特許第5988138号(P5988138)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5988138
(24)【登録日】2016年8月19日
(45)【発行日】2016年9月7日
(54)【発明の名称】車両の内装部材の合わせ部構造
(51)【国際特許分類】
   B60R 13/02 20060101AFI20160825BHJP
【FI】
   B60R13/02 B
【請求項の数】9
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-126801(P2012-126801)
(22)【出願日】2012年6月4日
(65)【公開番号】特開2013-249028(P2013-249028A)
(43)【公開日】2013年12月12日
【審査請求日】2015年5月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097386
【弁理士】
【氏名又は名称】室之園 和人
(72)【発明者】
【氏名】中澤 芳純
(72)【発明者】
【氏名】高橋 陽介
【審査官】 菅 和幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−195257(JP,A)
【文献】 特開平10−272994(JP,A)
【文献】 特開平06−072257(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに隣り合った状態で車体の開口周縁部を覆う第1内装部材と第2内装部材の合わせ部構造であって、
前記第1内装部材の端部に設けられた重なり部に前記第2内装部材の端部が前記第1内装部材の意匠面の外側から重なり、
前記第1内装部材と第2内装部材の見切り線に沿う方向の前記重なり部の端縁に設けられた被係止部に、前記第2内装部材の端部に設けられた係止爪が係止し、
前記被係止部が前記係止爪から離間する方向に前記重なり部が撓むのを防止するリブが、前記重なり部の裏面の前記被係止部の内側に設けられ
前記第1内装部材は、前記重なり部の端縁を備えた第1壁部と、前記第1壁部に対して屈曲した第2壁部とを備え、
前記リブは、前記第1壁部の裏面から前記第2壁部の裏面にわたって三角形状に形成され、
前記第1壁部と第2壁部で形成されるコーナー側のリブ部分の高さ寸法が、他のリブ部分の高さ寸法よりも長く設定されている車両の内装部材の合わせ部構造。
【請求項2】
前記車体の開口周縁部に設けられたフランジに前記第1壁部の裏面が対向し、
前記リブが前記フランジに対して略直角に位置するとともに、前記フランジ側の前記リブの一端部が前記フランジに当接している請求項記載の車両の内装部材の合わせ部構造。
【請求項3】
前記リブの一端部に、前記フランジに平行な補強リブが連設されている請求項記載の車両の内装部材の合わせ部構造。
【請求項4】
前記リブの一端部と前記コーナー側のリブ部分との間に位置するリブ部分の高さ寸法が、前記リブの一端部と前記コーナー側のリブ部分のいずれの高さ寸法よりも短く設定されている請求項2又は3記載の車両の内装部材の合わせ部構造。
【請求項5】
互いに隣り合った状態で車体の開口周縁部を覆う第1内装部材と第2内装部材の合わせ部構造であって、
前記第1内装部材の端部に設けられた重なり部に前記第2内装部材の端部が前記第1内装部材の意匠面の外側から重なり、
前記第1内装部材と第2内装部材の見切り線に沿う方向の前記重なり部の端縁に設けられた被係止部に、前記第2内装部材の端部に設けられた係止爪が係止し、
前記被係止部が前記係止爪から離間する方向に前記重なり部が撓むのを防止するリブが、前記重なり部の裏面の前記被係止部の内側に設けられ、
前記リブの頂面はなだらかな円弧状に形成されている車両の内装部材の合わせ部構造。
【請求項6】
前記被係止部が前記係止爪から離間する方向に前記重なり部が撓むのを防止する補助リブが、前記リブに並んで前記重なり部の裏面に設けられている請求項1〜5のいずれか一つに記載の車両の内装部材の合わせ部構造。
【請求項7】
前記補助リブは、前記見切り線と交差する方向の前記第2内装部材の端縁付近に、この端縁に沿って位置している請求項に記載の車両の内装部材の合わせ部構造。
【請求項8】
前記第2内装部材の端部が重ならない前記第1内装部材の非重なり部の裏面に第2の補助リブが前記補助リブに並んで設けられている請求項6又は7記載の車両の内装部材の合わせ部構造。
【請求項9】
前記第1内装部材はダッシュサイドトリム、
前記車体の開口周縁部は車体側部のドア開口周縁部、
前記第2内装部材はフロントスカッフである請求項1〜8のいずれか一つに記載の車両の内装部材の合わせ部構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、
互いに隣り合った状態で車体の開口周縁部を覆う第1内装部材と第2内装部材の合わせ部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
上記の車両の内装部材の合わせ部構造では、一例として、前記第1内装部材がダッシュサイドトリム、前記車体の開口周縁部が車体側部のドア開口周縁部、前記第2内装部材がフロントスカッフで構成される。
従来、特許文献1に開示されているように、第1内装部材の端部は断面L字状に形成されて第1上壁と第1側壁から成り、第1内装部材の屈曲部とは反対側の上壁のコーナーと側壁の下側のコーナーとが切り欠かれていた。
また、第2内装部材の端部も断面L字状に形成されて第2上壁と第2側壁から成り、第2内装部材の屈曲部とは反対側の第2上壁の側部の裏面と第2側壁の下端部の裏面とに係止爪が設けられていた。
そして、第1内装部材の第1上壁と第1側壁に第2内装部材の第2上壁と第2側壁が各別に重なり、第2上壁の係止爪が第1上壁の切り欠きの周縁部に係止し、第2側壁の係止爪が第2側壁の切り欠きの周縁部に係止していた。
また、第1内装部材の上壁の裏面と第1内装部材の側壁の裏面とは扁平な面に形成されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−253747号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の構造によれば、第1内装部材の上壁の裏面と第1内装部材の側壁の裏面とは扁平な面に形成されていたために、第1内装部材の端部の剛性が低かった。その結果、乗員の足が第1内装部材の端部に当たると、この端部が撓んで係止爪と前記切り欠きの周縁部との係止が解除されてしまう虞があった。
この問題を解消するために、係止爪をフック状に形成して係止爪と前記切り欠きの周縁部とを係止させる構造が考えられる。しかしながら、この構造では、係止爪の返し部が邪魔になって、係止爪を前記切り欠きの周縁部に係止させにくく、組み付け作業の作業性が低下する虞があった。
本発明の目的は、荷重を受けた場合であっても、第1内装部材の端部と第2内装部材の端部との連結状態を確実に維持でき、しかも、組み付け作業の作業性を低下させることがない車両の内装部材の合わせ部構造を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の発明の特徴は、
互いに隣り合った状態で車体の開口周縁部を覆う第1内装部材と第2内装部材の合わせ部構造であって、
前記第1内装部材の端部に設けられた重なり部に前記第2内装部材の端部が前記第1内装部材の意匠面の外側から重なり、
前記第1内装部材と第2内装部材の見切り線に沿う方向の前記重なり部の端縁に設けられた被係止部に、前記第2内装部材の端部に設けられた係止爪が係止し、
前記被係止部が前記係止爪から離間する方向に前記重なり部が撓むのを防止するリブが、前記重なり部の裏面の前記被係止部の内側に設けられ
前記第1内装部材は、前記重なり部の端縁を備えた第1壁部と、前記第1壁部に対して屈曲した第2壁部とを備え、
前記リブは、前記第1壁部の裏面から前記第2壁部の裏面にわたって三角形状に形成され、
前記第1壁部と第2壁部で形成されるコーナー側のリブ部分の高さ寸法が、他のリブ部分の高さ寸法よりも長く設定されている点にある。(請求項1)
【0006】
上記の構成によれば、前記第1内装部材の端部に設けられた重なり部に前記第2内装部材の端部が前記第1内装部材の意匠面の外側から重なる。そして、前記第1内装部材と第2内装部材の見切り線に沿う方向の前記重なり部の端縁に設けられた被係止部に、前記第2内装部材の端部に設けられた係止爪が係止する。
上記のように、前記第1内装部材の端部に設けられた重なり部に前記第2内装部材の端部が前記第1内装部材の意匠面の外側から重なるから、例えば、第1内装部材の端部と第2内装部材の端部を突き合わせた構造に比べると、次の効果を得ることができる。
すなわち、熱収縮・膨張に起因して、第1内装部材の端部と第2内装部材の端部との位置が変化することによる寸法精度のバラツキを吸収することができる。また、見切り部の隙発生・見切り隙不均一などによる見栄えの悪化を防ぐことができる。
さらに、本発明の上記の構成においては、前記被係止部が前記係止爪から離間する方向に前記重なり部が撓むのを防止するリブが、前記重なり部の裏面の前記被係止部の内側に設けられているから、前記重なり部の剛性を向上させることができる。
これにより、第1内装部材の端部に荷重が加わっても、第1内装部材の端部の重なり部が撓むことを抑制することができ、前記被係止部から前記係止爪が係止解除することを防止することができる。
また、係止爪をフック状に形成しなくても済み、前記係止爪を前記被係止部に係止させる作業に手間がかかることを回避することができる。その結果、組み付け作業の作業性を向上させることができる。
さらに、上記の構成はリブを追加しただけの構成であることから、重量の増加を抑制することができる。(請求項1)
【0008】
第1内装部材は前記第1壁部と第2壁部で形成されるコーナーを備えていることから、第1内装部材に荷重が加わった場合、コーナーの屈曲点を起点として撓もうとする。
しかしながら、本発明の上記の構成によれば、コーナー側のリブ部分の高さ寸法が、他のリブ部分の高さ寸法よりも長く設定されているから、コーナーの剛性を前記リブ部分により向上させることができ、コーナーの屈曲点を起点とする前記重なり部の撓みを防止することができる。
また、前記リブを三角形状に形成することで、簡単なリブ形状でありながら、上記のようにコーナー側のリブ部分の高さ寸法を他のリブ部分の高さ寸法よりも長く設定することができる。(請求項
【0009】
本発明において、
前記車体の開口周縁部に設けられたフランジに前記第1壁部の裏面が対向し、
前記リブが前記フランジに対して略直角に位置するとともに、前記フランジ側の前記リブの一端部が前記フランジに当接していると、次の作用を奏することができる。(請求項
【0010】
係止爪側に入力された荷重を前記フランジで突っ張ることができ、前記端縁の被係止部が前記係止爪から離間する方向に前記重なり部が撓むのを防止することができる。(請求項
【0011】
本発明において、
前記リブの一端部に、前記フランジに平行な補強リブが連設されていると、次の作用を奏することができる。(請求項
【0012】
リブと補強リブが格子状を成し、リブの剛性を向上させることができる。これにより、第1内装部材の端部が荷重を受けた場合のリブ折れを防ぎ、第1内装部材の端部の撓みを確実に防止することができる。(請求項
【0013】
本発明において、
前記リブの一端部と前記コーナー側のリブ部分との間に位置するリブ部分の高さ寸法が、前記リブの一端部と前記コーナー側のリブ部分のいずれの高さ寸法よりも短く設定されていると、次の作用を奏することができる。(請求項
【0014】
第1内装部材内に配索されるハーネス類等の周辺部品のためのスペースを確保できながら、前記重なり部を補強することができる。(請求項
【0015】
本第2の発明の特徴は、
互いに隣り合った状態で車体の開口周縁部を覆う第1内装部材と第2内装部材の合わせ部構造であって、
前記第1内装部材の端部に設けられた重なり部に前記第2内装部材の端部が前記第1内装部材の意匠面の外側から重なり、
前記第1内装部材と第2内装部材の見切り線に沿う方向の前記重なり部の端縁に設けられた被係止部に、前記第2内装部材の端部に設けられた係止爪が係止し、
前記被係止部が前記係止爪から離間する方向に前記重なり部が撓むのを防止するリブが、前記重なり部の裏面の前記被係止部の内側に設けられ、
前記リブの頂面はなだらかな円弧状に形成されている点にある。(請求項
【0016】
本第2の発明の構成によれば、
前記第1内装部材の端部に設けられた重なり部に前記第2内装部材の端部が前記第1内装部材の意匠面の外側から重なる。そして、前記第1内装部材と第2内装部材の見切り線に沿う方向の前記重なり部の端縁に設けられた被係止部に、前記第2内装部材の端部に設けられた係止爪が係止する。
上記のように、前記第1内装部材の端部に設けられた重なり部に前記第2内装部材の端部が前記第1内装部材の意匠面の外側から重なるから、例えば、第1内装部材の端部と第2内装部材の端部を突き合わせた構造に比べると、次の効果を得ることができる。
すなわち、熱収縮・膨張に起因して、第1内装部材の端部と第2内装部材の端部との位置が変化することによる寸法精度のバラツキを吸収することができる。また、見切り部の隙発生・見切り隙不均一などによる見栄えの悪化を防ぐことができる。
さらに、本発明の上記の構成においては、前記被係止部が前記係止爪から離間する方向に前記重なり部が撓むのを防止するリブが、前記重なり部の裏面の前記被係止部の内側に設けられているから、前記重なり部の剛性を向上させることができる。
これにより、第1内装部材の端部に荷重が加わっても、第1内装部材の端部の重なり部が撓むことを抑制することができ、前記被係止部から前記係止爪が係止解除することを防止することができる。
また、係止爪をフック状に形成しなくても済み、前記係止爪を前記被係止部に係止させる作業に手間がかかることを回避することができる。その結果、組み付け作業の作業性を向上させることができる。
さらに、上記の構成はリブを追加しただけの構成であることから、重量の増加を抑制することができる。
そして、前記リブの頂面はなだらかな円弧状に形成されているから、リブの高さ寸法が短い箇所においてもリブの強度を確保することができる。(請求項
【0017】
本発明において、
前記被係止部が前記係止爪から離間する方向に前記重なり部が撓むのを防止する補助リブが、前記リブに並んで前記重なり部の裏面に設けられ、
前記補助リブは、前記見切り線と交差する方向の前記第2内装部材の端縁付近に、この端縁に沿って位置していると、次の作用を奏することができる。
【0018】
前記見切り線と交差する方向の前記第2内装部材の端縁は、第1内装部材の重なり部に線状に当接することから当接圧力が大きくなる。本発明の上記の構成によれば、前記補助リブは、前記見切り線と交差する方向の前記第2内装部材の端縁付近に、この端縁に沿って位置しているから、前記当接圧力に補助リブで十分抗することができる。これにより、前記被係止部が前記係止爪から離間する方向に前記重なり部が撓むのを確実に防止することができる。
また、リブと補助リブを並設することにより、ある程度広い範囲の重なり部の剛性を向上させることができ、線状ではなく立体状に重なり部を構成できて重なり部の剛性を確保することができる。
【0019】
本発明において、
前記第2内装部材の端部が重ならない前記第1内装部材の非重なり部の裏面に第2の補助リブが前記補助リブに並んで設けられていると、次の作用を奏することができる。(請求項8)
【0020】
前記非重なり部の剛性を向上させることができ、非重なり部に荷重が加わった場合に、非重なり部の撓みを抑制することができる。従って、非重なり部の撓みに伴う重なり部の撓みを抑制することができる。その結果、前記重なり部の端縁の被係止部が前記係止爪から離間する方向に前記重なり部が撓むのを防止することができる。
また、リブと補助リブと第2の補助リブとを並設することにより、ある程度広い範囲の重なり部の剛性を向上させることができ、線状ではなく立体状に重なり部を構成できて重なり部の剛性を確保することができる。(請求項8)
【0021】
本発明において、
前記第1内装部材はダッシュサイドトリム、
前記車体の開口周縁部は車体側部のドア開口周縁部、
前記第2内装部材はフロントスカッフであると、次の作用を奏することができる。(請求項9)
【0022】
ダッシュサイドトリムとフロントスカッフの合わせ部は、運転席の乗員の目線の前側に位置する。そのために、例えば、ダッシュサイドトリムの端部をフロントスカッフの端部の上(意匠面側)に重ねると、前記合わせ部に段差が発生した場合に、段差が運転者の視界に入って目立ちやすく、見栄えが低下しやすい。
しかしながら、本発明の上記構成によれば、フロントスカッフの端部をダッシュサイドトリムの端部の重なり部に、ダッシュサイドトリムの意匠面の外側から重ねてあるから、仮に、フロントスカッフの浮き上がりにより前記合わせ部に段差が発生したとしても、この段差が運転者に見えにくく、見栄えの低下を防止することができる。(請求項9)
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、
荷重を受けた場合であっても、第1内装部材の端部と第2内装部材の端部との連結状態を確実に維持でき、しかも、組み付け作業の作業性を低下させることがない車両の内装部材の合わせ部構造を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】(a)は、ダッシュサイドトリム(第1内装部材)とフロントスカッフ(第2内装部材)とを車体に組み付けた状態を示す斜視図、(b)は図1(a)のA−A断面図
図2】ダッシュサイドトリム(第1内装部材)の端部にフロントスカッフ(第2内装部材)の端部を連結する方法を示す斜視図
図3】ダッシュサイドトリム(第1内装部材)の端部にフロントスカッフ(第2内装部材)の端部を連結した状態を示す斜視図
図4】補強リブとその周りの構造の拡大図
図5】(a)は係止爪とその周りの構造の拡大図、(b)は比較例の係止爪とその周りの構造の拡大図
図6】リブの作用を示す断面図(図1(a)のA−A断面図に対応する図)
図7】比較例を示す断面図(図1(a)のA−A断面図に対応する図)
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
図1(a),図1(b)に、いずれも樹脂成形品のダッシュサイドトリム1(第1内装部材に相当)とフロントスカッフ2(第2内装部材に相当)を車体に組み付けた状態を示してある。前記ダッシュサイドトリム1の車両後方側Rrのフロントスカッフ2の上方にはフロントドアのドア開口3が形成されている。
【0026】
ダッシュサイドトリム1とフロントスカッフ2は車両前後方向において互いに隣り合っている。そして、ダッシュサイドトリム1がダッシュサイドパネル(図示せず)を覆い、フロントスカッフ2が、ドア開口3の下側周縁部を形成する車体パネルを覆っている。ダッシュサイドトリム1はフロントスカッフ2よりも先に車体に取り付けられ、その後にフロントスカッフ2が車体に組み付けられる。
【0027】
[車体パネルの構造]
前記ドア開口3の下側周縁部を形成する車体パネルは、車室内側W1のサイドシルインナーパネル30と、車室外側W2のサイドシルアウターパネル34と、これらの間のサイドシルリンフォース32,33とから成る。
【0028】
サイドシルインナーパネル30の上端部は、サイドシルインナーパネル本体30Hの上端部から車室外側W2に延びる上面部30Jと、この上面部30Jの車室外側W2の端部から上方に立ち上がるフランジ30Fとから成る。前記上面部30Jの上方のフランジ30Fの車室内側W1には断面円形のハーネス40が配索されている。サイドシルインナーパネル30は、車室内側W1からハーネス40ごとフロアカーペット31で覆われている。
【0029】
[ダッシュサイドトリム1の構造]
図1(a)に示すように、ダッシュサイドトリム1は車幅方向視でL字状を成し、ダッシュサイドトリム1の下端部は車両後方側Rrに延びている。このダッシュサイドトリム1の下端部の後部は、下側が開放した断面コの字形状に形成されている。つまり、ダッシュサイドトリム1の下端部の後部は、図2にも示すように、ダッシュサイドトリム上壁12(第2壁部に相当)と、車室内側W1のダッシュサイドトリム側壁11(第1壁部に相当)と、車室外側W2のダッシュサイドトリム側壁11とを備えている。
【0030】
ダッシュサイドトリム上壁12は車室内側W1のダッシュサイドトリム側壁11に対して屈曲している。車室外側W2のダッシュサイドトリム側壁11の高さ寸法は、車室内側W1のダッシュサイドトリム側壁11の高さ寸法よりも短く設定されている。
【0031】
図2に示すように、ダッシュサイドトリム1の下端部の後端部1B(第1内装部材の端部に相当)に、フロントスカッフ2の前端部2A(第2内装部材の端部に相当)が重なる重なり部13が設けられている。前記重なり部13は前記後端部1Bの一部分(車両前後方向において所定の長さの後端部部分であり前記後端部1Bの後端を含む)により構成されている。
【0032】
前記重なり部13の後半部のダッシュサイドトリム上壁12の上面は、重なり部13の前半部のダッシュサイドトリム上壁12の上面に対して一段低く形成されている。さらに、重なり部13の後半部のダッシュサイドトリム側壁11の高さ寸法は、重なり部13の前半部のダッシュサイドトリム側壁11の高さ寸法よりも短く設定されている。
【0033】
また、ダッシュサイドトリム1とフロントスカッフ2の見切り線L(図1参照)に沿う方向の前記重なり部13の端縁、すなわち、重なり部13のダッシュサイドトリム側壁11の下端縁11Eに被係止部11E1が設けられている。詳しくは、ダッシュサイドトリム側壁11の下端縁11Eのうち、前記重なり部13の後半部のダッシュサイドトリム側壁11の下端縁11Eに前記被係止部11E1が設けられている。前記重なり部13の後半部のダッシュサイドトリム側壁11の下端縁11Eは、重なり部13の前半部のダッシュサイドトリム側壁11の下端縁11Eよりも上方に位置する。
【0034】
そして、前記重なり部13に前記フロントスカッフ2の前端部2Aがダッシュサイドトリム1の意匠面の外側から重なり、フロントスカッフ2の前端部2Aに設けられた左右一対の係止爪25が左右一対の前記被係止部11E1に各別に係止している。前記フロントスカッフ2と係止爪25については後で詳しく説明する。
【0035】
図1(b),図2図3に示すように、前記被係止部11E1が前記係止爪25から離間する方向に前記重なり部13が撓むのを防止するリブ15が、前記重なり部13の裏面の前記被係止部11E1の内側に設けられている。従って、前記リブ15と被係止部11E1とは車両前後方向で略同一位置に位置している。
【0036】
前記リブ15は、重なり部13のダッシュサイドトリム側壁11の裏面11Uからダッシュサイドトリム上壁12の裏面12Uにわたって三角形状に形成されている。そして、ダッシュサイドトリム側壁11とダッシュサイドトリム上壁12で形成されるコーナーC側のリブ部分15Aの高さ寸法が、他のリブ部分の高さ寸法よりも長く(高く)設定されている。
【0037】
図1(b)に示すように、ダッシュサイドトリム1とフロントスカッフ2の車体パネルへの組み付け状態で、前記車室内側W1のダッシュサイドトリム側壁11の裏面11Uが、サイドシルインナーパネル30の上端部のフランジ30F(車体の開口周縁部に設けられたフランジに相当)に対向している。前記リブ15は前記フランジ30Fに対して略直角に位置するとともに、前記フランジ30F側の前記リブ15の一端部15Bがフランジ30Fに当接している。
【0038】
図3図4に示すように、前記リブ15の一端部15Bには、前記サイドシルインナーパネル30の上端部のフランジ30Fに平行な補強リブ15Rが連設されている。この補強リブ15Rは、リブ15の一端部15B側の車両後方側Rrの面から車両後方側Rrに突出しており、リブ15の長手方向(車幅方向)から見て三角形状に形成されている。補強リブ15Rの上面15R1はリブ15の上面15Jと上下方向において略同一位置に位置して車両後方側Rrに略水平に延びている。そして、補強リブ15Rの車両後方側Rrの面15Nが、下側ほど車両前方側Fr(リブ15側)に位置するように緩やかな凹の円弧状に傾斜している。補強リブ15Rの下端は前記リブ15の一端部15Bの下端近傍に位置している。
【0039】
図1(b)に示すように、前記リブ15の一端部15Bと前記コーナーC側のリブ部分15Aとの間に位置するリブ部分15Cの高さ寸法は、前記リブ15の一端部15Bと前記コーナーC側のリブ部分15Aのいずれの高さ寸法よりも短く設定されている。また、前記リブ15の頂面(下面)15Nはなだらかな円弧状に形成されている。前記リブ15の一端部15Bは下方に円弧状に膨出している。
【0040】
さらに、図3に示すように、前記被係止部11E1が前記係止爪25から離間する方向に重なり部13(図2参照)が撓むのを防止する補助リブ16が、リブ15に並んで前記重なり部13の裏面に設けられている。前記補助リブ16は、前記見切り線Lと交差する方向のフロントスカッフ2の端縁付近、すなわち、フロントスカッフ2の前端縁2M(図2参照)付近に、この前端縁2Mに沿って位置している。補助リブ16の一端部16Bにも三角形状の補強リブ16Rが連設されている。
【0041】
前記補助リブ16と前記リブ15は同一形状に形成され、補助リブ16がリブ15よりも少し大きく形成されている。また、前記補助リブ16に設けられた補強リブ16Rと、前記リブ15に設けられた補強リブ15Rも同一形状に形成され、前記補助リブ16に設けられた補強リブ16Rが、前記リブ15に設けられた補強リブ15Rよりも少し大きく形成されている。
【0042】
さらに、前記フロントスカッフ2の前端部2Aが重ならないダッシュサイドトリム1の非重なり部28の裏面に第2の補助リブ17が前記補助リブ16に並んで設けられている。第2の補助リブ17の一端部17Bにも三角形状の補強リブ17Rが連設されている。
【0043】
前記第2の補助リブ17と前記リブ15は同一形状に形成され、第2の補助リブ17がリブ15よりも少し大きく形成されている。また、前記第2の補助リブ17に設けられた補強リブ17Rと、前記リブ15に設けられた補強リブ15Rも同一形状に形成され、前記第2の補助リブ17に設けられた補強リブ17Rが、前記リブ15に設けられた補強リブ15Rよりも少し大きく形成されている。前記リブ15と補助リブ16の間隔と、補助リブ16と第2の補助リブ17の間隔とは略同一である。
【0044】
[フロントスカッフ2の構造]
図1(a),図1(b),図2図3に示すように、前記フロントスカッフ2は下側が開放した断面コの字状に形成され、フロントスカッフ上壁22と、車室内側W1のフロントスカッフ側壁21と、車室外側W2のフロントスカッフ側壁21とを備えている。車室外側W2のフロントスカッフ側壁21の高さ寸法は、車室内側W1のフロントスカッフ側壁21の高さ寸法よりも短く設定されている。フロントスカッフ上壁22の裏面と車室内側W1のフロントスカッフ側壁21の裏面には、フロントスカッフ2の長手方向(車両前後方向)に所定の間隔を空けて並ぶ複数のL字形の補強リブ2Rが両裏面にわたって一体に成形されている。
【0045】
車室内側W1のフロントスカッフ側壁21の前端部の高さ寸法は、前記前端部よりも後方のフロントスカッフ側壁21の高さ寸法よりも短く設定されている。そして、フロントスカッフ2の前端部2Aの両フロントスカッフ側壁21の裏面に前記係止爪25が形成されている。
【0046】
前記係止爪25はフロントスカッフ側壁21の下端部側に位置し、係止爪25の下端とフロントスカッフ側壁21の下端とが上下方向において略同一位置に位置している。係止爪25の爪部25Tはフロントスカッフ2の幅方向中央側に突出する三角形状に形成されている。爪部25Tの係止面25T1の幅(車両前後方向の長さ)はリブ15の肉厚よりも長く設定され、前記係止面25T1は、上方を向く扁平な略水平面に形成されている(図1(b),図3参照)。
【0047】
上記の構成により、
(1) ダッシュサイドトリム1の下端部の後端部1Bに設けられた重なり部13にフロントスカッフ2の前端部2Aがダッシュサイドトリム1の意匠面の外側から重なる。そして、前記重なり部13の左右一対のダッシュサイドトリム側壁11の下端縁11Eに設けられた被係止部11E1に、フロントスカッフ2の前端部2Aに設けられた左右一対の係止爪25が各別に係止する。
前記重なり部13にフロントスカッフ2の前端部2Aがダッシュサイドトリム1の意匠面の外側から重なるから、例えば、ダッシュサイドトリム1の下端部の後端部1Bとフロントスカッフ2の前端部2Aを突き合わせた構造に比べると、次の効果を得ることができる。
すなわち、熱収縮・膨張に起因して、ダッシュサイドトリム1の下端部の後端部1Bとフロントスカッフ2の前端部2Aとの位置が変化することによる寸法精度のバラツキを吸収することができる。また、見切り部の隙発生・見切り隙不均一などによる見栄えの悪化を防ぐことができる。
さらに、本発明の上記の構成においては、前記被係止部11E1が前記係止爪25から離間する方向に前記重なり部13が撓むのを防止するリブ15が、重なり部13の裏面の被係止部11E1の内側に設けられているから、重なり部13の剛性を向上させることができる。
これにより、ダッシュサイドトリム1の下端部の後端部1Bに乗員の足が当たるなどして荷重が加わっても、重なり部13が撓むことを抑制することができ、前記被係止部11E1から前記係止爪25が係止解除することを防止することができる。
例えば、図5(b)に示すように、前記係止爪25をフック状に形成して係止爪25と前記被係止部11E1とを係止させる構造では、組み付けの際、図7に示すように、係止爪25の返し部25Kが邪魔になって、係止爪25を被係止部11E1に係止させにくい。その結果、組み付け作業の作業性が低下する。
これに対して、本発明の構成によれば、図1(b),図5(a)に示すように、係止爪25をフック状に形成していない(前記係止面25T1は、上方を向く扁平な略水平面に形成されている)。従って、図6に示すように、係止爪25を被係止部11E1に円滑に係止させることができる。これにより、係止爪25を被係止部11E1に係止させる作業に手間がかかることを回避することができ、組み付け作業の作業性を向上させることができる。
さらに、上記の構成はリブ15を追加しただけの構成であることから、重量の増加を抑制することができる。
【0048】
(2) ダッシュサイドトリム1はダッシュサイドトリム側壁11とダッシュサイドトリム上壁12で形成されるコーナーCを備えていることから、ダッシュサイドトリム1に荷重が加わった場合、コーナーCの屈曲点を起点として撓もうとする。
しかしながら、本発明の上記の構成によれば、コーナーC側のリブ部分15Aの高さ寸法が、他のリブ部分の高さ寸法よりも長く設定されているから、コーナーCの剛性を前記コーナーC側のリブ部分15Aにより向上させることができる。その結果、コーナーCの屈曲点を起点とする重なり部13の撓みを防止することができる。
また、前記リブ15を三角形状に形成することで、簡単なリブ形状でありながら、上記のようにコーナーC側のリブ部分15Aの高さ寸法を他のリブ部分の高さ寸法よりも長く設定することができる。
【0049】
(3) 前記リブ15が前記フランジ30Fに対して略直角に位置するとともに、サイドシルインナーパネル30の上端部のフランジ30F側のリブ15の一端部15Bが前記フランジ30Fに当接している。従って、係止爪25側に入力された荷重を前記フランジ30Fで突っ張ることができ、前記被係止部11E1が前記係止爪25から離間する方向に重なり部13が撓むのを防止することができる。
【0050】
(4) 前記リブ15の一端部15Bには、サイドシルインナーパネル30の上端部のフランジ30Fに平行な補強リブ15Rが連設されているから、リブ15と補強リブ15Rが格子状を成し、リブ15の剛性を向上させることができる。これにより、ダッシュサイドトリム1の下端部の後端部1Bが荷重を受けた場合のリブ折れを防ぎ、ダッシュサイドトリム1の下端部の後端部1Bの撓みを確実に防止することができる。
【0051】
(5) 前記リブ15の一端部15Bと前記コーナーC側のリブ部分15Aとの間に位置するリブ部分15Cの高さ寸法は、前記リブ15の一端部15Bと前記コーナーC側のリブ部分15Aのいずれの高さ寸法よりも短く設定されている。従って、ダッシュサイドトリム1内に配索されるハーネス40類等の周辺部品のためのスペースを確保できながら、前記重なり部13を補強することができる。
【0052】
(6) 前記リブ15の頂面15Nはなだらかな円弧状に形成されているから、リブ15の高さ寸法が短い箇所においてもリブ15の強度を確保することができる。
【0053】
(7) 前記見切り線Lと交差する方向の前記フロントスカッフ2の前端縁2Mは、ダッシュサイドトリム1の重なり部13に線状に当接することから当接圧力が大きくなる。本発明の上記の構成によれば、前記補助リブ16は、前記見切り線Lと交差する方向の前記フロントスカッフ2の前端縁2M付近に、この前端縁2Mに沿って位置しているから、前記当接圧力に補助リブ16で十分抗することができる。これにより、前記被係止部11E1が前記係止爪25から離間する方向に前記重なり部13が撓むのを確実に防止することができる。
また、リブ15と補助リブ16を並設することにより、ある程度広い範囲の重なり部13の剛性を向上させることができ、線状ではなく立体状に重なり部13を構成できて重なり部13の剛性を確保することができる。
【0054】
(8) 前記ダッシュサイドトリム1の非重なり部28の裏面に第2の補助リブ17が補助リブ16に並んで設けられているから、非重なり部28の剛性を向上させることができ、非重なり部28に荷重が加わった場合に、非重なり部28の撓みを抑制することができる。
従って、非重なり部28の撓みに伴う重なり部13の撓みを抑制することができる。その結果、前記被係止部11E1が前記係止爪25から離間する方向に前記重なり部13が撓むのを防止することができる。
また、リブ15と補助リブ16と第2の補助リブ17とを並設することにより、ある程度広い範囲の重なり部13の剛性を向上させることができ、線状ではなく立体状に重なり部13を構成できて重なり部13の剛性を確保することができる。
乗員の足はダッシュサイドトリム1とフロントスカッフ2の合わせ部よりも前方の、面積が広くなる前記非重なり部28側に当たることが多い。その為、非重なり部28に第2の補助リブ17を設けることにより、重なり部13の撓みを防いで、前記被係止部11E1から前記係止爪25が係止解除することを確実に防ぐことができる。
【0055】
(9) ダッシュサイドトリム1とフロントスカッフ2の合わせ部は、運転席の乗員の目線の前側に位置する。そのために、例えば、ダッシュサイドトリム1の下端部の後端部1Bをフロントスカッフ2の前端部2Aの上(意匠面側)に重ねると、前記合わせ部に段差が発生した場合に、段差が運転者の視界に入って目立ちやすく、見栄えが低下しやすい。
これに対して、本発明の上記構成によれば、フロントスカッフ2の前端部2Aをダッシュサイドトリム1の下端部の後端部1Bの重なり部13に、ダッシュサイドトリム1の意匠面の外側から重ねてある。従って、仮に、フロントスカッフ2の浮き上がりにより前記合わせ部に段差が発生したとしても、この段差が運転者に見えにくく、見栄えの低下を防止することができる。
【0056】
[別実施形態]
前記第1内装部材はセンターピラートリム、前記車体の開口周縁部は車体側部後ろ側のドア開口周縁部、前記第2内装部材はリアスカッフであってもよい。この構造では後席乗員に対する見栄えを向上させるなど、上記の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0057】
1 第1内装部材(ダッシュサイドトリム)
1B 第1内装部材の端部(ダッシュサイドトリムの下端部の後端部)
2 第2内装部材(フロントスカッフ)
2A 第2内装部材の端部(フロントスカッフの前端部)
2M 見切り線と交差する方向の第2内装部材の端縁(フロントスカッフの前端縁)
11 第1壁部(ダッシュサイドトリム側壁)
11E 重なり部の端縁(重なり部の後半部のダッシュサイドトリム側壁の下端縁)
11E1 被係止部
11U 第1壁部の裏面
12 第2壁部(ダッシュサイドトリム上壁)
12U 第2壁部の裏面
13 重なり部
15 リブ
15A コーナー側のリブ部分
15B リブの一端部
15C リブの一端部とコーナー側のリブ部分との間に位置するリブ部分
15N リブの頂面
15R 補強リブ
16 補助リブ
17 第2の補助リブ
25 係止爪
28 非重なり部
30F フランジ
C コーナー
L 見切り線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7