【実施例1】
【0014】
本発明に係る光コネクタプラグ1は、主にLC形の開口部を有するアダプタ若しくは光製品等に嵌合される、例えば、シャッター付きLC形プラグなどのLC形プラグである。該光コネクタプラグ1は、
図9−A、
図9−Bにおいて示すパネル等に固定されるLC形アダプタ11,13に嵌合されるものであって、嵌合時に前記LC形アダプタ11,13の開口部12,14の縁部に、
図1(A)に示すフロントハウジング2の突起部2aが当接することで、該突起部2aを外周部に一体に形成している前後方向に移動自在な筒状のフロントハウジング2が後方移動せしめられる。
【0015】
それにより、
図1(B)と
図3に示すように、前記フロントハウジング2を移動自在に内側で支持するプラグフレーム3に内包されたフェルール4の先端部が、前記フロントハウジング2の開口部2bから外部に突出するものである。
【0016】
以下、光コネクタプラグ1として、シャッター付きLC形プラグを代表させてその各部品の構成について説明する。前記フロントハウジング2は、
図4−A、
図4−Bに示すように、全体が四角形状で筒状の合成樹脂製ハウジングであり、側壁2cには嵌合時において後退する位置決めとなる位置決め突起2eが下部に設けられている。
【0017】
また、フロントハウジング2の上部には、前記LC形アダプタ11,13(
図9−A、
図9−Bを参照)の開口部12,14における狭小幅の開口部12a,14aに嵌合してガイドされるガイド部2gが設けられ、その内部には、スプリング8収納用の空間部2fが形成されている。
【0018】
更に、前記ガイド部2gの前後方向の略中央部に、嵌合相手のLC形アダプタ11,13(
図9−A、
図9−Bを参照)によって後方へ移動するために係合する
突起部2aが設けられている。これに伴い、側壁2cにおいては、突起などが無くなりバネ性を付与するために必要だった開口部も無くなって、不透光の側壁となっている。その結果、フロントハウジング2内部の空間より漏れ光が発生せず、防塵性も向上するものとなる。
【0019】
前記プラグフレーム3は、
図5(A)〜(F)に示すように、全体が四角形状で筒状の合成樹脂製フレームであり、当該筒体の内部空間には、
図2(F)に示すように、フェルール4支持部を突き当てて抜け出ないように支持するための、仕切り壁としての係合部3aが形成されている。
【0020】
また、後方の側壁には、前記プラグフレーム3と一体的に合体される係止用ハウジング5における、係合用ロック片5aを係止する係止孔3bが、筒体内部に貫通して穿設されている。
【0021】
前記係止用ハウジング5は、
図6(A)〜(E)に示すように、嵌合相手のLC形アダプタ11,13に嵌合・装着させ、この光コネクタプラグ1を接続してロックするためのものである。
【0022】
前記係止用ハウジング5の筒体における前方側の側壁には、
図6(A)に示すように、前記プラグフレーム3の係合孔3bに係合するロック片5aが設けられている。これにより、前記プラグフレーム3がこの係止用ハウジング5に接続固定され、前記ロック片5aによって前方への抜け止めとなる。
【0023】
また、
図6(A),(B),(E)に示すように、この係止用ハウジング5の上部には、嵌合相手のLC形アダプタにおける係合孔に係合する係止片5bが設けられ、その基部には、ツマミ部5dが形成されている。このツマミ部5dは弾性片であり、これを押し下げて前記係止片5bの係合を解除するものである。
【0024】
前記係止用ハウジング5の中央部の筒体には、
図6(E)に示すように、その上部にスプリング用収納孔5cが設けられている。更に、その下部の周囲には、フロントハウジング2収納用の収納孔5eが形成されている。この中央部の筒体の両側壁前端部に、
図2、
図3、
図6(A)に示すように、前後に移動するフロントハウジング2の前方への抜け止め作用する係止片5fが形成されている。
【0025】
図7(A)〜(C)に、シャッター6の形状を示す。また、
図7(D)にフェルール4を前方に付勢するスプリング7の側面図、同図(E)にフロントハウジング2を前方に付勢するスプリング8の側面図、同図(F)にカシメリング9aの斜視図をそれぞれ示す。
【0026】
このようにして形成される光コネクタプラグ1において、前記フロントハウジング2の突起部2aを設ける場所が、嵌合相手方のLC形アダプタ11,13の開口部12,14における横幅のうち、上部の狭い横幅の開口部12a,14aに当接するように、前記フロントハウジング2の上部に設けた前記LC形アダプタ11,13の狭い横幅の開口部12a,14aに摺接する側壁面2dとなっている。
【0027】
嵌合相手方のLC形アダプタ11,13の開口部12,14における横幅のうち、下部の広い横幅の開口部12b,14bに当接するフロントハウジング2の側壁2cには、当該フロントハウジング2を嵌合時に後退させる突起部を設けないとともに該フロントハウジング2内部から外部へ光が漏れないように、開口部を設けていない不透光の側壁となっている。
【0028】
このような構成により、嵌合相手のアダプタ11,13の狭い横幅(3.4mm)の開口部12a,14aによって、確実にフロントハウジング2が後方に移動されるとともに、開口部の形状が変化しないので突起2aの設定が容易である。更に、突起2aの高さに変化が無いので、挿抜力のバラツキが無くなる。