特許第5987645号(P5987645)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5987645-ワイヤハーネスの被覆剥がし装置 図000002
  • 特許5987645-ワイヤハーネスの被覆剥がし装置 図000003
  • 特許5987645-ワイヤハーネスの被覆剥がし装置 図000004
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5987645
(24)【登録日】2016年8月19日
(45)【発行日】2016年9月7日
(54)【発明の名称】ワイヤハーネスの被覆剥がし装置
(51)【国際特許分類】
   H02G 1/12 20060101AFI20160825BHJP
   B26B 27/00 20060101ALI20160825BHJP
【FI】
   H02G1/12 002
   H02G1/12 095
   H02G1/12 009
   H02G1/12 053
   B26B27/00 G
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2012-245681(P2012-245681)
(22)【出願日】2012年11月7日
(65)【公開番号】特開2014-96868(P2014-96868A)
(43)【公開日】2014年5月22日
【審査請求日】2015年9月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】500296295
【氏名又は名称】株式会社テクマ
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】特許業務法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今井 克洋
(72)【発明者】
【氏名】矢野 幸宏
(72)【発明者】
【氏名】高間 輝昭
(72)【発明者】
【氏名】深津 博己
【審査官】 木村 励
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−32824(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3167598(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 1/12
B26B 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯線を被覆層にて覆った複数のワイヤ(92a、92b)が、2列配置されるとともに各列毎に複数本配置された状態で、保持部材(91)によって一体的に保持された、ワイヤハーネスの被覆剥がし装置であって、
第1列のワイヤ(92a)と第2列のワイヤ(92b)との間に位置して、全ての前記ワイヤ(92a、92b)の被覆層に切り込みを入れる中央刃(1)と、
前記第1列のワイヤ(92a)と前記第2列のワイヤ(92b)の並び方向に沿って移動可能で、前記中央刃(1)側に移動したときに前記中央刃(1)との間に前記第1列のワイヤ(92a)を挟持して前記第1列のワイヤ(92a)の被覆層に切り込みを入れる第1可動刃(2)と、
前記第1列のワイヤ(92a)と前記第2列のワイヤ(92b)の並び方向に沿って移動可能で、前記中央刃(1)側に移動したときに前記中央刃(1)との間に前記第2列のワイヤ(92b)を挟持して前記第2列のワイヤ(92b)の被覆層に切り込みを入れる第2可動刃(3)とを備え、
前記3個の刃(1〜3)によって全ての前記ワイヤ(92a、92b)が挟持された状態で、全ての前記ワイヤ(92a、92b)および前記保持部材(91)と、前記3個の刃(1〜3)とが、相対的に遠ざかる向きに移動されることを特徴とするワイヤハーネスの被覆剥がし装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のワイヤが保持部材によって一体的に保持されたワイヤハーネスの被覆剥がし装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のワイヤの被覆層を同時に切断して剥がす被覆剥がし装置として、ワイヤの被覆層に切り込みを入れる刃を2つ設け、2つの刃の間に複数のワイヤを挟持して、ワイヤの被覆層を切断して剥がすものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−271632号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の被覆剥がし装置は、複数のワイヤが2列配置されるとともに各列毎に複数本配置されたワイヤハーネスの場合、全てのワイヤの被覆を同時に剥がすことができないため、各列毎に被覆層を切断して剥がす必要があった。すなわち、被覆剥がし作業を2回行う必要があった。
【0005】
本発明は上記点に鑑みて、複数のワイヤが2列配置されるとともに各列毎に複数本配置されたワイヤハーネスの被覆層を剥がす際、1回の被覆剥がし作業で全てのワイヤの被覆を剥がすことができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、芯線を被覆層にて覆った複数のワイヤ(92a、92b)が、2列配置されるとともに各列毎に複数本配置された状態で、保持部材(91)によって一体的に保持された、ワイヤハーネスの被覆剥がし装置であって、第1列のワイヤ(92a)と第2列のワイヤ(92b)との間に位置して、全てのワイヤ(92a、92b)の被覆層に切り込みを入れる中央刃(1)と、第1列のワイヤ(92a)と第2列のワイヤ(92b)の並び方向に沿って移動可能で、中央刃(1)側に移動したときに中央刃(1)との間に第1列のワイヤ(92a)を挟持して第1列のワイヤ(92a)の被覆層に切り込みを入れる第1可動刃(2)と、第1列のワイヤ(92a)と第2列のワイヤ(92b)の並び方向に沿って移動可能で、中央刃(1)側に移動したときに中央刃(1)との間に第2列のワイヤ(92b)を挟持して第2列のワイヤ(92b)の被覆層に切り込みを入れる第2可動刃(3)とを備え、3個の刃(1〜3)によって全てのワイヤ(92a、92b)が挟持された状態で、全てのワイヤ(92a、92b)および保持部材(91)と、3個の刃(1〜3)とが、相対的に遠ざかる向きに移動されることを特徴とする。
【0007】
これによると、複数のワイヤ(92a、92b)が2列配置されるとともに各列毎に複数本配置されたワイヤハーネスの被覆を剥がす際、1回の被覆剥がし作業で全てのワイヤ(92a、92b)の被覆を剥がすことができる。
【0008】
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】(a)は本発明の一実施形態に係る被覆剥がし装置を示す正面図、(b)は(a)の右側面図である。
図2】(a)は一実施形態に係る被覆剥がし装置の被覆切り込み工程を示す正面図、(b)は(a)の右側面図である。
図3】(a)は本発明の一実施形態に係る被覆剥がし装置の被覆脱離工程を示す正面図、(b)は(a)の右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施形態について説明する。
【0011】
図1に示すように、ワーク9は、4個の貫通穴が形成された保持部材としてのゴム製のブッシュ91と、ブッシュ91の貫通穴に通された4本のワイヤ92とを備え、4本のワイヤ92がブッシュ91によって一体的に保持されている。
【0012】
ワーク9は、図示しない駆動手段に駆動されて、ブッシュ91の軸方向(すなわち、図1(b)の紙面左右方向)に往復動可能になっている。
【0013】
ブッシュ91に保持されたワイヤ92は、上下に2列に配置され、上側の列には水平方向に2本配置され、下側の列にも水平方向に2本配置されている。以下、上側に配置された2本のワイヤを第1列のワイヤ92a、下側に配置された2本のワイヤを第2列のワイヤ92bという。
【0014】
なお、ワイヤ92は、電気良導体の金属よりなる芯線を、電気絶縁性に富む樹脂よりなる被覆層にて覆ったものである。
【0015】
被覆剥がし装置は、第1列のワイヤ92aと第2列のワイヤ92bとの間に位置する板状の中央刃1と、第1列のワイヤ92aの上方に位置する板状の第1可動刃2と、第2列のワイヤ92bの下方に位置する板状の第2可動刃3とを備えている。
【0016】
中央刃1は、第1列のワイヤ92aの被覆層における下側部位に切り込みを入れる中央刃上側切り込み刃部11と、第2列のワイヤ92bの被覆層における上側部位に切り込みを入れる中央刃下側切り込み刃部12とを備えている。また、中央刃1は、図示しない台に固定されている。
【0017】
第1可動刃2は、図示しない駆動手段に駆動されて、第1列のワイヤ92aと第2列のワイヤ92bの並び方向(すなわち、図1の紙面上下方向)に沿って往復動可能になっている。また、第1可動刃2は、第1列のワイヤ92aの被覆層における上側部位に切り込みを入れる第1可動刃切り込み刃部21を備えている。
【0018】
第2可動刃3は、図示しない駆動手段に駆動されて、第1列のワイヤ92aと第2列のワイヤ92bの並び方向に沿って往復動可能になっている。また、第2可動刃3は、第2列のワイヤ92bの被覆層における下側部位に切り込みを入れる第2可動刃切り込み刃部31を備えている。
【0019】
中央刃上側切り込み刃部11、中央刃下側切り込み刃部12、第1可動刃切り込み刃部21、および第2可動刃切り込み刃部31は、V字状で、先端が鋭利に形成されている。また、中央刃上側切り込み刃部11と第1可動刃切り込み刃部21が対向し、中央刃下側切り込み刃部12と第2可動刃切り込み刃部31が対向している。
【0020】
次に、被覆剥がし装置を用いてワイヤ92の被覆層を剥がす手順について説明する。
【0021】
まず、図1に示すように、第1可動刃2が上昇し且つ第2可動刃3が下降している状態で、ワーク9を3個の刃1〜3側に向かって(すなわち、図1(b)の紙面左向きに)移動させて、ワイヤ92の先端側を3個の刃1〜3の間に挿入する。
【0022】
より詳細には、中央刃上側切り込み刃部11と第1可動刃切り込み刃部21との間に、第1列のワイヤ92aの先端側を挿入し、中央刃下側切り込み刃部12と第2可動刃切り込み刃部31との間に、第2列のワイヤ92bの先端側を挿入する。
【0023】
続いて、図2に示すように、第1可動刃2を下降させて、すなわち、第1可動刃2を中央刃1側に移動させて、中央刃上側切り込み刃部11と第1可動刃切り込み刃部21との間に第1列のワイヤ92aを挟持し、第1列のワイヤ92aの被覆層に切り込みを入れる。
【0024】
同様に、第2可動刃3を上昇させて、すなわち、第2可動刃3を中央刃1側に移動させて、中央刃下側切り込み刃部12と第2可動刃切り込み刃部31との間に第2列のワイヤ92bを挟持し、第2列のワイヤ92bの被覆層に切り込みを入れる。
【0025】
続いて、3個の刃1〜3によって全てのワイヤ92が挟持された状態(図2の状態)で、図3に示すように、ワーク9を3個の刃1〜3側から遠ざかる向きに(すなわち、図3(b)の紙面右向きに)移動させて、ワイヤ92の先端側の被覆層をワイヤ92から剥がす。なお、3個の刃1〜3によって全てのワイヤ92が挟持された状態(図2の状態)で、3個の刃1〜3をワーク9から遠ざかる向きに(すなわち、図3(b)の紙面左向きに)移動させて、ワイヤ92の先端側の被覆層をワイヤ92から剥がすようにしてもよい。
【0026】
本実施形態によると、複数のワイヤ92が2列配置されるとともに各列毎に複数本配置されたワイヤハーネスの被覆を剥がす際、1回の被覆剥がし作業で全てのワイヤ92の被覆を剥がすことができる。
【符号の説明】
【0027】
1 中央刃
2 第1可動刃
3 第2可動刃
91 ブッシュ(保持部材)
92a 第1列のワイヤ
92b 第2列のワイヤ
図1
図2
図3