(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
原料及び水を用いて飲料を抽出し、当該抽出された飲料を連続するペーパーフィルタによってろ過する飲料抽出機において、当該抽出及びろ過によって発生する原料の抽出滓及び使用済みのペーパーフィルタを廃棄物として回収する飲料抽出機の廃棄物回収装置であって、
互いに左右方向に所定間隔を隔てた2つのアームを有する支持部材と、
左右方向に延びる棒状に形成されるとともに、両端部が前記2つのアームにおいて前記支持部材に回転自在にかつ着脱自在に取り付けられ、前記使用済みのペーパーフィルタを巻き取るための巻取り部材と、
前記使用済みのペーパーフィルタが前記巻取り部材に巻き取られる前に、当該ペーパーフィルタ上に残留した前記抽出滓を当該ペーパーフィルタから脱離させるための抽出滓脱離手段と、
前記抽出及びろ過後に、前記巻取り部材を回転駆動する駆動手段と、
前記巻取り部材を下方から覆うように配置されるとともに、前方に引き出されることによって前記飲料抽出機から取外し可能に構成され、前記使用済みのペーパーフィルタから脱離した抽出滓を収容するための廃棄物容器と、
を備え、
前記廃棄物容器は、上面が開放するボックス状の容器本体と、
この容器本体に設けられ、前記廃棄物容器内の抽出滓を廃棄する際に、前記使用済みのペーパーフィルタの前記巻取り部材に巻かれたロール部が所定の径よりも大きいときに、前記廃棄物容器が取り外されるのに伴い、前記ロール部を前方へ押圧することにより、前記巻取り部材を、前記支持部材から脱離させ、前記ロール部とともに前記容器本体に収容させる巻取り部材脱離部と、
を有していることを特徴とする飲料抽出機の廃棄物回収装置。
前記駆動手段は、前記モータと前記回転体との間に設けられ、前記回転体の回転によって前記巻取り部材を回転させる際に、前記回転体に対し、前記巻取り部材から所定の大きさ以上のトルクが作用するときに、前記回転体を前記モータに対して空回りさせるためのトルクリミッタを、さらに有していることを特徴とする請求項3に記載の飲料抽出機の廃棄物回収装置。
【背景技術】
【0002】
従来、コーヒー豆を用いてコーヒーを抽出し、連続するペーパーフィルタでろ過するコーヒー抽出装置として、例えば特許文献1に開示されたものが知られている。このコーヒー抽出装置は、カップ式自動販売機に内蔵されており、原料としての粉状のコーヒー豆及び湯が供給され、コーヒーの抽出を行う抽出装置本体と、この抽出装置本体の底部に取り付けられ、ロール状に巻かれたペーパーフィルタを支持するとともに抽出装置本体に送り出すペーパーフィルタ送出し装置とを備えている。抽出装置本体は、内部においてコーヒーが抽出される円筒状のシリンダと、このシリンダの下方に昇降自在に設けられたフィルタブロックと、このフィルタブロックを昇降駆動する駆動機構などを有している。一方、ペーパーフィルタ送出し装置は、ペーパーフィルタのロール部を回転自在に支持するペーパーホルダと、このペーパーホルダの後ろ側から引き出され、シリンダとフィルタブロックとの間を通って前方へ導かれたペーパーフィルタを、下方へ送り出すペーパー送りドラムなどを有している。
【0003】
このコーヒー抽出装置を備えたカップ式自動販売機では、コーヒーを販売する場合、まず、フィルタブロックが上昇し、ペーパーフィルタをシリンダの下面に押し当てた状態で、シリンダの下面をシールする。次いで、シリンダ内に原料及び湯が供給され、コーヒーが抽出される。この抽出されたコーヒーは、ペーパーフィルタでろ過され、フィルタブロックを介して、抽出装置本体の外部に搬出される。そして、搬出されたコーヒーは、カップに供給され、購入者に提供される。
【0004】
上記のようにしてコーヒーを調理する場合、シリンダ内で抽出されたコーヒーがろ過されると、そのシリンダとフィルタブロックとの間のペーパーフィルタ上には、抽出後の原料である抽出滓が残留する。コーヒーのろ過後、フィルタブロックが下降することにより、ペーパーフィルタがシリンダから離れ、ペーパーフィルタ送出し装置のペーパー送りドラムが回転することにより、ペーパーフィルタがペーパーホルダから所定長さ引き出されるとともに、ろ過に使用されたペーパーフィルタの使用済み部分がコーヒー抽出装置から送り出される。これにより、ペーパーフィルタの使用済み部分が、コーヒー抽出装置の下方に設置された廃棄物容器としての滓バケツに、抽出滓とともに送り出され、次回の販売に備えて、ペーパーフィルタの使用済み部分に続く未使用部分が、フィルタブロック上にセットされる。なお、上記のコーヒー抽出装置には、ペーパー送りドラムの前側に、滓分離プレートが設けられており、ペーパーフィルタの使用済み部分がコーヒー抽出装置から送り出される際に、滓分離プレートによって、抽出滓がペーパーフィルタから分離されるようになっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のコーヒー抽出装置では、コーヒーの抽出及びろ過によって発生する抽出滓及び使用済みのペーパーフィルタが、廃棄物として滓バケツに回収される。しかし、これらの抽出滓及び使用済みのペーパーフィルタは、単に上方から送り出され、滓バケツ内に混在した状態で収容されるため、滓バケツ内で嵩張りやすい。このため、滓バケツにおける廃棄物の収容効率が悪く、多数のコーヒーを販売しようとすると、容量が比較的大きな滓バケツが必要になる。
【0007】
また、前述したように、このコーヒー抽出装置では、抽出滓が使用済みのペーパーフィルタから分離されるようになっているため、例えば、そのペーパーフィルタを棒状の巻取り部材によってロール状に巻き取るようにすることが可能であり、その場合には、抽出滓及び使用済みのペーパーフィルタが滓バケツ内で混在する場合に比べて、廃棄物の回収効率を高められるとともに、抽出滓と使用済みのペーパーフィルタとを分別して廃棄することが可能になる。
【0008】
しかし、例えば、使用済みのペーパーフィルタの巻取り部材が、滓バケツに取り付けられている場合、次のような問題がある。すなわち、滓バケツを自動販売機から取り外して、抽出滓を廃棄する場合、ロール状に巻かれた使用済みのペーパーフィルタも滓バケツとともに自動販売機から取り外される。この場合には、抽出滓とともに使用済みのペーパーフィルタも廃棄されることが多い。このため、例えば、使用済みのペーパーフィルタの巻取り量が比較的少なく、巻取り部材に対して使用済みのペーパーフィルタをまだ十分に巻取り可能であっても、使用済みのペーパーフィルタの廃棄作業が行われ、その場合には、廃棄作業後に、ペーパーフィルタの先端部を巻取り部材にセットする作業なども必要になる。このように、抽出滓を廃棄する際に、使用済みのペーパーフィルタの廃棄作業を常に行うと、廃棄作業全体に手間がかかってしまう。
【0009】
上記とは逆に、巻取り部材が、滓バケツと別個に設けられている場合には、滓バケツを自動販売機から取り外して、抽出滓のみを廃棄することが可能である。しかしこの場合には、次のような問題がある。すなわち、廃棄作業を行う作業者自身が、使用済みのペーパーフィルタの巻取り量を目視で確認し、廃棄すべきか否かを判断する必要がある。また、使用済みのペーパーフィルタの巻取り量が比較的多く、その使用済みのペーパーフィルタを廃棄すべきであるにもかかわらず、作業者が廃棄し忘れた場合には、巻取り部材による使用済みのペーパーフィルタの巻取りが不能となったり、径の大きなロール状の使用済みのペーパーフィルタがコーヒー抽出装置の抽出に必要な部品に干渉したりするおそれがある。このような場合には、コーヒーの抽出ができなくなり、コーヒーの販売が不能となってしまう。
【0010】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、飲料の抽出及びろ過によって発生する廃棄物の回収及び廃棄作業を効率よく行えるとともに、その廃棄作業を行う際に、その作業者に、使用済みのペーパーフィルタを廃棄すべきか否かを簡単かつ確実に知らせることができる飲料抽出機の廃棄物回収装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明は、原料及び水を用いて飲料を抽出し、抽出された飲料を連続するペーパーフィルタによってろ過する飲料抽出機において、抽出及びろ過によって発生する原料の抽出滓及び使用済みのペーパーフィルタを廃棄物として回収する飲料抽出機の廃棄物回収装置であって、互いに左右方向に所定間隔を隔てた2つのアームを有する支持部材と、左右方向に延びる棒状に形成されるとともに、両端部が2つのアームにおいて支持部材に回転自在にかつ着脱自在に取り付けられ、使用済みのペーパーフィルタを巻き取るための巻取り部材と、使用済みのペーパーフィルタが巻取り部材に巻き取られる前に、ペーパーフィルタ上に残留した抽出滓をペーパーフィルタから脱離させるための抽出滓脱離手段と、抽出及びろ過後に、巻取り部材を回転駆動する駆動手段と、巻取り部材を下方から覆うように配置されるとともに、前方に引き出されることによって飲料抽出機から取外し可能に構成され、使用済みのペーパーフィルタから脱離した抽出滓を収容するための廃棄物容器と、を備え、廃棄物容器は、上面が開放するボックス状の容器本体と、この容器本体に設けられ、廃棄物容器内の抽出滓を廃棄する際に、使用済みのペーパーフィルタの巻取り部材に巻かれたロール部が所定の径よりも大きいときに、廃棄物容器が取り外されるのに伴い、ロール部を前方へ押圧することにより、巻取り部材を、支持部材から脱離させ、ロール部とともに容器本体に収容させる巻取り部材脱離部と、を有していることを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、左右の両端部が支持部材の両アームにおいて回転自在にかつ着脱自在に取り付けられた巻取り部材が、飲料抽出機における飲料の抽出及びろ過後に、駆動手段によって回転駆動されることにより、その巻取り部材に使用済みのペーパーフィルタが巻き取られる。一方、使用済みのペーパーフィルタ上に残留した抽出滓は、そのペーパーフィルタが巻取り部材に巻き取られる前に、抽出滓脱離手段によってペーパーフィルタから脱離され、廃棄物容器に収容される。このように、使用済みのペーパーフィルタが巻取り部材に巻き取られるとともに、抽出滓が廃棄物容器に収容されるので、使用済みのペーパーフィルタ及び抽出滓が廃棄物容器内に混在することがなく、これらの廃棄物の回収及び廃棄を効率よく行うことができる。
【0013】
また、廃棄物容器内の抽出滓を廃棄する際には、廃棄物容器を前方に引き出すことによって飲料抽出機から取り外す。この場合、使用済みのペーパーフィルタの巻取り部材に巻かれたロール部が所定の径よりも大きいとき、すなわち、使用済みのペーパーフィルタの巻取り量が多く、それを廃棄すべきであるときには、廃棄物容器が取り外されるのに伴い、容器本体の巻取り部材脱離部が使用済みのペーパーフィルタのロール部を前方へ押圧し、それにより、巻取り部材が、支持部材から脱離し、使用済みのペーパーフィルタのロール部とともに容器本体に収容される。つまり、取り外された廃棄物容器には、抽出滓に加えて、使用済みのペーパーフィルタのロール部も収容されている状態となる。これにより、抽出滓の廃棄作業を行う作業者に対し、使用済みのペーパーフィルタを廃棄すべきであることを知らせることができる。
【0014】
また、上記とは逆に、使用済みのペーパーフィルタのロール部が所定の径以下であるとき、すなわち、使用済みのペーパーフィルタの巻取り量が少なく、それを未だ廃棄する必要がないときには、廃棄物容器が前方に引き出されても、使用済みのペーパーフィルタのロール部が容器本体の巻取り部材脱離部で押圧されることがなく、巻取り部材は、支持部材から脱離することなく維持される。つまり、取り外された廃棄物容器には、抽出滓のみが収容されている状態となる。これにより、抽出滓の廃棄作業を行う作業者に対し、使用済みのペーパーフィルタを未だ廃棄する必要がないことを知らせることができる。以上のように、本発明によれば、抽出滓の廃棄作業を行う際に、その作業者に、使用済みのペーパーフィルタを廃棄すべきか否かを簡単かつ確実に知らせることができる。
【0015】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の飲料抽出機の廃棄物回収装置において、廃棄物容器は、容器本体の内部を前後に仕切る仕切壁を、さらに有しており、容器本体には、仕切壁の前側に抽出滓を収容するための抽出滓収容部が画成され、仕切壁の後ろ側に、巻取り部材及びこれに巻かれた使用済みのペーパーフィルタのロール部を収容するための使用済みペーパー収容部が画成され、巻取り部材脱離部は、容器本体の所定高さを有する背壁であることを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、容器本体の内部を前後に仕切る仕切壁により、容器本体の内部には、仕切壁の前側に抽出滓収容部が、仕切壁の後ろ側に使用済みペーパー収容部が画成される。これにより、廃棄物容器を飲料抽出機から取り外して、抽出滓及び使用済みのペーパーフィルタを廃棄する際に、容器本体の抽出滓収容部内の抽出滓が、使用済みペーパー収容部内の使用済みのペーパーフィルタに付着するのを回避でき、それにより、両者を適切に分別して廃棄することができる。また、容器本体の背壁の高さを適切に設定することにより、その背壁を前記巻取り部材脱離部として機能させることができる。
【0017】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の飲料抽出機の廃棄物回収装置において、巻取り部材の左右の一方の端面には、巻取り部材の回転軸線に対して偏心した位置に、巻取り部材側係合部が設けられており、駆動手段は、モータと、巻取り部材の左右の一方の端面に対向するとともに、回転軸線を中心として、モータによって回転駆動される回転体と、を有し、回転体には、回転体が回転することにより、巻取り部材側係合部に係合し、巻取り部材を回転させる回転体側係合部が設けられていることを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、巻取り部材の左右の一方の端面に、駆動手段の回転体が対向しており、巻取り部材の上記端面には、巻取り部材の回転軸線に対して偏心した位置に、巻取り部材側係合部が設けられる一方、回転体には、自身が巻取り部材の回転軸線を中心として回転することにより、巻取り部材側係合部に係合する回転体側係合部が設けられている。したがって、回転体がモータで駆動されることによって回転することにより、回転体側係合部が巻取り部材側係合部に係合しながら、巻取り部材を、その回転軸線を中心として円滑に回転させることができる。また、巻取り部材は、駆動手段の回転体に対し、常時、連結や係合するものではなく、回転体が回転するときに、巻取り部材側係合部と回転体側係合部が互いに係合するので、支持部材に対し、巻取り部材の回転自在の状態を確保しながら、巻取り部材の着脱を容易に実現することができる。
【0019】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の飲料抽出機の廃棄物回収装置において、駆動手段は、モータと回転体との間に設けられ、回転体の回転によって巻取り部材を回転させる際に、回転体に対し、巻取り部材から所定の大きさ以上のトルクが作用するときに、回転体をモータに対して空回りさせるためのトルクリミッタを、さらに有していることを特徴とする。
【0020】
この構成によれば、モータと回転体との間に、所定のトルクリミッタが設けられており、モータによる回転体の回転に伴い、巻取り部材が回転することにより、使用済みのペーパーフィルタを巻き取る。この使用済みのペーパーフィルタの巻取りが進み、その巻取り量が、未使用のペーパーフィルタの送出し量に比べて多くなると、ペーパーフィルタの張力が大きくなり、それにより、使用済みのペーパーフィルタを巻き取る巻取り部材には、ペーパーフィルタから、巻取り方向と反対方向にトルクが作用する。また、このトルクは、巻取り部材から、これに係合する回転体にも作用する。そして、上記のトルクが所定の大きさ以上であるときには、トルクリミッタにより、回転体がモータに対して空回りする。この場合、モータが作動していても、回転体の回転が抑制され、したがって、回転体の回転に伴う巻取り部材の回転及び使用済みのペーパーフィルタの巻取りも抑制される。以上により、ペーパーフィルタに過大な張力が作用することによる破断を、効果的に防止しながら、使用済みのペーパーフィルタを緩み無く巻き取ることができる。
【0021】
請求項5に係る発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の飲料抽出機の廃棄物回収装置において、巻取り部材は、長さ方向の中央部において互いに着脱自在に嵌合する2つの巻取り片で構成されており、ペーパーフィルタの先端部を巻取り部材に取り付けるために、一方の巻取り片には、他方の巻取り片側に突出し、ペーパーフィルタの先端部に刺し通された状態で、他方の巻取り片に嵌合する嵌合凸部が設けられていることを特徴とする。
【0022】
この構成によれば、巻取り部材から使用済みのペーパーフィルタを取り外す際に、2つの巻取り片を互いに反対方向に引っ張り、分離させることにより、巻取り部材からの使用済みのペーパーフィルタの取外しを非常に簡単に行うことができる。また、未使用のペーパーフィルタは、巻取り部材に次のようにセットされる。すなわち、まず、巻取り部材を2つの巻取り片に分離した状態から、一方の巻取り片の嵌合凸部を、ペーパーフィルタの先端部に刺し通す。そして、その嵌合凸部を、他方の巻取り部材に嵌合させ、両巻取り片を一体化する。これにより、未使用のペーパーフィルタの先端部を、両巻取り片の間にしっかりと取り付けた状態で、巻取り部材に容易にかつ確実にセットすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の一実施形態による廃棄物回収装置を適用したコーヒー抽出機を示す斜視図である。
【
図2】
図1のコーヒー抽出機を分解して示す斜視図である。
【
図3】抽出機本体をドリップユニットと駆動ユニットに分解して示すとともに、シリンダをドリップユニットから取り外した状態を示す斜視図である。
【
図4】ペーパーフィルタ送出し装置を示す斜視図であり、(a)はペーパーセットドアを閉鎖した状態、(b)はペーパーセットドアを開放した状態を示す。
【
図5】ペーパーフィルタ巻取り装置を右上から見たときの状態を示す斜視図である。
【
図6】
図5に示すペーパーフィルタ巻取り装置を分解して示す斜視図である。
【
図7】ペーパーフィルタ巻取り装置を左上から見たときの状態を示す斜視図である。
【
図8】
図7に示すペーパーフィルタ巻取り装置を分解して示す斜視図である。
【
図9】巻取りリールへのペーパーフィルタの取付方法を説明するための説明図であり、(a)は取付前の状態、(b)は取付後の状態を示す。
【
図10】ペーパーフィルタをペーパーフィルタ送出し装置及びペーパーフィルタ巻取り装置にセットした状態を説明するための説明図である。
【
図11】コーヒーの抽出・ろ過後におけるペーパーフィルタの送出し及び回収、並びに抽出滓の回収を順に説明するための説明図である。
【
図12】抽出滓の廃棄動作を順に説明するための説明図であり、巻取りリールによる使用済みのペーパーフィルタの巻取り量が少ない状態を示す。
【
図13】抽出滓の廃棄動作を順に説明するための説明図であり、巻取りリールによる使用済みのペーパーフィルタの巻取り量が多い状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態による飲料抽出機の廃棄物回収装置を適用したコーヒー抽出機(飲料抽出機)を示している。このコーヒー抽出機1は、カップ式自動販売機や飲料ディスペンサなどに内蔵され、粉状のコーヒー豆及び湯を用いてコーヒーを抽出し、その抽出したコーヒーをペーパーフィルタでろ過して、コーヒー抽出機1の外部に搬出するものである。なお、搬出されたコーヒーは、図示しないカップに注がれ、購入者などに提供される。
【0025】
図1及び
図2に示すように、コーヒー抽出機1は、コーヒーの抽出及びろ過を行う抽出機本体2と、連続するペーパーフィルタを抽出機本体2に送り出すペーパーフィルタ送出し装置3と、コーヒーの抽出及びろ過によって発生する抽出滓及び使用済みのペーパーフィルタを廃棄物として回収する廃棄物回収装置4とを備えている。
【0026】
図2及び
図3に示すように、抽出機本体2は、コーヒーの抽出及びろ過を実質的に行うドリップユニット11と、これを駆動する駆動ユニット12で構成されている。ドリップユニット11は、原料及び湯が供給され、内部においてコーヒーの抽出を行うためのシリンダ13と、このシリンダ13を着脱自在に収容するシリンダホルダ14とを備えている。シリンダ13は、プラスチックから成り、
図3に示すように、上下方向に延びるとともに、上面及び下面が開放した円筒状に形成されている。また、シリンダ13の外周面には、シリンダ13をシリンダホルダ14に対して着脱する際に利用される取っ手13a及び上下のガイド部13b、13bが設けられている。
【0027】
シリンダホルダ14は、前面及び上面が開放するボックス状に形成されており、その前面には、上端部を支点として回動する開閉自在の前面カバー15が取り付けられている。また、シリンダホルダ14の上面は、駆動ユニット12に着脱自在に取り付けられたホルダカバー16に覆われている。なお、このホルダカバー16には、原料をシリンダ13に投入するための原料投入口16a、湯をシリンダ13に供給するための湯供給口16b、及びコーヒーの調理時に発生する湯気を排出するための2つの湯気排出口16c、16cが設けられている。
【0028】
シリンダホルダ14の左右の側壁17、17にはいずれも、後述するフィルタブロック19を昇降させるためのカム溝を有する回転自在のカム円板(図示せず)が内蔵されており、両カム円板が駆動ユニット12によって回転駆動されることにより、フィルタブロック19を昇降させるようになっている。また、シリンダホルダ14内には、シリンダ13を左右両側から挟んだ状態で保持するシリンダキャッチャ18が設けられるとともに、シリンダ13の下方において昇降自在のフィルタブロック19が設けられている。このフィルタブロック19は、シリンダ13との間でペーパーフィルタを挟み、そのペーパーフィルタでろ過されたコーヒーを外部に搬出するように構成されている。また、シリンダホルダ14の前端部及び後端部にはそれぞれ、フィルタブロック19の前後に、左右方向に延び、ペーパーフィルタPを後ろ側から前側に案内するためのガイドローラ20a、20bが回転自在に設けられている(
図10参照)。
【0029】
駆動ユニット12は、詳細な説明は省略するが、ドリップユニット11のシリンダ13の上面を、前後方向に移動しながら開閉するシリンダヘッド、並びに前記フィルタブロック19を昇降させるためのカム円板を回転駆動するためのモータ及び駆動機構を備えている。また、フィルタブロック19及びシリンダヘッドを介して、シリンダ13内にエアを供給し、シリンダ13内の原料及び湯の撹拌、並びにシリンダ13からのコーヒーの搬出を行うためのエアポンプも備えている。
【0030】
図2、
図4及び
図10に示すように、ペーパーフィルタ送出し装置3は、ロール状のペーパーフィルタPを保持するペーパーホルダユニット21と、このペーパーホルダユニット21を駆動するペーパー駆動ユニット22とで構成されている。ペーパーホルダユニット21は、ペーパーフィルタPのロール部Prを回転可能に保持するホルダ本体23と、ホルダ本体23の前側上部に回転自在に設けられた左右2つのペーパー送りドラム24、24と、ホルダ本体23の左側壁に内蔵され、両ペーパー送りドラム24、24を回転駆動するための図示しない駆動機構と、ホルダ本体23の前端部に、両ペーパー送りドラム24、24を覆うように取り付けられたペーパーセットドア25などを有している。なお、ホルダ本体23の下端部の前後には、左右方向に延び、ペーパーフィルタPを案内するためのガイドローラ23a、23bが回転自在に設けられている(
図10参照)。
【0031】
ペーパーセットドア25は、ホルダ本体23に保持されたペーパーフィルタPを送出し可能にセットするものであり、左右方向に延びるドア本体26と、このドア本体26の両端部から後方に延び、ホルダ本体23に回動自在に支持された左右のアーム27、27とを有している。また、ドア本体26の背面側には、左右方向に延びるローラシャフト28が固定され、その両端部に、左右のペーパー送りドラム24、24にそれぞれ対応するように、ローラ29、29が回転自在に支持されている。
【0032】
一方、ペーパー駆動ユニット22は、モータ22aを有しており、このモータ22aによって、ペーパーホルダユニット21の駆動機構を介して、2つのペーパー送りドラム24、24が同期して回転駆動される。
【0033】
以上のように構成されたペーパーフィルタ送出し装置3では、ペーパーホルダユニット21のペーパーセットドア25が、
図4に示すように開閉するようになっており、ペーパーフィルタPが次のようにセットされる。すなわち、同図(b)に示すように、ペーパーセットドア25を開放した状態において、ペーパーフィルタPが、ホルダ本体23とドア本体26との間に上方から通される。そして、同図(a)に示すように、ペーパーセットドア25を閉鎖することにより、ペーパーフィルタPが、両ペーパー送りドラム24、24と両ローラ29、29との間に挟持される。
【0034】
図1及び
図2に示すように、廃棄物回収装置4は、抽出滓を収容するための滓バケツ31(廃棄物容器)と、使用済みのペーパーフィルタPを巻き取るペーパーフィルタ巻取り装置32とを備えている。滓バケツ31は、上面が開放するボックス状であって、ペーパーフィルタ送出し装置3を前方から下方に渡って覆うように形成されたバケツ本体33(容器本体)を有している。バケツ本体33の内部には、前後方向の中央付近に、バケツ本体33内を前後に仕切る仕切壁34が設けられている。また、バケツ本体33には、仕切壁34の前側に抽出滓を収容するための抽出滓収容部35が画成され、仕切壁34の後ろ側に使用済みのペーパーフィルタPを収容するための使用済みペーパー収容部36が画成されている。さらに、バケツ本体33の背壁33a(巻取り部材脱離部)は、所定の高さを有するように設定されている。
【0035】
図5〜
図8は、ペーパーフィルタ巻取り装置32を示している。これらの図に示すように、ペーパーフィルタ巻取り装置32は、ペーパーフィルタ送出し装置3の下方に配置され、所定の取付板41(
図10参照)にねじ止めされたリールホルダ42(支持部材)と、このリールホルダ42に回転自在に支持され、使用済みのペーパーフィルタPを巻き取る巻取りリール43(巻取り部材)と、この巻取りリール43を回転駆動するリール駆動装置44(駆動手段)とを備えている。
【0036】
リールホルダ42は、互いに左右方向に所定間隔を隔てて前後方向に平行に延びる左右一対の支持アーム51、51(アーム)と、これらの後端部間を連結する連結部52とにより、平面形状が前方に開放するコ字状に形成されている。各支持アーム51の前部には、斜め上前方に開放し、巻取りリール43の左右の端部がそれぞれ着脱自在に係合するとともに、巻取りリール43を回転自在に支持する係合凹部51aが形成されている。また、右側の支持アーム51の右方には、リール駆動装置44が取り付けられる取付部53が設けられている。
【0037】
巻取りリール43は、左右方向に所定長さ延び、横断面が円形の棒状に形成されるとともに、その長さ方向の中央に向かって、径が次第に小さくなっている。また、この巻取りリール43は、
図6及び
図8に示すように、左右2つのリール片43A及び43B(巻取り片)から成り、互いに着脱自在に嵌合するように構成されている。具体的には、左側のリール片43Aには、右側のリール片43B側に突出し、所定の深さを有する2つ嵌合凹部54、54が設けられている。一方、右側のリール片43Bには、左側のリール片43A側に突出し、上記の両嵌合凹部54、54に着脱自在に嵌合する2つの嵌合凸部55、55が設けられている。なお、各嵌合凸部55の先端部は、尖るように形成されている。
【0038】
また、右側のリール片43Bの右端部には、リール駆動装置44の後述する回転体62が回転する際にこれに係合するリール側係合部56(巻取り部材側係合部)が設けられている。このリール側係合部56は、巻取りリール43の中心を通る回転軸線に対して偏心した位置に設けられている。
【0039】
リール駆動装置44は、モータ及びギヤ列(いずれも図示せず)がボックス状のケースに内蔵されたリール駆動ユニット61と、このリール駆動ユニット61によって回転駆動される回転体62とを備えている。
【0040】
図7及び
図8に示すように、回転体62は、円盤状に形成され、右側のリール片43Bの右端面に対向するように配置されている。この回転体62のリール片43B側の面には、そのリール片43Bのリール側係合部56に係合可能な2つの回転体側係合部62a、62aが突設されている。回転体62が回転することにより、一方の回転体側係合部62aが、リール片43Bのリール側係合部56に係合し、それにより、巻取りリール43が回転体62と一体に回転する。
【0041】
このように、リール駆動装置44の回転体62及びこれに係合する巻取りリール43の右側のリール片43Bを上記のように構成することにより、巻取りリール43は、回転体62に対し、常時、連結や係合するものではなく、回転体62が回転するときに、リール側係合部56と回転体側係合部62aが互いに係合する。これにより、リールホルダ42の両支持アーム51、51に対し、巻取りリール43の回転自在の状態を確保しながら、巻取りリール43の着脱を容易に実現することができる。
【0042】
また、回転体62は、トルクリミッタ63を介して、リール駆動ユニット61に連結されている。このトルクリミッタ63は、回転体62に所定の大きさ以上のトルクが作用したときに、回転体62をリール駆動ユニット61のモータに対して空回りさせるように構成されている。これにより、リール駆動装置44のモータが作動していても、回転体62の回転が抑制され、したがって、回転体62の回転に伴う巻取りリール43の回転及び使用済みのペーパーフィルタPの巻取りも抑制される。その結果、ペーパーフィルタPに過大な張力が作用することによる破断を、効果的に防止しながら、使用済みのペーパーフィルタPを緩み無く巻き取ることができる。
【0043】
図9は、巻取りリール43へのペーパーフィルタPの取付方法を示している。巻取りリール43にペーパーフィルタPを取り付ける場合には、同図(a)に示すように、巻取りリール43の両リール片43A及び43Bを分離した状態で、これらの間に、ペーパーフィルタPの先端部を約90度、捩った状態で挿入する。次いで、右側のリール片43Bの2つの嵌合凸部55、55を、ペーパーフィルタPに刺し通し、同図(b)に示すように、左側のリール片43Aの2つの嵌合凹部54、54に嵌合させる。そして、両リール片43A及び43Bが一体化した巻取りリール43を、所定方向に回転させ、この巻取りリール43にペーパーフィルタPを若干、巻き付かせる。このようにして、巻取りリール43にペーパーフィルタPを取り付けることにより、ペーパーフィルタPを巻取りリール43にしっかりと取り付けることができるとともに、巻取りリール43の回転によって、ペーパーフィルタPを安定して巻き取ることができる。
【0044】
以上のように構成されたコーヒー抽出機1では、
図10に示す状態で、ペーパーフィルタPがセットされる。すなわち、ペーパーフィルタPは、ペーパーホルダユニット21のホルダ本体23に支持されたロール部Prの後ろ側(
図10の左側)から下方に引き出され、ガイドローラ23bで案内されながら、上方の抽出機本体2へ導かれる。また、そのペーパーフィルタPは、シリンダホルダ14の後部のガイドローラ20bで案内されながら、シリンダ13とフィルタブロック19との間を通って前方に導かれる。さらに、そのペーパーフィルタPは、シリンダホルダ14の前部のガイドローラ20aで案内されながら、ペーパーホルダユニット21のペーパー送りドラム24とローラ29との間を通って下方に導かれる。そして、そのペーパーフィルタPは、ホルダ本体23のガイドローラ23aで案内されながら、巻取りリール43に巻き取られる。
【0045】
次に、
図10及び
図11を参照して、コーヒー調理時におけるコーヒー抽出機1の動作について、特に、シリンダ13内で抽出されたコーヒーのろ過後におけるペーパーフィルタ送出し装置3のペーパーホルダユニット21、及び廃棄物回収装置4のペーパーフィルタ巻取り装置32の動作について説明する。
図10に示す待機状態からまず、フィルタブロック19が上昇し、ペーパーフィルタPをシリンダ13の下面に押し当てた状態で、シリンダ13の下面をシールする。次いで、シリンダ13内に上方から原料及び湯が供給され、シリンダ13内でコーヒーが抽出される。そして、この抽出されたコーヒーは、ペーパーフィルタPでろ過され、フィルタブロック19を介して、コーヒー抽出機1の外部に搬出される。
【0046】
その後、フィルタブロック19が下降し、ペーパーフィルタPがシリンダ13から離れる。この場合、
図11(a)に示すように、ペーパーフィルタP上には、抽出後の原料である抽出滓Gが残留する。次いで、同図(b)に示すように、ペーパーホルダユニット21の両ペーパー送りドラム24、24が矢印方向に1回転するとともに、ペーパーフィルタ巻取り装置32の巻取りリール43が矢印方向に回転する。これにより、ペーパーフィルタPは、同図の白抜き矢印で示すように、ホルダ本体23から所定長さ引き出されるとともに、巻取りリール43に巻き取られる。またこの場合、ペーパーフィルタP上の抽出滓Gは、ペーパーセットドア25のドア本体26(抽出滓脱離手段)によって、ペーパーフィルタPから脱離される。そして、この脱離された抽出滓Gは、同図(c)に示すように、滓バケツ31の抽出滓収容部35に収容される。
【0047】
次に、
図12〜
図14を参照しながら、コーヒー抽出機1における抽出滓G及び使用済みのペーパーフィルタPの廃棄処理について説明する。なお、以下の説明では、使用済みのペーパーフィルタにP’の符号を、巻取りリール43に巻かれたペーパーフィルタP’のロール部にPr’の符号を付するものとする。
【0048】
図12は、巻取りリール43による使用済みのペーパーフィルタP’の巻取り量が少ないときの廃棄動作を順に示している。具体的には、同図(a)に示す状態から、滓バケツ31を前方(同図の右方)に引き出す。この場合、滓バケツ31は、同図(b)に示すように、バケツ本体33の背壁33aが巻取りリール43に巻かれた使用済みのペーパーフィルタP’のロール部Pr’に当たることがなく、したがって、同図(c)に示すように、そのままコーヒー抽出機1の前方に引き出される。そして、コーヒー抽出機1から取り外された滓バケツ31から、その抽出滓収容部35に収容されている抽出滓Gのみが廃棄される。
【0049】
一方、
図13及び
図14は、巻取りリール43による使用済みのペーパーフィルタP’の巻取り量が多く、そのロール部Pr’が所定の径よりも大きいときの廃棄動作を順に示している。上述した場合と同様に、
図13(a)に示す状態から、滓バケツ31を前方に引き出す。この場合、同図(b)に示すように、滓バケツ31の背壁33aの上端部が、使用済みのペーパーフィルタP’のロール部Pr’の下部に後方から当接する。滓バケツ31をさらに前方に引き出すと、同図(c)に示すように、ロール部Pr’が滓バケツ31の背壁33aで押圧され、巻取りリール43の左右の端部が、両支持アーム51、51の係合凹部51aから外れる。滓バケツ31をさらに前方に引き出すと、
図14(a)に示すように、巻取りリール43は、リールホルダ42の両支持アーム51、51から脱落し、使用済みのペーパーフィルタP’のロール部Pr’とともに滓バケツ31の使用済みペーパー収容部36に収容される。
【0050】
そして、コーヒー抽出機1から取り外された滓バケツ31から、その抽出滓収容部35内の抽出滓G及び使用済みペーパー収容部36内の使用済みのペーパーフィルタP’のロール部Pr’が廃棄される。なお、巻取りリール43から使用済みのペーパーフィルタP’のロール部Pr’を取り外す際には、左右のリール片43A及び43Bを互いに反対方向に引っ張り、分離させることにより、巻取りリール43からのロール部Pr’の取外しを非常に簡単に行うことができる。
【0051】
以上詳述したように、本実施形態によれば、使用済みのペーパーフィルタP’が巻取りリール43に巻き取られるとともに、抽出滓Gが滓バケツ31に収容されるので、それらのペーパーフィルタP’及び抽出滓Gが滓バケツ31内に混在することがなく、廃棄物の回収及び廃棄を効率よく行うことができる。
【0052】
また、滓バケツ31内の抽出滓Gを廃棄する場合、滓バケツ31を前方に引き出し、コーヒー抽出機1から取り外すだけで、その廃棄作業を行う作業者に対し、使用済みのペーパーフィルタP’を廃棄すべきか否かを知らせることができる。すなわち、前述したように、滓バケツ31を前方に引き出し、コーヒー抽出機1から取り外した場合、巻取りリール43による使用済みのペーパーフィルタP’の巻取り量が少なく、そのロール部Pr’が所定の径以下であるときには、取り外された滓バケツ31内に抽出滓Gのみが存在する。これにより、作業者に対し、使用済みのペーパーフィルタP’を未だ廃棄する必要がないことを知らせることができる。一方、使用済みのペーパーフィルタP’の巻取り量が多く、そのロール部Pr’が所定の径よりも大きいときには、取り外された滓バケツ31内に、抽出滓Gに加えて、巻取りリール43とともに使用済みのペーパーフィルタP’のロール部Pr’も存在する。これにより、作業者に対し、使用済みのペーパーフィルタP’を廃棄すべきであることを知らせることができる。以上のように、本実施形態によれば、抽出滓Gの廃棄作業を行う際に、その作業者に、使用済みのペーパーフィルタP’を廃棄すべきか否かを簡単かつ確実に知らせることができる。
【0053】
また、滓バケツ31では、バケツ本体33の内部を仕切壁34によって、抽出滓収容部35と使用済みペーパー収容部36とに仕切っているので、抽出滓G及び使用済みのペーパーフィルタP’を廃棄する際に、抽出滓Gが使用済みのペーパーフィルタP’に付着するのを回避でき、それにより、両者を適切に分別して廃棄することができる。
【0054】
なお、本発明は、説明した上記実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、実施形態では、本発明をコーヒー抽出機に適用した場合について説明したが、原料として茶葉を用い、茶系飲料を抽出する飲料抽出機に適用することもできる。
【0055】
また、実施形態では、本発明の巻取り部材脱離部として、滓バケツ31(バケツ本体33)の背壁33aを利用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、バケツ本体33の背壁33aの高さと、使用済みのペーパーフィルタP’のロール部Pr’との位置関係を考慮し、バケツ本体33に、巻取りリール43をリールホルダ42から脱落させるための専用の部品を取り付けるようにすることも可能である。
【0056】
また、実施形態で示したコーヒー抽出機1の細部の構成などは、あくまで例示であり、本発明の趣旨の範囲内で適宜、変更することができる。