(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5988493
(24)【登録日】2016年8月19日
(45)【発行日】2016年9月7日
(54)【発明の名称】NOx貯蔵触媒と触媒媒煙フィルタを含む排気システム
(51)【国際特許分類】
F01N 3/08 20060101AFI20160825BHJP
F01N 3/022 20060101ALI20160825BHJP
F01N 3/023 20060101ALI20160825BHJP
F01N 3/035 20060101ALI20160825BHJP
F01N 3/10 20060101ALI20160825BHJP
F01N 3/28 20060101ALI20160825BHJP
B01J 23/44 20060101ALI20160825BHJP
B01D 53/92 20060101ALI20160825BHJP
【FI】
F01N3/08 A
F01N3/022 C
F01N3/023 A
F01N3/035 A
F01N3/10 A
F01N3/28 301P
B01J23/44 AZAB
B01D53/92 222
B01D53/92 280
【請求項の数】6
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-556582(P2012-556582)
(86)(22)【出願日】2011年3月7日
(65)【公表番号】特表2013-521440(P2013-521440A)
(43)【公表日】2013年6月10日
(86)【国際出願番号】GB2011050443
(87)【国際公開番号】WO2011110837
(87)【国際公開日】20110915
【審査請求日】2014年3月3日
(31)【優先権主張番号】1003781.0
(32)【優先日】2010年3月8日
(33)【優先権主張国】GB
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】590004718
【氏名又は名称】ジョンソン、マッセイ、パブリック、リミテッド、カンパニー
【氏名又は名称原語表記】JOHNSON MATTHEY PUBLIC LIMITED COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー、フランシス、チフェイ
(72)【発明者】
【氏名】ギャビン、マイケル、ブラウン
【審査官】
山本 健晴
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2008/070551(WO,A2)
【文献】
特開2001−140632(JP,A)
【文献】
特開2005−830(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 3/00−3/38
B01D 53/92
B01J 23/44,23/63
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディーゼルエンジン車両用排気ガス後処理システムであって、
下流方向に沿って、NOx貯蔵触媒(NSC)と、続いて、触媒煤煙フィルタ(CSF)とを備えてなり、
前記CSFが酸化触媒を備えてなり、
前記酸化触媒が、白金(Pt)とパラジウム(Pd)とを含んでなり、白金(Pt)とパラジウム(Pd)の重量比において、パラジウム(Pd)リッチとされてなるものであり、
前記酸化触媒が、20-50重量%の酸素貯蔵成分を含み、かつ、
前記CSFが、入口チャネルと出口チャネルを含んだウォールフローフィルタを含み、前記入口チャネルが、白金系の酸化触媒を含み、前記出口チャネルが、パラジウムリッチのPt:Pd酸化触媒を含む、
又は、
前記CSFが前記CSFの入口端部により画定された上流区域と下流側の端部で前記CSFの出口端部により画定された下流区域とを有し、前記上流区域が白金系の酸化触媒を含み、前記下流区域がパラジウムリッチのPt:Pd酸化触媒を含み、
パラジウムリッチの重量比の白金とパラジウムを含む前記酸化触媒が1/2よりも小さいPtとPdの重量比Pt/Pdを有する、システム。
【請求項2】
PtとPdの重量比Pt/Pdが、1/10よりも小さい、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記酸化触媒の酸素貯蔵成分が、セリア又はセリア-ジルコニア混合酸化物を含むものである、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
車両用ディーゼルエンジンから発生する排気ガスを後処理する方法であって、
下流方向に沿って、NOx貯蔵触媒(NSC)と、続いて、触媒煤煙フィルタ(CSF)とを備えた、排気ガス後処理システムを備えてなり、
NSC再生過程中に、NSCからの排気ガスを、酸化触媒に通過させることを含んでなり、
前記酸化触媒が、白金(Pt)とパラジウム(Pd)とを含んでなり、白金(Pt)とパラジウム(Pd)の重量比において、パラジウム(Pd)リッチとされてなるものであり、
前記酸化触媒が、20-50重量%の酸素貯蔵成分を含み、
前記CSFが、入口チャネルと出口チャネルを含んだウォールフローフィルタを含み、前記入口チャネルが、白金系の酸化触媒を含み、前記出口チャネルが、パラジウムリッチのPt:Pd酸化触媒を含む、
又は、
前記CSFが前記CSFの入口端部により画定された上流区域と下流側の端部で前記CSFの出口端部により画定された下流区域とを有し、前記上流区域が白金系の酸化触媒を含み、前記下流区域がパラジウムリッチのPt:Pd酸化触媒を含み、
パラジウムリッチの重量比の白金とパラジウムを含む前記酸化触媒が1/2よりも小さいPtとPdの重量比Pt/Pdを有する、方法。
【請求項5】
炭化水素の総量が減らされる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記NSC再生過程中に、前記酸化触媒が、CSFに進入する排気ガスに存在するメタンの20〜90体積%を酸化させるものである、請求項4又は5に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディーゼルエンジン車両用排気ガス後処理システムに関し、このシステムは、下流方向に沿って、NO
x貯蔵触媒(NSC)と、続いて、触媒(化)媒煙フィルタ(CSF)とを備えたものである。
【0002】
ディーゼルエンジンは、少ない燃料消費、高トルク及び低い一酸化炭素(CO)と二酸化炭素(CO
2)の発生であることを含む長所を有することが知られている。しかし、ディーゼルエンジンがガソリンエンジンよりも少量の規制排気ガスを発生させる傾向がある反面、排気ガス(特に、窒素酸化物(NO
x、基本的にNO及びNO
2)と粒子状物質(PM))を制御するのに更に困難が伴う。内燃機関から発生する他の規制汚染物質は、未燃焼の(部分的に燃焼したものも含む)炭化水素(HC)である。
【0003】
基本的にエンジンから発生した排気ガスを還元させる方法は、2つあるが、1つは、エンジンの設計と制御であり、もう1つは、排気ガスの後処理であって、通常はこれらが組み合わせられて使用される。排気ガス後処理は、研究と規制排気ガスを処理する触媒的方法の開発により発展してきており、電子的エンジン制御と共に用いられたとき、一般的に現在の排気ガス基準を十分に満たす。それにも拘わらず、環境及び地球温暖化の観点から、燃料消費量及び関連するCO
2排気ガスの減少のための抑制に加えて、強化されつつある排気ガス規制により、エンジンの設計及び後処理システムに対する持続的な研究が求められている。
【0004】
歴史的に、車両用として紹介された最初の触媒後処理は、フロースルー(flow-through)セラミック又は金属ハニカム基材上に堆積された白金族金属触媒(通常、白金)を含むDOC(ディーゼル酸化触媒)である。このようなDOCは、COとHCの酸化に効果的であり、現在広く用いられている。また、このようなDOCは、炭素質(carbonaceous)粒子に吸収された(炭化水素の)揮発性有機(organic)部分を同時に酸化させることで、PMの量を低減するのに効果的である。
【0005】
一般に、希薄NO
xトラップ(trap)又はNO
x吸収剤触媒(NAC)と呼ばれるイン-ラインNO
x貯蔵触媒(NSC)の使用は、現在リーンバーン(lean burn:希薄燃焼)内燃機関用排気ガス後処理システムにおいてよく知られている。NO
xと反応して硝酸塩を形成するバリウム酸化物のような物質と白金のようなNO
x転換触媒と結合してNO
x貯蔵ユニットが構成される方法を説明した最初の特許文献は、おそらくトヨタのEP0 560 991であると見られる。NSCは、燃料/空気比(一般に、「ラムダ」又はλと呼ばれる)を化学量論的に(λ=1)又はリッチに(λ<1)可変することで、周期的に再生される。リッチな過程中、エンジンの制御はHCの高濃縮の付与により貯蔵されたNO
xのNSCを浄化する。放出されたNO
xは、触媒が窒素ガスと接触して同時に還元される。リッチな浄化過程は、NSC再生過程とも呼ばれる。
【0006】
ディーゼル排気ガスから発生したPMの除去は、一般にフィルタの一部又は部分フィルタにより実現される。多数のフィルタデザインが特許文献において提案されている。現在、最新のフィルタは、触媒媒煙フィルタ(CSF)と知られているPM燃焼触媒を含有するセラミック又はセラミック性ウォール
フローフィルタである。NO
x貯蔵触媒でフィルタコーティングされた多数の改変されたCSFが提案された。最新のCSFは、フィルタの前方に位置するDOC-形態のコーティング区域と、フィルタの後方に位置する低含有量区域を実装する。一般に、両区域ともPt系である。
【0007】
ディーゼルエンジン車両用後処理システムの設計としてCSFの前に位置するNSCを含むものが提案された。このような設計がWO2008/075111に説明されているが、この開示内容は本願明細書の一部をなす。しかし、相対的に単純であり、相対的に安価なシステムにおいて、比較的近い将来のEU6とUS Tier 2 Bin 5の排気ガス規制を満たすことは難しい。
【0008】
EP1536111は、エンジンの作動中に(特に、エンジンのリッチ作動中)排気ガスからメタン、CH
4及び亜酸化窒素(N
2O)を除去するための装置及び方法を開示しているが、前記装置は、エンジンのパラメータチューニングのための手段、NO
x還元手段を含むNO
x還元触媒及びエンジンの排気ガス内のメタンと亜酸化窒素を還元させるための触媒を含む。好ましい態様として、粒子フィルタ上に、酸素貯蔵成分として、パラジウムと、セリア又はジルコニアを備えてなる窒素貯蔵還元型触媒が用いられ、前記パラジウムはメタンを還元させるためのものである。
【0009】
本発明の発明者らは、現代のライトデューティーディーゼルエンジン用排気ガス後処理において、困難さの1つは、低い排気ガス温度(特に、排気ガスの流れからエネルギーを吸収するターボチャージャの下流で)に起因し、結局のところ、触媒ライト-オフを難しくするために、ガス温度を更に下げることに注目した。また、発明者らは低い温度がCSFによる全てのHCの酸化を更に難しくするという点に注目したが、特にNSCの再生のために生成されたHCの一部はメタンであり、メタンは再生過程でNSCを通過(leaving:離散)する多量のHCを形成する。
【0010】
メタンは高いライト-オフ温度のため、正常動作条件でNSCとCSFを通じた酸化が難しい。チャネル上にPt触媒を備える従来のCSFの場合に、50%濃度のメタンが反応する温度と定義されたライト-オフが400℃の領域に存在する。ライトデューティーディーゼルエンジンは、CSFでこのような温度を正常に発生させることができない。ライトデューティーディーゼルエンジンでの排気ガス温度は、高速又は高負荷運転条件でしかこの領域に到達できない。従って、NSCとCSF型のシステムで全てのHCを制御する必要がある。疑問の余地を無くすために、ここで用いられるNSCは、受動的NO
x吸収剤として知られている装置を含まない:このような受動的NO
x吸収剤の内容は、例えばWO2008/047170が参照される。
【0011】
従って、本発明は、NO
x貯蔵触媒(NSC)と、続いて、触媒媒煙フィルタ(CSF)とを備えてなり、前記CSFが酸化触媒を備えてなり、酸化触媒が白金とパラジウムを含んでなり、白金とパラジウムの重量比において、パラジウムがリッチ(富化:含有量が高い)である、ディーゼルエンジン車両用排気ガス後処理システムを提供する。当業者は、従来のCSF上のDOC-形態のコーティングは、NSC再生過程の条件で、メタンの相当量を酸化させないということを理解するはずである。
【0012】
また、本発明は、車両用ディーゼルエンジンから発生する排気ガスを後処理する方法であって、NSC再生過程中に、NO
x貯蔵触媒(NSC)と、続いて、触媒媒煙フィルタ(CSF)とを備えてなる、排気ガス後処理システムを備えて成り、前記再生過程中にNSCからの排気ガスを、白金とパラジウムを含んでなり、白金とパラジウムの重量比においてパラジウムをリッチに含有する、酸化触媒を通過させる段階を含む後処理方法を提供する。
【0013】
たとえ、CSF全体に渡って適用されたコーティング(例えば、あらゆる出口チャネルに)が本発明に含まれても、好ましくは、前記酸化触媒は部分的に、層として又は区域コーティングとして適用される。区域コーティングの場合に、コーティングの残りが正常なリーン運転条件(即ち、リッチ再生過程ではない)でCOとHCを酸化させることができる従来のCSF触媒である。
【0014】
好適な実施例において、CSFは入口チャネルと出口チャネルを含むウォール
フローフィルタを備える。一に実施態様において、前記入口チャネルは、白金系酸化触媒を含み、前記出口チャネルは、パラジウムを濃厚に含有するPt:Pd酸化触媒を含む。
【0015】
これとは異なり、前記酸化触媒は、フィルタの出口端部により下流側で特定(定義)された下流区域に位置し得、前記フィルタの入口端部は、フィルタの入口により特定された上流区域を含み、前記上流区域は白金系酸化触媒である。このような構成は、ウォール
フローフィルタ又は他のフィルタ構成と共に組み合わせられて使用され得る。
【0016】
一部区域に位置するか、出口チャネルにコーティングされたPdをリッチに含有する触媒の上流側に位置するウォール
フローフィルタの入口区域に位置するか、入口チャネルにコーティングされた従来のPt系のCSF触媒の構成は、優れた熱制御を提供し、それにより、排気ガス後処理システムの効率を増加させるという点で長所を有する。特に、リッチな再生過程は、増加した排気ガス温度を発生させる。従って、大体にフィルタが増加した温度で排気ガスと接触するため、Pdをリッチに含有する触媒の位置は、温度に制限されない。しかし、正常なリーンエンジン運転中の(即ち、再生過程中)排気ガスの温度は低く、Ptをリッチに含有する触媒の活性度は、温度に制限される。従って、高速運転(例えば、MVEG-B運転サイクルのEUDC部分)から排出される排気ガスを処理するために、そしてPtをリッチに含有する触媒をコールドスタート(cold start:始動)後に可能な限り迅速に一酸化炭素と炭化水素のライト-オフを達成できる位置に位置させることが好ましい。
【0017】
一実施例において、前記フィルタは白金系の酸化触媒であり、好適な実施例において、前記白金系の酸化触媒は、Pt:Pd重量比における白金リッチにおいて、パラジウムを含有する。
【0018】
部分的、層形状の又は区域コーティングを達成するために、ウォール
フローフィルタ及び他のフィルタ基材にコーティングすることは、当業者に公知の方法(例えば、WO99/47260又は2011年1月4日に出願された国際特許出願番号PCT/GB2011/050005)からなされ得る。
【0019】
前記酸化触媒は、好ましくはPt/Pd組成物を含む。従来のCSF酸化触媒は、Pt系であるが、Pdがメタンを酸化させるために、最も適した触媒であるということが見出された。反面、Pdだけの触媒はあらゆるディーゼル燃料に存在(超低硫黄でも)する硫黄により非常に容易に破壊され得る。約1:10以下(down)のPdをリッチに含有するPt:Pd重量比は、現在、本発明において最も効果的なものと見なされる。活性触媒成分の含有量は、特定のエンジン及び関連するエンジンの制御によって設定される必要があり、フィルタ基材の単位面積当たりのセルの大きさと数によって変わり得る。
【0020】
一般に、堆積された触媒組成物は、通常としてウォッシュコート材を含む。メタンの酸化は、空気:燃料(空燃)比に大きく左右され、リッチな再生過程中の条件は、メタンの酸化に影響を与えない。従って、相対的に多量の酸素貯蔵成分(OSC)をウォッシュコート組成物に包含させることが好ましい。最もよく知られているOSCは、セリア(セリア/ジルコニア混合酸化物の形態でよく使用される)である。例えば、本発明で用いるための適切なOSC成分含有量は、20-50重量%である。これは0-15重量%のCSFに適用される従来の触媒でのOSC成分含有量と類似する。この含有量は、OSC成分の含有量を参考にし、もしセリア/ジルコニア50:50であれば、セリアの量は半減するという点を理解すべきである。
【0021】
好ましくは、本発明で用いられるエンジンは、ユニットインジェクタタイプ(PD-type)よりは、コモンレール(common rail)インジェクタタイプである。初期のテストによれば、ユニットインジェクタエンジンは、NSC再生中に非常に高いメタン水準で(全体HCで90%メタンまで)再生できる。それにも拘わらず、本発明は、ユニットインジェクタエンジンのHC排気ガスも改善できる可能性を提供するものと思われる。
【0022】
本発明が更に十分に理解できるように、次の実施例が添付された図面と共に参照されて説明される。
【0023】
図1は、300℃のガス温度で人工排気ガス再生過程に8秒及び12秒の露出により、酸化触媒から出るガスで全体HCスリップをppmとして示す棒グラフである。
【0024】
図2は、350℃の入口ガス温度で同一の酸化触媒サンプルに対する結果を示す棒グラフである。
【0025】
CSFをモデリングするために、1インチ×3インチ(2.5cm×7.5cm)セラミック
フロースルー基材(フィルタ基材ではない)が従来技術を用いて堆積された1.0gin
-3の多様な触媒組成物を含む。前記サンプルは、SCAT(synthetic catalytic activity test)装置で流動するガスに露出し、再生を示す短い(8秒又は12秒)リッチ行程に先立って希薄条件がモデリングされた。
【0026】
前記触媒組成物は、1gin
-3で堆積された他のウォッシュコート上に60gft
-3で何れも堆積された。
サンプルA:アルミナウォッシュコート上に2:1Pt:Pd(本発明によらない)
サンプルB:アルミナウォッシュコート上に1:2Pt:Pd
サンプルC:アルミナウォッシュコート上に1:10Pt:Pd
サンプルD:50:50のアルミナ:セリア/ジルコニア混合酸化物ウォッシュコート上に1:2Pt:Pd
サンプルE:50:50のアルミナ:セリア/ジルコニア混合酸化物ウォッシュコート上に1:10Pt:Pd
希薄条件ガス組成物:8%のCO
2、12%のO
2及び5%のH
2O
リッチ条件ガス組成物:8%のCO
2、0.5%のO
2、5%のH
2O、1000ppmのNO、500ppmのCO、1000ppmのC1メタン及びC1炭素種(carbon species)で測定した際に同一量のプロパン(propene)
【0027】
SCAT装置が8秒又は12秒のリッチ行程(図面でそれぞれ黒色又は灰色の棒で示す)前に希薄条件で300℃(高速道路の運転速度でアンダーフロア(underfloor)位置にCSFと共に設置された軽量ディーゼル乗用車と等価)と350℃の入口ガス温度で安定化した。全HCスリップは、サンプルから出るガス内のppmとして測定され、結果が
図1(300℃)と
図2(350℃)に示される。
【0028】
結果から(特に、
図1でサンプルEをサンプルCと比較したもの)、サンプルEでセリアの存在がリッチな再生過程(特に、より長いリッチ浄化過程)で顕著に少ない量のHCスリップを発生させることが確認される。
【0029】
また、
図1は、セリアが更に長いリッチ行程で有用な役割を果たし、8秒と12秒の浄化の間でHCスリップの差がないことを示す。
【0030】
350℃では、
図2からPtよりも多いPdを含有するサンプルが最も多いHCを転換することが容易に確認される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】
図1は、300℃のガス温度で人工排気ガス再生過程に8秒及び12秒の露出により、酸化触媒から出るガスで全体HCスリップをppmとして示す棒グラフである。
【
図2】
図2は、350℃の入口ガス温度で同一の酸化触媒サンプルに対する結果を示す棒グラフである。