特許第5987718号(P5987718)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5987718通信システム、テスト発信方法及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5987718
(24)【登録日】2016年8月19日
(45)【発行日】2016年9月7日
(54)【発明の名称】通信システム、テスト発信方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04M 11/04 20060101AFI20160825BHJP
   H04M 1/725 20060101ALI20160825BHJP
【FI】
   H04M11/04
   H04M1/725
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-24882(P2013-24882)
(22)【出願日】2013年2月12日
(65)【公開番号】特開2014-155118(P2014-155118A)
(43)【公開日】2014年8月25日
【審査請求日】2015年9月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】710014351
【氏名又は名称】オンキヨー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】長濱 徹
【審査官】 白川 瑞樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−243189(JP,A)
【文献】 特開2005−322005(JP,A)
【文献】 特開2012−073764(JP,A)
【文献】 特開2006−100951(JP,A)
【文献】 特開2004−341648(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B19/00−31/00
H03J9/00−9/06
H04M1/00
1/24−3/00
3/16−3/20
3/38−3/58
7/00−7/16
11/00−11/10
99/00
H04Q9/00−9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
公衆回線に接続された親機と、前記親機と無線通信により相互通信可能であり、且つ対象物の状態変化を検知する検知手段を有する子機と、を備え、前記子機は、前記検知手段による検知に係る情報である検知情報を前記親機に通知し、前記親機は、前記通知された検知情報を、予め登録された所定の通知先に対し、予め登録された所定時刻に、前記公衆回線を介して通知する通信システムであって、
前記子機は、
前記公衆回線を介して前記所定の通知先に通信を試みるテスト発信の実行を示す命令信号を、前記親機に対し送信するテスト発信指示手段と、
前記命令信号の送信に先立ち、前記親機及び前記子機間における無線通信の状態の確認、並びに前記親機に係る設定状況の確認を含む確認処理を実行する確認手段と、
前記確認処理の結果を報知する報知手段と、
を更に有する
ことを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記確認処理は、更に、前記親機の使用状況の確認を含むことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記テスト発信指示手段は、前記確認処理の結果に問題が無いことを条件に、前記命令信号を前記親機に対し送信することを特徴とする請求項1又は2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記親機に係る設定状況の確認には、(i)日時設定がされているか否か、(ii)回線種別設定がされているか否か、(iii)前記所定の通知先が登録されているか否か、及び(iv)前記所定時刻が登録されているか否か、のうち少なくとも一つが含まれていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の通信システム。
【請求項5】
公衆回線に接続された親機と、前記親機と無線通信により相互通信可能であり、且つ対象物の状態変化を検知する検知手段を有する子機と、を備え、前記子機は、前記検知手段による検知に係る情報である検知情報を前記親機に通知し、前記親機は、前記通知された検知情報を、予め登録された所定の通知先に対し、予め登録された所定時刻に、前記公衆回線を介して通知する通信システムにおけるテスト発信方法であって、
前記子機が、前記公衆回線を介して前記所定の通知先に通信を試みるテスト発信の実行を示す命令信号を、前記親機に対し送信するテスト発信指示工程と、
前記子機が、前記命令信号の送信に先立ち、前記親機及び前記子機間における無線通信の状態の確認、並びに前記親機に係る設定状況の確認を含む確認処理を実行する確認工程と、
前記子機が、前記確認処理の結果を報知する報知工程と、
を備えることを特徴とするテスト発信方法。
【請求項6】
公衆回線に接続された親機と、前記親機と無線通信により相互通信可能であり、且つ対象物の状態変化を検知する検知手段を有する子機と、を備え、前記子機は、前記検知手段による検知に係る情報である検知情報を前記親機に通知し、前記親機は、前記通知された検知情報を、予め登録された所定の通知先に対し、予め登録された所定時刻に、前記公衆回線を介して通知する通信システムにおける前記子機に搭載されたコンピュータを、
前記公衆回線を介して前記所定の通知先に通信を試みるテスト発信の実行を示す命令信号を、前記親機に対し送信するテスト発信指示手段と、
前記命令信号の送信に先立ち、前記親機及び前記子機間における無線通信の状態の確認、並びに前記親機に係る設定状況の確認を含む確認処理を実行する確認手段と、
前記確認処理の結果を報知する報知手段と、
として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、子機が検知した状態変化に係る検知情報を、親機が公衆回線を介して所定の通知先に通知する通信システムに関し、特に、通信システムの動作を予め確認可能なテスト発信機能を有する通信システム、該通信システムにおけるテスト発信方法、及びコンピュータプログラムの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のシステムとして、例えば、複数のセンサと、電話回線に接続された自動通報装置とを備えるシステムであって、センサにより、例えば火災等の予め定められた事象が検知された場合に、自動通報装置が電話回線を通じて、例えば消防等の予め定められた通知先へ自動通報するシステムが提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
ここでは特に、自動通報装置の通報テストボタンが操作された場合に、予め登録された通報先へ順次通報テストを実行するように、該自動通報装置が構成されていることが記載されている。また、通報テスト時に、自動通報装置の取り消しボタンが操作された場合に、通報テストを取り消すように、該自動通報装置が構成されていることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−151501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の背景技術によれば、通報テストにより登録された通報先の確認をすることは可能であるが、システム全体の設定を確認することが困難であるという技術的問題点がある。
【0006】
本発明は、例えば上記問題点に鑑みてなされたものであり、システム全体の設定を比較的容易に確認することができる通信システム、テスト発信方法及びコンピュータプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の通信システムは、上記課題を解決するために、公衆回線に接続された親機と、前記親機と無線通信により相互通信可能であり、且つ対象物の状態変化を検知する検知手段を有する子機と、を備え、前記子機は、前記検知手段による検知に係る情報である検知情報を前記親機に通知し、前記親機は、前記通知された検知情報を、予め登録された所定の通知先に対し、予め登録された所定時刻に、前記公衆回線を介して通知する通信システムであって、前記子機は、前記公衆回線を介して前記所定の通知先に通信を試みるテスト発信の実行を示す命令信号を、前記親機に対し送信するテスト発信指示手段と、前記命令信号の送信に先立ち、前記親機及び前記子機間における無線通信の状態の確認、並びに前記親機に係る設定状況の確認を含む確認処理を実行する確認手段と、前記確認処理の結果を報知する報知手段と、を更に有する。
【0008】
請求項5に記載のテスト発信方法は、公衆回線に接続された親機と、前記親機と無線通信により相互通信可能であり、且つ対象物の状態変化を検知する検知手段を有する子機と、を備え、前記子機は、前記検知手段による検知に係る情報である検知情報を前記親機に通知し、前記親機は、前記通知された検知情報を、予め登録された所定の通知先に対し、予め登録された所定時刻に、前記公衆回線を介して通知する通信システムにおけるテスト発信方法であって、前記子機が、前記公衆回線を介して前記所定の通知先に通信を試みるテスト発信の実行を示す命令信号を、前記親機に対し送信するテスト発信指示工程と、前記子機が、前記命令信号の送信に先立ち、前記親機及び前記子機間における無線通信の状態の確認、並びに前記親機に係る設定状況の確認を含む確認処理を実行する確認工程と、前記子機が、前記確認処理の結果を報知する報知工程と、を備える。
【0009】
請求項6に記載のコンピュータプログラムは、上記課題を解決するために、公衆回線に接続された親機と、前記親機と無線通信により相互通信可能であり、且つ対象物の状態変化を検知する検知手段を有する子機と、を備え、前記子機は、前記検知手段による検知に係る情報である検知情報を前記親機に通知し、前記親機は、前記通知された検知情報を、予め登録された所定の通知先に対し、予め登録された所定時刻に、前記公衆回線を介して通知する通信システムにおける前記子機に搭載されたコンピュータを、前記公衆回線を介して前記所定の通知先に通信を試みるテスト発信の実行を示す命令信号を、前記親機に対し送信するテスト発信指示手段と、前記命令信号の送信に先立ち、前記親機及び前記子機間における無線通信の状態の確認、並びに前記親機に係る設定状況の確認を含む確認処理を実行する確認手段と、前記確認処理の結果を報知する報知手段と、として機能させる。
【0010】
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための形態から明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施例に係る通信装置システムの構成を示すブロック図である。
図2】実施例に係るテスト発信処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の通信システム、テスト発信方法及びコンピュータプログラムに係る実施形態について説明する。
【0013】
(通信システム)
実施形態に係る通信システムは、例えば電話回線、インターネット等の公衆回線に接続された親機と、該親機と無線通信により相互通信可能な子機とを備えて構成されている。
【0014】
子機は、検知手段、テスト発信指示手段、確認手段及び報知手段を備えて構成されている。
【0015】
例えば焦電センサ等である検知手段は、対象物の状態変化を検知する。状態変化が検知された場合、例えば検知回数等を含む検知情報が更新される。該検知情報は、例えば、検知情報が更新された時点(即ち、検知手段により状態変化が検知された時点)、予め定められた時刻、等に、親機に通知(送信)される。
【0016】
例えばメモリ、プロセッサ等を備えてなるテスト発信指示手段は、テスト発信の実行を示す命令信号を親機に対して送信する。ここで、「テスト発信」は、親機が公衆回線を介して、例えば電話や電子メール等により、予め登録された所定の通知先に通信を試みることを意味する。
【0017】
例えばメモリ、プロセッサ等を備えてなる確認手段は、テスト発信の実行を示す命令信号の送信に先立ち確認処理を実行する。ここで、「確認処理」には、例えば、親機及び子機間における無線通信の状態の確認、親機に係る設定状況の確認、親機の使用状況の確認、等が含まれる。
【0018】
例えば表示部、スピーカ等を備えてなる報知手段は、確認手段による確認処理の結果を報知する。
【0019】
親機は、子機から通知された検知情報を、予め登録された所定の通知先に対し、予め登録された所定時刻に、公衆回線を介して自動的に通知する。
【0020】
ところで、当該通信システムの導入時には、ユーザが、比較的多くの項目について設定する必要がある。具体的には例えば、検知情報が所定の通知先に自動的に通知されるためには、少なくとも、所定の通知先及び通知時刻を設定しなければならない。このため、設定に不具合があると、当該通信システムがユーザの希望通りに動作しない可能性がある。
【0021】
そこで本実施形態では、テスト発信指示手段により、テスト発信の実行を示す命令信号が親機に対して送信される。該命令信号を受信した親機により、設定された通知先に対してテスト発信が実行されるので、ユーザは該テスト発信の結果を確認することにより、通知先が正しく設定されているか否かを確認することができる。
【0022】
本実施形態では更に、確認手段により、テスト発信の実行を示す命令信号の送信に先立ち確認処理が実行される。このように構成すれば、通知先が正しく設定されているか否かだけでなく、テスト発信が実行可能な状態であるか否かも(即ち、当該通信システム全体の設定についても)、ユーザが比較的容易に確認することができ、実用上非常に有利である。
【0023】
当該通信システムのようなシステムでは、親機から子機に対して常時同期信号が発信されていることが多い。このため、子機が、テスト発信指示手段及び確認手段を備えることにより、例えば子機及び親機間における無線通信の状態を比較的容易に確認することができる。
【0024】
テスト発信指示手段は、確認処理の結果に問題が無いことを条件に、テスト発信の実行を示す命令信号を親機に対して送信する。このように構成すれば、確実にテスト発信が実行されるので、実用上非常に有利である。
【0025】
(テスト発信方法)
実施形態に係るテスト発信方法は、公衆回線に接続された親機と、該親機と無線通信により相互通信可能な子機とを備える通信システムにおけるテスト発信方法である。当該テスト発信方法は、子機が、テスト発信の実行を示す命令信号を、親機に対し送信するテスト発信指示工程と、子機が、該命令信号の送信に先立ち確認処理を実行する確認工程と、子機が、確認処理の結果を報知する報知工程と、を備える。
【0026】
本実施形態に係るテスト発信方法によれば、上述した実施形態に係る通信システムと同様に、システム全体の設定を比較的容易に確認することができる。
【0027】
(コンピュータプログラム)
実施形態に係るコンピュータプログラムは、公衆回線に接続された親機と、該親機と無線通信により相互通信可能な子機とを備える通信システムにおける子機に搭載されたコンピュータを、テスト発信の実行を示す命令信号を、親機に対し送信するテスト発信指示手段と、該命令信号の送信に先立ち、親機及び子機間における無線通信の状態の確認、並びに親機に係る設定状況の確認を含む確認処理を実行する確認手段と、確認処理の結果を報知する報知手段と、として機能させる。
【0028】
本発明のコンピュータプログラムによれば、当該コンピュータプログラムを格納するRAM(Random Access Memory)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD−ROM(DVD Read Only Memory)等の記録媒体から、当該コンピュータプログラムを、子機に備えられたコンピュータに読み込んで実行させれば、或いは、当該コンピュータプログラムを、通信手段を介してダウンロードさせた後に実行させれば、上述した実施形態に係る通信システムを比較的容易にして実現できる。これにより、上述した実施形態に係る通信システムと同様に、システム全体の設定を比較的容易に確認することができる。
【実施例】
【0029】
本発明の通信システムに係る実施例を、図面に基づいて説明する。尚、本実施例では、通信システム1が、一人暮らしの高齢者を遠隔から見守るためのシステム(以降、適宜“見守りシステム”と称する)に適用された場合を一例として挙げる。
【0030】
見守りシステムでは、一般的に、例えばトイレ等、生活をする上で1日に1回は利用する場所に、赤外線を用いたセンサが設置される。そして、該センサにより検出された温度変化の回数等の情報が、センサと対になる親機、及び公衆回線を介して、例えば見守り対象の高齢者と離れて暮らす親族等の通信端末に送信される。従って、該通信端末の所有者は、該通信端末に送信された情報を確認することにより、見守り対象者の無事を確認することができる。
【0031】
(通信システムの構成)
先ず、実施例に係る通信システムの構成について、図1を参照して説明する。図1は、実施例に係る通信システムの構成を示すブロック図である。
【0032】
図1において、通信システム1は、公衆回線に接続された親機10と、子機20とを備えて構成されている。親機10は、例えば見守り対象者の住居の居間等に設置される。他方、子機20は、例えば見守り対象者の住居のトイレ等、見守り対象者が1日に少なくとも1回利用すると考えられる場所に設置される。
【0033】
親機10は、例えばCPU(Central Processing Unit)等である主制御部11と、アンテナANTに接続され、無線通信を実行可能な無線部12と、例えばタッチパネル、操作ボタン等である操作部13と、RAM(Random Access Memory)14と、不揮発性メモリ15と、公衆回線に接続された回線制御部16と、を備えて構成されている。
【0034】
子機20は、例えばCPU等である主制御部21と、アンテナANTに接続され、無線通信を実行可能な無線部22と、例えばタッチパネル、操作ボタン等である操作部23と、RAM24と、不揮発性メモリ25と、例えば焦電センサ等の赤外線を用いたセンサ26と、例えば液晶ディスプレイ、スピーカ等である報知部27と、子機20に搭載されたバッテリ(図示せず)の充電状態を検出する充電検出部28と、を備えて構成されている。
【0035】
センサ26は、物体から発せられる赤外線を感知するように構成されている。そして、センサ26は、温度変化が発生した場合に検出信号を出力するように構成されている。言い換えれば、温度変化が生じなければセンサ26から検出信号は出力されない。
【0036】
主制御部21は、センサ26から出力された検出信号に基づいて、カウンタ(図示せず)の数値を更新する。主制御部21は、また、カウンタの数値を示すカウンタ信号を、無線部22を介して、親機10へ送信する。尚、本実施例に係る「カウンタ信号」は、本発明に係る「検知情報」の一例である。
【0037】
親機10の主制御部11は、無線部12を介して、今回受信されたカウンタ信号により示される数値と、前回のカウンタ信号の受信時に、不揮発性メモリ15に記憶された該カウンタ信号により示される数値と、に基づいて、前回カウンタ信号が受信されてから、今回カウンタ信号が受信されるまでの間に、見守り対象者が、子機20が設置された場所へ立ち入った回数の累計を求める。
【0038】
その後、主制御部11は、上記求められた累計回数を示す情報を、操作部13を介して予め登録された外部通信端末へ、予め登録された時刻に、自動的に通知する。主制御部11は、更に、不揮発性メモリ15に記憶された数値を、今回受信されたカウンタ信号により示される数値に更新する。
【0039】
尚、外部通信端末は、例えば電話機やパーソナルコンピュータ等である。操作部13では、例えば電話番号、FAX番号、メールアドレス等を、通知先として登録可能である。外部通信端末が電話機であって、該電話機に係る情報として電話番号が登録されている場合、親機10は、例えば合成音により、カウンタ信号に基づいて求められた回数を通知する。また、ユーザが操作部13を操作することにより、前回の通知内容を確認することができるように、該操作部13が構成されてもよい。
【0040】
(テスト発信)
当該通信システム1の設置時には、例えば、(i)子機20を、該子機20に対応する親機10(例えば、コードレス電話機等)に増設する、(ii)子機20を親機10の無線圏内に設置する、(iii)親機10に、日時及び回線種別(例えば、プッシュ回線、ダイヤル回線等)を設定する、(iv)親機10に、累計回数を示す情報を通知すべき通知先及び通知時刻を登録する、(v)親機10が登録された通知先へ自動発信することを許可する、等の各種設定がユーザによってなされる。
【0041】
このように当該通信システム1の設置時には、多数の項目が設定されるので、ユーザが一部の設定を誤ると、当該通信システム1が正しく動作しないおそれがある。そこで、当該通信システム1は、当該通信システム1の設置時における設定(特に、登録された通知先への自動発信に係る設定)が適切か否かを、ユーザが確認するためのテスト発信機能を備えている。本実施例では、特に、通信システム1の子機20側からテスト発信を実行可能である。以下、実施例に係るテスト発信について、図2のフローチャートを参照して説明する。
【0042】
子機20の操作部23を介してテスト発信が要求された場合、子機20の主制御部21は、当該子機20が無線通信可能な設定になっているか否か(具体的には例えば、無線部22の機能が有効であるか否か等)を判定する(ステップS101)。無線通信可能な設定になっていないと判定された場合(ステップS101:No)、主制御部21は、例えば「無線通信が無効です」等の警告メッセージや、警告音を表示又は出力するように報知部27を制御して(ステップS111)、処理を終了する。
【0043】
無線通信可能な設定になっていると判定された場合(ステップS101:Yes)、主制御部21は、子機20が親機10とペアリングされているか否か(即ち、子機20のIDが親機10に登録されているか否か、及び親機10のIDが子機20に登録されているか否か)を判定する(ステップS102)。ペアリングされていないと判定された場合(ステップS201:No)、主制御部21は、例えば「親機のIDを登録してください」等の警告メッセージや、警告音を表示又は出力するように報知部27を制御して(ステップS111)、処理を終了する。
【0044】
ペアリングされていると判定された場合(ステップS102:Yes)、主制御部21は、子機20が親機10の無線圏外でないか否かを判定する(ステップS103)。具体的には例えば、主制御部21は、親機10から常時出力されている同期信号(ビーコン)が無線部22により受信されたか否かを判定する。無線圏外である(即ち、同期信号を受信できていない)と判定された場合(ステップS103:No)、主制御部21は、例えば「親機の無線圏外です」等の警告メッセージや、警告音を表示又は出力するように報知部27を制御して(ステップS111)、処理を終了する。
【0045】
無線圏外でない(即ち、同期信号を受信できた)と判定された場合(ステップS103:Yes)、主制御部21は、親機10が登録された通知先へ自動発信可能にされているか否かを判定する(ステップS104)。具体的には例えば、自動発信可能であれば“1”を示す信号を、自動発信不可能であれば“0”を示す信号を子機20へ送信するように、親機10を構成しておき、子機20の主制御部21は、“1”を示す信号が親機10から送信されたか否かを判定する。自動発信不可能であると判定された場合(ステップS104:No)、主制御部21は、例えば「自動発信が無効です」等の警告メッセージや、警告音を表示又は出力するように報知部27を制御して(ステップS111)、処理を終了する。
【0046】
自動発信可能であると判定された場合(ステップS104:Yes)、主制御部21は、親機10が自動発信すべき通知先が登録されているか否かを判定する(ステップS105)。具体的には例えば、通知先が登録されていれば“1”を示す信号を、通知先が登録されていなければ“0”を示す信号を子機20へ送信するように、親機10を構成しておき、子機20の主制御部21は、“1”を示す信号が親機10から送信されたか否かを判定する。通知先が登録されていないと判定された場合(ステップS105:No)、主制御部21は、例えば「通知先を登録してください」等の警告メッセージや、警告音を表示又は出力するように報知部27を制御して(ステップS111)、処理を終了する。
【0047】
通知先が登録されていると判定された場合(ステップS105:Yes)、主制御部21は、親機10が自動発信すべき時刻が登録されているか否かを判定する(ステップS106)。具体的には例えば、自動発信すべき時刻が登録されていれば“1”を示す信号を、自動発信すべき時刻が登録されていなければ“0”を示す信号を子機20へ送信するように、親機10を構成しておき、子機20の主制御部21は、“1”を示す信号が親機10から送信されたか否かを判定する。自動発信すべき時刻が登録されていないと判定された場合(ステップS106:No)、主制御部21は、例えば「自動発信すべき時刻を登録してください」等の警告メッセージや、警告音を表示又は出力するように報知部27を制御して(ステップS111)、処理を終了する。
【0048】
自動発信すべき時刻が登録されていると判定された場合(ステップS106:Yes)、主制御部21は、親機10について日時が登録されているか否かを判定する(ステップS107)。具体的には例えば、日時が登録されていれば“1”を示す信号を、日時が登録されていなければ“0”を示す信号を子機20へ送信するように、親機10を構成しておき、子機20の主制御部21は、“1”を示す信号が親機10から送信されたか否かを判定する。日時が登録されていないと判定された場合(ステップS107:No)、主制御部21は、例えば「日時を設定してください」等の警告メッセージや、警告音を表示又は出力するように報知部27を制御して(ステップS111)、処理を終了する。
【0049】
日時が登録されていると判定された場合(ステップS107:Yes)、主制御部21は、親機10について使用する公衆回線の設定がされているか否かを判定する(ステップS108)。具体的には例えば、使用する公衆回線の設定がされていれば“1”を示す信号を、使用する公衆回線の設定がされていなければ“0”を示す信号を子機20へ送信するように、親機10を構成しておき、子機20の主制御部21は、“1”を示す信号が親機10から送信されたか否かを判定する。使用する公衆回線の設定がされていないと判定された場合(ステップS108:No)、主制御部21は、例えば「回線を設定してください」等の警告メッセージや、警告音を表示又は出力するように報知部27を制御して(ステップS111)、処理を終了する。
【0050】
使用する公衆回線の設定がされていると判定された場合(ステップS108:Yes)、主制御部21は、親機10が使用中(例えば、外線使用中、留守番電話応答中等)でないか否かを判定する(ステップS109)。親機10が使用中であると判定された場合(ステップS109:No)、主制御部21は、例えば「親機が使用されています」等の警告メッセージや、警告音を表示又は出力するように報知部27を制御して(ステップS111)、処理を終了する。
【0051】
親機10が使用中でないと判定された場合(ステップS109:Yes)、主制御部21は、親機10に対して、公衆回線を介して登録された通知先に通信を試みるテスト発信の実行を示す命令信号を、送信する(ステップS110)。
【0052】
テスト発信の実行を示す命令信号を受信した親機10の主制御部11は、例えば不揮発性メモリ15に格納された、自動発信すべき通知先を示す情報を参照して、該通知先に通信を試みる。
【0053】
このように、本実施例に係る通信システム1では、当該通信システム1に係る設定の確認がテスト発信に先立ち実行されるので、ユーザは、当該通信システム1全体の設定を比較的容易に確認することができる。また、テスト発信の結果、所望の通知先に通知が無い場合であっても、ユーザ自身が原因を比較的容易に絞り込むことができ(例えば、通知先が正確に登録されていない等)、実用上非常に有利である。
【0054】
実施例に係る「主制御部21」は、本発明に係る「テスト発信指示手段」及び「確認手段」の一例である。実施例に係る「報知部27」は、本発明に係る「報知手段」の一例である。図2のフローチャートにおける「ステップS103」の処理は、本発明に係る「親機及び子機間における無線通信の状態の確認」の一例である。図2のフローチャートにおける「ステップS104〜S108」の処理は、本発明に係る「親機に係る設定状況の確認」の一例である。図2のフローチャートにおける「ステップS109」の処理は、本発明に係る「親機の使用状況の確認」の一例である。
【0055】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う通信システム、テスト発信方法及びコンピュータプログラムもまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0056】
1…通信システム、10…親機、11、21…主制御部、12、22…無線部、13、23…操作部、14、24…RAM、15、25…不揮発性メモリ、16…回線制御部、20…子機、26…センサ、27…報知部、28…充電検出部
図1
図2