(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような吸気装置には、空気と燃料とを混合させて供給しているが、混合気の充填効率を向上させるために、例えば整流板等を吸気通路に配置したものがあるが、このように整流板により混合気を整流するだけでは、混合気の霧化が十分でなかったし、排気ガス中の有害成分も低減も十分ではなかった。
【0005】
この発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、混合気の霧化率を向上させ、燃焼効率の向上及び燃費の改善を図り、さらに排気ガス中の有害成分も低減可能であるエンジンの吸気装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決し、かつ目的を達成するために、この発明は、以下のように構成した。
【0007】
請求項1に記載の発明は、吸気通路に燃料を供給する燃料供給装置を備えるエンジンの吸気装置であり、
前記燃料供給装置より下流側の吸気通路に、空気と燃料を混合した混合気を乱流させる機能を有するガイド体を配置し、
前記ガイド体は、多数の孔を有し、
前記多数の孔は、孔軸心が前記吸気通路の軸心に対して平行方向と、直交方向に形成されていることを特徴とするエンジンの吸気装置である。
【0018】
請求項
2に記載の発明は、前記孔は、一方側が絞られた通路断面積の絞り孔であることを特徴とする請求項
2に記載のエンジンの吸気装置である。
【0019】
請求項
3に記載の発明は、前記絞り孔は、大径通路部と小径通路部からなることを特徴とする請求項
2に記載のエンジンの吸気装置である。
【0020】
請求項
4に記載の発明は、前記絞り孔は、大径通路から順次小径通路となることを特徴とする請求項
2に記載のエンジンの吸気装置である。
【0021】
請求項
5に記載の発明は、前記絞り孔は、前記ガイド体の両側に絞り側を交互にして配置したことを特徴とする請求項
2に記載のエンジンの吸気装置である。
【0022】
請求項
6に記載の発明は、前記孔は、同じ通路断面積の貫通した孔であることを特徴とする請求項
1に記載のエンジンの吸気装置である。
【0023】
請求項
7に記載の発明は、前記ガイド体を、2サイクルエンジンの吸気通路に配置したことを特徴とする請求項1乃至請求項
6のいずれか1項に記載のエンジンの吸気装置である。
【0024】
請求項
8に記載の発明は、前記ガイド体を、4サイクルエンジンの吸気通路に配置したことを特徴とする請求項1乃至請求項
6のいずれか1項に記載のエンジンの吸気装置である。
【発明の効果】
【0025】
前記構成により、この発明は、以下のような効果を有する。
【0026】
請求項1に記載の発明では、燃料供給装置より下流側の吸気通路に、空気と燃料を混合した混合気を乱流させる機能を有するガイド体を配置
し、燃料供給装置により供給される燃料は空気と混合するが、さらにガイド体により混合気の流速が変化し、かつ一層乱流が生じて霧化され、この二段階で霧化された混合気が供給されるため燃焼効率が向上し、さらに燃費が改善される。また、霧化された混合気の燃料成分が液滴となって残り、この残留混合気が次の吸入行程で供給されるため、燃焼効率が一層向上し、排気ガス中の有害成分も低減可能である。
ガイド体は、多数の孔を有し、多数の孔は、孔軸心が吸気通路の軸心に対して平行方向と、直交方向に形成されていることで、より一層乱流が生じて霧化される。
【0037】
請求項
2に記載の発明では、孔は、一方側が絞られた通路断面積の絞り孔であることで、混合気の流速が変化し、より一層乱流が生じて霧化される。
【0038】
請求項
3に記載の発明では、絞り孔は、大径通路部と小径通路部からなることで、通路径が変化して吸気の流速が変化することで、より一層乱流が生じて霧化される。
【0039】
請求項
4に記載の発明では、絞り孔は、大径通路か
ら順次小径通路となることで、通路径が変化して吸気の流速が変化することで、より一層乱流が生じて霧化される。
【0040】
請求項
5に記載の発明では、絞り孔は、ガイド体の両側に絞り側を交互にして配置したことで、より一層乱流が生じて霧化される。
【0041】
請求項
6に記載の発明では、孔は、同じ通路断面積の貫通した孔であることで、混合気の流速が速くなることで、より一層乱流が生じて霧化される。
【0042】
請求項
7に記載の発明では、ガイド体を、2サイクルエンジンの吸気通路に配置したことで、2サイクルエンジンにおいて燃焼効率が向上し、さらに燃費が改善される。
【0043】
請求項
8に記載の発明では、ガイド体を、4サイクルエンジンの吸気通路に配置したことで、4サイクルエンジンにおいて燃焼効率が向上し、さらに燃費が改善される。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、この発明のエンジンの吸気装置の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明するが、この発明はこの実施形態に限定されない。
【0046】
[エンジンの構成]
(2サイクルエンジン)
図1及び
図2は2サイクルエンジンに適用した実施の形態を示し、
図1は吸気装置を備える2サイクルエンジンの縦断面図、
図2は
図1のIIーII線に沿う断面図である。
【0047】
この発明は吸気通路に燃料を供給する燃料供給装置を備えるエンジンの吸気装置において、燃料供給装置より下流側の吸気通路に、多数の孔201を有するガイド体200が配置されている。
【0048】
この実施の形態のエンジンは、2サイクルエンジン1であり、2サイクルエンジン1はクランクケース2を備えており、クランクケース2は上ケース3と下ケース4で構成される。上ケース3と下ケース4との間にはクランク軸5が回動可能に軸支され、また上ケース3と下ケース4とでクランク室6が形成されている。
【0049】
上ケース3にはシリンダブロック7が取り付けられ、さらにシリンダブロック7にシリンダヘッド8が取り付けられる。シリンダブロック7に形成されたシリンダ9にはピストン10が往復動可能に設けられ、シリンダ9と、ピストン10の頭部と、シリンダヘッド8との間に燃焼室11が形成され、シリンダヘッド8には点火プラグ12が燃焼室11に臨むように取り付けられる。シリンダブロック7には掃気行程でクランク室6と燃焼室11とを連通する3個の掃気通路13が形成されると共に、排気行程で燃焼室11の排気ガスを排出する排気通路14が形成されている。3個の掃気通路13のうちの2個の掃気通路13はシリンダ9の径方向に対向して配置されているとともに、残りの1個の掃気通路13はこの対向し合う2個の掃気通路13の間で、排気通路14に対向して配置されている。
【0050】
ピストン10の上部には2個のピストンリング15が設けられる。ピストン10に設けられたピストンピン20には、コンロッド21の小端21aが軸受22を介して回転自在に支持され、コンロッド21の大端21bはクランク軸5のクランクピン23に軸受24を介して支持されており、このコンロッド21により、ピストン10の往復運動が回転運動に変換されてクランク軸5に伝達される。
【0051】
クランクケース2の上ケース3にはリードバルブ70を介して吸気管30が取り付けられ、吸気管30にはさらに燃料供給装置である気化器31が接続される。リードバルブ70は、ボディ71に吸入口72が形成され、この吸入口72を開閉するバルブ73とバルブストッパ74がビス75により共締めされている。リードバルブ70のバルブ73はクランク室6が負圧になる吸気行程で開き、吸気管30の吸気通路30aから混合気が吸入される。このようにリードバルブ70は、吸気管30からクランク室6に向かう吸入空気の流れのみを許容し、クランク室6を吸入空気の一次圧縮室としている。
【0052】
燃料供給装置である気化器31より下流側の吸気通路30aに配置されるリードバルブ70には、多数の孔201を有するガイド体200を配置している。このガイド体200は、板状であり、アルミニウム、ステンレス、銅などの金属、又はカーボン素材、あるいは木材、竹材などで形成される。
【0053】
多数の孔201を有するガイド体200を、2サイクルエンジン1の吸気通路に配置したことで、2サイクルエンジン1において燃料供給装置により供給される燃料は空気と混合するが、さらに多数の孔201を有するガイド体200により吸気の流速が変化し、かつ一層乱流が生じて霧化され、この二段階で霧化された混合気が供給されるため燃焼効率が向上し、さらに燃費が改善される。また、霧化された混合気の燃料成分が複数の孔に液滴となって残り、この残留混合気が次の吸入行程で供給されるため、燃焼効率が一層向上し、排気ガス中の有害成分も低減可能である。
【0054】
(4サイクルエンジン)
次に、4サイクルエンジンに適用した実施の形態を説明する。
図3は吸気装置を備える4サイクルエンジンの縦断面図である。
【0055】
この実施の形態では、多数の気筒を備えた4サイクルエンジン101のシリンダブロック102にシリンダヘッド103が取付けられ、このシリンダヘッド103はヘッド下部104とヘッド上部105とから構成されている。ヘッド下部104とシリンダブロック102に嵌合されたピストン106とで燃焼室107が形成され、ヘッド上部105にはヘッドカバー108が取付けられる。ヘッド下部104には吸気通路109が形成され、この吸気通路109は3個の分岐通路109aにより燃焼室107に開口している。
【0056】
吸気通路109のそれぞれの分岐通路109aには吸気弁112が設けられ、この吸気弁112の開閉で混合気を燃焼室107へ供給する。また、ヘッド下部104には排気通路115が形成され、排気通路115は一対の分岐通路115aが燃焼室107に開口している。この分岐通路115aには図示しない排気弁が設けられ、この排気弁の開閉により排気通路115に接続された図示しない排気管から排気ガスが排出される。
【0057】
この吸気通路109には吸気管110が接続され、この吸気管110には燃料供給装置であるインジェクタ111が設けられており、燃料を所定のタイミングで噴射する。また、ヘッド下部104には点火プラグ150が燃焼室107に臨むように取付けられている。
【0058】
燃料供給装置であるインジェクタ111より下流側の吸気通路109には、多数の孔201を有するガイド体200が、吸気の流れ方向に沿わせて配置されている。
【0059】
インジェクタ111により供給される燃料は空気と混合するが、さらに多数の孔201を有するガイド体200により一層乱流が生じて霧化され、この二段階で霧化された混合気が供給されるため燃焼効率が向上し、さらに燃費が改善される。また、霧化された混合気の燃料成分がガイド体200の複数の孔201に液滴となって残り、この残留混合気が次の吸入行程で供給されるため、燃焼効率が一層向上する。
【0060】
また、吸気通路109の取り付け方向に拘らず、吸気の流れの流速を低下させることがなく、混合気の霧化率をより一層向上させることができ、燃焼効率の向上及び燃費の改善を図り、さらに排気ガス中の有害成分、例えば一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)及び窒素酸化物(NOx)を低減させることができる。
【0061】
[ガイド体の構成]
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態のガイド体の構成を、
図4乃至
図9に示す。
図4はガイド体を配置した状態の吸気通路の断面図、
図5及び
図6はガイド体の平面図、
図7はガイド体の断面図、
図8はガイド体の平面図、
図9はガイド体の孔の部位の断面図である。第1の実施の形態では、燃料供給装置より下流側の吸気通路300に、多数の孔201を有するガイド体200を配置し、このガイド体200は、吸気の流れ方向に対して交差する方向に延びる凹凸202を有し、この凹凸202は複数並行に配置されている。多数の孔201は、打ち抜き加工、あるは切削加工などで形成され、凹凸202は曲げ加工、あるいは切削加工などで形成される。また、孔201は凹凸202から変位した部位に形成されている。
【0062】
第1の実施の形態では、燃料供給装置より下流側の吸気通路300に、多数の孔201を有するガイド体200を配置し、このガイド体200は、板状であり、吸気の流れ方向に対して交差する方向に延びる凹凸202を有することで、燃料供給装置により供給される燃料は多数の孔201により空気と混合するが、さらに吸気が凹凸202に当たることで吸気の流速が変化し、かつ一層乱流が生じて霧化され、この二段階で霧化された混合気が供給されるため燃焼効率が向上し、さらに燃費が改善される。
【0063】
図5の実施の形態では、吸気の流れ方向に対して交差する方向に対して凹凸202が約45度の角度で延びているが、これに限定されず直交しない角度であればよく、吸気が凹凸202に当たることで吸気の流速を変化することが可能である。
図5(a)では、2本の凹凸202が約45度の角度で交差し、交差部が吸気の流れ方向上流側に位置するように構成され、
図5(b)では、交差部が吸気の流れ方向下流側に位置するように構成され、
図5(c),(d)では、1本の凹凸202が約45度の角度で延びる構成である。また、凹凸202が複数並行であることで、吸気の流れが複数並行の凹凸202に当たって一層乱流が生じて霧化され、燃焼効率が向上し、さらに燃費が改善される。
【0064】
図6の実施の形態では、吸気の流れ方向に対して交差する方向に対して凹凸202が円弧状で所定の角度で延びている。
図6(a)では、円弧状の凹凸202の凸側が吸気の流れ方向中央上流側に位置するように構成され、
図6(b)では、円弧状の凹凸202の凸側が吸気の流れ方向中央下流側に位置するように構成され、
図6(c)では、円弧状の凹凸202の凸側が吸気の流れ方向斜め上流側に位置するように構成され、
図6(d)では、円弧状の凹凸202の凸側が吸気の流れ方向斜め下流側に位置するように構成されている。
【0065】
第1の実施の形態では、凹凸202がプレス成形による曲げ加工で形成されており、
図7(a)では、断面台形形状であり、
図7(b)では、断面湾曲形状であり、
図7(c)では、断面三角形状であり、
図7(d)では、断面コの字形状である。この凹凸202の断面形状は、この実施の形態に限定されない。
【0066】
次に、第1の実施の形態のガイド体の孔の構成を、
図8及び
図9に示す。
図8はガイド体の平面図、
図9はガイド体の断面図である。ガイド体200の多数の孔201は、吸気の流れ方向の上流側と下流側とで大きさが異なり、これにより、より一層乱流が生じて霧化される。また、多数の孔201を凹凸202から変位した部位に形成しており、これにより吸気の流れが凹凸202に当たってさらに孔201によって一層乱流が生じて霧化され、燃焼効率が向上し、さらに燃費が改善される。
【0067】
図8(a)では、孔201は、吸気の流れ方向の上流側が大きく、下流側が小さい構成である。
図8(b)では、孔201は、吸気の流れ方向の上流側から下流側に次第に小さくなる構成である。
図8(c)では、孔201は、吸気の流れ方向の上流側が小さく、中央が大きく、下流側が小さい構成である。
【0068】
図9(a)では、孔201は、同じ通路断面積の貫通した孔である。
図9(b)では、孔201は、一方側が絞られた通路断面積の絞り孔であり、大径通路201aからを順次小径通路201bとなる。
図9(c)では、孔201は、絞り孔であり、大径通路部201cと小径通路部201dからなる。孔201は、絞り孔である場合には、
図9(b),(c)に示すように、ガイド体200の両側に絞り側を交互にして配置することができる。このように、孔201が、一方側が絞られた通路断面積の絞り孔であることで、吸気の流速が絞り孔により変化し、より一層乱流が生じて霧化される。
【0069】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態のガイド体の構成を、
図10乃至
図12に示す。
図10はガイド体の斜視図、
図11は吸気通路にガイド体を配置した状態を示す図、
図12はガイド体を配置した状態の吸気通路の断面図である。第2の実施の形態では、燃料供給装置より下流側の吸気通路に、多数の孔201を有するガイド体200を配置する。
【0070】
ガイド体200は、湾曲した断面を有し、吸気通路300の内部にガイド体200により分割した分割通路301,302を形成する。ガイド体200は、多数の孔201を有し、孔201は、
図10において、吸気の流れ方向の同じ大きさで配置されているが、第1の実施の形態と同様に構成される。
【0071】
第2の実施の形態では、燃料供給装置より下流側の吸気通路300に、多数の孔201を有するガイド体200を配置し、ガイド体200は、湾曲した断面を有し、吸気通路300の内部にガイド体200により分割した分割通路301,302を形成したことで、燃料供給装置により供給される燃料は空気と混合するが、湾曲した断面を有するガイド体200の湾曲によって分割された分割通路301、302の吸気の流速が変化する。すなわち、ガイド体200の湾曲の凸面200a側によって形成される分割通路301の流速が、湾曲の凹面200b側によって形成される分割通路302の流速より速い。かつガイド体200の多数の孔201により一層乱流が生じて霧化され、この二段階で霧化された混合気が供給されるため燃焼効率が向上し、さらに燃費が改善される。
【0072】
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態のガイド体の構成を、
図13及び
図14に示す。
図13はガイド体の斜視図、
図14はガイド体を配置した状態の吸気通路の断面図である。第3の実施の形態では、燃料供給装置より下流側の吸気通路に、多数の孔201を有するガイド体200を配置する。
【0073】
ガイド体200は、第2の実施の形態と同様に湾曲した断面を有し、吸気通路300の内部にガイド体200により分割した分割通路301,302を形成する。第2の実施の形態のガイド体200は、吸気の流れ方向に対して交差する方向に延びる凹凸202を有し、この凹凸202は第1の実施の形態と同様に構成される。
【0074】
第3の実施の形態では、燃料供給装置より下流側の吸気通路300に、多数の孔201を有するガイド体200を配置し、このガイド体200は、吸気の流れ方向に対して交差する方向に延びる凹凸202を有し、かつガイド体200は、湾曲した断面を有し、吸気通路300の内部にガイド体200により分割した分割通路301,302を形成したことで、燃料供給装置により供給される燃料は空気と混合するが、さらに多数の孔201を有するガイド体200の凹凸202により吸気の流速が変化する。
【0075】
しかも湾曲した断面を有するガイド体200の湾曲によって分割された分割通路301,302の吸気の流速が変化する。すなわち、ガイド体200の湾曲の凸面200a側によって形成される分割通路301の流速が、湾曲の凹面200b側によって形成される分割通路302の流速より速い。かつガイド体200の多数の孔201により一層乱流が生じて霧化され、この二段階で霧化された混合気が供給されるため燃焼効率が向上し、さらに燃費が改善される。
【0076】
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態のガイド体の構成を、
図15に示す。
図15はガイド体を配置した状態の吸気通路の断面図である。第4の実施の形態では、燃料供給装置より下流側の吸気通路に、多数の孔201を有するガイド体200を配置する。この実施の形態のガイド体200は、筒状である点が第1の実施の形態乃至第3の実施の形態と異なるが、その他の構成は同じなので説明を省略する。
【0077】
図15(a)の実施の形態では、ガイド体200が断面円形であり、
図15(b)の実施の形態では、ガイド体200が断面三角形であり、
図15(c)の実施の形態では、ガイド体200が断面八角形であり、
図15(d)の実施の形態では、ガイド体200が断面六角形であり、それぞれ一対のリブ210により吸気通路300に配置する。この一対のリブ210は吸気通路300に圧入によって固定してもよく、また溝に係合して固定してもよい。また、一対のリブ210に孔を形成してもよい。この実施の形態では、ガイド体200の表面積を確保することで、より一層乱流の生じさせることができる。
【0078】
(第5の実施の形態)
第5の実施の形態のガイド体の構成を、
図16及び
図17に示す。
図16はガイド体を四角形の板状とした実施の形態の斜視図、
図17はガイド体を楕円または四角形の柱状とした実施の形態の斜視図である。
【0079】
この第5の実施の形態のガイド体200は、多数の孔を有し、多数の孔は、孔軸心が吸気通路の軸心に対して平行方向と、直交方向に形成され、この孔軸心が吸気通路の軸心に対して平行方向の孔203と、直交方向に形成されている孔201により、より一層乱流が生じて霧化される。
【0080】
図16(a)の実施の形態では、ガイド体200が四角形の板状であり、孔軸心が吸気通路の軸心に対して平行方向の孔203は、同じ大きさの断面積であるが、直交方向に形成されている孔201は、平行方向の孔203の断面積より大きくし、さらに上流側の断面積を、下流側の断面積より大きくした構成である。
【0081】
図16(b)の実施の形態では、ガイド体200が同じ板状であり、孔軸心が吸気通路の軸心に対して平行方向の孔203は、同じ大きさの断面積であるが、直交方向に形成されている孔201は、平行方向の孔203の断面積より大きくし、さらに上流側と下流側の断面積を、中間部の断面積より小さくした構成である。
【0082】
図16(c)の実施の形態では、ガイド体200が同じ板状であり、孔軸心が吸気通路の軸心に対して平行方向の孔203は、同じ大きさの断面積であるが、直交方向に形成されている孔201は、上流側と下流側が共に断面積を、平行方向の孔203の断面積より大きくした構成である。
【0083】
図16(d)の実施の形態では、ガイド体200が同じ板状であり、孔軸心が吸気通路の軸心に対して平行方向の孔203は、同じ大きさの断面積であり、直交方向に形成されている孔201も同じ大きさの断面積である。
【0084】
図17(a)の実施の形態では、ガイド体200が細長楕円の柱状であり、孔軸心が吸気通路の軸心に対して平行方向の孔203は、同じ大きさの断面積であるが、直交方向に形成されている孔201は、平行方向の孔203の断面積より大きくし、さらに上流側の断面積を、下流側の断面積より大きくした構成である。
【0085】
図17(b)の実施の形態では、ガイド体200が楕円の柱状であり、孔軸心が吸気通路の軸心に対して平行方向の孔203は、同じ大きさの断面積であるが、直交方向に形成されている孔201は、平行方向の孔203の断面積より大きくし、さらに上流側の断面積を、下流側の断面積より大きくした構成である。
【0086】
図17(c)の実施の形態では、
図17(b)の実施の形態と同様に構成されるが、ガイド体200が取付部に対して楕円の方向が異なる柱状である。
図17(d)の実施の形態では、
図17(b)の実施の形態と同様に構成されるが、ガイド体200が四角形の柱状である。
【0087】
この発明のエンジンの吸気装置の実施の形態は、燃料供給装置より下流側の吸気通路に、空気と燃料を混合した混合気を乱流させる機能を有するガイド体200を配置し、吸気通路の容積に対してガイド体200の容積の比率が、3%〜15%である。吸気通路の容積に対してガイド体200の容積の比率が3%以下では混合気を乱流させることが不足し、比率が15%以上では混合気の流れの障害となる。
【0088】
吸気通路の容積に対してガイド体200の容積の比率が、3%〜15%であることで、燃料供給装置により供給される燃料は空気と混合するが、さらにガイド体200により混合気の流速が変化し、かつ一層乱流が生じて霧化され、この二段階で霧化された混合気が供給されるため燃焼効率が向上し、さらに燃費が改善される。また、霧化された混合気の燃料成分が液滴となって残り、この残留混合気が次の吸入行程で供給されるため、燃焼効率が一層向上し、排気ガス中の有害成分も低減可能である。
【0089】
ガイド体200は、孔または凹凸を有し、第1乃至第5の実施の形態のように構成され、孔または凹凸が、空気と燃料を混合した混合気を乱流させる。ガイド体200は、孔または凹凸が、空気と燃料を混合した混合気を乱流させることで、混合気の流れが孔または凹凸に当たって一層乱流が生じて霧化され、燃焼効率が向上し、さらに燃費が改善される。
【0090】
また、ガイド体200の容積に対して孔または凹凸の凹みの容積の比率が、20%〜48%である。ガイド体200の容積に対して孔または凹凸の凹みの容積の比率が、20%以下では、混合気の乱流が生じ難く、比率が48%以上では、混合気の流速が低下する。すなわち、ガイド体200の容積に対して孔または凹凸の凹みの容積の比率が、20%〜48%であることで、混合気の流れが孔または凹凸に当たって一層乱流が生じて霧化され、燃焼効率が向上し、さらに燃費が改善される。
【0091】
(実施例)
[エンジン]
100ccの4サイクルエンジンを使用した。
[測定装置]
エンジンの性能を測定する測定装置は、以下のものを用いた。
【0092】
重力計:フチノ製作所60Ps ESF−H60
制御装置:フチノ製作所S−92−1
計測システム:KEYENCE NR1000 データロガー収集
燃料流量測定装置:容量式流量検出器・デジタル流量計
排ガス測定装置:堀場製作所自動車排ガス測定器 EXSA−1500
[測定方法]
測定方法は、暖気運転後湯温・プラグ温湯が安定するまで全負荷3060rpmにて運転各モード測定時間2分、それぞれ温度項目安定後取り込み測定を開始する。
[ガイド体]
試料1:
プレート全体容積 517mm
3(A)
プレートに空けた孔の数(30)と合計容積
孔直径 円周率×半径×半径×厚み×数 = 容積
・2.0mm 3.14 ×1.0×1.0×1mm×8(穴) = 25.1
・2.4mm 3.14 ×1.2×1.2× 1×15 =67.8
・3.2mm 3.14 ×1.6×1.6× 1× 6 =48.2
・1.4mm 3.14 ×0.7×0.7× 1× 1 =1.5
(孔の容積合計)=142.6mm
3(B)
プレート全体に対する孔の容積率(B/A)
・(142.6÷517)×100 =27.6%
マニホールドの容積に対するプレートの容積率
(517−142.6=374.4…プレートの容積)
(マニホールドの容積12cc)
・374.4÷12000(12cc)×100=3.1%
試料2:
プレート全体容積 561mm
3(A)
プレートに空けた孔の数(35)と合計容積
孔直径 円周率×半径×半径×厚み×数 = 容積
・2.0mm 3.14 ×1.0×1.0×1mm×23(穴)= 72.2
・2.4mm 3.14 ×1.2×1.2× 1× 4 =18.1
・2.8mm 3.14 ×1.4×1.4× 1× 8 =49.2
(孔の容積合計)=139.5mm
3(B)
プレート全体に対する孔の容積率(B/A)
・(139.5÷561)×100 =24.9%
マニホールドの容積に対するプレートの容積率
(561−139.5=421.5…プレートの容積)
(マニホールドの容積12cc)
・421.5÷12000(12cc)×100=3.5%
[測定結果]
実施例1
試料1をマニホールドに配置し、試料1について、エンジンの性能を測定した。測定結果を表1に示す。
【0093】
一酸化炭素(CO):427.89gKw・h
炭化水素(HC)と窒素酸化物(NOx):21.96gKw・h
であった。
【0094】
実施例2
試料2について、エンジンの性能を測定した。測定結果を表2に示す。
【0095】
一酸化炭素(CO):387.85gKw・h
炭化水素(HC)と窒素酸化物(NOx):15.75gKw・h
であった。
【0096】
比較例
比較例として、試料をマニホールドに配置しないで、エンジンの性能を測定した。測定結果を表3に示す。
【0097】
一酸化炭素(CO):436.15gKw・h
炭化水素(HC)と窒素酸化物(NOx):15.98gKw・h
であった。
【0098】
[結論]
実施例1及び実施例2は、比較例と比較して一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)及び窒素酸化物(NOx)を低減させることができた。
マニホールドの容積に対してプレートの容積の比率が、3%以下では混合気を乱流させることが不足し、比率が15%以上では混合気の流れの障害となり、比較例と同様な結果となった。マニホールドの容積に対してプレートの容積の比率が、3%〜15%であることで、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)及び窒素酸化物(NOx)を低減させることができた。
また、プレートの容積に対して孔の容積の比率が、20%以下では、混合気の乱流が生じ難く、比率が48%以上では、混合気の流速が低下し、20%〜48%であることで、実施例1及び実施例2と同様な結果を得た。