特許第5988539号(P5988539)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許59885393行ステープラにおける一対のダブルステープルプッシャ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5988539
(24)【登録日】2016年8月19日
(45)【発行日】2016年9月7日
(54)【発明の名称】3行ステープラにおける一対のダブルステープルプッシャ
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/072 20060101AFI20160825BHJP
【FI】
   A61B17/072
【請求項の数】6
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2010-229069(P2010-229069)
(22)【出願日】2010年10月8日
(65)【公開番号】特開2011-78789(P2011-78789A)
(43)【公開日】2011年4月21日
【審査請求日】2013年10月1日
【審判番号】不服2015-10012(P2015-10012/J1)
【審判請求日】2015年5月29日
(31)【優先権主張番号】61/249,637
(32)【優先日】2009年10月8日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】12/895,948
(32)【優先日】2010年10月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507362281
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】スタニスラウ マルクジク
(72)【発明者】
【氏名】リー オルソン
【合議体】
【審判長】 長屋 陽二郎
【審判官】 高木 彰
【審判官】 平瀬 知明
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第5630541(US,A)
【文献】 特開2009−56310(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B17/072
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングであって、該ハウジングは、保持スロットの第1の外側行と、第2の外側行と、少なくとも1つの中間行とを規定し、保持スロットの該少なくとも1つの中間行は、保持スロットの該第1の外側行と第2の外側行との間に位置決めされている、ハウジングと、
2つのプッシャプレートを含む第1のステープルプッシャであって、該2つのプッシャプレートは、第1のプッシャプレートおよび第2のプッシャプレートを含み、該第1のプッシャプレートおよび該第2のプッシャプレートは、該第1のプッシャプレートが該第1の外側行に保持されているステープルに動作可能に係合し、かつ、該第2のプッシャプレートが該第2の外側行に保持されているステープルに動作可能に係合するために、横方向に間隔を空けて置かれている、第1のステープルプッシャと、
少なくとも2つのプッシャプレートを含む第2のステープルプッシャであって、該少なくとも2つのプッシャプレートは、第1のプッシャプレートおよび第2のプッシャプレートを含み、該第1のプッシャプレートおよび該第2のプッシャプレートは、長手方向および横方向に互いに間隔を空けて置かれており、該第2のステープルプッシャは、該第1のステープルプッシャに隣接して該第1のステープルプッシャの近位に位置決めされている、第2のステープルプッシャと
を備えている、ステープルカートリッジ。
【請求項2】
前記複数のプッシャプレート間の横方向の間隔は、前記ステープルプッシャに関連付けられた保持スロットの隣接した行間の距離とは異なる、請求項1に記載のステープルカートリッジ。
【請求項3】
前記第1のステープルプッシャは、中央長手方向軸を規定し、前記第1のプッシャプレートおよび前記第2のプッシャプレートは、該ステープルプッシャの該中央長手方向軸に関して対称に位置決めされている、請求項1に記載のステープルカートリッジ。
【請求項4】
保持スロットの前記少なくとも1つの中間行は、保持スロットの第1の中間行であり、
前記ハウジングは、保持スロットの第3の外側行と、第4の外側行と、第2の中間行とをさらに規定し、保持スロットの該第2の中間行は、保持スロットの該第3の外側行と該第4の外側行との間に位置決めされており、
ハウジングは保持スロットの6つの行を含み、保持スロットの該6つの行は、保持スロットの第1の組の行と保持スロットの第2の組の行とを含み、該第1の組は、保持スロットの前記第1の外側行および前記第2の外側行と、保持スロットの該第1の中間行とを含み、該第2の組は、保持スロットの該第3の外側行および該第4の外側行と、保持スロットの該第2の中間行とを含む、請求項1に記載のステープルカートリッジ。
【請求項5】
作動そりをさらに備え、該作動そりは、前記ハウジングの長手方向軸に沿って平行移動可能であり、該作動そりは、該長手方向軸に沿う該作動そりの平行移動中、前記ステープルプッシャと相互に作用する、請求項1に記載のステープルカートリッジ。
【請求項6】
前記作動そりは、少なくとも1つのカム部材とベースとを含み、該少なくとも1つのカム部材は、間隔を空けて置かれている第1のカムウェッジと第2のカムウェッジとを含み、各カムウェッジは、少なくとも第1の打ち込み面および第2の打ち込み面を含み、該少なくとも第1の打ち込み面および第2の打ち込み面は、該作動そりの該ベースに対して第1の打ち込み角度および第2の打ち込み角度を規定するように構成されている、請求項5に記載のステープルカートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
本出願は、2009年10月8日に出願された米国仮特許出願第61/249,637号の優先権および利益を主張し、その仮特許出願の開示は、その全体が本明細書において参照によって援用される。
【0002】
(背景)
(技術分野)
本開示は、ステープリング装置に関し、より詳細には、ステープリング装置のステープルカートリッジにおいて使用するステープル打ち込みアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
(関連技術の背景)
外科手術ステープリングデバイスは、ファスナまたはステープラを組織の中に打ち込む(drive)ことによって迅速かつ効率的に体組織を固定するために、外科手術処置において広く用いられる。特定のタイプのステープリングデバイスにおいて、打ち込み部材は、ステープルが打ち込まれる方向を横断するように動く。典型的には、そのようなステープリングデバイスは、ステープルカートリッジの溝つきスロットに位置を定められ、端部と端部が接して行になって配置される多数のステープルプッシャ要素を用いる。通常の動作中、横断するように打ち込み部材を動かすことによって、ステープルプッシャ上のカム部材と接触し、それによって、溝つきスロットにおいてステープルプッシャを縦に押す。ステープルプッシャは、打ち込み部材からステープルに直線の動きを伝える。それによって、複数の行のステープルは、固定されるべき体組織の中に打ち込まれる。
【0004】
1つ以上の外科手術ステープルを打ち込むためのステープルプッシャを設計する際に、いくつかの問題が起る。ステープルプッシャに加えられる力が効果的にバランスを保たれない場合、ステープルプッシャが溝つきスロット内でねじれ、かつ/または溝つきスロットの壁に対して固まる傾向がある。さらに作動そりとステープルプッシャとの間の単一の接触点は、ステープルプッシャ上の揺れる点を作り、この揺れる点は、ステープルプッシャが、結果として、一様ではないステープル形成をもたらし得るアンバランスの方法でステープルカートリッジを退出させ得る。さらに、複数のステープルを打ち込むためのステープルプッシャは、打ち込み部材の長手方向の移動に対してより多くの抵抗を提供し得る。
【0005】
ステープルプッシャが打ち込み部材の動作中に比較的スムーズな排出力の適用を可能にすることが望ましい。ステープリング装置が実質的に一様の構成を有する複数の完了したステープルを形成することもまた望ましい。様々なステープルプッシャおよびカムバーの装置が公知である。例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、およびD278,081を参照されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第4,955,959号明細書
【特許文献2】米国特許第4,978,049号明細書
【特許文献3】米国特許第5,395,034号明細書
【特許文献4】米国特許第5,630,541号明細書
【特許文献5】米国特許第5,662,258号明細書
【特許文献6】米国特許第6,131,789号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
(概要)
本開示はステープルカートリッジに関する。ステープルカートリッジは、ステープルを保持する複数の保持スロットを規定するハウジングを含み得る。ステープルカートリッジは、ステープルカートリッジを作動すると、保持スロット内のステープルを排出するように適合され、構成される少なくとも1つのステープルプッシャをさらに含む。
【0008】
一実施形態において、ステープルプッシャは、保持スロットの1つ内に保持されるステープルを係合するように構成され、適合される上部方面を含む少なくとも2つのプッシャプレートを含み得る。プッシャプレートの上部表面は、互いに対して、ステープルプッシャの中央長手方向軸に関して実質的に対照であり得る。プッシャプレートは、横方向に間隔を空けて置かれ、すなわち、中央長手方向軸を横断して間隔を空けて置かれ得る。さらに、プッシャプレートは、実質的に等しい寸法を有し得、ステープルカートリッジハウジングの中央長手方向軸に沿う同じ点に沿って実質的に位置を決められ得る。プッシャプレートの配置は、単一の列および別個の行の保持スロット内に規定される保持スロット内においてステープルの係合を容易にする。
【0009】
一実施形態において、ステープルカートリッジは、ハウジング含み、ハウジングは、第1の外側行と、第2の外側行と、保持スロットの第1の外側行と第2の外側行との間に位置を決められる保持スロットの少なくとも1つの内側行とを規定する。ステープルプッシャは、第1および第2のプッシャプレートを含み、第1および第2のプッシャプレートは、保持スロットの第1および第2の外側行に、そして保持スロットの同じ列内に保持されるステープルを動作可能に係合するために横方向に間隔を空けて置かれる。少なくともいくつかの隣接したプッシャプレートの横の間隔は、少なくともいくつかの隣接した保持スロットの横の間隔よりも大きい。従って、プッシャプレートの間隔は、プッシャプレートが保持スロットの内側行の少なくともいくつかを動作可能に係合しないような間隔である。さらにプッシャプレートは、ステープルプッシャの中央長手方向軸に関して対称に位置を決められ得る。
【0010】
一実施形態において、カートリッジハウジングは、保持スロットの2つの外側行と、1つの内側行とを含む3つの行の保持スロットを含み得る。プッシャプレートは、外側行の保持スロットのみを動作可能に係合するように構成され、適合され得る。特に、少なくとも1つのステープルプッシャは、第1および第2の外側列の各々において、少なくとも1つのステープルを動作可能に係合するように構成され得る。例えば、少なくとも1つのステープルプッシャは、例えば2つのプッシャなどの若干数のプッシャプレートを含み得、若干数のプッシャプレートは、第1および第2の外側行の各々において少なくとも1つのステープルを動作可能に係合するように位置を決められる。一実施形態において、ステープルプッシャは、わずか2つのプッシャプレートを有し得る。しかしながら、他の実施形態において、ステープルプッシャは、それより大きい数またはそれより小さい数のプッシャプレートを含み得る。
【0011】
一実施形態において、ステープルカートリッジは、長手方向軸を規定するハウジングと、ハウジング内に配置される作動そりとを含む。ステープルカートリッジはまた、複数のステープルプッシャを含み、複数のステープルプッシャは、横方向に間隔を空けて置かれ、ハウジングの長手方向軸に関して対称に位置を決められる第1および第2のプッシャプレートを有する少なくとも1つのステープルプッシャを含む。第1のプレートは、第1の上部表面によって規定される第1の平面を有し得、第2のプレートは、第1の平面が第2の平面に平行である第2の上部表面によって規定される第2の平面を有する。ステープルプッシャは、長手方向軸に関して対称に位置を決められ、ハウジングの遠位端にある、第1のプッシャプレートと、第2のプッシャプレートとを含み得る。ステープルプッシャは、長手方向および横方向に互いに間隔を空けて置かれる2つのプッシャプレートを含む第2のステープルプッシャに隣接して位置を決められ得る。
【0012】
ステープルプッシャは、カートリッジのハウジングによって規定される複数の行の保持スロットを動作可能に係合するように構成され得る。保持スロットは、ステープルプッシャが内側行のうちの少なくとも1つを動作可能に係合しないように少なくとも1つ以上の内側行を含む。ハウジングは、少なくとも1つ以上の内側行を含む複数の行の保持スロットを含み得、少なくとも1つのステープルプッシャは、少なくとも1つのステープルプッシャが内側行のうちの少なくとも1つを動作可能に係合しないように構成される。さらに、保持スロットの少なくともいくつかは、列に配置され得る。ステープルプッシャは、保持スロットの異なる行内であるが、保持スロットの同じ列内においてステープルを動作可能に係合するように構成され、適合され得る。
【0013】
例えば、ハウジングは、2つの外側保持スロットと、1つの内側保持スロットとを含む3つの行の保持スロットを含み得る。第1および第2のプッシャプレートは、外側保持スロットを動作可能に係合するが、内側スロットを動作可能に係合しないように構成され、適合され得る。4つ以上の行の保持スロットを有するステープルカートリッジにおいて、ステープルプッシャは、外側行の保持スロットのみを動作可能に係合するプッシャプレートを有するように構成され、適合される。
【0014】
カートリッジ内に配置される作動そりは、少なくとも1つのステープルプッシャと相互に作用するように構成され得る。作動そりは、少なくとも1つのカム部材を含み得、少なくとも1つのカム部材は、間隔を空けて置かれる第1および第2のカムウェッジを含む。各カムウェッジは、作動そりのベースに関して第1および第2の打ち込み角度を規定するように構成される少なくとも第1および第2の打ち込み面を含む。
【0015】
作動そりと、少なくとも1つのステープルプッシャとを含むステープルカートリッジの例は、2007年8月30日に出願された米国特許出願公開第2008/0023522号に見出され、その出願公開の全体の内容は、本明細書において参照によって援用される。
【0016】
本開示の様々な局面は、添付の図に関連して読まれるとき、以下の説明からより容易に理解される。
【0017】
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
ハウジングであって、該ハウジングは複数の保持スロットを規定する、ハウジングと、
中央長手方向軸を規定するステープルプッシャであって、該ステープルプッシャは少なくとも2つのプッシャプレートを含み、各プッシャプレートは上部表面を含み、各プッシャプレートの該上部表面は、該複数保持スロットのうちの1つの保持スロット内に保持されるステープルを係合するように適合され、該プッシャプレートの該上部表面は該中央長手方向軸に関して実質的に対称であり、該上部表面は、実質的に等しい寸法を有し、該中央長手方向軸に沿って実質的に等しい位置決めを有し、該上部表面は、該中央長手方向軸に対して横断する軸に沿って横方向に間隔を空けて置かれる、ステープルプッシャと
を備えている、ステープルカートリッジ。
(項目2)
ハウジングであって、該ハウジングは第1の外側行と、第2の外側行と、保持スロットの該第1の外側行と第2の外側行との間に位置を決められる保持スロットの少なくとも1つの内側行とを規定する、ハウジングと、
少なくとも2つのプッシャプレートを含むステープルプッシャであって、該少なくとも2つのプッシャプレートは第1および第2のプッシャプレートを含み、該第1および第2のプッシャプレートは、保持スロットの該第1および第2の外側行に保持されるステープルを動作可能に係合するために横方向に間隔を空けて置かれる、ステープルプッシャと
を備えている、ステープルカートリッジ。
(項目3)
上記複数のプッシャプレート間の横方向の間隔は、上記ステープルプッシャと関連付けられた保持スロットの隣接した複数の行間の距離とは異なる、上記項目のいずれかに記載のステープルカートリッジ。
(項目4)
上記ステープルプッシャプレートは、2つのプッシャプレートのみを有する、上記項目のいずれかに記載のステープルカートリッジ。
(項目5)
上記ステープルプッシャは、中央長手方向軸を規定し、上記第1および第2のプッシャプレートは、該ステープルプッシャの該中央長手方向軸に関して対称である、上記項目のいずれかに記載のステープルカートリッジ。
(項目6)
上記ハウジングは、保持スロットの2つの外側行と、保持スロットの1つの内側行とを含む保持スロットの3つの行を含み、上記第1および第2のプッシャプレートは、保持スロットの該外側行のみを有して動作可能に配置される、上記項目のいずれかに記載のステープルカートリッジ。
(項目7)
作動そりをさらに備え、該作動そりは上記ハウジングの長手方向軸に沿って平行移動可能であり、該作動そりは、該長手方向軸に沿う該作動そりの平行移動中、上記ステープルプッシャと相互に作用する、上記項目のいずれかに記載のステープルカートリッジ。
(項目8)
上記作動そりは、少なくとも1つのカム部材とベースとを含み、該少なくとも1つのカム部材は、間隔を空けて置かれる第1のカムウェッジと、第2のカムウェッジとを含み、各カムウェッジは、少なくとも第1の打ち込み面と第2の打ち込み面とを含み、該少なくとも第1および第2の打ち込み面は、該作動そりのベースに対して第1および第2の打ち込み角度を規定するように構成される、上記項目のいずれかに記載のステープルカートリッジ。
(項目9)
ハウジングであって、該ハウジングは、長手方向軸を規定し、複数の行の保持スロットを規定する、ハウジングと、
少なくとも2つのプッシャプレートを含むステープルプッシャであって、該少なくとも2つのプッシャプレートは、該ハウジングの該長手方向軸を横断する横方向の間隔を有し、該少なくとも2つのプッシャプレートは、該複数の行の保持スロットのいくつかであるが、全てではない行の該保持スロットを有して動作可能に配置される、ステープルプッシャと
を備えている、ステープルカートリッジ。
(項目10)
上記保持スロットは、保持スロットの内側行と、外側行とを含み、上記少なくとも2つのプッシャプレートは、保持スロットの少なくとも該外側行を有して動作可能に配置される、上記項目のいずれかに記載のステープルカートリッジ。
(項目11)
上記保持スロットは列に配置され、上記少なくとも2つのプッシャプレートは所与の列の保持スロット内の2つの異なる行の保持スロットを有して動作可能に配置される、上記項目のいずれかに記載のステープルカートリッジ。
(項目12)
上記保持スロットは列に配置され、上記少なくとも2つのプッシャプレートは所与の列の保持スロット内の2つの異なる行の保持スロットを有して動作可能に配置される、上記項目のいずれかに記載のステープルカートリッジ。
(項目13)
上記保持スロットは列に配置され、上記少なくとも2つのプッシャプレートは所与の列の保持スロット内の2つの異なる行の保持スロットを有して動作可能に配置される、上記項目のいずれかに記載のステープルカートリッジ。
【0018】
(摘要)
ステープルカートリッジは、ステープルを保持するように適合され、構成される、外側行の保持スロットと内側行の保持スロットとを含む。ステープルカートリッジは、複数のプッシャプレートを含むステープルプッシャをさらに含む。ステープルプッシャは、少なくとも3つの行の保持スロットのうちの外側行の保持スロット内においてステープルを係合するために横方向に間隔を空けて置かれるプッシャプレートを含む。
【0019】
本開示の実施形態は、添付の図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、ステープルカートリッジを含む内視鏡外科手術ステープリングデバイスの斜視図である。
図2図2は、作動そりの正面斜視図である。
図3図3は、図2の作動そりの背面斜視図である。
図4図4は、図2の作動そりの平面図である。
図5図5は、図4の切断線5−5に沿ってとられた、図2の作動そりの側部断面図である。
図6図6は、図4の切断線6−6に沿ってとられた、図2の作動そりの側部断面図である。
図7図7は、図2の作動そりを含むステープル打ち込みアセンブリの側部断面図であり、作動そりが矢印「A」の方向に動くと、ステープルプッシャのカム部材と作動そりのカムウェッジとが最初に係合することを示す。
図8図8は、図7のステープル打ち込みアセンブリの側部断面図であり、作動そりが矢印「A」の方向に動き続けると、図7のステープルプッシャのカム部材と作動そりのカムウェッジとが係合し続けることを示す。
図9図9は、図7のステープルプッシャの正面斜視図である。
図10図10は、図7のステープルプッシャの背面斜視図である。
図11図11は、図7のステープルプッシャの平面図である。
図12図12は、図11の切断線12−12に沿ってとられた側部断面図である。
図13図13は、図11の切断線13−13に沿ってとられた側部断面図である。
図14図14は、本開示の実施形態に従うステープルプッシャの底面斜視図である。
図15図15は、図14のステープルプシャの側部斜視図である。
図16図16は、本開示に従うステープルプッシャの別の実施形態の背面斜視図である。
図17図17は、図16のステープルプッシャの平面図である。
図18図18は、図1のステープルカートリッジ、ステープル、ステープルプッシャ、および図2の作動そりの分解組立図である。
図19図19は、図18の指示された領域の拡大正面図であり、図1のステープルカートリッジ内に配置されるステープルプッシャを描く。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(詳細な説明)
本開示の特定の実施形態は、本明細書において添付の図を参照して説明される。以下の説明において、周知の機能または構造は、不要な詳細により本開示を不明瞭にすることを避けるために詳細には説明されない。図に示され、以下の説明全体に説明されるように、そして物体の相対的位置決めを言うとき従来のように、用語「近位」はユーザにより近いデバイスの端部をいい、用語「遠位」はユーザからより遠いデバイスの端部をいう。
【0022】
外科手術ステープラ10は、ここで図1図19を参照して説明される。図1に示されるように、外科手術ステープラ10は、ハウジング11と、ハウジング11に旋回可能に連結されるトリガアセンブリ30と、ハウジング11から延びる本体部分12と、ステープルカートリッジ40と、アンビルアセンブリ70とを含む。直線の行を有する外科手術ステープラの例は、Millimanらへの米国特許第6,669,073号に開示され、その特許は、現在United States Surgicalに所有され、そこに譲渡され、その特許の内容全体が、本明細書において参照によって援用される。
【0023】
トリガアセンブリ30は、トリガ32を含む。作動シーケンス中、方向矢印「L」に沿ったトリガ32の旋回の動きは、アンビルアセンブリ70とステープルカートリッジ40とを互いに接近するように動かす。アンビルアセンブリ70とステープルカートリッジ40とを互いに接近するように動かすことによって、アンビルアセンブリ70とステープルカートリッジ40との間に位置を決められる体組織の一部分は、アンビルアセンブリ70とステープルカートリッジ40との間で掴まれるかまたは保持され得る。
【0024】
さらに、トリガ32の作動は、トリガ32の旋回の動きを図7および図8に示されるような打ち込み機構などの打ち込み機構の直線の動きに変換する。作動そり210(図2図8図16)がステープルカートリッジ40を通って直線に平行移動すると、ステープルプッシャ1260(図14図15図19)、360(図16、17、19)、160(図7図13図19)は、作動そり210と相互に作用し、保持スロット60を通ってステープル50(図18)を発射する。ステープル50は、アンビルアセンブリ70とステープルカートリッジ40との間に位置を決められる体組織の一部分を貫いてアンビルアセンブリ70の方向に打ち込まれ、完成したステープルを形成する。
【0025】
ここで図18を参照すると、保持スロット60は、複数の行R1、R2、R3に配置される。図18に3つの行が描かれているが、カートリッジ40は、より大きい数またはより小さい数の行を含み得る。行R1、R2、R3の各々は、互いに対して同軸である保持スロット60を含む。さらに、保持スロット60は、列に配列され得、列の配列では1つ以上の保持スロット60は、カートリッジ40の長手方向軸「K」に対して横断する共通軸に沿って位置を決められる。図18に示されるように、いくつかの列は2つの保持スロット60を含み、一方、他の列は、長手方向軸「K」に関して対称に配置される。
【0026】
図2図6に見られるように、作動そり210は、ステープルカートリッジ40において用いられるように適合され、構成され、カム部材220の第1のセットと、カム部材240の第2のセットと、ガイド部材250とを含む。ガイド部材は、ステープルカートリッジ40の長手方向軸「K」(図18)に沿って平行移動する。カム部材220の第1セットおよびカム部材240の第2のセットは、それぞれ第1のカムエッジまたはリーディングカムウェッジ222、242と、それぞれ第2のカムウェッジまたはトレーリングカムウェッジ224、244とを含む。
【0027】
作動そり210のリーディングカムウェッジ222、242は、第1の打ち込み面222a、242aと、第2の打ち込み面222b、242bとを含む。第1の打ち込み面222a、242bと第2の打ち込み面222b、242bとの間に置かれるのは、それぞれ第1の遷移点223および第2の遷移点225である。第1の打ち込み面222a、242aは、長手方向にかつ縦に遠位点214から近位に延び、それによって、ベース212に対して第1の打ち込み角度を形成する。
【0028】
トレーリングカムウェッジ224、244は、リーディングカムウェッジ222、242から所定の距離だけ離れて長手方向に間隔を空けて置かれる。トレーリングカムウェッジ224、244の第1の打ち込み面224a、244aは、長手方向にかつ縦にそれぞれの原点214a、214bから近位方向に延び、ベース212に対して第1の打ち込み角度を形成する。第2の打ち込み面222b、242bは、平面X’および平面X’と平行であるベース212に対してそれぞれ第2の打ち込み角度を形成する。
【0029】
さらに、平面X’はトレーリングカムウェッジ224、244の遷移点223、225(図6)を通って延び、ベース212と実質的に平行である。平面X’はまた、ステープルカートリッジ40の組織接触表面44と実質的に平行である。第2の打ち込み面224b、244bは、平面X’に対してそれぞれ第2の打ち込み角度を形成する。一実施形態において、第1の打ち込み角度は約5°〜約35°の範囲内であり得、一方、第2の打ち込み角度は約20°〜約55°の範囲内であり得る。別の実施形態において、第1の打ち込み角度は約10°〜約30°の範囲内であり得、一方、第2の打ち込み角度は約25°〜約45°の範囲内であり得る。さらなる実施形態において、第1の打ち込み角度は約15°〜約25°の範囲内であり得、一方、第2の打ち込み角度は約30°〜約40°の範囲内であり得る。
【0030】
ベース212に平行な平面に対してより低い角度を有するより平らな初期係合表面を有する第1の打ち込み面222a、242aを作動そり210に備えつけることによって、作動そり210と各ステープルプッシャ160との間の相互作用はより制御可能となる。作動そり210とステープルプッシャ160との間の相互作用は、図7図8、および図16を参照してここで説明される。
【0031】
図18に示されるように、作動そり210は、矢印「A」によって指示されるように概ね水平方向にステープルカートリッジ40を通って遠位に動くように構成され、適合される。作動そり210が平行移動すると、第1の打ち込み面222a、224aはそれぞれ第2のカム表面162b、164bに接触し、ステープルプッシャ160の最初または静止の位置から矢印「Y」によって指示されるように、概ね垂直の方向にステープルプッシャ160を促す。上記に考察されるように、作動そり210が、ステープルカートリッジ40を通って平行移動し、各ステープルプッシャと相互に作用すると、作動そり210は、作動そり210がステープルカートリッジ40を通って平行移動するので、徐々にかつ制御可能に各ステープルプッシャ160を垂直に促す。第1の打ち込み角度は、第1の打ち込み面222a、224aによって規定され、第2のカム表面162b、164bによって規定される第2の受容角度に相補的であるので、「A」方向への作動そり210の水平移動は、ステープルプッシャ160を「Y」方向に垂直移動させる。
【0032】
図7および図8に示されるように、作動そり210が矢印「A」の方向に動き続けると、第2の打ち込み面222b、224bは、それぞれ第1のカム表面162a、164bを係合し、第1の打ち込み面222a、224bは、それぞれ第2のカム表面162b、164bを係合したままであり、それによって、ステープルプッシャ160のさらなる長手方向および垂直の安定性を提供する。作動そり210が矢印「A」の方向に所定の距離を動いた後、第1の打ち込み面222a、224aは、それぞれの第2のカム表面162b、164bから係合を解除し、一方、第2の打ち込み面222b、224bはそれぞれ第1のカム表面162a、164aを係合したままである。第2の打ち込み表面222b、224bによって規定される第2の打ち込み角度は、第1のカム表面162a、164aによって規定される第1の受容角度に相補的であり、中間位置を通って矢印「Y」の方向にステープルプッシャ160をさらに促す。作動そり210の継続した遠位の移動は、第2の打ち込み面222b、224bとそれぞれ第2のカム表面162a、164aとの間の係合解除の直前まで、ステープルプッシャ160をその第2の位置または端部位置に垂直に促し続ける。
【0033】
ここで図9図13を見ると、ステープルプッシャ160のいくつかの図が例示される。各ステープルプッシャ160は、第1のカム部材162と、第2のカム部材164と、プッシャプレート166x、166y、166zとを含む。一実施形態において、第1のカム部材162は隣接したプッシャプレート166xと166yとの間に位置を決められ、第2のカム部材164は隣接したプッシャプレート166yと166zとの間に位置を決められる。一実施形態において、各ステープルプッシャ160は、横および長手方向に互いに間隔を空けて置かれる3つのプッシャプレート166を含む。概して、第1のカム部材162および第2のカム部材164ならびにプッシャプレート166x、166y、166zは、ステープルカートリッジ40の長手方向軸に平行な平面に置かれている。各ステープルプッシャ160は、各ステープルプッシャ160は複数のプッシャプレート166を含み、複数のプッシャプレート166は、例えば軸「K」(図18)などのステープルカートリッジ40の長手方向軸に実質的に平行であり、各ステープルプッシャの中心線CL(図11)に平行である。
【0034】
さらに、第1のカム部材162および第2のカム部材164はまた、中心線(図11)に実質的に平行である。ステープルプッシャ160は、図11において左から右に、すなわち遠位から近位に見られるように、プッシャプレート166yから横断する方向に横方向に間隔を空けて置かれるプッシャプレート166xを含む。プッシャプレート166xは、遠位方向にプッシャプレート166yから軸方向にずれている。プッシャプレート166yは、プッシャプレート166zから横断する方向に横方向に間隔を空けて置かれる。プッシャプレート166yもまた、遠位方向にプッシャプレート166zから軸方向にずれている。
【0035】
なおもさらに、第1のカム部材162は、プッシャプレート166xとプッシャプレート166yとの間に配置される。第2のカム部材164は、プッシャプレート166yとプッシャプレート166zとの間に配置される。プッシャプレート166x、166y、166zの各々は、リーディングエッジ166aと、トレーリングエッジ166bとを含む。一実施形態において、プッシャプレート166x、166y、166zは、隣接したプッシャプレート166x、166y、166zのリーディングエッジ166a間の長手方向の間隔が、保持スロット60の長さの約3分の2かまたは隣接したプッシャプレート166x、166y、166zの長さの約3分の2であるように、長手方向に間隔を空けて置かれ得るかまたは互い違いに置かれ得る。このように構成されて、ステープルプッシャ160は、図11に見られるように、プッシャプレート166がステープルプッシャ160の遠位部分からステープルプッシャ160の近位部分に長手方向に互い違いに置かれる配置を有する。なおもさらに、各プッシャプレート166x、166y、166zは、ステープル50のバックスパン52を解除可能に係合するように適合される上部表面166cを含む。
【0036】
第1のカム部材162および第2のカム部材164は、それぞれカム表面162a、162bおよび164a、164bを含む(図9および図10)。第1のカム表面162a、162bと第2のカム表面164a、164bとの交点にそれぞれの遷移点162c、164cがある。遷移点162c、164cを通って延びる平面T(図12、13)はカム部材162、164のそれぞれの上部163、165に平行である。一実施形態において、第1のカム表面162a、164aは、それぞれ第1のカム部材162および第2のカム部材164の上部163、165に関して第1の係合角度または受容角度を規定する。第2のカム表面162b、164bは、平面Tに関して第2の係合角度または受容角度を規定する。第1および第2の受容角度は、以下に詳細に考察されるように、作動そり210のカム部材220、240のそれぞれ第1および第2の打ち込み角度に相補的である。カム部材162、164の受容角度は、作動そり210の打ち込み角度に対応する。
【0037】
ステープルプッシャの代替の実施形態において、図14および図15を参照してここで説明される。図14および図15に示されるステープルプッシャ1260は、第1のプッシャプレート1266と、第2のプッシャプレート1267とを含む。プッシャプレート1266、1267は、横方向に間隔を空けて置かれ、ステープルカートリッジ40のハウジング40aの長手方向軸(図1および図19)、すなわち、プッシャプレート1266、1267がステープルカートリッジ40のそれぞれの保持スロット60に配置される、プッシャプレート1266と1267との間に位置を決められる軸Bに関して対称に位置を決められる。ステープルプッシャ1260は、プッシャプレート1266、1267が外側行R1、R3のステープルカートリッジ40を係合し、内側行R2のステープルカートリッジ40を係合しないように構成され、適合される(図18)。ステープルプッシャ1260のプッシャプレート1266、1267が3つ以上の直線の行の保持スロットを有するステープラにおいて外側行の保持スロットを係合するのみであるように、プッシャプレート1266と1267との間の間隔が適合されることが想定される。一実施形態において、ステープルプッシャ1260は、ステープルカートリッジ40のハウジング40aの近位端または遠位端のいずれかにおいて位置を決められ得る。代替の実施形態において、ステープルプッシャ1260は、ハウジング40aの近位端と遠位端との間に位置を決められ得る。
【0038】
各プッシャプレート1266、1267は、ステープル50のバックスパン52を解除可能に係合するように適合されるそれぞれの上部表面1266c、1267cを含む。プッシャプレート1266は、リーディングエッジ1266aと、トレーリングエッジ1266bとを含む。プッシャプレート1267は、リーディングエッジ1267aと、トレーリングエッジ1267bとを含む。さらに、ステープルプッシャ1260は、第1のカム部材1270と、第2のカム部材1271と、第3のカム部材1272とを含む。カム部材1270、1271、1272は、長手方向に間隔を空けて置かれ、プッシャプレート1266と1267との間に配置される。カム部材1270、1271、1272は、それぞれカム表面1270a、1271a、1272aを含む。一実施形態において、カム表面1270a、1271a、1272aは、それぞれカム部材1270、1271、1272の上部1270b、1271b、1272bに関して係合角度または受容角度を規定する。
【0039】
作動そり210とステープルプッシャ1260との相互作用は、図7および図8を参照してステープルプッシャ160に関して上記に説明される相互作用と実質的に同様であり、従って、詳細には説明されない。特に、ステープルプッシャ1260の第1のカム表面1270a、第2のカム表面1271a、および第3のカム表面1272aの受容角度は、作動そり210の打ち込み角度に相補的であり、その結果、作動そり210が矢印「A」による指示の方向にステープルカートリッジ40を通って遠位に平行移動すると(図18)、作動そり220のカム部材220、240のセットは、ステープルプッシャ1260をスライド可能に係合し、それによって、方向矢印「Y」によって指示されるように(図18)、概ね垂直の方向にステープルプッシャ1260の第1の位置または静止位置からステープルプッシャ1260を促す。ステープルプッシャ1260の移動は、結果として、ステープルプッシャ1260の上部表面1266c、1267cが、ステープル50のバックスパン52を係合し、実質的に垂直の方向にステープル50を促し、アンビル70の方向に組織接触表面44と接触する組織を係合し、完成したステープルを形成することをもたらす。カム部材220、240のセットとステープルプッシャ1260との相互作用は、カム部材220、240のセットとステープルプッシャ160との間で説明される相互作用、および2007年8月30日に出願された米国特許出願公開第2008/0023522号に開示される、カム部材とステープルプッシャとの間で説明される相互作用に実質的に類似しており、その特許出願公開の全体が、本明細書において参照によって援用される。
【0040】
ステープルプッシャ360は、ここで図16図17、および図19を参照して説明される。図19において見られるように、ステープルプッシャ360は、ステープルプッシャ1260に隣接しかつその近位に位置を決められる(図19)。ステープルプッシャ360は、第1のカム部材362と、第2のカム部材364と、横方向にかつ長手方向に間隔を空けて互いから離れて置かれる2つのプロングまたはプッシャプレート366x、366yとを含む。概して、第1のカム部材362および第2のカム部材364ならびにプッシャプレート366x、366yは、ステープルカートリッジ40の長手方向軸「K」に平行な平面に置かれている。図16および図17に例示されるように、各プッシャプレート366x、366yは、リーディングエッジ366aと、トレーリングエッジ366bとを含む。プッシャプレート366は、隣接したプッシャプレート366のリーディングエッジ366a間の長手方向の間隔が、保持スロット60の長さの約3分の2かまたはプッシャプレート366の長さの約3分の2であるように、長手方向に間隔を空けて置かれ得るかまたは互い違いに置かれ得る。なおもさらに、各プッシャプレート366は、ステープル50のバックスパン52を解除可能に係合するように適合される上部表面366cを含む(図18)。ステープルカートリッジ40の各保持スロット60は、ステープル50およびプッシャプレート366を解放可能に受容するように構成される。
【0041】
図16に示されるように、カム部材362は、カム表面362aと、362bとを含み、別のカム部材364は、カム表面364aと、364bとを含む。第1のカム表面352a、262bと第2のカム表面364a、364bとの交点にそれぞれの遷移点362c、364cがある。遷移点362c、364cを通って延びる平面T(図16)はそれぞれの上部363、365に平行である。一実施形態において、第1のカム表面362a、364aは、それぞれ第1のカム部材362および第2のカム部材364の上部363、365に関して第1の係合角度または受容角度を規定する。第2のカム表面362b、364bは、平面Tに関して第2の係合角度または受容角度を規定する。第1および第2の受容角度は、作動そり210のカム部材220、240のそれぞれ第1および第2の打ち込み角度に相補的である。
【0042】
さらに、本開示は作動そりを伴う実施形態を説明するが、そりカム部材の設計特性および機能がカムバーまたは発射ウェッジの中に直接組み込まれ得、カムバーまたは発射ウェッジが次に外科手術ステープリング器具の発射機構に接続されることは理解される。
【0043】
さらに、本開示の例示的実施形態が、本明細書において添付の図面を参照して説明されたが、上記の説明および添付の図は、限定するものとして解釈されるべきではなく、特定の実施形態の単なる実例として解釈されるべきである。従って、本開示はこれらの正確な実施形態に限定されないこと、および様々な他の変更および改変が本開示の範囲または精神から逸脱することなく本明細書において当業者によって達成され得ることは理解されるべきである。
【符号の説明】
【0044】
10 外科手術ステープラ
11 ハウジング
30 トリガアセンブリ
32 トリガ
40 ステープルカートリッジ
50 ステープル
52 バックスパン
60 保持スロット
70 アンビルアセンブリ
160 ステープルプッシャ
210 作動そり
220 カム部材
366 プッシャプレート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19