(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ユーザまたはユーザの利用した端末装置を識別するための利用主体識別子と、ユーザにより利用されたアイテムを識別するアイテム識別子と、アイテムを利用した時期を示す利用時期情報とを少なくとも対応付けた利用履歴を、他の装置から受信する情報処理装置における情報処理方法であって、
利用履歴登録部が、前記受信した利用履歴を利用履歴格納部に格納する利用履歴登録工程と、
アイテム情報格納部が、アイテム識別子と前記アイテム識別子に対応するアイテムの利用が開始された時期情報を示す解禁日とを関連付けたアイテム情報を格納するアイテム情報格納工程と、
ポイント付与判定部が、一の利用履歴に対してポイントを付与するか否かを判定し、ポイントを付与すると判定した一の利用履歴に対してポイントを算出するポイント付与判定工程を含み、
前記ポイント付与判定工程では、前記利用履歴格納部に格納された利用履歴のうち、一の利用履歴に含まれるアイテム識別子と同じアイテム識別子をもち、かつ前記一の利用履歴よりも古い利用時期情報を有する他の利用履歴の集合である先行利用履歴集合のみを用いて算出した利用数と、前記アイテム情報格納部に格納された、前記一のアイテムに対応するアイテム識別子に関連付けられた解禁日とを用いて、前記一の利用履歴に対してポイントを付与するか否かを判定し、
前記アイテム情報格納工程では、アイテム情報に、さらにアイテムの名称、制作者、制作年、ジャンル、価格等の属性情報を示すアイテム属性情報を関連付けて格納し、
ポイント原資算出部が、第1の所定期間に付与するポイントの合計値であるベースポイントを算出し、前記アイテム情報格納部に格納されたアイテム情報に含まれるアイテム属性情報に基づいて、アイテムを複数のアイテムグループに分け、前記アイテムグループごとに、前記ベースポイントを分配する割合を示す分配率を算出し、前記アイテムグループに対して、前記ベースポイントと前記分配率とを掛け合わせた値であるポイント原資とを関連付けて、ポイント原資格納部に格納するポイント原資格納工程をさらに含み、
前記ポイント付与判定工程では、前記アイテムグループごとに、前記第1の所定期間に該当する利用時期情報を有し、かつ、ポイントを付与すると判定した一の利用履歴に対して付与するポイント値の合計値が、前記ポイント原資格納部に格納された前記アイテムグループに関連付けられたポイント原資を超えないようにポイントを算出する
ことを特徴とする情報処理方法。
前記ポイント付与判定工程では、前記一の利用履歴に対応する先行利用履歴集合に含まれる利用履歴からユーザ識別子を抽出し、前記抽出したユーザ識別子を重複なしで計数した数を前記利用数として算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理方法。
前記ポイント付与判定工程では、前記一の利用履歴に対応する先行利用履歴集合に含まれる利用履歴のうち、前記一の利用履歴に含まれる利用時期情報から所定日数遡った期間に該当する利用履歴のみを用いて、利用数を算出する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の情報処理方法。
前記ポイント付与判定工程では、前記一の利用履歴に対応する解禁日から前記一の利用履歴に含まれる利用時期情報までの日数が所定日数以上経過し、かつ、前記一の利用履歴に対応する利用数が所定数未満である、前記一の利用履歴に対してポイントを付与すると判定する
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の情報処理方法。
前記ポイント付与判定工程では、前記ポイントを付与すると判定した一の利用履歴に対応する解禁日から、前記ポイントを付与すると判定した一の利用履歴に含まれる利用時期情報までの経過時間が長いほど多くなるようにポイントを算出する
ことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の情報処理方法。
前記ポイント原資格納工程では、前記アイテムグループごとの分配率を、前記アイテムグループに属するアイテムのうち、第3の所定期間における利用数が所定数以下のアイテムの数に応じて高くなるように算出する
ことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項、請求項11、または請求項12に記載の情報処理方法。
前記ポイント原資格納工程では、前記アイテムグループごとの分配率を、前記利用履歴格納部に格納された利用履歴のうち、前記アイテムグループに属するアイテムのアイテム識別子を持ち、かつ、利用時期情報が第3の所定期間に該当する利用履歴を用いて算出した利用数の総和が少ないほど高くなるように算出する
ことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項、または請求項11から請求項13のいずれか1項に記載の情報処理方法。
ユーザまたはユーザの利用した端末装置を識別するための利用主体識別子と、ユーザにより利用されたアイテムを識別するアイテム識別子と、アイテムを利用した時期を示す利用時期情報とを少なくとも対応付けた利用履歴を、他の装置から受信する情報処理装置であって、
前記受信した利用履歴を格納する利用履歴格納部と、
アイテム識別子と前記アイテム識別子に対応するアイテムの利用が開始された時期情報を示す解禁日とを関連付けたアイテム情報を格納するアイテム情報格納部と、
一の利用履歴に対してポイントを付与するか否かを判定し、ポイントを付与すると判定した一の利用履歴に対してポイントを算出するポイント付与判定部と
を備え、
前記ポイント付与判定部は、前記利用履歴格納部に格納された利用履歴のうち、一の利用履歴に含まれるアイテム識別子と同じアイテム識別子をもち、かつ前記一の利用履歴よりも古い利用時期情報を有する他の利用履歴の集合である先行利用履歴集合のみを用いて算出した利用数と、前記アイテム情報格納部に格納された、前記一のアイテムに対応するアイテム識別子に関連付けられた解禁日とを用いて、前記一の利用履歴に対してポイントを付与するか否かを判定し、
前記アイテム情報格納部は、アイテム情報に、さらにアイテムの名称、制作者、制作年、ジャンル、価格等の属性情報を示すアイテム属性情報を関連付けて格納し、
第1の所定期間に付与するポイントの合計値であるベースポイントを算出し、前記アイテム情報格納部に格納されたアイテム情報に含まれるアイテム属性情報に基づいて、アイテムを複数のアイテムグループに分け、前記アイテムグループごとに、前記ベースポイントを分配する割合を示す分配率を算出し、前記アイテムグループに対して、前記ベースポイントと前記分配率とを掛け合わせた値であるポイント原資とを関連付けて、ポイント原資格納部に格納するポイント原資算出部をさらに備え、
前記ポイント付与判定部は、前記アイテムグループごとに、前記第1の所定期間に該当する利用時期情報を有し、かつ、ポイントを付与すると判定した一の利用履歴に対して付与するポイント値の合計値が、前記ポイント原資格納部に格納された前記アイテムグループに関連付けられたポイント原資を超えないようにポイントを算出する
ことを特徴とする情報処理装置。
ユーザまたはユーザの利用した端末装置を識別するための利用主体識別子と、ユーザにより利用されたアイテムを識別するアイテム識別子と、アイテムを利用した時期を示す利用時期情報とを少なくとも対応付けた利用履歴を、他の装置から受信する情報処理装置のコンピュータに、
前記受信した利用履歴を利用履歴格納部に格納する手順と、
アイテム識別子と、アイテムの名称、前記アイテム識別子に対応するアイテムの利用が開始された時期情報を示す解禁日、及び、制作者、制作年、ジャンル、価格等の属性情報を示すアイテム属性情報、とを関連付けてアイテム情報格納部に格納する手順と、
一の利用履歴に対してポイントを付与するか否かを判定し、ポイントを付与すると判定した一の利用履歴に対してポイントを算出するポイント付与手順と、
第1の所定期間に付与するポイントの合計値であるベースポイントを算出し、前記アイテム情報格納部に格納されたアイテム情報に含まれるアイテム属性情報に基づいて、アイテムを複数のアイテムグループに分け、前記アイテムグループごとに、前記ベースポイントを分配する割合を示す分配率を算出し、前記アイテムグループに対して、前記ベースポイントと前記分配率とを掛け合わせた値であるポイント原資とを関連付けて、ポイント原資格納部に格納するポイント原資算出手順と、
を実行させ、
前記ポイント付与手順では、前記利用履歴格納部に格納された利用履歴のうち、一の利用履歴に含まれるアイテム識別子と同じアイテム識別子をもち、かつ前記一の利用履歴よりも古い利用時期情報を有する他の利用履歴の集合である先行利用履歴集合のみを用いて算出した利用数と、前記アイテム情報格納部に格納された、前記一のアイテムに対応するアイテム識別子に関連付けられた解禁日とを用いて、前記一の利用履歴に対してポイントを付与するか否かを判定し、前記アイテムグループごとに、前記第1の所定期間に該当する利用時期情報を有し、かつ、ポイントを付与すると判定した一の利用履歴に対して付与するポイント値の合計値が、前記ポイント原資格納部に格納された前記アイテムグループに関連付けられたポイント原資を超えないようにポイントを算出する
ことを特徴とする情報処理プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の情報処理方法、情報処理装置、及びプログラムについて、添付図面を参照して説明する。なお、本発明におけるアイテムとは、テキスト、音声、音楽、映像、ウェブページ等のデジタルコンテンツや様々な物品であってもよいし、金融商品、不動産、人物に関する情報等であってもよい。すなわち本発明におけるアイテムは、有形か無形かを問わず、有料か無料かも問わない。また、本発明におけるアイテムの利用は、アイテムの購入も含む。
【0011】
<第1の実施形態>
以下に、第1の実施形態について、図を用いて詳細に説明する。
図1は、第1の実施形態におけるシステム全体の構成図である。本実施形態におけるシステムは、情報処理サーバ装置1と、1つ以上の端末装置3(3a〜3n)がネットワーク2を介して接続されている。なお、各実施形態において、情報処理サーバ装置1のみが情報処理装置として機能してもよいし、情報処理サーバ装置1が、端末装置3と協働して情報処理装置として機能してもよい。
【0012】
ネットワーク2は、例えばインターネット等のネットワークであり、情報処理サーバ装置1と端末装置3との間の情報のやり取りを仲介する。端末装置3は、CPU、RAM、ROM、ハードディスクドライブ(HDD)、ネットワークインタフェース等を備える一般的なコンピュータ、または、携帯電話やスマートフォンやタブレットPC等の携帯情報端末であり、端末制御部31と端末通信部32と端末入力部33と端末表示部34とで構成されている。
【0013】
端末通信部32は、ネットワーク2を介して情報処理サーバ装置1と通信を行う。端末入力部33は、例えば、端末装置3がPC(Personal Computer)であれば、マウスやキーボード、携帯電話であれば、ボタンやタッチパネルといったように、ユーザが端末装置3を操作するためのインタフェースである。端末表示部34は、例えば、ディスプレイといったように、様々な情報を表示し、ユーザに視覚的に示すためのインタフェースである。
【0014】
端末制御部31は、ネットワーク2を介して、利用履歴送信処理や、ポイント通知表示処理を行う。
利用履歴送信処理とは、端末装置3を利用するユーザ(利用ユーザ)が、何らかのアイテムの利用や購入の操作を行った場合に、情報処理サーバ装置1に、利用履歴を送信する処理である。利用履歴とは、ユーザのアイテムの利用に関する情報であり、少なくとも、利用ユーザを一意に識別するユーザ識別子、又は端末装置3を一意に識別するための端末識別子と、利用の対象となったアイテムを一意に識別するアイテム識別子と利用した時期を示す利用時期情報を含む。本実施形態では、ユーザ識別子を用いる場合を例にして説明するが、端末識別子を用いる場合も同様である。ユーザ識別子と端末識別子とを合わせた意味の総称として、利用主体識別子という用語を用いる。利用時期情報は、日付のみを示す情報でもよいし、ミリ秒単位まで細かく示す情報でもよく、サービスの形態に応じて、必要な単位まで分かる情報であればよい。また、アイテムを販売するサービスであれば、アイテムの購入操作に対してのみ、利用履歴を作成してもよい。
【0015】
ポイント通知表示処理とは、情報処理サーバ装置1より、ポイント通知情報を受信し、端末表示部34に、受信したポイント通知情報を表示する処理である。ポイント通知情報とは、過去に利用したアイテムに対して付与されたポイントを通知する情報であり、少なくとも過去に利用したアイテムに対して付与されたポイント情報が含まれていればよい。
図2は、ポイント通知情報の表示例である。
図2に示すように、過去に利用したアイテムに付与されたポイントが中央に表示されている。なお、ポイント通知情報に含まれるポイントは、今まで獲得したポイントの総計値でもよいし、直前に利用したアイテムに対して付与されたポイントでもよい。また、ポイント通知表示処理は、利用履歴送信処理に応じて、情報処理サーバ装置1より受信したポイント通知情報に対して実行してもよいし、情報処理サーバ装置1に、直接ポイント通知情報を要求することによって受信したポイント通知情報に対して実行してもよい。
【0016】
情報処理サーバ装置1は、アイテムの利用状況に応じて、端末装置3にポイント通知情報を送信する装置である。情報処理サーバ装置1は、CPU、RAM、ROM、ハードディスクドライブ(HDD)、ネットワークインタフェース等を備えるコンピュータを用いて、ソフトウェア(プログラム)処理として実施することも可能である。なお、情報処理サーバ装置1を複数のコンピュータを用いて構成してもよい。例えば、負荷分散をするために、情報処理サーバ装置1の各部に相当する処理を行うコンピュータを複数用いて分散処理を行ってもよい。また、情報処理サーバ装置1の一部の部の処理をあるコンピュータで実施し、他の部の処理を別のコンピュータで実施する形態で分散処理を行ってもよい。
【0017】
図3は、本実施形態における情報処理サーバ装置1の構成図である。情報処理サーバ装置1は、情報処理サーバ制御部11と、情報処理サーバ通信部12と、情報処理サーバ格納部13とで構成される。
【0018】
情報処理サーバ通信部12は、ネットワーク2を介して端末装置3と通信を行う。情報処理サーバ格納部13は、メモリやHDDなどの記憶装置を用いて、様々なデータを記憶する。情報処理サーバ格納部13は、ユーザ情報格納部131と、アイテム情報格納部132と、利用履歴格納部133と、集計情報格納部134と、付与条件格納部135と、ポイント情報格納部136とで構成される。
【0019】
ユーザ情報格納部131は、ユーザ情報を複数記憶する。
図4は、ユーザ情報格納部131の格納状態を示す図である。ユーザ情報とは、端末装置3の利用ユーザを一意に識別するユーザ識別子(user_id)とユーザ属性情報(user_info)とを関連付けたものであり、
図4のようなテーブル形式で記憶する。ユーザ属性情報とは、ユーザの名前、年齢、性別、住所(地域)、趣味、会員になった時期(年月、日付、日時など)、メールアドレス、電話番号などの情報である。また、情報処理サーバ装置1にて商品の購入が可能であれば、商品の支払いを行うためのクレジットカード情報などを含んでもよい。
【0020】
アイテム情報格納部132は、アイテム情報を複数記憶する。
図5は、アイテム情報格納部132の格納状態を示す図である。アイテム情報とは、アイテム識別子(item_id)と解禁日(open_date)とアイテム属性情報(item_info)とを関連付けたものであり、
図5のようなテーブル形式で記憶する。解禁日とは、サービスにて、アイテムの利用が解禁された日時であり、利用時期情報と同様に、サービスの形態に応じて、必要な単位まで日時が分かる情報であればよい。アイテム属性情報とは、例えば、アイテムの名称、制作者、制作年、ジャンル、価格、アイテムを利用するのに適したユーザの条件などの情報である。
【0021】
利用履歴格納部133は、利用履歴を複数記憶する。
図6は、利用履歴格納部133の格納状態を示す図である。
図6に示すように、利用履歴を構成するユーザ識別子(user_id)とアイテム識別子(item_id)と利用時期情報(dl_date)とを関連付けて、テーブル形式で記憶する。利用履歴に他の情報も含まれる場合は、利用履歴に含まれている全ての情報を格納できるように、利用履歴の形態に合わせて格納形式を変更すればよい。
【0022】
集計情報格納部134は、集計情報を複数記憶する。
図7は、集計情報格納部134の格納状態を示す図である。集計情報とは、アイテム識別子(item_id)と利用数(cnt)と解禁日(open_date)とを関連付けたものであり、
図7のようなテーブル形式で記憶する。利用数は、アイテムが利用された回数の総計(利用総数)、または、アイテムが利用された人数(利用ユーザ数)を示す。利用総数と利用ユーザ数のどちらを利用数とするかは、サービスの形態によって決めればよい。例えば、「利用総数 = 利用ユーザ数」となるようなサービスであれば、集計情報の更新の手順を簡易化するために、「利用総数」を用いればよい。また、アイテムの利用に対する課金が、1回目の利用にのみ発生するようなサービスであれば、「利用ユーザ数」を用いればよい。また、アイテムを販売するサービスであれば、購入に対してのみ利用数を計数するようにしてもよい。もちろんサービスの形態に関らず、サービスの提供者が自由に設定してもよい。
【0023】
付与条件格納部135は、ポイント付与の条件である付与条件を記憶する。
図8(
図8(a)、
図8(b))は、付与条件格納部135の格納状態を示す図である。以下に、
図8を用いて、付与条件の格納形式を2種類説明する。
付与条件の第1の格納形式は、解禁日判定値(j_open)と、利用数判定値(j_cnt)とを関連付けて、
図8(a)のようなテーブル形式で記憶する。第1の格納形式では、関連付けた値のペアは1組だけであり、複数組存在しない。第1の格納形式は、アイテムの利用時期情報が、アイテムの解禁日から解禁日判定値以上経過し、かつ、アイテムの利用数が利用数判定値未満である場合に、ポイントを付与する。
【0024】
具体的に、例えば、解禁日判定値を「30日」とし、利用数判定値を「3」とし、利用したアイテムの利用時期情報が「2012年4月2日」だった場合、そのアイテムの解禁日が「2012年3月3日」以前であり、かつ、「2012年4月2日」の時点におけるそのアイテムの利用数が「3」未満である場合にのみ、ポイントが付与されることになる。以上のように、第1の格納形式を利用すれば、解禁日判定値と利用数判定値とを設定するだけで、解禁日からある程度経過したにも関わらず、利用数ののびないアイテムに対して容易にポイントを付与することができる。
【0025】
付与条件の第2の格納形式は、解禁日判定値(j_open)と利用数判定値(j_cnt)とを関連付けて、
図8(b)のようなテーブル形式で格納する。第2の格納形式は、第1の格納形式と異なり、複数組の存在を許容する。また、解禁日判定値が大きいほど、利用数判定値が大きくなるといった性質を有する。第2の格納形式は、アイテムの利用時期情報が、アイテムの解禁日から解禁日判定値以上経過し、かつ、アイテムの利用数が利用数判定値未満を充足する付与条件が1つでも存在すれば、ポイントを付与する。
【0026】
具体的に、例えば、付与条件を2つ設定し、一方の解禁日判定値と利用数判定値を、「60日」と「3」とし、他方を、「30日」と「2」とし、利用したアイテムの利用時期情報が「2012年4月2日」だった場合、そのアイテムの解禁日が「2012年3月3日」以前であり、かつ、「2012年4月2日」の時点におけるそのアイテムの利用数が「2」未満である場合、または、そのアイテムの解禁日が「2012年2月2日」以前であり、かつ、「2012年4月2日」の時点におけるそのアイテムの利用数が「3」未満である場合に、ポイントが付与されることになる。以上のように、第2の格納形式を利用すれば、第1の格納形式の性質に加え、解禁日からの経過日数まで考慮することができる。
【0027】
ポイント情報格納部136は、ポイント情報を複数記憶する。
図9は、ポイント情報格納部136の格納状態を示す図である。ポイント情報とは、ユーザ識別子(user_id)とポイント総計値(total_point)とを関連付けたものであり、
図9のようなテーブル形式で記憶する。ポイント総計値とは、ユーザ識別子に対応するユーザが今まで獲得したポイントの総計値である。
【0028】
情報処理サーバ制御部11は、情報処理サーバ装置1を構成する各部に対して、全体的な制御を行う。情報処理サーバ制御部11は、利用履歴登録部111と、ポイント付与判定部112とで構成される。
【0029】
利用履歴登録部111は、端末装置3からネットワーク2を介して利用履歴を受信すると、利用履歴登録処理を行う。
図10を用いて、利用履歴登録処理の手順を説明する。
まず、利用履歴登録部111が、端末装置3より、ネットワーク2を介して利用履歴を受信する(ステップS101)。次に、利用履歴登録部111が、ポイント付与判定部112に、ステップS101にて受信した利用履歴を送信することで、ポイント付与判定部112が、ポイント付与判定処理を行う(ステップS102)。ポイント付与判定処理については後述する。次に、利用履歴登録部111が、集計情報格納部134に、ステップS101にて受信した利用履歴に含まれるアイテム識別子と一致するアイテム識別子を有する集計情報が存在するか否かを判定する(ステップS103)。存在する場合はステップS104へ進み、存在しない場合はステップS105へ進む。
【0030】
ステップS104では、利用履歴登録部111が、集計情報格納部134にて、ステップS101にて受信した利用履歴に含まれるアイテム識別子と一致する集計情報を特定し、特定した集計情報を更新してステップS106へ進む。このとき、集計情報の利用数が利用総数であるか利用ユーザ数であるかによって更新方法が異なる。集計情報の利用数が利用総数の場合は利用数のカウントを「1」増やすだけでよい。集計情報の利用数が利用ユーザ数の場合は利用履歴格納部133にて、ステップS101にて受信した利用履歴に含まれるユーザ識別子とアイテム識別子との組合せと一致する利用履歴が存在しない場合、利用数のカウントを「1」増やす。一致する利用履歴が存在する場合は、ステップS101にて受信した利用履歴に含まれるユーザ識別子に対応するユーザが過去にそのアイテムを利用していることになるため、利用数を更新する必要がない。
【0031】
ステップS105では、利用履歴登録部111が、集計情報格納部134に、ステップS101にて受信した利用履歴を基に作成した集計情報を記憶する。集計情報を作成するには、ステップS101にて受信した利用履歴に含まれるアイテム識別子と、アイテム情報格納部132より取得できるそのアイテム識別子に対応する解禁日と、利用数「1」とを関連付ければよい。ステップS106では、利用履歴登録部111が、利用履歴格納部131に、ステップS101にて受信した利用履歴を記憶し、ステップS101からステップS106までの一連の処理を終了する。
【0032】
ポイント付与判定部112は、利用履歴登録部111より利用履歴を取得すると、ポイント付与判定処理を行う。
図11を用いて、ポイント付与判定処理の手順を説明する。
まず、ポイント付与判定部112が、利用履歴登録部111より利用履歴(一の利用履歴)を取得する(ステップS201)。次に、ポイント付与判定部112が、一の利用履歴に含まれるアイテム識別子に対応するアイテムの利用数と解禁日とを取得する(ステップS202)。利用数と解禁日を取得するには、まず、集計情報格納部134より、一の利用履歴に含まれるアイテム識別子と一致する集計情報が存在する場合は、一致する集計情報より取得すればよい。また、存在しない場合は、そのアイテムが初めて利用されたことになるので、利用数を「0」とし、解禁日は、アイテム情報格納部132より取得すればよい。
【0033】
また、集計情報格納部134から取得する代わりに、利用履歴格納部133に記憶されている利用履歴を用いて、利用数を算出することもできる。具体的には、利用履歴格納部133より、一の利用履歴に含まれるアイテム識別子と同じアイテム識別子をもち、かつ、一の利用履歴よりも古い利用時期情報を有する利用履歴の集合(先行利用履歴集合)を用いて算出することができる。このように算出した利用数は、一の利用履歴と同じアイテム識別子を有する集計情報に含まれる利用数と同じ値であり、解禁日はアイテム情報格納部132より取得できるので、集計情報格納部134を省略することができる。また、利用履歴登録部111による利用履歴登録処理のステップS103からステップS106までの処理を省略できる。
【0034】
また、利用履歴格納部133に記憶されている利用履歴のうち、一利用履歴に含まれる利用時期情報から所定日数遡った期間(直近の期間)に該当する利用履歴のみを用いて、利用数を算出してもよい。こうすることで、全体的に見れば利用数は多いが、直近の期間では売り上げが極端に落ちているアイテムにもポイントを付与することができる。
なお、本ステップを行う時点において、一の利用履歴に含まれるアイテム識別と一致する集計情報の利用数は、一の利用履歴の利用時期情報より古い利用履歴のみを用いて算出した利用数であるので、一の利用履歴に対応する先行利用履歴集合に含まれる利用履歴を基に算出した利用数と同じものである。
【0035】
次に、ポイント付与判定部112が、ポイント付与対象か否かを判定する(ステップS203)。ポイント付与対象である場合は、ステップS204へ進み、ポイント付与対象でない場合は、ステップS201からステップS206までの一連の処理を終了する。ポイント付与対象を判定する場合は、付与条件格納部135の格納形式に応じて、ステップS202にて取得した利用数と解禁日に基づいて判定すればよい。このように、集計情報を更新する前に判定を行うので、例えば、すでに利用数が「4」で、利用数判定値が「5」の場合、あるアイテムの「5」回目の利用に対してポイントが付与されることになる。
【0036】
ステップS204でポイント付与判定部112がポイントを算出する。以下に、ポイント算出方法を4種類説明する。
【0037】
ポイント算出の第1の方法は、全てのアイテムに対して、一律に所定値のポイントを付与する方法である。所定値は、予めサービスの提供者が設定すればよい。第1の方法は、予め設定された所定値を取得するだけなので、最も計算量が少ない。
【0038】
ポイント算出の第2の方法は、アイテムの価格に応じて、ポイントが単調増加する算出方法である。具体的に、例えば、アイテムiの価格p(i)に対して、そのうちどの程度をポイントに割り当てるかを示す値a(0<a<1)とを用いて、式(1)にて、ポイントpt(i)を算出すればよい。また、価格に応じてその割合が単調増加する関数f(p(i))(0<p(i)<1)を用いて、式(1)のaをf(p(i))を置き換えることでポイントを算出してもよい。
【数1】
【0039】
もちろん、アイテムの価格に応じてポイントが単調増加する方法であれば、他の方法を用いてもよい。第2の方法は、価格が高くなるほど、付与するポイントが多くなるので、その性質をユーザに公開することで、価格の高いものを売りやすくなり、売上が上がる可能性がある。
【0040】
ポイント算出の第3の方法は、アイテムの利用数に応じて、ポイントが単調減少する算出方法である。具体的に、例えば、アイテムiの利用数n(i)と定数α1(>0)と定数β1(≧0)とを用いて、式(2)にて、ポイントpt(i)を算出すればよい。もちろん、アイテムの利用数に応じてポイントが単調減少する方法であれば、他の方法を用いてもよい。第3の方法は、利用数の少ないアイテムほど多くのポイントを付与できるので、利用数が少なければ少ないほど、優先的に販売することができる。
【数2】
【0041】
ポイント算出の第4の方法は、解禁日からアイテムの利用時期情報までの経過時間に応じて、ポイントが単調増加する算出方法である。具体的に、例えば、アイテムiの解禁日o(i)からユーザuのアイテムiにおける利用時期情報d(u,i)までの経過時間t(o(i),d(u,i))と定数α2(>0)と定数β2(≧1)とを用いて、式(3)にて、ポイントpt(u,i)を算出すればよい。もちろん経過時間に応じてポイントが単調増加する方法であれば、他の方法を用いてもよい。第4の方法は、解禁日からの経過時間が長ければ長いほど多くのポイントを付与できるので、長い間販売されていたにも関わらず、売上のよくないアイテムを優先的に販売することができる。
【数3】
【0042】
上記4種類の算出方法は、自由に組み合わせることもできる。例えば、第3の算出方法と第4の算出方法を組み合わせて、定数α3(>0)と定数β3(≧0)と定数γ3(>0)とを用いて、式(4)にて算出することもできる。このとき、両方の性質を有することになる。
【数4】
【0043】
図11に戻り、説明する。次にポイント付与判定部112が、ポイント情報格納部136に記憶されているポイント情報のうち、一の利用履歴に含まれるユーザ識別子と一致するポイント情報を特定し、特定したポイント情報のポイント総計値に、ステップS204にて算出したポイントを加算する(ステップS205)。ポイント情報格納部136に、一の利用履歴に含まれるユーザ識別子を有するポイント情報が存在しない場合は、一の利用履歴に含まれるユーザ識別子に、ステップS204にて算出したポイントをポイント総計値として関連付けて、ポイント情報格納部136に格納すればよい。
【0044】
次に、ポイント付与判定部112が、端末装置3に、ネットワーク2を介して、ステップS204にて算出したポイントを用いて作成したポイント通知情報を送信し(ステップS206)、ステップS201からステップS206までの一連の処理を終了する。
なお、ステップS204にて算出したポイントの代わりに、ステップS205にて更新したポイント総計値をもとに作成したポイント通知情報を送信してもよい。また、ポイント通知情報を、端末装置3からの要求に応じて送信する場合は、このステップを省略してもよい。また、アイテムを販売するサービスにおいては、アイテムの購入に対してのみポイントを付与するようにしてもよい。
【0045】
また、利用履歴登録部111にて利用履歴登録処理を行う際に、ポイント付与判定処理を行うとしているが、定期的にポイント付与判定処理をするようにしてもよい。例えば、利用履歴に対して、ポイント付与判定処理を行っているかを示すフラグを関連付けた上で、所定の期間ごとに、未処理の利用履歴のうち、利用時期情報が早いものから順に処理を行えばよい。
【0046】
本実施形態においては、予め付与条件とポイント算出方法を設定するだけで、自動的に売れていないアイテムに対してポイントが付与されるので、容易に売れていないアイテムの販売を促進することができる。
【0047】
<第2の実施形態>
以下に、第2の実施形態について、図を用いて詳細に説明する。第2の実施形態は、付与するポイントの総数をコントロールする方法である。
第2の実施形態におけるシステム全体の構成は、情報処理サーバ装置1の代わりに情報処理サーバ装置4を用いる以外は本発明の第1の実施形態と同様である。以下、第1の実施形態と共通又は類似する部分には同じ符号を付け、説明を省略する。
【0048】
図12に本実施形態における情報処理サーバ装置4の構成を示す。
本実施形態における情報処理サーバ装置4は、第1の実施形態における情報処理サーバ装置1に対し情報処理サーバ制御部41と情報処理サーバ格納部43の構成が一部異なる。
【0049】
情報処理サーバ格納部43は、第1の実施形態における情報処理サーバ格納部13に対し、ポイント原資情報格納部437が追加された以外は同じ構成である。ポイント原資情報格納部437は、第1の所定期間に付与するポイントの総数を管理するポイント原資情報を記憶する。第1の所定期間は、例えば、1日、1ヶ月などの特定の期間である。
【0050】
図13(
図13(a)、
図13(b))は、ポイント原資情報格納部437の格納状態を示す図である。以下に、
図13を用いて、ポイント原資情報の格納形式を2種類説明する。
ポイント原資情報の第1の格納形式は、ポイント原資(base_point)をポイント原資情報として、
図13(a)のようなテーブル形式で1つだけ記憶する。第1の格納形式においては、記憶された1つのポイント原資情報であるポイント原資が第1の所定期間に付与するポイントの総数となる。第1の格納形式は、ポイント原資情報を1つだけ管理すればよいので、記憶容量が少なくて済む。
【0051】
ポイント原資情報の第2の格納形式は、アイテムグループを識別するグループ識別子(group_id)とポイント原資(base_point)とを関連付けたものをポイント原資情報として、
図13(b)のようなテーブル形式で複数記憶する。アイテムグループとは、全てのアイテムをそのアイテムが有するアイテム属性情報に応じてグループ分けした結果であり、1つのアイテムグループに1つ以上のアイテムが属することになる。このとき、アイテムグループに関する情報は、アイテム情報格納部132に記憶し、アイテム情報にグループ識別子を関連付けておけばよい。第2の格納形式においては、記憶された全てのポイント原資情報に対するポイント原資の総和が、第1の所定期間に付与するポイントの総数となる。第2の格納形式は、一部のアイテム属性を有するアイテムにポイントの付与が集中するのを避けたい場合に利用すればよい。
【0052】
情報処理サーバ制御部41は、第1の実施形態における情報処理サーバ制御部11に対し、ポイント原資算出部413が追加されており、また、ポイント付与判定部112の動作が異なる。
図14を用いて、本実施形態におけるポイント付与判定処理の手順を説明する。
【0053】
ステップS201、S202、S203、S205、S206については、
図11で説明した第1の実施形態と同様であり、説明を省略する。ステップS302では、ポイント付与判定部112が、ポイント原資が残っているかを判定する。残っている場合は、ステップS202へ進み、残っていない場合は、ステップS201からステップS307までの一連の処理を終了する。ポイント原資が残っているかを判定する方法は、ポイント原資情報格納部437の格納形式によって異なる。ポイント原資情報の第1の格納形式の場合は、ポイント原資情報が1つしかないので、そのポイント原資情報のポイント原資を確認すればよい。ポイント原資情報の第2の格納形式の場合は、アイテム情報格納部132に記憶された、一の利用履歴に含まれるアイテム識別子に対応するアイテム情報からグループ識別子を抽出し、抽出したグループ識別子に関連付けられたポイント原資が残っているかを確認すればよい。
【0054】
ステップS304では、ポイント付与判定部112が、ポイントを算出する。次に、ステップS205へ進む。ポイントを算出するには、本発明の第1の実施形態におけるポイント算出の第1の方法から第4の方法を流用すればよい。ただし、算出したポイントが、ステップS302にて確認したポイント原資より多ければ、算出したポイントの代わりに、ステップS302にて確認したポイント原資をポイントとして残りの処理を行う必要がある。
【0055】
ステップS307では、ポイント付与判定部413が、ポイント原資情報格納部437に格納されているポイント原資情報を更新し、ステップS201からステップS307までの一連の処理を終了する。ポイント原資情報の更新方法は、ポイント原資情報格納部437の格納形式によって異なる。ポイント原資の第1の格納形式の場合は、ポイント原資情報が1つしかないので、そのポイント原資情報のポイント原資から、ステップS304にて算出したポイントを差し引けばよい。ポイント原資情報の第2の格納形式の場合は、ステップS302にて確認したポイント原資から、ステップS304にて算出したポイントを差し引けばよい。
【0056】
ポイント原資算出部413は、所定のタイミングごとに、ベースポイントを算出し、算出したベースポイントを用いて、ポイント原資情報格納部437に記憶されたポイント原資情報を更新する。所定のタイミングとしては、所定の期間(例えば1ヶ月ごと)を用いればよい。
【0057】
まず、ベースポイントの算出方法を以下に2種類説明する。ベースポイント算出の第1の方法は、予めサービスの提供者が定めた所定値をベースポイントとして算出する方法である。第1の方法は、最も処理が少なくなる。ベースポイント算出の第2の方法は、第2の所定期間(例えば、先月)の総売上や総利益に対して、所定の割合(例えば、1%)を掛け合わせた値をベースポイントとして算出する方法である。第2の所定期間や所定の割合に関しては、予めサービスの提供者が設定しておけばよい。総売上や総利益に関しては、アイテム情報を用いれば容易に算出できる。また、利用履歴に支払った金額を関連付けておくことでも容易に算出できる。第2の方法は、総売上や総利益に応じて付与するポイントの総数をコントロールできる。第2の所定期間は、第1の所定期間に付与するポイントの総数を決める際に用いるため、第1の所定期間より前の期間とするのがよいが、そうでなくてもよい。その場合、ポイント付与判定処理を、利用履歴登録部111による利用履歴登録処理で行わずに、定期的にポイント付与判定処理を行う必要がある。
【0058】
次に、ポイント原資情報の格納形式ごとに、ポイント原資情報の更新方法を説明する。 まず、ポイント原資情報の第1の格納形式においては、記憶されたポイント原資情報は1つであるので、その1つのポイント原資情報のポイント原資を、ベースポイントに置き換えればよい。次に、ポイント原資情報の第2の格納形式においては、アイテムグループごとにポイント原資情報が管理されているため、各アイテムグループに対して更新に用いる分配値を算出した上で、その分配値を用いて、対応するアイテムグループのグループ識別子に関連付けられたポイント原資を、分配値に置き換えればよい。
【0059】
以下に、各アイテムグループごとの分配値の算出方法を説明する。なお、ベースポイントをbpとし、全アイテムグループの集合Gのうちの任意のアイテムグループをg(∈G)とする。
【0060】
分配値算出の第1の方法は、各アイテムグループに対して、等比率で分配値を算出する方法である。具体的に、例えば、アイテムグループの総数をNgとすると、アイテムグループg1に対する分配値v(g1)は、式(5)にて算出できる。第1の方法は、全てのアイテムグループを平等に扱うことができる。
【数5】
【0061】
分配値算出の第2の方法は、各アイテムグループに属するアイテム数に応じて高くなるように分配値を算出する方法である。具体的に例えば、任意のアイテムグループg(∈G)に属するアイテムの総数をN(I(g))とすると、アイテムグループg1(∈G)に対する分配値v(g1)は、式(6)にて算出できる。第2の方法は、アイテムグループに属するアイテム数に応じた分配が可能となる。
【数6】
【0062】
分配値算出の第3の方法は、各アイテムグループに属するアイテムの価格の総和に応じて高くなるように分配値を算出する方法である。具体的に例えば、任意のアイテムグループg(∈G)に属するアイテムの価格の総和をP(I(g))とすると、アイテムグループg1(∈G)に対する分配値v(g1)は、式(6)のN(I(g))をP(I(g))に、N(I(g1))をP(I(g1))に置き換えることで算出できる。第3の方法は、アイテムグループに属するアイテムの価格の総和に応じた分配が可能となる。
【0063】
分配値算出の第4の方法は、各アイテムグループに属するアイテムのうち、第3の所定期間におけるアイテムの利用数が、所定数より少ないアイテムの数が多いほど多くのポイントを付与する方法である。具体的に例えば、任意のアイテムグループg(∈G)に属するアイテムのうち、所定数より利用数が少ないアイテムの総数をNu(I(g))とすると、アイテムグループg1(∈G)に対する分配値v(g1)は、式(6)のN(I(g))をNu(I(g))に、N(I(g1))をNu(I(g1))に置き換えることで算出できる。
【0064】
分配値算出の第5の方法は、各アイテムグループに属するアイテムの第3の所定期間における総売上が少ないほど多くのポイントを付与する方法である。具体的に例えば、任意のアイテムグループg(∈G)に属する全てのアイテムの総売上をSp(I(g))とすると、アイテムグループg1(∈G)に対する分配値v(g1)は、式(7)にて算出できる。
【数7】
【0065】
分配値算出の第6の方法は、各アイテムグループに属するアイテムの第3の所定期間における利用数の総和が少ないほど多くのポイントを付与する方法である。具体的に例えば、アイテムグループに属するアイテム数をNg(≧2)とし、任意のアイテムグループg(∈G)に属するアイテムの利用数の総和をSn(I(g))とすると、アイテムグループg1(∈G)に対する分配値v(g1)は、式(7)のSp(I(g))をSn(I(g))に、Sp(I(g1))をSn(I(g1))に置き換えることで算出できる。
【0066】
第4から第6の方法は、人気のないアイテムグループほど分配値が多くなるので、人気のないアイテムグループに属するアイテムの利用をより促進することができる。また、第3の所定期間は、ベースポイントの算出期間となる第2の所定期間と一致するのがよいが、もちろん一致しなくてもどちらでもよい。また、上記分配値算出の方法を組み合わせて算出してもよい。例えば、分配値算出の第2の方法と第3の方法を組み合わせて、定数β4(0<β4<1)を用いて、式(8)にて算出してもよい。もちろん、分配値の総和がベースポイントになるように算出するのであれば、他の方法を用いてもよい。
【数8】
【0067】
なお、どちらの格納形式においても、以前算出され、まだ使い切っていないポイント原資を積み立てる場合は、以前算出されたポイント原資をベースポイントや分配値にて置き換える代わりに、そのポイント原資にベースポイントや分配値を加算するようにすればよい。そうすることで、より多くのユーザにポイントを付与することができる。
【0068】
本実施形態によれば、ポイント原資情報を用いることで、所定期間に付与するポイントの総数を自由にコントロールすることができるので、サービスの提供者は、ポイントにかける予算に応じたポイントの付与を実現できる。
【0069】
<第3の実施形態>
以下に、第3の実施形態について、図を用いて詳細に説明する。第3の実施形態は、付与するポイントをアイテムごとにコントロールする方法である。
第3の実施形態におけるシステム全体の構成は、情報処理サーバ装置4の代わりに情報処理サーバ装置5を用いる以外は本発明の第1の実施形態と同様である。以下、第2の実施形態と共通又は類似する部分には同じ符号を付け、説明を省略する。
【0070】
図15に本実施形態における情報処理サーバ装置5の構成を示す。
本実施形態における情報処理サーバ装置5は、第2の実施形態における情報処理サーバ装置1に対し情報処理サーバ制御部51と情報処理サーバ格納部53の構成が一部異なる。
【0071】
情報処理サーバ格納部53は、第2の実施形態における情報処理サーバ格納部43に対し、付与アイテム情報格納部538が追加された以外は同じ構成である。付与アイテム情報格納部538は、付与アイテム情報を複数記憶する。
図16は、付与アイテム情報格納部538の格納状態を示す図である。付与アイテム情報とは、アイテムの利用に対してポイントを付与する場合に用いる情報であり、アイテム識別子(item_id)と、アイテムに対して適用する付与アイテム情報の順番を示す適用順序(no)と、付与するポイント(point)と、ポイントを付与するのに利用されたか否かを示す確認フラグ(check)とを関連付けたものであり、
図16のようなテーブル形式で格納する。
【0072】
情報処理サーバ制御部51は、第2の実施形態における情報処理サーバ制御部41に対し、付与アイテム情報作成部514が追加されており、また、ポイント付与判定部112の動作が異なる。
図17を用いて、本実施形態におけるポイント付与判定処理の手順を説明する。
【0073】
まず、ステップS201においては、本発明の第2の実施形態と同様である。次に、ステップS402へ進む。ステップS402においては、ポイント付与判定部112が、付与アイテム情報格納部538より、付与アイテム情報を1つ取得する。付与アイテム情報を取得するには、まず、一の利用履歴に含まれるアイテム識別子と一致するアイテム識別子を有する付与アイテム情報のうち、確認フラグが未利用を示すものを抽出し、抽出した付与アイテム情報のうち、適用順序が最も早いものを1つ取得する。このとき、そのアイテムが既にポイント付与の対象から外れていれば、条件を満たす付与アイテム情報を取得できない。次に、ポイント付与判定部112が、ステップS402にて付与アイテム情報が取得できたか否かを判定する(ステップS403)。取得できた場合は、ステップS404へ進み、取得できなかった場合は、ステップS201からステップS406までの一連の処理を終了する。
【0074】
ステップS404では、ポイント付与判定部112が、ポイント情報格納部136に記憶されているポイント情報のうち、一の利用履歴に含まれるユーザ識別子と一致するポイント情報を特定し、特定したポイント情報のポイント総計値に、ステップS402にて取得した付与アイテム情報に含まれるポイントを加算する。ポイント情報格納部136に、一の利用履歴に含まれるユーザ識別子を有するポイント情報が存在しない場合は、一の利用履歴に含まれるユーザ識別子に、ステップS402にて取得した付与アイテム情報に含まれるポイントをポイント総計値として関連付けて、ポイント情報格納部136に格納すればよい。
【0075】
次に、ポイント付与判定部112が、端末装置3に、ネットワーク2を介して、ステップS402にて取得した付与アイテム情報に含まれるポイントを用いて作成したポイント通知情報を送信する(ステップS405)。なお、ステップS402にて取得した付与アイテム情報に含まれるポイントの代わりに、ステップS404にて更新したポイント総計値をもとに作成したポイント通知情報を送信してもよい。また、ポイント通知情報を、端末装置3からの要求に応じて送信する場合は、このステップを省略してもよい。
【0076】
次に、ポイント付与判定部112が、付与アイテム情報格納部538にて、ステップS402にて取得した付与アイテム情報と一致する付与アイテム情報の確認フラグを利用済みに更新し(ステップS406)、ステップS201からステップS406までの一連の処理を終了する。なお、ユーザに対して、同じアイテムに対するポイントの付与を1回のみに限定する場合は、一の利用履歴を取得した後で、利用履歴格納部133を用いて、以前に利用がないかを確認し、以前に利用があった場合はステップS402以降の処理を行わないようにすればよい。
【0077】
付与アイテム情報作成部514は、ポイント原資算出部413にてポイント原資情報を更新後に、付与アイテム情報作成処理を行う。なお、ポイント原資情報格納部の格納形式が、第1の格納形式の場合は、全アイテムに対して、付与アイテム情報作成処理を行い、第2の格納形式の場合は、アイテムグループごとに、そのアイテムグループに属するアイテムに対して、付与アイテム情報作成処理を行うことになる。以下に、2種類の付与アイテム情報作成処理について説明する。
【0078】
図18を用いて、第1の付与アイテム情報作成処理の手順を説明する。
まず、付与アイテム情報作成部514が、付与アイテム情報格納部538に記憶している付与アイテム情報を全て削除する(ステップS501)。次に、付与アイテム情報作成部514が、所定利用数を算出する(ステップS502)。所定利用数を算出するには、例えば、予めサービスの提供側が設定した値を所定利用数としてもよいし、全アイテムの利用数の平均値や中央値を用いればよい。また、全アイテムのうち、特定の割合のアイテムが対象となるように調整してもよい。例えば、全アイテムが100種類あり、そのうちの8割前後を対象としたい場合は、アイテムを利用数の昇順に並べ、80番目のアイテムの利用数、もしくはその利用数に1加算した値を所定利用数とすればよい。なお、ポイント原資情報格納部の格納形式が第2の格納形式の場合は、付与アイテム情報作成処理を行っているアイテムグループに属するアイテムの利用数のみを用いて所定利用数を算出してもよい。
【0079】
次に、付与アイテム情報作成部514が、集計情報格納部134より、解禁日の早い順に集計情報を1つ選択する(ステップS503)。次に、付与アイテム情報作成部514が、ステップS503にて選択した集計情報に含まれる利用数が所定利用数より少ないか否かを判定する(ステップS504)。少ない場合はステップS505へ進み、所定利用数以上であれば、ステップS509へ進む。
【0080】
ステップS505では、付与アイテム情報作成部514が、ステップS503にて選択した集計情報に対して、1回以上ポイントを算出する。例えば、所定利用数が「5」で、ステップS503にて選択した集計情報の利用数が「3」であった場合、「4」回目の利用と「5」回目の利用に対して、ポイントを予め算出することになる。また、ポイントを算出するには、本発明の第2の実施形態におけるポイント付与判定処理のステップS304の処理と同様に行えばよい。
【0081】
なお、例えば、所定利用数が「5」で、ステップS503にて選択した集計情報の利用数が「3」であった場合、「4」回目の利用に対するポイント算出時には、利用数を「3」として算出すればよく、「5」回目の利用に対するポイント算出時には、利用数を「4」として算出すればよい。また、ポイント原資が足りない場合、例えば、ポイント原資が残り「50」で、「4」回目の利用に対するポイントが「60」、「5」回目に対するポイントが「30」と算出された場合は、「4」回目の利用に対するポイントを「50」とし、「5」回目の利用に対するポイントを「0」とするといったように、利用数の少ない方から順にポイントを割り当てていくようにしてもよいし、「4」回目の利用に対するポイントを「30」とし、「5」回目の利用に対するポイントを「20」とするといったように、算出したポイントの比率に応じて分配するようにしてもよい。
【0082】
次に、付与アイテム情報作成部514が、ポイントを算出した利用数ごとに、付与アイテム情報を作成し、付与アイテム情報格納部538に作成した付与アイテム情報を全て記憶する(ステップS506)。付与アイテム情報を作成するには、例えば、「4」回目の利用と「5」回目の利用に対してポイントを算出した場合は、ステップS503にて選択した集計情報に含まれるアイテム識別子と、適用順序「1」と、「4」回目の利用に対するポイントと、未利用を示すフラグとを関連付けた付与アイテム情報と、ステップS503にて選択した集計情報に含まれるアイテム識別子と、適用順序「2」と、「5」回目の利用に対するポイントと、未利用を示すフラグとを関連付けた付与アイテム情報の2つを作成すればよい。
【0083】
次に、付与アイテム情報作成部514が、ポイント原資情報格納部538に格納されているポイント原資情報を更新する(ステップS507)。ポイント原資情報を更新するには、対応するポイント原資情報のポイント原資から、ステップS505にて算出したポイントの総和を差し引けばよい。次に、付与アイテム情報作成部514が、ポイント原資情報格納部538に格納されているポイント原資情報のうち、対応するポイント原資情報のポイント原資が「0」より大きいか否かを判定する(ステップS508)。「0」より大きい場合は、ステップS509へ進み、そうでない場合はステップS501からステップS509までの一連の処理を終了する。
【0084】
ステップS509では、付与アイテム情報作成部514が、ステップS503にて全ての集計情報を選択したか否かを判定する。全て選択した場合は、ステップS501からステップS509までの一連の処理を終了し、未選択のものがあればステップS503へ進む。
【0085】
次に、
図19を用いて、第2の付与アイテム情報作成処理の手順を説明する。
ステップS501に関しては、第1の付与アイテム情報作成処理と同様である。次に、ステップS602へ進む。ステップS602では、付与アイテム情報作成部514が、集計情報格納部134より、全ての集計情報を取得する。
【0086】
次に、付与アイテム情報作成部514が、ステップS602にて取得した集計情報をグループ分けする。グループ分けは、例えば、解禁日の早い順に並べた上で、所定個数ずつグルーピングを行えばよい。また、「2010年1月」、「2010年2月」、…といったように、特定の年の特定の月ごとにグルーピングを行ってもよい。以上のように、グルーピングを行った結果、任意の2つのグループG1、G2において、グループG1に属するアイテムg1と、グループG2に属するアイテムg2とをどのように選んでも、「アイテムg1の解禁日≧アイテムg2の解禁日」、もしくは、「アイテムg1の解禁日≦アイテムg2の解禁日」の何れか一方のみが成り立てばよい。
【0087】
次に、付与アイテム情報作成部514が、グループ解禁日が早いグループから順に1つ選択する(ステップS604)。グループ解禁日とは、グループに属する集計情報の中の何れかのアイテムの解禁日のことである。
次に、付与アイテム情報作成部514が、所定利用数を算出する(ステップS605)。所定利用数を算出するには、第1の付与アイテム情報作成処理のステップS502と同様に算出してもよいし、グループ解禁日が早ければ早いほど所定利用数が多くなるように算出してもよい。
【0088】
次に、付与アイテム情報作成部514が、ステップS604にて選択したグループに属する集計情報のうち、利用数の少ない順に1つ選択する(ステップS606)。ここでは、利用数の少ない集計情報を選択することで、解禁日の早いグループの中でも利用数の少ないものを優先的に選択することができる。もちろん、利用数に応じて選択せずに、例えば、解禁日の早い順やランダムといった選択の仕方をした場合でも、他のグループと比較して解禁日が早いので、長期間人気のないアイテムを選出できることには変わりない。
次に、付与アイテム情報作成部514が、ステップS606にて選択した集計情報の利用数がステップS605にて算出した所定利用数より少ないか否かを判定する(ステップS607)。所定利用数より少ない場合は、ステップS505へ進み、そうでない場合はステップS604へ進む。
【0089】
ステップS505からステップS508までの処理は、第1の付与アイテム情報作成処理と同様である。ステップS508の条件を満たした場合は、ステップS608へ進む。
ステップS608では、付与アイテム情報作成部514が、ステップS606にて、ステップS604にて選択したグループに属する集計情報を全て選択したか否かを判定する。全て選択した場合はステップS609へ進み、未選択のものがある場合はステップS606へ進む。
ステップS609では、付与アイテム情報作成部514が、ステップS604にて、全てのグループを選択したか否かを判定する。全て選択した場合はステップS501からステップS609までの一連の処理を終了し、未選択のものがある場合はステップS604へ進む。
【0090】
上記2種類の付与アイテム情報作成処理以外にも、長期間売れていないアイテムに集中してポイントを付与できるように、付与アイテム情報を作成する方法であれば、他の方法を用いてもよい。
【0091】
なお、ポイント原資算出部413にて、ポイント原資情報を更新する際に、前回の残りのポイントが存在する場合は、引き継いでもよい。具体的には、ポイント原資情報の第1の格納形式においては、付与アイテム情報格納部538に記憶されている付与アイテム情報のうち、確認フラグが未利用の付与アイテム情報のポイントの総和とベースポイントとを足し合わせた値でポイント原資を置き換えればよい。また、ポイント原資情報の第2の格納形式においては、アイテムグループごとに、付与アイテム情報格納部538に記憶されている付与アイテム情報のうち、そのアイテムグループに属し、かつ、確認フラグが未利用の付与アイテム情報のポイントの総和と分配値とを足し合わせた値でポイント原資を置き換えればよい。
【0092】
以上のように、本実施形態によれば、付与するポイントをアイテムごとにコントロールすることで、長期間売れていなアイテムに集中してポイントを付与することができる。