(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5988035
(24)【登録日】2016年8月19日
(45)【発行日】2016年9月7日
(54)【発明の名称】機械式駐車塔の昇降駆動装置
(51)【国際特許分類】
E04H 6/18 20060101AFI20160825BHJP
【FI】
E04H6/18 601C
【請求項の数】4
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2012-289389(P2012-289389)
(22)【出願日】2012年12月19日
(65)【公開番号】特開2014-122528(P2014-122528A)
(43)【公開日】2014年7月3日
【審査請求日】2015年8月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000237835
【氏名又は名称】富士変速機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】遠山 幸彦
【審査官】
河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−030186(JP,A)
【文献】
特開平05−270799(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 6/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降空間をガイドレールの案内で昇降する昇降リフトと、昇降空間に隣接して複数階に設けた駐車室と、駐車室に配置して昇降空間を往復動する横行トレイと、該昇降リフトと横行トレイとにより車両を入出庫する立体駐車塔の該昇降リフトを吊下げる昇降駆動部において、
昇降駆動部の出力軸を左右に突出して、該出力軸から延出するカウンタシャフトを備え、該カウンタシャフトは、出力軸にジョイントを介して傾斜して連結し、スプロケットを固着して左右一対にローラチェンを巻回し、
前記相対する左右のローラチェンは、前記ガイドレールと前記スプロケット間を傾斜する配置にすることを特徴とする機械式駐車塔の昇降駆動装置。
【請求項2】
前記カウンタシャフトは、減速機の出力軸にジョイントを介して傾斜させてスプロケットを固着し、ローラチェンによりウェイトを出力軸寄りにして吊下げることを特徴とする請求項1記載の機械式駐車塔の昇降駆動装置。
【請求項3】
前記ローラチェンは、一端側に昇降リフトを吊下げるガイドレールの上方に第一吊下げ軸と第二吊下げ軸を備え、他端側のウェイトを吊下げるカウンタシャフトと平行に各軸心を配置して巻回することを特徴とする請求項2記載の機械式駐車塔の昇降駆動装置。
【請求項4】
前記ウェイトは、昇降リフトの長手方向に対して傾斜させて配置することを特徴とする請求項3記載の機械式駐車塔の昇降駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体駐車塔の車両を搬送する昇降リフトを巻き上げる巻き上げ機のカウンタシャフトにジョイントを介して傾斜させローラチェンを内側に取り込むことで、昇降駆動力を軽減するウェイトの形状・材質・配置等の設計自由度を拡げることでレイアウトを容易にし、巻き上げ機の寸法を小型化することができるので、駐車塔の平面を小さくする昇降駆動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の立体駐車装置の昇降駆動部は、昇降空間を昇降する昇降リフトと、昇降空間に隣接した駐車室と、駐車室と昇降空間とを横行可能にした横行トレイと、により車両を受け渡し可能に複数階に形成したものである。この昇降空間は、車両より大きくした矩形状の昇降リフトが昇降する空間であり、地上面には出入口を備えた乗込床として昇降リフトと乗込床とが一体になり車路を形成している。この昇降リフトは、立体駐車装置の上部に配置した昇降駆動部から左右と前後の4箇所に索状体で吊下げられ、昇降駆動の駆動回転で巻上げ・巻戻しの動作をする。昇降駆動部は、モータを駆動源にして高出力に変速する減速機を中央にして、左右の車幅方向に一線状にカウンタシャフトを突出させて、索状体を左右平行に配置して、このカウンタシャフトを中心に、一方側を昇降リフトで他方側をウェイトにして吊下げている。このウェイトは、吊下げる位置を出入口にすることで、立体駐車装置の平面をより効率良く使用でき、広めの敷地面積に対応できる構成にしている。
【0003】
乗込場は、前記昇降空間の地上面には出入口を備えた車路として、左右を床面として乗降者の通路にしている。昇降空間に隣接する複数階は、駐車室として車両を収納することができる。ウェイトは、昇降リフトに車両を搭載したときの重量にすることで吊り合いを均等にして、モータに負担を掛けない省エネの機構とし、出入口の左右位置に吊下げている。乗込場は、車両が容易に乗込める間口を有した乗込床と人の通路を備え、昇降空間の4隅には昇降リフトを案内するガイドレールが立設されて、このガイドレール間を通過して乗入れ乗出しするもので、乗込床を回転して車両方向を変えるターン装置を備えることもできる。
【先行技術文献】
【0004】
【特許文献1】 特開2005−30186号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
昇降駆動部は、減速機から左右に突出するカウンタシャフトを建て方に合わせて、壁面に平行に配置されている。索状体は、左右のカウンタシャフトの長手方向に合わせて直角に交差させている。ウェイトの配置は、索状体を中心位置に支持して、建て方の壁面に沿って配置される。ウェイトの形状は、従動滑車または動滑車の採用により、昇降リフトと車重を合わせた重量またはその重量の2倍の3トン〜4トンを必要として、四角柱状が円柱状にしてかなり広い場所に吊下げる空間を確保しなければならないし、この場所には出入口を下方位置にするのが最適である。
【0006】
しかし、限られた設置面積に設置するには、ウェイトの形状も重量も変えることができずにウェイトを小型化するために、鉛等の高比重の材質にしてスペースを設けるようにするが、ウェイトにコストが掛る欠点があった。ウェイトは、昇降リフトが最上階に達すると、従動滑車の機構では出入口がある地上面まで到達し、動滑車にしても体積を2倍にするため、さらに面積を備える必要があり、しかも地上面にある出入口の天井に接する位置に到達して危険であることから、どうしてもスペースを拡げなければならないウェイトの吊下げ機構の欠点があった。
【0007】
本発明では、ウェイトの吊下げ位置を、立体駐車塔の外周辺を囲う壁面に沿った平面から見て左右平行に配置されているものを、カウンタシャフトを傾斜させることで、内側へ斜め方向に配置するウェイトにすることで、ウェイトの形状・配置に設計の自由度ができるので、安価な材質にすることも検討することができ、出入口を安全な位置に確保して削除するスペースができ、カウンタシャフトの設置面積も長さを傾斜することで、新たに削除する駆動部のスペースができることで、平面を前記削除分だけ小型化することができ、設置面積を最小にすることができる立体駐車塔を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明では、昇降空間をガイドレールの案内で昇降する昇降リフトと、昇降空間に隣接して複数階に設けた駐車室と、駐車室に配置して昇降空間を往復動する横行トレイと、該昇降リフトと横行トレイとにより車両を受け渡しして、入出庫を可能にする立体駐車塔の該昇降リフトを吊下げる昇降駆動部である。この昇降駆動部は、出力軸を左右に突出させて、ジョイントを介して傾斜した連結でカウンタシャフトを延出している。
このカウンタシャフトには、スプロケットを固着して左右一対にローラチェンを巻回し、この相対する左右の一対のローラチェンがガイドレールとスプロケット間を傾斜する配置にする構成とする。
【0009】
請求項2の発明では、請求項1のカウンタシャフトは、減速機の出力軸にジョイントを介して内側に傾斜させてスプロケットを固着する。スプロケットに巻回するローラチェンは、ウェイトの中心を支持して、出力軸寄りに吊下げる構成とする。
請求項3の発明では、請求項2のローラチェンは、一端側に昇降リフトを吊下げるガイドレールの上方に第一吊下げ軸と第二吊下げ軸とを備え、他端側のウェイトを吊下げる。この第一・第二吊下げ軸の軸心は、傾斜したカウンタシャフトの軸心と平行に配置して、ローラチェンを巻回する構成とする。
請求項4の発明では、請求項3のウェイトは、昇降リフトの長手方向に対して傾斜させて吊下げる配置にする構成とする。
【0010】
請求項1の構成では、昇降駆動部のカウンタシャフトを出力軸と一線状から傾斜することで、昇降駆動部の全長が短くなり、吊下げるウェイトを傾斜することで間口を縮小することができる作用がある。
請求項2の構成では、ウェイトをカウンタシャフトと平行に吊下げることで、出入口を外して吊下げることができる作用がある。
請求項3の構成では、カウンタシャフトと第一・二吊下げ軸と平行にすることで、ローラチェンを第一吊下げ軸と第二吊下げ軸に直角方向に配置することができる作用がある。
請求項4の構成では、昇降リフトの長手方向に平行する面に対してウェイトの支持部を傾斜することで、出入口をより広げることができる作用がある。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明では、ウェイトの形状・材質・配置等の設計に自由度が増え、駐車塔の設置面積を少なくできる効果がある。
請求項2の発明では、ウェイトの昇降位置を出入口から外した位置に設置することができる効果がある。
請求項3の発明では、カウンタシャフトを傾斜しても、ローラチェンを直角に第一・二吊下げ軸に巻回するので、ローラチェンの速度を上げても安全に吊下げることができる効果がある。
請求項4の発明では、乗込場の昇降リフトに車両が乗入れを容易にする効果がある。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、エレベータ式の駐車塔1であり、地上面GLに出入口21を備え、この出入口21から乗入れる乗込場Sを備え、乗込場Sの中央に車両Cを昇降する昇降リフト2を配置し、左右を平面の床面12にしている。昇降リフト2は、昇降する空間を昇降空間Eとして、矩形状で四隅に昇降を案内する溝型鋼のガイドレール5を立設して、このガイドレール5によりピットPから最上階まで案内して昇降する。乗込場Sの上段には、昇降空間Eに隣接して複数階に駐車室Xが備えあり、入庫車両Cを収納することができる。
【0014】
乗込場Sの昇降空間Eは、昇降リフト2が立体駐車塔1の最上部に設置された昇降駆動部4からローラチェン6を介して吊下げられた昇降リフト2が車路を形成して、車両Cを搭載して複数階の駐車室Xに搬送して、駐車室Xの横行トレイ3と昇降リフト2とが昇降空間Eで受け渡して横行トレイ3を収納することで入庫することができる。昇降駆動部4は、モータ14の回転を減速機13により低速で高トルクの回転に変速され、ローラチェン6を介して一端に昇降リフト2を吊下げ、他端にウェイト24を吊下げて中間で駆動回転する駆動力の負荷を軽減して、少ない容量のモータで駆動することができる。ウェイト24の吊下げ位置は、出入口21の上部をウェイト昇降室22にするレイアウトにすることが最小の設置面積にすることができる。
【0015】
図1は、立体駐車塔1の出入口21を昇降リフト2の長手方向に対して直角方向から乗入れ乗出しする90度ターン式であり、昇降空間Eにターン装置8が備えてある乗込場Sにして、地上面GLに出入口21があり、車両Cが通行する車路を形成して、水平で平面な床面12にしている。立体駐車塔1は、エレベータ式であり、パレットに車両Cを搭載して搬送するパレット式の機構でもよいが、櫛歯状のリフトフォーク10とトレイフォーク11との受け渡しのフォーク式に採用してもよく、本実施形態ではフォーク式の機構の地上面GL上に駐車室Xを備えた一実施例について説明するが、地下式のものでも中間乗込みタイプのものでも採用することができる。
【0016】
立体駐車塔1は、外周面をボード・鋼板等の壁面23で覆われ、内部の装置・車両を環境の雨・風・気温・大気等から保護している。床面12の説明は、90度ターン方式の実施形態で行うが、
図1の乗込場Sの図を昇降リフト2の長手方向に乗込む閉鎖床7を示すものにしている。地上面GLには、出入口21を備えた乗込場Sを備え、昇降空間Eに旋回するターン装置8を備え、出入口21方向にターン装置8の長手方向を向けて乗込み待機状態にしている。この乗込み待機状態は、ターン装置8が出入口21に合わせた車路を形成して、この車路の左右の床面12を車路と同じ高さの平面にする閉鎖床7が備えてあり、ピットPから昇降とスライドの動作をして昇降リフト2を覆うように閉鎖する床面にして、高さ位置をターン装置8に隣接した平面の通路にする。
【0017】
車両Cがターン装置8に乗入れると、平面を形成していた閉鎖床7は降下とスライドにより昇降リフト2を現せて、ターン装置8を旋回可能な高さに上昇して昇降リフト2と同方向に旋回する。昇降リフト2は、上昇してターン装置8の車両Cを受け取り駐車室Xに停止して、この駐車室Xから横行トレイ3が昇降空間Eに横行して昇降リフトの下段位置に停止し、昇降リフト2が下降して車両Cを横行トレイ3に移載する。移載は、昇降リフト2のリフトフォーク10と横行トレイ3のトレイフォーク11とがすれ違うことで、櫛歯形状の相互の櫛歯間を通過して受け渡しすることができる。
【0018】
昇降リフト2は、最上段に設置された昇降駆動部4からローラチェン6で吊下げられて、ガイドレール5に案内されて昇降する。ローラチェン6は、昇降駆動部4のカウンタシャフト17のスプロケット18を中心に巻回して、一端に昇降リフト2を吊下げ、他端にウェイト24を吊下げて、バランスを取りモータ14の負荷を軽減することができる。ウェイト24は、ローラチェン6により動滑車でウェイト昇降室22に吊下げてあり、昇降リフト2の昇降距離の半分の距離で昇降し、重量も3〜4トンあり、体積も大きく安全のために出入口21の上空に掛ることがないように傾斜させて配置している。
【0019】
図2は、乗込場Sと昇降駆動部4を説明する平面図であり、昇降リフト2を昇降空間Eの左右に配置して両端をガイドレール5内に摺動可能にローラチェン6で吊下げている。乗込場Sは、昇降リフト2を地上面GLより下降して、閉鎖床7によりターン装置8と地上面GLを同一高さにして平面の床面12にして、車路と通路を形成している。
出入口21は、昇降リフト2の長手方向に直角方向に配置されている。ローラチェン6は、安全率を高めるために複数本で構成させ、一端をガイドレール5内の吊下げ部材9を吊下げ、ガイドレール5の上端に第一吊下げ軸19と第二吊下げ軸20により支持されている。他端は、カウンタシャフト17のスプロケット18に巻回して、ウェイト24の中心に複数本をカウンタシャフト17の軸心と平行に一線上に並べて支持して吊下げ、出力軸15を中心にして正負回転の負荷を軽減するためにウェイト24の重量でバランスをとってモータ14の出力を小さくしている。
【0020】
昇降リフト2は、車幅方向の左右に2分割して前後端をガイドレール5内に挿入してローラチェン6で吊下げられる。昇降駆動部4は、減速機13から出力軸15を昇降リフト2に沿って突出させ、ジョイント16を介してカウンタシャフト17を略3.5度傾斜させてスプロケット18を駆動回転させる。この駆動回転は、減速機13に入力回転するモータ14によりインバータ制御で低速から高速回転をスムーズに伝達して、スプロケット18を回転してローラチェン6を巻回する。スプロケット18は、ローラチェン6を巻回方向に直角に軸着した正規の状態であり、ガイドレール5上端の第一吊下げ軸19と第二吊下げ軸20の軸心方向が平行にしてスムーズに高速回転を可能にしている。
【0021】
ウェイト24は、ローラチェン6を動滑車にしてスプロケット18の軸心と平行に巻回して、重量を昇降リフト2に搭載した車両Cとの2倍に設定して、コンクリート・金属製にして体積もあり、ウェイト昇降室22に出入口21の正面に対して略3.5度傾斜することで、出入口21の幅を拡げることができる。カウンタシャフト17は、減速機13から両側に延出して同回転するもので、左右に分割した昇降リフト2を平行に水平に昇降することができる。
【0022】
乗込場Sは、昇降リフト2の車両Cを搭載する方向に対して90度方向に出入口21を備えている。出入口21は、車両Cを立体駐車塔1に入出庫するために乗入れと乗出しができる乗込場Sの開口部であり、乗込場Sには車両Cを乗入れるターン装置8を旋回可能に配置している。ターン装置8は、出入口21に長手方向を向け、下段に昇降リフト2を下降してターン装置8と同高さ位置に閉鎖床7をスライドして配置する。閉鎖床7は、昇降リフト2を覆うようにスライドして乗込場Sの床面を隙間の無い平面にして人の通行を可能にする。
【0023】
(入庫動作の説明で主に車両の受け渡し)
車両Cを立体駐車塔1に入庫するには、出入口21からターン装置8に乗込んで人を出入口21から退避させ、車両を搭載したターン装置8が上昇して90度旋回を始めると閉鎖床7が下降とスライド動作で収納することで、昇降リフト2をピットPに出現させる。旋回したターン装置8は、昇降リフト2と同方向にして、昇降リフト2を上昇することでターン装置8から車両Cを受け取り、指定の駐車室Xより上方まで上昇させる。駐車室Xには、横行トレイ3が配置されて、昇降空間Eまで往復動可能にしている。横行トレイ3は、トレイフォーク11を中央から左右に櫛歯形状に突出して備えている。
【0024】
昇降リフト2は、横行トレイ3の両側からリフトフォーク10を内側に向けて櫛歯形状に突出させている。昇降空間Eには、昇降リフト2の下段に横行トレイ3を移動させ、昇降リフトを下降させることで、横行トレイ3に車両Cを移載することができる。昇降リフト2は、そのまま下降して、乗込場Sのターン装置8の下段のピットPで停止する。車両Cを搭載した横行トレイ3は、元の駐車室Xに収納されることで入庫を完了する。
【0025】
(出庫動作の説明で主に昇降駆動部)
指定した駐車室Xの横行トレイ3は、昇降空間Eに移動する。乗込場Sで待機する昇降リフト2は、昇降駆動部4の回転でローラチェン6を巻き上げて上昇し、反対にバランスを取るウェイト24がウェイト昇降室22に下降する。ウェイト室22は、第一吊下げ軸19より略3.5度内側に傾斜しているので、内側に間口を縮小することができる。ローラチェン6は、昇降リフト2のガイドレール5内に一端を固着して、3.5度に傾斜した第一・二吊下げ軸19・20に巻き掛けてあり、駆動回転するスプロケット18に巻回している。スプロケット18は、モータ14を低速回転から高速回転に制御するインバータを備え、このモータの回転を入力する減速機13により低回転の高トルクに変速して出力軸15に伝達し、ジョイント16により傾斜させカウンタシャフト17を駆動回転することでローラチェン6を巻き掛ける。ウェイト24は、傾斜して出入口21の側面の上方位置を昇降しているので、もしも地上面GLに近づいて下降したときも安全である。
【0026】
横行トレイ3は、昇降リフト2が上昇して車両Cを受け取ると、駐車室Xに収納されて空車状態になる。車両Cを搭載した昇降リフト2は、乗込場Sまで降下して、ターン装置8に移載してピットPに停止する。ターン装置8は、車両Cを昇降リフト2より受け取り搭載した状態で、周辺の閉鎖床7より上昇して出入口21に車両Cの前部を向けるように旋回して閉鎖床7と同高さに下降する。この閉鎖床7は、昇降リフト2がピットPに下降した時、床面12を上昇させてスライドすることで、昇降リフト2のリフトフォーク10の間隙を覆い隙間の無い平面床を形成し、ターン装置8と一体のバリアフリータイプの床面12を形成する。車両Cの乗降者は、安全に形成された閉鎖床7を通路にして車両Cに乗込んで運転して乗出すことで出庫の完了となる。
ウェイト24の形状は、断面平面形状を四角形状の説明をしてきたが、四角に限定するものではなく三角形状でも、台形形状でもレイアウトに自由度をつけて設計できるようにカウンタシャフト17を傾斜するものである。
【符号の説明】
【0027】
1 立体駐車塔
2 昇降リフト
3 横行トレイ
4 昇降駆動部
5 ガイドレール
6 ローラチェン
7 昇降床
8 ターン装置
9 吊下げ部材
10 リフトフォーク
11 トレイフォーク
12 床面
13 減速機
14 モータ
15 出力軸
16 ジョイント
17 カウンタシャフト
18 スプロケット
19 第一吊下げ軸
20 第二吊下げ軸
21 出入口
22 ウェイト昇降室
23 壁面
24 ウェイト
E 昇降空間
X 駐車室
S 乗込場
C 車両
P ピット
GL 地上面