(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明の第一実施形態におけるタイヤ加硫機システムを図面に基づき説明する。
図1は、この発明の第一実施形態におけるタイヤ加硫機システム1の全体構成を示す正面図である。
図1に示すように、この実施形態のタイヤ加硫機システム1は、複数のタイヤ加硫機2を備えている。これら複数のタイヤ加硫機2は、フレーム3と、加硫機構4とを備えている。この実施形態においては、2台のタイヤ加硫機2が並んで配置されている場合を一例に説明する。
【0018】
フレーム3は、その内部に加硫機構4を収容している。フレーム3は、上下方向に長い門型形状をなしている。フレーム3は、その前後に開口部5が配されるように、左右に側壁6を備えている。またフレーム3は、左右の側壁6の上下を繋ぐ上フレーム7および下フレーム8を備えている。これらフレーム3は、それぞれ据付面F上に設置された架台9によって所定距離だけ据付面Fから上方に浮かせた状態で設置されている。複数のタイヤ加硫機2の各フレーム3は、互いの側壁6が向かい合うように一列に並んで配置されている。
【0019】
加硫機構4は、金型10を備えている。金型10は、上金型11と下金型12とを備えている。加硫機構4は、上金型11を支持する上金型支持機構13と、下金型12を支持する下金型支持機構14とを備えている。
【0020】
上金型支持機構13は、上部移動体15、ガイドブラケット16、加圧力伝達部材17、加圧シリンダー18、および、昇降シリンダー19を備えている。
上部移動体15は、上金型11を着脱可能に支持する。
ガイドブラケット16は、上部移動体15を昇降可能に支持する。ガイドブラケット16は、上部移動体15の上部に固定されている。ガイドブラケット16は、フレーム3の側壁6に設けられたガイドレール21に案内されて上下にスライド可能になっている。
【0021】
加圧力伝達部材17は、型締めするための圧力を金型10に伝達する部材である。加圧力伝達部材17は、加圧シリンダー18による加圧力を上金型11に伝達して、上金型11と下金型12とを締結する。加圧力伝達部材17の下端部は、上部移動体15に固定されている。また、加圧力伝達部材17は、上フレーム7に対して昇降可能に支持されている。
【0022】
加圧シリンダー18は、流体圧式のシリンダーである。加圧シリンダー18は、上金型11と下金型12とが締結された状態で、加圧力伝達部材17を金型10側に押圧する。
昇降シリンダー19は、金型10を開閉するために上部移動体15を昇降させるシリンダーである。昇降シリンダー19は、上フレーム7に固定されている。昇降シリンダー19は、上フレーム7に対する上金型11の上下位置を変化させる。
【0023】
下金型支持機構14は、中心機構22と、下プラテン23とを主に備えている。
中心機構22は、下プラテン23の中央部に配されている。中心機構22は、下プラテン23に対して上下方向にスライド可能に取り付けられている。中心機構には、タイヤの内側を支持するブラダー(図示せず)が取り付けられる。タイヤを加硫成形後に、例えば、金型10を開放して中心機構22を上昇させることで、加硫済みタイヤを下金型12から離型可能となっている。
【0024】
下プラテン23は、下金型12を下方から支持する。下プラテン23は、金型10を加熱可能な加熱機構(図示せず)を備える。
【0025】
図2は、この実施形態におけるタイヤ加硫機システム1の側面図である。
図3は、この実施形態におけるタイヤ加硫機システム1の平面図である。
図4は、
図1のIV−IV線に沿う断面図である。
図2、
図3に示すように、タイヤ加硫機システム1は、タイヤローダー25と、タイヤアンローダー26とを備えている。ここで、この実施形態においては、隣り合うタイヤ加硫機2に対して、フレーム3の配列方向(以下、単にフレーム配列方向と称する)と垂直な前後方向の前方側にタイヤローダー25が配されている。また、隣り合うタイヤ加硫機2に対して、上記前後方向の後方側にタイヤアンローダー26が配される場合を一例に説明する。
【0026】
タイヤローダー25は、外部から供給される加硫成形前の生タイヤを上述した加硫機構4に受け渡す装置である。タイヤローダー25は、隣り合う各タイヤ加硫機2に対して一つずつ設けられている。これらタイヤローダー25は、隣り合うタイヤ加硫機2の間の前方に配されている。タイヤローダー25は、旋回アーム27と、タイヤチャック28と、ローダー昇降機構29と、を備えている。
【0027】
旋回アーム27は、左右それぞれの加硫機構4に対してタイヤを受け渡す第一位置とタイヤを外部から受け取る第二位置との間で揺動可能とされている。旋回アーム27は、例えば、流体圧シリンダーなどにより駆動される。
【0028】
タイヤチャック28は、生タイヤを吊り上げるために生タイヤを保持する装置である。タイヤチャック28は、旋回アーム27の先端部に設けられている。タイヤチャック28は、出没可能な複数の係止部(図示せず)により、生タイヤのビード内側を保持することが可能となっている。タイヤチャック28は、旋回アーム27が第二位置とされた場合に、所定のタイミングで生タイヤを保持する状態とされる。一方で、タイヤチャック28は、旋回アーム27が第一位置とされた場合に生タイヤの保持状態を解除する。
図1においては、図示都合上、タイヤローダー25の旋回アーム27およびタイヤチャック28の図示を省略している。
【0029】
ローダー昇降機構29は、タイヤチャック28が先端に設けられた旋回アーム27を昇降させる機構である。ローダー昇降機構29は、昇降機本体31と、昇降用シリンダー32と、ガイドレール33と、を備えている。
【0030】
昇降機本体31は、上述した旋回アーム27を揺動可能に支持する。昇降機本体31は、ガイドレール33に沿って上下に移動可能とされている。また、昇降機本体31には、昇降用シリンダー32が接続されている。昇降機本体31は、昇降用シリンダー32の伸縮に応じてガイドレール33に沿って上下に移動する。
【0031】
昇降用シリンダー32は、制御装置(図示せず)の制御指令に基づいて昇降機本体31の上下方向位置を変化させる駆動力を発生する。この実施形態においては、昇降用シリンダー32のロッド部の端部が昇降機本体31に接続され、昇降用シリンダー32の本体部がフレーム3に支持されている。
【0032】
ガイドレール33は、上記昇降機本体31を上下方向に案内する。
図3、
図4に示すように、ガイドレール33は、隣り合うフレーム3が対向する側のフレーム3の縁部から前方に向かって突出するように取り付けられている。これらガイドレール33は、前側に向かって互いに近接するように傾斜して形成されている。ガイドレール33の各加硫機構4側を向く外側面には、各2本のレール本体33aが設けられている。これらレール本体33aは、それぞれ上下方向に延びるように形成されている。上述した昇降機本体31は、旋回アーム27が各加硫機構4側を向いた姿勢で、各レール本体33aに対してそれぞれ昇降可能に取り付けられている。
【0033】
図2、
図3に示すように、タイヤアンローダー26は、加硫成形済みのタイヤを上述した加硫機構4から搬出する装置である。タイヤアンローダー26は、上述したタイヤローダー25と同様に、隣り合うタイヤ加硫機2の間に設けられている。また、タイヤアンローダー26は、タイヤローダー25とは前後方向で反対側の後側に設けられている。これらタイヤアンローダー26は、旋回アーム34と、タイヤチャック35と、アンローダー昇降機構36と、を備えている。
【0034】
旋回アーム34は、左右それぞれの加硫機構4から加硫済みのタイヤを受け取る第一位置と、加硫済みのタイヤを外部の搬送手段などに受け渡す第二位置との間で揺動可能とされている。旋回アーム34は、旋回アーム27と同様に、例えば、流体圧シリンダーなどにより駆動される。
また旋回アーム34は、タイヤを受け取る第一位置と、加硫済みタイヤを冷却する冷却装置(図示せず)に受け渡す第二位置と、冷却装置の冷却済みタイヤを外部の輸送手段などに受け渡す第三位置との間で揺動することも可能である。
【0035】
タイヤチャック35は、加硫済みのタイヤを吊り上げるためにタイヤを保持する。タイヤチャック35は、旋回アーム34の先端部に設けられている。タイヤチャック35は、上述したタイヤローダー25のタイヤチャック28と同様に、出没可能な複数の係止部(図示せず)により、加硫済みタイヤのビード内側を保持可能となっている。タイヤチャック35は、旋回アーム34が第一位置とされた場合に加硫済みのタイヤを保持する状態とされる。一方で、タイヤチャック35は、旋回アーム34が第二位置とされた場合に、所定のタイミングで加硫済みのタイヤの保持状態を解除する。
【0036】
アンローダー昇降機構36は、タイヤチャック35が先端に設けられた2つの旋回アーム34を昇降させる機構である。すなわち、このアンローダー昇降機構36は、2つのタイヤアンローダー26で共用されている。アンローダー昇降機構36は、昇降機本体37と、昇降用シリンダー38と、ガイドレール39と、を備えている。
【0037】
昇降機本体37は、ガイドレール39に沿って上下に移動可能とされている。この昇降機本体37は、上述した2つの旋回アーム34を揺動可能に支持している。昇降機本体37には、昇降用シリンダー38が接続されている(
図2参照)。昇降機本体
37は、この昇降用シリンダー38の伸縮に応じてガイドレール39に沿って上下に移動する。
【0038】
昇降用シリンダー38は、制御装置(図示せず)の制御指令に基づいて昇降機本体37の上下方向位置を変化させる駆動力を発生する。
【0039】
ガイドレール39は、昇降機本体37を上下方向に案内するため上下方向に延びている。
図3に示すように、ガイドレール39は、フレーム3から後方に向かって突出するように形成されている。このガイドレール39は、隣り合うフレーム3同士の間を跨いで各フレーム3の各縁部にボルト等の締結部材(図示せず)により固定されている。このように2つのフレーム3に跨るようにガイドレール39を固定するによって、側壁6の後縁が位置決めされて側壁6の後縁同士の距離が所定距離に保たれる。
【0040】
ガイドレール39は、その後側面39aに、一対のレール本体39bを備えている。これらレール本体39bは、それぞれ上下方向に延びるように形成されている。上述した昇降機本体37は、後方を向くようにして各レール本体39bに対してそれぞれ昇降可能に取り付けられている。また、
図4に示すように、ガイドレール39の下方には、フレーム3から後方に突出するとともに上下方向に延びるリブ40が形成されている。
【0041】
図5は、
図1のV−V線に沿う断面図である。
図6は、脚部43,44の側面図である。
図7は、脚部43,44の正面図である。
図8は、脚部43,44の背面図である。
【0042】
図1に示すように、フレーム3は、フレーム配列方向における第一端部41に脚部43を備え、フレーム配列方向における第二端部42に脚部44を備えている。脚部43,44は、それぞれフレーム3の下端に取り付けられて前後に延びる平板状に形成されている。
図1、
図5に示すように、これら脚部43,44は、フレーム配列方向における外側辺43a,44aが互いに対向するように配置される。
【0043】
図5に示すように、脚部43,44は、フレーム配列方向で互いに対称に形成されている。脚部43,44の前部43c,44cは、フレーム配列方向における外側辺43a,44aとは反対側に、前方ほど外側辺43a,44a側に向かうように傾斜する傾斜辺43b,44bを備えている。これにより、前部43c,44cを突き合わせた全体の輪郭が前方に向かって先細り
の形状となっている。また、
図6、
図7に示すように、脚部43,44の上面には、上下に延びるガイドレール33が形成されている。
【0044】
一方で、
図5に示すように、脚部43,44の後部43d,44dは、平面視で矩形状に形成されている。これら後部43d,44dには、上述したリブ40が取り付けられている。
図6に示すように、リブ40には、後述する後部位置決め体52を、ボルト67およびナット68により締結する作業を行うためのサービスホール40aが形成されている。
【0045】
図7に示すように、架台9は、フレーム配列方向における第一端部41と第二端部42とを下方から支持する。これら架台9の上端には、それぞれ受け部45が形成されている。受け部45は、脚部43,44の下面に対向する上面を備えた平板状に形成されている。ここで、脚部43,44は、隣り合う各フレーム3が正確に位置決めされた状態で、受け部45に対してボルト、ナット等の複数の締結部材47(
図5参照)により締結される。
【0046】
図5から
図8に示すように、フレーム3は、隣り合うフレーム3同士の相対的な平面位置を位置決めするための位置決め部50を備えている。
位置決め部50は、前部位置決め体51と後部位置決め体52とを備えている。
図5に示すように、前部位置決め体51は、一対の前部位置決めブロック53a,53bを備えている。後部位置決め体52は、一対の後部位置決めブロック54a,54bを備えている。
【0047】
図5、
図7に示すように、前部位置決めブロック53a,53bは、フレーム配列方向に並べて配されている。前部位置決めブロック53aは、脚部43の前部43cに取り付けられている。前部位置決めブロック53bは、脚部44の前部44cに取り付けられている。この実施形態における前部位置決めブロック53a,53bは、それぞれボルト、ナット等により脚部43,44に固定されている。
【0048】
図5、
図8に示すように、後部位置決めブロック54a,54bは、前部位置決めブロック53a,53bと同様に、フレーム配列方向に並べて配されている。後部位置決めブロック54aは、脚部43の後部43dに取り付けられている。後部位置決めブロック54bは、脚部44の後部44dに取り付けられている。この実施形態における後部位置決めブロック54a,54bは、それぞれ溶接等により脚部43,44に固定されている。
【0049】
図9は、位置決め部50を示す平面図である。
図9に示すように、前部位置決めブロック53aは、第一の面55を備えている。前部位置決めブロック53bは、第一の面56を備えている。第一の面55,56は、それぞれ前後方向および上下方向に延びる平面とされている。これら第一の面55,56は、互いに向い合せに当接することで、フレーム配列方向における前部43c,44c同士の相対的な位置決めを行う。
【0050】
後部位置決めブロック54aは、2つの第一の面57と、2つの第二の面58とを備えている。後部位置決めブロック54bは、2つの第一の面59と、2つの第二の面60とを備えている。第一の面57,59は、それぞれ前後方向および上下方向に延びる平面とされている。これら第一の面57,59は、互いに向い合せに当接することで、フレーム配列方向における後部43d,44d同士の相対的な位置決めを行う。2つの第一の面57は、後部位置決めブロック54aの前部54aaおよび後部54abに分かれて配されている。2つの第一の面59も、2つの第一の面57と対向するように、後部位置決めブロック54bの前部54baおよび後部54bbに分かれて配されている。
【0051】
2つの第二の面58は、2つの第一の面57の前後方向の中央部C側の端縁57aからそれぞれフレーム配列方向の中央部C側に向かって延びる傾斜平面とされている。2つの第二の面60も、2つの第一の面59の端縁59aからそれぞれフレーム配列方向の中央部C側に向かって延びる傾斜平面とされている。
【0052】
第二の面58は、フレーム配列方向において、フレーム3の幅方向外側に突出するように延びている。一方で、第二の面60は、フレーム配列方向において、フレーム3の幅方向内側に入り込むように延びている。これら第二の面58,60は、互いに向い合せに当接することで、フレーム3の前後方向における後部43d,44d同士の相対的な位置決めを行う。第二の面58同士は、接続面61により接続されている。第二の面60同士は、接続面62により接続されている。また、第二の面58は、第二の面60よりも傾斜する方向で長く形成されている。
【0053】
言い換えれば、上記後部位置決めブロック54aは、2つの第二の面58および一つの接続面61により形成される断面台形状の凸部64を備えている。後部位置決めブロック54bは、2つの第二の面60および一つの接続面62により形成される断面台形状の凹部63を備えている。凹部63の深さは、凸部64の突出高さよりも大きく形成されている。つまり、凸部64が凹部63に完全に没入されることで、上述した第二の面58,60が互いに当接してフレーム3の前後方向の位置決めがなされるとともに、第一の面57,59が互いに当接してフレーム配列方向の位置決めがなされることとなる。
【0054】
後部位置決めブロック54aおよび後部位置決めブロック54bには、それぞれフレーム配列方向に貫通孔65,66が形成されている。これら貫通孔65,66には、一つのボルト67が挿通されてナット68により締め付けられる。つまり、上述した凹部63に対して凸部64が完全に没入されていない状態で、貫通孔65,66にボルト67を通して、ナット68を締め込むだけで、後部位置決めブロック
54aと後部位置決めブロック54bとが近接する方向に変位する。すると、傾斜平面である凸部64の第二の面58が、傾斜平面である凹部63の第二の面60に案内されて凸部64が凹部63に完全に没入される。その結果、フレーム3のフレーム配列方向およびフレーム3の前後方向の位置決めがなされる。
【0055】
この実施形態におけるフレーム3は、例えば、脚部43や脚部44と架台9との間に薄い板状のライナー(図示せず)を挟み込むことで、高さ方向の位置調整が行われる。
【0056】
この実施形態におけるタイヤ加硫機システム1は上述した構成を備えている。次に、このタイヤ加硫機システム1の組立方法について
図10を参照しながら説明する。
まず、複数のタイヤ加硫機2をそれぞれ個別に組み立てる。
次いで、出荷検査のために、複数のタイヤ加硫機2を、納入先の設置条件と同条件となるように架台9上に配列する。さらに、隣り合うフレーム3同士を正確に位置調整して締結部材47により固定する(仮組工程;ステップS01)。また、フレーム3同士に跨るようにタイヤアンローダー26を固定する。さらに、タイヤローダー25や、必要な配管など各種周辺装置を全て取り付ける。この状態で、動作確認などの各種検査を行う。
【0057】
次に、仮に連結されたフレーム3に、それぞれ位置決め用の前部位置決めブロック53a,53b、および、後部位置決めブロック54a,54bを取り付ける(位置決め体取付工程;ステップS02)。
【0058】
この際、前部位置決めブロック53a,53bの各第一の面55,56同士が当接する状態で、前部位置決めブロック53a,53bを脚部43,44にそれぞれボルト、ナット等により固定する。
【0059】
さらに、この際、後部位置決めブロック54a,54bの各第一の面57,59同士が当接し、各第二の面58,60同士が当接する状態で、後部位置決めブロック54a,54bを脚部43,44にそれぞれ溶接等により固定する。
【0060】
次に、フレーム3に対して前部位置決めブロック53a,53b、および、後部位置決めブロック54a,54bを取り付けたまま、フレーム3同士の連結を解除する(連結解除工程;ステップS03)。ここで、連結を解除された各タイヤ加硫機2は、個別に納入先などに搬送される。納入先には、出荷検査時に用いた架台9と同様のものが予め設置される。
【0061】
次に、連結が解除されている各タイヤ加硫機2を、納入先などの設置位置に並べて取り付ける(本組工程;ステップS04)。詳しくは、まず、各タイヤ加硫機2を架台9上に設置する。さらに、前部位置決めブロック53a,53b、および、後部位置決めブロック54a,54bにより隣り合うフレーム3同士の相対位置が拘束されるように位置決めを行う。この際、後部位置決めブロック54a,54bについては、ボルト67およびナット68により締結することで位置決めを行う。また、必要であれば、ライナーにより高さ調整を行う。さらに、高さ方向の中間位置において、フレーム3のタイヤアンローダー26によりフレーム3同士の位置決めを行う。また、付属品や必要な配管などを全て取り付ける。その後、脚部43,44を架台9に対して締結部材47により固定する。
【0062】
したがって、上述した第一実施形態のタイヤ加硫機システム1によれば、位置決め部50によってフレーム3同士の相対的な平面位置を位置決めすることができる。そのため、例えば、出荷検査時のフレーム3同士の相対的な平面位置を、位置決め部50により位置決めすることで、出荷先において出荷検査時のフレーム同士の相対的な平面位置を再現することができる。また、位置決め部50によってフレーム3同士の相対的な平面位置を位置決めすることができるため、フレーム3自体の加工精度が低くても、フレーム3同士の相対的な平面位置を位置決めすることができる。その結果、フレーム3の加工時間や検査時間を短縮できる。また、位置決め作業にかかる作業者の負担を軽減することができる。
【0063】
さらに、前後方向に複数の位置決め体として前部位置決め体51と後部位置決め体52とを設けることで、フレーム3の前後方向における複数個所で、フレーム3同士の相対的な平面位置を位置決めすることができる。また、位置決め部50の前部位置決めブロック53a,53b同士、後部位置決めブロック54a,54b同士をそれぞれ当接させるだけで、フレーム3同士の相対的な平面位置を位置決めすることができる。その結果、フレーム3同士の相対的な平面位置を容易に位置決めすることができる。そのため、更なる作業者の負担軽減を図ることができる。
【0064】
さらに、第一の面57,59によりフレーム配列方向の位置決めを行い、第二の面58,60により前後方向の位置決めを行うことができる。そのため、一つの後部位置決め体52によってフレーム配列方向および前後方向への各フレーム3の相対的な平面位置を位置決めすることができる。その結果、フレーム配列方向の位置決めを行う位置決め体と、前後方向の位置決めを行う位置決め体とを個別に設ける場合と比較して、位置決め体の個数を低減することができる。
【0065】
また、第二の面58,60がフレーム配列方向および前後方向に傾斜する傾斜面であるため、後部位置決めブロック54a,54b同士を当接させる際に第二の面60が第二の面58により案内されて、円滑に位置決めを行うことができる。
【0066】
さらに、後部位置決め体52が第一の面57,59と第二の面58,60とを両方備えている場合に、前部位置決め体51として、第一の面55,56のみを備える単純な形状の前部位置決めブロック53a,53bを用いて、前後方向の2カ所で、フレーム配列方向におけるフレームの位置決めを行うことができる。その結果、より単純な形状の前部位置決めブロック53a,53bを用いる分だけ、前部位置決めブロック53a,53bの加工にかかる作業の負担軽減、および作業時間の低減を図ることができる。
【0067】
また、位置決め部50による隣り合うフレーム3同士の位置決めに加えて、タイヤアンローダー26のガイドレール39により、隣り合うフレーム3同士の位置決めを行うことができる。その結果、隣り合うフレーム3同士の、ガイドレール39が固定される上下位置における各フレーム3間の相対的な位置決めを行うことができる。また、ガイドレール39を利用して隣り合うフレーム3同士の位置決めすることができるため、部品点数の増加を抑制できる。
【0068】
さらに、この実施形態におけるタイヤ加硫機システムの組立方法によれば、仮組工程により位置調整した後に位置決め体取付工程により前部位置決めブロック153a,153bおよび後部位置決めブロック154a,154bを取り付けるため、連結解除工程により連結状態が解除されたとしても、前部位置決めブロック153a,153bおよび後部位置決めブロック154a,154bにより各フレーム3の位置決めを行うことで仮組工程により位置調整した状態を、本組工程で再現することができる。
【0069】
次に、この発明の第二実施形態におけるタイヤ加硫機システムを図面に基づき説明する。
ここで、この第二実施形態のタイヤ加硫機システムは、上述した第一実施形態のタイヤ加硫機システムと位置決め部の構成が異なるだけであるため、同一部分に同一符号を付して説明する。また、第一実施形態と重複する説明は省略する。
【0070】
図11は、この実施形態における位置決め部150を示す
図9に相当する平面図である。
図11に示すように、位置決め部150は、前部位置決め体151と、後部位置決め体152とを備えている。
前部位置決め体151は、一対の前部位置決めブロック153a,153bを備えている。
後部位置決め体152は、一対の後部位置決めブロック154a,154bを備えている。
【0071】
前部位置決めブロック153a,153bは、フレーム配列方向(
図11の紙面左右方向)に並べて配されている。前部位置決めブロック153aは、脚部43の前部43cに取り付けられている。前部位置決めブロック153bは、脚部44の前部44cに取り付けられている。
【0072】
後部位置決めブロック154a,154bは、前部位置決めブロック153a,153bと同様に、フレーム配列方向に並べて配されている。後部位置決めブロック154aは、脚部43の後部43dに取り付けられている。後部位置決めブロック154bは、脚部44の後部44dに取り付けられている。
【0073】
この実施形態における前部位置決めブロック153a,153bおよび後部位置決めブロック154a,154bは、それぞれ溶接等により脚部43,44に固定されている。この実施形態における前部位置決め体151と、後部位置決め体152とは、前後方向で対称形状とされている。
【0074】
前部位置決めブロック153aは、第一の面157と第二の面158とを備えている。前部位置決めブロック153bは、第一の面159と第二の面160とを備えている。第一の面157,159は、それぞれ前後方向および上下方向に延びる平面とされている。これら第一の面157,159は、互いに向い合せに当接することで、フレーム配列方向における前部43c,44c同士の相対的な位置決めを行う。
【0075】
第二の面158は、第一の面157の前方向の端縁157aからフレーム配列方向の前方側に向かって延びる傾斜平面とされている。同様に、第二の面160は、第一の面159の端縁159aからフレーム配列方向の前方側に向かって延びる傾斜平面とされている。これら第二の面158,160は、互いに向い合せに当接することで、フレーム3の前後方向における前部43c,44c同士の相対的な位置決めを行う。この実施形態における前部位置決め体151と、後部位置決め体152とは、前後方向で対称形状であるため、互いに対応する部分に同一符号を付して後部位置決め体152の詳細説明を省略する。
【0076】
つまり、第一の面157,159同士が当接した状態で、前部位置決め体151および後部位置決め体152の各第二の面158は、前部位置決め体151の第二の面160および後部位置決め体152の第二の面160によって前後方向外側から挟み込まれている。
【0077】
この第二実施形態におけるタイヤ加硫機システムの組立方法は、上述した第一実施形態におけるタイヤ加硫機システムの組立方法と、ボルト67およびナット68により締結を行わない点でのみ異なる。そのため、第二実施形態における組立方法の説明を省略する。
【0078】
したがって、上述した第二実施形態のタイヤ加硫機システムによれば、第一実施形態と同様に、位置決め部150によってフレーム3同士の相対的な平面位置を位置決めすることができる。そのため、例えば、出荷検査時のフレーム3同士の相対的な平面位置を、位置決め部150により位置決めすることで、出荷先において出荷検査時のフレーム3同士の相対的な平面位置を再現することができる。また、位置決め部150によってフレーム3同士の相対的な平面位置を位置決めすることができるため、フレーム3自体の加工精度が低くても、フレーム3同士の相対的な平面位置を位置決めすることができる。その結果、フレーム3の加工時間や検査時間を短縮できる。また、位置決め作業にかかる作業者の負担を軽減することができる。
【0079】
また、前後方向に複数の位置決め体として前部位置決め体151と後部位置決め体152とを設けることで、フレーム3の前後方向における複数個所で、フレーム3同士の相対的な平面位置を位置決めすることができる。また、位置決め部150の前部位置決めブロック153a,153b同士、後部位置決めブロック154a,154b同士をそれぞれ当接させるだけで、フレーム3同士の相対的な平面位置を位置決めすることができる。その結果、フレーム3同士の相対的な平面位置を容易に位置決めすることができる。そのため、更なる作業者の負担軽減を図ることができる。
【0080】
さらに、第一の面157,159によりフレーム配列方向の位置決めを行い、第二の面158,160により前後方向の位置決めを行うことができる。そのため、後部位置決め体152と前部位置決め体151とによってフレーム配列方向および前後方向への各フレーム3の相対的な平面位置を位置決めすることができる。その結果、フレーム配列方向の位置決めを行う位置決め体と、前後方向の位置決めを行う位置決め体とを個別に設ける場合と比較して、位置決め体の個数を低減することができる。
【0081】
また、前部位置決め体151と後部位置決め体152とにそれぞれ第一の面157,159、第二の面158,160を設けているため、第一の実施形態と比較して後部位置決め体152を小型化することができる。
さらに、第二の面158,160がフレーム配列方向に対して前後方向に傾斜する傾斜面であるため、後部位置決めブロック154a,154b同士を当接させる際に第二の面160が第二の面158により案内されて、円滑に位置決めを行うことができる。
【0082】
次に、この発明の第三実施形態におけるタイヤ加硫機システムを図面に基づき説明する。
ここで、この第三実施形態のタイヤ加硫機システムは、上述した第一実施形態のタイヤ加硫機システムと位置決め部の構成が異なるだけであるため、同一部分に同一符号を付して説明する。また、第一実施形態と重複する説明は省略する。
【0083】
図12は、この実施形態における位置決め部を示す
図9に相当する平面図である。
図13は、
図12のXIII−XIII線に沿う断面図である。
位置決め部250は、凸部70と、孔部(凹部)71とを備えている。
凸部70は、フレーム3を支持する架台9の受け部45に形成されている。凸部70は、脚部43,44の前部43c,44cと脚部43,44の後部43d、44dとに対向する位置にそれぞれ一つずつ設けられている。凸部70の上端部は、上方に向かって縮径して形成されている。このように凸部70の上端部のみを縮径して形成することで、凸部70を孔部71に対して円滑に挿入することが可能になる。この実施形態においては、凸部70がそれぞれ上方に向かって突出する円柱状に形成されている場合について説明した。しかし、凸部70の形状は、上方に向かって突出する柱状であれば円柱状に限られない。
【0084】
孔部71は、上記凸部70が挿入される。孔部71は、凸部70が挿入可能で且つ、挿入した凸部70がフレーム配列方向および前後方向に変位しないように、凸部70の外径よりも僅かに大きい直径で形成されている。孔部71は、脚部43,44の前部43c,44cと、脚部43,44の後部43d,44dと、にそれぞれ形成されている。
【0085】
上記位置決め部250を用いたタイヤ加硫機システムの組立方法は、上述した第一実施形態の
図10の手順と同様である。例えば、まず、架台9上にフレーム3を設置して正確に位置決めした状態で、脚部43,44に孔部71を形成する。次いで、孔部71を介して凸部70を架台9にねじ込むなどして取り付ける(仮組工程)。その後、フレーム3同士の連結状態を解除する(連結解除工程)。さらに、凸部70が形成された架台9と、複数のタイヤ加硫機2とをそれぞれ個別に搬送する。その後、納入先などの設置位置に架台9を設置して各タイヤ加硫機2のフレーム3の孔部71に対して架台9の凸部70が挿入されるようにフレーム3の位置決めを行う(本組工程)。
【0086】
したがって、上述した第三実施形態におけるタイヤ加硫機システムによれば、架台9の受け部45から上方に向かって突出する凸部70が、脚部43,44の孔部71に挿入されるように脚部43,44を配置することで、隣り合うフレーム3の前後方向およびフレーム配列方向の位置決めを行うことができる。その結果、フレームの前後方向およびフレーム配列方向の位置決めを容易に行うことができる。
【0087】
また、仮組した際の架台9と同じ架台9に本組する場合に、少ない部品点数で隣り合うフレーム3同士の相対的な平面位置の位置決めを行うことができる。
なお、凹部として脚部43,44を上下に貫通する孔部71を一例に説明したが、凸部70を挿入可能であれば貫通していなくてもよい。
【0088】
次に、この発明の第四実施形態におけるタイヤ加硫機システムを図面に基づき説明する。
ここで、この第四実施形態のタイヤ加硫機システムは、上述した第一実施形態のタイヤ加硫機システムと位置決め部の構成が異なるだけであるため、同一部分に同一符号を付して説明する。また、第一実施形態と重複する説明は省略する。
【0089】
図14は、この発明の第四実施形態における位置決め部350を示す平面図である。
図14に示すように、位置決め部350は、第一凸部80と、第二凸部81a,81bと、を備えている。
第一凸部80は、フレーム3の脚部43,44のフレーム配列方向の位置決めを行う。第一凸部80は、フレーム3を支持する架台9の受け部45から上方に突出している。第一凸部80は、上下方向および前後方向に延びる平板状に形成されている。この第一凸部80は、架台9の受け部45のフレーム配列方向における中央部に配されている。第一凸部80は、フレーム3の脚部43,44のフレーム配列方向の位置決めを行う第一の面82,83を有している。
【0090】
この実施形態においては、脚部43,44の互いに対向する外側辺43a,44aは、前後方向に延びる直線状に形成されている。そのため、第一の面82,83は、それぞれ外側辺43a,44aの前後方向における全域で当接可能な平面とされている。この第一凸部80のフレーム配列方向における厚さを変化させることで、隣り合うフレーム3同士の配列方向における距離を変化させることが可能となる。
【0091】
第二凸部81a,81bは、フレーム3の脚部43,44の前後方向の位置決めを行う。これら第二凸部81a,81bも、第一凸部80と同様に、フレーム3を支持する架台9の受け部45から上方に突出している。これら第二凸部81a,81bは、上下方向およびフレーム配列方向に延びる平板状に形成されている。第二凸部81a,81bは、脚部43,44の前後方向の位置決めを行う第二の面84,85を備えている。これら第二の面84,85は、平行且つ、対向して配置されている。
【0092】
この実施形態においては、脚部43,44の前側辺43e,44e、および、後側辺43f,44fは、フレーム配列方向に延びる直線状に形成されている。そのため、第二の面84は、脚部43,44の前側辺43e,44eの両方に対して同時に当接可能な平面とされている。また、第二の面85は、脚部43,44の後側辺43f,44fに対して同時に当接可能な平面とされている。
【0093】
上記位置決め部350を用いたタイヤ加硫機システムの組立方法は、上述した第一実施形態の
図10の手順と同様である。第二凸部81a,81bは、フレーム3が正確に位置決めされた状態で、第二の面84が前側辺43e,44eに当接し、且つ、第二の面85が後側辺43f,44fに当接するようにして、架台9の受け部45に溶接などにより固定される(仮組工程)。ここで、この第四実施形態は、第三の実施形態と同様に、連結解除工程を行った後、架台9をタイヤ加硫機2と共に個別搬送して、搬送先の設置位置で本組工程を行う。
【0094】
したがって、上述した第四実施形態のタイヤ加硫機システムによれば、第一凸部80と第二凸部81とに対して脚部43,44が当接するようにフレーム3を配置することで、隣り合うフレーム3の前後方向およびフレーム配列方向の位置決めを行うことができる。その結果、容易にフレーム3の前後方向およびフレーム配列方向の位置決めを行うことができる。
【0095】
次に、この発明の第五実施形態におけるタイヤ加硫機システムを図面に基づき説明する。この第五実施形態のタイヤ加硫機システムは、上述した第四実施形態の位置決め部350の第二凸部81a,81bをキー機構に置き換えたものであるため、同一部分に同一符号を付して説明する。また、上述した各実施形態と重複する説明は省略する。
【0096】
図15は、第五実施形態における位置決め部450を示す平面図である。
図16は、位置決め部450の側断面図である。
図15、
図16に示すように、位置決め部450は、第一凸部80と、キー機構90とを備えている。
【0097】
第一凸部80は、フレーム配列方向におけるフレーム3の脚部43,44の位置決めを行う第一の面82,83を備えている。第一凸部80は、フレーム3を支持する架台9の受け部45から上方に突出して形成されている。また、第一凸部80には、キー機構90のキー部材91を挿通できるようにフレーム配列方向に貫通する貫通孔94が形成されている。
【0098】
キー機構90は、脚部43,44の前後方向の位置決めを行う。キー機構90は、キー部材91と、フレーム側キー溝92と、架台側キー溝93とを備えている。
キー部材91は、断面矩形の柱状に形成されている。このキー部材91の長さは、二つの脚部43,44の幅寸法と第一凸部80の幅寸法とを加算した長さよりも十分に長く形成されている。ここで、キー部材91の断面形状は、上述した矩形状に限られるものではない。
【0099】
フレーム側キー溝92は、キー部材91が挿入される溝である。フレーム3の脚部43,44の下面に形成されている。このフレーム側キー溝92は、フレーム配列方向に直線状に形成されている。フレーム側キー溝92の幅寸法は、キー部材91が挿入可能なように僅かにキー部材91の幅寸法よりも大きく形成されている。フレーム側キー溝92の深さ寸法は、キー部材91の高さ寸法の半分の高さ寸法以上で、キー部材91の高さ寸法よりも小さくなっている。
【0100】
架台側キー溝93は、フレーム側キー溝92に対向配置されて、フレーム側キー溝92と同時にキー部材91が挿入可能になっている。架台側キー溝93は、架台9の受け部45の上面に形成されている。この架台側キー溝93は、フレーム側キー溝92と同様に、フレーム配列方向に直線状に形成されている。この架台側キー溝93の幅寸法も、フレーム側キー溝92の幅寸法と同じ幅寸法とされている。すなわち、架台側キー溝93の幅寸法は、キー部材91が挿入可能なように僅かにキー部材91の幅寸法よりも大きく形成されている。架台側キー溝93の深さ寸法も、フレーム側キー溝92の深さ寸法と同様に、キー部材91の高さ寸法の半分の高さ以上で、キー部材91の高さよりも小さくなっている。
【0101】
上記位置決め部450を用いたタイヤ加硫機システムの組立方法は、上述した第一実施形態の
図10の手順と同様である。例えば、まず、架台9上にフレーム3を設置して正確に位置決めした状態で、第一凸部80を脚部43,44の間に挟む。次いで、フレーム側キー溝92および、架台側キー溝93を互いに対向する位置に形成する。さらに、フレーム側キー溝92と架台側キー溝93との端部側から、キー部材91を挿入する(仮組工程)。
【0102】
その後、キー部材91を抜き去り、フレーム3同士の連結状態を解除する(連結解除工程)。次に、第一凸部80が形成された架台9と、複数のタイヤ加硫機2とをそれぞれ個別に搬送する。その後、納入先などの設置位置に架台9を設置する。さらに、脚部43,44の外側辺43a,44aを第一凸部80の第一の面82,83に当接させて、脚部43,44のフレーム配列方向における位置決めを行う。その後、キー部材91をフレーム側キー溝92および架台側キー溝93に挿入して、脚部43,44の前後方向における位置決めを行う(本組工程)。
【0103】
したがって、上述した第五実施形態のタイヤ加硫機システムによれば、キー機構90によって、隣り合うフレーム3の脚部43,44の前後方向の位置決めをそれぞれ行うことができる。また、第一凸部80を隣り合うフレーム3の脚部43,44間に配することで、脚部43,44同士のフレーム配列方向における位置決めを行うことができる。その結果、フレーム3の前後方向およびフレーム配列方向の位置決めを容易に行うことができる。
【0104】
さらに、キー機構90を用いた場合、平面視における脚部43,44の外形に関わらず、脚部43,44の前後方向への位置決めを容易に行うことができる点で有利となる。
【0105】
この発明は、上述した各実施形態の構成に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で設計変更可能である。
上述した第一、第二実施形態においては、第二の面58,60、158,160を傾斜平面とする場合について説明した。しかし、第二の面58,60、158,160は傾斜平面に限られない。例えば、これら第二の面58,60、158,160を、フレーム配列方向かつ上下方向に延びる平面としても良い。また、第二の面58,60、158,160を、曲面や球面としても良い。
【0106】
さらに、上述した第一実施形態においては、前部位置決めブロック53a,53bを脚部43,44に対してボルト、ナット等により固定する場合を例示した。また、後部位置決めブロック54a,54bを溶接等により固定する場合を例示した。しかし、前部位置決めブロック53a,53bおよび、後部位置決めブロック54a,54bの固定方法は、上記方法に限られない。例えば、溶接や接着、ボルトによる締結などから、適宜選択しても良い。
【0107】
また、上述した各実施形態においては、2つのタイヤ加硫機2を並べて配置する場合について説明した。しかし、並べて配置するタイヤ加硫機2は2つに限られるものではない。例えば、タイヤ加硫機2を3つ以上並べて配置しても良い。
【0108】
さらに、上述した各実施形態においては、門型形状のフレーム3を一例に説明した。しかし、フレーム3の形状は門型形状に限られるものではない。
また、上述した第五実施形態においては、キー機構90を一つだけ設ける場合について説明した。しかし、キー機構90は、脚部43,44の前部43c,44cおよび、後部43d、44dなど、複数個所に設けるようにしてもよい。
【0109】
さらに、上述した第一実施形態においては、タイヤアンローダー26のガイドレール39が、隣り合うフレーム間に跨るように固定される一例を説明した。しかし、タイヤアンローダー26とタイヤローダー25の少なくとも一方のガイドレールが固定部としてフレーム間に跨るように取り付けられればよい。