特許第5987943号(P5987943)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5987943エッジ検出回路、半導体装置、及びバーストモード受信機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5987943
(24)【登録日】2016年8月19日
(45)【発行日】2016年9月7日
(54)【発明の名称】エッジ検出回路、半導体装置、及びバーストモード受信機
(51)【国際特許分類】
   H03K 5/1534 20060101AFI20160825BHJP
【FI】
   H03K5/00 E
【請求項の数】9
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-56309(P2015-56309)
(22)【出願日】2015年3月19日
【審査請求日】2015年3月19日
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成25年度独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「超低消費電力型光エレクトロニクス実装システム技術開発」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願)。
(73)【特許権者】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129067
【弁理士】
【氏名又は名称】町田 能章
(74)【代理人】
【識別番号】100183162
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 義文
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】槇田 毅彦
【審査官】 栗栖 正和
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭60−112314(JP,A)
【文献】 実開昭54−026329(JP,U)
【文献】 特開平06−152337(JP,A)
【文献】 特開2014−187561(JP,A)
【文献】 M. Nogawa et al.,"A 10Gb/s Burst-Mode CDR IC in 0.13um CMOS",ISSCC Digest of Tech. Papers,米国,IEEE,2005年 2月,ISSCC 2005/12.5,pp. 228,229,595.
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03K 5/1534
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力信号を入力し、第1の正転遅延信号を出力する非反転増幅回路と、
前記入力信号を入力し、第2の正転遅延信号を出力する他の非反転増幅回路と、
前記他の非反転増幅回路の出力信号を入力し、反転遅延信号を出力する、縦続接続された奇数個の反転増幅回路と、
前記第1の正転遅延信号と前記反転遅延信号との双方を入力するヒステリシスコンパレータと、
を備えることを特徴とするエッジ検出回路。
【請求項2】
入力信号を入力し、正転遅延信号を出力する非反転増幅回路と、
前記正転遅延信号を入力し、反転遅延信号を出力する、縦続接続された奇数個の反転増幅回路と、
前記正転遅延信号と前記反転遅延信号との双方を入力するヒステリシスコンパレータと、
を備えることを特徴とするエッジ検出回路。
【請求項3】
入力信号を入力し、その正転信号及び反転信号を出力する差動増幅回路と、
前記正転信号を入力し、正転遅延信号を出力する一つ以上の非反転増幅回路と、
前記反転信号を入力し、反転遅延信号を出力する前記非反転増幅回路と異なる段数で縦続接続された他の非反転増幅回路と、
記正転遅延信号と前記反転遅延信号との双方を入力するヒステリシスコンパレータと、
を備えることを特徴とするエッジ検出回路。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載のエッジ検出回路であって、
前記ヒステリシスコンパレータは、2つの入力信号の差動信号がヒステリシス特性を有する
ことを特徴とするエッジ検出回路。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載のエッジ検出回路であって、
前記非反転増幅回路は、一つ以上の非反転増幅器、及び偶数個の反転増幅器の何れか一方又はこれらの組み合わせから構成されていることを特徴とするエッジ検出回路。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載のエッジ検出回路を備えることを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載のエッジ検出回路と、
前記ヒステリシスコンパレータの出力信号をクロックに同期させて出力するD−FF回路とを備え、
前記反転遅延信号の遅延時間は、前記D−FF回路のセットアップタイムよりも長いことを特徴とするバーストモード受信機。
【請求項8】
請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載のエッジ検出回路を備えることを特徴とするバーストモード受信機。
【請求項9】
入力信号を遅延させて反転遅延信号を出力する縦続接続された奇数個の反転増幅器と、
前記入力信号と前記反転遅延信号との双方を差動入力するヒステリシスコンパレータと、
を備えることを特徴とするエッジ検出回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エッジ検出回路、半導体装置、及びバーストモード受信機に関し、特に、PON(Passive Optical Network)システムの光デジタル信号のエッジを検出するエッジ検出回路、半導体装置、及びバーストモード受信機に関する。
【背景技術】
【0002】
光信号を送受信する通信システムは、PONシステムが例示される。PONシステムは、複数の加入者宅(ONU:Optical Network Unit)と局(OLT:Optical Line Terminal)とを光ファイバで接続するものであり、OLTが受信する光信号は、不連続なバースト信号になっている。このため、受信機は、光信号を電気信号に変換し、変換された電気信号のエッジを検出する必要がある。また、各々の加入者宅と局との距離が大きく異なるので、OLTが受信する光出力(パワー)は、加入者毎に異なる。このためOLTの受信機(バーストモード受信機)は、振幅が異なる光信号を受信する必要がある。
【0003】
非特許文献1は、バースト信号のエッジを検出し、データを再生するCDR(Clock and Data Recovery)回路を形成した半導体装置を開示しており、このCDR回路の内部回路として、差動増幅器と遅延線路(Delay Line)とヒステリシスコンパレータを用いたエッジ検出回路を開示している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】M.Nogawa,K.Nishimura,S.Kimura,T.Yoshida,T.Kawamura,M.Togashi,K.Kumozaki,Y.Ohtomo,”A 10Gbit/s Burst-Mode CDR IC In 0.13μm CMOS”,2005 IEEE International Solid-State Circuits Conference,p.228-229,p.595
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、非特許文献1に記載のエッジ検出回路は、約30psecの遅延を得るため、受動素子であるインダクタとキャパシタとを組み合わせた遅延線路を備え、該インダクタの等価回路を抽出している。このインダクタは、半導体装置のチップ面積を大きく占有する問題点がある。特に、スパイラルインダグタは、等価回路を抽出しても、実際の回路パターンに組み込んだ場合、周囲の配線等の影讐を受けるため所望の特性を得られないことがある。
これらの理由により、非特許文献1に記載の技術は、回路全体としての設計時間が増大し、結果的にチップコストの上昇を招いてしまうという問題点があった。
【0006】
そこで、本発明は、能動素子により構成されたエッジ検出回路、半導体装置、及びバーストモード受信機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記した課題を解決するため、第1発明のエッジ検出回路は、入力信号(VIN)を入力し、第1の正転遅延信号(V)を出力する、縦続接続された一つ以上の非反転増幅回路(2つの反転増幅器10a,10b)と、前記入力信号を入力し、第2の正転遅延信号(V)を出力する、縦続接続された一つ以上の他の非反転増幅回路(2つの反転増幅器11a,11b)と、前記他の非反転増幅回路の出力信号を入力し、反転遅延信号(V)を出力する、縦続接続された奇数個の反転増幅回路(13a,13b,・・・,13g)と、前記第1の正転遅延信号(V)と前記反転遅延信号(V)との双方を入力するヒステリシスコンパレータ(20)と、を備えることを特徴する。( )内の符号や文字は例示である。
【0008】
これによれば、非反転増幅回路、反転増幅器は、遅延時間を有する能動素子から構成されるので、受動素子で構成される遅延回路よりも遅延時間の設計が容易となる。また、縦続接続された一つ以上の非反転増幅回路(二つの反転増幅器)は、所定値未満の振幅の入力信号を反転することなく遅延、及び増幅し、第1の正転遅延信号を出力する。縦続接続された奇数個の反転増幅器は、第1の正転遅延信号又は第3の正転遅延信号を反転、及び遅延させて、反転遅延信号を出力する。ヒステリシスコンパレータは、第1の正転遅延信号と反転遅延信号とを入力し、差動電圧が閾値Vを超えたり、閾値Vを下廻ったりしたときに出力が遷移する。ヒステリシスコンパレータの出力信号は、入力信号を同一パルス幅で増幅された信号となる。なお、入力信号のパルス幅が極めて短くても、ヒステリシスコンパレータは、縦続接続された奇数個の反転増幅器の遅延時間のパルスを出力する。
【0009】
また、第2発明のエッジ検出回路は、入力信号を遅延させて反転遅延信号を出力する縦続接続された奇数個の反転増幅器と、前記入力信号と前記反転延信号との双方を差動入力するヒステリシスコンパレータ(26)と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明のエッジ検出回路は、能動素子により構成される。このため、受動素子で構成される遅延回路よりも遅延時間の設計が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1実施形態であるエッジ検出回路の構成図である。
図2】本発明の第1実施形態であるエッジ検出回路の動作を説明するための波形図である。
図3】ヒステリシスコンパレータの回路図である。
図4】ヒステリシスコンパレータの動作を説明する特性図である。
図5】本発明の第1実施形態であるエッジ検出回路が使用されるPONシステムの全体構成図である。
図6】本発明の第1実施形態であるエッジ検出回路を用いたバーストモード受信機の構成図である。
図7】本発明の比較例であるエッジ検出回路の回路図である。
図8】比較例のエッジ検出回路に使用される遅延線路の回路図、及びコイルの等価回路である。
図9】比較例のエッジ検出回路に使用されるシステリシスコンパレータの回路図である。
図10】本発明の比較例であるエッジ検出回路の動作を説明するための波形図である。
図11】本発明の第2実施形態であるエッジ検出回路の構成図である。
図12】本発明の第3実施形態であるエッジ検出回路の構成図である。
図13】第3実施形態のエッジ検出回路の動作を説明するための波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)につき詳細に説明する。なお、各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
【0013】
(第1実施形態)
【0014】
図1は、本発明の第1実施形態であるエッジ検出回路の構成図である。
エッジ検出回路100は、縦続接続された偶数個(n個)の反転増幅器10a,10b,・・・,10hと、縦続接続された偶数個(n個)の反転増幅器11a,11b,・・・,11hと、反転増幅器11a,11b,・・・,11hに縦続接続された奇数個(m個)の反転増幅器13a,13b,・・・,13gと、ヒステリシスコンパレータ20とを備え、反転増幅器10aの正転入力端と反転増幅器11aの正転入力端との双方が入力端子INに接続される半導体装置である。なお、二つ縦続接続された反転増幅器10a,10bは非反転増幅回路を構成するので、偶数個(n個)の反転増幅器10a,10b,・・・,10hは、一つ以上の非反転増幅回路を構成する。また、電源には、正の電源電圧VDDと負の電源電圧VSSとが印加されるものとする。
【0015】
n個の反転増幅器11a,11b,・・・,11hと、反転増幅器11a,11b,・・・,11hと、m個の反転増幅器13a,13b,・・・,13gとは、同一回路であり、それぞれの反転増幅器は遅延時間Δtを有する。このため、偶数個(n個)の反転増幅器10a,10b,・・・,10hと、偶数個(n個)の反転増幅器11a,11b,・・・,11hは、遅延時間がn×Δtとなり、奇数個(m個)の反転増幅器13a,13b,・・・,13gは、遅延時間がm×Δtとなる。なお、この遅延時間Δtは、ゲート遅延時間が主要因である。
【0016】
反転増幅器11hの出力端は反転増幅器13aの入力端に接続される。最終段の反転増幅器10hの出力端は、ヒステリシスコンパレータ20の正転入力端に接続され、最終段の反転増幅器13gの出力端は、ヒステリシスコンパレータ20の反転入力端に接続される。なお、ヒステリシスコンパレータ20の出力端は、出力端子OUTに接続される。
【0017】
図2は、本発明の第1実施形態であるエッジ検出回路の動作を説明するための波形図である。
入力端子INは、パルス幅T1、振幅V1の矩形波状のバースト信号が入力されるものとし(図2(a)参照)、振幅V1は、反転増幅器10,11の電源電圧VDDよりも小さいとする。これは、ONUとOLTとの距離が極めて長い場合があり、受信する光信号のパワーが小さいことがあるからである。
【0018】
入力したバースト信号(入力信号)は、反転増幅器10a,11aに同相で入力され、反転増幅器10a,11aの出力電圧Vは、n×Δtの遅延時間を有した振幅V2のパルス幅T1の波形である(図2(b)参照)。ここで、反転増幅器10a,10b,・・・10h、及び反転増幅器11a,11b,・・・,11hは、偶数個(n個)なので、反転増幅器10hの出力信号は、入力信号(図2(a))に対して、反転しない正転遅延信号となる。なお、振幅V2は、電源電圧VDDにほぼ等しい電圧である。つまり、反転増幅器10a,10b,・・・,10h、及び反転増幅器11a,11b,・・・,11hは、振幅が小さいパルス信号を同相で増幅していることになる。
【0019】
反転増幅器13a,13b,・・・,13gは、奇数個なので、反転増幅器13gの出力電圧Vは、反転増幅器13aの入力電圧Vに対して、逆相になり、且つ、遅延時間m×Δtがある(図2(c)参照)。つまり、反転増幅器13a,13b,・・・,13gは、遅延時間m×Δtの反転遅延信号を生成する。ここで、反転増幅器13aの入力電圧Vは、ほぼ電源電圧VDDであるので、反転増幅器13a,13b,・・・,13gの増幅率は1にできる限り近くするものとする。
【0020】
ヒステリシスコンパレータ20は、正転入力端の電圧Vと反転入力端の電圧Vとの電位差である差動電圧(V−V)が所定電圧Vよりも大きくなると出力が“0”=VSSから“1”=VDDに遷移し、該差動電圧(V−V)が所定電圧Vよりも小さくなると、“1”=VDDから“0”=VSSに遷移する比較回路である(図4参照)。
【0021】
差動電圧(V−V)は(図2(d))、VとVとの遅延時間m×Δtだけ、V=0となるので(図2(c)参照)、反転増幅器10hの出力電圧V=Vが現れ、その後、(T1−m×Δt)だけ(|V|−|V|)の電圧が現れ、その後、遅延時間m×Δtだけ、V=0となるので、反転増幅器13gの出力電圧V=−Vが現れる。
【0022】
ヒステリシスコンパレータ20は、この電位差(V−V)が入力され、反転増幅器10hの出力電圧Vの立ち上がりで、出力が“0”から“1”に遷移し、反転増幅器10hの出力電圧Vの立ち下がりで“1”から“0”に遷移する。結果的に、ヒステリシスコンパレータ20は、入力信号(図2(a))から遅延時間n×Δtだけ遅れたパルス幅T1のデジタル信号を生成(再生)する。
【0023】
エッジ検出回路100は、入力信号(図2(a))のパルス幅T1が極めて短い瞬時パルスであっても、パルス幅m×Δtのパルスを出力する。つまり、ヒステリシスコンパレータ20は、正転入力端の電圧Vが瞬時にゼロまで低下しても、反転入力端の電圧Vが−V未満にならなければ、出力が“0”から“1”に遷移したままであり、m×Δt遅れた瞬時パルスが反転入力端に到達してから“1”から“0”に遷移するからである。
【0024】
また、エッジ検出回路100は、入力信号(図2(a))の振幅V1が反転増幅器10a,10b,・・・,10hの数(偶数)だけ増幅されて電圧Vの正転遅延信号を生成するが、その電圧Vの振幅がヒステリシスコンパレータ20の閾値電圧Vよりも小さいときには、ヒステリシスコンパレータ20からパルス信号が出力されない。つまり、入力信号の振幅V1は、しきい値電圧Vを反転増幅器10a,10b,・・・,10hの増幅率(各増幅率のn倍)で除した値以上、少なくとも必要である。
【0025】
本実施形態のエッジ検出回路100は、入力信号(バースト信号)が偶数個(n個)の反転増幅器10a,10b,・・・,10hにより増幅され、別途、該入力信号が偶数個(n個)の反転増幅器11a,11b,・・・,11hにより増幅される。これにより、反転増幅器10h,11hの出力信号は、入力信号に対してn×Δtだけ遅れた遅延信号となる。
【0026】
さらに、反転増幅器11a,11b,・・・,11hにより増幅された増幅信号が奇数個(m個)の反転増幅器13a,13b,・・・,13gにより増幅される。このため反転増幅器10a,10b,・・・,10hの出力信号と奇数個分の反転増幅器13a,13b,・・・,13gの出力信号とは、遅延時間(m×Δt)が発生する。また、反転増幅器10hの出力信号と反転増幅器13gの出力信号とは、互いに逆相の関係になる。この差分信号をヒステリシスコンパレータ20に入力することにより、パルス幅T1の入力信号を再生した再生信号を得ることができる。
【0027】
図3は、ヒステリシスコンパレータの回路図である。
ヒステリシスコンパレータ20は、4個のNMOSのトランジスタM,M,M,Mと、4個のPMOSのトランジスタM,M,M,Mと電流源Iとを備える。電流源IはトランジスタMのドレイン、及びゲートに接続され、トランジスタMのゲートはトランジスタMのゲートに接続され、トランジスタM,Mのソースは負の電源電圧VSSが印加される。これにより、トランジスタMは、電流源Iに比例したドレイン電流が流れる。
【0028】
トランジスタMのゲートは、正転入力となり、電圧Vが印加され、トランジスタMのゲートは、反転入力端となり、電圧Vが印加される。また、トランジスタMのドレインが出力端子VOUT1であり、トランジスタMのドレインが反転出力端VOUT2である。
【0029】
トランジスタMのドレインは、トランジスタMのソース、及びゲートとトランジスタMのゲートとトランジスタMのソースとに接続されている。トランジスタMのドレインは、トランジスタMのソース、及びゲートとトランジスタMのソースとに接続されている。また、トランジスタM,M,M,Mのドレインは、正の電源電圧VDDが印加されており、トランジスタM,MのソースはトランジスタMのドレインに接続されている。
【0030】
図4は、ヒステリシスコンパレータの動作を説明する特性図である。
まず、差動電圧(V−V)を上げていく場合を考える。V−V<Vのときには、VOUT1は、負の電源電圧VSSであり、V−V=Vを境界に、V−V>Vのときには、VOUT1は、正の電源電圧VDDとなる。次に、差動電圧(V−V)を下げていく場合を考える。V−V>Vのときには、VOUT1は、正の電源電圧VDDであり、V−V=Vを境界に、V−V<Vのときには、VOUT1は、負の電源電圧VSSとなる。
【0031】
を固定して、VをV−V<Vから上げていく場合を考える。V−V<VではトランジスタMがオフ、トランジスタMがオンとなり、VOUT1≒0、VOUT2=VDD である。トランジスタM,Mはオフになり、トランジスタMは線形領域にある。ここで、さらに、Vを上げていき、トランジスタMに電流が流れ始めると、VOUT2が下がるトランジスタM,Mはオフを保ったまま、トランジスタMは飽和領域に入り、トランジスタMに電流が流れ、トランジスタM6からトランジスタM1に流れる電流パスが形成される。このトランジスタMが飽和領域に入る点がV−V=Vに対応する。
【0032】
図5は、本発明の第1実施形態であるエッジ検出回路が使用されるPONシステムの全体構成図である。
PONシステム800は、複数の加入者宅700,701,702と、局600と、スプリッタ750とを備え、局600と複数の加入者宅700,701,702とがスプリッタ750を介して、通信可能に接続されている。
【0033】
局(OLT)から、加入者宅(ONU)に送信される下りデータは、連続信号であるが、加入者宅(ONU)から局(OLT)に送信される上りデータは、データとデータとの間に信号が存在しないバースト信号になっている。また、加入者宅700,701,702から送信される信号の振幅は一定であるが、加入者宅700,701,702と局600との距離はまちまちなので、局600がバースト信号を受信する際には、特定の加入者宅700からのバースト信号は強くなり、異なる加入者宅701からのバースト信号が弱くなることがある。このため、局(OLT)は、これらの強度やタイミングの異なる光バースト信号を、強度とタイミングが一定の電気信号に変える受信機(バーストモード受信機)が必要である。
【0034】
図6は、本発明の第1実施形態であるエッジ検出回路を用いたバーストモード受信機の構成図である。
局(OLT)に設置されるバーストモード受信機500は、光(バースト信号)を電流に変換するフォトダイオード(PD:Photo Diode)210と、フォトダイオード210が出力する出力電流を電圧に変換するバーストTIA(Trans Impedance Amplifier)220と、バーストTIA220が出力する比較的大きな電圧信号を一定振幅に制限するバーストLA(Limiting Amplifier)230と、一定振幅に制限された電圧信号のタイミング(エッジ)を検出してノイズの少ないクロックで波形を整形するバーストCDR(Clock and Data Recovery)とを備える。
【0035】
バーストCDR200は、前記したエッジ検出回路100と、ゲート回路110と、VCO回路120と、D−FF回路130と、バッファ140,145と、PLL回路150とを備える半導体装置である。
【0036】
VCO回路120は、電圧制御発振回路であり、ゲート回路110を介して入力したエッジ検出回路100の出力信号と、PLL回路150に入力される参照クロックとが同期させられ、参照クロックに同期した整形クロックを出力する。PLL回路150は、VCO回路120が出力するクロックを参照クロックに同期させるようにVCO回路120を電圧制御する。
【0037】
D−FF回路130は、エッジ検出回路100の出力信号を、VCO回路120が生成したクロックのタイミングで、出力する。D−FF回路130に入力されるデータ(D)は、整形クロックの立ち上がりタイミングのセットアップタイム以上前から該立ち上がりタイミングのホールドタイムまで必要である。このため、エッジ検出回路100の特性「入力信号(図2(a))のパルス幅T1が極めて短い瞬時パルスであっても、m×Δtのパルス幅のパルスを出力する。」は、有用である。つまり、遅延時間(m×Δt)は、D−FF回路130のセットアップタイムよりも長いことが必要であり、セットアップタイムとホールドタイムとの和よりも長いことが好ましい。なお、D−FF回路130は、通常、セットアップタイムの方がホールドタイムよりも長い。
【0038】
バッファ回路140は、D−FF回路130の出力信号のまま許容電流を増加して出力する。バッファ回路145は、VCO回路120が生成した整形クロック信号を、そのまま許容電流を増加して出力する。
【0039】
以上説明したように、第1実施形態のエッジ検出回路100は、トランジスタやFETのような能動素子で形成された半導体装置である。これらの能動素子は、通常のフォトリソグラフイ、エッチング等の製造工程によって、ほぼ均一に作ることができる。また、これらの能動素子の遅延時間Δtは、ゲート長で定まり、予め分かっているものなので、設計段階で所望の遅延時間を実現することが可能である。
【0040】
(比較例)
図7は、本発明の比較例であるエッジ検出回路の回路図である。
エッジ検出回路101は、遅延線路40と、4つの差動増幅器15a,15b,15c,15dと、ヒステリシスコンパレータ25と、2本の抵抗器Rtと、帰還抵抗器Rf1,Rf2と、コンデンサCfとを備える。なお、図7において、ヒステリシスコンパレータ26が破線で記載されているが、これは後記する変形例で説明する。
【0041】
差動増幅器15aは、正転入力端に入力信号(バースト信号)が入力され、反転入力端には、該入力信号が遅延線路40を介して入力される。差動増幅器15aの出力信号は差動増幅器15b、及び縦続接続された差動増幅器15c,15dを介して、ヒステリシスコンパレータ25に入力される。
【0042】
図8は、比較例のエッジ検出回路に使用される遅延線路の回路図、及びコイルの等価回路である。
遅延回路40は、2つのコイルLd及びコンデンサCdからなる2段のLCフィルタ回路から構成されており(図8(a)参照)、コイルLdは、その両端間、両端と接地との間にコンデンサを有した等価回路で表現され、両端と接地との間のコンデンサは、コンデンサ及び抵抗器の並列回路が挿入される(図8(b)参照)。
【0043】
図9は、比較例のエッジ検出回路に使用されるシステリシスコンパレータの回路図である。
ヒステリシスコンパレータ25は、ヒステリシスコンパレータ20(図3)と回路構成が異なるが、図4と同様の入出力特性を有し、第1実施形態のエッジ検出回路にも使用可能である。
【0044】
図10は、本発明の比較例であるエッジ検出回路の動作を説明するための波形図である。
波形Aは、エッジ検出回路101(図7)の入力端子INの波形であり、差動増幅器15aの正転入力端の波形でもある。波形Bは、遅延線路40の出力波形であり、差動増幅器15aの反転入力端の波形でもある。波形Cは、波形Aから波形Bを減算した波形であり、ヒステリシスコンパレータ25に入力される差動電圧波形でもある。波形Bは、波形Aを時間τだけ遅延させた遅延波形であるので、(波形A−波形B)である波形Cは、波形Aの立ち上がりタイミングから立ち上がり、パルス幅τの正の矩形波と、該正の矩形波の立ち下がり後の電圧0の無電圧区間と、波形Aの立ち下がりによる、パルス幅τの負の矩形波とから構成される。
【0045】
波形Dは、ヒステリシスコンパレータ25が閾値V,−Vを有した場合、波形C=(波形A−波形B)の差動電圧が入力されたときの出力波形である。波形Dは、波形Aの電圧が閾値Vを超えたときに立ち上がり、波形Bの反転電圧が閾値(−V)を下回ったときに立ち下がる。つまり、波形Dは、波形Aの電圧が閾値V,−Vに到達するまでの時間差が存在するものの、波形Aと略同一のパルス幅の電圧が出力される。しかしながら、波形Aのパルス幅が、遅延線路の遅延時間τよりも短いときには、波形Dは、パルス幅τの矩形波になる。
【0046】
第1実施形態のエッジ検出回路100は、全て能動素子で構成されていた。能動素子の遅延時間はゲート遅延時間で定まるので、全遅延時間は、能動素子の個数で定まり、設計が容易である。これに対して、比較例のエッジ検出回路101(図7)は、受動素子で形成された遅延線路40を備えているので、設計が容易でない。特に、コイルLdは、等価回路がキャパシタや抵抗器を含み(図8(b))、煩雑であり、設計が容易でない。つまり、エッジ検出回路100は、ウエハ上の面積をスパイラルインダクタ等の受動素子よりも小さくすることが可能である。また、エッジ検出回路100は、能動素子の等価回路もよく知られているので、比較例のエッジ検出回路101よりも短時間で設計が可能になる。
【0047】
(第2実施形態)
第1実施形態のエッジ検出回路100(図1)は、入力端子INに接続される偶数個の反転増幅器は、反転増幅器10a,10b,・・・,10hと、反転増幅器11a,11b,・・・,11hとの2組設けていたが、一組の反転増幅器10a,10b,・・・,10hのみでも実現することができる。
【0048】
図11は、本発明の第2実施形態であるエッジ検出回路の構成図である。
エッジ検出回路102は、偶数個の反転増幅器10a,10b,・・・,10hと、奇数個の反転増幅器13a,13b,・・・,13hと、ヒステリシスコンパレータ20とを備え、反転増幅器10aの正転入力端に入力端子INが接続されており、反転増幅器10hの出力端と反転増幅器13aの正転入力端とヒステリシスコンパレータ20の正転入力端とが接続されており、反転増幅器13gの出力端とヒステリシスコンパレータ20の反転入力端とが接続されている。なお、二つの反転増幅器10a,10bの縦続回路は、正転増幅器を構成するので、偶数個の反転増幅器10a,10b,・・・,10hは、一つ以上の正転増幅器を構成する。
【0049】
偶数個の反転増幅器10a,10b,・・・,10hは、入力端子INに入力された微小なバースト信号を増幅させつつ、遅延した正の矩形波を出力し、該正の矩形波をヒステリシスコンパレータ20の正転入力端に印加する。奇数個の反転増幅器13a,13b,・・・,13hは、偶数個の反転増幅器10a,10b,・・・,10hが出力した遅延した正の矩形波を反転させ、反転した矩形波をヒステリシスコンパレータ20の反転入力端に印加する。
【0050】
エッジ検出回路102は、エッジ検出回路101と同様に、ヒステリシスコンパレータ20が入力信号(図2(a))から遅延時間n×Δtだけ遅れたパルス幅T1のデジタル信号を出力する。また、エッジ検出回路102は、入力信号のパルス幅T1が極めて短い瞬時パルスであっても、パルス幅m×Δtのパルスを出力する。
【0051】
(第3実施形態)
第1の実施形態のエッジ検出回路100や第2実施形態のエッジ検出回路101は、奇数個分の反転増幅器による遅延時間しか設定できないが、任意の個数の反転増幅器の遅延時間とすることができる。
【0052】
図12は、本発明の第3実施形態であるエッジ検出回路の構成図である。
エッジ検出回路103は、差動増幅回路15と、縦続接続された任意の個数の非反転増幅器16a,16b,・・・,16hと、非反転増幅器16a,16b,・・・,16hと同数の非反転増幅器17a,17b,・・・,17hと、非反転増幅器17a,17b,・・・,17hに縦続接続された偶数個(m個)の反転増幅器13a,13bと、ヒステリシスコンパレータ21とを備えている。また、エッジ検出回路103は、差動増幅器15の正転入力端にバースト信号が入力され、ヒステリシスコンパレータ21の出力端子OUTにデジタル信号が出力される。
【0053】
差動増幅器15は、正転入力端と反転入力端と正転出力端と反転出力端とを備え、正転入力端は入力端子INを接続し、反転入力端は接地されており、正転出力端は、非反転増幅器16aの入力端に接続されており、反転出力端は、非反転増幅器17aの入力端に接続されている。
【0054】
非反転増幅器16hの出力端は、ヒステリシスコンパレータ21の正転入力端に接続され、非反転増幅器17hの出力端は、反転増幅器13aの入力端に接続され、反転増幅器13bの出力端は反転入力端に接続される。
【0055】
図13は、第3実施形態のエッジ検出回路の動作を説明するための波形図である。
入力端子INは、パルス幅T1、振幅V1の矩形波状のバースト信号が入力されるものであり(図13(a)参照)、振幅V1は、反転増幅器10,11の電源電圧VDDよりも小さい。
【0056】
入力したバースト信号は、差動増幅回路15に入力され、正相電圧が非反転増幅器16aに入力され、逆相電圧が非反転増幅器17aに入力される。非反転増幅器16aの入力電圧Vと非反転増幅器17aの入力電圧Vとは互いに逆相であり、双方の振幅はVである(図13(b)参照)。
【0057】
非反転増幅器16hの出力電圧(つまり、ヒステリシスコンパレータの正転入力端の電圧VE)は、差動増幅回路15に入力されるバースト信号に対して、遅延時間n×Δtがある(図2(c)参照)。つまり、非反転増幅器16a,16b,・・・,16hは、遅延時間n×Δtの遅延信号を生成する。一方、非反転増幅器17hの出力電圧は、差動増幅回路15に入力されるバースト信号に対して、遅延時間n×Δtの逆相電圧を出力する。
【0058】
偶数個(m個)の反転増幅器13a,13b,・・・は、遅延時間m×Δtの遅延信号を生成する。このため、ヒステリシスコンパレータの反転入力端の電圧Vは、正転入力端の電圧Vに対して、遅延時間m×Δtだけ遅れた逆相電圧となる(図13(c)参照)。つまり、ヒステリシスコンパレータの反転入力端の電圧Vは、差動増幅回路15に入力されるバースト信号に対して、遅延時間(nΔt+mΔt)だけ遅れた逆相電圧になる。
【0059】
差動電圧(V−V)は(図13(d))、VとVとの遅延時間m×Δtだけ、V=0となるので(図13(c)参照)、非反転増幅器16hの出力電圧V=Vが現れ、その後、(T1−m×Δt)だけ(|V|−|V|)の電圧が現れ、その後、遅延時間m×Δtだけ、V=0となるので、非反転増幅器17hの出力電圧V=−Vが現れる。
【0060】
ヒステリシスコンパレータ21は、この電位差(V−V)が入力され、非反転増幅器16hの出力電圧Vの立ち上がりで、出力が“0”から“1”に遷移し、非反転増幅器17hの出力電圧Vの立ち下がりで“1”から“0”に遷移する。結果的に、ヒステリシスコンパレータ21は、入力信号(図13(a))から遅延時間n×Δtだけ遅れたパルス幅T1のデジタルパルスを生成(再生)する。
【0061】
また、エッジ検出回路103は、入力信号(図13(a))のパルス幅T1が極めて短い瞬時パルスであっても、パルス幅m×Δtのパルスを出力する。ここで、m個は偶数個に制限されているが、非反転増幅器17を1個追加することにより、ヒステリシスコンパレータ21は、パルス幅(m+1)×Δtのパルスを出力するので、偶数個に制限されることはない。
【0062】
エッジ検出回路103は、片方の信号に対して、必要な分だけ非反転増幅器17を付加することにより任意の遅延時間n×Δtや(m+1)×Δtを実現することができる。これにより、設計の自由度が、第1実施形態のエッジ検出回路100のように、奇数個に制限されることはない。このため、エッジ検出回路103は、設計の自由度が拡がる効果が期待できる。
【0063】
(変形例)
本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような種々の変形が可能である。
(1)前記第1実施形態のエッジ検出回路100は、偶数個の反転増幅器10a,10b,・・・,10h及び偶数個の反転増幅器11a,11b,・・・,11hを備えていた。また、第3実施形態のエッジ検出回路103は、任意個の非反転増幅器17a,17b,・・・,17h、及び偶数個の反転増幅器16a,16b,・・・,16h,13a,13bを備えていた。この偶数個の反転増幅器10a,10b,・・・,10h、偶数個の反転増幅器16a,16b,・・・,16h、偶数個の反転増幅器13a,13bは、一つ以上の非反転増幅器で構成することができる。つまり、第3実施形態の非反転増幅器17a,17b,・・・,17h、及び偶数個の反転増幅器13a,13bは、一つ以上の非反転増幅器、及び偶数個の反転増幅器の何れか一方又はこれらの組み合わせから構成することができる。
【0064】
(2)前記各実施形態のエッジ検出回路100,102,103は、半導体集積回路であるヒステリシスコンパレータ20(図3)を用いたが、ディスクリート回路で構成することもできる。例えば、正転入力端の電位と反転入力端の電位との大小により出力が反転するコンパレータを用い、該コンパレータの正転入力端に出力電圧を抵抗器で分圧した分圧電圧を正帰還させた回路を使用することもできる。また、このコンパレータ回路は、前記分圧電圧をシフトする電圧端子が設けており、反転入力端と共に、二入力回路として構成される。
【0065】
(3)図7に示す4つの差動増幅器15a,15b,15c,15dとヒステリシスコンパレータ25との代わりに、破線で示すように単一のヒステリシスコンパレータ26で構成し、遅延線路の代わりに、一以上の非反転増幅器を用いることもできる。つまり、このエッジ検出回路は、入力信号と、該入力信号を一以上の非反転増幅器で遅延させた正転遅延信号との双方を差動入力するヒステリシスコンパレータ26とを備える。なお、この入力信号は、バースト信号を任意個の増幅回路で増幅したものである。
【符号の説明】
【0066】
10,11,12,13,13a,13b 反転増幅器
15 差動増幅回路
15a,15b,15c,15d 差動増幅器
16,16a,16b,16h、17,17a,17b,17h 非反転増幅器
20,21,25,26 ヒステリシスコンパレータ
40 遅延線路
100,101,102 エッジ検出回路
110 ゲート回路
120 VCO回路
130 D−FF回路
140,145 バッファ回路
150 PLL回路
200 バーストCDR
210 フォトダイオード
220 バーストTIA
230 バーストLA
500 バーストモード受信機
600 局
700,701,702 加入者宅
750 スプリッタ
800 PONシステム
【要約】
【課題】能動素子により構成し、遅延時間を設計容易にする。
【解決手段】入力信号を入力し第1の正転遅延信号(V)を出力する、縦続接続された一つ以上の非反転増幅回路(2つの反転増幅器10a,10b)と、前記入力信号を入力する縦続接続された一つ以上の非反転増幅器が出力する第2の正転遅延信号と、前記入力信号を複数の能動素子(反転増幅器11a,11b,・・・,11h)で遅延させた第3の正転遅延信号(V)に対して反転増幅器13を奇数個縦続接続して出力する反転遅延信号の双方を入力するヒステリシスコンパレータ20とを備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13