(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。
(本発明の運転支援全般の実施形態)
図2において、符号1は車両(自車)であり、この車両1には、運転技量の育成を行う運転技量育成装置としての運転支援装置2が搭載されている。この運転支援装置2には、
図3に示すように、外部情報取得装置3と、車両情報取得装置4と、ドライバー行動取得装置5と、ドライバー感情取得装置6と、情報通信装置7と、車載制御装置8と、が備えられており、これらにより、運転支援装置2は、運転支援として、駐車支援、レーンキープ支援、車間距離支援等を行うことができる。
【0014】
外部情報取得装置3は、駐車スペース、障害物等の外部情報を取得するものであり、具体的には、カメラやレーダが外部情報取得装置3として用いられる。車両情報取得装置4は、車速、舵角、アクセル開度、ブレーキスイッチ信号等の車両情報を取得するものであり、具体的には、舵角センサー等のセンサ類が車両情報取得装置4として用いられる。ドライバー行動取得装置5は、ドライバー(運転者)の視線等をドライバー行動情報として取得するものであり、具体的には、車室内カメラ等がドライバー行動取得装置5として用いられる。ドライバー感情取得装置6は、ドライバーの表情、音声、発汗、脳波や脳内血流等に基づきドライバーの感情を取得するものであり、ドライバーの表情を取得する場合には、車室内カメラが用いられる。本実施形態においては、1つの車室内カメラ14がドライバー行動取得装置5とドライバー感情取得装置6とを兼ねている(
図2参照)。情報通信装置7は、外部サービスセンタ(インフラ)9との間で情報を送受信するものである。車載制御装置8は、情報処理装置10と、情報記憶装置11と、を備えている。情報処理装置10は、前記外部情報取得装置3、車両情報取得装置4、ドライバー行動取得装置5、ドライバー感情取得装置6、情報通信装置7から各種情報を入力情報として受け入れて、運転支援を行うための制御又は表示信号を、操舵アシストアクチュエータ、ブレーキアシストアクチュエータ等の車両駆動装置12又はディスプレイ等の情報表示装置13に出力することになっている。また、情報記憶装置11は、ドライバー行動データ部11a,ドライバー技能データ部11b,ドライバー感情マップ部11cを備えており(後述の
図10参照)、それら各々は、それらが受け持つ特有のデータをそれぞれ保存する。
【0015】
前記車載制御装置8は、そこでの処理に基づき、ドライバーにとって楽しいと感じる「楽しい領域PA」での運転支援が実現されることになっている。楽しいと感じる運転支援は、その支援された運転に関し、運転技量の向上をもたらすからである(
図1参照)。
【0016】
先ず、上記車載制御装置8の制御の概念的内容について、
図4に基づき説明する。
車載制御装置8は、短期期間周期の処理と、その短期期間周期よりも長期の長期期間周期の処理とを行う。
【0017】
短期期間周期の処理は、運転支援を行う必要があるか、運転支援を行う場合には、どのような運転支援が適切かを判定し、それを実行することを目的としており、そのため、その短期期間周期の処理は、例えば100msec毎の割り込み処理により実施される。
【0018】
この短期期間周期の処理においては、先ず、S(Sはステップを示す。)51で、環境難易度算出が行われる。すなわち、S51においては、外部情報取得装置3と車両情報取得装置4により検出された検出データが読み込まれると共に、共有データDB1から、障害物等の外部情報とそれに対応付けされている環境難易度との対応関係データが読み込まれる。そして、その対応関係データに検出データを用いることにより現在の車両の外部の状況に応じた環境難易度が算出され、その環境難易度は共有データDB1に保存される。
別の態様として、上記環境難易度算出に際して、車載制御装置8は、共有データDB1や外部サービスセンタから外部環境の難易度を直接、取得したり、或いは、例えば、駐車支援の場合、駐車場の情報として、駐車(空き)スペース情報、駐車スペースへ駐車するための車両軌跡や切り返し回数、駐車スペースの障害物の有無等を外部サービスセンタから、又はそれらを直接的に取得して、それに基づき外部環境難易度を算出してもよい。尚、この場合、外部環境難易度算出の結果、その算出データを共有化した方がよいものについては、他の車両の利用に供すべく、外部サービスセンタに送信される。
【0019】
次に、S52において、共有データDB2に記憶されている運転技量が読み込まれる。この運転技量は、ドライバー行動取得装置5により検出されたデータが共有データDB2に記憶された後、それが取り出されて後述の長期期間周期の処理に基づき算出されたものであって、再び、共有データDB2に記憶されたものである。本実施形態においては、記憶された運転技量のうち、例えば直近のものが用いられる(読み出される)。
なお、共有データDB1、DB2は、車載制御装置8の情報記憶装置11に設けても、情報通信装置7を介して送受信することを条件に外部サービスセンタ9に設けてもよく、また、環境難易度の算出や運転技量の算出は、外部サービスセンタにて実施するようにしてもよい。
【0020】
上記環境難易度算出と運転技量の読込みとを終えると、S53において、運転支援の選定と実行とが行われる。この運転支援の選定においては、先ず、ドライバー感情マップ(環境難易度と運転技量との座標系中に、「楽しい領域PA」を設定したもの)が、個別データDB4より読み込まれる。ドライバー感情マップは、
図5に示すように、アシスト(運転支援)量aaを算出するためのもので、後述の長期期間周期の処理において、ドライバーの個々に応じたものとして作成されるものである。具体的には、ドライバー感情マップは、
図5に示すように、運転技量と環境難易度に対するドライバーの感情をマップとしたものであり、そのドライバー感情マップにおいては、ドライバーが運転支援を受けて楽しいと感じる「楽しい領域PA」と、不安に感じる「不安領域PB」と、退屈に感じる「退屈領域PC」とが、境界線AL1とAL2とによって区分けされている。
【0021】
次に、運転支援の選定に際し、ドライバー感情マップにおいて、アシスト量aaが求められる。そのアシスト量aaを求めるに当たっては、S51により求められた現在の車両の環境難易度DR1とS52により読み込まれたドライバーの現在の運転技量DT1とにより、当初座標点P1が求められ、運転技量DT1の破線上において、「楽しい領域PA」の境界線AL1とAL2の中心線AL3上に設けられた基準値P5までの差分が求められる。この差分が、アシスト量aaとされる。
【0022】
次に、上記アシスト量aaに応じた運転支援内容が選択され、それが実行される。すなわち、環境難易度DR1と運転技量DT1に応じて、環境難易度を運転技量に応じたアシスト量aaにより実質的に低くすることができることから、そのドライバーの運転技量に応じたアシスト量aa(選択された運転支援内容)を実行することによりドライバーを「楽しい領域PA」内に位置させ、ドライバーを楽しいと感じられるようにするのである。なお、
図5中に示すように、環境難易度=アシスト量+運転技量の関係があることから、ドライバーの運転技量は、環境難易度からアシスト量を差し引くことにより求めることができる。
【0023】
アシスト量aaに応じた運転支援内容に関しては、運転支援が例えば駐車支援である場合には、運転技量を、車両軌跡のイメージに関する技量、車幅間隔のイメージに関する技量、運転操作に関する技量に分類できることから、それに伴い、アシスト量aaもそれらに応じたものとなる。この場合、アシスト量aaは、車両軌跡のイメージに関する技量については、駐車までの車両軌跡の表示のきめ細かさ、表示タイミング等が該当し、その表示のきめ細かさが増し、表示タイミングが早くなるほどアシスト量aaが大きくなる。すなわち、アシスト量が大きくなるにつれて、目標軌跡からのズレが小さい早期のときから目標軌跡やアドバイスが表示されるようになる。車幅間隔のイメージに関する技量については、自車1と障害物との距離表示を表示するタイミング等がアシスト量aaに該当し、そのアシスト量aaは、その表示タイミングが早くなるほど大きくなる。すなわち、アシスト量が大きくなるにつれて、車間距離が大きいときから車間距離が表示されるようになる。運転操作に関する技量については、車両の各自動操作システムの操作タイミング等がアシスト量aaに該当し、そのアシスト量aaは、その操作タイミングが早くなるほど大きくなる。すなわち、アシスト量が大きくなるにつれて、自動操舵や自動ブレーキの作動タイミングが早期化されるようになる。
【0024】
また、アシスト量aaに関しては、アシスト量aaを変化させて、各運転技量についてドライバーの感情を計測したところ、一定環境難易度の下では、
図7に示すようになった。その
図7によれば、各運転技量のいずれの場合についても、運転技量が低いほど、「楽しい領域PA」に属するために必要となるアシスト量aa(
図7中の矢印の一例参照)は大きくなる傾向を示した。この場合、「楽しい領域PA」は、「楽しさ」と「安心感」とについて、ドライバーの感情を検出し、その両者の最上位部分が重なる部分をもって該当する領域とした。
【0025】
S53において、運転支援が実行されると、S54において、その際におけるドライバーの感情・心理が推定される。ドライバーの感情を通じて運転支援が適切か否か判断し、運転支援修正の有無を判断するためである。この場合、共有データDB3には、ドライバーの感情・心理とドライバーの生体情報との対応関係データが予め記憶されており、車載制御装置8は、その対応関係データを取り込み、それに、ドライバー感情取得装置6により検出された検出データを用いることにより、その際におけるドライバーの感情・心理を推定する。
このとき、取得されたドライバーの感情とその際のアシスト量aaが共有データDB3と個別データDB4へ保存される。
なお、この場合、車載制御装置8は、外部サービスセンタから感情と生体情報との対応関係に関する情報を受け取り、ドライバーの生態情報と外部サービスセンタからの情報とに基づき、ドライバーの感情を推定することとしてもよい。
【0026】
S54にて、ドライバーの感情・心理が推定されると、S55において、それにより、ドライバーが楽しさを感じているか否かが判別される。ドライバーが楽しさを感じていなければ、効果的な運転技量の向上を図ることができないからである。このS55においては、ドライバーが楽しいと感じていることが推定される場合は、ドライバー感情マップ(
図5参照)がドライバーに適合しているとして、アシスト量aaの処理は修正を受けることなく終了する。その一方、S55において、ドライバーが楽しさを感じていない場合には、S56へ移行して運転支援の修正がなされる。
【0027】
S56の運転支援の修正においては、例えば、
図6に示すように、ドライバー感情マップがドライバーに適合しておらず、基準点P5において、ドライバーの感情が「不安」状態であると検出されたときには(
図6中の黒点は、基準点P5が「不安」状態であることを示す)、そのことと、そのときのアシスト量aaとが、ともに個別データDB4へ記憶される。そして、予め、決められた補正量Δaaにより、2回目のアシスト量aa+Δaaが求められ、S53へ移行して、再度、その2回目のアシスト量aa+Δaaによる運転支援が実行され、その際のドライバーの感情がS54において推定される。このようにして、ドライバー感情が「楽しい」状態と推定されるようになるまで、S54〜S56,S53が繰り返し実行され、そのときのドライバー感情とアシスト量が個別データDB4へ記憶される。(
図6において、1回目のアシスト量aaにおける基準点P5(黒点)は「不安」状態、2回目のアシスト量aa+Δaaにおける基準点P5’(黒点)は「不安」状態、3回目のアシスト量aa+2Δaaにおける基準点P5’’(白点)は「楽しい」状態を表す)。
このような結果、ドライバーは、運転支援を受けて、楽しい状態で運転できることになり、ドライバーの運転技量は、
図6に示すように、運転技量DT1からDT2へと次第に高まることになる。
【0028】
次に、車載制御装置8による長期期間周期の処理について説明する。
長期期間周期の処理は、ドライバーの感情マップの作成、修正を目的としており、このドライバーの感情マップの作成・修正は、例えば1週間毎に、前述の短期期間周期の処理により得られたデータ(蓄積データ)を利用して行われる。このため、車載制御装置8には、運転支援の度に短期期間周期の処理毎のデータ等が保存される。
【0029】
具体的に説明する。先ず、
図4に示すように、S61において、過去1週間の間に実施された各運転支援についての環境難易度が共有データDB1から読み出される。この環境難易度は、各運転支援(短期期間周期の処理)の際に、蓄積データの一つとして共有データDB1に記憶されたものである。
【0030】
次に、S62へ移行して、過去1週間の間に実施した各運転支援時における運転技量評価が行われる。車載制御装置8には、過去1週間の間に実施された各運転支援について、その際におけるお手本データ、ドライバーの操作に応じた車速等が保存されており、それらが共有データDB2から読み出され、そのお手本データとの比較により、お手本データに対するドライバーの操作の近接度が判断される。この近接度が高い(近い)ほど、ドライバーの運転技量が高いと評価され、それが共有データDB2に保存される。例えば、運転支援が駐車支援である場合には、駐車スペースに駐車した際におけるお手本データとのずれ量が求められ、そのずれ量が少ないほど、ドライバーの運転技量が高いと評価され、それが保存される。
なお、上記方法に代えて、個別データDB4に記憶されているドライバー感情マップにおいて、「環境難易度=アシスト量+運転技量」により、環境難易度からアシスト量を差し引くことで求めても良い。
【0031】
次に、S63に移行して、感情・心理推定が行われる。車載制御装置8には、過去1週間の間に実施された各運転支援について、その際における各ドライバーの感情データが共有データDB3に保存されており、それらが読み出され、車載制御装置8は、その各感情データを「楽しさ」と「退屈」と「不安」に区分する。このため、運転支援の際(短期期間周期の処理の際)には、車室内カメラ等によりドライバーの表情を検出してもよいし、「楽しさ」と「退屈」に関しては、車室内カメラにより検出し、「不安」に関しては、発汗センサ、脳波、音声等により検出するようにしてもよい。
【0032】
次に、S64に移行して、ドライバー個人の特性学習、すなわち、ドライバー感情マップが各ドライバに適合するように、ドライバー感情マップの修正が行われる。このドライバー感情マップの修正には、上記環境難易度算出(S61)、運転技量評価(S62)、感情・心理推定(S63)に基づくデータ(1週間の間に蓄えられた各運転支援データ等)が利用され、そのドライバー感情マップの修正は1週間毎に行われる。
【0033】
具体的に説明すれば、次のようになる。例えば
図8に示すように、ある環境難易度についての運転支援の際に、その運転支援時における運転技量がDT1である下で(S62で評価)、初回のアシスト量aaにより座標がP5となっても、ドライバーの感情が「不安」状態(
図8中、●で表す)にあり、2回目のアシスト量aa+Δaaにより座標がP5’になっても、ドライバーの感情が「不安」状態(
図8中、●で表す)にあり、3回目のアシスト量aa+2Δaaにより座標がP5’’になって初めて、ドライバーの感情が「楽しい」状態(
図8の○で表す)になったときには(
図5,
図6も参照)、運転技量DT1において、「楽しい領域PA」と「不安領域PB」の境界が、P5’とP5’’の中間に存在すると判断される。
【0034】
このような処理は、他の運転支援データ(1週間の間に蓄えられた各運転支援データ等)についても同様に行われる。別の環境難易度についての運転支援の際に、その運転支援時における運転技量がDT2である下で(S62で評価)、初回のアシスト量aaにより座標がP6となっても、ドライバーの感情が「不安」状態(
図8中、●で表す)にあり、2回目のアシスト量aa+Δaaにより座標がP6’になっても、ドライバーの感情が「不安」状態(
図8中、●で表す)にあり、3回目のアシスト量aa+2Δaaにより座標がP6’’になって初めて、ドライバーの感情が「楽しい」状態(
図8の○で表す)になったときには、運転技量DT2において、「楽しい領域PA」と「不安領域PB」の境界が、P6’とP6’’の中間に存在すると判断される。
【0035】
このような処理を終えると、その処理結果を利用し、ドライバーの感情マップの「楽しい領域PA」と「不安領域PB」の境界線AL1は、上記の例で言えば、P5’とP5’’の中間点と、P6’とP6’’の中間点を結ぶ境界線AL1’に修正され、それが個別データDB4に記憶される。そして、これ以降の短期期間周期の処理において、運転支援のアシスト量は、修正された境界線AL1’と元々の境界線AL2により各領域が区分けされたドライバー感情マップにより算出される。
【0036】
上記とは逆に「楽しい領域PA」と、「退屈領域PC」の境界線AL2がドライバーに適合していない場合には、次のように処理される。例えば
図9に示すように、ある環境難易度についての運転支援の際に、その運転支援時における運転技量がDT1である下で(S62で評価)、初回のアシスト量aaにより座標がP5となっても、ドライバーの感情が「退屈」状態(
図9中、▲で表す)にあり、2回目のアシスト量aa―Δaaにより座標がP5’になっても、ドライバーの感情が「退屈」状態(
図9中、▲で表す)にあり、3回目のアシスト量aa―2Δaaにより座標がP5’’になって初めて、ドライバーの感情が「楽しい」状態(
図9中、○で表す)になったときには、運転技量DT1において、「楽しい領域PA」と「退屈領域PC」の境界は、P5’とP5’’の中間に存在すると判断される。
【0037】
このような処理は、他の運転支援データ(1週間の間に蓄えられた各運転支援データ等)についても同様に行われる。別の環境難易度についての運転支援の際に、その運転支援時における運転技量がDT2である下で(S62で評価)、初回のアシスト量aaにより座標が座標P7となっても、ドライバーの感情が「退屈」状態(
図9中、▲で表す)にあり、2回目のアシスト量aa―Δaaにより座標が座標P7’になっても、ドライバーの感情が「退屈」状態(
図9中、▲で表す)にあり、3回目のアシスト量aa―2Δaaにより座標が座標P7’’になって初めて、ドライバーの感情が「楽しい」状態(
図9中、○で表す)になったときには、運転技量DT2において、「楽しい領域PA」と「退屈領域PC」の境界は、P7’とP7’’の中間に存在すると判断される。
【0038】
このような処理を終えると、その処理結果を利用し、ドライバーの感情マップの「楽しい領域PA」と「退屈領域PC」の境界線AL2は、上記の例で言えば、P5’とP5’’の中間点と、P7’とP7’’の中間点を結ぶ境界線AL2’に修正され、それが個別データDB4に記憶される。そして、これ以降の短期期間周期の処理において、運転支援のアシスト量は、修正された境界線AL2’と元々の境界線AL1とにより各領域が区分けされたドライバー感情マップにより算出される。
【0039】
(駐車支援における実施形態)
次に、上記運転支援として、駐車支援とした場合の実施形態について説明する。
本実施形態においては、運転支援装置2は、運転支援として駐車支援を行うように設定されており、その運転支援装置2には、
図10に具体的に示すように、外部情報取得装置3として車外カメラ(以下、同符号3を使用)、車両情報取得装置4として車両情報取得用の各種センサ(以下、同符号4を使用)、ドライバー行動取得装置5として車室内カメラ14、ドライバー感情取得装置6として車室内カメラ14及び発汗センサ6a、情報通信装置7として、駐車場サービスセンタ15の送受信機16との間で送受信を行う送信機7a及び受信機7bがそれぞれ設けられている。さらには、自車位置を検出すべく、GPS(Global Positioning System)センサ17も設けられている。
また、車載制御装置8は、
図10に示す具体的構成を有しており、そこでの処理に基づき、ドライバーにとって楽しいと感じる「楽しい領域PA」での駐車支援が実現されることになっている。楽しいと感じる駐車支援は、駐車に関し、運転技量の向上をもたらすからである(
図1参照)。
【0040】
上記内容をなす車載制御装置8は、記憶部18と、駐車スペース・障害物検出部19と、車両1の学習プロセス部20とを備えている。
記憶部18は、自車の車両サイズを記憶すると共に、GPSセンサ17から受け取る自車位置情報を記憶しており、この記憶部18が記憶する自車情報は、送信機7aにより駐車場サービスセンタ15の送受信機16に送信されることになる。
駐車スペース・障害物検出部19には、駐車場の駐車(空き)スペース位置データ、経路上にある障害物情報等が駐車場サービスセンタ15の送受信機15、受信機7bにより送り込まれると共に、車外カメラ3からも障害物情報が入力されることになっており、これら情報に基づき、この駐車スペース・障害物検出部19においては、駐車スペース、障害物が検出される。
【0041】
車両1の学習プロセス部20は、ドライバー行動記録・分析部21と、お手本データとの比較・分析部22と、ドライバー技量評価部(運転技量評価手段)23と、ドライバー感情マップ作成・修正部(設定手段)24と、を備えており、これらは、本実施形態においては、1週間毎の間隔をあけて作動することになっている。
【0042】
ドライバー行動記録・分析部21には、前記駐車スペース・障害物検出部19の検出結果情報、GPSセンサ17からの自車位置情報、各種センサ4からの車速、舵角、アクセル開度等の各種車両情報、車室内カメラ14(ドライバー行動取得装置5)からのドライバーの視線位置情報が入力され、このドライバー行動記録・分析部21において、これらのドライバー行動情報と車両情報等とからドライバー行動特性等が求められる。そして、このドライバー行動特性等は情報記憶装置11におけるドライバー行動データ部11aに記録(保存)され、そのドライバー行動特性等は、必要に応じて取り出される。
【0043】
お手本データとの比較・分析部22には、ドライバー行動データ部11aからのデータがドライバー行動記録・分析部21を介して入力されると共に、駐車場サービスセンタ15からのお手本データ(駐車までのお手本データ)が入力されることになり、このお手本データとの比較・分析部22において、その両データが比較・分析される。
【0044】
ドライバー技量評価部(運転技量評価手段)23には、お手本データとの比較・分析部22での分析結果情報が入力され、そのドライバー技量評価部23において、ドライバーの技量が評価される。本実施形態においては、ドライバーの技量として、駐車の際の車両軌跡をイメージする技量、車幅間隔をイメージする技量、運転操作の技量の3種類が評価される。車両軌跡をイメージする技量に関しては、お手本データ(軌跡)とのずれ量に基づいて判断され、車幅間隔をイメージする技量に関しては、駐車時における駐車スペース仕切り線からの逸脱量に基づいて判断される。運転操作の技量に関しては、運転操作時のお手本データのタイミングからのずれ量に基づいて判断される。これらの技量は、ドライバー技能データ部11bに保存され、必要に応じて、そのドライバー技能データ部11bから取り出される。
【0045】
ドライバー感情マップ作成・修正部(設定手段)24には、上記ドライバー技量評価部23でのドライバーの技量評価情報と後述の駐車難易度算出部25での駐車難易度(環境難易度)等が入力されると共に、車室内カメラ14及び発汗センサ6a(ドライバー感情取得装置6、感情検出手段)からのドライバー感情情報が、ドライバー感情検出部28を介して入力されており、これら情報に基づき、ドライバー感情マップとして、
図11に示すように、駐車の際の車両軌跡をイメージする技量についての感情マップ(以下、マップAという)、車幅間隔をイメージする技量についての感情マップ(以下、マップBという)、運転操作の技量についての感情マップ(以下、マップCという)が作成(修正)される。このようなマップA、B,Cは、情報記憶装置11におけるドライバー感情マップ部11cに保存され、必要に応じて取り出される。
【0046】
また、車載制御装置8は、駐車難易度算出部(駐車難易度算出手段)25、アシスト量算出部(運転者状態特定手段、運転支援選定手段)27、ドライバー感情検出部28、アシスト量修正部(運転者状態特定手段、運転支援修復手段)29、フィードバックお手本教示部30(表示指示手段)と、を備えている。
【0047】
駐車難易度算出部25には、駐車スペース・障害物検出部19の検出結果情報が入力されており、駐車難易度算出部25は、その駐車スペース・障害物検出部19の検出結果情報に基づき、駐車スペースの位置から自車までの軌跡を推定し、切り返しの回数、駐車スペース周辺の障害物の有無等から駐車難易度を算出する。この駐車難易度の算出については、駐車場サービスセンタ15が行い、それを車載制御装置8が受け取ってもよい。この駐車難易度算出部25からの出力情報は、情報表示装置13に出力されており、表示装置13は、駐車難易度算出部25からの出力情報に基づき、
図12に示すように、駐車スペースを表示することになるが、このとき、駐車スペースへの駐車難易度も併せて表示してもよい。
【0048】
アシスト量算出部27には、ドライバー技能データ部11bのデータ(運転技量)がドライバー技量評価部23を介して入力されると共に、ドライバー感情マップ部11cの各マップデータがドライバー感情マップ作成・修正部24を介して入力され、さらには、駐車難易度算出部25により求められた駐車難易度も入力される。このアシスト量算出部27においては、
図11に示すように、駐車場難易度算出部25が算出した環境難易度とドライバー技能データ部11bにおける各運転技能とに基づき、マップA、B,C上に、当初座標点P1をプロットする。そして、その当初座標点P1が各マップにおける「楽しい領域PA」内に位置するときには、ドライバーが楽しい状態にありドライバーの運転技量の向上を図ることができるとして、アシスト量算出部27は、車両駆動装置12又は表示装置13に制御又は表示信号は出力せず、運転支援を行わないが、
図11に示すように、当初座標点P1が各マップにおける「楽しい領域PA」内に位置しないときには、運転支援を行う必要があるとして、当初座標点P1とドライバーのそのときの運転技量の下での「楽しい領域PA」の基準値との差分がアシスト量aa(
図11の矢印)として求められ、そのアシスト量aaに応じた運転支援を行うべく、アシスト量算出部27から車両駆動装置12又は表示装置13に制御又は表示信号が出力される。これにより、運転支援として、車両駆動装置12は、自動ブレーキ、自動操舵、自動アクセル等のアシスト駆動を行い、表示装置13は、アシスト表示を行う。
【0049】
ドライバー感情検出部28には、車室内カメラ14及び発汗センサ6aからの信号に加えて、アシスト量算出部27からの出力信号が入力されており、ドライバー感情検出部28は、アシスト量算出部27が算出したアシスト量aaに基づく運転支援の際におけるドライバーの感情を検出する。
【0050】
アシスト量修正部29には、ドライバー感情検出部28からの出力情報(楽しくないこと、不安等のドライバー感情)が入力されており、その出力情報に基づき、前述のアシスト量算出部27でのアシスト量aaの実行(
図11参照)によっても、ドライバー感情が、「楽しい」状態と判断されないときには、
図6に示すように、ドライバー感情が「楽しい」状態となるまでアシスト量が修正され(aa+Δaa,aa+2Δaa・・・)、その修正されたアシスト量に対応した運転支援を行うべく、アシスト量修正部29は、車両駆動装置12又は表示装置13に制御又は表示信号を出力する。勿論このとき、ドライバー感情を判断するためにドライバー感情検出部28による検出が行われ、その検出結果は記憶される。
【0051】
フィードバックお手本教示部(表示指示手段)30には、ドライバー感情検出部28からの出力情報が入力されており、そのフィードバックお手本教示部30は、表示装置13に、駐車結果表示を行わせ、その中で、ドライバーの運転結果の分析内容等を表示させる。
【0052】
上記車両用運転技量育成装置(車載制御装置)の制御例について、
図13,
図14に示すフローチャートに基づいて具体的に説明する。尚、
図13,
図14における符号Sは、ステップを示す。
【0053】
運転支援装置2(車載制御装置8)においては、実行タイミングが異なる2つの制御が行われる。一方が、1週間毎の長期期間周期をもって行われるものであり、他方が、100msec毎の短期期間周期をもって行われるものである。
【0054】
先ず、100msec毎の短期期間周期の下での制御について説明する。制御のスタートから100msec毎に、自車情報がインフラとしての駐車場サービスセンタ15(管理サーバー)の送受信機16に発信される(S1,S2)。この自車情報は、自車位置、車両サイズ等である。これに基づき、駐車場サービスセンタ15が駐車スペース情報及びお手本データ(駐車スペースへ駐車するための車両軌跡、切り返し回数情報等)を発信し、これを自車は受信する(S3)。この後、自車1は、車外カメラ3により駐車スペース周辺の障害物(車両等)の位置情報等を検出し(S4)、このS4の情報と駐車場サービスセンタ15からの情報とに基づき、駐車場の難易度を算出する(S5)。
図12A〜Dは、駐車場の難易度算出の一例を示している。
図12Aから
図12Dに向うに従って難易度が高くなっており、この難易度の判断は、駐車場からの駐車スペース情報、駐車スペースへ駐車するための車両軌跡や切り返しの回数、駐車スペース周辺の障害物の有無等の情報の下に行われる。
図12A〜Dの各図において、斜線部分は、自車1が駐車するスペースである。
【0055】
駐車場の難易度が算出されると、ドライバーの運転技量が長期期間周期ごとに算出され記憶されているドライバー技能データから読み込まれる(S6)。本実施形態においては、ドライバーの運転技量として、車両軌跡のイメージ、車幅間隔のイメージ、運転操作についてのものが読み込まれる。そして、このドライバーの運転技量が所定値以下か否かが判別される(S7)。運転技量が不足している場合には、安全のために、ドライバーの感情にかかわらずアシストする必要があるからである。判断基準としてのS7の所定値は、この観点から設定されている。このため、S7がYESのときは、S8において、自動運転の運転支援が強制的に行われ、処理が終了する。一方、S7がNOのときには、S10に進み、以降においてドライバー感情マップA,B、Cにより、アシスト量が算出される。
【0056】
S10においては、S6におけるドライバーの各運転技量と、駐車場における駐車スペースに対する駐車難易度とからなる座標点P1が、
図11のマップAにおける「楽しい領域PA」に属するか否かが判別される。車両軌跡のイメージの技量に関して、運転支援する必要があるか否かを判断するためである。
【0057】
S10がYESと判定されて、当初座標点P1がマップAの「楽しい領域PA」にあるときには、ドライバーにとって楽しい状態(自己実現の状態)にあることから、車両軌跡に対するアシストは行わず、S11へ移行する。S11においては、車幅間隔のイメージに関する運転支援をすべきか否かを判別すべく、当初座標点P1がマップBにおける「楽しい領域PA」内に属するか否かが判別される。このS11がYESのときは、当初座標点がマップBにおける「楽しい領域PA」内に属しているときであり、このときには、車両間隔に対するアシストは行わず、S12へ移行する。S12においては、運転操作に関する運転支援をすべきか否かを判別すべく、当初座標点P1がマップCにおける「楽しい領域PA」内に属するか否かが判別される。このS12がYESのときは、当初座標点P1がマップCにおける「楽しい領域PA」内に属しているときであり、このときには、運転操作に対するアシストの必要性がないとして、S13における駐車完了判別ステップに進む。
【0058】
一方、前記S10がNOのときには、車両軌跡のイメージに関して、運転支援する必要があるとして、その車両軌跡のイメージに関するアシスト量aaが、当初座標点P1の環境難易度と、マップAにおける「楽しい領域PA」の基準値との差分に基づき求められ(
図15参照)、そのアシスト量aaの大きさに応じた車両軌跡のイメージに関する支援が算出される(S14)。具体的には、車両軌跡のイメージに関するアシスト量aaは、例えば、駐車までの車両軌跡等(車両軌跡、ステアリング角度)の表示のきめ細かさ、また、その表示タイミングと対応関係にあり、そのアシスト量aaは、その値が大きくなるほど、車両軌跡の表示がきめ細くなり、また、その表示タイミングが早くなる。
図12は、車両軌跡のイメージに関する運転支援例を示したものであり、車両軌跡(矢印)、ステアリング角度が、運転支援の程度に応じて、表示され、また、表示タイミングが調整される。
【0059】
上記S14の後、前記S11へ移行し、そのS11において、当初座標点P1がマップBの「楽しい領域」内にあるか否かが判別される。このS11がNOのときには、車幅間隔のイメージに関して運転支援する必要があるとして、その運転支援をどのようにするかを決めるべく、S16において、前記S14と同様の手法により、
図16のマップBに示されるように、アシスト量aaが算出され、そのアシスト量aaに応じた車幅間隔のイメージに関する運転支援が算出される(S16)。具体的には、車幅間隔に関するアシスト量aaは、コーナーセンサーや、フロント、サイド、リアの各カメラにより表示される自車と障害物との間の距離の表示タイミングと対応関係にあり、そのアシスト量aaは、その値が大きいほど、その表示タイミングが早くなる。
【0060】
上記S16の後、前記S12へ移行し、そのS12において、当初座標点P1がマップCの「楽しい領域」内にあるか否かが判別される。このS12がNOのときは、当初座標点がマップCにおける「楽しい領域PA」内に属していないときであって運転操作に関して運転支援をすべきときであり、このときには、
図17のマップCに示されるように、アシスト量aaが算出される。(S17)。具体的には、車幅間隔に関するアシスト量aaは、車両の自動操作システムの操作タイミングと対応関係にあり、そのアシスト量aaは、その値が大きいほど、その自動操作システムの操作タイミングが早くなる。
【0061】
そして、上記のS14,S16,S17で求めた運転支援がS15で実行され、その際、その効果を確認すべく、ドライバーの感情・心理が推定され、そのときの駐車場難易度、アシスト量、運転技量、ドライバー感情が記憶される(S18)。このドライバー感情・心理の推定は、車室内カメラ14,発汗センサ6a(ドライバー感情取得装置6)から楽しさ、安心感等の感情を検出し、その検出結果と情報記憶装置11における感情・心理推定用データとの比較・照合によりドライバーの感情度合いを特定する。
なお、S15において実行されるマップAによる「車両軌跡に対するアシスト」と、マップBによる「車幅間隔に対するアシスト」と、マップCによる「運転操作に対するアシスト」は、それぞれ、実施タイミングが異なっており、S18の感情・心理推定は、それぞれのアシストが実施された直後に実施されるため、各アシストが、「楽しい」「不安」「退屈」のいずれであるかが推定される。
【0062】
上記S18の後、S27において、各アシストの全てに対し、ドライバー感情が「楽しい」と推定されるかが判別される。このS27がYESであるときには、前記S13へと移行する一方、S27がNOであるときには、S19へ移行して、S27のNOが車両軌跡のアシスト実施直後であるか否かが判別される。S19がYESであるときには、マップAによるアシスト量が不適切であったとしてS22へ移行し、そこでマップAにより、
図6にて説明したように、予め決めておいた補正量により、アシスト量が修正される。このS22の処理を終えると、S20へ移行し、S20においても、上記と同様、S27のNOが車幅間隔のアシスト実施直後であるか否かが判別される。S20がYESであるときには、マップBによるアシスト量が不適切であったとしてS23へ移行し、そこでマップBにより、
図6にて説明したように、予め決めておいた補正量により、アシスト量が修正される。このS23の処理を終えると、S21へ移行し、S21においても、上記と同様、S27のNOが運転操作のアシスト実施直後であるか否かが判別される。S21がYESであるときには、マップCによるアシスト量が不適切であったとしてS24へ移行し、そこでマップCにより、
図6にて説明したように、予め決めておいた補正量により、アシスト量が修正される。このS24の後、再度、S15へ移行し、上記と同様に、S15以降の処理が繰り返し実行される。
なお、S19、S20、S21がNOときには、それぞれ、マップA、マップB、マップCによるアシストが適切であったとして、アシスト量の補正は行わない。
こうして、S27にてYESと判定されるまで、アシスト量の補正が実施され、S27で、YESと判定されると、S13へ移行する。
【0063】
前記S13の駐車完了判別ステップに進むと、そこにおいて、駐車が完了したか否かが判別される。このS13がNOのときには、前記S18に戻される一方、S13がYESのときには、S25において、駐車開始(駐車場の送受信機との送受信開始時)から駐車完了するまでのドライバーの行動データ等がドライバー行動データ部11aに記憶される。この場合、ドライバー行動データとしては、具体的には、駐車場の難易度、ドライバーの操作に応じた車速等の信号、そのときのお手本データ、ドライバー感情等が記憶される。
【0064】
ドライバーの行動データが記憶されると(S25)、次のS26において、駐車結果表示が行われる。例えば、
図18は、表示装置13において、駐車結果の一例を示したものである。その画面上においては、ドライバーの運転結果(実線:f1で示す)と理想の車両軌跡(点線:f0)とから課題や苦手な点を分析し、運転のポイントをアドバイスすることなる。具体的には、表示装置13の画面の左半分で、例えば、B1ではステアリング操作が遅いこと、B2ではバックする際に速度が速すぎること、B3ではステアリング操作量が多いこと、B4では右後方への注意が足りないこと等が表示され、表示装置13の画面の右半分で、駐車結果に関する運転技量の評価が値の大きさをもって示されると共に、その評価となった理由、その駐車結果に基づく指導(対応)内容、さらには、注意喚起内容が表示される。
また、画面中のキャラクターCHが成長することで、運転技量が現在どのくらいかが視覚的にわかるような表示を表示することで、運転技量の向上を促進させてもよい。
【0065】
次に、1週間毎の長期期間周期の下での制御について
図13、
図14により説明する。制御のスタートから1週間目又は前回の制御実行から1週間目となると、ドライバー行動データ部11aから当該車両のドライバーの行動データ等が読み出される(S1’、S2’)。具体的には、ドライバー行動データ部11aからは、駐車場の難易度、ドライバーの操作に応じた車速等の信号、そのときのお手本データ、そのときのドライバーの感情等が読み出される。ドライバー行動データ等が読み出されると、それに基づき、ドライバーの運転技量が算出され、そのドライバーの運転技量は、次のS4’に送られると共に、ドライバー技能データ部11bに記憶される(S3’)。S4’では、
図8,
図9にて説明したと同様にして、ドライバーの感情マップが作成(修正)される。ドライバー感情マップは、前述した如く、算出したドライバー運転技量、ドライバーの感情等により、ドライバー毎に作成(修正)され、それは、ドライバー感情マップ部11cに記憶される。このような一連の処理は、1週間後に再び、繰り返される。
【0066】
以上により、本実施形態においては、ドライバーは、駐車に関し、楽しい状態で運転することができ、そのときの自己実現に基づき運転技量の向上を図ることができる。尚、環境難易度に対する運転技量(当初座標点P1)が退屈領域に位置するときにも、上記と同様の考え方により、運転操作を難しくすること、すなわち、アシスト量を徐々に少なくすることで、運転技量を向上させることができる。