡大して示す説明図である。
図4図2の排紙装置の一部の構成(満杯検出部)を拡大して示す説明図である。
図5】用紙の満杯状態の検出動作と用紙の排出動作の制御内容を示すフローチャートである。
図6】正常な状態で収容される用紙に対する満杯検出部の接触部材の動作状態を示す説明図である。
図7】異常な状態で収容される用紙に対する満杯検出部の接触部材の動作状態を示す説明図である。
図8】用紙の排出動作中における満杯検出部の接触部材の動作状態を示す説明図である。
図9】従来の排紙装置において異常な状態で収容される用紙に対する満杯検出部の不具合を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[実施の形態1]
図1及び図2は、実施の形態1に係る排紙装置を備えた画像形成装置を示すものである。図1はその画像形成装置の主な構成を示し、図2はその排紙装置の要部を示している。
【0019】
<画像形成装置の構成>
画像形成装置1は、用紙19に所望の画像を形成するプリンタとして構成されている。また、この画像形成装置1は、その上部に、画像が形成された後の用紙19を排出して積み重ねた状態で収容する排紙装置5を配置した構造になっている。排紙装置5は、画像形成装置1の筐体10の上部を構成する関係になっている。この排紙装置5の詳細については後述する。
【0020】
このプリンタとしての画像形成装置1は、筐体10の内部空間に、現像剤としてのトナーで構成されるトナー像を形成して被記録材の一例としての用紙19に転写する作像ユニット2と、作像ユニット2に供給する用紙19を収容するとともに送出する給紙装置3と、作像ユニット2で形成されたトナー像を用紙19に定着する定着装置4等が主に設置されている。
【0021】
作像ユニット2は、例えば公知の電子写真方式を利用して構成されるものであり、矢印Aで示す方向(図1において反時計回りの方向)に回転駆動する感光ドラム21と、感光ドラム21の像形成領域となる外周面を所要の電位に帯電させる帯電装置22と、帯電後の感光ドラム21の外周面に所要の画像情報(信号)に基づく光を照射して電位差のある静電潜像を形成する露光装置23と、その静電潜像を現像剤のトナーにより現像してトナー像にする現像装置24と、そのトナー像を感光ドラム21から用紙19に転写させる転写装置25と、転写後の感光ドラム21の表面に残留するトナー等を除去して清掃する清掃装置26とで主に構成されている。図1中における符号27は現像装置24に補充する現像剤を収納する現像剤収納容器であり、符号28は現像剤収納容器27の補給用の現像剤を所要の時期に所要の量だけ現像装置24に搬送する補給装置である。
【0022】
給紙装置3は、画像の形成に使用する所要のサイズ、種類等からなる複数枚の用紙19を積み重ねた状態で収容する、トレイ形式、カセット形式等の用紙収容体31と、その用紙収容体31に収容される用紙19を1枚ずつ搬送路にむけて送り出す送出装置32とを備えている。筐体10の給紙装置3と作像ユニット2の転写位置(感光ドラム11と転写装置25の間)との間になる部位には、給紙装置3から送り出される用紙19をその転写位置にむけて搬送する給紙路33が設けられている。給紙路33は、用紙搬送ガイド材、用紙搬送ロール対34a,34b等で形成されている。また、用紙搬送ロール対34bは、用紙19を作像ユニット2の転写位置へ送り込む時期を調整するロールとして構成されている。
【0023】
作像ユニット2では、画像形成動作の開始指令を受けると、矢印Aで示す方向に回転始動する感光ドラム21の外周面が帯電装置22により所定の極性及び電位に帯電された後、その帯電された感光ドラム21の外周面に対して露光装置23から画像情報に基づく露光が行われて所要の電位からなる静電潜像が形成される。続いて、感光ドラム21に形成された静電潜像が、現像装置24を通過する際に、その現像装置24から供給される所要の極性に帯電された状態のトナーにより現像されてトナー像として顕像化される。続いて、感光ドラム21上に形成されたトナー像は、感光ドラム21の回転により転写装置25と対向する転写位置まで搬送されると、この作像タイミングに合わせて給紙装置3から給紙路33を通して供給される用紙19に対して転写装置25により静電的に転写される。
【0024】
定着装置4は、用紙19が通過する導入口及び排出口が形成された図示しない筐体の内部に、表面温度が加熱手段により所要の温度に加熱されて保持されるとともに所要の方向に回転駆動するロール形態、ベルト形態等の加熱回転体41と、この加熱回転体41の軸方向にほぼ沿うように所要の圧力で接触して従動回転するロール形態、ベルト形態等の加圧回転体42とが配置されている。この定着装置4は、その加熱回転体41と加圧回転体42とが接触して形成される接触部(定着処理部)に、トナー像が転写された後の用紙19を導入して通過させることで定着処理(加熱及び加圧)を行うようになっている。
【0025】
この画像形成装置1においては、筐体10の定着装置4と作像ユニット2の転写位置との間になる部位には、作像ユニット2から送り出される転写後の用紙19を定着装置4にむけて搬送する中間搬送路43が設けられている。また、筐体10の定着装置4と排紙装置5(の排出部51)との間になる部位には、定着装置4から送り出される定着後の用紙19を排紙装置5(の排出部51)にむけて搬送する排出路44が設けられている。さらに、排出路44と給紙路33との間になる部位には、片面に画像が形成されて排出路44を通して排出される用紙19をその表裏面を反転させた状態で給紙路33に再送する反転再送路46が設けられている。反転再送路46は、用紙搬送ガイド材、搬送先切換え爪、用紙搬送ロール対47等を配置して構成されている。
【0026】
画像が形成された用紙19は、排出路44を通して排紙装置5(の排出部51)に搬送された後、その排紙装置5(の収容部55)に積み重ねた状態で収容される。
【0027】
<排紙装置の構成>
次に、排紙装置5について説明する。
【0028】
排紙装置5は、図1図2等に示されるように、画像が形成された後の用紙19を排出する排出部51と、その排出される用紙19を積み重ねた状態で収容する収容部55と、収容部55に収容される用紙19が満杯の状態になることを検出する満杯検出部57とを備えている。
【0029】
排出部51は、筐体10の上部の一部(外装部材)を構成する筐体を備えており、その筐体の一部に形成された排出対象の用紙19を排出させる排出口52と、その筐体の内部に設置され、排出口52から排出対象の用紙19を排出させるよう接触して回転する一対の排出ロール53A,53Bからなる排出ロール対53とを少なくとも有する構成部分である。
【0030】
排出口52は、水平方向に沿って細長い長方形の開口形状となるよう形成されている。排出ロール対53は、前述した排出路44の終端位置に配置されており、排出口52の長手方向に沿って平行に延びるよう配置された2本の回転軸53c、53dにそれぞれ間隔をあけて複数個ずつ取り付けられている。また、排出ロール対53は、例えば、その一方の排出ロール53A(それを固定する回転軸53c)が、駆動モータ54からの回転動力を受けることで所要の方向に回転駆動する。さらに、排出部51には、排出される用紙19が排出ロール対53(の間)に到達してから排出されるまで状態を検出する図示しない排出検出センサが設置されている。
【0031】
収容部55は、筐体10の上部の他の一部を構成する筐体を備えており、その筐体の一部に排出部51の排出口52から排出される用紙19を落下させて積み重ねた状態で収容する積載面56を設けた構成部分である。
【0032】
実施の形態1における積載面56は、用紙排出方向Bの上流側おいて排出口52よりも重力方向Gの下方側の位置から用紙排出方向Bの下流側にむけて上がり勾配の状態で形成された斜面部56Aと、その斜面部56Aの上端から連続して用紙排出方向Bの下流側にほぼ水平に延びる状態で形成された水平面部56Bとで構成されている。このため、収容部55には、斜面部56Aの下端から排出ロール対53の下方位置に至る部位に、収容された用紙16の排出方向Bの上流側の端部を接触させて止めるための端部接触面部56Cが設けられている。また、積載面56の水平面部56Bは、その面の高さが、排出ロール対53の下側排出ロール53Bと同じ高さか又はそれよりも少し低い高さ位置になる状態で形成されている。
【0033】
満杯検出部57は、排出部51の排出口52から排出されるときの用紙19の上面に接触するとともに収容部55の積載面56に収容された用紙19の積載高さhに応じた位置まで持ち上げられるよう揺動する接触部材60と、接触部材58が用紙19の満杯状態と判定される位置まで揺動して持続したときの状態を検出する検出手段67とを少なくとも有する構成部分である。
【0034】
接触部材60は、図3等に示されるように、板状の部材で構成されるものであり、排出口52の長手方向における所要の位置(例えば排出される各種の用紙19のすべての上面に接触し得る位置)において、例えば排出ロール対53の上側排出ロール53Aの上部にほぼ相当する高さ位置にある支持軸61を支点として矢印C1,C2で示す方向に揺動するよう取り付けられている。ちなみに、この接触部材60は、積載面56に収容されている用紙19の上面に接触していないときであって排出部51からの用紙19の排出もないとき(フリーな状態のとき)に、図3図6(二点鎖線で示す接触部材60)等に示すように、所定の姿勢で静止した状態(それ以上は矢印C2の方向に揺動しない状態)に保たれるよう取り付けられている。
【0035】
また、接触部材60は、支持軸61から最も離れて積載面56(の斜面部56A)に接近した状態になる自由端の先端部に、図6に例示するように用紙19の排出方向Bの後方部分19aが積載面56(の斜面部56A)から極端に浮き上がることなく正常な状態で収容される用紙19(K)の後方部分19aの上面に接触し得る第1の接触部62を形成した形状になっている。第1の接触部62は、積載面56(の斜面部56A)に接触しないが積載面56に最も接近した状態になるものであり、その積載面56に収容された用紙19の積載高さhが所要の高さhmになった段階で初めて、その(最上の)用紙19の上面に接触するよう構成されている(図3)。
【0036】
検出手段67は、接触部材60が用紙の満杯状態とみなす位置まで揺動したことを検出するものであり、例えば、光を発する発光部とその光を一定の距離をあけて受光する受光部を有する光学検出センサが適用される。
【0037】
この場合の検出手段67は、図4に例示するように、その光学検出センサの発光部と受光部の間(隙間)に、ある角度以上揺動したときの接触部材60の一部が侵入して発光部と受光部の間の光線を遮断する状態が発生するように設置する。そして、接触部材60が用紙の満杯状態とみなす位置(積載高さhが満杯高さhx:図6)に達するまでに要する所定の角度(非収容時の静止位置からの揺動角度)θxだけ揺動したときに、その接触部材60の一部が発光部と受光部の間に侵入して発光部と受光部の間の光線を遮断し、これにより接触部材60の揺動した状態が検出されるように構成される。ここで、接触部材60の一部とは、実施の形態1では本体の一部としている。なお、この接触部材60の一部としては、図4に例示するように本体の一部から突出した状態で固定して設ける被検出部66Bとすることも可能である。この場合、その被検出部66Bは、接触部材60の本体に一体的に設ける他、接触部材60を固定した支持軸61の一部に設けることができる。また、その被検出部66Bを検出する検出手段67Bについては、所要の状態にあるときの被検出部66Bを確実に検出することが可能な位置に配置すればよい。
【0038】
また、この排紙装置5においては、排出部51の排出ロール対53を回転させる駆動モータ54が例えば画像形成装置1の制御手段70と接続されており、その制御手段70により駆動モータ54の動作が制御されるようになっている。また、満杯検出部57の検出手段57が、同じく画像形成装置1の制御手段70に接続されており、その制御手段70に検出手段57の検出情報を送信するようになっている。
【0039】
制御手段70は、排出部51の駆動モータ54を制御して排出ロール対53を始動及び停止させている。また、制御手段70は、満杯検出部57の検出手段57からの検出情報を入手して収容部55の積載面56に収容された用紙19が満杯状態になったか否かを判断し、満杯状態になったことを検出したときに排出部51の駆動モータ54を制御して排出ロール対53の駆動を停止させるようになっている。
【0040】
制御手段70による用紙の満杯状態の検出(判断)は、例えば、図5に例示する手順で行うよう構成されている。
【0041】
すなわち、制御手段70では、画像形成動作が実行されて用紙の排出動作が終了したことを検出する前述した不図示の用紙排出センサによって検出された否かを判断しており(ステップ10:以下、これを単に「S10」と表示する。)、その用紙排出センサによる用紙排出の検出情報が入手されると、タイマーが始動して経過時間tを計測し始める(S11)。その後、満杯検出部7の検出手段57からの出力情報を監視し(S12)、接触部材60の揺動の検出が終了したことの出力情報があった場合には、接触部材60が矢印C2で示す下方側に揺動したことになるので、積載面56上の用紙19が満杯状態になっていないとみなして、タイマーをリセットした後(S13)、用紙排出動作排出部51における用紙19の排出動作の続行を許容することになる(S14)。
【0042】
また、ステップS12において接触部材60の揺動の検出がされない場合は、経過時間tが予め設定する閾値時間Tn以上になったか否かを判断し(S15)、閾値時間Tnを超えていないときは、ステップS12に戻る。一方、ステップS15において閾値時間Tn以上になったときには、タイマーをリセットした後(S16)、積載面56上の用紙19が満杯状態であると判断し(S17)、最終的に排出部51における用紙の排出動作を強制停止させる(S18)。このときの閾値時間Tnは、例えば、排出部51の排出ロール対53による1枚の用紙19の排出動作に要する時間(排出所要時間)に、的確な判断を行うのに必要な所要時間を加えた時間が適用される。これにより、積載面56に満杯状態で先に収容されている用紙19の一部をその後に排出される用紙が押してずらすことで収容状態(位置や向き)を乱すことや、先に収容された用紙19の一部を積載面56から押し出して落下させてしまうこと等の収容不良が発生することを防ぐことができる。
【0043】
そして、この排紙装置5では、図6に示されるように、積載面56に対して、用紙の後方部分19aがほとんど浮き上がることがなく正常な状態で用紙19(K)が収容された場合は、満杯検出部57における接触部材60が次のように作動する。
【0044】
まず、画像を形成した後の用紙19が排出部51の排出口52から排出されると、その用紙の排出方向Bの前方部分の上面が接触部材60に接触して排出されるので、接触部材60は、一時的に矢印1で示す方向に持ち上げられるように揺動する。続いて、その排出される用紙19が排出ロール対53の排出作用から解放されると、積載面56にむけて自重により自然落下して収容されるが、この際、一時的に持ち上げられる接触部材60も用紙19による揺動作用がなくなるので、その自重により矢印2で示す方向に下降するように揺動して静止状態(図6の二点鎖線で示す状態)に戻る。
【0045】
その後、積載面51に複数枚の用紙19が積み重ねた状態で収容され、その積載高さhが前記所定の高さhm(図3)になるまで収容されると、その収容された用紙19の最上の上面に接触部材60の第1の接触部62が接触した状態になる。その後さらに、積載面51に用紙19が次々と積み重ねられて収容されると、そのときの用紙10の積載高さhに応じて接触部材60が矢印1で示す方向に徐々に持ち上げられるように揺動する。その積載高さhが満杯高さhxに達すると、図6に示されるように、接触部材60が用紙の満杯状態とみなす位置(P1)まで揺動される。この結果、接触部材60は、検出手段67により満杯状態になったと検出される(図4)。
【0046】
これにより、排紙装置5では、排出部51の排出ロール対53による用紙の排出動作が強制停止させられる(図5)。このため、排紙装置5では、正常な状態で収容された用紙19(K)が存在している積載面56に対し、引き続いて用紙19の排出動作とその収容が継続されて行われることがないので、後続で排出される用紙19によって先に収容されていた用紙19(K)の収容不良が発生することが防止される。
【0047】
ここで、従来の排紙装置において満杯検出部の接触部材として、例えば図9に例示するようなほぼ真っ直ぐな棒状の接触部材600を適用している場合、以下のような不具合が発生する。
【0048】
はじめに、接触部材600は、支持軸61に揺動自在に取り付けられており、その自由端の先端部620が積載面56に収容された(最上の)用紙19の上面に接触し得る1つの接触部として構成されているものである。
【0049】
そして、積載面56に対して、用紙19の排出方向Bの後方部分19aが積載面56(の斜面部56A)から極端に浮き上がることなく正常な状態で収容される用紙19(K)がその積載高さhが満杯高さhxになるまで積載収容された場合には、接触部材600は、その接触部620が用紙19(K)の後方部分19aに接触して満杯状態とみなす位置(P1)まで持ち上げられるように揺動される。この結果、満杯検出部において満杯状態になったことが正しく検出される。
【0050】
一方、図9に例示するように、積載面56に対して、用紙19の排出方向Bの後方部分19aが積載面56(の斜面部56A)から浮き上がって異常な状態で収容され、しかも、その後方部分19aの(最上の用紙の)上面の高さが、排出ロール対53の接触部53eにおける接線を用紙の排出方向Bとみなす仮想線(矢付き一点鎖線)に接近した高さになる状態で用紙19(W)が収容された場合には、次のようになる。
【0051】
つまり、このときの接触部材600は、その接触部620が用紙19(W)の後方部分19aに接触するが、満杯状態とみなす位置(P1)に至るまで持ち上げられるように揺動されないことがある。この場合は、満杯検出部において満杯状態になったと検出されることがない。この結果、その異常な状態で収容された用紙19(W)が存在している積載面56に対し、引き続いて用紙19の排出動作とその収容が継続されることになる場合には、後続で排出される用紙19によって先に収容されていた用紙19(W)の収容不良が発生することがある。また、異常な状態で収容された用紙19(W)の後方部分19aが排出口52を塞いだ状態で収容されることになった場合は、後続で排出される用紙19が排出不良を起こすおそれもある。このような異常な状態で収容される用紙19(W)としては、例えば、腰の強い(撓みにくい)用紙や、後方部分がカールした状態(上向き又は下向きに反った状態)にある用紙などである。
【0052】
<排紙装置の詳細な構成>
そこで、この排紙装置5においては、満杯検出部57の接触部材60として、前記した第1の接触部62の他に、以下に詳述する第2の接触部63を有するものを採用している。
【0053】
その接触部材60は、図3図7等に示されるように、積載面56(の斜面部56A)に用紙の排出方向Bの後方部分19aが浮き上がって異常な状態で収容された用紙19(W)の後方部分19aの上面に接触するとともに、その用紙19(W)の後方部分19aの上面の高さが排出ロール対53の接触部53eにおける接線を用紙の排出方向Bとみなす仮想線(矢付き一点鎖線)に接近した高さになるときに接触部材60を用紙の満杯状態とみなす位置(P1)まで揺動させる第2の接触部63を形成したものである。
【0054】
上記用紙の排出方向Bの後方部分19aが浮き上がって異常な状態とは、その用紙の後方部分19aの上面の高さが収容状態において用紙の排出方向Bを示す仮想線(矢付き一点鎖線)に接近した状態になるまで浮き上がった状態であるが、この他にも、例えば、後方部分19がカールした状態になったものが複数枚積み重なった結果、その最上の用紙の後方部分19aの高さが用紙の排出方向Bを示す仮想線に接近した状態になるまで浮き上がった状態なども含むものである。また、上記排出ロール対53の接触部53eにおける接線は、一対の排出ロール53A,53Bの各回転軸53c、53dの中心を結んだ直線L1と直交する直線とする。さらに、上記用紙19(W)の後方部分19aの上面の高さが用紙の排出方向Bを示す仮想線(矢付き一点鎖線)に接近するとは、その上面の高さが仮想線と接触した状態になる場合も含まれるが、後続で排出される用紙19が接触して先に収容されている用紙19(W)の収容不良を誘発するおそれがある程度に近い状態である。
【0055】
実施の形態1における第2の接触部63は、図3等に示されるように、第1の接触部62と支持軸61で支持されている部位の支持部との間に存在し、その第1の接触部62と支持部とを結ぶ直線(一点鎖線)L2よりも用紙19との接触が可能な側に突出した状態で設けられる部分である。実施の形態1では、第1の接触部62と支持部とを結ぶ直線L2を底辺とした三角形の頂点に相当する部位に第2の接触部63を配置している。また、第2の接触部63は、例えば、第1の接触部62が用紙の満杯状態とみなす位置(P1)にあるときに、前記異常な状態で収容される用紙19(W)の上面に接触するような位置に形成(配置)される。
【0056】
また、この接触部材60は、支持軸61で支持される部位の支持部と第2の接触部62との間に、排出部51から排出されるときの用紙19の先端部19s(図8)が接触して第2の接触部63を通過して進むよう誘導させられる誘導部64が設けられている。
【0057】
実施の形態1における誘導部64は、図3等に示されるように、支持部と第2の接触部62との間を結ぶ直線状の形状であって、接触部材60が静止状態にあるときに排出ロール対53の接触部53eと向き合うとともに用紙の排出方向B(矢付き一点鎖線)とほぼ直交する方向に延びる状態となる形状のものである。なお、この接触部材60において第1の接触部62と第2の接触部63の間の部位65は、図3等に示されるように、内側に湾曲した曲線形状で形成している。
【0058】
そして、この排紙装置5では、図7に示されるように、積載面56に対して、後方部分19aが浮き上がった状態となり、その後方部分19aの上面の高さが排出ロール対53の用紙排出方向Bを示す仮想線に接近した高さになるという異常な状態で用紙19(W)が収容された場合は、満杯検出部57における接触部材60が次のように作動する。
【0059】
すなわち、接触部材60は、その異常な状態で収容された用紙19(W)の後方部分19aに対して、第1の接触部62よりも用紙19と接触しやすい側に位置する第2の接触部63が優先的に接触して矢印1で示す方向に持ち上げられるように揺動し、しかも、その第2の接触部63の接触により最終的に用紙の満杯状態とみなす位置(P1)まで揺動させられる。この結果、接触部材60は、検出手段67により満杯状態になったと検出される(図4)。これにより、排紙装置5では、排出部51の排出ロール対53による用紙の排出動作が強制停止させられる(図5)。
【0060】
したがって、この排紙装置5では、異常な状態で収容された用紙19(W)が存在している積載面56に対し、引き続いて用紙19の排出動作とその収容が継続されて行われることがないので、後続で排出される用紙19によって先に収容されていた用紙19(W)の収容不良が発生することが防止される。
【0061】
この場合、使用者は、異常な状態で収容された用紙19(W)を積載面56から取り除けば、接触部材60が矢印2で示す方向に下降するように揺動して満杯検出部57の検出手段57による検出も終了した状態になり、用紙の排出動作の強制停止の制御が解除される。なお、後方部分19aが浮き上がって異常な状態で収容される用紙19(C)であっても、図7に二点鎖線で例示するように、その用紙19(C)の後方部分の上面の高さが排出ロール対53の用紙排出方向Bを示す仮想線に接近せずに離れた位置になる高さにある場合には、接触部材60の第2の接触部63は接触しないか、あるいは、第2の接触部63は接触しても接触部材60を満杯状態とみなす位置(P1)まで揺動させることができない。
【0062】
また、排紙装置5では、図8に二点鎖線で示すように接触部材60が静止状態にあるとき、接触部材60における第2の接触部63が排出口52ひいては排出ロール対53の用紙排出方向Bの経路を塞ぐ状態で存在し、用紙19の排出動作の障害になりかねない状況が発生する。しかし、この接触部材60には、その支持部と第2の接触部63の間に誘導部64を設けているため、排出ロール対53により排出口52を通過して排出される用紙19の先端部19sが、その誘導部64に接触するように突き当たって接触部材60を押すように作用する。
【0063】
これにより、接触部材60が排出される用紙19によって効率よく押されて矢印1で示す方向に持ち上げられるように容易に揺動し始める。また、この接触部材60の揺動開始により誘導部64が用紙排出方向Bと斜めに交差する状態に変化するので、用紙19の先端部19sもその誘導部64により第2の接触部53を通過するように誘導されて円滑に進む。この結果、第2の接触部63を有する接触部材60であっても、排出口52から用紙19の排出を阻害することなく、良好に機能する。
【0064】
この用紙19の排出動作中には、接触部材60は、図8に実線で示すように、一時的に用紙の満杯状態とみなす位置(P1)を通過した高さ位置まで揺動して全体が高く持ち上げられた状態になる。ちなみに、接触部材60は、用紙の排出動作中のときに、上記したように一時的に高く持ち上げられるように揺動するので、用紙の満杯状態とみなす位置(P1)まで揺動させられて検出手段67で検出されることになる。しかし、このとき排出される用紙19は、排出ロール対53からの排出作用から解放されると、積載面56にむけて自重で自然落下するので、高く持ち上げられていた接触部材60も自重によって矢印2で示す方向に下降するように揺動して最終的に静止状態に戻る。これにより、接触部材60の検出手段57による検出時間tは、平常の排紙所要時間を超えることがなく最終的に閾値時間Tnを超えることもない。このため、用紙の排出動作中に接触部材60が高く持ち上げられた状態に揺動することがあっても、満杯状態であると検出されることがない(図5)。
【0065】
[他の実施の形態]
実施の形態1では、排紙装置5を現像剤で構成される画像を形成する画像形成装置に適用した場合について例示したが、このような排紙装置は、それ以外の画像形成方式を採用する画像形成装置に適用したり、あるいは、複数枚の用紙を排出して積み重ねた状態で収容する必要がある他の分野の装置における排紙装置として適用することも可能である。
【符号の説明】
【0066】
1 …画像形成装置
5 …排紙装置
19…用紙
19a…後方部分
19(K)…正常な状態で収容される用紙
19(W)…異常な状態で収容される用紙
51…排出部
52…排出口
53…排出ロール対
55…収容部
56…積載面
56A…斜面部
56B…水平面部
57…満杯検出部
60…接触部材
64…誘導部
67…検出手段
B …用紙の排出方向
C1,C2…揺動する方向
h …積載高さ
P1…満杯状態とみなす位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9