特許第5987794号(P5987794)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5987794
(24)【登録日】2016年8月19日
(45)【発行日】2016年9月7日
(54)【発明の名称】接地構造
(51)【国際特許分類】
   H01R 4/64 20060101AFI20160825BHJP
【FI】
   H01R4/64 B
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-146197(P2013-146197)
(22)【出願日】2013年7月12日
(65)【公開番号】特開2015-18734(P2015-18734A)
(43)【公開日】2015年1月29日
【審査請求日】2015年8月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上垣外 直也
(72)【発明者】
【氏名】黒川 泰弘
【審査官】 前田 仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−049177(JP,A)
【文献】 特開2007−304413(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 4/64
G03B 17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
護対象を保護するように配置された保護部と、前記保護部と接続し弾性変形する弾性部とを有し、通電可能な通電部材と、
接地され、前記通電部材を介して前記保護対象の周囲の静電気が流れ込む接地部材と、
前記接地部材に形成され、前記弾性部の弾性力により前記弾性部を前記接地部材に保持する保持部と、
を備え、
前記弾性部における弾性力が作用する方向の両側で、前記保持部と前記弾性部とが接触することを特徴とする接地構造。
【請求項2】
前記保持部は、前記弾性部における弾性力が作用する方向の両側で前記通電部材に係止される一対の凸部が縁部に形成された孔部であって、前記弾性部は前記孔部にはめ込まれた請求項1に記載の接地構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接地構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、機構部分と記録媒体に記録を行なう記録ヘッドと機構部分を取付けるフレームとを含む記録機構と、使用者からのキー操作などによる指示が入力されるパネル基板と、前記記録機構を覆うカバー部材と、を有し、前記フレームの前記パネル基板保持部近傍の一部が、上方に配置された前記カバー部材に向けて立ち上がり、立ち上げ部の先端位置が前記パネル基板の位置を超えて前記カバー部材の近傍まで延伸されている記録装置が開示されている。
【0003】
特許文献2には、装置本体に対して着脱可能に構成され画像形成のために高圧の電力が供給されるカートリッジと、装置本体に配設され前記カートリッジの装着時にこのカートリッジ側端子と接続される給電端子を備え画像形成のために高圧の電力を供給する給電手段と、前記カートリッジの装置本体からの取り外し動作に伴って前記給電端子をフレームグラウンドへ接地する接地手段と、前記給電端子のフレームグラウンドへの接地状態を検出する検出手段と、を有する画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−309245号公報
【特許文献2】特開2000−10457号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、接地部材と通電部材との接触を確実にすることが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、保護対象を保護するように配置された保護部と、接地され、前記通電部材を介して前記保護対象の周囲の静電気が流れ込む接地部材と、前記保護部と接続し弾性変形する弾性部とを有し、通電可能な通電部材と、前記接地部材に形成され、前記弾性部の弾性力により前記弾性部を前記接地部材に保持する保持部と、を備え、前記弾性部における弾性力が作用する方向の両側で、前記保持部と前記弾性部とが接触することを特徴とする接地構造。
【0007】
請求項2の発明は、前記保持部は、前記弾性部における弾性力が作用する方向の両側で前記通電部材に係止される一対の凸部が縁部に形成された孔部であって、前記弾性部は前記孔部にはめ込まれている。
【発明の効果】
【0008】
請求項1又は2に記載の発明によれば、本願発明の構成を有しない場合と比較して、接地部材と通電部材との接触を確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構成を示す構成図である。
図2】本発明の一実施形態に係る画像形成装置におけるセンサー及び除電部材の配置位置を示すための斜視図である。
図3図2の要部を拡大した拡大斜視図である。
図4】(A)は除電部材を取り付けていない状態の図2の拡大斜視図であり、(B)は除電部材を取り付けた状態の拡大斜視図であり、(C)は除電部材を示す斜視図である。
図5】検知機構を模式的に示す、(A)はZ方向から見た平面図であり、(B)はY方向から見た側面図である。
図6】比較例の検知機構の要部を示す斜視図である。
図7】変形例の検知機構の要部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態に係る画像形成装置の一例について説明する。
<全体構成>
(画像形成装置の構成)
まず、画像形成装置10の構成を説明する。図1は、画像形成装置10の構成を示す構成図である。また、鉛直方向上側をZ方向とし、装置正面側をX方向して、Z方向とX方向と交差する方向(装置向幅方向外側)をY方向とする。
【0011】
画像形成装置10は、図1に示されるように、各構成部品が内部に収容される装置本体11を備えている。装置本体11の内部には、用紙等の記録媒体Pが収容される複数の収容部12と、記録媒体Pに画像を形成する画像形成部14と、画像形成部14によって記録媒体Pに形成された画像を当該記録媒体Pに定着する定着装置56と、収容部12から画像形成部14へ記録媒体Pを搬送する搬送部16と、画像形成装置10の各部の動作を制御する制御部20と、が設けられている。また、装置本体11の上部には、定着装置56によって画像が定着された記録媒体Pが排出される排出部18が設けられている。
【0012】
画像形成部14は、画像を保持する像保持体の一例としての感光体ドラム32を有している。感光体ドラム32は、一方向(例えば、図1における反時計回り方向)へ回転するようになっている。感光体ドラム32の周囲には、感光体ドラム32の回転方向上流側から順に、感光体ドラム32を帯電させる帯電装置の一例としての帯電ロール23と、帯電ロール23によって帯電した感光体ドラム32を露光して感光体ドラム32に静電潜像を形成する露光装置36と、露光装置36によって感光体ドラム32に形成された静電潜像を現像して黒色のトナー画像を形成する現像装置80と、現像装置80によって感光体ドラム32に形成された黒色のトナー画像を記録媒体Pに転写する転写ロール26と、が設けられている。
【0013】
露光装置36は、制御部20から送られた画像信号に基づき露光光Lを感光体ドラム32に露光し、感光体ドラム32に静電潜像を形成するようになっている。なお、制御部20から送られる画像信号としては、例えば、制御部20が外部装置から取得した画像信号がある。
【0014】
露光装置36の上方には、トナーが収容されているトナー収容容器としてのトナーカートリッジ58が設けられている。トナー収容容器58の内部には、トナーが収容されているトナー収容室58Aが形成されている。
【0015】
トナーカートリッジ58と現像装置80との間には、トナーカートリッジ58のトナー収容室58Aから現像装置80へ向けてトナーを搬送するトナー搬送装置60が設けられている。
【0016】
転写ロール26は、感光体ドラム32に対向しており、感光体ドラム32とで記録媒体Pを挟んで記録媒体Pを上方へ搬送するようになっている。転写ロール26と感光体ドラム32との間が、感光体ドラム32に形成されたトナー画像が記録媒体Pに転写される転写位置Tとされている。
【0017】
搬送部16は、各収容部12に収容された記録媒体Pを送り出す送出ロール46と、送出ロール46によって送り出された記録媒体Pが搬送される搬送路48と、搬送路48に沿って配置され送出ロール46によって送り出された記録媒体Pを転写位置Tへ搬送する複数の搬送ロール50と、を備えている。
【0018】
定着装置56は、加熱ロール56Aと、加圧ロール56Bと、を備えている。定着装置56では、加熱ロール56Aによる加熱及び加圧ロール56Bによる加圧により、転写ロール26によって記録媒体Pに転写されたトナー画像を、当該記録媒体Pへ定着するようになっている。この定着装置56の上方側(搬送方向下流側)には、トナー画像が定着された記録媒体Pを排出部18へ排出する排出ロール52が設けられている。
【0019】
また、後述するように、排出ロール52によって排出部18に排出される記録媒体Pを検知する検知機構100が、排出ロール52の近傍に設けられている(図2も参照)。
【0020】
また、片面にトナー画像が定着された記録媒体Pを反転させて、再び転写位置Tへ送り戻すための反転搬送路37が、転写ロール26に対する感光体ドラム32とは反対側(図1における右側)に設けられている。記録媒体Pの両面に画像を形成する際には、片面にトナー画像が定着された記録媒体Pが、排出ロール52によりスイッチバックされて反転搬送路37に導かれて転写位置Tへ送り戻されるようになっている。
【0021】
(画像形成動作)
次に、画像形成装置10における、記録媒体Pへ画像を形成する画像形成動作について説明する。
【0022】
画像形成装置10では、いずれかの収容部12から送出ロール46によって送り出された記録媒体Pが、複数の搬送ロール50によって転写位置Tへ送り込まれる。
【0023】
一方、画像形成部14では、感光体ドラム32が帯電ロール23によって帯電された後、露光装置36によって露光されて、感光体ドラム32に静電潜像が形成される。当該静電潜像が現像装置80によって現像されて感光体ドラム32に黒色のトナー画像が形成される。この黒色のトナー画像は、転写ロール26により転写位置Tにて記録媒体Pへ転写される。
【0024】
トナー画像が転写された記録媒体Pは、定着装置56へ搬送され、当該トナー画像が定着装置56により定着される。記録媒体Pの片面へのみ画像を形成する場合は、トナー画像が定着された後、記録媒体Pは排出ロール52により排出部18へ排出される。
【0025】
記録媒体Pの両面へ画像を形成する場合には、片面に画像が形成された後、記録媒体Pは、排出ロール52でスイッチバックされ、反転して反転搬送路37へ送り込まれる。さらに、当該記録媒体は、反転搬送路37から再び転写位置Tへ送り込まれ、画像が記録されていない反対面に、前述と同様に画像が形成され、排出ロール52により排出部18へ排出される。
【0026】
なお、記録媒体Pの排出部18への排出を、後述する検知機構100が検知する。
【0027】
<検知機構>
図1及び図5に示すように、検知機構100には、Y方向に沿って回転自在に設けられた回転軸112と、回転軸112の軸方向中央部に設けられた爪部114と、回転軸112の端部に設けられた検知片部116と、を有する検知部材110が備えられている。図1に示すように、検知部材110は、排出ロール52の搬送方向上流側近傍に配置されている。
【0028】
図5(B)に示すように、検知部材110の軸方向外側端部の近傍に、検知器としてのセンサー150が設けられている。
【0029】
図2に示すように、センサー150は、定着装置56のY方向外側部分の樹脂製のハウジング102に取り付けられている(図3も参照)。
【0030】
図3及び図5に示すように、センサー150は、本体部152と、互いに間隔をあけて本体部152に設けられた対を成す検知部154と、有し、対を成す検知部154の一方に発光素子が設けられ他方に受光素子が設けられている透過型フォトセンサーである。そして、一方の検知部154の発光素子から検知光を発光し、他方の検知部154の受光素子で検知光を受光するように構成されている。そして、センサー150は、受光素子が受光した検知光を電気的に変換し、不図示の制御装置に信号を送出する。
【0031】
図5に示すように、通常(非排出時)は、このセンサー150の対を成す検知部154間に、検知部材110検知片部116が配置されている。よって、通常(非排出時)は、検知片部116が検知光を遮光した状態なっている。
【0032】
図5(B)に想像線(一点破線)で示すように、記録媒体Pの排出が開始されると検知部材110の爪部114に記録媒体(記録用紙)Pが当たり回転軸112が回転する。回転軸112が回転すると検知片部116が対を成す検知部154間から外れ検知光を受光素子が受光し、これにより記録媒体Pが排出中であることが検知される。記録媒体Pの排出が完了すると、検知片部116が元に戻ることで検知光が遮光され、記録媒体Pの排出が完了したことが検知される。
【0033】
なお、通常(非排出時)は、検知片部116が対を成す検知部154間から外れた検知光を受光素子が受光する状態(想像線(一点破線))とし、記録媒体Pの排出中は検知片部116が検知光を遮光する状態(実線)となる構成であってもよい。
【0034】
図3及び図4に示すように、検知機構100は、接地部材の一例としての板金200(図4(A))と通電部材の一例としての除電部材(避雷針)300(図4(C))とを有している。
【0035】
図3及び図4(A)に示すように、板金(第一金属部材)200は、帯状とされ、樹脂製のハウジング102に固定されている。また、板金200は、側面視L字形状に曲げられており、上面部212が電気的に接地された図示していない金属製の装置筐体と電気的に接続されている。よって、板金200も接地されている。
【0036】
板金200の取付面(縦面)210には、取付孔220が形成されている。取付孔220は、略矩形状であり、長手方向の対向する内縁部220A、220Bには、凸部222A、222Bが形成されている。
【0037】
図4(C)に示すように、除電部材(第二金属部材)300は、線状の針金部(線状部)310と、針金部310の端部に形成されたコイル状のバネ部320と、で構成されている。除電部材300は、SUS製の線材から構成され、電気的に通電する。図3及び図4(B)に示すように、除電部材300の線状の針金部310は、保護対象であるセンサー150の周囲に沿って近接配置され、センサー150を保護するように配置されている。具体的には、針金部310は、センサー150の対を成す検知部154と本体部152に沿って取り回されていると共に、端部312がハウジング102におけるセンサー150から離れた位置に形成された突起部104の孔に挿入され固定されている。センサー150の保護については後述する。
【0038】
図3及び図4(B)に示すように、除電部材300のバネ部320は圧縮コイルバネとして形成されており、バネ部320は板金200の取付面210の取付孔220に圧縮変形した状態で嵌め込まれている(保持されている)。これにより、除電部材300のバネ部320と板金200とが電気的に導通されている。
【0039】
なお、本実施形態では、除電部材300のバネ部320の端部322Aが取付孔220の内縁部220Aに押し当たる押圧力が2N以上になるように、バネ部320のバネ定数やバネ長等の諸元や取付孔220の内縁部220A、220Bの間隔等が設定されている。
【0040】
なお、取付孔220の内縁部220A、220Bの凸部222A、222Bが、バネ部320に入り込み、抜け止めとなっている。また、除電部材300の針金部310の端部312は、電気的に浮いた状態である。
【0041】
<作用>
つぎに、本実施形態の作用について説明する。
【0042】
(除電部材の作用)
まず除電部材(避雷針)300の作用について説明する。
【0043】
除電部材300は板金200と導通し、この板金200は接地されている。よって、センサー150の周囲で、何らかの原因で静電気が発生した場合、静電気は除電部材300の針金部310に放電(印加)し、バネ部320の端部322A,322Bが押し当てられて導通している板金200に流れるようになっている。よって、静電気がセンサー150に放電(印加)することによるセンサー150の誤動作が防止される。
【0044】
(比較例)
つぎに、比較例について説明する。
【0045】
図6に示す比較例の除電部材550は、センサー150の周囲に近接配置された線状の針金部560とバネ部570とで構成されている。このバネ部570は、樹脂製のハウジング502に形成された凹部504に嵌め込まれ保持されている。また、接地された帯状の板金590の取付面(縦面)592が凹部504の端面に固定されている。
【0046】
そして、この除電部材550のバネ部570の端部572が板金590の取付面592に押し当てられることで、除電部材550のバネ部570と板金590とが電気的に導通している。また、板金590の上面部594が、電気的に接地された図示していない金属製の装置筐体と電気的に接続されている。
【0047】
(作用)
つぎに、本実施形態の作用を、比較例と比較しながら説明する。
【0048】
図6に示す比較例では、除電部材550のバネ部570を保持するための空間(凹部504)をハウジング502(画像形成装置における定着装置のY方向外側部分)に確保する必要がある。また、このためハウジング502における壁面508とセンサー150との間に余分な空間506が生じる。
【0049】
これに対して、図3及び図4に示すように、本実施形態では、除電部材300のバネ部320は、接地されている板金200に形成された取付孔220に圧縮変形した状態で嵌め込まれ保持されている。よって、ハウジング102に別途、バネ部320を保持する空間(凹部504、図6参照)を確保する必要がなくなる。また、このため、壁面108とセンサー150とが近接して配置され、比較例のような余分な空間506(図6参照)が生じない。したがって、図3及び図4に示す本実施形態の画像形成装置10における定着装置56のY方向外側部分(のセンサー150の周辺部分)は、図6の比較例と比較し、省スペース化されている。
【0050】
また、バネ部320を保持する保持部(凹部504、図6参照)をハウジング102に形成しなくてよいので、低コストであると共にハウジング102の設計の自由度が向上する。
【0051】
また、図6に示す比較例では、樹脂製のハウジング502の凹部504の製造公差(ばらつき)に起因するバネ部570と板金590の取付面592との位置のばらつきが大きく、除電部材550のバネ部570の端部572が板金590の取付面592に押し当たる押圧力、つまり接触圧のばらつきが大きい。
【0052】
よって、仮に、製造公差(ばらつき)によって高い接触圧が確保されなかった場合は(押圧力2Nが確保されなかった場合は)、除電部材550のバネ部570と板金590との導通抵抗が高くなり、静電気が除電部材550の針金部560に放電(印加)しないで、センサー150に放電(印加)する怖れがある。
【0053】
これに対して、図3及び図4に示すように、本実施形態では、除電部材300のバネ部320は、板金200の取付面210の取付孔220に圧縮変形した状態で嵌め込まれて保持されているので、樹脂製のハウジング102の製造公差(ばらつき)の影響を受けない。さらに、ばね部320の両端部が板金200と接触する。ここで、両端部とは、ばね部320の弾性力が作用する方向、すなわち、ばね部320が変形する方向の両端部である。
【0054】
よって、除電部材300のバネ部320の端部322A、322Bが、取付孔220の内縁部220A,220Bに押し当てられる接触圧のばらつきが抑制され、これにより除電部材300のバネ部320と板金200との導通抵抗のばらつきが抑制されている。
【0055】
更に、本実施形態では、導通抵抗の低い状態が確保されるように、除電部材300のバネ部320の端部322Aが取付孔220の内縁部220Aに押し当たる押圧力が2N以上になるように、バネ部320のバネ定数等の諸元や取付孔220の内縁部220A、220Bの間隔等が設定されている。
【0056】
したがって、除電部材300のバネ部320と板金200との導通抵抗が高くなることによって、静電気が除電部材300の針金部310に放電(印加)しないで、センサー150に放電(印加)することが防止される。
【0057】
<変形例>
つぎに、本実施形態の変形例について説明する。
【0058】
本実施形態では、板金200の取付面210に形成した取付孔220に、除電部材300のバネ部320を取り付けたが、これに限定されない。
【0059】
例えば、図7に示すように、板金200の取付面210に切り起こして形成した対向する切起片252Aと切起片252Bとの間に、除電部材300のバネ部320が圧縮変形された状態で保持される構造であってもよい。
【0060】
<その他>
尚、本発明は、上記実施形態に限定されない。
【0061】
画像形成装置の構成としては、上記実施形態の構成に限られず種々の構成とすることが可能である。また、上記実施形態では、電子写真方式で画像を形成したがこれに限定されない。インクジェット方式、感熱転写方式等の他の公知の方法で画像を形成する画像形成装置に本発明を適用することができる。
【0062】
また、上記実施形態では、記録媒体の排紙を検知する検知機構(のセンサー)に本発明を適用したが、これに限定されない。センサーへの静電気の放電(印加)を防止するために除電部材を設ける構造に広く本発明を適用することができる。また、保護対象はセンサーに限らず、メモリ等の端子に対して用いることができる。
【0063】
更に、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0064】
10 画像形成装置
150 センサー
200 板金(接地部材の一例)
220 取付孔(保持部の一例)
252A 切起片(保持部の一例)
252B 切起片(保持部の一例)
300 除電部材(通電部材の一例)
310 針金部(保護部の一例)
320 バネ部(弾性部の一例)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7