【文献】
新井 喜美雄,“特許情報分析とパテントマップ”,情報の科学と技術,日本,社団法人情報科学技術協会,2003年 1月 1日,第53巻,第1号,p.16−21
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特定の技術の特許文献を網羅的に収集するための検索式に用いる特許分類の決定方法として、検索対象のマスターとなる複数件の特許文献を任意の方法で収集、該マスター特許文献に付与されている特許分類から選択した特許分類を前記網羅的に収集するための検索式に使用する方法があるが、一般に1件の特許文献には複数個の特許分類が付与されているので、ましてや複数件のマスター特許文献の特許分類集合には多種類の特許分類が付与されているので、この中のどの特許分類を前記網羅的に収集するための検索式に採用したらよいか判断に迷うという問題点があった。
【0007】
前記網羅的に収集するための検索式のキーワードとして検索対象のマスターとなる複数件の特許文献に使用されているキーワードを参照して決定する方法があるが、前記マスターとなる特許文献の件数が少数の場合は参照するキーワードが量的に十分であるか、前記マスター特許文献の件数が多い場合はキーワードの決定方法が標準化されていないため検索式の作成者が異なると検索式に大きなバラツキが生じる恐れがあるという問題点があった。
【0008】
また、適合特許文献の検索洩れを少なくするために検索式に用いる特許分類やキーワードとして概念が広義のものを使用すると多数の不適合特許文献を含んだ文献集合を検索してしまうことになりスクリーニングに多大な工数を費やすことになるという問題点があった。
【0009】
そこで、本願の発明の第1の目的は検索目標とする分野の特許文献を網羅的に収集するための検索式に用いる特許分類とキーワードの決定方法を標準化することで検索目標の分野に不慣れな者でも適合文献を網羅的に含む特許文献集合を検索することができる方法を提供することである。
【0010】
第2の目的は、任意の方法で収集した適合特許文献を網羅的に含む特許文献集合に、例え多くの不適合文献が含まれているとしても効率的なスクリーニング方法で適合文献集合を作成する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決するために、本件発明は以下の特徴を有する課題解決のための手段を採用している。
【0012】
請求項1に記載の発明は、特許文献分析ソフトと表計算ソフトがインストールされている
コンピュータで実行される特許文献の検索方法あって、このコンピュータの記憶部に蓄積された特許文献集合を特許文献分析ソフトと表計算ソフトで処理し、
目標とする特許文献集合に属する特許文献で1件の特許文献に付与されている発明の名称と出願人のうち、少なくとも一方が異なる特許文献を任意の方法で5件以上収集しマスター特許文献集合1を作成するステップと
前記マスター特許文献集合1の発明の名称に使用されているキーワードでマスター特許文献増加用検索式に用いるキーワードにすると検索者が決定したキーワードを整理するためのテーブル、該テーブルの第1階層キーワード列には発明のカテゴリーを表現しているキーワードを配置、第2階層キーワード列には第1階層キーワード列に配置されているキーワードを修飾し得るキーワードを配置、第3階層キーワード列には第2階層キーワード列に配置されているキーワードを修飾し得るキーワードを配置のように、前記検索者が決定した全てのキーワードがいずれかの階層キーワード列に配置されるまで、階層キーワード列を増設し、配置すべきキーワードの中で複数の階層キーワード列に属するキーワード(複合語)がある場合は該キーワードを単一の階層キーワード列に配置できるようにキーワードを分離、それぞれ該当する階層キーワード列に配置して、マスター特許文献集合1の発明の名称の階層別キーワードテーブルを作成するステップと、
前記マスター特許文献集合1の発明の名称の階層別キーワードテーブルのキーワードを、階層キーワード列毎に、部分一致キーワードに統合できるキーワードは部分一致キーワードに統合、重複しているキーワードは重複を無くして、前記マスター特許文献集合1の発明の名称の階層別部分一致検索用キーワードテーブルを作成するステップと
検索項目、特許分類の検索キーワードを前記マスター特許文献集合1の全ての筆頭特許分類の論理和、検索方式は前方一致とする特許分類検索用式1と前記マスター特許文献集合1の発明の名称の階層別部分一致検索用キーワードテープルの階層キーワード列毎に、検索項目は発明の名称と要約と請求の範囲のキーワード、検索キーワードは当該階層キーワード列のキーワードの論理和、検索方式は部分一致とする式を作成、該作成した式の全てを集めた集合の中のから順次一個の式を取り除いて作成した集合の全てについて、同一集合中の式同士の論理積を作成、該作成した論理積の全てを論理和とするキーワード検索用式1を作成し、前記特許分類検索用式1と前記キーワード検索用式1の論理積を使用してマスター特許文献増加用検索式を作成するステップと
前記マスター特許文献増加用検索式を用いて特許データベースの検索を実施、ヒットした文献集合をスクリーニングして適合文献だけのマスター特許文献集合2を作成するステップと
検索対象集合を前記マスター特許文献集合2、検索キーワードを累積特許分類(該累積特許分類とは前記マスター特許文献集合2に含まれている全特許分類を該特許分類が付与されている文献件数を整列のキーとして降順に並べた場合、文献件数1位の特許分類、次いで文献件数1位と2位の特許分類の論理和、次いで文献件数1位と2位と3位の特許分類の論理和のように順次1ランク下の特許分類を含めて作成した特許分類の論理和集合)、検索方式は前方一致で検索を実施、ヒットした文献件数の前記マスター特許文献集合2の全文献件数に対する割合(該割合を以下、累積特許分類別ヒット件数割合と記載する)が基準値に達した、又は超した時点の累積特許分類を、目的とする特許文献集合を作成するための特許文献検索式Aの特許分類にすることを決定するステップと
前記マスター特許文献集合2の発明の名称のキーワード別文献件数と要約のキーワード別文献件数と請求の範囲のキーワード別文献件数のそれぞれについて、前記マスター特許文献集合2の全文献件数に対する割合を算出、該算出した割合を評価尺度として前記特許文献検索式Aに使用するキーワード候補の抽出範囲を決定するステップと
前記キーワード候補の抽出範囲と決定した範囲内にあるキーワードの全てを1枚のキーワードテーブルに纏め、該テーブルから検索者が前記特許文献検索式Aに使用すると決定したキーワードのみを抽出、該抽出したキーワードを用いて、前記マスター特許文献集合1で作成した階層別キーワードテーブルと同様の作成方法で、マスター特許文献集合2の階層別キーワードテーブルを作成、該作成した階層別キーワードテーブルを用いて、前記マスター特許文献集合1で作成した階層別部分一致検索用キーワードテーブルと同様の方法で、マスター特許文献集合2の階層別部分一致検索用キーワードテーブルを作成するステップと
検索項目、特許分類の検索キーワードは前記特許文献検索式Aの特許分類に決定した累積特許分類、検索方式は前方一致とする特許分類検索用式2と前記マスター特許文献集合2の階層別部分一致検索用キーワードテーブルの階層キーワード列毎に、検索項目は本文全文のキーワード、検索キーワードは当該階層キーワード列のキーワードの論理和、検索方式は部分一致とする式を作成、該作成した全式の式同士の論理積をキーワード検索用式2とし、前記特許分類検索用式2と前記キーワード検索用式2の論理積を使用して前記特許文献検索式Aを作成するステップと
前記特許文献検索式Aを用いて特許データベースの検索を実施、ヒットした文献集合を特許文献集合3(文献件数A件とする)とするステップと
前記特許文献集合3から少なくともM件{該M件は、サンプリング法により、特許文献集合3に含まれている適合文献件数を推定する場合、サンプリング母集団である前記特許文献集合3の文献件数A件と前記特許文献集合3に含まれている適合文献件数の推定値の許容誤差(該許容誤差を以下βと記載する)より統計学的に決定されるサンプリング文献件数である}を超えるサンプル文献S件を無作為抽出して作成した特許文献集合Sを適合文献集合S1(該文献集合の文献件数を以下S1と記載する)と不適合文献集合S2(該文献集合の文献件数を以下S2と記載する)に分類し、S1/S(該割合を適合文献含有率と称し以下αと記載する)と前記βを用いて、前記特許文献集合3に含まれている適合特許文献件数の推定値の最大件数をAとαの積とAとαとβの積の和で、推定値の最小件数をAとαの積とAとαとβの積の差であると推定するステップと
目標とする特許文献集合が有すべき特許文献件数の前記特許文献集合3に含まれている全適合文献件数の推定値に対する割合(該割合を捕捉率と称し以下γと記載する)を設定して、目標とする特許文献集合が有すべき特許文献件数(該文献件数を以下Gと記載する)は前記特許文献集合3に含まれている適合文献件数の推定値の最小件数とγの積(該文献件数を以下Gminと記載する)と前記特許文献集合3に含まれている適合文献件数の推定値の最大件数とγの積(該文献件数を以下Gmaxと記載する)の間の文献件数であると設定するステップと
前記特許文献集合3から適合文献を抽出するための1回目の検索を検索対象文献集合は前記特許文献集合3、検索項目は発明の名称のキーワード、検索キーワードは、該キーワードを発明の名称に含む前記適合文献集合S1に属する文献件数と前記不適合文献集合S2に属する文献件数の比を評価尺度として決定した抽出範囲のキーワードの中から検索者が抽出したキーワード及び該キーワードと部分一致するキーワードの論理和、検索方式は完全一致とする式で実施、ヒットした文献集合名をH1全部集合、該H1全部集合をスクリーニングして作成した適合文献集合をH1適合集合、該H1適合集合の文献件数をH1とし、H1≧GminならばH1適合集合が目標とする特許文献集合であり、H1≧Gminが成立しない場合は2回目の検索のステップへ進み、
2回目の検索は検索対象文献集合を前記特許文献集合3と前記H1全部集合の論理差集合(該集合を以下特許文献集合Bと記載する)、検索項目は要約のキーワード、検索キーワードは、該キーワードを要約に含む前記適合文献集合S1に属する文献件数と前記不適合文献集合S2に属する文献件数の比を評価尺度として決定した抽出範囲のキーワードの中から検索者が抽出したキーワード及び該キーワードと部分一致するキーワードの論理和、検索方式は完全一致とする式で実施、ヒットした文献集合名をH2全部集合、該H2全部集合をスクリーニングして作成した適合文献集合をH2適合集合、該H2適合集合の文献件数をH2とし、H1とH2の和≧GminならばH1適合集合とH2適合集合の論理和集合が目標とする特許文献集合であり、H1とH2の和≧Gminが成立しない場合は3回目の検索のステップへ進み、
3回目の検索は検索対象文献集合を前記特許文献集合Bと前記H2全部集合の論理差集合(該集合を以下特許文献集合Cと記載する)、検索項目は請求の範囲のキーワード、検索キーワードは、該キーワードを請求の範囲に含む前記適合文献集合S1に属する文献件数と前記不適合文献集合S2に属する文献件数の比を評価尺度として決定した抽出範囲のキーワードの中から検索者が抽出したキーワード及び該キーワードと部分一致するキーワードの論理和、検索方式は完全一致とする式で実施、ヒットした文献集合名をH3全部集合、該H3全部集合をスクリーニングして作成した適合文献集合をH3適合集合、該H3適合集合の文献件数をH3とし、H1とH2とH3の和≧GminならばH1適合集合とH2適合集合とH3適合集合の論理和集合が目標とする特許文献集合であり、H1とH2とH3の和≧Gminが成立しない場合は4回目の検索のステップへ進み、
4回目の検索は検索対象文献集合を前記特許文献集合Cと前記H3全部集合の論理差集合(該集合を以下特許文献集合Dと記載する)、検索項目は本文全文のキーワード、検索キーワードは、該キーワードを本文全文に含む前記適合文献集合S1に属する文献件数と前記不適合文献集合S2に属する文献件数の比を評価尺度として決定した抽出範囲のキーワードの中から検索者が抽出したキーワード及び該キーワードと部分一致するキーワードの論理和、検索方式は完全一致とする式で実施、ヒットした文献集合名をH4全部集合、該H4全部集合をスクリーニングして作成した適合文献集合をH4適合集合、該H4適合集合の文献件数をH4とし、H1とH2とH3とH4の和≧GminならばH1適合集合とH2適合集合とH3適合集合とH4の適合集合の論理和集合が目標とする特許文献集合であり、H1とH2とH3とH4の和≧Gminが成立しない場合は5回目の検索のステップへ進み、
5回目の検索は検索対象文献集合を前記特許文献集合Dと前記H4全部集合の論理差集合(該集合を以下特許文献集合Eと記載する)を作成、該文献集合からスクリーニングして作成した適合文献集合をH5適合集、該H5適合集合の文献件数をH5とし、H1とH2とH3とH4とH5の和≧Gminならば、H1適合集合とH2適合集合とH3適合集合とH4適合集合とH5適合集合の論理和集合が目標とする特許文献集合であり
H1とH2とH3とH4とH5の和≧Gminが成立しない場合は最初から見直す
よりなることを特徴とする特許文献の検索方法。
【0013】
請求項2に記載の発明は、特許文献分析ソフトと表計算ソフトがインストールされている
コンピュータで実行される特許文献の検索方法あって、このコンピュータの記憶部に蓄積された特許文献集合を前記特許文献分析ソフトと表計算ソフトで処理し、
任意の方法で特定の技術の特許文献を網羅的に収集して特許文献集合3(文献件数をA件とする)を作成するステップと
前記特許文献集合3から少なくともM件{該M件は、サンプリング法により、特許文献集合3に含まれている適合文献件数を推定する場合、サンプリング母集団である前記特許文献集合3の文献件数A件と前記特許文献集合3に含まれている適合文献件数の推定値の許容誤差(該許容誤差を以下βと記載する)より統計学的に決定されるサンプリング文献件数である}を超えるサンプル文献S件を無作為抽出して作成した特許文献集合Sを適合文献集合S1(該文献集合の文献件数を以下S1と記載する)と不適合文献集合S2(該文献集合の文献件数を以下S2と記載する)に分類し、S1/S(該割合を適合文献含有率と称し以下αと記載する)と前記βを用いて、前記特許文献集合3に含まれている適合特許文献件数の推定値の最大件数をAとαの積とAとαとβの積の和で、推定値の最小件数をAとαの積とAとαとβの積の差であると推定するステップと
目標とする特許文献集合が有すべき特許文献件数の前記特許文献集合3に含まれている全適合文献件数の推定値に対する割合(該割合を捕捉率と称し以下γと記載する)を設定して、目標とする特許文献集合が有すべき特許文献件数(該文献件数を以下Gと記載する)は前記特許文献集合3に含まれている適合文献件数の推定値の最小件数とγの積(該文献件数を以下Gminと記載する)と前記特許文献集合3に含まれている適合文献件数の推定値の最大件数とγの積(該文献件数を以下Gmaxと記載する)の間の文献件数であると設定するステップと
前記特許文献集合3から適合文献を抽出するための1回目の検索を検索対象文献集合は前記特許文献集合3、検索項目は発明の名称のキーワード、検索キーワードは、該キーワードを発明の名称に含む前記適合文献集合S1に属する文献件数と前記不適合文献集合S2に属する文献件数の比を評価尺度として決定した抽出範囲のキーワードの中から検索者が抽出したキーワード及び該キーワードと部分一致するキーワードの論理和、検索方式は完全一致とする式で実施、ヒットした文献集合名をH1全部集合、該H1全部集合をスクリーニングして作成した適合文献集合をH1適合集合、該H1適合集合の文献件数をH1とし、H1≧GminならばH1適合集合が目標とする特許文献集合であり、H1≧Gminが成立しない場合は2回目の検索のステップへ進み、
2回目の検索は検索対象文献集合を前記特許文献集合3と前記H1全部集合の論理差集合(該集合を以下特許文献集合Bと記載する)、検索項目は要約と請求の範囲のキーワード、検索キーワードは、該キーワードを要約又は請求の範囲に含む前記適合文献集合S1に属する文献件数と前記不適合文献集合S2に属する文献件数の比を評価尺度として決定した抽出範囲のキーワードの中から検索者が抽出したキーワード及び該キーワードと部分一致するキーワードの論理和、検索方式は完全一致とする式で実施、ヒットした文献集合名をH2全部集合、該H2全部集合をスクリーニングして作成した適合文献集合をH2適合集合、該H2適合集合の文献件数をH2とし、H1とH2の和≧GminならばH1適合集合とH2適合集合の論理和集合が目標とする特許文献集合であり、H1とH2の和≧Gminが成立しない場合は3回目の検索のステップへ進み、
3回目の検索は検索対象文献集合を前記特許文献集合Bと前記H2全部集合の論理差集合(該集合を以下特許文献集合Cと記載する)、検索項目は本文全文のキーワード、検索キーワードは、該キーワードを本文全文に含む前記適合文献集合S1に属する文献件数と前記不適合文献集合S2に属する文献件数の比を評価尺度として決定した抽出範囲のキーワードの中から検索者が抽出したキーワード及び該キーワードと部分一致するキーワードの論理和、検索方式は完全一致とする式で実施、ヒットした文献集合名をH3全部集合、該H3全部集合をスクリーニングして作成した適合文献集合をH3適合集合、該H3適合集合の文献件数をH3とし、H1とH2とH3の和≧GminならばH1適合集合とH2適合集合とH3適合集合の論理和集合が目標とする特許文献集合であり、H1とH2とH3の和≧Gminが成立しない場合は4回目の検索のステップへ進み、
4回目の検索は検索対象文献集合を前記特許文献集合Cと前記H3全部集合の論理差集合を作成、該文献集合からスクリーニングして作成した適合文献集合をH4適合集、該H4適合集合の文献件数をH4とし、H1とH2とH3とH4の和≧Gminならば、H1適合集合とH2適合集合とH3適合集合とH4適合集合の論理和集合が目標とする特許文献集合でありH1とH2とH3とH4の和≧Gminが成立しない場合は最初から見直す、
よりなることを特徴とする特許文献の検索方法。
【発明の効果】
【0014】
前記特許部文献の分析により、この発明は、以下の効果を有する。
【0015】
請求項1に記載の発明においては、特定の技術の特許分類やキーワードに不慣れな者でも、少数のマスター特許文献集合の作成をスタートとして、該マスター特許文献集合に含まれている特許分類の整理方法の標準化とキーワードの概念の拡張方法の標準化により特定の分野の特許文献を網羅的に検索することが出来、かつ、適合特許文献含有率の高い文献集合から低い集合を順次作成、該作成した文献集合の適合文献の累積件数が目標値に達するまでのスクリーニングで作業は完了し、特許文献含有率が低い文献集合はスクリーニングしないことにより効率的な特許文献検索ができるようになる。
【0016】
請求項2に記載の発明においては、検索洩れを防止のために不適合特許文献の混入を犠牲に、上位概念のキーワードを使用して網羅的に収集した特許文献集合からでも効率的なスクリーニング方法により容易に特許文献検索ができるようになる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しつつ本発明の特許文献検索方法の実施の形態について説明するが、この発明の実施の形態は、発明の最も好ましい形態を示すものであり、この発明はこれに限定されない。
【0019】
図1により、公開特許公報や特許公報等のように特許分類が付与されている特許文献が複数個集まってできる特許文献集合の分析に用いる特許文献分析ソフトと表計算ソフトがインストールされているコンピュータ2を備えた特許文献分析装置1の構成について説明する。
【0020】
この特許文献分析装置1は、制御装置3、演算装置4、記憶装置5及びI/O6がバスラインを介して接続されたコンピュータ2を有し、このコンピュータ2のI/O6の入力側には、キーボード7、マウス8、入力装置9、MOドライブ等を含むCD−ROMドライブ10が接続されており、I/O6の出力側には、CRT(液晶デイスプレイを含む)からなる表示装置11、プリンタ12等が接続されている。さらに通信回線14を通してSRPARTNERやNRIサイバーパテントデスク等のASPの特許データベース13に接続することもできる。特許データベース13には書誌情報および明細書内容などの特許文献が保存されている。
【0021】
特許文献分析装置1の有する主要機能は以下の通りである。
入力装置9を操作して、コンピュータ2の記憶装置5に予めインストールされている前記特許文献分析ソフトを用いて分析対象特許文献集合のファイルを開くとフロントページが表示されるので、該ページからマップ、検索/リスト等のデータオブジェクトを選択して作業を進める。
【0022】
特許マップの作成は、データオブジェクトとしてマップを選択、マップの作成条件の設定画面を表示装置11に描画、該設定画面で種々のマップ作成条件を設定することにより、種々の特許マップ、例えばランキング特許マップ(1列目を特許分類、キーワード、出願人等の各表示項目列、2列目を表示項目列のキーワードが付与されている文献件数列で1列目のキーワードの配列は2列目の文献件数を整列のキーとして降順に整列した数値テーブルをマップ化したもので、数値テーブルとマップの切り替は入力装置9により容易にできる)や、キーワード別2文献集合の文献件数比較マップ(1列目を特許分類、キーワード等の表示項目列、2列目を文献集合1の文献件数列、3列目を文献集合2の文献件数、4列目を2列目目の文献件数の3列目の文献件数に対する割合とし、1列目の表示項目のキーワードの配列は4列目の割合を整列のキーに降順に整列してある数値テーブルをマップ化したもので、数値テーブルとマップの切り替は入力装置9により容易にできる)等を作成することができる。
【0023】
また、前記種々のマップの数値テーブルを該数値テーブル画面とは別画面に表示されている前記表計算ソフトのシートにコピー&ペイスト、該コピー&ペイストした数値テーブルを、前記表計算ソフトを用いて行や列の追加、削除、各セルへの文字の記載、削除、セル間の数字の四則演算、特定の行又は列の文字をキーに特定の範囲のデータを昇順または降順に整列させる等の加工は自由自在にできるようになっている。
【0024】
記憶装置5に保存してある特許文献集合を検索対象とする各種特許分類やキーワードによる検索、記憶装置5に保存してある特許文献集合のオブジェクトとして保存してあるファイル同士の論理和集合、論理差集合、論理積集合の作成は自由にすることが出来る。
【0025】
分析に必要な特許文献集合の作成方法は、先ず、入力装置9を操作して、特許データベース13にアクセスするか、又は、CD−ROM等ドライブ10にセットした公開特許公報CDにアクセスして、特許分類やキーワード等で構成されている検索式を用いて、特許文献検索を行い、該ヒットした文献集合に名前を付して記憶装置5に保存、該記憶装置5に保存してある特許文献集合を、予め記憶装置5にインストールされているデータ形式変換プログラムを用いて、前記特許文献分析ソフトで処理できる形式に変換、該変換した特許文献集合を必要に応じてスクリーニングして分析用特許文献集合を作成、記憶装置5に保存する。
【0026】
本願での特許分類とは、IPC,FIのセクション、クラス、サブクラス、メイングループ、サブグループのいずれかのことを意味し、特許文献とは前記特許分類が付与されている文献の事を意味する。
【0027】
次に、
図1の特許文献分析装置〜
図24のB*Sの要約集合を作成するための検索式を参照して本発明の特許文献の検索方法について説明する。
【0028】
S1、1件の特許文献に付与されている発明の名称と出願人のうち、少なくとも一方が異なる特許文献を任意の方法で5件以上収集しマスター特許文献集合1(例として
図4参照)を作成する。
【0029】
マスター特許文献増加検索式の作成に使用する特許分類とキーワードを抽出するためのマスター特許文献集合を作成するステップである。
【0030】
このステップでのマスター特許文献収集方法は任意の方法となるが、例えば、特許分析装置1と通信回線14を介して特許データベースと接続、入力装置9の操作により、少数のキーワードにより特許データベース13の特許文献検索を実施、ヒットした特許文献をファイルA1として記憶装置5に保存、該ファイルA1を前記特許文献分析ソフトで処理できるデータ形式に変換してファイルA2を作成、該A2からマスターとなる特許文献を5件以上選択、該5件以上の特許文献をマスター特許文献集合1として記憶装置5に保存する方法がある。
【0031】
マスター特許文献集合1の必要条件として、1件の特許文献に付与されている発明の名称と出願人のうち、少なくとも出願人か発明の名称のいずれかが異なる特許文献を収集すると規定している理由は、同一分野に関する特許文献でも出願人や発明の名称が異なっていると観点が異なり使用されている特許分類やキーワードが異なっているので、前記マスター特許文献増加検索式に使用するキーワードとして多種類の特許分類やキーワードを収集できるからである。
【0032】
さらに、前記スター特許文献集合1の必要条件として5件以上の特許文献からなる集合と規定している理由は、パレートの法則に準じ、特定の目的のために作成された特許文献集合の件数の80%をヒットできる筆頭特許分類は該特許文献集合の主要特許分類であるという考えにより、マスター特許文献が最低5件あれば、例えそのうちの1件の特許文献が不適合文献であっても、前記マスター特許文献集合1の筆頭特許分類の80%は適合文献の特許分類となるからである。
【0033】
S2、前記マスター特許文献集合1の全筆頭特許分類テーブルを作成する。
【0034】
本ステップは前記マスター特許文献増加用検索式に用いる特許分類を抽出するステップであるが、該特許分類の抽出作業を、特許文献分析装置1を使用して自動的に行う手段として、前記マスター特許文献集合1の筆頭特許分類別文献件数ランキングテーブル(例として
図5参照)を作成、該テーブルを前記マスター特許文献集合1の全筆頭特許分類テーブルの代用にする。
【0035】
前記マスター特許文献集合1の全筆頭特許分類テーブルの作成方法は、入力装置9を操作して、前記特許文献分析ソフトのスタート画面から前記ファイルA2を開き、該ファイルA2のフロント画面からランキング特許マップ作成条件設定画面を表示装置11に表示、該ランキング特許マップ作成条件設定画面の分析対象オブジェクトの選択は、前記マスター特許文献集合1を選択、分析表示項目の選択では筆頭特許分類を選択して特許マップの作成を実行すると前記マスター特許文献集合1の筆頭特許分類別文献件数ランキングマップが作成されるので、入力装置9を操作して該ランキングマップをテーブルに切替えると前記マスター特許文献集合1の筆頭特許分類別文献件数ランキングテーブル(例として
図5参照)を作成することができるので該筆頭特許分類別文献件数ランキングテーブルが前記マスター特許文献集合1の全筆頭特許分類テーブルの代用とする。
【0036】
S3、前記マスター特許文献集合1の発明の名称のキーワードを抽出する。
【0037】
本ステップは前記マスター特許文献増加用検索式に用いるキーワードを抽出するステップであるが、該キーワードの抽出作業を、特許文献分析装置1を使用して自動的に行う手段として、前記マスター特許文献集合1の発明の名称のキーワード別文献件数ランキングテーブル(1列目を発明の名称のキーワード列、2列目を該キーワードが付与されている文献件数列で、1列目のキーワードの配列は2列目の文献件数を整列のキーとして降順に整列した数値テーブルのことで例として
図6参照)を作成、該テーブルのキーワードを使用する。
【0038】
前記マスター特許文献集合1の発明の名称のキーワード別文献件数ランキングテーブルの作成方法は、入力装置9を操作して、前記特許文献分析ソフトのスタート画面から前記ファイルA2を開き、該ファイルA2のフロント画面からランキング特許マップ作成条件設定画面を表示装置11に表示し、該ランキング特許マップ作成条件設定画面の分析対象オブジェクトの選択は、前記マスター特許文献集合1を選択、分析表示項目の選択では発明の名称のキーワードを選択して特許マップの作成を実行するとマスター特許文献集合1の発明の名称のキーワード別文献件数ランキングマップが作成されるので、入力装置9を操作して該ランキングマップをテーブルに切替えると前記マスター特許文献集合1の発明の名称のキーワード別文献件数ランキングテーブル(例として
図6参照)を作成することができる。
【0039】
S4、前記マスター特許文献集合1の発明の名称のキーワードを発明のカテゴリーを表現しているキーワードを修飾する順番の観点から階層別に層別して前記マスター特許文献集合1の発明の名称の階層別キーワードテーブルを作成、該階層別キーワードテーブルのキーワードを部分一致と重複の観点から整理してマスター特許文献集合1の発明の名称の階層別部分一致検索用キーワードテーブルを作成する。
【0040】
前記マスター特許文献集合1の発明の名称のキーワード別文献件数ランキングテーブルのキーワードをそのまま前記マスター特許文献増加用検索式に使用してもマスター特許文献件数の大幅な増加は望めないので、前記マスター特許文献集合1の発明の名称のキーワード別文献件数ランキングテーブルのキーワードを、発明のカテゴリーを表現しているキーワードを修飾する順番の観点から(例えば、見守、装置、老人、生活という4個のキーワードの場合は、発明のカテゴリーを表現しているキーワードは装置、該装置を修飾する順番は、老人の生活を見守る装置のように決めることが出来るので、装置を最初に修飾する層のキーワードは見守と同一の働きをするキーワード、見守を修飾する層のキーワードは生活と同一の働きをするキーワードのように)層別して前記マスター特許文献集合1の発明の名称の階層別キーワードテーブル(例として
図7参照)を作成、更に、該階層別キーワードテーブルのキーワードを部分一致及び重複の観点から整理してマスター特許文献集合1の発明の名称の階層別部分一致検索用キーワードテーブル(例として
図8参照)を作成、該階層別部分一致検索用キーワードテーブルの層別ごとの式を作成、該作成した式の組合せにより前記マスター特許文献集合1の発明の名称のキーワードの概念を拡張して、該キーワードを前記マスター特許文献増加用検索式に用いてマスター特許文献を増加させる。
【0041】
前記マスター特許文献集合1の発明の名称の階層別キーワードテーブル(例として
図7参照)の作成方法は、前記マスター特許文献集合1の発明の名称のキーワード別文献件数ランキングテーブル(例として
図6参照)から前記マスター特許文献増加用検索式の作成に使用すると検索者が判断したキーワードだけを抽出、該抽出したキーワードの中で発明のカテゴリーを表すキーワード、即ち物の発明か方法の発明かを決定しているキーワードは第1階層キーワード列に配置、発明のカテゴリーを表すキーワード以外のキーワードは、第1階層キーワード列のキーワードを修飾し得るキーワードは第2階層キーワード列に、第2階層のキーワード列のキーワードを修飾し得るキーワードは第3キーワード列に配置のように、前記検索者が前記マスター特許文献増加用検索式の作成に使用すると判断したキーワードの全てが適切な階層キーワード列に配置できるまで、階層キーワード列を増加して作成する。
【0042】
前記マスター特許文献増加用検索式の作成に使用すると検索者が判断したキーワードの中で複数の階層キーワード列にまたがる複合語がある場合は該複合語を単一の階層キーワード列に属するキーワードに分解、該分解したキーワードはそれぞれ該当する階層キーワード列に振り分けて配置する。
【0043】
前記マスター特許文献集合1の発明の名称の階層別部分一致検索用キーワードテーブル(例として
図8参照)の作成方法は前記マスター特許文献集合1の発明の名称の階層別キーワードテーブル(例として
図7参照)の各キーワードを、階層キーワード列別に、部分一致キーワードに統合できるキーワードは部分一致キーワードに統合、重複しているキーワードは重複を無くす整理をして作成する。
【0044】
S5、前記マスター特許文献集合1の筆頭特許分類テーブルの特許分類を使用した特許分類検索用式1と前記マスター特許文献集合1の発明の名称の階層別部分一致検索用キーワードテーブルのキーワードを使用したキーワード検索用式1の論理積を用いて前記マスター特許文献増加用検索式を作成する。
【0045】
特許分類検索用式1は、検索項目、特許分類の検索キーワードは前記マスター特許文献集合1の筆頭特許分類テーブルの全特許分類の論理和、検索方式は前方一致とする式(例として
図10中の特許分類検索用式1)、キーワード検索用式1は前記マスター特許文献集合1の発明の名称の階層別部分一致検索用キーワードテーブルの階層キーワード列毎に、検索項目を発明の名称と要約と請求の範囲のキーワード、検索キーワードは同一階層キーワード列のキーワード同士は論理和で、検索方式は部分一致とする式(例として
図10中のK1、K2、K3、K4参照)を作成、該作成した全式の中から一個の式を取除いた集合の全てについて、同一の集合中の式同士の論理積を作成、該作成した論理積の全ての論理和とする式(例として
図10中のキーワード検索用式1)である。
【0046】
前記キーワード検索用式1で階層キーワード列毎に作成した全式の中のから一個の式を取除いた集合を作成する理由は、取除いた式に該当する階層キーワード列による拘束を無くし新たなキーワードを捕捉するためであり、本願の記載では前記式、K1、K2、K3、K4の中から順次一個の式を使用しない集合を作成し、該集合中の式同士の論理積を使用しているが、必ずしも、前記順次使用しない式の個数は一個でなくてもよく、試し検索で適切な個数にしてもよい。
【0047】
また、前記マスター特許文献増加用検索式に用いるキーワードは発明の名称のキーワードから抽出したキーワードに限定している理由は、経験上、該キーワードを用いた場合の適合文献件数の全ヒット件数に対する割合は、要約、請求の範囲のキーワードを基とした場合よりはるか大きいためスクリーニングが容易であること、かつ、前記マスター特許文献増加用検索式に用いるキーワードの収集には必要十分な件数の適合文献が得られるからである。
【0048】
S6、前記マスター特許文献増加用検索式を用いて特許文献データベース13の検索を実施、ヒットした文献集合を前記特許文献分析ソフトで処理できるデータ形式に変換、該データ形式変換済文献集合をスクリーニングして適合文献だけのマスター特許文献集合2を作成する。
【0049】
本ステップはマスター特許文献集合1を超える件数を有するマスター特許文献集合2を作成するステップで、具体的には、特許分析装置1と通信回線14を介して特許データベース13と接続、入力装置9の操作により、前記マスター特許文献増加用検索式により特許データベース13の特許文献検索を実施、ヒットした文献集合をファイルB1として記憶装置5に保存、該ファイルB1を前記特許文献分析ソフトで処理できるデータ形式に変換してファイルB2を作成、該ファイルB2をスクリーニングして適合文献だけの文献集合、マスター特許文献集合2を作成、該文献集合を記憶装置5に保存する。
【0050】
S7、前記マスター特許文献集合2の全特許分類別文献件数ランキングテーブル(例として
図11参照)を作成し、該ランキングテーブルを基として累積特許分類別文献ヒット件数割合テーブル(例として
図12参照)を作成、該テーブルの累積特許分類別文献ヒット件数割合を評価尺度として選定した累積特許分類を目標とする特許文献を検索するために使用する特許文献検索式Aの特許分類にすることを決定する。
【0051】
マスター特許文献集合2の全特許分類別文献件数ランキングテーブルの作成方法は、入力装置9を操作して、前記特許文献分析ソフトのスタート画面から前記マスター特許文献集合特許文献集合2を開き、該ファイルのフロント画面からランキング特許マップ作成条件設定画面を表示装置11に表示し、該ランキング特許マップ作成条件設定画面の分析対象オブジェクトの選択は、前記マスター特許文献集合2を選択、分析表示項目の選択では全特許分類を選択して特許マップの作成を実行するとマスター特許文献集合2の全特許分類別ランキングマップが作成されるので、入力装置9を操作して該ランキングマップをテーブルに切替えるとマスター特許文献集合2の全特許分類別ランキングテーブル(例として
図11参照)を作成することができる。
【0052】
マスター特許文献集合2の累積特許分類別文献ヒット件数割合テーブル(例として
図12参照)の作成方法は、前記マスター特許文献集合2の全特許分類別文献件数ランキングテーブル(例として
図11参照)を、入力装置9を操作して、表計算ソフトのシートにコピー&ペイストし、該ペイストした全特許分類別文献件数ランキングテーブルに累積特許分類欄、累積特許分類別文献ヒット件数欄、累積特許分類別文献ヒット件数割合(%)欄を増設し、例えば、前記全特許分類別文献件数ランキングテーブルのランキング1位の特許分類をF1、2位の特許分類をF2、3位の特許分類をF3とすれば、ランキング1位の累積特許分類欄にはF1、ランキング2位の累積特許分類欄にはF1とF2の論理和を記載、ランキング3位の累積特許分類欄にはF1とF2とF3の論理和を記載、ランキング1位、2位、3位のそれぞれの累積特許分類別文献ヒット件数欄には検索対象文献集合を前記マスター特許文献集合2、検索キーワードを前記累積特許分類欄の当該ランキングの特許分類、即ちランキング1位に対してはF1、ランキング2位に対してはF1とF2の論理和、ランキング3位に対しては、F1とF2とF3の論理和、とした時のヒット文献件数を記入、累積特許分類別文献ヒット件数割合欄には、それぞれのランキングの前記累積特許分類別文献ヒット件数の前記マスター特許文献集合2の全文献件数に対する割合を記入して作成する。
【0053】
S8、マスター特許文献集合2の発明の名称のキーワード別マスター含有率テーブル(例として
図13参照)、要約のキーワード別マスター含有率テーブル(例として
図14参照)、請求の範囲のキーワード別マスター含有率テーブル(例として
図15参照)を作成し、該テーブル中のマスター含有率を評価尺度として前記特許文献検索式Aに使用するキーワードの抽出範囲を決定する。
【0054】
前記特許文献検索式Aに使用するキーワードの基を前記マスター特許文献集合2に使用されている発明の名称のキーワード、要約のキーワード、請求の範囲のキーワードの中から抽出するのであるが、該キーワードの数は非常に多いので使用するキーワードを効率的に抽出するため、前記マスター特許文献集合2の発明の名称のキーワード別文献件数のマスター特許文献集合2の文献件数に対する割合(該割合を以下、発明の名称のキーワード別マスター含有率と記載、同様の記載を要約、請求の範囲のキーワードにも適用)を算出、同様に、要約と請求の範囲のキーワード別マスター含有率を算出、該算出したマスター含有率を評価尺度として前記特許文献検索式Aに使用するキーワードの抽出範囲を決定する。
【0055】
前記各キーワード別マスター含有率テーブルのキーワードの抽出範囲を決定するマスター含有率の基準値は経験上、発明の名称のキーワードに対してはゼロ以上、即ち全てのキーワードを前記キーワードの抽出範囲とし、要約のキーワードに対しては概ね2%以上、請求の範囲のキーワードに対しては概ね5%以上とすれば、検索洩れ、処理工数の観点から特に問題は無い。
【0056】
前記マスター特許文献集合2の発明の名称、要約、請求の範囲それぞれのキーワード別マスター含有率テーブルの作成方法は、前記マスター特許文献集合2の発明の名称、要約、請求の範囲それぞれのキーワード別文献件数ランキングテーブル(例として
図6参照)にマスター含有率欄を増設し、該増設した欄にはキーワード別文献件数の前記マスター特許文献集合2の全文献件数に対する割合を記載して作成する(例として
図13,14,15参照)。
【0057】
S9、前記各キーワード別マスター含有率テーブルでマスター含有率を評価尺度として選定した全てのキーワードを前記特許文献検索式Aに使用するキーワード候補として、マスター特許文献集合2の発明の名称と要約と請求の範囲の階層分析用キーワードテーブル(例として
図16参照)に纏め、該キーワードテーブルからマスター特許文献集合2の発明の名称と要約と請求の範囲の階層別キーワードテーブル(例として
図17参照)を作成する。
【0058】
本ステップは収集目的とする適合文献を網羅的にヒットするため、前記発明の名称、要約、請求の範囲の各キーワード別マスター含有率テーブルでマスター含有率の基準値を満足する全てのキーワードの中から検索者が前記特許文献検索式Aに使用すると決定して抽出したキーワードを用いて、S4でマスター特許文献集合1の発明の名称の階層別キーワードテーブルを作成した方法と同一方法で前記マスター特許文献集合特許文献集合2の発明の名称と要約と請求の範囲の階層別キーワードテーブル(例として
図17参照)を作成し、前記マスター特許文献集合2の発明の名称と要約と請求の範囲に使用されているキーワードの概念を拡張するための準備ステップである。
【0059】
S10、マスター特許文献集合2の発明の名称と要約と請求の範囲の階層別キーワードテーブルからマスター特許文献集合2の発明の名称と要約と請求の範囲の階層別部分一致検索用キーワードテーブル(例として
図18参照)を作成する。
【0060】
本ステップは、前記マスター特許文献集合2の発明の名称と要約と請求の範囲の階層別キーワードテーブルの各キーワードを階層キーワード列毎に、部分一致のキーワードに統合できるキーワードは部分一致キーワードに統合、重複しているキーワードは重複を無くしてマスター特許文献集合2の発明の名称と要約と請求の範囲の階層別部分一致検索用キーワードテーブルを作成しているステップである。
【0061】
S11、S7で決定した特許分類を使用した特許分類検索用式2とS10のマスター特許文献集合2の発明の名称と要約と請求の範囲の階層別部分一致検索用キーワードテーブルのキーワードを使用したキーワード検索用式2の論理積を用いて前記特許文献検索式Aを作成する。
【0062】
特許分類検索用式2は、検索項目、特許分類の検索キーワードはS7で特許文献検索式Aの特許分類にすると決定した特許分類の論理和、検索方式は前方一致とする式(例として
図19中の特許分類検索用式2参照)、キーワード検索用式2は前記マスター特許文献集合2の発明の名称と要約と請求の範囲の階層別部分一致検索用キーワードテーブルの階層キーワード列毎に、検索項目を本文全文のキーワード、検索キーワードは、同一階層キーワード列のキーワード同士の論理和、検索方式は部分一致とする式(例として
図19中のA1、A2、A3、A4参照)を作成、該作成した全式の論理積(例として
図19中のキーワード検索用式2)である。
【0063】
S12、前記特許文献検索式Aを用いて特許文献データベース13の検索を実施、ヒットした文献集合を前記特許文献分析ソフトで処理できるデータ形式に変換して特許文献集合3(該文献集合の文献件数はA件とする)を作成する。
【0064】
前記特許文献集合3の作成方法は特許分析装置1と通信回線14を介して特許データベース13と接続、入力装置9の操作により、前記特許文献検索式Aにより特許データベース13の特許文献検索を実施、ヒットした文献集合をファイルC1として記憶装置5に保存、該ファイルC1を前記特許文献分析ソフトで処理できるデータ形式に変換した文献集合が特許文献集合3であり、該集合を記憶装置5に保存する。
【0065】
前記特許文献集合3は5件以上のマスター特許文献で構成されるマスター特許文献集合1に使用されている特許分類とキーワードの概念を拡張して作成した検索式で収集した、5件をはるかに超える件数(経験的に100件超の文献件数となる)を有するマスター特許文献集合2の特許分類とキーワードを基に、パレートの法則に基づく方法で絞り込んだ特許分類(S7参照)と概念の拡張をしたキーワードを用いた検索式(S11参照)でヒットした文献集合であるあるから、従来行われていた検索者各自の固有技術により作成された特許文献集合の平均的文献集合よりも、特許分類による不適合文献のヒット件数は少なく、キーワードによる適合文献のヒット件数は多くなると推定されるので、この意味で前記特許文献集合は3は適合文献を網羅的に収集した文献集合であるといえる。
【0066】
S13、前記特許文献集合3に含まれている全適合文献件数をサンプリング法で推定するステップである。
【0067】
本ステップは前記特許文献検索式Aを用いて特許文献データベース13の検索を実施した結果、適合文献は何件あるかをサンプリング法により推定するステップで、前記特許文献集合3から少なくともM件[該M件は、サンプリング法により、特許文献集合3に含まれている適合文献件数を推定する場合、サンプリング母集合である前記特許文献集合3の文献件数A件と前記特許文献集合3に含まれている適合文献件数の推定値の許容誤差(注1)、βより統計学的に決定されるサンプル文献件数である]を超える文献件数であるS件のサンプル文献を無作為抽出して作成した特許文献集合SをスクリーニングしてS1件の適合文献よりなるサンプル適合文献集合S1(該集合は特許文献集合3のデータオブジェクトとして記憶装置5に保存)とS2件の不適合文献よりなるサンプル不適合文献集合S2(該集合は特許文献集合3のデータオブジェクトとして記憶装置5に保存)を作成、適合文献件数S1のサンプル文献件数Sに対する割合(該割合を適合文献含有率と称し以下αと記載する)と許容誤差βを用いて、前記特許文献集合3に含まれている適合特許文献件数の推定値の最大件数をAとαの積とAとαとβの積の和で、推定値の最小件数をAとαの積とAとαとβの積の差であると推定する。
【0068】
(注1)許容誤差とは特許文献集合3に含まれている適合文献件数を無作為抽出したサンプルの分析結果から推定する場合の許容誤差のことであり、この値は任意に設定できるが通常±3%、±5%、±10%がよく使用されている(例として
図20参照)。
【0069】
S14、目標とする特許文献集合が有すべき文献件数の前記特許文献集合3に含まれている適合文献件数に対する割合(該割合を捕捉率と称し以下γと記載する)γを設定し、目標とする特許文献集合が有すべき文献件数(Gと記載する)の推定最小値(Gminと記載する)を前記特許文献集合3に含まれている適合文献件数の推定値の最小件数とγの積、推定最大値(Gmax)を前記特許文献集合3に含まれている適合文献件数の推定値の最大件数とγの積と決定する。
【0070】
捕捉率γは特許マップ用特許文献集合の使用目的により自由に設定できる値であり、検索洩れを少なくしたい場合は高い値を設定し、検索洩れはある程度許容し、処理工数の削減を狙う場合は低い値を設定すればよい。
【0071】
従って、目標とする特許文献集合が有すべき文献件数(G)の合否判定基準は前記Gminより大きいか又は等しいこと、かつ、Gmaxより小さいか又は等しいことであるが、本願の方法では目標とする特許文献集合の文献件数は小さい方から合否判定基準値に近づくので判定基準はGmin[A*α(1−β)*γ]より大きいか又は等しいこととする。
【0072】
以下に特許文献集合3に含まれている適合文献を効率的にスクリーニングする方法を記載するが、効率的にスクリーニングする方法の具体的な手法としては、前記特許文献集合3からスクリーニング用の特許文献集合を検索するために使用する検索式の検索項目と検索キーワードの組合せの順番を、適合文献含有率が高いと推定される文献集合をヒットするものから適合文献含有率が低いと推定される文献集合をヒットするように設定し、スクリーニングして抽出した適合文献の累計件数が判定基準値をクリアした時点でスクリーニング作業を停止するため、必ずしも前記特許文献集合3の全てをスクリーニングする必要がないこと、及び、前記特許文献集合3からスクリーニング用に抽出する特許文献集合を作成するための検索式に用いる検索キーワードは前記特許文献集合3より無作為抽出して作成した特許文献集合Sに含まれているキーワードで適合文献集合には多く使用されているが不適合文献集合にはほとんど使用されていないキーワードを用いるため適合文献含有率の高い文献集合をヒットできることである。
【0073】
S15、前記特許文献集合3からスクリーニング用特許文献集合を抽出するための1回目の検索は検索対象文献集合を特許文献集合3、検索項目は発明の名称のキーワード、検索キーワードは、特許文献集合Sの発明の名称のキーワード別適合・不適合文献比率テーブル(例として
図21参照)の適合・不適合文献比率を評価尺度として決定した範囲のキーワードの中から検索者が選択したキーワード及び該キーワードと部分一致するキーワードの論理和、検索方式は完全一致検索とする検索式(例として
図23参照)を作成、該検索式で検索を実施、ヒットした文献集合(該集合にA*Sの名称集合の名前を付与して特許文献集合3のデータオブジェクトとして記憶装置5に保存する)をスクリーニングして、抽出した適合文献集合(該集合に名称適合集合の名前を付与して特許文献集合3のデータオブジェクトとして記憶装置5に保存する)の文献件数をH1とする。
【0074】
前記A*Sの名称集合の具体的作成手順は、入力装置9を操作して特許文献分析装置1の表示装置11に前記特許文献集合3がデータオブジェクトとして保存されている特許文献集合3の特許情報の検索画面を開き、入力装置9を操作して、検索項目として前記特許文献集合3の発明の名称のキーワードを指定、検索キーワードは、特許文献集合Sの発明の名称のキーワード別適合・不適合文献比率テーブルの適合・不適合文献比率を評価尺度として決定した範囲のキーワードの中から検索者が選択したキーワード及び該キーワードと部分一致するキーワードの論理和とし、検索方式は完全一致とする検索式(例として
図23参照)を作成、該検索式で検索を実行するとA*Sの名称集合を作成することが出来る。
【0075】
前記特許文献集合Sのキーワード別適合・不適合文献比率テーブルの作成方法は、発明の名称のキーワードを例にとって説明すると、入力装置9を操作して特許文献分析装置1の表示装置11に前記特許文献集合Sがデータオブジェクトとして保存されているファイルのキーワード別2文献集合の文献件数比較マップ作成のプロパテイ画面を開き、入力装置9を操作して、マップの作成対象は前記特許文献集合S、1列目に表示するオブジェクトは発明の名称のキーワードを選択、2列目に表示するオブジェクトは前記適合文献集合S1、3列目に表示するオブジェクトは前記不適合文献集合S2を指定、入力装置9を操作してマップ描画を実行、該マップをテーブル画面に切り替えると前記特許文献集合Sのキーワード別適合・不適合文献比率テーブルが作成され、同様にして要約、請求の範囲、本文全文についても同様の前記特許文献集合Sのキーワード別適合・不適合文献比率テーブルを作成することができる。
【0076】
S16、H1≧Gminならば名称適合集合が目標とする特許文献集合であり、H1≧Gminが成立しない場合は次のステップへ進む。
【0077】
S17、前記特許文献集合3からスクリーニング用特許文献集合を抽出するための2回目の検索は検索対象文献集合を前記特許文献集合3と前ステップでスクリーニング済の前記A*Sの名称集合との論理差集合(該集合に特許文献集合Bの名前を付与して特許文献集合3のデータオブジェクトとして記憶装置5に保存する)、検索項目は要約のキーワード、検索キーワードは、特許文献集合Sの要約のキーワード別適合・不適合文献比率テーブル(例として
図22参照)の適合・不適合文献比率を評価尺度として選別した範囲のキーワードの中から検索者が選択したキーワード及び該キーワードと部分一致するキーワードの論理和、検索方式は完全一致検索とする検索式(例として
図23参照)を作成、該検索式で検索を実施、ヒットした文献集合(該集合にB*Sの要約集合の名前を付与して特許文献集合3のデータオブジェクトとして記憶装置5に保存する)をスクリーニングして、抽出した適合文献集合(該集合に要約適合集合の名前を付与して特許文献集合3のデータオブジェクトとして記憶装置5に保存する)の文献件数をH2とする。
【0078】
前記B*Sの要約集合の具体的作成手順は、入力装置9を操作して特許文献分析装置1の表示装置11に前記特許文献集合Bがデータオブジェクトとして保存されている特許文献集合3の特許情報の検索画面を開き、入力装置9を操作して、検索項目として前記特許文献集合Bの要約のキーワードを指定、検索キーワードは、特許文献集合Sの要約のキーワード別適合・不適合文献比率テーブルの適合・不適合文献比率を評価尺度として選別した範囲のキーワードの中から検索者が選択したキーワード及び該キーワードと部分一致するキーワードの論理和とし、検索方式は完全一致とする検索式(例として
図24参照)を作成、該検索式で検索を実行するとB*Sの要約集合を作成することが出来る。
【0079】
S18、H1とH2の和≧Gminならば名称適合集合と要約適合集合の論理和集合が目標とする特許文献集合であるが、H1とH2の和≧Gminが成立しない場合は次のステップへ進む。
【0080】
S19、前記特許文献集合3からスクリーニング用特許文献集合を抽出するための3回目の検索は検索対象文献集合を前記特許文献集合Bと、前ステップでスクリーニング済の前記B*Sの要約集合との論理差集合(該集合に特許文献集合Cの名前を付与して特許文献集合3のデータオブジェクトとして記憶装置5に保存する)、検索項目は請求の範囲のキーワード、検索キーワードは、特許文献集合Sの請求の範囲のキーワード別適合・不適合文献比率テーブルの適合・不適合文献比率を評価尺度として選別した範囲のキーワードの中から検索者が選択したキーワード及び該キーワードと部分一致するキーワードの論理和、検索方式は完全一致検索とする検索式を作成、該検索式で検索を実施、ヒットした文献集合(該集合にC*Sの請求集合の名前を付与して特許文献集合3のデータオブジェクトとして記憶装置5に保存する)をスクリーニングして、抽出した適合文献集合(該集合に請求適合集合の名前を付与して特許文献集合3のデータオブジェクトとして記憶装置5に保存する)の文献件数をH3とする。
【0081】
前記C*Sの請求集合の具体的作成手順は、入力装置9を操作して特許文献分析装置1の表示装置11に前記特許文献集合Cがデータオブジェクトとして保存されている特許文献集合3の特許情報の検索画面を開き、入力装置9を操作して、検索項目として前記特許文献集合Cの請求の範囲のキーワードを指定、検索キーワードは、特許文献集合Sの請求の範囲のキーワード別適合・不適合文献比率テーブルの適合・不適合文献比率を評価尺度として決定した範囲のキーワードの中から検索者が選択したキーワード及び該キーワードと部分一致するキーワードの論理和とし、検索方式は完全一致とする検索式を作成、該検索式で検索を実行するとC*Sの請求集合を作成することが出来る。
【0082】
S20、H1とH2とH3の和≧Gminならば名称適合集合と要約適合集合と請求適合集合の論理和集合が目標とする特許文献集合であるが、H1とH2とH3の和≧Gminが成立しない場合は次のステップへ進む。
【0083】
前記特許文献集合3からスクリーニング用特許文献集合を抽出するための検索回数を減じるために検索対象文献集合を前記特許文献集合B、検索項目は要約と請求の範囲のキーワード、検索キーワードは、特許文献集合Sの要約と請求の範囲のキーワード別適合・不適合文献比率テーブルの適合・不適合文献比率を評価尺度として選別した範囲のキーワードの中から検索者が選択したキーワード及び該キーワードと部分一致するキーワードの論理和、検索方式は完全一致検索とする検索式を作成、該検索式で検索を実施してヒットした文献集合から適合文献を抽出する方法もあるが、この場合は前記ヒットした文献集合の適合文献含有率はS17のB*Sの要約集合適合文献含有率よりも低くなる。
【0084】
S21、前記特許文献集合3からスクリーニング用特許文献集合を抽出するための4回目の検索は検索対象文献集合を前記特許文献集合Cと、前ステップでスクリーニング済の前記C*Sの請求集合との論理差集合(該集合に特許文献集合Dの名前を付与して特許文献集合3のデータオブジェクトとして記憶装置5に保存する)、検索項目は本文全文のキーワード、検索キーワードは、特許文献集合Sの本文全文のキーワード別適合・不適合文献比率テーブルの適合・不適合文献比率を評価尺度として決定した範囲のキーワードの中から検索者が選択したキーワード及び該キーワードと部分一致するキーワードの論理和、検索方式は完全一致検索とする検索式を作成、該検索式で検索を実施、ヒットした文献集合(該集合にD*Sの全文集合の名前を付与して特許文献集合3のデータオブジェクトとして記憶装置5に保存する)をスクリーニングして、抽出した適合文献集合(該集合に全文適合集合の名前を付与して特許文献集合3のデータオブジェクトとして記憶装置5に保存する)の文献件数をH4とする。
【0085】
前記D*Sの全文集合の具体的作成手順は、入力装置9を操作して特許文献分析装置1の表示装置11に前記特許文献集合Dがデータオブジェクトとして保存されている特許文献集合3の特許情報の検索画面を開き、入力装置9を操作して、検索項目として前記特許文献集合Dの本文全文のキーワードを指定、検索キーワードは、特許文献集合Sの本文全文のキーワード別適合・不適合文献比率テーブルの適合・不適合文献比率を評価尺度として決定した範囲のキーワードの中から検索者が選択したキーワード及び該キーワードと部分一致するキーワードの論理和、検索方式は完全一致とする検索式を作成、該検索式で検索を実行するとD*Sの全文集合を作成することが出来る。
【0086】
S22、H1とH2とH3とH4の和≧Gminならば名称適合集合と要約適合集合と請求適合集合と全文適合集合の論理和集合が目標とする特許文献集合であるが、H1とH2とH3とH4の和≧Gminが成立しない場合は次のステップへ進む。
【0087】
S23、前記特許文献集合3からスクリーニング用特許文献集合を抽出するための5回目の検索は検索対象文献集合を前記特許文献集合Dとスクリーニング済の前記D*Sの全文集合の論理差集合(該集合に特許文献集合Eの名前を付与して特許文献集合3のデータオブジェクトとして記憶装置5に保存する)を作成、該特許文献集合Eをスクリーニングして抽出した適合文献集合(該集合にEの適合集合の名前を付与して特許文献集合3のデータオブジェクトとして記憶装置5に保存する)の文献件数をH5とする。
S24、H1とH2とH3とH4とH5の和≧Gminならば名称適合集合と要約適合集合と請求適合集合と全文適合集合とEの適合集合の論理和集合が目標とする特許文献集合であるが、H1とH2とH3とH4とH5の和≧Gminが成立しない場合は最初のステップから見直す。
【0088】
S15、S17、S19、S21、S23で前記特許文献集合3の全文献をスクリーニングしたことになるので、前記特許文献集合3から無作為抽出して作成したサンプル文献集合の分析が正しく行われていれば必ずS16、S18、S20、S22、S24のいずれかのステップで目標とする特許マップ用特許文献集合が得られるはずである。
【0089】
以下、実施例として、独居老人や高齢者等弱者の安否確認、緊急時通報、浴室監視等の生活見守りに関する特許文献を網羅的に収集、該収集した文献集合に含まれている全適合文献の件数をサンプリング法で、許容誤差10%で推定、該推定値の最小件数の70%以上を捕捉する特許文献検索方法について
図1〜
図24を用いて具体的に説明する。
【0090】
A.1件の特許文献に付与されている発明の名称と出願人のうち、少なくとも一方が異なる特許文献を任意の方法で5件以上収集しマスター特許文献集合1を作成するステップである。
【0091】
前記マスター特許文献集合1の作成は入力装置9の操作により特許文献分析装置1を、通信回線14を介してASPの特許データベースに接続、独居老人や高齢者等弱者の安否確認、緊急時通報、浴室監視等の生活見守りに関する少数のキーワードにより特許文献検索を実施、ヒットした特許文献をファイルa1として記憶装置5に保存、該ファイルa1を特許文献分析ソフトで処理できるデータ形式に変換してファイルa2を作成、該a2からマスターとなる特許文献で1件の特許文献に付与されている発明の名称と出願人のうち、少なくとも一方が異なる特許文献を5件選択し、該5件の特許文献を前記ファイルa2のデータオブジェクト、マスター特許文献集合1(
図4)として記憶装置5に保存した。
【0092】
B.前記マスター特許文献集合1の全筆頭特許分類テーブルを作成する。
【0093】
本ステップはマスター特許文献増加用検索式に用いる特許分類を抽出するステップであるが、該特許分類の抽出作業を、特許文献分析装置1を使用して自動的に行う手段として、前記マスター特許文献集合1の筆頭特許分類別文献件数ランキングテーブル(
図5)を作成、該テーブルを代用した。
【0094】
マスター特許文献集合1の筆頭特許分類別文献件数ランキングテーブルの作成方法は、入力装置9を操作して、前記特許文献分析ソフトのスタート画面から前記ファイルa2を開き、該ファイルa2のフロント画面からランキング特許マップ作成条件設定画面を表示装置11に表示し、該ランキング特許マップ作成条件設定画面の分析対象オブジェクトとして前記マスター特許文献集合1を選択、分析表示項目として筆頭特許分類を選択、入力装置9を操作して特許マップの作成を実行するとマスター特許文献集合1の筆頭特許分類別文献件数ランキングマップが作成されるので、入力装置9を操作して該ランキングマップをテーブルに切替えて前記マスター特許文献集合1の筆頭特許分類別文献件数ランキングテーブル(
図5)を作成し記憶装置5に保存した。
【0095】
C、前記マスター特許文献集合1の発明の名称のキーワードを抽出する。
【0096】
本ステップは前記マスター特許文献増加用検索式に用いるキーワードを抽出するステップであるが、該キーワードの抽出作業を、特許文献分析装置1を使用して自動的に行う手段として、前記マスター特許文献集合1の発明の名称のキーワード別文献件数ランキングテーブル(
図6)を作成、該テーブルのキーワードを使用した。
【0097】
前記マスター特許文献集合1の発明の名称のキーワード別文献件数ランキングテーブルの作成方法は、入力装置9を操作して、前記特許文献分析ソフトのスタート画面から記憶装置5に保存されている前記ファイルa2を開き、該ファイルa2のランキング特許マップ作成条件設定画面を表示装置11に表示、該ランキング特許マップ作成条件設定画面で、分析対象オブジェクトとして前記マスター特許文献集合1を選択、分析表示項目として発明の名称のキーワードを選択、入力装置9を操作して特許マップの作成を実行すると前記マスター特許文献集合1の発明の名称のキーワード別文献件数ランキングマップが作成されるので、入力装置9を操作して該ランキングマップをテーブルに切替えて前記マスター特許文献集合1の発明の名称のキーワード別文献件数ランキングテーブル(
図6)を作成し記憶装置5に保存した。
【0098】
D、前記マスター特許文献集合1の発明の名称のキーワード別文献件数ランキングテーブルのキーワードを発明のカテゴリーを表現しているキーワードを修飾する順番の観点から階層別に層別してマスター特許文献集合1の階層別キーワードテーブルを作成、該階層別キーワードテーブルのキーワードを部分一致の観点と重複の観点から整理してマスター特許文献集合1の階層別部分一致検索用キーワードテーブルを作成するステップである。
【0099】
前記マスター特許文献集合1の発明の名称のキーワード別文献件数ランキングテーブル(
図6)から前記マスター特許文献集合1の階層別キーワードテーブル(
図7)の作成方法は、入力装置9を操作して記憶装置5に保存されている
図6を表示装置11に描画し、該描画した
図6を、表示装置11の別画面に開いてあるEXCEL画面に貼付け、該貼り付けた
図6の横に、左からNO列、第4階層キーワード列、第3階層キーワード列、第2階層キーワード列、第1階層キーワード列を有するテーブルを作成し、
図6の発明の名称のキーワードを前記S4に記載した、マスター特許文献集合1の発明の名称の階層別キーワードテーブルの作成方法に従って配置して作成した。
【0100】
具体的には、
図6のNO1のキーワード、システムは発明のカテゴリーを表しているキーワードであるから、第1階層キーワード列に配置、
図6のNO2のキーワード、生活見守は、生活を見守るシステムというキーワードの修飾順序が成立し、システムは第1階層キーワード列に配置されるから、見守は第2階層キーワード列、生活は第3階層キーワード列に配置した。
【0101】
図6のNO3の遠隔見守りは、生活を遠隔見守するシステムというキーワードの修飾順序が成立し、生活は第3階層キーワード列、システムは第1階層キーワード列に配置されているので、遠隔見守は第2階層キーワード列に配置した。
【0102】
図6のNO5の独居者見守という複合語の場合は、独居者の生活を見守るシステムというキーワードの修飾順序が成立するので、キーワード、独居者見守を独居者と見守に分離、キーワード独居者は第3階層キーワード列に配置されている生活を修飾し得るので、第4階層キーワード列に配置した。
【0103】
図6のキーワードの中で、前記マスター特許文献増加検索式に使用しようとするキーワードの全てに対して以上のような検討を実施、
図7の前記マスター特許文献集合1の発明の名称の階層別キーワードテーブルを作成した。
【0104】
さらに、前記マスター特許文献集合1の発明の名称の階層別キーワードテーブル(
図7)の各階層キーワード列毎に重複しているキーワードは重複を無くし、部分一致しているキーワード同士は一個のキーワードに統合、例えば
図7の第2階層列のキーワード、遠隔見守は、見守に統合、かつ、キーワード、見守は5個あるので、この重複を無くして1個のキーワードに集約、のようにして、前記マスター特許文献集合1の発明の名称の階層別部分一致検索用キーワードテーブル(
図8)を作成した。
【0105】
E.マスター特許文献集合1の全筆頭特許分類テーブル(
図5)の特許分類とマスター特許文献集合1の発明の名称の階層別部分一致検索用キーワードテーブル(
図8)のキーワードを用いて前記マスター特許文献増加用検索式を作成するステップである。
【0106】
前記マスター特許文献増加用検索式を作成するため、特許分類検索用式1として特許分類の検索項目はFI、検索キーワードは前記マスター特許文献集合1の全筆頭特許分類テーブル(
図5)の全ての特許分類の論理和、検索方式は前方一致とする式(
図10中の特許分類検索用式1)と、キーワード検索用式2として前記マスター特許文献集合1の発明の名称の階層別部分一致検索用キーワードテーブルの階層キーワード列毎に、検索項目は発明の名称と要約と請求の範囲のキーワード、検索キーワードは当該階層キーワード列のキーワードの論理和(
図9)、検索方式は部分一致とする式(
図10中の式記号K1〜K4)を作成、該作成した式の全てを集めた集合の中のから順次一個の式を取り除いて作成した集合の全てについて、同一集合中の式同士の論理積を作成、該作成した論理積の全てを論理和とする式2(
図10中の式2)を作成、前記特許分類検索用式1と前記キーワード検索用式2の論理積を使用して前記マスター特許文献増加用検索式(
図10の検索論理式)を作成した。
【0107】
F.前記マスター特許文献増加用検索式を用いて特許文献データベースの検索を実施、ヒットした文献集合を前記特許文献分析ソフトで処理できるデータ形式に変換、該データ形式変換済文献集合をスクリーニングして適合文献だけのマスター特許文献集合2を作成するステップである。
【0108】
特許文献分析装置1と通信回線14を介して特許データベース13と接続、入力装置9の操作により前記マスター特許文献増加用検索式を用いて特許データベース13の特許文献検索を実施、ヒットした特許文献、198件をファイルb1として記憶装置5に保存、該ファイルb1を前記特許文献分析ソフトで処理できるデータ形式に変換しファイルb2を作成、該ファイルb2をスクリーニングしてマスターとなる172件の文献を抽出、該抽出した文献集合を前記マスター特許文献集合2として記憶装置5に保存した。
【0109】
G.前記マスター特許文献集合2の全特許分類別文献件数ランキングテーブル(
図11)を作成し、該ランキングテーブルからマスター特許文献集合2の累積特許分類別文献ヒット件数割合テーブル(
図12)を作成、該テーブル中の累積特許分類別文献ヒット件数割合が基準値(本実施例では80%に設定)を超えた時点の累積特許分類を独居老人や高齢者等弱者の安否確認、緊急時通報、浴室監視等の生活見守りに関する特許文献を網羅的に収集するための特許文献検索式Aの特許分類に決定した。
【0110】
前記マスター特許文献集合2の全特許分類別文献件数ランキングテーブル(
図11)の作成方法は、入力装置9を操作して、前記特許文献分析ソフトのスタート画面から記憶装置5に保存してあるファイル、前記マスター特許文献集合2を開き、該ファイルのフロント画面からランキング特許マップ作成条件設定画面を表示装置11に表示し、該設定画面の分析対象オブジェクトは、前記マスター特許文献集合2を選択、分析表示項目は全特許分類を選択して特許マップの作成を実行すると前記マスター特許文献集合2の全特許分類別文献件数ランキングマップが作成されるので、入力装置9を操作して該ランキングマップをテーブルに切替えてマスター特許文献集合2の全特許分類別文献件数ランキングテーブル(
図11)を作成し、該ランキングテーブルをファイル、前記マスター特許文献集合2のデータオブジェクトとして記憶装置5に保存した。
【0111】
前記マスター特許文献集合2の累積特許分類別文献ヒット件数割合テーブル(
図12)の作成方法は、記憶装置5に保存してある前記マスター特許文献集合2の全特許分類別文献件数ランキングテーブル(
図11)を、入力装置9を操作して表示装置11に描画、該描画した前記マスター特許文献集合2の全特許分類別文献件数ランキングテーブルをコピー、該ランキングテーブルを、表示装置11の
図11のランキングテーブルが描画されている画面とは別画面に描画されているEXCELシートに貼付け、該貼り付けた前記マスター特許文献集合2の全特許分類別文献件数ランキングテーブル(
図11)の右隣の列に累積特許分類欄と累積特許分類別文献ヒット件数欄と累積特許分類別文献ヒット件数割合欄を追加したテーブルを作成後、ランキングN位の累積許分類欄にはランキング1位からN位までの特許分類の論理和を記載、累積特許分類別文献ヒット件数欄には、検索項目はマスター特許文献集合2のFI、検索キーワードはランキングN位の累積特許分類欄の特許分類を入力して検索を実行、ヒットした文献件数を記入、累積特許分類別文献ヒット件数割合欄にはランキングNの累積特許分類別文献ヒット件数の前記マスター特許文献集合2の文献件数(172件)に対する割合を記載、該割合が基準値(本実施例では80%)に達するまで、又は超えるランキングN迄継続して作成、該ランキングNの累積特許分類を前記特許文献検索式Aの特許分類に決定するのであるが、本実施例ではN=1で累積特許分類別文献ヒット件数割合は97.7%となり基準値80%を超えたのでランキング1位の特許分類G08B25/のみを前記特許文献検索式Aの特許分類として使用した。
【0112】
H.前記マスター特許文献集合2の発明の名称のキーワード別マスター含有率テーブル(
図13)、要約のキーワード別マスター含有率テーブル(
図14)、請求の範囲のキーワード別マスター含有率テーブル(
図15)を作成、該テーブル中のマスター含有率を評価尺度として特許文献検索式Aに使用するキーワードの抽出範囲を決定するステップである。
【0113】
マスター特許文献集合2の発明の名称のキーワード別マスター含有率テーブル(
図13)、要約のキーワード別マスター含有率テーブル(
図14)、請求の範囲のキーワード別マスター含有率テーブル(
図15)の作成方法は、ステップCと同様の手順でマスター特許文献集合2の発明の名称のキーワード別文献件数ランキングテーブル、要約のキーワード別文献件数ランキングテーブル、請求の範囲のキーワード別文献件数ランキングテーブルを作成、該作成した3種類のランキングテーブルを表示装置11の前記3種類のランキングテーブルが描画されている画面とは別画面に開いてあるEXCELシートにコピー&ペイストし、該ペイストした3種類の各々のランキングテーブルの文献件数欄の右隣に、マスター含有率欄を設け、ランキングN位の含有率欄にはランキングN位の文献件数の前記マスター特許文献集合2の文献件数172件に対する割合を記載したテーブルをEXCELファイルAのオブジェクト
図13、
図14、
図15として保存した。
【0114】
前記特許文献検索式Aに使用するキーワードの抽出範囲を決定する基準は、発明の名称のマスター含有率欄は0%以上、即ち全てのキーワード、要約のマスター含有率は2%以上、請求の範囲のマスター含有率は5%以上としている。
【0115】
I、前記各キーワード別マスター含有率テーブルでマスター含有率基準値を満足した全てのキーワードを前記マスター特許文献集合2の階層分析用キーワードテーブル(
図16)に纏め、更に、該キーワードテーブルから前記特許文献検索式Aに使用するキーワードを抽出して、マスター特許文献集合2の階層別キーワードテーブル(
図17)を作成する。
【0116】
前記マスター特許文献集合2の階層分析用キーワードテーブル(
図16)は入力装置9を操作して表示装置11に前記EXCELファイルAのデータオブジェクトとして記憶装置5に保存されている前記
図13、
図14、
図15を表示、
図13のマスター含有率が0%以上(全てのキーワード)と、
図14のマスター含有率が2%以上のキーワードと、
図15のマスター含有率が5%以上のキーワードをコピー&ペイストして1枚のEXCELシートに貼付け、該シートの縦軸のキーワードを昇順に整列して作成、該作成したEXCELシートを前記EXCELファイルAのオブジェクト、
図16として、記憶装置5に保存した。
【0117】
次にマスター特許文献集合2の階層別キーワードテーブル(
図17)の作成の方法は、入力装置9を操作して、表示装置11に前記
図16を表示、該
図16の右横に、左からNO列、第4階層キーワード列、第3階層キーワード列、第2階層キーワード列、第1階層キーワード列を有するテーブルを作成、該作成したテーブルに、
図16のキーワードの中から検索者が前記特許文献検索式Aに使用すると判断したキーワードを使用して、前記S4のマスター特許文献集合1の発明の名称の階層別キーワードテーブルを作成したと同一の方法でマスター特許文献集合2の階層別キーワードテーブル(
図17)を作成、該作成したテーブルを前記EXCELファイルAのオブジェクトとして、記憶装置5に保存した。
【0118】
J、マスター特許文献集合2の階層別キーワードテーブルからマスター特許文献集合2の階層別部分一致検索用キーワードテーブル(
図18)を作成するステップである。
【0119】
図18の作成方法は、入力装置9を操作して前記EXCELファイルAのオブジェクト、
図17を表示装置11に表示、前記
図17で、各階層キーワード列で、重複しているキーワードは一個のキーワードに、部分一致しているキーワードは一個のキーワード(例えば
図17の第4階層のキーワード列のNO1の老人、NO2の老人、NO6の独居老人、NO7の独居老人、NO8の独居老人は老人に統合)に統合、整理して作成、該作成した
図18を前記EXCELファイルAのオブジェクト、
図18として、記憶装置5に保存した。
【0120】
K、ステップGで決定した特許分類とステップJのマスター特許文献集合2の階層別部分一致検索用キーワードテーブルのキーワードを用いて前記特許文献検索式A(
図19)を作成するステップである。
【0121】
前記特許文献検索式Aを作成するため、特許分類検索用式2として検索項目FIの検索キーワードは前記マスター特許文献集合2の累積特許分類別文献ヒット件数割合テーブル(
図12)の累積特許分類別文献ヒット件数割合が基準値(本実施例では80%に設定)を超えた時点の累積特許分類、G08B25/、検索方式は前方一致の式を作成、キーワード検索用式2として前記マスター特許文献集合2の発明の名称と要約と請求の範囲の階層別部分一致検索用キーワードテーブル(
図18)の階層キーワード列毎に、検索項目は本文全文のキーワード、検索キーワードは、同一階層キーワード列のキーワード同士の論理和、検索方式は部分一致とする式(
図19中のA1、A2、A3、A4)を作成、該作成した全式の論理積(
図19中のキーワード検索用式2)を作成、該特許分類検索用式2とキーワード検索用式2の論理積を使用して前記特許文献検索式Aを作成した。
【0122】
L、前記特許文献検索式Aを用いて特許文献データベース13の検索を実施、ヒットした文献集合を前記特許文献分析ソフトで処理できるデータ形式に変換して特許文献集合3を作成するステップである。
【0123】
特許分析装置1と通信回線14を介して特許データベース13と接続、入力装置9の操作により、前記特許文献検索式Aにより特許データベース13の特許文献検索を実施、ヒットした3639件の文献集合をファイルc1として記憶装置5に保存、該ファイルc1を前記特許文献分析ソフトで処理できるデータ形式に変換して特許文献集合3(文献件数3639件)を作成して記憶装置5に保存した。
【0124】
M、前記特許文献集合3に含まれている全適合文献件数をサンプリング法で推定するため無作為抽出したサンプル文献件数S件より成るサンプル文献集合Sに含まれている適合文献件数(以下S1件と記載する)の前記S件に対する割合(該割合S1/S=αとし、以下αを適合文献含有率と記載する)と前記特許文献集合3に含まれている全適合文献件数の推定値の許容誤差(以下βと記載する)を用いて、前記特許文献集合3に含まれている適合特許文献件数(以下該件数を網羅的適合文献件数と記載)はA*α(1±β)であると推定するステップである。
【0125】
前記特許文献集合3の文献件数は3639件、許容誤差(β)は±10%と設定しているので
図20より必要サンプル特許文献件数は100件以上あれば十分であるが、本件では前記特許文献集合3から121件の文献を無作為抽出して、該無作為抽出した文献集合をスクリーニングして46件の適合文献が得られたので、前記適合文献含有率αは46件/121件で0.38と算出される。
【0126】
従って前記特許文献集合3に含まれる適合文献件数は3639*0.38*(1±0.1)で1244〜1521件と推定された。
【0127】
なお、本実施例の上記無作為抽出方法としては、前記特許文献集合3の文献件数は3639件の文献を出願日について昇順に整列、該整列した文献を30件間隔で抽出する方法を採用した。
【0128】
N、目標とする特許文献集合が有すべき特許文献件数の前記特許文献集合3に含まれている全適合文献件数に対する割合(該割合を捕捉率と称し以下γと記載する)γを決定し、目的とする特許文献集合が有すべき文献件数の範囲を
A*α(1−β)*γ≦G≦A*α(1+β)*γと決定するステップである。
【0129】
本実施例では捕捉率は70%と設定しているので目標とする特許文献集合が有すべき特許文献件数Gの範囲は最小値が1244*0.7で871件、最大値が1521*0.7で1065件となったので、以下の検討では前記Gの判定基準は最小値(以下Gminと記載する)の871件とした。
【0130】
O、前記特許文献集合3から適合文献を抽出するための1回目の検索は検索対象文献集合を特許文献集合3、検索項目は発明の名称のキーワード、検索キーワードは、特許文献集合Sの発明の名称のキーワード別適合・不適合文献比率テーブル(
図21)の適合・不適合文献比率を評価尺度として決定した範囲のキーワードの中から検索者が選択したキーワード及び該キーワードと部分一致するキーワードの論理和、検索方式は完全一致検索とする検索式(
図23)を作成、該検索式で検索を実施、ヒットした文献集合(該集合にA*Sの名称集合の名前を付与して特許文献集合3のデータオブジェクトとして記憶装置5に保存する)をスクリーニングして抽出した適合文献集合(該集合に名称適合集合の名前を付与して特許文献集合3のデータオブジェクトとして記憶装置5に保存する)の文献件数をH1とするステップである。
【0131】
本ステップの具体的実施手順は、入力装置9を操作して記憶装置5に保存されているファイル、特許文献集合3の特許情報の検索画面を開き、入力装置9を操作して、検索対象文献集合は特許文献集合3、検索項目は発明の名称のキーワード、検索キーワードは
図21の発明の名称のキーワード別適合・不適合文献比率テーブルの適合文献集合件数の不適合文献集合件数に対する割合が∞のキーワード及び該キーワードと部分一致するキーワードの中から抽出したキーワードの論理和(
図23の検索キーワード)、検索方式は完全一致で検索を実行すると、ヒットした文献集合、A*Sの名称集合の文献件数は654件、該654をスクリーニングして収集した適合文献集合、名称適合集合の文献件数は546件(適合文献率=546/654=83.5%)となり、従ってH1=546件となった。
【0132】
P、前記H1とGminを比較、H1≧Gminならば名称適合集合がゴールとする特許文献集合であり、H1≧Gminが成立しない場合は次のステップへ進むステップである。
【0133】
H1=546件でGminの871件より小の為次のステップへ進む。
【0134】
Q、前記特許文献集合3から適合文献を抽出するための2回目の検索は検索対象文献集合を前記特許文献集合3と前記A*Sの名称集合の論理差集合(以下該集合を特許文献集合3のオブジェクト、特許文献集合Bとして記憶装置5に保存する)、検索項目は要約のキーワード、検索キーワードは、特許文献集合Sの要約のキーワード別適合・不適合文献比率テーブル(
図22)の適合・不適合文献比率を評価尺度として決定した範囲のキーワードの中から検索者が選択したキーワード及び該キーワードと部分一致するキーワードの論理和、検索方式は完全一致検索とする検索式(
図24)を作成、該検索式で検索を実施、ヒットした文献集合(該集合にB*Sの要約集合の名前を付与してファイル特許文献集合3のデータオブジェクトとして記憶装置5に保存する)をスクリーニングして抽出した適合文献集合(該集合に要約適合集合の名前を付与して特許文献集合3のデータオブジェクトとして記憶装置5に保存する)の文献件数をH2とするステップである。
【0135】
本ステップの具体的実施手順は、入力装置9を操作して記憶装置5に保存されているファイル、特許文献集合3の特許情報の検索画面を開き、入力装置9を操作して、検索対象文献集合は特許文献集合B、検索項目は要約のキーワード、検索キーワードは
図22の要約のキーワード別適合・不適合文献比率テーブルの適合文献集合件数の不適合文献集合件数に対する割合が∞のキーワード及び該キーワードと部分一致するキーワードの中から抽出したキーワードの論理和(
図24の検索キーワード)、検索方式は完全一致の検索式(
図24)で検索を実行すると、ヒットした文献集合、B*Sの要約集合の文献件数は572件、該572件をスクリーニングして、適合文献集合、要約適合集合の文献件数は345件(適合文献率=345/572=60.3%)となり、従ってH2=345件となった。
【0136】
R、前記適合文献件数H1とH2の和とGminを比較し、(H1+H2)≧Gminならば名称適合集合と要約適合集合の論理和集合がゴールとする特許文献集合であるが、(H1+H2)≧Gminが成立しない場合は次のステップへ進む。
【0137】
H1+H2=546件+345件=891件でGminの871件以上の件数になっている為、名称適合集合と要約適合集合の論理和集合がゴールとする特許文献集合である。
【0138】
スクリーニングの効率の評価尺度をスクリーニング文献件数に対する適合文献抽出件数の割合とし、前記ステップOとQで採用した方法と、前記特許文献集合3をそのままスクリーニングする方法を比較すると、前者スクリーニング効率=(H1+H2)/(A*Sの名称集合+B*Sの要約集合)=(546+345)/(654+572)=0.73、後者スクリーニング効率=(546+345)/(特許文献集合3の文献件数)=891/3639=0.24で前者の方がはるかに効率の良いスクリーニングをすることができることがわかる。
【解決手段】任意の方法で収集した5件以上のマスター特許文献からなる集合の特許分類とキーワードの概念の拡張を行い、該概念を拡張した特許分類とキーワードを用いてマスター特許文献を増加させS1〜S6、増加したマスター特許文献集合の特許分類を標準化した方法で取捨選択して、キーワードは概念の拡張を行って、目的とする特許文献を網羅的に収集する検索式を作成S7〜S11、該検索式を用いて特許データベースを検索して特許文献集合3を収集しS12、特許文献集合3に含まれている全適合特許文献件数をサンプリング法で推定し、推定した全適合文献件数と目標捕捉率より目的とする文献集合が有すべき目標文献件数を決定し、目標文献件数を参照しつつ特許文献集合3からの適合文献のスクリーニングを行う。