特許第5987973号(P5987973)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 横浜ゴム株式会社の特許一覧

<>
  • 特許5987973-空気入りタイヤ 図000003
  • 特許5987973-空気入りタイヤ 図000004
  • 特許5987973-空気入りタイヤ 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5987973
(24)【登録日】2016年8月19日
(45)【発行日】2016年9月7日
(54)【発明の名称】空気入りタイヤ
(51)【国際特許分類】
   B60C 9/06 20060101AFI20160825BHJP
   B60C 9/02 20060101ALI20160825BHJP
   B60C 9/04 20060101ALI20160825BHJP
   B60C 9/00 20060101ALN20160825BHJP
【FI】
   B60C9/06 E
   B60C9/02 C
   B60C9/04 Z
   !B60C9/00 C
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-508783(P2015-508783)
(86)(22)【出願日】2014年3月28日
(86)【国際出願番号】JP2014059254
(87)【国際公開番号】WO2014157656
(87)【国際公開日】20141002
【審査請求日】2015年8月6日
(31)【優先権主張番号】特願2013-72741(P2013-72741)
(32)【優先日】2013年3月29日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006714
【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001368
【氏名又は名称】清流国際特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100129252
【弁理士】
【氏名又は名称】昼間 孝良
(74)【代理人】
【識別番号】100155033
【弁理士】
【氏名又は名称】境澤 正夫
(74)【代理人】
【識別番号】100138287
【弁理士】
【氏名又は名称】平井 功
(72)【発明者】
【氏名】中島 美由紀
【審査官】 岡▲さき▼ 潤
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−001628(JP,A)
【文献】 特開2001−001715(JP,A)
【文献】 特開2008−174167(JP,A)
【文献】 特開2008−006925(JP,A)
【文献】 特開平10−225997(JP,A)
【文献】 特開2010−000901(JP,A)
【文献】 特開2004−098714(JP,A)
【文献】 特開2008−290503(JP,A)
【文献】 特表2002−500589(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 9/06
B60C 9/02
B60C 9/04
B60C 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーカスコードをタイヤ径方向に対して傾斜させかつトレッド幅方向の中央位置で測定される該カーカスコードのタイヤ周方向に対する角度を55〜85°としたハーフラジアル構造の空気入りタイヤであって、前記カーカスコードがナイロン繊維のみから構成され、前記カーカスコードの弾性率が3〜10GPaであり、かつ、前記カーカスコードの撚り係数αが1500〜2500であり、該タイヤ中、該カーカスコードのセンター部とサイド部の2.0cN/dtexでの中間伸度差を1.0%以下としたことを特徴とする空気入りタイヤ。
ここで、撚り係数α=N×√T
N:繊維コード10cm長さ当たりの撚り数
T:繊維コードの繊度(dtex)
【請求項2】
前記カーカスコードが、ビードを介してタイヤ周方向に全周にわたり繋がるように配置されてなることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
【請求項3】
前記カーカスコードを、そのビード端末部が、ビード部を介してベルト層下部まで至るように配置させてなることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は空気入りタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
高速走行時に高い操縦安定性が要求されるレースタイヤは、カーカスコードをタイヤ径方向に対して傾斜させ、かつトレッド幅方向の中央位置で測定されるタイヤ周方向に対するカーカスコードの角度を55〜85°とした、所謂ハーフラジアル構造のタイヤとして形成されることがあり、その場合、カーカスコードはナイロン繊維コードで構成されることがある。
【0003】
そうしたハーフラジアル構造のコード配置で、該カーカスコードとしてナイロン繊維コードを使用する場合、タイヤ成形・加硫の際などで、カーカスコードに圧縮方向の張力が加わった状態でセット(固定)されると、タイヤ成形・加硫後において、該カーカスコードが本来持つコード特性が十分に発揮できず、操縦安定性や耐久性が十分に向上できないという問題があった。
【0004】
本発明では、後述するように、カーカスに用いるナイロン繊維コードの中間伸度の値を、タイヤの部位に対応させて変更させて構成することにより、上述の問題を解決したものであるが、カーカスコードの中間伸度に着目した空気入りタイヤに関する先行技術としては、以下のような提案がある。
【0005】
操縦安定性と耐久性を確保しつつ乗心地を向上させた空気入りタイヤとして、タイヤショルダー部〜サイド部の領域に用いるカーカスの中間伸度値を、該領域以外の部位で使用するカーカスの中間伸度値よりも大きくした空気入りタイヤが提案されている(特許文献1)。
【0006】
また、ベルト層下領域内に位置するカーカスコードの中間伸度の値を、それ以外の領域内に位置するカーカスコードの中間伸度の値よりも3%〜5%大きくすることにより、操縦安定性と質量を維持しつつ、騒音の発生を抑制する空気入りタイヤが提案されている(特許文献2)。
【0007】
しかし、これら提案の空気入りタイヤは、本発明で対象とする、上述のカーカスコードをタイヤ径方向に対して傾斜させかつトレッド幅方向の中央位置で測定される、タイヤ周方向に対するカーカスコードの角度を55〜85°とした所謂ハーフラジアル構造のタイヤとは相違するものであり、本発明の空気入りタイヤを示唆するものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】日本国特開2009−23442号公報
【特許文献2】日本国特開2006−281984号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、ハーフラジアル構造のコード配置でカーカスコードとしてナイロン繊維コードを使用しているレース用等の空気入りタイヤにおいて、該ナイロン繊維カーカスコードが本来有するコード特性を十分に発揮することができ、操縦安定性や耐久性に優れた空気入りタイヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した目的を達成する本発明の空気入りタイヤは、下記(1)に記載の構成を有する。
(1)カーカスコードをタイヤ径方向に対して傾斜させかつトレッド幅方向の中央位置で測定される該カーカスコードのタイヤ周方向に対する角度を55〜85°としたハーフラジアル構造の空気入りタイヤであって、前記カーカスコードがナイロン繊維のみから構成され、前記カーカスコードの弾性率が3〜10GPaであり、かつ、前記カーカスコードの撚り係数αが1500〜2500であり、該タイヤ中、該カーカスコードのセンター部とサイド部の2.0cN/dtexでの中間伸度差を1.0%以下としたことを特徴とする空気入りタイヤ。
ここで、撚り係数α=N×√T
N:繊維コード10cm長さ当たりの撚り数
T:繊維コードの繊度(dtex)
【0011】
また、かかる本発明の空気入りタイヤにおいて、より好ましくは、以下の(2)または(3)記載の構成を有するものである。
(2)前記カーカスコードが、ビードを介してタイヤ周方向に全周にわたり繋がるように配置されてなることを特徴とする上記(1)記載の空気入りタイヤ。
(3)前記カーカスコードのビードを介した端末部は、ベルト下まで配置することを特徴とする上記(1)記載の空気入りタイヤ。
【発明の効果】
【0012】
請求項1にかかる本発明によれば、ハーフラジアル構造のコード配置でカーカスコードとしてナイロン繊維コードを使用しているレース用等の空気入りタイヤにおいて、該ナイロン繊維カーカスコードが本来有するコード特性を十分に発揮して、操縦安定性や耐久性に優れた空気入りタイヤを提供することができる。
【0013】
特に、請求項2または請求項3にかかる本発明によれば、特に上述した本発明の効果をより確実に、かつ大きく有する空気入りタイヤが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明にかかる空気入りタイヤを説明するタイヤ子午線方向断面図である。
図2図2は、本発明にかかるハーフラジアル構造の空気入りタイヤを説明する一部破砕断面図であり、カーカス層と2層のベルト層のコード配列をモデル的に示したものである。
図3図3は、カーカスコードのセンター部とサイド部の中間伸度の測定をする際に、測定試料を採取する場所を説明するタイヤ子午線方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、更に詳しく本発明の空気入りタイヤについて、説明する。
【0016】
本発明の空気入りタイヤは、カーカスコードをタイヤ径方向に対して傾斜させかつトレッド幅方向の中央位置で測定される該カーカスコードのタイヤ周方向に対する角度を55〜85°としたハーフラジアル構造の空気入りタイヤであって、前記カーカスコードの弾性率が3〜10GPaであり、かつ、前記カーカスコードの撚り係数αが1500〜2500であり、該タイヤ中、該カーカスコードのセンター部とサイド部の2.0cN/dtexでの中間伸度差が1.0%以下としたことを特徴とする。
【0017】
ここで、撚り係数αは、α=N×√Tで求められる数値であり、Nは繊維コード10cm長さ当たりの撚り数、Tは繊維コードの繊度(dtex)である。
【0018】
図1図2により本発明の空気入りタイヤの一実施態様について説明する。
図1において、1はトレッド部、2はサイドウォール部、3はビード部、6はベルト層、21はトレッドゴム層であり、CLはタイヤ赤道線である。左右一対のビード部3、3間にはカーカス層4が装架され、カーカス層4の端部がビードコア5の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されている。該折り返されたカーカス層4の端部は、図示した形態例の他、ベルト層6の下部まで達し該ベルト層下部で固定される態様のものでもよい。また、ビードコア5の廻りに巻き回されるまで至らずにビードコア5の横付近にカーカス層4の端部が位置して固定される態様のものでもよい。
【0019】
カーカス層4は引き揃えられた複数本のカーカスコードをカーカスコンパウンドで被覆したものであり、カーカスコードはナイロン繊維からなっている。そして、カーカスコードはタイヤ径方向に対して傾斜して配置されて、所謂ハーフラジアル構造のカーカス層を構成しており、カーカス層4において、トレッド幅方向中央位置で測定されるカーカスコードのタイヤ周方向に対する角度θは55°〜85°に設定されている。一方、トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には、ベルト層6がタイヤ全周にわたって配置されている。これらベルト層6は、タイヤ周方向に対して傾斜する補強コードを含み、かつ層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。
【0020】
カーカスコードのタイヤ周方向に対する角度θは、55°未満では、加硫成形時のリフトによりカーカスコードに角度変化を生じ、サイド剛性に比較してトレッド剛性が必要以上に上がってしまい、乗り心地性能が損なわれてしまう場合があり好ましくなく。85°よりも大きい場合には、剛性が低下し操縦安定性が低下するので好ましくない。
【0021】
本発明においては、カーカスコードとして、その弾性率が3〜10GPa、かつ撚り係数αが1500〜2500のものを用い、さらに、該タイヤ中、該カーカスコードのセンター部とサイド部の2.0cN/dtexでの中間伸度差を1.0%以下として構成することが重要である。
【0022】
すなわち、カーカスコードの弾性率が3GPa未満では、操縦安定性が十分に向上できない。10GPaを超えると、コードの耐疲労性が低下し、タイヤ耐久性が低下するので好ましくない。
【0023】
カーカスコードの撚り係数が1500未満では、コードの耐疲労性が低下し、タイヤ耐久性が低下する。2500を超えると、コードの弾性率が低下し、操縦安定性が十分に向上できない。
【0024】
タイヤ中、カーカスコードのセンター部とサイド部の2.0cN/dtexでの中間伸度差が1.0%を超えると、カーカスサイド部のコードは張力が掛かり難く、コードに加わる張力がゆるゆるの状態でタイヤ構造内に存在することになり、それが原因となって、操縦安定性、耐久性を向上することができない。該中間伸度差の好ましい下限値は0%である。
【0025】
なお、図3は、カーカスコードのセンター部とサイド部の中間伸度の測定をする際に、測定試料を採取する場所を説明するタイヤ子午線方向断面図である。カーカスコードのセンター部とサイド部の2.0cN/dtexでの中間伸度の測定方法の詳細は、後述するが、測定試料は、センター部については、タイヤ赤道線を中央位置にして採取し(図3のA部)、ターン・アップしているカーカス部分があるカーカス構造のタイヤの場合、そのターン・アップ部(図3のB1部)、ターン・ダウンしているカーカス部分しか存在しない場合は、そのターン・ダウン部(図3のB2部)で採取する。
【0026】
以下、本発明の空気入りタイヤを製造する方法について、その概略を説明する。
本発明の空気入りタイヤを構成するナイロンカーカスコードとして、弾性率が3〜10GPaのものは製糸条件を変更することにより得ることができ、また、撚り係数αが1500〜2500のカーカスコードは、該コードの繊度に応じて撚り数を設定し、所定の撚りを加えることで得ることができる。
【0027】
また、該タイヤ中、該カーカスコードのセンター部とサイド部の2.0cN/dtexでの中間伸度差を1.0%以下とするには、カーカスコードの両端部がより固定的になるようなカーカス構造を採用して、タイヤ成形加硫工程に供することで達成することができる。
【0028】
そうした観点から、本発明の空気入りタイヤを製造する方法として、好ましいのは、特開平10−225997号公報などに記載されているような、カーカスコードが、ビードを介してタイヤ周方向に全周にわたり繋がるように配置される方式、あるいは、カーカスコードのビードを介した端末部が、ターン・アップしてベルト6の下部にまで至るようにナイロンカーカスコードを配置する方式、等によりタイヤを構成し、加硫成形を行うのがよい。
【実施例】
【0029】
以下、実施例などにより、本発明の空気入りタイヤの具体的構成、効果について説明する。
【0030】
実施例1〜3、従来例1〜6
試験タイヤとして、タイヤサイズ225/50R16 92Vを使用し、各実施例、各比較例ごとに各5本を作製し、これをJATMA標準リムに取り付けて試験タイヤとした。
【0031】
各実施例、各比較例の各空気入りラジアルタイヤのカーカス構造の仕様は、表1に記載したとおりである。カーカス構造で従来方式と記載しているのは、図1に示した構造のものである。
【0032】
各試験タイヤについて、操縦安定性、乗心地性能、荷重耐久性能、タイヤ重量を下記(B)〜(D)に記載した試験・評価方法によって測定と評価を行い、その評価結果を表1に示した。
【0033】
また、本発明で採用したカーカスコードのセンター部と同サイド部の2.0cN/dtexでの中間伸度差の求め方は、下記(A)に示した方法による。
(A)カーカスコードセンター部と同サイド部の2.0cN/dtexでの中間伸度差の求め方:
加硫成形した後の製品空気入りタイヤ中の同一のカーカスコードから、センター部とサイド部の各2.0cN/dtexでの中間伸度を求めるサンプルを、以下の要領により採取する。
【0034】
センター部については、タイヤ赤道線を中央位置にして、左右合計10cm長さのチャック間隔での引張り試験に供し得る長さの試料コード片を採取する。左右合計10cm長さのチャック間隔の試験に供するのに満たない長さ分しか試料コード片を採取できない場合には、チャック間隔を0.5cm単位で短くしていくようにし、その長さでの引張り試験に供し得る長さの試料コード片を採取する。試料コード片は、なるべく長いもので試験ができるように配慮する。試料コード片にゴムが付着している場合は、ゴムを丁寧に除去する(以下、同様。)。
【0035】
サイド部については、ビード部をターン・アップしているカーカス部分があるカーカス構造のタイヤのときは、該ターン・アップカーカス部から10cm長さのチャック間隔での引張り試験に供し得る長さの試料コード片を採取する。10cm長さのチャック間隔の試験に供するのに満たない長さ分しか試料コード片を採取できない場合には、チャック間隔を0.5cm単位で短くしていくようにし、その長さでの引張り試験に供し得る長さの試料コード片を採取する。試料コード片は、なるべく長いもので試験ができるように配慮する。
【0036】
ターン・ダウンしているカーカス部分しか存在しないカーカス構造のタイヤの場合は、該ターン・ダウンカーカス部から10cm長さのチャック間隔での引張り試験に供し得る長さの試料コード片を採取する。10cm長さのチャック間隔の試験に供するのに満たない長さ分しか試料コード片を採取できない場合には、チャック間隔を0.5cm単位で短くしていくようにし、その長さでの引張り試験に供し得る長さの試料コード片を採取する。試料コード片は、なるべく長いもので試験ができるように配慮する。
【0037】
各試料コード片には、試験長(チャック間距離)に対応した位置2箇所に着色して、試験前の元長、試験後の長さがわかるようにする。
試料コード片を、チャック間距離10cmで着色位置を合わせて引張り試験機に取り付け、試料コードの繊度(dtex)に応じて求まる2.0cN/dtex相当の引張り力を速度300±20mm/分で加えて引張り試験を行う。試験は、温度20℃±2℃×相対湿度65±2%の一定雰囲気内で行う。引張り力を解除した後、試料コード片を取り外し、着色位置間の距離を求め、その測定値から伸度(%)を求める。
【0038】
伸度(%)は、以下の計算式から小数点1桁まで求める。
伸度(%)=(引張り試験後のコード長さ/元のコード長)×100
n数は5として試験を行い、その平均値を求めて、さらにその値を四捨五入して、小数点1桁までの値にしてその試料の伸度(%)とする。
【0039】
以上の試験を、カーカスコードのセンター部と同サイド部のそれぞれについて行い、その伸度(%)の値どうしの差を求めて、その値をカーカスコードのセンター部と同サイド部の2.0cN/dtexでの中間伸度差(%)とする。
【0040】
(B)操縦安定性:
各試験タイヤを排気量2000ccの乗用車に装着し、一定間隔でパイロンをたてたスラローム試験路を走行し、5名のテストドライバーによるフィーリング評価を行った。
評価結果は従来タイヤを100とする指数で表示した。この指数が大きいほど操縦安定性が優れている。
【0041】
(C)乗り心地性能:
各試験タイヤを排気量2000ccの乗用車に装着し、凹凸を有する直進テストコースを50km/hで走行し、5名のテストドライバーによるフィーリング評価を行った。 評価結果は従来タイヤを100とする指数で表示した。この指数が大きいほど乗り心地性能が優れている。
【0042】
(D)荷重耐久性:
ドラム径1707mm、JIS D−4230規定による荷重耐久性試験の終了後、荷重を20%/5時間ごとに加速して、タイヤが破壊するまで試験を続行した。評価は、試験タイヤが破壊するまでの総時間を求め、評価は従来タイヤ(従来例1)によるものを指数100として示し、この指数値が大きいほどタイヤの荷重耐久性が良好であることを示している。
【0043】
表1に示した結果からわかるように、本発明の空気入りタイヤは、乗り心地性能、操縦安定性、耐久性能において非常にバランス良く優れている。
【0044】
【表1】
【符号の説明】
【0045】
1:トレッド部
2:サイドウォール部
3:ビード部
4:カーカス層
5:ビードコア
6:ベルト層
21:トレッドゴム層
CL:タイヤ赤道線
A部:中間伸度の測定に供する試料片(カーカスコード片)の採取位置
B1部:中間伸度の測定に供する試料片(カーカスコード片)の採取位置
B2部:中間伸度の測定に供する試料片(カーカスコード片)の採取位置
図1
図2
図3