(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
〔全体構造〕
図1は、本発明の実施形態に係る自動写真作成装置1の外観図である。具体的には、
図1(a)は、同装置1の側面図であり、
図1(b)は、同装置1の平面図である。
また、
図2は、撮影ユニット3の正面図であり、
図3は、編集ユニット4の正面図であり、
図4は、出力ユニット5の正面図であり、
図5は、撮影操作用のタッチパネル20の画面構成図である。
【0018】
図1に示すように、本実施形態の自動写真作成装置1は、利用者Uが入室可能な撮影室2と、利用者Uの撮影と背景画像や前景画像の選択を受け付け可能な撮影ユニット3とを備えている。
また、自動写真作成装置1は、利用者Uによる撮影画像の切り取り(トリミング)や落書き(描画操作)を含む編集入力を受け付けて、撮影画像を基に編集した編集済画像を生成する編集ユニット4と、編集済画像を出力する出力ユニット5とを備えている。本発明の画像編集装置は本実施形態の編集ユニット4に対応する。
【0019】
撮影室2は、当該撮影室2の前後方向(
図1の矢印X方向)に長い直方体状のフレーム構造であり、この撮影室2の前部に撮影ユニット3が配置されている。撮影室2の左右方向(
図1の矢印Y方向)の両側面には、それぞれ利用者Uが出入りする開口部と、この開口部の一部又は全部を覆う遮光カーテン(図示せず)が設けられている。
また、撮影室2の後部には、電動ロール式のカーテン装置25が配置されている。カーテン装置25は撮影時に駆動し、カメラ10の撮影範囲にカーテンが現れる。このカーテンは、周知のクロマキー処理により、カメラ10が撮影した画像から被写体の画像(被写体画像)のみを抽出するためのものであり、青や緑色のものが使用される。
撮影室2内の撮影ユニット3とカーテン装置25の間の空間(撮影操作用のタッチパネル20の前側の空間)は、利用者Uの撮影を行う撮影空間を構成している。
【0020】
編集ユニット4は、カーテン装置25の背面に接続された、撮影室2の前後方向(
図1の矢印X方向)に長い筐体を備え、この筐体の短辺方向(
図1の矢印Y方向)の両側に、2人組の利用者Uがそれぞれ一緒に編集入力を行えるタッチパネル400が設けられている。この編集ユニット4の各タッチパネル400の前側の空間は、利用者Uが編集作業を行う編集空間を構成しており、この編集空間は、カーテン装置25を挟んで撮影空間とは異なる位置に設けられている。
【0021】
また、後述の通り、本実施形態の自動写真作成装置1では、撮影空間での処理(撮影処理)と、編集空間での処理(編集処理)を並行して実行可能となっており、編集空間での処理を受け付けるタッチパネル400が、撮影空間での処理を受け付けるタッチパネル20よりも多く設置されている。
このため、撮影空間と編集空間にそれぞれ入室した利用者Uの作業を同時並行で行わせることができ、利用者Uの回転率を向上させることができる。
【0022】
〔撮影ユニットの構造〕
図1及び
図2に示すように、撮影ユニット3は、利用者Uを撮影する撮像手段であるカメラ10と、カメラ10の上下両側と左右両側にそれぞれ配置された複数のストロボ11,12,13L,13R,14と、カメラ10の下方に配置された、利用者Uの操作の受け付けや撮影画像の表示などを行う撮影操作用のタッチパネル20とを備えている。
【0023】
カメラ10は、例えば、CCD(電荷結合素子)を利用してデジタル画像信号を生成するデジタルカメラよりなり、利用者Uの撮影によって取得したデジタル画像信号を出力する。各ストロボ11〜14は、カメラ10のシャッター時に利用者Uに閃光を発する。
タッチパネル20は、撮影作業の際に、利用者Uによる各種の操作を受け付けるための操作画面を提供する。また、タッチパネル20は、カメラ10が取得したデジタルの動画映像をリアルタイムで表示することもできる。
【0024】
図5に示すように、撮影操作用のタッチパネル20は、リアルタイムの動画映像を表示するプレビュー領域201と、ポーズの見本を表示するための第1表示領域202と、撮影によって得られた撮影画像を表示するための第2表示領域203とを有する。
撮影ユニット3は、パーソナルコンピュータを中心に構成された制御装置と、I/O制御装置と、編集及び印刷ユニット4,5と通信を行うためのネットワークアダプタとを内蔵している。また、撮影ユニット3には、その前面下方にコイン投入口26(
図2参照)が設けられている。
【0025】
〔編集ユニットの構造〕
図1に示すように、本実施形態の自動写真作成装置1では、例えば2人組である2組の利用者Uが同時に並行してプレイ可能となるように、編集ユニット4が2つのユニット4a,4bに分かれている(
図1(b)参照)。
図3に示すように、2つのユニット4a,4bは、互いに対面した所定高さの傾斜した作業面を有し、この作業面に、編集を行う領域やその編集を行うためのメニュー又はツールを表示する領域を含む編集操作用のタッチパネル400と、タッチパネル400へのタッチ操作に使用するタッチペン49L,49Rが設けられている。
【0026】
編集操作用のタッチパネル400は、各ユニット4a,4bにおいてそれぞれ2人の利用者Uが同時にトリミングや落書きを行えるように、左右対称の画面構成となっているが、タッチパネル400に対する編集入力の詳細については後述する。なお、本実施形態の編集操作用のタッチパネル400は、双方のタッチペン49L,49Rによる操作位置(ペン先の接触位置)を同時に検出可能に構成されており、かつ、検出される各操作位置が、各タッチペン49L,49Rのうちのいずれの操作に対応するものであるかも検出可能となっている。
編集ユニット4についても、撮影ユニット3と同様に、例えばパーソナルコンピュータを中心に構成された制御装置と、撮影及び印刷ユニット3,5と通信を行うためのネットワークアダプタとを内蔵している。
【0027】
〔出力ユニットの構造〕
図1及び
図4に示すように、出力ユニット5は、出力操作用のタッチパネル30と、その下方に配置された非接触の通信ポート31とを備えている。
また、通信ポート31の下方に、非接触通信の際に必要な操作方法や効果音などを音声によって利用者Uに知らせるスピーカ32と、編集ユニット4で編集操作が行われた編集済み画像を印刷した写真シールや写真カード等を取り出す取出口33が設けられている。
【0028】
上記通信ポート31は、例えば携帯電話機等のモバイル端末の赤外線ポートと近距離でかつ非接触の通信が可能であり、この通信によって利用者Uのモバイル端末に編集済み画像を送信することができる。
なお、通信ポート31は、電波を使用したフェリカ(登録商標)などの非接触通信方式の通信ポートであってもよい。
【0029】
出力操作用のタッチパネル30は、利用者Uが、編集済み画像が印刷された写真シール等をモバイル端末でも見たい場合に、上記通信機能を備えたモバイル端末に送信するのに必要な各種操作を受け付けるための、操作画面を提供する。
【0030】
なお、この操作を、例えば編集済み画像の写真シール等が印刷されるまでの時間を利用して行うようにすれば、利用者Uは写真シール等が印刷されるまでの時間を持て余すことなく有効に利用することができる。ただし、出力操作用のタッチパネル30が設けられていない装置の場合には、編集ユニット4のタッチパネル400で画像出力のための各種の操作を行わせてもよい。この場合、モバイル端末が編集済み画像を取得する処理は、第2の制御部80(
図6で後述)が行う。
【0031】
出力ユニット5についても、撮影ユニット3と同様に、パーソナルコンピュータを中心に構成された制御装置と、撮影及び編集ユニット3,4と通信を行うためのネットワークアダプタとを内蔵している。
また、出力ユニット5には、編集済み画像を写真シール等として印刷するためのネットワークプリンタ35(
図1(a)及び(b)参照)も内蔵されている。
【0032】
上記構成の自動写真作成装置1において、利用者Uは、撮影室2で撮影を行った後、編集用のいずれか一方のユニット4a,4bのタッチパネル400を使用して、撮影画像に対してトリミングや落書き等の編集入力を行う。
その後、利用者Uは、編集入力に応じて生成された編集済み画像のデータを、ネットワークプリンタ35に印刷させてプリントシートとして受領したり、非接触通信によって利用者Uのモバイル端末に転送したりすることができる。
【0033】
なお、ネットワーク(LAN)6がインターネット等の公衆通信回線に接続されている場合には、本実施形態の自動写真作成装置1で生成した編集済み画像を、公衆通信回線を介してサーバコンピュータに送信し、このサーバコンピュータにて利用者Uのフォルダごとに編集済み画像を記憶することにしてもよい。
この場合、利用者Uは、自動写真作成装置1に対するプレイ後に、自身の携帯電話機やスマートフォンなどのモバイル端末からサーバコンピュータにアクセスすることにより、作製した編集済み画像の閲覧やダウンロードを行うことができる。
【0034】
〔自動写真作成装置の機能的構成〕
図6は、本実施形態に係る自動写真作成装置1を機能面から見た場合の構成を示す、機能ブロック図である。
図6に示すように、自動写真作成装置1は、機能的には、利用者Uを撮影する処理(撮影処理)を行うための撮影処理部7と、編集対象画像に対する利用者Uの操作に応じて画像処理を行うための編集処理部8と、編集済み画像を写真シール等として印刷したり、非接触通信で転送したりする出力処理を行うための出力処理部9とを備える。本発明の画像処理装置は本実施形態の編集処理部8に対応する。
【0035】
撮影処理部7は、第1の制御部70と、撮影部71と、第1の表示・操作部72と、I/O制御部73と、照明部74と、第1の通信部75とから構成されている。
編集処理部8は、第2の制御部80と、第2の表示・操作部81,82と、第2の通信部83とから構成されている。
出力処理部9は、第3の制御部90と、第3の表示・操作部91と、印刷出力部92と、音声出力部93と、非接触通信部94と、第3の通信部95とから構成されている。
【0036】
ネットワークアダプタよりなる第1、第2及び第3の通信部75,83,95は、LAN(Local Area Network)であるネットワーク6を介してそれぞれ相互に通信可能となっている。
【0037】
撮影部71は、CCD等の撮像素子を内蔵したカメラ10に相当する。撮影部71は、映像データをリアルタイムに取り込んで第1の制御部70に出力する。第1の制御部70は、シャッター動作の時点の映像データ(静止画データ)を撮影画像とし、内部のメモリに一時的に記憶する。
また、第1の制御部70は、撮影部71から得られる映像データを、第1の表示・操作部72に常時供給する。これにより、利用者Uの現況がリアルタイムに表示される。
【0038】
第1の表示・操作部72は、撮影操作用のタッチパネル20に相当する。第1の表示・操作部72は、撮影画像に合成する背景画像又は前景画像を選択する操作やシャッター操作、撮影画像の画質を選択する操作などの撮影に関する操作の入力を受け付け、入力された操作信号を第1の制御部70に送る。
第1の制御部70は、第1の表示・操作部72からの操作信号に基づいて、その操作信号に対応する所定の処理を実行する。
【0039】
例えば、第1の制御部70は、シャッター操作の入力があると、数秒程度の予め決められた時間の経過後にカメラ10をシャッター動作させるとともに、ストロボ11〜14を閃光させる。
照明部74は、カメラ10の前記ストロボ11,12,13L,13R,14に相当する。照明部74は、第1の制御部70からの指示に基づいて、I/O制御部73によって点灯/消灯および調光が制御される。
【0040】
I/O制御部73は、撮影ユニット3に内蔵されるI/O制御装置に相当する。I/O制御部73は、第1の制御部70からの指示に基づいて照明部74を制御するとともに、コイン検出部(不図示)からの検出信号を第1の制御部70へ転送する。
第1の通信部75は、撮影ユニット3に内蔵されるネットワークアダプタに相当する。第1の通信部75は、ネットワーク6を介したデータ送受信の際のインタフェースとして機能する。
【0041】
第1の制御部70は、撮影ユニット3に内蔵された、CPU、メモリ、フレームバッファ、タイマー及び補助記憶装置を含むコンピュータ(制御装置)に相当する。
第1の制御部70は、メモリに格納されたプログラムをCPUが実行することで、撮影処理に関する全体の制御を行う。
例えば、第1の制御部70は、複数の撮影画像をすべて編集対象画像としてフレームバッファに書き込み、第1の表示・操作部72に表示させる。
【0042】
また、第1の制御部70は、所定の背景画像や前景画像の選択入力があった場合は、撮影画像における利用者Uの像を、ユーザによって選択された背景画像や前景画像に合成した画像を生成し、その画像についても、編集対象画像としてフレームバッファに書き込んで、第1の表示・操作部72に表示させる。
第1の制御部70は、フレームバッファに書き込んだ撮影画像(背景画像等が合成された画像を含む。)を、第1の通信部75を介して、編集ユニット4に対応する第2の制御部80に送信する。
【0043】
第2の制御部80は、編集ユニット4に内蔵された、CPU、メモリ80a、フレームバッファ、タイマー及び補助記憶装置を含むコンピュータ(制御装置)に相当する。
第2の制御部80は、メモリ80aに第2の表示・操作部81,82に表示するための編集対象画像の表示用データと、表示用データにより表示される編集対象画像よりも高精細な編集対象画像に対応する出力用データの2種類のデータを保存する。また、第2の制御部80は、第2の表示・操作部81,82に表示用データに対応する編集対象画像を表示する。
【0044】
第2の制御部80は、メモリ80aに格納されたプログラムをCPUが実行することで、編集処理に関する全体の制御を行う。
例えば、第2の制御部80は、第1の制御部70から受信した撮影画像に対する編集処理の入力信号に基づいて、編集対象画像に対する編集済み画像を生成する。
このとき、第2の制御部80は、編集入力に基づき、編集対象画像の表示用データを演算・加工することで、編集済み画像の表示用データを生成する。また、第2の制御部80は、上記演算・加工処理の内容を処理順にメモリ80aに保存する。
【0045】
生成された表示用データに対応する編集済み画像は、第2の表示・操作部81,82に表示される。上記のような編集済み画像の生成が終了すると、第2の制御部80は、編集対象画像の出力用データ、及び上記演算・加工処理の内容に基づいて高精細な編集済み画像の出力用データを生成し、これを出力ユニット5に送信する。なお、印刷出力部92が別の編集済み画像を出力中である場合には、その旨が第2の表示・操作部81,82に表示されるとともに、その終了を待って送信される。
【0046】
第2の表示・操作部81,82は、タッチペン49L,49Rによるトリミングや落書き等の編集入力が可能な編集操作用のタッチパネル400に相当する。すなわち、第2の表示・操作部81は、タッチパネル400の左側の入力領域40Lに相当し、第2の表示・操作部82は、タッチパネル400の右側の入力領域40Rに相当する。
第2の通信部83は、編集ユニット4に内蔵されるネットワークアダプタに相当する。第2の通信部83は、ネットワーク6を介したデータ送受信の際のインタフェースとして機能する。
【0047】
第3の制御部90は、出力ユニット5に内蔵された、CPU、メモリ90a、フレームバッファ、タイマー及び補助記憶装置を含むコンピュータ(制御装置)に相当する。
第3の制御部90は、メモリ90aに格納されたプログラムをCPUが実行することで、出力処理に関する全体の制御を行う。
例えば、第3の制御部90は、第2の制御部80から受信した高精細な編集済み画像の出力用データをメモリ90aに格納する。
【0048】
印刷出力部92は、出力ユニット5に内蔵されるネットワークプリンタ35に相当する。印刷出力部92は、メモリ90aに格納された編集済み画像のデータを写真シールや写真カードとして印刷する。
印刷された写真シール等は、出力ユニット5の正面下方に設けられた取出口33に排出される。
【0049】
第3の表示・操作部91は、出力操作用のタッチパネル30に相当する。第3の制御部90は、高精細な編集済み画像の出力用データをサーバからダウンロードできるように、利用者Uの入力操作を受け付けるための操作画面を第3の表示・操作部91に表示させる。
【0050】
第3の制御部90は、第3の表示・操作部91に入力された操作信号に基づいて、利用者Uのモバイル端末に出力用データを送信するように、非接触通信部94に対して指示を出す。この非接触通信部94は通信ポート31に相当する。出力用データは、非接触通信部94から赤外線信号として利用者Uのモバイル端末に直接送信される。
第3の通信部95は、出力ユニット5に内蔵されるネットワークアダプタに相当する。第3の通信部95は、ネットワーク6を介したデータ送受信の際のインタフェースとして機能する。
【0051】
第3の制御部90は、編集を終えた利用者Uが出力操作を始めるまでの間、補助記憶装置に予め記憶されたデモ画像(デモンストレーション用の画像)を、フレームバッファに書き込むことによって第3の表示・操作部91に表示させる。
音声出力部93は、スピーカ32に相当する。音声出力部93は、第3の表示・操作部91に表示される操作画面と連動して操作方法を利用者Uに説明する。また、音声出力部93は、デモ画像に応じた楽曲を流す。なお、入力操作方法の説明や楽曲等は補助記憶装置としてのハードディスク等に予め格納されている。
【0052】
なお、上記の各制御装置が実行する所定のプログラムは、例えば、そのプログラムを記録した記録媒体であるDVD−ROMによって提供される。
すなわち、プログラムの記録媒体としてのDVD−ROMが補助記憶装置として制御装置に内蔵されたDVD−ROMの駆動装置に装着され、そのDVD−ROMからプログラムが読み出されて補助記憶装置としてのハードディスク装置にインストールされる。プログラムは、DVD−ROM以外の記録媒体(CD−ROM等)や通信回線を介して提供されてもよい。
【0053】
なお、上記第1〜第3の制御部70,80,90は、自動写真作成装置1における異なる部位(撮影ユニット3など)に内蔵される異なるコンピュータを含む装置に相当するものとして説明したが、このような構成は一例であって、第1〜第3の制御部70,80,90は、2つ以下または4つ以上の装置により実現されてもよい。
例えば、2つの制御部を設けておき、一方の制御部で撮影ユニット3と出力ユニット5を制御し、他方の制御部で編集ユニット4を制御することもできる。
【0054】
このような場合には各制御部において、それぞれ実現されるべき機能に応じたプログラムが実行される。
更に、各制御部70,80,90を構成する制御装置は、いずれのユニット3,4,5に内蔵されていてもよく、例えば、すべての制御装置を編集ユニット4に内蔵していてもよい。また、撮影ユニット3、編集ユニット4、および出力ユニット5は、物理的に3つに分かれているが、これを1つ又は2つのユニットとして構成することもできる。
【0055】
〔自動写真作成装置における並行処理〕
上述の通り、本実施形態の自動写真作成装置1は、撮影ユニット3と編集ユニット4と出力ユニット5とを含み、撮影ユニット3では撮影処理が行われ、編集ユニット4では編集処理が行われ、出力ユニット5では出力処理が行われる。
本実施形態の自動写真作成装置1では、各ユニット3,4,5のコンピュータにより、撮影処理と編集処理と出力処理とが同時並行で行われるようになっている。以下、撮影処理、編集処理及び出力処理の手順について説明する。
【0056】
〔撮影処理〕
図7は、撮影処理の手順を示すフローチャートである。
プレイが行われていない待機状態では、撮影操作用のタッチパネル20にデモ画像が表示されている。
その後、利用者Uが来場して、デモ画像の表示中にコイン投入口26にコインを投入すると、第1の制御部70はプレイを開始する(ステップS100)。
【0057】
また、第1の制御部70は、プレイを開始した後に、利用者Uによる撮影モードの選択を受け付ける(ステップS110)。
ステップS110では、例えば画質(具体的にはコントラストが高いくっきりとした画質、柔らかなふんわりとした画質、または透明感のあるクールな画質のうちのいずれか)の選択、明るさの選択、すなわち第1の制御部70が撮影画像に対して行う画像補正の種類の選択が行われる。
【0058】
この場合、第1の制御部70は、予め用意された複数の撮影用テーマの中から1つ以上の撮影用テーマを利用者Uに選択させる画面をタッチパネル20に表示し、利用者Uによる選択操作を受け付ける。
その後、第1の制御部70は、撮影画像の背景や前景として合成する背景画像の候補を選択可能にタッチパネル20に複数表示し、利用者による選択操作を受け付ける。
【0059】
利用者Uによって背景画像が所定枚数選択されると、ステップS120に進む。そして、背景画像の選択された順番に基づいて、利用者Uの撮影が行われる。この撮影により、利用者Uを含む静止画データである撮影画像(利用者Uの被写体画像に、利用者によって選ばれた背景画像が合成されたもの)が第1の制御部70のメモリに格納される。
【0060】
ステップS130では、撮影画像がタッチパネル20に表示される。具体的には、ステップS120での撮影が行われる度に、タッチパネル20の第2表示領域203に、編集対象画像となる撮影画像が1枚ずつ順次追加されて表示される。
【0061】
その後、ステップS140において、第1の制御部70は、予め定められた制限時間(例えば3分)が終了したか否かを判定する。第1の制御部70は、判定の結果、所定の制限時間が終了していれば、処理をステップS150に進め、所定の制限時間が終了していなければ、処理をステップS120に戻す。
ステップS150では、第1の制御部70は、撮影された複数の撮影画像(第2表示領域203に表示された画像)を、ネットワーク6を通じて編集処理部8に送信する。
【0062】
従って、本実施形態では、撮影処理で得られた利用者Uの撮影画像のデータは、すべてそのまま編集対象画像として編集処理部8に送られる。もっとも、ステップS150において、編集対象とする画像を選択する作業を利用者Uに行わせてもよい。
この場合、タッチパネル20の第2表示領域203に表示された撮影画像の中から、写り方が気に入った撮影画像を複数枚タッチさせて残すか、或いは逆に、撮影が失敗した撮影画像をタッチさせて消去させることにより、編集対象画像を選択させればよい。このような場合、第1の制御部70は、利用者Uの選択によって決定された編集対象画像のデータを、ネットワーク6を通じて編集処理部8に送信する。
【0063】
ステップS150の終了後、第1の制御部70は、処理をステップS160に進めて案内画面の表示を行う。具体的には、第1の制御部70は、編集ユニット4の2つのユニット4a,4bのうちのいずれかに利用者Uを誘導する画面を撮影操作用のタッチパネル20に表示する。これにより、撮影処理が終了する。
なお、ステップS160の処理において、上記案内画面の表示に加えて、或いは、上記案内画面の表示の代わりに、2つのユニット4a,4bのいずれかに利用者Uを案内する音声を出力するようにしてもよい。
【0064】
〔編集処理〕
編集処理には、主に写真シールや写真カードとして出力するための落書き編集処理と、主に携帯電話やスマートフォンなどのモバイル端末にモバイルパーツとして出力するためのトリミング編集処理とがある。
【0065】
〔落書き編集処理〕
図8は、落書き編集処理の手順を示すフローチャートである。
図8の落書き編集処理において、第2の制御部80は、まず、ネットワーク6を介して第1の制御部70が送信した編集対象画像のデータを取得する(ステップS200)。
【0066】
第2の制御部80は、取得した編集対象画像のデータに基づいて、第2の表示・操作部81,82に表示するための編集対象画像の表示用データと、表示用データにより表示される編集対象画像よりも高精細な編集対象画像に対応する出力用データの2種類のデータを生成し、メモリ80aに保存する。表示用データは、表示に適した解像度の編集対象画像のデータである。また、出力用データは、携帯送信用あるいは印刷用の画像を作成するのに適した解像度の編集対象画像のデータであり、それぞれに適した別のデータを作成するが、以下では両方とも出力用データとして説明を行う。
【0067】
なお、表示用データに関して、表示に適した解像度とは、「拡大」ボタン55(後述の
図13等参照)により編集対象画像を最も大きく表示したときのサイズに対応する解像度である。このようにすることで、「拡大」ボタン55により、表示用データに係る編集対象画像をどんなに大きく表示したとしても、引き延ばされる(画像が補間される)ことがなく、表示される編集対象画像が荒くなることがない。これにより、表示される編集対象画像の大きさによらず、編集対象画像をきれいに表示できるという効果がある。
【0068】
その後、第2の制御部80は、第2の表示・操作部81,82に表示用データに対応する編集対象画像を表示し、タイマーを所定時間(利用者Uに編集入力を許可する時間)に設定して、カウントダウンを開始する(ステップS210)。
【0069】
タイマーのカウントダウン開始後、第2の制御部80は、利用者Uによるタッチパネル400への落書き(描画)等の編集操作の入力を受け付ける(ステップS220)。
また、第2の制御部80は、編集処理の残り時間が60秒になると、編集時間を延長するか否かを判定する(ステップS230)。この判定は、当該編集処理実行中の編集ユニット4(編集ユニット4aあるいは4b)でプレイすべき後続の利用者Uが撮影ユニット3で撮影処理を行っているか否かによって行われる。
【0070】
第2の制御部80は、上記判定の結果が肯定的である場合は、処理をステップS240に進め、否定的である場合は、処理をステップS250に進める。
第2の制御部80は、ステップS240では、タイマーを所定の再設定時間(利用者Uに追加の編集入力を許可する時間)に設定される。この場合、タイマーによるカウントダウンが再度開始され、処理がステップS250に進む。
【0071】
ステップS250において、第2の制御部80は、利用者Uによるタッチパネル400に表示された編集対象画像に対する落書き(描画)等の編集操作の入力を受け付ける。
その後、第2の制御部80は、タイマーの再設定時間が0になる、あるいは、
図9及び16に示す落書き(描画)等の編集操作の入力画面おいて後述する「終わり」ボタンが選択されると、出力するプリントシートの分割パターン(編集対象画像を何枚どの位置に配置するのか)の選択処理に移行する(ステップS260)。具体的には、第2の制御部80は、予め用意された複数の分割パターンの候補をタッチパネル400に選択可能に表示する。利用者Uが、複数の分割パターンのうちの1つを選択すると、その選択情報を取得し、処理がステップS270に進む。
【0072】
ステップS270では、案内画面の表示が行われる。具体的には、第2の制御部80は、利用者Uを出力ユニット5に導くための画面を編集操作用のタッチパネル400に表示する。第2の制御部80は、上記出力用データと編集入力された落書きや貼り付け画像のデータを合成したデータを出力ユニット5に送信する。
これにより、編集処理が終了する。
なお、ステップS270の処理において、上記案内画面の表示に加えて、或いは、上記案内画面の表示の代わりに、利用者Uを出力ユニット5のいずれかに案内する音声を出力するようにしてもよい。
【0073】
〔落書き編集操作用のタッチパネルの構成及び機能〕
タッチパネル400は、左右の2人の利用者Uがそれぞれペン入力可能な左右一対の2つの入力領域40L,40Rに分割されている。
図9は、プリントシートとして印刷される編集対象画像を編集するための画面(以下、「印刷用画像編集画面」という)であって、編集操作用のタッチパネル400の右側の入力領域40Rの画面の構成図である。入力領域40Rには、それぞれ、画像選択部46、落書き部41、タブ42によるメニュー切り替えが可能なパレット部43、モード選択部44、コマンド選択部45、タイマー表示部(図示省略)及びガイド表示部(図示省略)が配置されている。
【0074】
以下、
図9に示す右側の入力領域40Rを例にとって、上記各部の構成及び機能を説明する。なお、左側の入力領域40Lも、右側の入力領域40Rと同様の構成及び機能となっている。
画像選択部46は、各編集対象画像に対応するサムネイル画像をそれぞれ選択可能に表示する。本例では、編集対象画像は、全部で7枚なのでそれぞれに対応するサムネイル画像P1´〜P7´が画像選択部46に表示される。
図9に示すように、落書き部41は、入力領域40Rにおける中央部から上縁部に渡る大半の部分を占めている。この画像選択部46には、画像選択部46から選択されたサムネイル画像に対応する編集対象画像が表示される。表示される編集対象画像は表示用データに基づくものである。
図9に示す画面においては、サムネイル画像P1´が選択されており、このサムネイル画像P1´に対応する編集対象画像P1が落書き部41に表示されている。
【0075】
本実施形態の落書き部41では、その落書き部41内に表示された編集対象画像に対して、タッチペン49Rによる落書き入力や画像の貼り付けなどの編集入力を同時に受け付けるようになっている。
【0076】
パレット部43の内部には、複数種類のスタンプ画像やフレーム画像などの編集対象画像に対して合成可能な貼り付け画像が多数表示されている。
利用者Uは、所望の貼り付け画像をペン先でタッチしてから、その画像を貼り付ける編集対象画像の所定位置にペン先をタッチすることにより、所定の編集対象画像に貼り付け画像を合成することができる。
【0077】
パレット部43のタブ42には、「くり抜き」、「シャイン」、「シャドウ」などの利用者Uの嗜好に沿った複数のアイテムがある。
従って、利用者Uが所望のアイテムをペン先でタッチすると、パレット部43の内部に配列される貼り付け画像の種類が、当該アイテムの趣旨に沿って予め収集された貼り付け画像に切り替わるようになっている。
【0078】
モード選択部44には、複数種類のモード選択ボタンが配列されており、本実施形態では、「らくがきセット」、「スペシャル」、「ペン」、「スタンプ」及び「もじ」のモード選択ボタンが用意されている。
このうち、例えば、「ペン」の選択ボタンは、タッチペン49Rで描画する線の種類をパレット部43に表示させるボタンであり、「スタンプ」の選択ボタンは、タッチペン49Rで貼り付けるスタンプの種類をパレット部43に表示させるボタンである。
【0079】
コマンド選択部45には、上から順に、「終わり」、「ワンタッチクリア」、複数サイズの「消しゴム」、「すすむ」及び「もどる」の各ボタンが設けられている。
このうち、「終わり」は、タッチペン49Rによる編集入力を強制終了させるボタンであり、「ワンタッチクリア」は、1つの編集対象画像P1に対して行った編集入力をすべて取り消すためのボタンである。
【0080】
「消しゴム」は、タッチペン49Rによるペン入力を線消去のための消しゴム入力に変換するボタンである。また、「もどる」は、タッチペン49Rの編集入力を1つ取り消すボタンであり、「すすむ」は当該「もどる」処理による取り消しを戻すボタンである。
【0081】
〔トリミング編集処理〕
図10は、編集対象画像のトリミング編集処理の手順を示すフローチャートである。
上述した
図9に示す印刷用画像編集画面において、「モバイルパーツ作成」ボタン45aが選択されると(ステップS300)、モバイル端末に送信するモバイルパーツの作成処理が開始される。
【0082】
「モバイルパーツ作成」ボタン45aが選択されると(ステップS300)、第2の制御部80は、
図11に示すモバイルパーツの形状選択画面をタッチパネル400に表示する(ステップS310)。
タッチパネル400には、モバイルパーツとして、例えばヨコ(480×402)、スクエア(480×480)、タテ(480×624)、タテロング(480×800)、バナー(240×100)、及び絵文字(20×20)が表示される。また、タッチパネル400には、利用者Uにモバイルパーツの選択を促す表示がなされる。
図11に示される枠内は、各モバイルパーツにおいて上記の各種画像を表示する領域を意味する。利用者Uは、これらの中から作りたいモバイルパーツの形状を選択することができる。
【0083】
利用者Uが、タッチペン49Rで絵文字(20×20)を選択して、「決定」ボタンを選択すると(ステップS320でYES)、第2の制御部80は、
図12に示す顔画像選択画面をタッチパネル400に表示する(ステップS325)。
タッチパネル400には、各編集対象画像から顔認識手段により切り出された顔画像が表示される。本例では、編集対象画像は全部で7枚であり、それぞれに2人ずつ写っているので14枚の顔画像が選択可能に表示される。ただし、
図12に示す例では、顔画像は10枚しか表示されていないが、
図12に示す画面にはスクロールボタン(不図示)が含まれており、このスクロールボタンをタッチペン49Rでタッチすることにより、表示中の顔画像に代えて表示されていない顔画像を表示することができる。
【0084】
また、タッチパネル400には、利用者Uに絵文字にしたい顔画像の選択を促す表示がなされる。利用者Uは、この中から絵文字にしたい顔画像を、タッチペン49Rで選択して「決定」ボタンを選択することで選ぶことができる。なお、顔画像選択画面において「戻る」ボタンを選択すると、タッチパネル400の画面表示がひとつ前の形状選択画面に切り替わる。
【0085】
一方、利用者Uが、絵文字(20×20)以外のモバイルパーツの形状を選択した場合の画面遷移は同じである。例えばバナー(240×100)を選択し、「決定」ボタンを選択すると(ステップS320でNO)、第2の制御部80は、編集対象画像をトリミング枠53で切り取る(トリミングする)処理を行う(ステップS330〜S350)。
【0086】
先ず、第2の制御部80は、タッチパネル400に、バナーにおける上記の各種画像(編集対象画像や貼り付け画像等)を表示する領域(240×100の領域)内において、トリミング枠53で切り取られる編集対象画像の部分の表示範囲が1カ所か2カ所か(更にそれ以上の複数カ所か)の決定を促す表示をする(ステップS330)。
【0087】
利用者Uが、バナーにおける上記の各種画像を表示する領域52内において、トリミング範囲を1カ所のみに決定した場合、第2の制御部80は、
図13に示すバナー用のトリミング範囲選択画面をタッチパネル400に表示する(ステップS335)。
図13に示すように、入力領域40Rには、モード選択部44及びコマンド選択部45の他に、編集対象画像及びトリミング枠等が表示されるトリミング部51、トリミングされる編集対象画像を選択する画像選択部58、トリミング範囲を決定する「決定」ボタン59等が表示される。
【0088】
トリミング部51には、トリミングされる編集対象画像(例えばP1)とともに、バナーにおける各種画像を表示する領域52及びこの領域52の右半分の領域に編集対象画像P1のトリミング範囲を示すトリミング枠53が表示される。トリミング部51に表示される編集対象画像P1は表示用データに対応するものである。
トリミング枠53はトリミング部51の中央部分に配置される。バナーにおける各種画像を表示する領域52であって、トリミング枠外の部分には、予めこの領域52内に付加されるように設定されている付加画像Q1も表示される。
【0089】
タッチペン49Rにより、編集対象画像P1を選択してディスプレイ400の表面に接触させながら移動させる編集入力が行われると、第2の制御部80は、当該編集入力に応じてディスプレイ400上で編集対象画像P1を移動させて表示する。
また、トリミング部51には、編集対象画像P1をそれぞれ回転、拡大及び縮小するための「回転」ボタン54、「拡大」ボタン55及び「縮小」ボタン56が表示される。利用者Uがタッチペン49Rで「回転」ボタン54、「拡大」ボタン55又は「縮小」ボタン56を選択することで、第2の制御部80は、編集対象画像P1を回転、拡大又は縮小する。「回転」ボタン54、「拡大」ボタン55及び「縮小」ボタン56は、編集対象画像P1の移動に伴って移動する。
【0090】
第2の制御部80は、複数(
図13の例では7枚)の編集対象画像P1〜P7に対応するサムネイル画像P1´〜P7´を画像選択部58に表示するとともに、利用者Uにバナーに使用したい編集対象画像の変更が可能であることを促す。利用者Uは、バナーに使用したい編集対象画像がトリミング部51に表示されていない場合は、画像選択部58に表示されているサムネイル画像P1´〜P7´の中から所望のサムネイル画像を選択すると、選択したサムネイル画像に対応する編集対象画像をトリミング部51に表示させることができる。
【0091】
第2の制御部80は、
図13に示すように、編集対象画像P1とトリミング枠53を重ねて表示する場合に、編集対象画像P1のうちトリミング枠53で囲まれた部分だけでなく、編集対象画像P1におけるトリミング枠53で囲まれた部分以外も含む編集対象画像P1の全体をトリミング部51に表示する。ただし、
図13に示すように、編集対象画像P1において、トリミング枠53に囲まれた部分の領域の表示態様は、トリミング枠53に囲まれた部分以外の表示態様よりも目立つようにすることがより好ましい。これにより、編集対象画像P1のどの部分がトリミング範囲であるのかを明確に利用者に示すことができる。
【0092】
利用者Uは、トリミング枠53に対する編集対象画像P1の相対的な移動、回転、及び拡大縮小の少なくとも1つの編集入力により、所望の編集対象画像P1の部分をトリミング枠53で囲まれたトリミング範囲に表示させて、「決定」ボタン59を選択することができる。
「決定」ボタン59が選択されると、第2の制御部80は、トリミング枠53で囲まれるように選択された当該編集対象画像P1の部分を切り取る(トリミングする)(ステップS335)。
【0093】
具体的には、第2の制御部80は、編集対象画像P1の表示用データから、トリミング枠53で選択された編集対象画像P1の部分に対応する表示用データを生成してメモリ80aに保存し、編集対象画像P1の上記部分のみをトリミング部51に表示する。さらに、第2の制御部80は、メモリ80aに、
図13に示すトリミング範囲選択画面が表示されてから「決定」ボタン59が選択されるまでに行われた上記移動、回転、及び拡大縮小並びにトリミング範囲の決定の処理内容を処理順に記憶する。
【0094】
一方、上述のステップS330において、利用者Uがバナーにおける各種画像を表示する領域52(240×100の領域)内でトリミング範囲を2カ所選択した場合、第2の制御部80は、
図14に示すバナー用のトリミング範囲選択画面をタッチパネル400に表示する(ステップS340〜S350)。
【0095】
第2の制御部80は、
図14に示すように、バナーにおける各種画像を表示する領域52の右半分の領域に第1トリミング枠53Aを表示するとともに、左半分の領域に第2トリミング枠53Bを表示する。また、第2の制御部80は、トリミング部51に所定の編集対象画像(例えばP1)を表示する。
【0096】
第2の制御部80は、
図13のトリミング選択画面と同様に、複数のサムネイル画像P1´〜P7´を画像選択部58に表示するとともに、利用者Uにバナーの右半分の部分に使用したい編集対象画像の変更が可能であることを促す。利用者Uは、バナーの右半分の部分に使用したい編集対象画像がトリミング部51に表示されていない場合は、画像選択部58に表示されているサムネイル画像P1´〜P7´の中から所望の画像を選択することにより、選択したサムネイル画像に対応する編集対象画像をトリミング部51に表示させることができる。
【0097】
そして、先ず、上述のステップS335(
図13)の処理と同様に、第2の制御部80は、トリミング部51の中央部分に配置された第1トリミング枠53Aに対する編集対象画像の相対的な移動、回転、及び拡大縮小の少なくとも1つの編集入力により、第1トリミング枠53Aで囲まれるように選択された編集対象画像の部分CP1を切り取る(ステップS340)。
【0098】
具体的には、第2の制御部80は、編集対象画像の表示用データから、トリミング枠53Aで選択された編集対象画像P1の部分に対応する表示用データを生成してメモリ80aに保存し、編集対象画像P1の上記部分CP1のみをトリミング部51に表示する。さらに、第2の制御部80は、
図13で説明したのと同様に、メモリ80aに、上記移動、回転、及び拡大縮小並びにトリミング範囲の決定の処理内容を処理順に記憶する。
【0099】
第2の制御部80は、編集対象画像P1の上記部分CP1に対応する表示用データに基づき、編集対象画像P1のうちの選択された当該部分CP1のみを表示する。
次に、第2の制御部80は、画像選択部58に表示された複数のサムネイル画像P1´〜P7´の中から、第2トリミング枠53Bでトリミングしたい編集対象画像(
図14の例では編集対象画像P3)に対応するサムネイル画像を選択するように利用者Uに促す。
【0100】
また、第2の制御部80は、
図14に示すように、第2の制御部80は、第2トリミング枠53Bをトリミング部51の中央部分に表示する。
利用者Uがバナーの左半分の部分に使用したい編集対象画像P3に対応するサムネイル画像P3´を選択すると、第2の制御部80は、トリミング部51に編集対象画像P3を表示する。
第2の制御部80は、第2トリミング枠53Bに対する編集対象画像P3の相対的な移動、回転、及び拡大縮小の少なくとも1つの編集入力により、第2トリミング枠53Bで囲まれるように選択された編集対象画像P3の部分を切り取る(ステップS350)。
【0101】
具体的には、第2の制御部80は、編集対象画像P3の表示用データから、トリミング枠53Bで選択された編集対象画像P3の部分に対応する表示用データを生成してメモリ80aに保存する。また、第2の制御部80は、編集対象画像P3の上記部分のみをトリミング部51に表示し、メモリ80aに、編集対象画像P3に関する上記移動、回転、及び拡大縮小並びにトリミング範囲の決定の処理内容を処理順に記憶する。
【0102】
図15は、ステップS310のモバイルパーツの形状選択において、携帯電話の待ち受け画面に使用する形状であるタテ(480×624)が選択された場合の、トリミング範囲選択の画面を示す。
図15に示すように、モバイルパーツの形状選択の他の例として、タテ(480×624)が選択されると、第2の制御部80は、トリミング部51にタテ用の形状を有するトリミング枠53を表示して上述と同様のトリミング範囲選択の処理を行う。
図15に示す例では、
図13に示した例とは異なり、作成する画像と同じ形状(480×624)の範囲を、選択された編集対象画像からトリミングする。その他のトリミングする手順等については
図13と同じなので説明は省略する。
【0103】
図10の説明に戻る。
ステップS325において、顔画像が選択されるか、或いはステップS335又はステップS350において、選択された編集対象画像の部分が切り取られる(トリミングされる)と、第2の制御部80は、顔画像や選択された編集対象画像の部分に落書き(描画)等の編集を行うモバイルパーツ編集画面をディスプレイ400に表示する(ステップS360)。
【0104】
図16は、
図13で説明したトリミング範囲選択画面に対応するモバイルパーツ編集画面の一例を示す図である。
モバイルパーツ編集画面は、トリミングされた編集対象画像を含む領域52に対して編集操作が行われるが、その編集操作は、
図10で説明した印刷用画像編集画面のそれとほぼ同じであり、画面構成もほぼ同じであるので違いのみを説明する。違いとしては、「モバイルパーツ作成」ボタン45aの代わりに「通常のらくがきに戻る」ボタン45bが設けられている点である。そして、さらなる違いとしては、「アニメーションチェック」ボタン62と、「2つ目を編集」ボタン60と、「カタチを変更する」ボタン61とが設けられている点である。
「アニメーションチェック」ボタン62が選択されると、領域52に対してなされた落書きが動画像を含むものである場合は、動画像で構成された落書き部分がアニメーション表示される。
【0105】
ステップS360において、「2つ目を編集」ボタン60が選択される(ステップS370でYES)と、
図16の例で説明すると、第2の制御部80は、モバイルパーツ編集画面に含まれる編集対象画像P1の出力用データ及び上記処理内容(トリミング範囲を決定する際の移動や拡大縮小、回転の順番を示す情報)に基づき、編集対象画像P1のトリミング範囲として選択された部分CP1(
図16参照)に対応するトリミング済出力用データを生成する。そして、第2の制御部80は、当該トリミング済出力用データと、編集入力された落書きや貼り付け画像のデータ(以下、「入力画像データ」という)と、モバイルパーツの作成領域(例えば、バナーにおける画像を表示する領域52)内におけるこれらのデータに対応する画像の位置を指定するためのデータ(以下、「画像配置データ」という)を生成する。さらに、第2の制御部80は、トリミング済出力用データ、入力画像データおよび画像配置データを出力ユニット5に送信し、ステップS300へ戻り、2つ目のモバイルパーツの作成処理を行う。
【0106】
また、ステップS360において、「カタチを変更する」ボタン61が選択されると、第2の制御部80は、1つ目の編集済み画像に関する上記処理内容等のデータを破棄して、ステップS300へ戻り、モバイルパーツの作成処理をやり直す(ステップS370でYES)。
【0107】
一方、ステップS360において、「通常のらくがきに戻る」ボタン45bが選択される(ステップS370でNO)と、
図9の印刷用画像編集画面に切り替わり、モバイルパーツ作成処理が終了する(ステップS380)。このとき、第2の制御部80は、上記と同様、切り替わる前のモバイルパーツ編集画面等においてなされた利用者の操作に基づいて、トリミング済出力用データ、入力画像データおよび画像配置データを作成する。作成されたデータは、出力ユニット5に送信される。なお、モバイルパーツ撮影処理の終了およびトリミング済出力用データ等の生成は、「通常のらくがきに戻る」ボタン45bの選択だけでなく、「終わる」ボタンの選択、および、タイマーの再設定時間が0になったことをトリガーにしている。「終わる」ボタンおよびタイマーの再設定時間に関しては、
図8にて説明したとおりなので説明は省略する。
【0108】
〔出力処理〕
出力ユニット5の第3の制御部90は、トリミング済出力用データ、入力画像データおよび画像配置データを受信すると、これらを紐づけたデータを第3の制御部90のメモリ90aに保存する。また、このデータに基づく携帯送信用画像(
図16のモバイルパーツ編集画面で編集された画像であって、トリミング済出力用データを利用した画像)を生成してメモリ90aに保存する。
【0109】
第3の制御部90は、利用者Uによる出力操作により、携帯送信用画像をモバイル端末に対して非接触通信部94から出力する。また、携帯送信用画像と、この携帯送信画像に係るトリミング済出力用データ、入力画像データおよび画像配置データを含むデータとを、インターネットを介してサーバに送信する。サーバは、モバイル端末からのアクセスおよび指示に基づいて、携帯送信用画像をモバイル端末に送信する。携帯送信用画像は、受信したトリミング済出力用データ、入力画像データおよび画像配信データに基づいてサーバで作成することもできる。これにより、高精細な画像を利用者はモバイル端末で取得することができる。
【0110】
ところで、第3の制御部90は、印刷用画像編集画面(
図9参照)に関する出力用データ、入力画像データおよび画像配置データを第2の制御部80から受信しており、これらのデータを紐づけたデータをメモリ90aに保存する。また、このデータに基づいて印刷用画像(印刷用画像編集画面で編集された画像であって、出力用データを利用した画像)を生成する。そして、印刷用画像を印刷した写真シール等を印刷出力部92から出力する。これにより、高精細な画像が印刷された写真シールを利用者は取得することができる。
なお、第3の制御部90は、携帯送信用画像および印刷用画像を上記のように利用者に提供するだけでなく、携帯送信用画像を写真シールに印刷することもできるし、印刷用画像を携帯端末やサーバに送信することもできる。
【0111】
〔変形例〕
上述のトリミング編集処理では、第2の制御部80は、予め、メモリ80aにトリミング範囲選択のための編集対象画像に関する移動等の処理内容を処理順に記憶させておき、これに基づいて、当該編集対象画像の出力用データから編集済み画像の出力用データを生成する。
しかし、編集済み画像の出力用データを生成する構成はこれに限定されない。例えば、第2の制御部80は、編集対象画像に対する移動等の編集入力ごとに、表示用データに対する演算・加工処理と並行して、出力用データに対しても演算・加工処理を逐一行うことで編集済み画像の出力用データを生成してもよい。また、その他の方法で生成してもよい。
【0112】
さらに、上述のトリミング編集処理では、編集済み画像の出力用データを編集処理部8の第2の制御部80が生成するが、出力処理部9の第3の制御部90がこの処理を行ってもよい。
【0113】
また、上述した実施形態では、トリミングする画像である編集対象画像として被写体の画像に背景画像等が合成されたものとして説明したがこれに限らない。背景画像等が合成されていない被写体のみの画像(上述の被写体画像)とすることもできる。
【0114】
また、上述した実施形態では、絵文字(20×20)の画像の基となる顔画像を選択する際に、
図12に示した顔画像選択画面を用いたがこれに限らない。例えば、
図17に示す顔画像選択画面とすることもできる。
図17は、変形例に係る顔画像選択画面を示す図である。
この顔画顔画像選択画面には、上述したサムネイル画像P1´〜P7´を選択可能に表示する画像選択部101が含まれる。さらに、顔画像選択画面には、選択されたサムネイル画像に対応する編集対象画像に含まれるすべての顔画像が、選択可能に表示される顔画像選択部102が設けられる。
【0115】
図17に示す例では、利用者は、タッチペン49RによってサムネイルP1´を選択すると、編集対象画像P1からそれに含まれる2つの顔画像が切出され、切出された2つの顔画像が画像選択部101に表示される。そして、利用者は、画像選択部101に表示された2つの顔画像の中から編集するものをタッチペン49Rを用いて選択する。
このような構成によれば、編集対象画像にたくさんの顔が含まれていたとしても、タッチパネル400の表示範囲内に表示することができる。利用者は効率的に顔画像を選択することができる。
【0116】
また、上述した実施形態では、トリミングする編集対象画像の表示サイズを変更するために「拡大」ボタン55および「縮小」ボタン56(
図13等参照)を備えているが、この代替えとして
図18に示す「拡大・縮小」ボタン111a〜111dを設けてもよい。
「拡大・縮小」ボタン111a〜111dは、トリミングする編集対象画像の四隅に1つずつ配置される。
【0117】
利用者は、「拡大・縮小」ボタン111a〜111dのいずれかをタッチペン49Rでタッチし、所定の方向にスライドさせることにより編集対象画像の表示サイズの拡大・縮小を行う。
図18に示す例では、タッチペン49Rで「拡大・縮小」ボタン111dをタッチしている。「拡大・縮小」ボタン111aに近づけるようにタッチペン49Rをスライドさせることで編集対象画像P1の表示サイズが小さくなり、「拡大・縮小」ボタン111aから遠ざかるようにスライドさせることで編集対象画像P1の表示サイズが大きくなる。このとき、「拡大・縮小」ボタン111aが配置される編集対象画像P1の隅の位置は変更されない。
このような構成とすることで、利用者はトリミングする編集対象画像P1の表示サイズの変更を直観的に行うことができ、容易にトリミング範囲を設定することができる。
【0118】
また、上述した実施形態において、
図19に示すように、トリミング枠53の範囲内の一部に編集対象画像P1が含まれないような非表示領域がある状態でトリミングを行うと、範囲53aが編集対象画像P1から切り出されるが、この切り出された画像のサイズは、
図11にて選択されたサイズ(480×624)とは異なる。そこで、トリミング枠53内の非表示領域に対応する部分53bに所定の画像を追加して、切り出された画像と当該所定の画像とを合体させて選択されたサイズ(480×624)にする。
【0119】
また、上述した実施形態において、トリミング枠53を利用者の指示に基づいて、移動、拡大・縮小あるいは回転のいずれか1つの処理を行うようにすることもできる。ただし、トリミング枠53の位置等を固定した後に、上述したような編集対象画像を動かす処理を行うようにすることが好ましい。これにより、利用者は、編集対象画像のトリミング範囲をより正確に設定できるようになる。
【0120】
また、上述した実施形態では、表示用データと出力用データを用意したが、表示用データだけ用意することもできる。この場合、編集対象画像のトリミングを行う際に、表示用データからトリミングを行いトリミング画像を生成する。このトリミング画像を生成に関しては、表示用データと出力用データとの対応関係を演算する必要がないので、コンピュータに対する負荷を低減することができ、ゲームの速度を高めることができる。これにより、回転率を向上させることができる、という効果がある。
【0121】
〔編集処理部の効果〕
以上の通り、本実施形態の編集処理部8(編集ユニット4)では、第2の制御部80がトリミング枠53,53A,53Bに対する編集対象画像P1〜P7の相対的な移動、回転、及び拡大縮小の少なくとも1つの編集入力により、トリミング枠53,53A,53Bで囲まれるように選択された編集対象画像P1〜P7の部分を、画像データとしてメモリ80a,90aに記憶させる構成である。
【0122】
このため、利用者Uは、トリミング枠53,53A,53Bに対して編集対象画像P1〜P7を相対的に移動、回転させてトリミング範囲を選択することができるため、視線を移動させたり、顔を傾けずともトリミング枠53,53A,53Bで切り取られる画像の出来栄えを確認することができる。さらに、利用者Uは、トリミング枠53,53A,53Bに対して編集対象画像P1〜P7を相対的に拡大縮小させてトリミング範囲を選択することができるため、トリミング枠53,53A,53Bで切り取られる画像の画質の程度を認識することができる。また、編集対象画像P1〜P7の詳細な部分も精度良く選択することができる。
したがって、編集対象画像P1〜P7に対してトリミング枠53,53A,53Bを相対的に移動、回転又は拡大縮小させてトリミング範囲を選択する場合に比べて、利用者Uは、トリミング枠53で切り取られる画像の出来栄えを認識し易い。
【0123】
本実施形態の編集処理部8(編集ユニット4)は、編集操作用のタッチパネル400は、編集対象画像P1〜P7とトリミング枠53,53A,53Bとを重ねて表示する場合において、編集対象画像P1〜P7におけるトリミング枠外の部分も表示する。
このため、利用者Uは、トリミング範囲以外の部分を含んだ編集対象画像P1〜P7全体を見ながら編集対象画像P1〜P7の移動等の操作を行うことができるため、トリミング範囲の選択を容易に行うことができる。
【0124】
本実施形態の編集処理部8(編集ユニット4)では、メモリ80a,90aに記憶された画像データを出力する印刷出力部92及び非接触通信部94を更に備え、画像データとして、編集操作用のタッチパネル400に表示される表示用データと、表示用データの画像より高精細な画像に対応する出力用データとが記憶されており、印刷出力部92及び非接触通信部94は出力用データを出力する。
このため、表示用データに対応する画像よりも高精細な出力用データに対応する画像を利用者Uに提供することができる。
【0125】
本実施形態の編集処理部8(編集ユニット4)では、編集操作用のタッチパネル400は、編集対象画像P1〜P7及びトリミング枠53以外に、バナーにおける画像を表示する領域52内であってトリミング枠53外の部分と、この部分に予め設定された付加画像Q1を表示する。
このため、利用者Uは、付加画像Q1と編集対象画像P1〜P7との相対的な位置関係を確認しながら、仕上がり具合を予想してトリミング範囲を選択することができるため、所望の編集済み画像を得ることができる。