特許第5988516号(P5988516)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5988516
(24)【登録日】2016年8月19日
(45)【発行日】2016年9月7日
(54)【発明の名称】フッ素化オレフィン化合物の調製方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 17/20 20060101AFI20160825BHJP
   C07C 21/18 20060101ALI20160825BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20160825BHJP
【FI】
   C07C17/20
   C07C21/18
   !C07B61/00 300
【請求項の数】8
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-548136(P2014-548136)
(86)(22)【出願日】2012年11月29日
(65)【公表番号】特表2015-502390(P2015-502390A)
(43)【公表日】2015年1月22日
(86)【国際出願番号】FR2012052752
(87)【国際公開番号】WO2013093272
(87)【国際公開日】20130627
【審査請求日】2014年8月13日
(31)【優先権主張番号】1162314
(32)【優先日】2011年12月22日
(33)【優先権主張国】FR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】505005522
【氏名又は名称】アルケマ フランス
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】デュボワ, ジャン−リュック
【審査官】 前田 憲彦
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/130108(WO,A1)
【文献】 国際公開第2010/123154(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/099605(WO,A1)
【文献】 特表2010−531897(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C 17/00
C07C 21/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流動床反応器において懸濁液中に保持されたフッ素化触媒及び分子状酸素の存在下、HFによる、並びに式CXCHClCHXのハロプロパン、及び式CXCCl=CH、CClXCCl=CH、CX=CClCHXのハロプロペン(Xは、独立にフッ素原子又は塩素原子を表す)から選択される少なくとも1つの化合物の気相フッ素化の少なくとも1つの段階を含む、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの製造方法であって
記触媒が活性化段階に供され、
前記ハロプロパンは、2,3−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロプロパン及び/又は1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパンから選択され、
式CXCCl=CHの前記ハロプロペンは、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペンから選択され、
前記気相フッ素化の段階は、1.5バールを超える圧力下で行われ、
HF:フッ素化される化合物のモル比は、50:1〜1:1の間であり、
反応温度は、200〜500℃の間であり、
酸素:フッ素化される化合物のモル比は、0.01〜1の間であり、
反応物を含むガス混合物と触媒の間の接触時間は、1〜50秒の間であり、
流動床反応器に導入される反応物を含むガス流の線速度は、0.5〜200cm/秒の間であり、
前記触媒活性化段階は、前記製造方法と同じ反応器において行うことができる
造方法。
【請求項2】
前記分子状酸素が、空気、富化空気又は高純度酸素の形態であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
酸素:フッ素化される化合物モル比が0.050.2の間であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
反応物を含むガス混合物と前記触媒の間の接触時間が、40秒の間であることを特徴とする、請求項1からの何れか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記触媒が、クロム又は担持されていてもよいクロムを含む混合触媒をベースとすることを特徴とする、請求項1からの何れか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記触媒粒子の平均径が、20〜200ミクロンの間であることを特徴とする、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記触媒活性化段階は、酸化剤、HF、式CXCHClCHX及びCXCFXCHのハロプロパン並びに/又は式CXCCl=CH2、CClXCCl=CH及びCX=CClCHXの少なくとも1つのハロプロペン(Xは、独立にフッ素原子又は塩素原子を表す)から選択される少なくとも1つの化合物の存在下、フッ素化反応により継続するできることを特徴とする、請求項1からの何れか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記反応物の流れが、前記反応器に接線方向に注入されることを特徴とする、請求項1からの何れか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の主題は、フルオロオレフィン化合物、特に(クロロ)フルオロプロペン及び(クロロ)フルオロブテン、より詳細にはフッ素化化合物2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(HFO−1234yf)の調製方法である。
【背景技術】
【0002】
ハイドロフルオロカーボン(HFC)及び特に、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(HFO−1234yf)などのハイドロ−フルオロ−オレフィンは、冷媒及び熱交換流体、消火剤、噴霧剤、発泡剤、膨張剤、気体誘電体、モノマー媒体又は重合媒体、支持流体、研磨剤、乾燥剤、並びにエネルギー生産ユニット用の流体の特性で知られる化合物である。オゾン層にとって潜在的に危険なCFC及びHCFCとは異なり、HFOは塩素を含まず、故にオゾン層に対し問題とならない。
【0003】
HFO−1234yfを製造するための幾つかの方法が知られている。
【0004】
国際公開第2009/084703号は、ヘキサフルオロプロパン、ペンタフルオロプロペン、及びペンタフルオロプロパンの中間体状態を伴う、ヘキサフルオロプロペンからのHFO−1234yfの製造方法を記載している。
【0005】
国際公開第2007/079431号は、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(HCFO−1233xf)をフッ素化して1,1,1,2−テトラフルオロ−2−クロロプロパン(HFC−244bb)を得る段階と、それに続く脱塩化水素段階を含む方法によるHFO−1234yfの調製を記載している。生成物HCFO−1233xfは、対応する塩素化前駆体(CCl=CClCHCl)のフッ素化により調製される。
【0006】
国際公開第2008/054781号は、触媒、特に98/2 Cr/Co上でHFの存在下、2,3−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロプロパン(HFC−243db)の反応によるHFO−1234yfの調製を記載している。反応生成物は、HFO−1234yf及び2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(HCFO−1233xf)を含み、後者の生成物が主であり、他の生成物1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(HCFO−1233zd)、並びにまた1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン(HFC−245cb)及び1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(HFO−1234ze)も形成される。より高い温度が1233zd異性体の生成を促進する。出発材料、2,3−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロプロパン(HFC−243db)は、トリフルオロ−1−プロペン(TFP)の塩素化により得られると示されている。
【0007】
国際公開第2008/040969号及び国際公開第2008/075017号は、実質的に類似した調製を記載している。反応は、HFC−243dbを脱塩化水素してHCFO−1233(xf及びzdの両方)を得ることと、それに続く、1,1,1,2−テトラフルオロ−2−クロロプロパンの形成及び脱塩化水素による所望の2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンのその後の形成を伴う反応により進行することが示されている。HF:有機物比は様々であり、HCFO−1233(xf及びzd)を得るための脱塩化水素反応は低いHF:有機物比により有利であるが、所望の最終化合物を調製するための反応は、高いHF:有機物比により有利であることが示されている。出発材料、2,3−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロプロパン(HFC−243db)は、トリフルオロプロペン又はトリフルオロメチルプロペンの塩素化により得られると示されている。
【0008】
国際公開第2010/123154号は、酸素及び、酸化クロムCrOを1.5<m<3で含む触媒の存在下、HCFO−1233xfとHFとの反応によるHFO−1234yfの調製を記載している。この文献は、選択性を改善するために最大で1に等しい酸素/HCFO−1233xfモル比の使用を教示している。
【0009】
更に、文献米国特許出願公開第2011/245548号は、HCFO−1233xfを得るためのペンタクロロプロパン又はテトラクロロプロペンのフッ素化反応における触媒の寿命を高めるために、塩素化化合物に関して0.1〜1の間の酸素モル比の使用を記載している。
【0010】
上述された調製方法は、一般的に幾つかの段階を含み、極めて高い資本コストを必要とする。更に、工業規模でそれらを実施することは多くの場合複雑である。価値において回収されない副産物の存在、また同様に触媒の寿命は、工業規模に移行する場合、最も頻繁に直面する問題である。
【0011】
更に、先行技術に記載されている量の酸素の存在は数多くの問題を呈し、酸素を含む副産物の形成、水の形成は、HFの存在下、反応器中に又は分離ユニットにおける反応器の下流に高い腐食性の媒体及び安全性(ガス状流出物の着火性リスク)をもたらす。
【0012】
「長期的に」高い選択性及び有利には高い収量及び/又は変換を有する所望の生成物をもたらす、容易に利用可能で使いやすい出発材料からのHFO−1234yfの調製方法の必要性が存在する。
【発明の概要】
【0013】
本発明は故に、流動床反応器において懸濁液中に保持されたフッ素化触媒及び分子状酸素の存在下、式CXCHClCHXのハロプロパン、並びに式CXCCl=CH、CClXCCl=CH及びCX=CClCHXのハロプロペン(Xは、独立にフッ素原子又は塩素原子を表す)から選択される少なくとも1つの化合物のHFによる気相フッ素化による、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの調製方法を提供する。
【0014】
1つの実施態様によれば、ハロプロパンは、2,3−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロプロパン及び/又は1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパン(HFC−240db)から選択される。
【0015】
1つの実施態様によれば、式CXCCl=CHのハロプロペンは、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペンから選択される。
【0016】
1つの実施態様によれば、HF/フッ素化される化合物比は超化学量論的である。
【0017】
1つの実施態様によれば、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンの反応中間体は反応器にリサイクルされる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、流動床反応器において懸濁液中に保持されたフッ素化触媒及び分子状酸素の存在下、HFによる、並びに式CXCHClCHXのハロプロパン、及び式CXCCl=CH2、CClXCCl=CH、CX=CClCHXのハロプロペン(Xは、独立にフッ素原子又は塩素原子を表す)から選択される少なくとも1つの化合物の気相フッ素化の段階を用いる。
【0019】
分子状酸素は、空気、富化空気又は高純度酸素の形態であってもよい。
【0020】
本発明によれば、この段階は、特に1.5バールを超える絶対圧力下で行われる。有利には、該圧力は2〜15バールの間、特に2.2〜5バールの間である。
【0021】
HF:フッ素化される化合物モル比は50:1〜1:1の間、好ましくは30:1〜5:1の間、有利には25:1〜5:1の間である。
【0022】
反応温度は、非常にばらつき得る。例えば、反応温度は200〜500℃の間、好ましくは250〜400℃の間、有利には275〜380℃の間であってもよい。
【0023】
酸素:フッ素化される化合物モル比は0.01〜1の間、好ましくは0.05〜0.2の間である。
【0024】
以下の式:
ct(s.g/cm)=(W/F)×(273/(273+T))×((101325+P)/101325)
(式中、Wは流動床中の触媒の量をグラムで表し、Fは標準温度及び標準圧力条件下のガス流の速度を表し、Tは反応温度を℃で表し、Pは圧力をパスカルで表す)により本発明において定義された反応物を含むガス混合物と触媒の間の接触時間(ct)は、好ましくは1〜50秒の間、及び有利には2〜40秒の間である。
【0025】
以下の式:
Lv(cm/秒)=F×((273+T)/273)×(101325/(101325+P)×S)(式中、F、T及びPは上記のように定義され、Sは反応器の内部断面の面積(cm)−空塔線速度としても知られる−である)により本発明において定義された、流動床反応器に導入される反応物を含むガス流の線速度は、好ましくは0.5〜200cm/秒の間、及び有利には1〜100cm/秒の間である。
【0026】
反応物のガス流は、流動床を通じた乱流の制御された動きを作り出すようにして、故に接触時間を増やし、触媒の均一性を向上させ、及び/又は触媒粒子の凝集を防止するために、接線方向注入により部分的又は完全に反応器に導入することができる。
【0027】
反応生成物は、蒸留、洗浄等など当業者に知られた従来の方法での分離段階に供することができる。
【0028】
本発明によれば、流動反応器から出る流れは、HFO−1234yf並びに、1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン及び2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンから選択される少なくとも1つの化合物を含む。
【0029】
この流れは、更にHF及びHClを含み得る。
【0030】
HFO−1234yf及び場合によりHClの分離後、流れは反応器にその後リサイクルされる。
【0031】
別の態様によれば、本発明は、HFO−1234yf、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン、1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン、HF及びHClを含む流れを得るための、流動床反応器において懸濁液中に保持されたフッ素化触媒及び分子状酸素の存在下、HFによる1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパンの気相フッ素化の段階と、HFO−1234yf及び場合によりHClが、流動床反応器にリサイクルされる前に流れから分離される分離段階とを含む、1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパンからのHFO−1234yfの調製方法である。
【0032】
含まれる触媒は、例えば、金属、特に遷移金属又はそのような金属に由来する酸化物もしくはハロゲン化物もしくはオキシハロゲン化物をベースとした触媒である。触媒は例えば、FeCl、クロムオキシフルオリド(chromium oxyfluoride)、Ni(Niメッシュを含む)、NiCl、CrF、及びそれらの混合物、例えばNi−Cr/AlFである。他の可能性のある触媒は、カーボン担持触媒、アンチモンをベースとした触媒、アルミニウム(AlF及びAl及びアルミニウムオキシフルオリド(aluminum oxyfluoride)及びフッ素化アルミナなど)、パラジウム、プラチナ、ロジウム及びルテニウムをベースとした触媒である。文献米国特許第5396000号の1欄50行〜2欄2行に示されているリスト、又は国際公開第2007/056194号の16頁、13〜23行に示されているリストを参照することができる。国際公開第2008/040969号に記載されている触媒、及び特にHFで処理された酸化クロムでのZnを使用することもできる。
【0033】
クロムベースの触媒が好ましい。
【0034】
クロムベースの触媒は、Co、Ti、V、Fe、Ge、As、Nb、Mo、Sb、W、Ta、P及びMnから選択される少なくとも1つの共触媒を含むことができる。
【0035】
クロム並びにNi、Mg及びZnから選択される少なくとも1つの金属を含む混合触媒も好ましい。
【0036】
これらの触媒の摩耗を改善するために、アルミナシリカもしくはコロイド状シリカなどの化合物を組み入れること、及び/又は炭化ケイ素の流動性ビーズ上又は中に活性材料を担持することが可能である。
【0037】
触媒は、有利には粉末形態で使用される。触媒は一般的に、微粒化により得られる。
【0038】
触媒粒子の平均径は、好ましくは20〜200ミクロンの間、有利には2〜80ミクロンの間である。
【0039】
摩耗によって作られる微粉末を含む、反応物の流れに同伴される触媒は、排水処理のためにライン上に置かれた内部又は外部サイクロンにより、また同様に粒子フィルターにより回収される。微粒子の除去後、サイクロンに回収された触媒は、エルトリエーションレッグ(elutriation leg)を介してその後反応器に戻される。
【0040】
有利には、触媒は、空気、酸素又は塩素などの酸化剤の流れの存在下、活性化処理に供される。
【0041】
有利には、触媒はまた、フッ化水素酸を含む流れを用いて活性化段階にも供される。
【0042】
1つの実施態様によれば、触媒の活性化は酸化剤による処理と、それに続くHFによる処理での2つの段階で行うことができる。
【0043】
別の実施態様によれば、触媒の活性化はHFによる処理と、それに続く酸化剤による処理での2つの段階で行うことができる。
【0044】
触媒又は反応に応じて、この交代を数回行うことが可能である(空気とそれに続くHFによる処理、空気とそれに続くHFによる再度の処理などでの活性化)。
【0045】
酸化剤による処理の温度は、10〜200時間の間の期間、250〜500℃の間、好ましくは300〜400℃の間であってもよい。
【0046】
HFによる処理の温度は、1〜50時間の間の期間、100〜450℃の間、好ましくは200〜300℃の間であってもよい。
【0047】
別の実施態様によれば、触媒の活性化は、HF及び酸化剤の混合物による処理により少なくとも1つの段階で行うことができる。酸化剤は、HF及び酸化剤の混合物に関して2mol%及び98mol%の間に相当してもよく、活性化温度は、10〜200時間の間の期間、200〜450℃の間で異なってもよい。
【0048】
触媒活性化は、酸化剤、HF、式CXCHClCHX及びCXCFXCHのハロプロパン(複数可)並びに/又は式CXCCl=CH2、CClXCCl=CH及びCX=CClCHXの少なくとも1つのハロプロペン(複数可)(Xは、独立にフッ素原子又は塩素原子を表す)から選択される少なくとも1つの化合物の存在下、フッ素化反応により継続することができる。HF/ハロプロパン及び/又はハロプロペンモル比は、2〜40の間であってもよい。酸化剤/ハロプロパン及び/又はハロプロペンモル比は、0.04〜2.5の間であってもよい。フッ素化による活性化のこの段階の期間は、6〜100時間の間であってもよく、温度は300〜400℃の間であってもよい。
【0049】
この活性化段階の結論として、触媒は、2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法を行う前に空気による処理に好ましくは供される。
【0050】
活性化段階は、大気圧又は最大20バールの圧力下で行うことができる。
【0051】
触媒の活性化は、本発明による製造方法と同じ反応器において行うことができ、固定床方法より実施が実用的であるという利点を示す。
【0052】
本発明の方法は、分子状酸素の存在下、少なくとも1つの非連続的再生段階を含むことができる。温度は250〜500℃の間で異なってもよく、接触時間は1〜200秒の間であってもよく、該期間は好ましくは10〜200時間の間であってもよい。触媒再生が行われ得る圧力は、好ましくは1〜20バール絶対圧の間である。
【0053】
流動床反応器は、反応及び/又は再生、また同様に遷移相に必要な熱を除去又は供給するように、固体床に浸漬された熱交換器を好ましくは備えている。