特許第5988315号(P5988315)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 本田技研工業株式会社の特許一覧 ▶ 化成工業株式会社の特許一覧 ▶ 東海興業株式会社の特許一覧

特許5988315自動車用フードに装着するウェザーストリップ
<>
  • 特許5988315-自動車用フードに装着するウェザーストリップ 図000002
  • 特許5988315-自動車用フードに装着するウェザーストリップ 図000003
  • 特許5988315-自動車用フードに装着するウェザーストリップ 図000004
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5988315
(24)【登録日】2016年8月19日
(45)【発行日】2016年9月7日
(54)【発明の名称】自動車用フードに装着するウェザーストリップ
(51)【国際特許分類】
   B60R 13/06 20060101AFI20160825BHJP
【FI】
   B60R13/06
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-21989(P2014-21989)
(22)【出願日】2014年2月7日
(65)【公開番号】特開2015-147522(P2015-147522A)
(43)【公開日】2015年8月20日
【審査請求日】2014年11月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000123549
【氏名又は名称】化成工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000219705
【氏名又は名称】東海興業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080207
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 克治
(72)【発明者】
【氏名】青木 孝昌
(72)【発明者】
【氏名】宮下 竜也
【審査官】 加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−334668(JP,A)
【文献】 特開2005−075168(JP,A)
【文献】 特開2013−124475(JP,A)
【文献】 実開昭62−065312(JP,U)
【文献】 特開2006−335168(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 13/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンフードの裏面に取付けられかつ該エンジンフードの閉止時に中空シール体が車体に弾接する定尺状又は長尺状のウェザーストリップの少なくとも一部の断面に於いて、前記中空シール体が略逆三角形状であって、前記エンジンフードの裏面にクリップで取付けられる底辺部と、該底辺部の一方端を基点として前記車体に接触する第1辺部と、該底辺部の他方端を基点として前記車体に接触しかつ側面形状が略S字状に成形した第2辺部と、該第2辺部に略並行かつ前記中空シール体の中空部分の中間位置に架設した橋架部とで成形したことを特徴とする自動車用フードに装着するウェザーストリップ。
【請求項2】
前記中空シール体の底辺部は硬度Hs:65ないし75°のEPDMソリッドでなり、前記中空シール体の第1辺部、第2辺部及び前記中空シール体の橋架部は比重Sg:0.5ないし0.7のスポンジ発泡材でなることを特徴とする請求項1記載の自動車用フードに装着するウェザーストリップ。
【請求項3】
前記中空シール体の底辺部の幅長Sと第1辺部及び第2辺部の交点(頂点)P4までの垂直長Lが次の比率であることを特徴とする請求項1記載の自動車用フードに装着するウェザーストリップ。但し、底辺部の幅長S:該底辺部の表面から第1辺部及び第2辺部の交点(頂点)P4までの垂直長L=2:1
【請求項4】
前記中空シール体の第1辺部の幅長S1と、第2辺部の幅長S2とがS1>S2の関係であることを特徴とする請求項1記載の自動車用フードに装着するウェザーストリップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等のエンジンフードの開口部に於いて該エンジンフードの裏面に装着してなり、自動車等の走行時の空気抵抗を低減させると共に見栄えを向上させかつ防水・防塵機能を向上させる自動車用フードに装着するウェザーストリップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の自動車用ウェザーストリップを示す従来の技術の例としては、特開2009−23583号公開特許公報に開示された技術がある。
これについて説明すれば、図3に示すように、自動車用ウェザーストリップ1は、開閉体となるフード(ボンネット)2の内側に取付けられる取付基部3と、その取付基部3の前方に一体成形されフード2の閉時にはそのフード2に対向するボディ側のフロントグリル4の上面に弾接してフード2とフロントグリル4との間の見切り部分Mをシールする中空シール部5を備えている。なお、取付基部3の表面には装飾部材6,ここではスポンジ材の被膜がされている。
【0003】
取付基部3は、フード2の前部内側において前方に向いて延び、略中央部がフロントグリル4側に折れ曲がった板状であり、二つ折りの折れ曲がり部から後方全体がフード2の内側に固定され、折れ曲がり部から前方についてはフード2の前端縁2aに向けて延びるが特にフード2に対して固定されていない。中空シール部5は、取付基部3の前方の前端に押出成形によって一体的に取付けられている。
【0004】
中空シール部5は、断面の外周形状が、三角形の各辺である第一辺5a,第二辺5b,第三辺5cをそれぞれ外側に向けて膨出湾曲させた略三角むすび形状であり、見切り部分Mから視認しうる中空シール部5の車外側を、三角形の第一辺5aとし、車内側の下部を第二辺5b,車内側の上部を第三辺5cとしている。なお、中空シール部5の各辺5a,5b,5cの厚さは同じであり部分的に厚肉にするといったことは特にない。
フード2がフロントグリル4に弾接する時には、第一辺5aのフロントグリル4側端部に形成された三角形の頂部P1を中心にして、その頂部P1からフロントグリル4の略水平面に弾接させるようにしている。また、弾接時には、フード2の前端縁2aだけを、中空シール部5の第一辺5aのフロントグリル4側端部に形成された頂部P1とは逆側となるフード2側端部に形成された頂部P3に押付けるように当接させ、頂部P3を集中的に押圧することによってフロントグリル4との間に中空シール部5を撓ませるようにしている。
【0005】
そして、中空シール部5の内部に、中空シール部5の断面を2分割するブリッジ7を設定している。ブリッジ7は、フード2の開閉方向を示す直線Xに対して略垂直に延びるものであり、車外側の連結位置7aを第一辺5aの略中央とするとともに、車内側の連結位置7bを第三辺5cの頂部P2寄りに設定している。また、ブリッジ7の車外側の連結位置7aを、中空シール部5の弾接中心位置となる頂部P1の位置とともに、フード2の前端縁2aを通る開閉方向を示す直線Xよりも車外側に設定しているという技術である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−23583号公開特許公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の技術は、叙上した構成、作用であるので次の課題が存在した。
すなわち、上述した従来の技術によれば、先ず、フード2をフロントグリル4側へ閉止動作を繰返すことにより中空シール部5の上方、特に頂部P3点が疲労劣化し中空シール部5自体が復元することなく変形したままの状態になる惧れがあり、異音の発生や自動車の走行に伴う空気抵抗が増大することになるという問題点があった。
次に、中空シール部5の頂部P3又は該中空シール部5の第一辺5a及び第三辺5cと取付基部3の前端との接続部位に亀裂が発生し、該中空シール部5が該取付基部3から切損又は離脱する惧れがあり、自動車用ウェザーストリップ1の働きが不能になるという問題点があった。
さらに、フード2をフロントグリル4側に閉止した際、中空シール部5の第一辺5aの部分が前方に飛出すと共にこの飛出現象により自動車の走行に伴う空気抵抗が増加するばかりか、美麗感を損い外部との接触面を誘起し、ウェザーストリップが損傷するという問題点があった。
また、ウェザーストリップをフード2の内側の奥側に設置すれば前方に気流空間が生じフード2が該ウェザーストリップよりも突出し空気抵抗が著しく増大するという弊害があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明はかかる問題点を解決すべく創作したものであり、自動車等のエンジンフードの開口部に於いて該エンジンフードの裏面に装着してなり、自動車等の走行時の空気抵抗を低減させると共に見栄えを向上させかつ防水・防塵機能を向上させる自動車用フードに装着するウェザーストリップを提供することを目的としたものであり、次の構成、手段から成立する。
【0009】
すなわち、請求項1に記載の発明によれば、エンジンフードの裏面に取付けられかつ該エンジンフードの閉止時に中空シール体が車体に弾接する定尺状又は長尺状のウェザーストリップの少なくとも一部の断面に於いて、前記中空シール体が略逆三角形状であって、前記エンジンフードの裏面にクリップで取付けられる底辺部と、該底辺部の一方端を基点として前記車体に接触する第1辺部と、該底辺部の他方端を基点として前記車体に接触しかつ側面形状が略S字状に成形した第2辺部と、該第2辺部に略並行かつ前記中空シール体の中空部分の中間位置に架設した橋架部とで成形したことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、前記中空シール体の底辺部は硬度Hs:65ないし75°のEPDMソリッドでなり、前記中空シール体の第1辺部、第2辺部及び前記中空シール体の橋架部は比重Sg:0.5ないし0.7のスポンジ発泡材でなることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、前記中空シール体の底辺部の幅長Sと第1辺部及び第2辺部の交点(頂点)P4までの垂直長Lが次の比率であることを特徴とする。但し、底辺部の幅長S:該底辺部の表面から第1辺部及び第2辺部の交点(頂点)P4までの垂直長L=2:1
【0012】
請求項4に記載の発明によれば、前記中空シール体の第1辺部の幅長S1と、第2辺部の幅長S2とがS1>S2の関係であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る自動車用フードに装着するウェザーストリップは、叙上の構成を有するので次の効果がある。
【0014】
すなわち、請求項1に記載の発明によれば、エンジンフードの裏面に取付けられかつ該エンジンフードの閉止時に中空シール体が車体に弾接する定尺状又は長尺状のウェザーストリップの少なくとも一部の断面に於いて、前記中空シール体が略逆三角形状であって、前記エンジンフードの裏面にクリップで取付けられる底辺部と、該底辺部の一方端を基点として前記車体に接触する第1辺部と、該底辺部の他方端を基点として前記車体に接触しかつ側面形状が略S字状に成形した第2辺部と、該第2辺部に略並行かつ前記中空シール体の中空部分の中間位置に架設した橋架部とで成形したことを特徴とする自動車用フードに装着するウェザーストリップを提供する。
このような構成としたので、前記中空シール体が略三角形状であり、エンジンフードを閉止すれば該中空シール体の略三角形状の頂点部P4が車体に圧接・圧縮され該中空シール体の中空部分が変形ストレスが増大することなく圧縮されると共に中空シール体の小型化を図り底辺部の一方端及び他方端が外方に開拡されることがなく体積変化が小さく空気抵抗を低減したうえで安定した状態でエンジンフードの裏面内に収容されるという効果がある。加えて、エンジンフードを開放する際、前記第1辺部が開口部の外方に飛出していないので空気抵抗を低減したうえで外部から見て車体の内板ではなくウェザーストリップの側面が見え見栄えが向上し、質感・美麗感が向上するうえに、ドライバーの指が第1辺部に接触することがなく円滑に操作できるという効果がある。また、第2辺部の側面形状が略S字状であるのでさらに第2辺部を円滑に圧縮・変形することができ、耐久性の高いウェザーストリップを提供する効果がある。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、前記中空シール体の底辺部は硬度Hs:65ないし75°のEPDMソリッドでなり、前記中空シール体の第1辺部、第2辺部及び前記中空シール体の橋架部は比重Sg:0.5ないし0.7のスポンジ発泡材でなることを特徴とする請求項1記載の自動車用フードに装着するウェザーストリップを提供する。
このような構成としたので、請求項1に記載の発明の効果に加えて中空シール体の底辺部と第1、第2辺部及び橋架部とを別異の材質で構成したのでさらにエンジンフードの閉止の際、第1、第2辺部が円滑に圧縮・変形すると共に、橋架部が剛性力を保持し耐久性の高いウェザーストリップを提供できるという効果がある。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、前記中空シール体の底辺部の幅長Sと該底辺部の表面から第1辺部及び第2辺部の交点(頂点)P4までの垂直長Lとの比率が、2:1であることを特徴とする請求項1記載の自動車用フードに装着するウェザーストリップを提供する。但し、底辺部の幅長S:該底辺部の表面から第1辺部及び第2辺部の交点(頂点)P4までの垂直長L=2:1である。
このような構成としたので、底辺部の幅長S:該底辺部の表面から第1辺部及び第2辺部の交点(頂点)P4までの垂直長L=2:1に設定したので、請求項1に記載の発明の効果に加えてさらに第1辺部が左方に飛出すことが全くなく、第1辺部及び第2辺部を円滑に圧縮・変形することができ、開口部の間隔を狭くできかつウェザーストリップの小型化を図ることができるという効果がある。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、前記中空シール体の第1辺部の幅長S1と、第2辺部の幅長S2とがS1>S2の関係であることを特徴とする請求項1記載の自動車用フードに装着するウェザーストリップを提供する。
このような構成としたので、前記中空シール体の第1辺部の幅長S1と、第2辺部の幅長S2とがS1>S2の関係であるので、第1辺部が車体に、面接触しエンジンフードが閉止した後の自動車の振動に際しても開口部間に動揺することなく安定した状態で保持され、防水性・防塵性を高めると共に異音の発生を防止するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明に係る自動車用フードに装着するウェザーストリップを自動車のエンジンフードの裏面に装着した状態示す図面であって、自動車のエンジンフードを開放したときの斜視図である。
図2図1の矢視A−A線方向から見たときの拡大断面図であって、本発明に係る自動車用フードに装着するウェザーストリップの構造を示す断面図である。
図3】従来の技術に於ける例としての自動車のフードに取付けられた自動車用ウェザーストリップを示す垂直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る自動車用フードに装着するウェザーストリップの実施の形態について、添付図面に基づき詳細に説明する。
【0020】
図1は車両、例えば自動車の可動部材としてのエンジンフード8側に本発明に係るウェザーストリップを装着したときの状態を示す斜視図である。該本発明に係るウェザーストリップ9は図1に示すように全長が例えば4090ないし4130(mm)程度の定尺状又は長尺状であって、図示するように略逆U字状にエンジンフード8の裏面に取付けられている。そして、エンジンフード8を自動車10の車体11側に閉止して開口部Bのシールを図る。ここで、前記本発明に係るウェザーストリップ9は図2に示すように、中空シール体で構成され全体が略逆三角形状でなり、前記エンジンフードの裏面8aに取付けられる底辺部9Aと、該底辺部9Aの一方端P5を基点として前記車体11に接触する第1辺部9Bと、該底辺部9Aの他方端P6を基点として前記車体11に接触する第2辺部9Cと、該第2辺部9Cに略並行かつ前記中空シール体の中空部分の中間位置に架設した橋架部9Dとで成形している。前記中空部分は第1中空部9Eと橋架部9Dを介して第2中空部9Fとでなる。前記底辺部9A、第1辺部9B、第2辺部9C及び橋架部9Dは長さ方向、つまり第1図に示すエンジンフード8の左・右幅方向及び該エンジンフード8の長さ方向に延在している。図中P4は前記第1辺部9Bと前記第2辺部9Cとの交点(頂点)である。
【0021】
そして、前記本発明に係るウェザーストリップ9の底辺部9Aは例えばEPDMソリッドであって比較的硬質材等で成形される。前記本発明に係るウェザーストリップ9の第1辺部9B、第2辺部9C及び橋架部9Dは例えばスポンジ発泡材等、比較的軟質材で成形される。図中12はエンジンフード8の裏面8aに取付けられたシーラである。13はクリップであり、前記本発明に係るウェザーストリップ9の底辺部9Aをエンジンフード8の裏面8aに固定するものであり、図1に示すように例えば100ないし130(mm)程度毎に一連に設置する。従って、底辺部9Aにはクリップ13を挿通するクリップ孔14を設け、該クリップ13を止着している。
【0022】
次に前記本発明に係るウェザーストリップ9の動作等を説明する。図1に於いて運転者等がエンジンフード8を押圧すれば開口部Bが閉止され本発明に係るウェザーストリップ9は図2の一点鎖線で示すように圧縮・変形する。そして、ウェザーストリップ9の第1辺部9Bが拡大し外部からの気流の侵入空間を小さくし、空気抵抗を低減させる。前記ウェザーストリップ9の第2辺部9Cの側面形状が予め略S字状に成形されているのでこの部分は更に湾曲度合を増して蛇行状になると共に第1辺部9Bはフラット状に変形する。そこで、エンジンフード8の先端部分に於ける開口部Bは完全に密閉される。それ故に、エンジンフード8を車体11側に閉止した際、中空シール体の第1辺部9Bの部分が前方に飛出すことなくエンジンフード8の裏面内に収納され自動車の走行に伴う空気抵抗を低減する。エンジンフード8の先端よりも内側に例えばメッキ加飾部品を配置すれば、加飾面積を広く確保し、美麗感を損なうこともなく見栄えが向上する。そして、外部との接触面もなく、ドライバー等がエンジンフード8を開放する際、指が第1辺部9Bに接触することなく円滑に操作ができウェザーストリップ9が損傷することない。さらに、外部からウェザーストリップ9の第1辺部9Bが見えることでその部分の質感・美麗感が向上する。
また、上述した実施の形態では全長に亘って同一の断面で形成されているウェザーストリップ9を説明したが、本発明はこのようなウェザーストリップ9に限定されず、ウェザーストリップ9の少なくとも一部が本発明に係る断面を有していれば良い。例えば、車両の前方、即ちエンジンフード8の左・右幅方向に沿って配置される部分が本発明に係る断面を有する中空シール体と、車両の側方、即ちエンジンフード8の長さ方向に沿って配置される部分が本発明に係る断面とは異なる断面を有する中空シール体とを互いに接続して形成したウェザーストリップ9であっても、本発明の範囲を逸脱することはない。
【実施例】
【0023】
次に、本発明に係る自動車用フードに装着するウェザーストリップの実施例について、詳細に説明する。
【0024】
本発明に係るウェザーストリップ9は図2に示すように、中空シール体で構成され全体が略逆三角形状でなり、前記エンジンフードの裏面8aに取付けられる底辺部9Aと、該底辺部9Aの一方端P5を基点として前記車体11に接触する第1辺部9Bと、該底辺部9Aの他方端P6を基点として前記車体11に接触する第2辺部9Cと、該第2辺部9Cに略並行かつ前記中空シール体の中空部分の中間位置に架設した橋架部9Dとで成形している。
【0025】
そして、前記本発明に係るウェザーストリップ9の底辺部9Aは例えばEPDMソリッドであって比較的硬質材等で成形され、第1辺部9B、第2辺部9C及び橋架部9Dは例えばスポンジ発泡材等、比較的軟質材で成形される。すなわち前記中空シール体の底辺部9Aは硬度Hs:65ないし75°のEPDMソリッドでなり、前記中空シール体の第1辺部9B、第2辺部9C及び前記中空シール体の橋架部9Dは比重Sg:0.5ないし0.7のスポンジ発泡材でなる。前記中空シール体の底辺部9Aの幅長Sは27ないし29(mm)程度であり、該底辺部9Aの表面から前記第1辺部9B及び第2辺部9Cの交点(頂点)P4の垂直長Lは13.5ないし14.5(mm)程度でその比率は2:1に設定する。それ故に第1辺部9Bが左方に飛出すことが全くなく、第1辺部9B及び第2辺部9Cを円滑に圧縮・変形することができ、開口部の間隔を狭くできかつウェザーストリップの小型化を図ることができるという効果がある。尚、L1は前記底辺部9Aに設定した0.5ないし0.6(mm)程度の接合代であり該底辺部9Aが前記第1、第2辺部9B、9C及び橋架部9Dに接合するためにある。
【0026】
本発明に係るウェザーストリップ9の動作等を説明する。図1に於いて運転者等がエンジンフード8を押圧すれば開口部Bが閉止され本発明に係るウェザーストリップ9は図2の一点鎖線で示すように圧縮・変形する。そして、前記ウェザーストリップ9の第2辺部9Cはその肉厚t4が第一辺部9B及び橋架部9Dの肉厚t2、t3のそれが1.5(mm)、1.3(mm)程度に対し、2(mm)であり太く設定しており、側面形状が予め略S字状に成形されているのでこの部分は更に湾曲度合を増して蛇行状になると共に第1辺部9Bはフラット状に変形する。そこで、エンジンフード8の先端部分に於ける開口部Bは完全に密閉される。それ故に、エンジンフード8を車体11側に閉止した際、底辺部9Aは硬度が比較的高くその肉厚t1が1.5(mm)程度であり中空シール体の第1辺部9Bの部分が前方に飛出すことなくエンジンフード8の裏面内に収納され自動車の走行に伴う空気抵抗を低減する。そして、美麗感を損なうこともなく外部との接触面もなく、ウェザーストリップ9が損傷することない。加えて、第2辺部9Cの側面形状が略S字状であるのでさらに第2辺部9Cを円滑に圧縮・変形することができ、耐久性の高いウェザーストリップを提供する効果がある。
【0027】
そして、前記中空シール体の第1辺部9Bの幅長S1が24ないし25(mm)程度であり第2辺部9Cの幅長S2が15ないし16(mm)程度である。従って、前記中空シール体の第1辺部9Bの幅長S1と、第2辺部9Cの幅長S2とがS1>S2の関係であるので、第1辺部9Bが車体11に、面接触しエンジンフード8が閉止した後の自動車の振動に際しても開口部間に動揺することなく安定した状態で保持され、防水性・防塵性を高めると共に異音の発生を防止するという効果がある。尚、上記ウェザーストリップ9は固定部材としての車体11に固定・配置しても何等本発明の範囲を逸脱することはない。そしてほかの構成や作用については上述した実施の形態の項で説明したものと略同一でありその説明を省略する。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明は自動車の開口部をシールするウェザーストリップであって、可動部材を構成するエンジンフードに装着されてなり空気抵抗を低減する目的に適用されその利用範囲は極めて広く自動車業界に寄与する。
【符号の説明】
【0029】
8 エンジンフード
8a エンジンフードの裏面
9 ウェザーストリップ
9A 底辺部
9B 第1辺部
9C 第2辺部
9D 橋架部
9E 第1中空部
9F 第2中空部
10 自動車
11 車体
12 シーラ
13 クリップ
14 クリップ孔

図1
図2
図3