特許第5988543号(P5988543)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5988543コーティング液の製造方法、ガスバリア性積層体の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5988543
(24)【登録日】2016年8月19日
(45)【発行日】2016年9月7日
(54)【発明の名称】コーティング液の製造方法、ガスバリア性積層体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C09D 167/00 20060101AFI20160825BHJP
   B32B 27/08 20060101ALI20160825BHJP
   B32B 27/20 20060101ALI20160825BHJP
   B32B 27/36 20060101ALI20160825BHJP
   C09D 5/00 20060101ALI20160825BHJP
   C09D 5/02 20060101ALI20160825BHJP
   C09D 7/12 20060101ALI20160825BHJP
【FI】
   C09D167/00
   B32B27/08
   B32B27/20 Z
   B32B27/36
   C09D5/00 Z
   C09D5/02
   C09D7/12
【請求項の数】12
【全頁数】35
(21)【出願番号】特願2010-540432(P2010-540432)
(86)(22)【出願日】2009年10月23日
(86)【国際出願番号】JP2009068268
(87)【国際公開番号】WO2010061705
(87)【国際公開日】20100603
【審査請求日】2012年9月14日
【審判番号】不服2015-1882(P2015-1882/J1)
【審判請求日】2015年1月30日
(31)【優先権主張番号】特願2008-299464(P2008-299464)
(32)【優先日】2008年11月25日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001070
【氏名又は名称】特許業務法人SSINPAT
(72)【発明者】
【氏名】藤村 千里
(72)【発明者】
【氏名】樫村 雅之
(72)【発明者】
【氏名】河口 克己
【合議体】
【審判長】 豊永 茂弘
【審判官】 岩田 行剛
【審判官】 冨士 良宏
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2005/037534(WO,A1)
【文献】 特開2007−112115(JP,A)
【文献】 国際公開第2004/037924(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09D1/00-10/00
C09D101/00-201/10
B32B1/00-43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平均一次粒子径が1nm以上200nm以下の無機化合物超微粒子、ポリエステル樹脂、ポリカルボン酸ナトリウム塩、および水を混合するコーティング液の製造方法であり
前記ポリエステル樹脂の酸価が15mgKOH/g以下であり、
前記ポリエステル樹脂が、多塩基酸を用いた解重合および/または多塩基酸無水物を用いた付加反応によりカルボキシル基を導入したポリエステル樹脂であり、
前記無機化合物超微粒子が、酸化亜鉛の超微粒子であり、
前記ポリカルボン酸ナトリウム塩が、ポリアクリル酸ナトリウム塩、ポリマレイン酸ナトリウム塩、およびアクリル酸・マレイン酸共重合体ナトリウム塩からなる群から選択される少なくとも1種のポリカルボン酸ナトリウム塩であるコーティング液の製造方法
【請求項2】
水、無機化合物超微粒子、ポリエステル樹脂水性分散体およびポリカルボン酸ナトリウム塩を混合する、請求項1に記載のコーティング液の製造方法
【請求項3】
前記混合において、さらに水分散性イソシアネート化合物を用いる請求項1または2に記載のコーティング液の製造方法
【請求項4】
前記製造方法により得られるコーティング液中の固形分100重量%あたり、前記無機化合物超微粒子を65〜90重量%含む請求項1〜のいずれかに記載のコーティング液の製造方法
【請求項5】
前記ポリエステル樹脂のガラス転移点(Tg)が−30℃以上である請求項1〜のいずれかに記載のコーティング液の製造方法
【請求項6】
前記ポリエステル樹脂のガラス転移点(Tg)が50℃以上である請求項1〜のいずれかに記載のコーティング液の製造方法
【請求項7】
前記製造方法により得られるコーティング液が、前記ポリカルボン酸ナトリウム塩を、前記無機化合物超微粒子100重量%に対して、2〜20重量%含む請求項1〜のいずれかに記載のコーティング液の製造方法
【請求項8】
基材と基材上に形成されたガスバリア層とを有するガスバリア性積層体の製造方法であって、
前記ガスバリア層が、請求項1〜のいずれかに記載のコーティング液の製造方法で得られたコーティング液から形成される層(A)およびポリカルボン酸系重合体を含有する層(B)を有するガスバリア性積層体の製造方法
【請求項9】
前記ガスバリア層において、層(A)と層(B)とが隣接する請求項に記載のガスバリア性積層体の製造方法
【請求項10】
前記製造方法により得られるガスバリア性積層体の、前記層(A)の単位面積当たりの重量が、前記層(B)の単位面積当たりの重量の1/3倍以上である請求項またはに記載のガスバリア性積層体の製造方法
【請求項11】
前記製造方法により得られるガスバリア性積層体の、前記層(A)に含まれる無機化合物超微粒子の割合が、層(A)を100重量%とすると、65〜90重量%である請求項10のいずれかに記載のガスバリア性積層体の製造方法
【請求項12】
前記基材およびガスバリア層の少なくとも一方に、接着層を介してラミネートされた他の基材を有する請求項11のいずれかに記載のガスバリア性積層体の製造方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーティング液およびガスバリア性積層体に関する。
【背景技術】
【0002】
水中に無機化合物超微粒子を含有するコーティング液としては、例えば酸化亜鉛を含有するコーティング液が知られている。しかしながら酸化亜鉛の超微粒子(以下、酸化亜鉛超微粒子とも記す)は、一般に水中への分散性が良好でないため、このようなコーティング液を塗工することにより形成した層は、該層中の酸化亜鉛超微粒子の濃度にむらがあった。
【0003】
また、酸化亜鉛等の多価金属化合物を含有するコーティング液を、ポリアクリル酸を含有する層の上に塗工してなるガスバリア性フィルムが知られている(例えば特許文献1、2参照)。
【0004】
特許文献1に記載の多価金属化合物を含有するコーティング液は、溶媒として水を用いた場合には、該コーティング液をポリカルボン酸系重合体からなる層に塗工した際に、ポリカルボン酸系重合体と多価金属化合物とが反応し、不均一な沈殿を生成することがあると記載されており、コーティング液の溶媒としては、非水系溶媒または、非水系溶媒と水との混合溶媒を用いること好ましいと記載されている。しかしながら、環境負荷低減の観点から、近年では溶媒として有機溶媒を使用しない、すなわち溶媒として水を用いるコーティング液が望まれていた。
【0005】
特許文献2に記載の多価金属化合物を含有するコーティング液は、コーティング液が塗工されるポリカルボン酸系重合体を含有する層の耐水性を、従来よりも向上させることにより、溶媒として水を用いることができると記載されている。
【0006】
しかしながら、特許文献1、2においては、該コーティング液に含まれる多価金属化合物以外の成分に対しての検討および多価金属化合物の分散性についての検討は充分でなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第03/091317号パンフレット
【特許文献2】国際公開第07/125741号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記従来技術の有する課題を鑑みてされたものであり、ガスバリア性積層体を製造する際に用いることが可能な、無機化合物超微粒子の分散性が良好な、水系のコーティング液を提供すること、および該コーティング液から形成された層を有する、透明性およびガスバリア性に優れるガスバリア性積層体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは上記課題を達成するために鋭意研究を重ねた結果、分散剤としてポリカルボン酸ナトリウム塩を使用したコーティング液は、無機化合物超微粒子の分散性が良好となること、および該コーティング液から形成された層およびポリアクリル酸を含有する層を有するガスバリア性積層体は透明性とガスバリア性に優れることを見出し、本発明を完成させた。
【0010】
すなわち本発明のコーティング液は、無機化合物超微粒子、ポリエステル樹脂、ポリカルボン酸ナトリウム塩、および水を含む。
【0011】
前記コーティング液は、水、無機化合物超微粒子、ポリエステル樹脂水性分散体およびポリカルボン酸ナトリウム塩を混合することにより得られることが好ましい。
【0012】
前記コーティング液は、さらに水分散性イソシアネート化合物を含むことが好ましい。
【0013】
前記無機化合物超微粒子が、酸化亜鉛の超微粒子であることが好ましい。
【0014】
前記コーティング液は、コーティング液中の固形分100重量%あたり、前記無機化合物超微粒子を65〜90重量%含むことが好ましい。
【0015】
前記ポリエステル樹脂の酸価が15mgKOH/g以下であることが好ましい。
【0016】
前記ポリエステル樹脂のガラス転移点(Tg)が−30℃以上であることが好ましい。
【0017】
また、前記ポリエステル樹脂のガラス転移点(Tg)が50℃以上であることが好ましい。
【0018】
前記ポリカルボン酸ナトリウム塩が、ポリアクリル酸ナトリウム塩、ポリマレイン酸ナトリウム塩、およびアクリル酸・マレイン酸共重合体ナトリウム塩からなる群から選択される少なくとも1種のポリカルボン酸ナトリウム塩であることが好ましい。
【0019】
前記コーティング液は、前記ポリカルボン酸ナトリウム塩を、前記無機化合物超微粒子100重量%に対して、2〜20重量%含むことが好ましい。
【0020】
本発明のガスバリア性積層体は、基材と基材上に形成されたガスバリア層とを有するガスバリア性積層体であって、前記ガスバリア層が、上述のコーティング液から形成される層(A)およびポリカルボン酸系重合体を含有する層(B)を有する。
【0021】
前記ガスバリア層において、層(A)と層(B)とが隣接することが好ましい。
【0022】
前記層(A)の単位面積当たりの重量が、前記層(B)の単位面積当たりの重量の1/3倍以上であることが好ましい。
【0023】
前記層(A)に含まれる無機化合物超微粒子の割合が、層(A)を100重量%とすると、65〜90重量%であることが好ましい。
【0024】
本発明のガスバリア性積層体は、前記基材およびガスバリア層の少なくとも一方に、接着層を介してラミネートされた他の基材を有していてもよい。
【発明の効果】
【0025】
本発明のコーティング液は、無機化合物超微粒子の分散性に優れ、該コーティング液から形成された層を有するガスバリア性積層体は、透明性とガスバリア性とに優れる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に本発明について具体的に説明する。
【0027】
本発明のコーティング液は、無機化合物超微粒子、ポリエステル樹脂、ポリカルボン酸ナトリウム塩、および水を含み、前記コーティング液はさらに水分散性イソシアネート化合物を含むことが好ましい。なお、本発明のコーティング液をコーティング液(a)とも記す。
【0028】
以下、本発明のコーティング液(a)に含まれる各成分について説明する。
【0029】
〔無機化合物超微粒子〕
本発明のコーティング液(a)には、無機化合物超微粒子が含まれる。なお、本発明において、超微粒子とは、光学顕微鏡では観察できないような、粒子径が1nm〜1000nmの範囲の微粒子を意味する。
【0030】
無機化合物超微粒子の粒径としては、レーザー回折散乱法で測定した平均一次粒子径が通常は200nm以下、好ましくは150nm以下、最も好ましくは100nm以下である。平均一次粒子径の下限としては特に限定はないが、通常は5nm以上である。上記範囲内では、無機化合物超微粒子の分散性に優れ、本発明のコーティング液(a)を、フィルム等の基材に塗工し、乾燥して得られる層の透明性に優れるため好ましい。
【0031】
また、前記無機化合物超微粒子は、多価金属化合物の超微粒子であることが好ましい。多価金属の種類としては、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、銅、アルミニウムが好ましく、多価金属化合物としては、これら多価金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩が好ましい。この中でも、酸化亜鉛、炭酸カルシウムが好ましく、さらにガスバリア性の点で、酸化亜鉛がより好ましい。すなわち、本発明に用いる無機化合物超微粒子としては、酸化亜鉛の超微粒子(以下、酸化亜鉛超微粒子とも記す)が好ましい。
【0032】
本発明に用いる無機化合物超微粒子としては、市販品を用いてもよく、酸化亜鉛超微粒子の市販品としては、例えば、FINEX50(堺化学工業株式会社製、平均一次粒子径20nm)、ZINCOX SUPER F−2(ハクスイテック株式会社製、平均一次粒子径65nm)が挙げられる。
【0033】
〔ポリエステル樹脂〕
本発明のコーティング液(a)には、ポリエステル樹脂が含まれる。ポリエステル樹脂としては、塗工性の観点から、コーティング液(a)中に溶解ないし分散していることが好ましい。
【0034】
本発明に用いるポリエステル樹脂の酸価は、通常は15mgKOH/g以下であり、10mgKOH/g以下であることが好ましく、8mgKOH/g以下であることがより好ましい。上記範囲では、本発明のコーティング液の塗工性および該コーティング液から形成される層の耐水性に優れるため好ましい。
【0035】
また、ポリエステル樹脂の酸価の下限としては特に限定はないが、測定精度の限界上、通常は0.05mgKOH/g以上である。なお、ポリエステル樹脂の酸価は、JIS K0070に準拠して測定することができる。
【0036】
本発明に用いるポリエステル樹脂のガラス転移点(Tg)は、通常は−30℃以上である。前記ガラス転移点(Tg)は、−30〜20℃であるか、50℃以上であることが好ましい。前記ガラス転移点(Tg)が50℃以上である場合には、50〜80℃であることがより好ましい。上記範囲内では、本発明のコーティング液(a)から形成される層の耐水性および耐熱性に優れるため好ましい。
【0037】
また、本発明に用いるポリエステル樹脂の数平均分子量は、通常は5,000〜50,000であり、9,000〜40,000であることが好ましく、10,000〜30,000であることがより好ましい。上記範囲内では本発明のコーティング液(a)の塗工性および本発明のコーティング液(a)から形成される層の耐水性および耐熱性に優れるため好ましい。
【0038】
本発明に用いるポリエステル樹脂は、本発明のコーティング液(a)から形成される層の耐水性を損なわない範囲で水酸基が含まれていてもよく、その水酸基価は通常30mgKOH/g以下であり、20mgKOH/g以下であることが好ましい。また、ポリエステル樹脂の水酸基価の下限としては特に限定はないが、測定精度の限界上、通常は0.05mgKOH/g以上である。
【0039】
本発明に用いるポリエステル樹脂は、通常多塩基酸や多塩基酸無水物と、多価アルコールとを共重合することにより得られる。前記多塩基酸、多塩基酸無水物、多価アルコールとしては特に限定はないが、例えば以下のものを用いることができる。
【0040】
多塩基酸としては、芳香族多塩基酸、脂肪族多塩基酸、脂環式多塩基酸等が挙げられる。また、多塩基酸としては、二官能の多塩基酸を用いても、三官能以上の多塩基酸を用いてもよい。
【0041】
二官能の芳香族多塩基酸、すなわち芳香族ジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸が挙げられる。二官能の脂肪族多塩基酸、すなわち脂肪族ジカルボン酸としては、例えばシュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、エイコサン二酸、水添ダイマー酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、ダイマー酸等の不飽和脂肪族ジカルボン酸が挙げられる。二官能の脂環式多塩基酸、すなわち脂環式ジカルボン酸としては、例えば1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、2,5−ノルボルネンジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸が挙げられる。
【0042】
三官能以上の多塩基酸としては、例えばトリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、トリメシン酸、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、グリセロールトリス(アンヒドロトリメリテート)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸が挙げられる。
【0043】
多塩基酸無水物としては、二官能の多塩基酸の酸無水物が挙げられ、例えば無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、2,5−ノルボルネンジカルボン酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物が挙げられる。また、多塩基酸無水物の別の例としては、三官能以上の多塩基酸の酸無水物が挙げられ、例えば無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸が挙げられる。
【0044】
なお、前記多塩基酸および多塩基酸無水物としては、ポリエステル樹脂製造時のゲル化を抑制するために、ポリエステル樹脂を製造する際に用いられる三官能以上の多塩基酸および三官能以上の多塩基酸の酸無水物の合計量は、前記多塩基酸および多塩基酸無水物の合計100モル%あたり、5モル%以下であることが好ましい。
【0045】
また、前記多塩基酸および多塩基酸無水物としては、芳香族ジカルボン酸や、無水フタル酸等の芳香族ジカルボン酸の酸無水物を用いることが、好ましい。
【0046】
前記多価アルコールとしては、炭素数2〜10の脂肪族グリコール、炭素数6〜12の脂環族グリコール、エーテル結合含有グリコールが挙げられる。炭素数2〜10の脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ヘプタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−エチル−2−ブチルプロパンジオール等が挙げられる。炭素数6〜12の脂環族グリコールとしては、1,4−シクロヘキサンジメタノールが挙げられ、エーテル結合含有グリコールとしては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。
【0047】
また、多価アルコール成分として、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパンのようなビスフェノール類(ビスフェノールAやビスフェノールS等)のエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加体等も使用することができる。
【0048】
また、3官能以上の多価アルコール、例えばグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が含まれていてもよいが、3官能以上の多価アルコールの割合が増加すると、ポリエステル樹脂製造時にゲル化が起こりやすいため、ポリエステル樹脂を製造する際に用いられる多価アルコール100モル%中の3官能以上の多価アルコールの量は、5モル%以下であることが好ましい。
【0049】
前記多価アルコールとしては、エチレングリコールとネオペンチルグリコールが安価であるため好ましく、多価アルコール100モル%中のエチレングリコールとネオペンチルグリコールの合計の量が、50モル%以上が好ましく、70モル%以上がより好ましい。
【0050】
本発明に用いるポリエステル樹脂は、前述のように通常多塩基酸や多塩基酸無水物と、多価アルコールとを共重合することにより得られるが、さらにモノカルボン酸、モノアルコール、ヒドロキシカルボン酸が共重合されていてもよく、具体的には、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、シクロヘキサン酸、4−ヒドロキシフェニルステアリン酸、ステアリルアルコール、2−フェノキシエタノール、ε−カプロラクトン、乳酸、β−ヒドロキシ酪酸、p−ヒドロキシ安息香酸等が共重合されていてもよい。
【0051】
ポリエステル樹脂は前記多塩基酸や多塩基酸無水物の1種類以上と多価アルコールの1種類以上とを公知の方法により重縮合させることにより製造することができ、例えば、全モノマーおよび/またはその低重合体を不活性雰囲気下で180〜260℃、2.5〜10時間程度反応させてエステル化反応を行い、引き続いてエステル交換反応触媒の存在下、130Pa以下の減圧下に220〜280℃の温度で所望の分子量に達するまで重縮合反応を進めてポリエステル樹脂を得る方法等を挙げることができる。ポリエステル樹脂に所望の酸価や水酸基価を付与する場合には、上記の重縮合反応に引き続き、多塩基酸や多価アルコール成分をさらに添加し、不活性雰囲気下、解重合を行う方法等を挙げることができる。
【0052】
解重合した際に樹脂中に泡が発生し、払出しの際、泡のためにペレット化できない場合があるが、このような場合は、解重合後、系内を再減圧し脱泡すればよい。再減圧を行なう際の減圧度は67,000Pa以下が好ましく、10,000Pa以下がより好ましい。減圧度が67,000Paよりも高いと再減圧しても脱泡するのに要する時間が長くなるので好ましくない。
【0053】
また、ポリエステル樹脂に所望の酸価を付与する方法として、上記の重縮合反応に引き続き、多塩基酸無水物をさらに添加し、不活性雰囲気下、ポリエステル樹脂の水酸基と付加反応する方法も挙げられる。
【0054】
本発明に用いるポリエステル樹脂は、多塩基酸を用いた解重合および/または多塩基酸無水物を用いた付加反応によりカルボキシル基を導入したポリエステル樹脂であることが好ましい。解重合および/または付加反応によりカルボキシル基を導入することにより、ポリエステル樹脂の分子量や酸価を容易にコントロールすることができる。また、前記解重合の際に使用する多塩基酸としては、3官能以上の多塩基酸であることが好ましい。3官能以上の多塩基酸を使用することにより、解重合によるポリエステル樹脂の分子量低下を抑えながら、所望の酸価を付与することができる。また、3官能以上の多塩基酸や、3官能以上の多塩基酸の酸無水物を使用することにより、詳細は不明であるが、より貯蔵安定性の優れた水性分散体を得ることができる。
【0055】
解重合および/または付加反応で用いる多塩基酸や、多塩基酸の酸無水物としては、ポリエステル樹脂の構成成分で説明した多塩基酸成分が挙げられるが、その中でも、芳香族多塩基酸や芳香族多塩基酸の酸無水物が好ましく、芳香族ジカルボン酸であるテレフタル酸、イソフタル酸、芳香族ジカルボン酸の酸無水物である無水フタル酸、3官能の多塩基酸であるトリメリット酸、3官能の多塩基酸の酸無水物である無水トリメリット酸が好ましい。特に無水トリメリット酸を使用した場合には、解重合と付加反応が平行して起こると考えられることから、解重合によるポリエステル樹脂の分子量低下を極力抑えながら、所望の酸価を付与することができるので、無水トリメリット酸を使用することが特に好ましい。また、本発明において、ポリエステル樹脂は単独でも、また2種類以上を混合して使用してもよい。
【0056】
なお、本発明のコーティング液(a)には、前述のようにポリエステル樹脂が含まれるが、該ポリエステル樹脂は好ましくは、後述するポリエステル樹脂水性分散体に由来する。
【0057】
本発明のコーティング液(a)にポリエステル樹脂水性分散体に由来するポリエステル樹脂が含まれると、コーティング液(a)から形成される層の耐水性の点で好ましい。
【0058】
〔ポリエステル樹脂水性分散体〕
本発明のコーティング液(a)は、ポリエステル樹脂を含有するが、該ポリエステル樹脂は、前述のようにポリエステル樹脂水性分散体に由来することが好ましい。
【0059】
ポリエステル樹脂水性分散体としては、上述のポリエステル樹脂および分散媒である水を含んでいればよく、ポリエステル樹脂を好適に水中に分散するために、塩基性化合物が含まれることが好ましい。また、ポリエステル樹脂水性分散体としては、他の成分をさらに含んでいてもよく、他の成分としては特に限定はないが例えば、界面活性剤、有機溶媒、硬化剤、保護コロイド作用を有する化合物、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック等の顔料、染料、水性ウレタン樹脂、水性オレフィン樹脂、水性アクリル樹脂等の水性樹脂等が含有されていてもよい。
【0060】
また、ポリエステル樹脂水性分散体としては、市販品を用いてもよく、例えば、ユニチカ株式会社製 エリーテル KT−8803、ユニチカ株式会社製 エリーテル KA−5034、ユニチカ株式会社製 エリーテル KT−0507、ユニチカ株式会社製 エリーテル KT−9204、東洋紡績株式会社製 バイロナール MD−1200、東洋紡績株式会社製 バイロナール MD−1480、高松油脂株式会社製 ペスレジン A124GP等が挙げられる。
【0061】
〔ポリカルボン酸ナトリウム塩〕
本発明のコーティング液(a)には、ポリカルボン酸ナトリウム塩が含まれる。コーティング液(a)にポリカルボン酸ナトリウム塩が含まれていると、該ポリカルボン酸ナトリウム塩は、無機化合物超微粒子表面に対する吸着能が高く、また、無機化合物超微粒子表面に吸着した後の電離による電気的斥力が生じやすいため、無機化合物超微粒子の好適な分散に寄与する。さらに、本発明のガスバリア性積層体は、コーティング液(a)から形成される層(A)とポリカルボン酸系重合体を含有する層(B)とが、隣接して形成されることが好ましいが、コーティング液(a)に含まれるポリカルボン酸ナトリウム塩は、層(B)に含まれるポリカルボン酸と、物理的、化学的に似た性質を持つため、層(A)と層(B)を隣接して形成する際に、層間の反応による透明性不良は起きず、透明性が良好なガスバリア性積層体を得ることができる。
【0062】
本発明のコーティング液(a)に含まれるポリカルボン酸ナトリウム塩としては、例えば、アクリル酸、マレイン酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、クロトン酸等の不飽和カルボン酸の単独重合体のナトリウム塩および、これらの不飽和カルボン酸を少なくとも1種用いて共重合を行うことにより得られる共重合体のナトリウム塩が挙げられる。
【0063】
また、ポリカルボン酸ナトリウム塩としては、前記不飽和カルボン酸のナトリウム塩の単独重合体および、前記不飽和カルボン酸のナトリウム塩を少なくとも1種用いて共重合を行うことにより得られる共重合体を用いることもできる。すなわち、本発明に用いるポリカルボン酸ナトリウム塩としては、不飽和カルボン酸を(共)重合することにより得たポリカルボン酸が有するカルボキシル基を、ナトリウムで中和することにより得られるポリカルボン酸ナトリウム塩でもよく、不飽和カルボン酸のナトリウム塩を(共)重合することにより得られるポリカルボン酸ナトリウム塩でもよい。
【0064】
前記不飽和カルボン酸を少なくとも1種用いて共重合を行うことにより得られる共重合体のナトリウム塩としては、前記不飽和カルボン酸を2種以上用いて共重合を行うことにより得られる共重合体のナトリウム塩であることが好ましく、前記不飽和カルボン酸のナトリウム塩を少なくとも1種用いて共重合を行うことにより得られる共重合体としては、前記不飽和カルボン酸のナトリウム塩を2種以上用いて共重合を行うことにより得られる共重合体であることが好ましい。また、前記不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸のナトリウム塩以外のモノマーを共重合してもよい。
【0065】
ポリカルボン酸ナトリウム塩としては、無機化合物超微粒子の分散性およびコーティング液(a)から形成される層を有するガスバリア性積層体のガスバリア性の観点から、ポリアクリル酸ナトリウム塩、ポリマレイン酸ナトリウム塩、およびアクリル酸・マレイン酸共重合体ナトリウム塩からなる群から選択される少なくとも1種のポリカルボン酸ナトリウム塩であることが好ましい。
【0066】
また、本発明のコーティング液(a)は、無機化合物超微粒子の分散性およびコーティング液(a)から形成される層を有するガスバリア性積層体のガスバリア性の観点から、ポリカルボン酸ナトリウム塩を、無機化合物超微粒子100重量%に対して、2〜20重量%含むことが好ましく、3〜16重量%含むことがより好ましい。
【0067】
〔水〕
本発明のコーティング液(a)には、水が含まれる。なお、本発明に用いる水としては、特に限定はないが、水道水、イオン交換水、蒸留水、超純水等の水を用いることができる。
【0068】
また、コーティング液(a)の製造の際に上述のポリエステル樹脂水性分散体を用いる場合には、通常コーティング液(a)中の水の少なくとも一部として、ポリエステル樹脂水性分散体中の水が含有される。
【0069】
〔水分散性イソシアネート化合物〕
本発明のコーティング液(a)が、水分散性イソシアネート化合物を含むと該コーティング液から形成される層(A)の製膜性、耐熱水性、密着性に優れるため好ましい。
【0070】
なお、水分散性イソシアネート化合物とは、水に対する分散性を有し、その分子中に少なくとも一つのイソシアネート基を有する化合物を意味する。
【0071】
水分散性イソシアネート化合物としては、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する有機ポリイソシアネートの一部のイソシアネート基を、ポリエチレンオキサイド、カルボキシル基またはスルホン酸基等の各種親水性基によって変性して自己乳化型にしたイソシアネート化合物や、界面活性剤などによって強制乳化して水分散可能にしたイソシアネート化合物が挙げられる。
【0072】
上記有機ポリイソシアネートとしては、例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、水素添加トルエンジイソシアネートまたはテトラメチレンキシリレンジイソシアネート等が挙げられるが、特に限定されない。これらは、単独で使用されても、2種以上を組み合わせて使用されてもよい。
【0073】
また、水分散性イソシアネート化合物としては、上記有機ポリイソシアネートから誘導される種々のプレポリマー類等、さらには、これらの有機ポリイソシアネート中のイソシアネート基の一部を、それぞれ、アルコール類、フェノール類、オキシム類、メルカプタン類、アミド類、イミド類またはラクタム類などでブロック化せしめた形態の化合物、すなわち、いわゆるブロック化ポリイソシアネート化合物もまた好適に用いられ得る。
【0074】
水分散性イソシアネート化合物として、上述のように種々の化合物を利用することができる。
【0075】
また、水分散性イソシアネート化合物としては、市販品を用いてもよく、例えば、Henkel製 Liofol HardenerUR5889−21、旭化成ケミカルズ株式会社製 デュラネート WB40−100、三井化学ポリウレタン株式会社製 タケネート WD−725等が挙げられる。
【0076】
〔コーティング液(a)〕
本発明のコーティング液は、上述の無機化合物超微粒子、ポリエステル樹脂、ポリカルボン酸ナトリウム塩、および水を含み、前記コーティング液はさらに水分散性イソシアネート化合物を含むことが好ましい。本発明のコーティング液(a)は、無機化合物超微粒子の分散性に優れるため、該コーティング液(a)から形成された層(A)は層中の無機化合物超微粒子の濃度にむらが少なく、該層を有する後述のガスバリア性積層体は、透明性とガスバリア性とに優れる。
【0077】
本発明のコーティング液(a)には、上述の無機化合物超微粒子、ポリエステル樹脂、ポリカルボン酸ナトリウム塩、水、および水分散性イソシアネート化合物以外の他の成分が含まれていてもよく、他の成分としては、有機溶媒、柔軟剤、安定剤、膜形成剤、増粘剤等が挙げられる。
【0078】
有機溶媒としては、塗工性、乾燥効率向上の観点から、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールモノブチルエーテルが挙げられる。なお、これらの有機溶媒がコーティング液(a)に含まれる場合には1種単独でも、2種以上が含まれていてもよい。
【0079】
本発明のコーティング液(a)に含有される、無機化合物超微粒子、ポリエステル樹脂、ポリカルボン酸ナトリウム塩、好ましくは含まれる水分散性イソシアネート化合物、および必要に応じて含まれる他の成分のうち固体であるものの合計量、すなわちコーティング液(a)の固形分量は、コーティング液100重量%あたり、通常は3〜30重量%、好ましくは5〜20重量%である。
【0080】
コーティング液(a)における無機化合物超微粒子の含有量としては、前記固形分量100重量%あたり通常は65〜90重量%であり、好ましくは70〜90重量%である。無機化合物超微粒子の含有量が上記範囲内では、コーティング液(a)の塗工性に優れ、またコーティング液(a)から形成された層(A)を有するガスバリア性積層体のガスバリア性に優れるため好ましい。
【0081】
また、コーティング液(a)におけるポリエステル樹脂の含有量としては、前記固形分量100重量%あたり通常は2〜20重量%であり、好ましくは2〜15重量%である。ポリエステル樹脂の含有量が上記範囲内では、コーティング液(a)から形成された層(A)を有するガスバリア性積層体の耐水性、耐熱性に優れるため好ましい。
【0082】
コーティング液(a)におけるポリカルボン酸ナトリウム塩の含有量としては、前記無機化合物超微粒子100重量%あたり通常は2〜20重量%であり、好ましくは3〜16重量%である。ポリカルボン酸ナトリウム塩の含有量が上記範囲内では、コーティング液(a)の分散性に優れ、またコーティング液(a)から形成された層(A)を有するガスバリア性積層体のガスバリア性に優れるため好ましい。
【0083】
コーティング液(a)に水分散性イソシアネート化合物が含まれる場合の水分散性イソシアネート化合物の含有量としては、前記固形分量100重量%あたり通常は1〜20重量%であり、好ましくは3〜15重量%である。水分散性イソシアネート化合物の含有量が上記範囲内では、コーティング液(a)から形成された層(A)に、接着層を介して他の基材をラミネートする際の密着性に優れるため好ましい。
【0084】
コーティング液(a)に、固体の他の成分が含まれる場合の固体の他の成分の含有量としては、前記固形分量100重量%あたり通常は5重量%未満であり、好ましくは3重量%未満である。
【0085】
本発明のコーティング液(a)の調製方法としては、特に限定はなく、上述の各成分が均一になるように混合することにより得られる。
【0086】
本発明において、ポリエステル樹脂は前述のようにポリエステル樹脂水性分散体に由来することが好ましく、コーティング液(a)としては、水、無機化合物超微粒子、ポリエステル樹脂水性分散体およびポリカルボン酸ナトリウム塩を混合することにより得られることが好ましい。なお、前記ポリエステル樹脂水性分散体は水を含有しているため、前記無機化合物超微粒子、ポリエステル樹脂水性分散体およびポリカルボン酸ナトリウム塩を混合することにより、得られるコーティング液(a)には、無機化合物超微粒子、ポリエステル樹脂、ポリカルボン酸ナトリウム塩および水が含有されることになるが、コーティング液(a)としては、ポリエステル樹脂水性分散体中に含まれる水以外の水を別途用いることが好ましい。
【0087】
本発明のコーティング液(a)の調製方法の例としては、蒸留水に無機化合物超微粒子およびポリカルボン酸ナトリウム塩を加え、ビーズミルや高速攪拌機等で一次粒子の凝集を解砕し、分散することにより、無機化合物超微粒子の水性分散体を得て、該無機化合物超微粒子の水性分散体に蒸留水、ポリエステル樹脂水性分散体および水分散性イソシアネート化合物を加えて攪拌し、必要に応じて、イソプロピルアルコール等の有機溶剤を加えて攪拌することによりコーティング液(a)を得る方法が挙げられる。なお、前記無機化合物超微粒子の水性分散体を得る際には、ビーズミル、高速攪拌機等を用いることができるが、ビーズミルを用いると、得られるガスバリア性積層体のヘイズが小さくなる傾向があり好ましい。
【0088】
コーティング液(a)を得るための別の方法としては、あらかじめ水分散性イソシアネート化合物に蒸留水を加えて攪拌し、水分散性イソシアネート化合物の水性分散体を用意し、上記と同様の方法で得られた無機化合物超微粒子の水性分散体に、ポリエステル樹脂水性分散体を加えて攪拌した分散液に、前記水分散性イソシアネート化合物の水性分散体を加えて攪拌し、必要に応じて、イソプロピルアルコール等の有機溶媒を加えて攪拌することにより、コーティング液(a)を得る方法が挙げられる。
【0089】
〔ガスバリア性積層体〕
本発明のガスバリア性積層体は、基材と基材上に形成されたガスバリア層とを有するガスバリア性積層体であって、前記ガスバリア層が、上述のコーティング液(a)から形成される層(A)およびポリカルボン酸系重合体を含有する層(B)を有する。本発明のガスバリア性積層体は、前記ガスバリア層において、層(A)と層(B)とが隣接することが好ましい。また、本発明のガスバリア性積層体は、前記基材およびガスバリア層の少なくとも一方に、接着層を介してラミネートされた他の基材を有していてもよい。
【0090】
すなわち、本発明のガスバリア性積層体の層構成としては例えば、基材/ガスバリア層の層構成、基材/ガスバリア層/接着層/他の基材の層構成、他の基材/接着層/基材/ガスバリア層の層構成、他の基材/接着層/基材/ガスバリア層/接着層/他の基材の層構成が挙げられる。
【0091】
本発明のガスバリア性積層体は、前述の無機化合物超微粒子の分散性に優れるコーティング液(a)から形成される層(A)を有しているため、透明性とガスバリア性とに優れる。
【0092】
具体的には、本発明のガスバリア性積層体は、ヘイズメーター(日本電色工業株式会社製 Haze Meter NDH2000)を用いて測定した際のヘイズが10%以下であることが好ましく、7%以下であることがより好ましい。また、前記ヘイズの下限としては、特に限定はないが、通常は2%以上である。
【0093】
本発明のガスバリア性積層体は、JIS K−7126 B法(等圧法)、およびASTM D3985に記載された方法に準拠して、温度20℃、試料面積50cm2、両側80%相対湿度(RH)の条件で測定した酸素透過度が、200cm3/m2・day・MPa以下であり、好ましくは100cm3/m2・day・MPa以下であり、より好ましくは80cm3/m2・day・MPa以下であり、特に好ましくは50cm3/m2・day・MPa以下である。該酸素透過度は低いほど好ましく、その下限としては特に限定はないが通常は0.1cm3/m2・day・MPa以上である。
【0094】
また、本発明のガスバリア性積層体は、層間の剥離強度にも優れる。具体的には、本発明のガスバリア性積層体の、JIS K−6854−3に準拠し、引張試験機(株式会社オリエンテック製、TENSILON RC−1210A)を使用し、試験片の幅を、15mmとして、200mm/分の速度でT型剥離により測定を行った際の剥離強度は2.0N/15mm以上であることが好ましく、3.0N/15mm以上であることがより好ましく、剥離不可であることが特に好ましい。
【0095】
〔基材〕
本発明のガスバリア性積層体は、基材と、基材上に形成されたガスバリア層とを有する。
【0096】
このような基材の形態としては特に限定されず、例えば、フィルム、シート、ボトル、カップ、トレー、タンクおよびチューブ等の形態が挙げられ、フィルムやシートが好ましい。
【0097】
基材の厚さは、その用途などによっても異なるが、通常は、5μm〜2cmである。フィルムやシートの用途では、5〜800μmが好ましく、10〜500μmがさらに好ましい。また、ボトル、カップ、トレー、タンク等の用途では、100μm〜1cmが好ましく、150μm〜8mmがさらに好ましい。また、チューブの用途では20μm〜2cmが好ましい。
【0098】
基材の厚さが上記範囲内であると、各用途での作業性および生産性に優れている。
【0099】
また、このような基材の材質としては、例えば、プラスチックス類(金属蒸着プラスチックスや、金属化合物蒸着プラスチックスを含む)、紙類、ゴム類が挙げられる。これらの材質の中でも、基材とガスバリア層との密着性の観点からプラスチックス類が好ましい。
【0100】
プラスチックス類の材質としては、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4−メチルペンテン、環状ポリオレフィン等のポリオレフィン系重合体やそれらの共重合体、およびそれらの酸変性物;ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリビニルアルコール等の酢酸ビニル系共重合体;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリε−カプロラクトン、ポリヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシバリレート等のポリエステル系重合体やそれらの共重合体;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ナイロン6,66共重合体、ナイロン6,12共重合体、メタキシレンアジパミド・ナイロン6共重合体等のポリアミド系重合体やそれらの共重合体;ポリエチレングリコール、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド等のポリエーテル系重合体;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン等の塩素系およびフッ素系重合体やそれらの共重合体;ポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル等のアクリル系重合体やそれらの共重合体;ポリイミド系重合体やその共重合体;アルキッド樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、硝化綿、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、フッ素樹脂、塗料用に用いるエポキシ樹脂等の樹脂;セルロース、澱粉、プルラン、キチン、キトサン、グルコマンナン、アガロース、ゼラチン等の天然高分子化合物やそれらの混合物が挙げられる。
【0101】
また、このような基材としては、基材と、ガスバリア層との接着性を改良するという観点から、表面にコロナ処理、火炎処理、プラズマ処理等の表面活性化処理が施された基材を用いてもよく、さらには、表面にアンカーコート層を有する基材を用いてもよい。
【0102】
このようなアンカーコート層に用いられる樹脂としては例えば、アルキッド樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、硝化綿、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、およびカルボジイミド基含有樹脂を用いることができ、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂およびカルボジイミド基含有樹脂が好ましい。なお、これらの樹脂は、一種単独でも、二種以上を用いてもよい。
【0103】
前記樹脂としては特に、ポリウレタン樹脂が好ましく、ポリウレタン樹脂を構成するポリオールとしては、ポリエステル系ポリオールが好ましく、ポリエステル系ポリオールとしては、例えば多価カルボン酸などと、グリコール類とを反応させて得られるポリエステル系ポリオールが挙げられる。
【0104】
またポリウレタン樹脂を構成するポリイソシアネートとしては、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートが挙げられる。
【0105】
アンカーコート層が設けられた基材を用いる場合には、該アンカーコート層の厚みは、密着性と外観の観点から0.01〜1μmであることが好ましく、0.05〜1μmであることがより好ましい。また、アンカーコート層の単位面積当たりの重量は、好ましくは0.01〜1g/m2の範囲であり、より好ましくは0.05〜1g/m2の範囲である。
【0106】
また、基材に隣接して、ガスバリア性積層体が有する層(B)を設ける場合には、基材は、カルボジイミド基含有樹脂をアンカーコート層に含んでいてもよい。
【0107】
〔ガスバリア層〕
本発明のガスバリア性積層体が有するガスバリア層は、前述のコーティング液(a)から形成される層(A)およびポリカルボン酸系重合体を含有する層(B)を有する。
【0108】
なお、本発明のガスバリア性積層体が有するガスバリア層は、層(A)と層(B)とが隣接することが、ガスバリア性積層体の生産性の観点から好ましい。
【0109】
本発明のガスバリア性積層体が有するガスバリア層は、下記層(A)および層(B)をそれぞれ少なくとも1層有するが、それぞれ1層以上有していてもよい。すなわち前記ガスバリア層は、例えば基材側から、層(A)/層(B)や、層(B)/層(A)のように2層構成であってもよく、層(A)/層(B)/層(A)や、層(B)/層(A)/層(B)のように、3層構成であってもよく、層(A)/層(B)/層(A)/層(B)や、層(B)/層(A)/層(B)/層(A)のように、4層構成であってもよい。
【0110】
本発明のガスバリア性積層体が有するガスバリア層においては、ガスバリア性積層体のガスバリア性の観点から、下記層(A)の単位面積当たりの重量が、下記層(B)の単位面積当たりの重量の1/3倍以上であることが好ましく、1/2以上であることがより好ましい。層(A)の単位面積当たりの重量が、前記範囲内では、ガスバリア性積層体のガスバリア性に優れるため好ましい。また、下記層(A)の単位面積当たりの重量が、下記層(B)の単位面積当たりの重量の10倍以下であることが好ましい。上記範囲内では、塗工量が適量であり、ガスバリア性積層体の剥離強度に優れ、ガスバリア性積層体を製造する際のコストにも優れるため好ましい。なお、前記層(A)の単位面積当たりの重量および層(B)の単位面積当たりの重量は、層(A)、層(B)が複数存在する場合には、各層の合計の単位面積当たりの重量である。
【0111】
〔層(A)〕
本発明のガスバリア性積層体が有する層(A)は、前述のコーティング液(a)から形成される。
【0112】
層(A)の形成方法としては、特に限定はないが、通常は前述の基材や後述する層(B)にコーティング液(a)を塗工し、乾燥することにより形成される。
【0113】
前記層(A)は、前述のコーティング液(a)から形成される層であり、無機化合物超微粒子、ポリエステル樹脂、ポリカルボン酸ナトリウム塩を含有する。
【0114】
前記層(A)に含まれる無機化合物超微粒子の割合は、ガスバリア性積層体のガスバリア性の観点から層(A)を100重量%とすると、65〜90重量%であることが好ましく、70〜90重量%であることがより好ましい。なお、前記層(A)は、前述のコーティング液(a)から形成される層であるため、層(A)に含まれる無機化合物超微粒子の割合は通常、コーティング液(a)の固形分中の無機化合物超微粒子の含有量と等しい。
【0115】
また、層(A)の単位面積当たりの重量は、好ましくは0.1〜10g/m2の範囲であり、より好ましくは0.1〜6g/m2の範囲であり、さらに好ましくは0.1〜2g/m2の範囲である。
【0116】
なお、層(A)の厚さは、好ましくは0.05〜5μmの範囲であり、より好ましくは0.1〜3μmの範囲であり、さらに好ましくは0.1〜1μmの範囲である。上記範囲内では、ガスバリア性に優れ、外観良好となる。
【0117】
〔層(B)〕
本発明のガスバリア性積層体が有する層(B)は、ポリカルボン酸系重合体を含有する。
【0118】
層(B)としては、ポリカルボン酸系重合体を含有していればよく、特に限定はないが、シランカップリング剤、その加水分解物、およびこれらの縮合物からなる群から選択される少なくとも1種のケイ素含有化合物(i)をさらに含有することがガスバリア性の観点から好ましい。
【0119】
また、層(B)の単位面積当たりの重量は、好ましくは0.1〜10g/m2の範囲であり、より好ましくは0.1〜6g/m2の範囲であり、さらに好ましくは0.1〜2g/m2の範囲である。
【0120】
なお、層(B)の厚さは、好ましくは0.05〜5μmの範囲であり、より好ましくは0.1〜3μmの範囲であり、さらに好ましくは0.1〜1μmの範囲である。上記範囲内では、ガスバリア性に優れる。
【0121】
(ポリカルボン酸系重合体)
本発明のガスバリア性積層体が有する層(B)は、ポリカルボン酸系重合体が含まれている。ポリカルボン酸系重合体とは、分子内に2個以上のカルボキシル基を有する重合体である。このようなポリカルボン酸系重合体としては、例えばエチレン性不飽和カルボン酸の(共)重合体;エチレン性不飽和カルボン酸と他のエチレン性不飽和単量体との共重合体;アルギン酸、カルボキシメチルセルロース、ペクチン等の分子内にカルボキシル基を有する酸性多糖類が挙げられる。これらのポリカルボン酸系重合体は1種のものを単独で用いても、2種以上のものを混合して用いてもよい。
【0122】
また、このようなエチレン性不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸等が挙げられる。さらに、これらのエチレン性不飽和カルボン酸と共重合可能なエチレン性不飽和単量体としては、たとえば、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル等の飽和カルボン酸ビニルエステル類、アルキルアクリレート類、アルキルメタクリレート類、アルキルイタコネート類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチレン、アクリルアミド、アクリロニトリルが挙げられる。
【0123】
このようなポリカルボン酸系重合体の中でも、得られるガスバリア性積層体のガスバリア性の観点から、ポリカルボン酸系重合体が、アクリル酸、マレイン酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、およびクロトン酸の中から選ばれる少なくとも1種の重合性単量体から誘導される構成単位を含む重合体、または該重合体の混合物であることが好ましく、アクリル酸、マレイン酸、メタクリル酸、およびイタコン酸の中から選ばれる少なくとも1種の重合性単量体から誘導される構成単位を含む重合体、または該重合体の混合物であることが特に好ましい。なお、該重合体は、単独重合体でも、共重合体でもよい。該重合体において、前記、アクリル酸、マレイン酸、メタクリル酸、およびイタコン酸の中から選ばれる少なくとも1種の重合性単量体から誘導される構成単位が80mol%以上であることが好ましく、90mol%以上であることがより好ましい(ただし全構成単位を100mol%とする)。なお、上記構成単位以外の構成単位が含まれる場合には、その他の構成単位としては、例えば前述のエチレン性不飽和カルボン酸と共重合可能なエチレン性不飽和単量体から誘導される構成単位などが挙げられる。
【0124】
本発明に用いるポリカルボン酸系重合体は、通常は数平均分子量が2,000〜10,000,000の範囲である。数平均分子量が2,000未満では、得られるガスバリア性積層体は充分な耐水性を達成できず、水分によってガスバリア性や透明性が悪化する場合や、白化の発生が起こる場合がある。他方、数平均分子量が10,000,000を超えると、塗工によって層(B)を形成する際に、粘度が高くなり塗工性が損なわれる場合がある。さらに、得られるガスバリア性積層体の耐水性の観点から、このようなポリカルボン酸系重合体の数平均分子量は好ましくは5,000〜1,000,000の範囲である。なお、上記数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により求めた、ポリスチレン換算の数平均分子量である。
【0125】
本発明に用いるポリカルボン酸系重合体としては、1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0126】
また、本発明に用いるポリカルボン酸系重合体は、ポリカルボン酸系重合体の有するカルボキシル基の一部が、予め塩基性化合物で中和されていてもよい。塩基性化合物としては、多価金属化合物、一価金属化合物、およびアンモニアからなる群から選択される少なくとも1種の塩基性化合物が好ましい。
【0127】
ポリカルボン酸系重合体の有するカルボキシル基の一部を予め中和することによりガスバリア性積層体を製造する際の耐水性をさらに向上させることができる。また、カルボキシル基の中和度としては、後述するコーティング液(b)の塗工性や塗液安定性の観点から、30mol%以下であることが好ましく、25mol%以下であることがより好ましい。
【0128】
(ケイ素含有化合物(i))
本発明のガスバリア性積層体が有する層(B)は、シランカップリング剤、その加水分解物、およびこれらの縮合物からなる群から選択される少なくとも1種のケイ素含有化合物(i)を含んでいることが、耐水性の観点から好ましい。
【0129】
なお、本発明において、「シランカップリング剤、その加水分解物、およびこれらの縮合物からなる群から選択される少なくとも1種のケイ素含有化合物(i)」を単に「ケイ素含有化合物(i)」とも記す。また、シランカップリング剤の加水分解物が縮合したものを、加水分解縮合物とも記す。
【0130】
ケイ素含有化合物(i)は、シランカップリング剤自体であってもよく、該化合物が、加水分解した加水分解物でもよく、これらの縮合物であってもよい。ケイ素含有化合物(i)としては、例えばゾルゲル法を用いて、シランカップリング剤の加水分解および縮合反応を行ったものを用いることができる。
【0131】
なお、通常シランカップリング剤は、加水分解が容易におこり、また、酸、アルカリ存在下では容易に縮合反応がおこるため、シランカップリング剤のみ、その加水分解物のみ、またはこれらの縮合物のみで存在することは稀である。すなわちケイ素含有化合物(i)は、通常シランカップリング剤、その加水分解物、およびこれらの縮合物が混在している。また、加水分解物には、部分加水分解物、完全加水分解物が含まれる。
【0132】
ケイ素含有化合物(i)としては、少なくとも加水分解縮合物を含むことが好ましい。加水分解縮合物を製造する際の方法としては、シランカップリング剤を、上述のポリカルボン酸系重合体および水を含む液に直接混合してもよく、シランカップリング剤に水を加えることによって、加水分解およびそれに続く縮合反応を行い、ポリカルボン酸系重合体と混合する前に、加水分解縮合物を得てもよい。
【0133】
シランカップリング剤の具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランが挙げられ、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシランが好ましい。シランカップリング剤としては、一種で用いても、二種以上で用いてもよい。
【0134】
シランカップリング剤として、テトラメトキシシランやテトラエトキシシラン等のテトラアルコキシシランを用いる場合には、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等と併用すると、耐水性により優れるため好ましい。
【0135】
前記ケイ素含有化合物(i)として、加水分解縮合物を含む場合には、シランカップリング剤の有するアルコキシ基(OR)の少なくとも一部が、水酸基に置換され加水分解物となり、さらに該加水分解物が縮合することによって、ケイ素原子(Si)が酸素を介して結合した化合物が形成される。この縮合が繰り返されることにより、加水分解縮合物が得られる。
【0136】
層(B)に前記ケイ素含有化合物(i)が含まれる場合の量は、ポリカルボン酸系重合体の重量とケイ素含有化合物(i)の重量との比(ポリカルボン酸系重合体:ケイ素含有化合物(i))が99.5:0.5〜80.0:20.0であることが好ましい。ただし、シランカップリング剤以外のケイ素含有化合物(i)の重量は、シランカップリング剤換算の重量である。つまり、ケイ素含有化合物(i)は、通常、シランカップリング剤、その加水分解物、およびこれらの縮合物が混在するが、ケイ素含有化合物(i)の重量は、シランカップリング剤に換算した値、すなわちシランカップリング剤の仕込み量である。
【0137】
上記範囲では、ガスバリア性積層体製造時に基材とガスバリア層との密着性に優れ、また、ガスバリア性積層体は、冷水にさらされた際に白化せず、耐水性に優れるため好ましい。
【0138】
(添加剤)
ガスバリア性積層体が有する層(B)には、各種の添加剤が含まれていてもよい。
【0139】
添加剤としては可塑剤、樹脂、分散剤、界面活性剤、柔軟剤、安定剤、アンチブロッキング剤、膜形成剤、粘着剤、酸素吸収剤等があげられる。
【0140】
例えば可塑剤としては、公知の可塑剤から適宜選択して使用することが可能である。該可塑剤の具体例としては、例えば、エチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリエチレンオキサイド、ソルビトール、マンニトール、ズルシトール、エリトリトール、グリセリン、乳酸、脂肪酸、澱粉、フタル酸エステルなどを例示することができる。これらは必要に応じて、混合物で用いてもよい。
【0141】
またこれらの中でも、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、グリセリン、澱粉が、延伸性とガスバリア性の観点から好ましい。
【0142】
このような可塑剤が含まれる場合には、層(B)の延伸性が向上するため、ガスバリア性積層体の耐虐待性を向上させることができる。
【0143】
層(B)に添加剤が含まれている場合には、ポリカルボン酸系重合体の重量と添加剤の重量との比(ポリカルボン酸系重合体:添加剤)は通常は70:30〜99.9:0.1の範囲であり、80:20〜98:2であることが好ましい。
【0144】
本発明のガスバリア性積層体が有する層(B)は通常、ポリカルボン酸系重合体を含有するコーティング液(b)から形成される。
【0145】
(コーティング液(b))
コーティング液(b)は、上述のポリカルボン酸系重合体を少なくとも含むコーティング液であり、好ましくはシランカップリング剤、その加水分解物、およびこれらの縮合物からなる群から選択される少なくとも1種のケイ素含有化合物(i)を含んでおり、必要に応じて上述した添加剤を含んでいてもよい。
【0146】
ガスバリア性積層体のガスバリア性の観点から、コーティング液(b)にケイ素含有化合物(i)が含まれる場合の、ポリカルボン酸系重合体の重量と、ケイ素含有化合物(i)の重量との比は、(ポリカルボン酸系重合体:ケイ素含有化合物(i))が、99.5:0.5〜80.0:20.0であることが好ましい。ただし、シランカップリング剤以外のケイ素含有化合物(i)の重量は、シランカップリング剤換算の重量である。つまり、ケイ素含有化合物(i)は、通常シランカップリング剤、その加水分解物、およびこれらの縮合物が混在するが、ケイ素含有化合物(i)の重量は、シランカップリング剤に換算した値、すなわちシランカップリング剤の仕込み量である。
【0147】
上記範囲では、冷水にさらされた際に白化せず、耐水性に優れるガスバリア性積層体を得ることができる。
【0148】
コーティング液(b)に用いる溶媒としては、シランカップリング剤を含有する場合には、加水分解反応を行うための水が、通常必要であることを除いては、特に限定が無く、水、有機溶媒、水と有機溶媒との混合溶媒等を用いることができるが、ポリカルボン酸系重合体の溶解性の点で水が最も好ましい。アルコール等の有機溶媒はシランカップリング剤の溶解性や、コーティング液(b)の塗工性を向上する点で好ましい。
【0149】
有機溶媒としては、炭素数1〜5の低級アルコールおよび炭素数3〜5の低級ケトンからなる群から選択される少なくとも1種の有機溶媒等を用いることが好ましい。
【0150】
有機溶媒としては、具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。
【0151】
水としては、精製された水が好ましく、例えば蒸留水、イオン交換水などを用いることができる。
【0152】
また、水と有機溶媒との混合溶媒としては、上述した水や有機溶媒を用いた混合溶媒が好ましく、水と炭素数1〜5の低級アルコールとの混合溶媒がより好ましい。なお、混合溶媒としては、通常は水が20〜95重量%の量で存在し、該有機溶媒が80〜5重量%の量で存在する(ただし、水と有機溶媒との合計を100重量%とする)。
【0153】
溶媒としては、基材や、層(A)への塗工性の観点からはアルコールを含んでいることが好ましく、コストの面で水が好ましい。
【0154】
また、コーティング液(b)においては、ガスバリア性および塗工性の観点から、コーティング液(b)中のポリカルボン酸系重合体と、好ましくは含まれるケイ素含有化合物(i)と、必要に応じて含まれる添加剤との合計含有量(固形分重量)が、コーティング液(b)の総重量に対して、0.5〜50重量%が好ましく、0.8〜30重量%がより好ましく、1.0〜20重量%が特に好ましい。
【0155】
〔他の基材〕
本発明のガスバリア性積層体は、前述のように前記基材およびガスバリア層の少なくとも一方に、接着層を介してラミネートされた他の基材を有していてもよい。
【0156】
他の基材を積層することにより、本発明のガスバリア性積層体に、様々な物性を付与することができる。具体的には強度付与、シール性やシール時の易開封性付与、意匠性付与、光遮断性付与、防湿性付与等が可能である。
【0157】
他の基材としては目的に応じて適宜選択されるが、通常はプラスチックフィルム類が好ましい。なお、他の基材としては、二層以上の層を有する積層体であってもよい。
【0158】
他の基材は接着層を介してラミネートされるが、具体的なラミネート法としては特に限定はなく、ドライラミネート法、押出しラミネート法が挙げられる。このような他の基材の厚みとしては、厚みが1〜1000μmであることが好ましく、5〜500μmであることがより好ましい。
【0159】
他の基材の素材としては例えば、ポリオレフィン、ナイロン、無機蒸着ナイロン等が挙げられる。
【0160】
前記他の基材は、前述のように接着層を介して前記基材やガスバリア層上に形成される。接着層としては、特に限定はないが、例えばドライラミネート法で他の基材をラミネートする場合には、一液型や二液型のポリウレタン系接着剤や、アクリル系接着剤が使用される。また、押出しラミネート法で他の基材をラミネートする場合には、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、アイオノマー樹脂等の接着性を有する樹脂を用いることができる。
【0161】
〔ガスバリア性積層体の製造方法〕
前述のガスバリア性積層体の製造方法としては特に限定はないが、例えば以下の方法により製造される。
【0162】
本発明のガスバリア性積層体を製造する方法の代表的な態様としては、基材上にコーティング液(b)を塗工し、乾燥することにより層(B)を形成し、層(B)上にコーティング液(a)を塗工し、乾燥することにより層(A)を形成し、基材と基材上に形成されたガスバリア層を有する積層体を得る方法(以下、ガスバリア性積層体の製造方法(1)とも記す)、基材上にコーティング液(a)を塗工し、乾燥することにより層(A)を形成し、層(A)上にコーティング液(b)を塗工し、乾燥することにより層(B)を形成し、基材と基材上に形成されたガスバリア層を有する積層体を得る方法(以下、ガスバリア性積層体の製造方法(2)とも記す)、前記製造方法(1)または(2)の態様により得られた積層体の、基材およびガスバリア層の少なくとも一方に、接着層を介して、他の基材をラミネートすることにより積層体を得る方法(以下、ガスバリア性積層体の製造方法(3)とも記す)が挙げられる。
【0163】
(ガスバリア性積層体の製造方法(1))
ガスバリア性積層体の製造方法(1)は、基材上にコーティング液(b)を塗工し、乾燥することにより層(B)を形成し、層(B)上にコーティング液(a)を塗工し、乾燥することにより層(A)を形成し、基材と基材上に形成されたガスバリア層を有する積層体を得る方法である。
【0164】
ガスバリア性積層体の製造方法(1)は、基材上に前述のコーティング液(b)を塗工し、乾燥を行い層(B)を形成する工程(工程1)と、工程1の後に行う、前述のコーティング液(a)を塗工し、乾燥を行い層(A)を形成する工程(工程2)とを有する。
【0165】
以下詳細に示す。
【0166】
まず、前述の基材上にコーティング液(b)を塗工するが、塗工方法としては、特に限定されず、例えばキャスト法、ディッピング法、ロールコーティング法、グラビアコート法、スクリーン印刷法、リバースコート法、スプレーコート法、キットコート法、ダイコート法、メタリングバーコート法、チャンバードクター併用コート法、カーテンコート法等が挙げられる。
【0167】
基材上にコーティング液(b)を塗工した後、コーティング液(b)の溶媒を乾燥により除去することによって基材上に層(B)が形成される。乾燥の方法としては特に限定は無く、例えば熱風乾燥法、熱ロール接触法、赤外線加熱法、マイクロ波加熱法等の方法が挙げられ、該方法は単独または組み合わせて行ってもよい。乾燥温度としては特に限定は無いが、溶媒として上述した水や、水と有機溶媒との混合溶媒を用いる場合には通常は50〜160℃が好ましい。また乾燥の際の圧力は通常は常圧または減圧下で行うことが好ましく、設備の簡便性の観点から常圧で行うことが好ましい。
【0168】
基材としては、前述のように基材と層(B)との密着性を高めるために、表面にアンカーコート層を設けた基材を用いることが好ましい。
【0169】
アンカーコート層を形成するために用いるアンカーコート剤としては、ポリウレタン系、ポリエステル系、アクリル系各種ポリマー材料が使用される。中でもポリウレタン系ポリマー材料である、ポリエステル系ポリオールを含有する主剤と、イソシアネートを含有する硬化剤からなる二液型のアンカーコート剤が好ましい。
【0170】
さらに、コーティング液(b)にシランカップリング剤、その加水分解物、およびこれらの縮合物からなる群から選択される少なくとも1種のケイ素含有化合物(i)が含まれる場合には、層(B)に含まれるケイ素含有化合物中の縮合物の割合を増加させる目的で、乾燥が終了(または、ほぼ終了)した時点、または後述する熟成処理が終了した時点で熱処理を行ってもよい。
【0171】
前記熱処理としては通常は、温度120〜240℃、好ましくは150〜230℃で、通常は10秒〜30分、好ましくは20秒〜20分行われる。
【0172】
なお、乾燥、熟成処理、熱処理は温度等の条件が重複する部分があるが、これらは明確に区別される必要は無く、連続的に行われてもよい。
【0173】
なお、コーティング液(b)は、形成される層(B)の単位面積当たりの重量が、好ましくは0.1〜10g/m2の範囲、より好ましくは0.1〜6g/m2の範囲、さらに好ましくは0.1〜2g/m2の範囲となるように、塗工し、乾燥することが好ましい。
【0174】
また、コーティング液(b)は、形成される層(B)の厚さが、好ましくは0.05〜5μmの範囲、より好ましくは0.1〜3μmの範囲内、さらに好ましくは0.1〜1μmの範囲となるように、塗工し、乾燥することが好ましい。
【0175】
基材上に層(B)を形成した後、層(B)上にコーティング液(a)を塗工し、乾燥を行い層(A)を形成することにより、ガスバリア性積層体を得ることができる。
【0176】
好ましくは層(B)に隣接するようにコーティング液(a)を塗工するが、塗工方法としては、特に限定されず、例えばキャスト法、ディッピング法、ロールコーティング法、グラビアコート法、スクリーン印刷法、リバースコート法、スプレーコート法、キットコート法、ダイコート法、メタリングバーコート法、チャンバードクター併用コート法、カーテンコート法等が挙げられる。
【0177】
層(B)上にコーティング液(a)を塗工した後、コーティング液(a)の溶媒を乾燥により除去することによって層(B)上に層(A)が形成される。乾燥の方法としては特に限定は無く、例えば熱風乾燥法、熱ロール接触法、赤外線加熱法、マイクロ波加熱法等の方法が挙げられ、該方法は単独または組合わせて行ってもよい。乾燥温度としては特に限定は無いが、溶媒として上述した水や、水と有機溶媒との混合溶媒を用いる場合には通常は50〜160℃が好ましい。また乾燥の際の圧力は通常は常圧または減圧下で行うことが好ましく、設備の簡便性の観点から常圧で行うことが好ましい。
【0178】
なお、コーティング液(a)は、形成される層(A)の単位面積当たりの重量が、好ましくは0.1〜10g/m2の範囲、より好ましくは0.1〜6g/m2の範囲、さらに好ましくは0.1〜2g/m2の範囲となるように、塗工し、乾燥することが好ましい。
【0179】
また、コーティング液(a)は、形成される層(A)の厚さが、好ましくは0.05〜5μmの範囲、より好ましくは0.1〜3μmの範囲内、さらに好ましくは0.1〜1μmの範囲となるように、塗工し、乾燥することが好ましい。
【0180】
上記層(A)には無機化合物超微粒子が含有されており、さらにコーティング液(a)中に含まれるポリエステル樹脂、ポリカルボン酸ナトリウム塩等の他の成分を含んでいる。
【0181】
なお、表面にアンカーコート層を設けた基材を用いる場合、アンカーコート層を設ける前の基材上にアンカーコート剤を塗工し、乾燥した後、コーティング液(b)を塗工し、乾燥し層(B)を形成した後、あるいはコーティング液(a)を塗工し、乾燥し層(A)を形成した後に、熟成処理を行ってもよい。熟成処理としては、通常30〜200℃、好ましくは30〜150℃の温度条件で、0.5〜10日、好ましくは1〜7日間保持する処理が挙げられる。
【0182】
このようにして、ガスバリア性積層体を製造することができる。
【0183】
ガスバリア性積層体の製造方法(1)によってガスバリア性積層体を製造した場合は、層(B)を形成した後に、無機化合物超微粒子を含む層(A)が形成されるため、外観良好なサンプルを得ることができる。
【0184】
(ガスバリア性積層体の製造方法(2))
ガスバリア性積層体の製造方法(2)は、基材上にコーティング液(a)を塗工し、乾燥することにより層(A)を形成し、層(A)上にコーティング液(b)を塗工し、乾燥することにより層(B)を形成し、基材と基材上に形成されたガスバリア層を有する積層体を得る方法である。
【0185】
ガスバリア性積層体の製造方法(2)は、基材上に前述のコーティング液(a)を塗工し、乾燥を行い層(A)を形成する工程(工程I)と、工程Iの後に行う、前述のコーティング液(b)を塗工し、乾燥を行い層(B)を形成する工程(工程II)とを有する。
【0186】
以下詳細に示す。
【0187】
まず、前述の基材上にコーティング液(a)を塗工するが、塗工方法としては、特に限定されず、例えばキャスト法、ディッピング法、ロールコーティング法、グラビアコート法、スクリーン印刷法、リバースコート法、スプレーコート法、キットコート法、ダイコート法、メタリングバーコート法、チャンバードクター併用コート法、カーテンコート法等が挙げられる。
【0188】
基材上にコーティング液(a)を塗工した後、コーティング液(a)の溶媒を乾燥により除去することによって基材上に層(A)が形成される。乾燥の方法としては特に限定は無く、例えば熱風乾燥法、熱ロール接触法、赤外線加熱法、マイクロ波加熱法等の方法が挙げられ、該方法は単独または組合わせて行ってもよい。乾燥温度としては特に限定は無いが、溶媒として上述した水や、水と有機溶媒との混合溶媒を用いる場合には通常は50〜160℃が好ましい。また乾燥の際の圧力は通常は常圧または減圧下で行うことが好ましく、設備の簡便性の観点から常圧で行うことが好ましい。
【0189】
この層(A)には無機化合物超微粒子が含有されおり、基材と層(A)との密着性を高めるために、表面にアンカーコート層を設けた基材を用いることが好ましい。
【0190】
表面にアンカーコート層を設けた基材を用いる場合、アンカーコート層を設ける前の基材上にアンカーコート剤を塗工し、乾燥し、表面にアンカーコート層を有する基材を得た後、コーティング液(a)を塗工し、乾燥し層(A)を形成する。
【0191】
なお、コーティング液(a)は、形成される層(A)の単位面積当たりの重量が、好ましくは0.1〜10g/m2の範囲、より好ましくは0.1〜6g/m2の範囲、さらに好ましくは0.1〜2g/m2の範囲となるように、塗工し、乾燥することが好ましい。
【0192】
また、コーティング液(a)は、形成される層(A)の厚さが、好ましくは0.05〜5μmの範囲、より好ましくは0.1〜3μmの範囲内、さらに好ましくは0.1〜1μmの範囲となるように、塗工し、乾燥することが好ましい。
【0193】
基材上に層(A)を形成した後、層(A)上にコーティング液(b)を塗工し、乾燥を行い層(B)を形成することにより、ガスバリア性積層体を得ることができる。
【0194】
層(A)と層(B)とが隣接する層構成を有する場合、層(A)上にコーティング液(b)を塗工するが、塗工方法としては、特に限定されず、例えばキャスト法、ディッピング法、ロールコーティング法、グラビアコート法、スクリーン印刷法、リバースコート法、スプレーコート法、キットコート法、ダイコート法、メタリングバーコート法、チャンバードクター併用コート法、カーテンコート法等が挙げられる。
【0195】
層(A)上にコーティング液(b)を塗工した後、コーティング液(b)の溶媒を乾燥により除去することによって層(A)上に層(B)が形成される。乾燥の方法としては特に限定は無く、例えば熱風乾燥法、熱ロール接触法、赤外線加熱法、マイクロ波加熱法等の方法が挙げられ、該方法は単独または組合わせて行ってもよい。乾燥温度としては特に限定は無いが、溶媒として上述した水や、水と有機溶媒との混合溶媒を用いる場合には通常は50〜160℃が好ましい。また乾燥の際の圧力は通常は常圧または減圧下で行うことが好ましく、設備の簡便性の観点から常圧で行うことが好ましい。
【0196】
基材と層(A)との密着性を高めるために、表面にアンカーコート層を設けた基材を用いる場合には、アンカーコート層を設ける前の基材上にアンカーコート剤を塗工し、乾燥した後、コーティング液(a)を塗工し、乾燥し層(A)を形成した後、あるいはコーティング液(b)を塗工し、乾燥し層(B)を形成した後に、熟成処理を行ってもよい。熟成処理としては、通常30〜200℃、好ましくは30〜150℃の温度条件で、通常0.5〜10日、好ましくは1〜7日間保持する処理が挙げられる。
【0197】
さらに、コーティング液(b)にシランカップリング剤、その加水分解物、およびこれらの縮合物からなる群から選択される少なくとも1種のケイ素含有化合物(i)が含まれる場合には、層(B)に含まれるケイ素含有化合物中の縮合物の割合を増加させる目的で、乾燥が終了(または、ほぼ終了)した時点、または熟成処理が終了した時点で熱処理を行ってもよい。
【0198】
前記熱処理としては通常は、温度120〜240℃、好ましくは150〜230℃で、通常は10秒〜30分、好ましくは20秒〜20分行われる。
【0199】
なお、上記乾燥、熟成処理、熱処理は温度が重複する部分があるが、これらは明確に区別される必要は無く、連続的に行われてもよい。
【0200】
なお、コーティング液(b)は、形成される層(B)の単位面積当たりの重量が、好ましくは0.1〜10g/m2の範囲、より好ましくは0.1〜6g/m2の範囲、さらに好ましくは0.1〜2g/m2の範囲となるように、塗工し、乾燥することが好ましい。
【0201】
また、コーティング液(b)は、形成される層(B)の厚さが、好ましくは0.05〜5μmの範囲、より好ましくは0.1〜3μmの範囲内、さらに好ましくは0.1〜1μmの範囲となるように、塗工し、乾燥することが好ましい。
【0202】
このようにして、ガスバリア性積層体を製造することができる。
【0203】
なお、上記ガスバリア性積層体の製造方法(1)、(2)において、コーティング液(b)の添加剤として、ポリビニルアルコール等の水酸基を2つ以上有する化合物を用いた場合には、その水酸基と、ポリカルボン酸系重合体のカルボキシル基の一部とがエステル結合を形成していても良い。
【0204】
(ガスバリア性積層体の製造方法(3))
ガスバリア性積層体の製造方法(3)は、前記製造方法(1)または(2)の態様により得られた積層体の、基材およびガスバリア層の少なくとも一方に、接着層を介して、他の基材をラミネートすることにより積層体を得る方法である。
【0205】
他の基材とのラミネート方法としては、特に限定されず、例えばドライラミネート法、押出しラミネート法が挙げられる。ドライラミネート法の際の接着剤の塗工方法としては、特に限定されず、例えばグラビアコート法が挙げられる。
【0206】
ガスバリア性積層体の製造方法(3)においては、ガスバリア性積層体の層構成を、基材/ガスバリア層/接着層/他の基材の層構成や、他の基材/接着層/基材/ガスバリア層/接着層/他の基材の層構成とすると、ガスバリア性積層体に強度付与、シール性やシール時の易開封性付与、意匠性付与、光遮断性付与、防湿性付与、酸素吸収性付与等を行うことができるだけでなく、後述するレトルト処理、ボイル処理等を施す際に、ガスバリア層が熱水や、蒸気に直接さらされず、外観が良好となるため好ましい。
【0207】
なお、本発明のガスバリア性積層体が有するガスバリア層が、層(A)や層(B)を複数有する場合には、前述の方法と同様にして層(A)や層(B)を形成すればよい。
【0208】
本発明のガスバリア性積層体は例えば、食品、飲料、医薬品、電子部品などの精密金属部品の包装材料に用いることができ、中でも食品用の包装材料として好適に用いることができる。本発明のガスバリア性積層体を食品用の包装材料として用いる場合等には、食品等の内容物を殺菌するために、内容物を充填した後、レトルト処理やボイル処理が行なわれる場合がある。
【0209】
レトルト処理やボイル処理が行われた後のガスバリア性積層体は、透明性に優れるだけでなく、ガスバリア性が、レトルト処理やボイル処理を行う前と比べて向上する傾向がある。このため、本発明のガスバリア性積層体は、食品等の包装後に加熱殺菌を行うことが求められる分野の包装材料として、特に好適である。
【0210】
レトルト処理やボイル処理を行った後のガスバリア性積層体は、JIS K−7126 B法(等圧法)、およびASTM D3985に記載された方法に準拠して、温度20℃、試料面積50cm2、両側80%相対湿度(RH)の条件で測定した酸素透過度が、100cm3/m2・day・MPa以下であり、好ましくは50cm3/m2・day・MPa以下であり、より好ましくは20cm3/m2・day・MPa以下であり、特に好ましくは10cm3/m2・day・MPa以下である。該酸素透過度は低いほど好ましく、その下限としては特に限定はないが通常は0.1cm3/m2・day・MPa以上である。
【0211】
以下、レトルト処理、ボイル処理の条件を説明するが、前記条件は内容物に応じて適宜変更することができる。
【0212】
前記レトルト処理とは、一般に食品等を保存するために、カビ、酵母、細菌などの微生物を加圧殺菌する方法であり、通常は、食品を包装したガスバリア性積層体を、105〜140℃、0.15〜0.3MPaで、10〜120分の条件で加圧殺菌処理する。レトルト装置は、加熱蒸気を利用する蒸気式と加圧過熱水を利用する熱水式等があり、内容物となる食品等の殺菌条件に応じて適宜使い分ける。
【0213】
前記ボイル処理は、食品等を保存するため湿熱で殺菌する方法である。通常は、内容物にもよるが、食品等を包装した、ガスバリア性積層体を60〜100℃、大気圧下で、10〜120分の条件で殺菌処理を行う。ボイル処理は、通常、熱水槽を用いて行うが、一定温度の熱水槽の中に浸漬し、一定時間後に取り出すバッチ式と、熱水槽の中をトンネル式に通して殺菌する連続式がある。
【実施例】
【0214】
次に実施例を示してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0215】
〔実施例1〕
蒸留水67.0gに、酸化亜鉛超微粒子(堺化学工業株式会社製 FINEX50 平均一次粒子径20nm)を30.0g、分散剤としてポリアクリル酸ナトリウム(東亞合成株式会社製 アロンT‐50:固形分濃度40重量%)を3.0g加えて、高速攪拌機(プライミクス株式会社製 T.K.フィルミックス)を用いて充分に分散させて、100.0gの酸化亜鉛超微粒子水分散液を得た。この酸化亜鉛超微粒子水分散液25.0gに、蒸留水55.1gとポリエステル樹脂水性分散体(ユニチカ株式会社製 エリーテル KT−8803:固形分濃度30重量%、ポリエステル樹脂の数平均分子量は13,000、Tgは65℃、酸価は7mgKOH/g)4.1gと、水分散性イソシアネート化合物(Henkel製 Liofol HardenerUR5889−21:固形分濃度100重量%)0.45gを加えて攪拌した後、IPA(イソプロピルアルコール)を10.3g加えて攪拌し、コーティング液(a−1)(固形分濃度10重量%)を得た。
【0216】
〔実施例2〕
蒸留水61.0gに、酸化亜鉛超微粒子(堺化学工業株式会社製 FINEX50 平均一次粒子径20nm)を30.0g、分散剤としてポリアクリル酸ナトリウム(東亞合成株式会社製 アロンT‐50:固形分濃度40重量%)を9.0g加えて、高速攪拌機(プライミクス株式会社製 T.K.フィルミックス)を用いて充分に分散させて、100.0gの酸化亜鉛超微粒子水分散液を得た。この酸化亜鉛超微粒子水分散液25.0gに、蒸留水57.1gとポリエステル樹脂水性分散体(ユニチカ株式会社製 エリーテル KT−8803:固形分濃度30重量%、ポリエステル樹脂の数平均分子量は13,000、Tgは65℃、酸価は7mgKOH/g)2.1gと、水分散性イソシアネート化合物(Henkel製 Liofol HardenerUR5889−21:固形分濃度100重量%)0.45gを加えて攪拌した後、IPAを10.3g加えて攪拌し、コーティング液(a−2)(固形分濃度10重量%)を得た。
【0217】
〔実施例3〕
蒸留水67.0gに、酸化亜鉛超微粒子(堺化学工業株式会社製 FINEX50 平均一次粒子径20nm)を30.0g、分散剤としてポリアクリル酸ナトリウム(東亞合成株式会社製 アロンT‐50:固形分濃度40重量%)を3.0g加えて、高速攪拌機(プライミクス株式会社製 T.K.フィルミックス)を用いて充分に分散させて、100.0gの酸化亜鉛超微粒子水分散液を得た。この酸化亜鉛超微粒子水分散液25.0gに、蒸留水55.1gとポリエステル樹脂水性分散体(ユニチカ株式会社製 エリーテル KT−8803:固形分濃度30重量%、ポリエステル樹脂の数平均分子量は13,000、Tgは65℃、酸価は7mgKOH/g)4.1gと、水分散性イソシアネート化合物(旭化成ケミカルズ株式会社製 デュラネート WB40−100:固形分濃度100重量%)0.45gを加えて攪拌した後、IPAを10.3g加えて攪拌し、コーティング液(a−3)(固形分濃度10重量%)を得た。
【0218】
〔実施例4〕
蒸留水67.0gに、酸化亜鉛超微粒子(堺化学工業株式会社製 FINEX50 平均一次粒子径20nm)を30.0g、分散剤としてポリアクリル酸ナトリウム(東亞合成株式会社製 アロンT‐50:固形分濃度40重量%)を3.0g加えて、高速攪拌機(プライミクス株式会社製 T.K.フィルミックス)を用いて充分に分散させて、100.0gの酸化亜鉛超微粒子水分散液を得た。この酸化亜鉛超微粒子水分散液25.0gに、蒸留水54.1gとポリエステル樹脂水性分散体(ユニチカ株式会社製 エリーテル KT−8803:固形分濃度30重量%、ポリエステル樹脂の数平均分子量は13,000、Tgは65℃、酸価は7mgKOH/g)5.6gを加えて攪拌した後、IPAを10.3g加えて攪拌し、コーティング液(a−4)(固形分濃度10重量%)を得た。
【0219】
〔実施例5〕
蒸留水71.4gに、酸化亜鉛超微粒子(堺化学工業株式会社製 FINEX50 平均一次粒子径20nm)を26.0g、分散剤としてポリアクリル酸ナトリウム(東亞合成株式会社製 アロンT‐50:固形分濃度40重量%)を2.6g加えて、高速攪拌機(プライミクス株式会社製 T.K.フィルミックス)を用いて充分に分散させて、100.0gの酸化亜鉛超微粒子水分散液を得た。この酸化亜鉛超微粒子水分散液25.0gに、蒸留水51.64gとポリエステル樹脂水性分散体(ユニチカ株式会社製 エリーテル KT−8803:固形分濃度30重量%、ポリエステル樹脂の数平均分子量は13,000、Tgは65℃、酸価は7mgKOH/g)7.56gと、水分散性イソシアネート化合物(Henkel製 Liofol HardenerUR5889−21:固形分濃度100重量%)0.45gを加えて攪拌した後、IPAを10.3g加えて攪拌し、コーティング液(a−5)(固形分濃度10重量%)を得た。
【0220】
〔実施例6〕
蒸留水64.6gに、酸化亜鉛超微粒子(堺化学工業株式会社製 FINEX50 平均一次粒子径20nm)を32.2g、分散剤としてポリアクリル酸ナトリウム(東亞合成株式会社製 アロンT‐50:固形分濃度40重量%)を3.2g加えて、高速攪拌機(プライミクス株式会社製 T.K.フィルミックス)を用いて充分に分散させて、100.0gの酸化亜鉛超微粒子水分散液を得た。この酸化亜鉛超微粒子水分散液25.0gに、蒸留水57.1gとポリエステル樹脂水性分散体(ユニチカ株式会社製 エリーテル KT−8803:固形分濃度30重量%、ポリエステル樹脂の数平均分子量は13,000、Tgは65℃、酸価は7mgKOH/g)2.15gと、水分散性イソシアネート化合物(Henkel製 Liofol HardenerUR5889−21:固形分濃度100重量%)0.45gを加えて攪拌した後、IPAを10.3g加えて攪拌し、コーティング液(a−6)(固形分濃度10重量%)を得た。
【0221】
〔実施例7〕
蒸留水67.3gに、酸化亜鉛超微粒子(堺化学工業株式会社製 FINEX50 平均一次粒子径20nm)を30.0g、分散剤としてポリアクリル酸ナトリウム(株式会社日本触媒製 アクアリック DL40S:固形分濃度44重量%)を2.7g加えて、高速攪拌機(プライミクス株式会社製 T.K.フィルミックス)を用いて充分に分散させて、100.0gの酸化亜鉛超微粒子水分散液を得た。この酸化亜鉛超微粒子水分散液25.0gに、蒸留水55.1gとポリエステル樹脂水性分散体(ユニチカ株式会社製 エリーテル KT−8803:固形分濃度30重量%、ポリエステル樹脂の数平均分子量は13,000、Tgは65℃、酸価は7mgKOH/g)4.1gと、水分散性イソシアネート化合物(Henkel製 Liofol HardenerUR5889−21:固形分濃度100重量%)0.45gを加えて攪拌した後、IPAを10.3g加えて攪拌し、コーティング液(a−7)(固形分濃度10重量%)を得た。
【0222】
〔実施例8〕
蒸留水67.0gに、酸化亜鉛超微粒子(堺化学工業株式会社製 FINEX50 平均一次粒子径20nm)を30.0g、分散剤としてアクリル酸‐マレイン酸共重合体ナトリウム(東亞合成株式会社 アロン A−6330:固形分濃度40重量%)を3.0g加えて、高速攪拌機(プライミクス株式会社製 T.K.フィルミックス)を用いて充分に分散させて、100.0gの酸化亜鉛超微粒子水分散液を得た。この酸化亜鉛超微粒子水分散液25.0gに、蒸留水55.1gとポリエステル樹脂水性分散体(ユニチカ株式会社製 エリーテル KT−8803:固形分濃度30重量%、ポリエステル樹脂の数平均分子量は13,000、Tgは65℃、酸価は7mgKOH/g)4.1gと、水分散性イソシアネート化合物(Henkel製 Liofol HardenerUR5889−21:固形分濃度100重量%)0.45gを加えて攪拌した後、IPAを10.3g加えて攪拌し、コーティング液(a−8)(固形分濃度10重量%)を得た。
【0223】
〔実施例9〕
蒸留水67.0gに、酸化亜鉛超微粒子(堺化学工業株式会社製 FINEX50 平均一次粒子径20nm)を30.0g、分散剤としてアクリル酸‐マレイン酸共重合体ナトリウム(花王株式会社製 ポイズ520:固形分濃度40重量%)を3.0g加えて、高速攪拌機(プライミクス株式会社製 T.K.フィルミックス)を用いて充分に分散させて、100.0gの酸化亜鉛超微粒子水分散液を得た。この酸化亜鉛超微粒子水分散液25.0gに、蒸留水55.1gとポリエステル樹脂水性分散体(ユニチカ株式会社製 エリーテル KT−8803:固形分濃度30重量%、ポリエステル樹脂の数平均分子量は13,000、Tgは65℃、酸価は7mgKOH/g)4.1gと、水分散性イソシアネート化合物(Henkel製 Liofol HardenerUR5889−21:固形分濃度100重量%)0.45gを加えて攪拌した後、IPAを10.3g加えて攪拌し、コーティング液(a−9)(固形分濃度10重量%)を得た。
【0224】
〔実施例10〕
蒸留水67.0gに、酸化亜鉛超微粒子(堺化学工業株式会社製 FINEX50 平均一次粒子径20nm)を30.0g、分散剤としてポリアクリル酸ナトリウム(東亞合成株式会社製 アロンT‐50:固形分濃度40重量%)を3.0g加えて、高速攪拌機(プライミクス株式会社製 T.K.フィルミックス)を用いて充分に分散させて、100.0gの酸化亜鉛超微粒子水分散液を得た。この酸化亜鉛超微粒子水分散液25.0gに、蒸留水55.6gとポリエステル樹脂水性分散体(東洋紡績株式会社製 バイロナール MD−1200:固形分濃度34重量%、ポリエステル樹脂の数平均分子量は15,000、Tgは67℃、酸価は3mgKOH/g未満)3.62gと、水分散性イソシアネート化合物(Henkel製 Liofol HardenerUR5889−21:固形分濃度100重量%)0.45gを加えて攪拌した後、IPAを10.3g加えて攪拌し、コーティング液(a−10)(固形分濃度10重量%)を得た。
【0225】
〔実施例11〕
蒸留水67.0gに、酸化亜鉛超微粒子(堺化学工業株式会社製 FINEX50 平均一次粒子径20nm)を30.0g、分散剤としてポリアクリル酸ナトリウム(東亞合成株式会社製 アロンT‐50:固形分濃度40重量%)を3.0g加えて、高速攪拌機(プライミクス株式会社製 T.K.フィルミックス)を用いて充分に分散させて、100.0gの酸化亜鉛超微粒子水分散液を得た。この酸化亜鉛超微粒子水分散液25.0gに、蒸留水54.3gとポリエステル樹脂水性分散体(高松油脂株式会社製 ペスレジン A124GP:固形分濃度25重量%、ポリエステル樹脂の数平均分子量は15,000、Tgは55℃、酸価は2mgKOH/g未満)4.9gと、水分散性イソシアネート化合物(Henkel製 Liofol HardenerUR5889−21:固形分濃度100重量%)0.45gを加えて攪拌した後、IPAを10.3g加えて攪拌し、コーティング液(a−11)(固形分濃度10重量%)を得た。
【0226】
〔実施例12〕
蒸留水67.0gに、酸化亜鉛超微粒子(堺化学工業株式会社製 FINEX50 平均一次粒子径20nm)を30.0g、分散剤としてポリアクリル酸ナトリウム(東亞合成株式会社製 アロンT‐50:固形分濃度40重量%)を3.0g加えて、高速攪拌機(プライミクス株式会社製 T.K.フィルミックス)を用いて充分に分散させて、100.0gの酸化亜鉛超微粒子水分散液を得た。この酸化亜鉛超微粒子水分散液25.0gに、蒸留水65.4gとポリエステル樹脂水性分散体(ユニチカ株式会社製 エリーテル KT−8803:固形分濃度30重量%、ポリエステル樹脂の数平均分子量は13,000、Tgは65℃、酸価は7mgKOH/g)4.1gと、水分散性イソシアネート化合物(Henkel製 Liofol HardenerUR5889−21:固形分濃度100重量%)0.45gを加えて攪拌しコーティング液(a−12)(固形分濃度10重量%)を得た。
【0227】
〔比較例1〕
蒸留水70.0gに、酸化亜鉛超微粒子(堺化学工業株式会社製 FINEX50 平均一次粒子径20nm)を30.0g加えて、高速攪拌機(プライミクス株式会社製 T.K.フィルミックス)を用いて充分に分散させて、100.0gの酸化亜鉛超微粒子水分散液を得た。この酸化亜鉛超微粒子水分散液25.0gに、蒸留水54.35gとポリエステル樹脂水性分散体(ユニチカ株式会社製 エリーテル KT−8803:固形分濃度30重量%、ポリエステル樹脂の数平均分子量は13,000、Tgは65℃、酸価は7mgKOH/g)5.2gと、水分散性イソシアネート化合物(Henkel製 Liofol HardenerUR5889−21:固形分濃度100重量%)0.45gを加えて攪拌した後、IPAを10.3g加えて攪拌し、コーティング液(a−13)(固形分濃度10重量%)を得た。
【0228】
〔比較例2〕
蒸留水61.0gに、酸化亜鉛超微粒子(堺化学工業株式会社製 FINEX50 平均一次粒子径20nm)を30.0g、分散剤としてポリアクリル酸ナトリウム(東亞合成株式会社製 アロンT‐50:固形分濃度40重量%)を9.0g加えて、高速攪拌機(プライミクス株式会社製 T.K.フィルミックス)を用いて充分に分散させて、100.0gの酸化亜鉛超微粒子水分散液を得た。この酸化亜鉛超微粒子水分散液25.0gに、蒸留水53.6gと、水分散性イソシアネート化合物(Henkel製 Liofol HardenerUR5889−21:固形分濃度100重量%)0.45gを加えて攪拌した後、IPAを9.6g加えて攪拌し、コーティング液(a−14)(固形分濃度10重量%)を得た。
【0229】
(調製例b−1)
数平均分子量200,000のポリアクリル酸(東亞合成株式会社製 アロン A−10H:25重量%水溶液)80gを蒸留水117.7gで溶解し、酸化亜鉛(和光純薬製)2.3gを加えてポリアクリル酸のカルボキシル基の20モル%を中和した後、蒸留水を加えて固形分濃度を10重量%に調製し、コーティング液(b−1)を得た。
【0230】
(調製例b−2)
テトラメトキシシラン(TMOS:アルドリッチ製)6.84gをメタノール8.2gに溶解させ、次いでγ‐グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GPTMS 信越シリコーン製)1.36gを溶解させた後、蒸留水0.51gと0.1Nの塩酸1.27gとを加えてゾルを調製し、これを攪拌しながら10℃で1時間かけて加水分解および縮合反応を行い、加水分解縮合物を含む溶液を得た。得られた加水分解縮合物を含む溶液を蒸留水18.5gで希釈した後、攪拌下の上記コーティング液(b−1)63.4gに添加し、コーティング液(b−2)を得た。
【0231】
〔実施例13〕
ポリエステル系主剤(三井化学ポリウレタン株式会社製 タケラック A525:固形分濃度50重量%)と硬化剤(三井化学ポリウレタン株式会社製 タケネート A52:固形分濃度75重量%)を重量比(主剤/硬化剤)が9/1となるようにして、溶媒(酢酸エチル)に溶解させて、固形分濃度5重量%のアンカーコート層用コーティング液を得た。得られたアンカーコート層用コーティング液を、ポリエステルフィルム(東レ株式会社製 ルミラーP60:厚さ12μm)上に乾燥後の単位面積当たりの重量が、0.20g/m2、厚さが、0.2μmとなるようにバーコーター(RK Print‐Coat Instruments製 K303 バー)を用いて塗工し、ドライヤーで乾燥した。形成されたアンカーコート層上に、前記コーティング液(b−1)を、前記バーコーターを用いて、乾燥後の単位面積当たりの重量が、0.40g/m2、厚さが0.3μmとなるように塗工および乾燥を行った。
【0232】
さらにコーティング液(b−1)から形成された層上に、前記コーティング液(a−1)を、前記バーコーターを用いて、乾燥後の単位面積当たりの重量が、0.45g/m2、厚さが0.3μmとなるように塗工および乾燥を行った。
【0233】
このようにして、ポリエステルフィルム上にアンカーコート層、コーティング液(b−1)から形成された層(ポリアクリル酸層)、コーティング液(a−1)から形成された層(酸化亜鉛超微粒子を含む層(A))が、この順で積層されたガスバリア性積層体を得た。
【0234】
〔実施例14〕
コーティング液(b−1)に代えて、コーティング液(b−2)を用いた以外は実施例13と同様にして、ガスバリア性積層体を得た。
【0235】
〔実施例15〕
コーティング液(b−1)に代えて、コーティング液(b−2)を、コーティング液(a−1)に代えて、コーティング液(a−2)を用いた以外は実施例13と同様にして、ガスバリア性積層体を得た。
【0236】
〔実施例16〕
コーティング液(b−1)に代えて、コーティング液(b−2)を、コーティング液(a−1)に代えて、コーティング液(a−3)を用いた以外は実施例13と同様にして、ガスバリア性積層体を得た。
【0237】
〔実施例17〕
コーティング液(b−1)に代えて、コーティング液(b−2)を、コーティング液(a−1)に代えて、コーティング液(a−4)を用いた以外は実施例13と同様にして、ガスバリア性積層体を得た。
【0238】
〔実施例18〕
コーティング液(b−1)に代えて、コーティング液(b−2)を、コーティング液(a−1)に代えて、コーティング液(a−5)を用い、コーティング液(b−2)から形成された層上に、コーティング液(a−5)を乾燥後の単位面積当たりの重量が、0.44g/m2、厚さが0.3μmとなるように塗工および乾燥を行った以外は実施例13と同様にして、ガスバリア性積層体を得た。
【0239】
〔実施例19〕
コーティング液(b−1)に代えて、コーティング液(b−2)を、コーティング液(a−1)に代えて、コーティング液(a−6)を用い、コーティング液(b−2)から形成された層上に、コーティング液(a−6)を乾燥後の単位面積当たりの重量が、0.47g/m2、厚さが0.3μmとなるように塗工および乾燥を行った以外は実施例13と同様にして、ガスバリア性積層体を得た。
【0240】
〔実施例20〕
コーティング液(b−1)に代えて、コーティング液(b−2)を、コーティング液(a−1)に代えて、コーティング液(a−7)を用いた以外は実施例13と同様にして、ガスバリア性積層体を得た。
【0241】
〔実施例21〕
コーティング液(b−1)に代えて、コーティング液(b−2)を、コーティング液(a−1)に代えて、コーティング液(a−8)を用いた以外は実施例13と同様にして、ガスバリア性積層体を得た。
【0242】
〔実施例22〕
コーティング液(b−1)に代えて、コーティング液(b−2)を、コーティング液(a−1)に代えて、コーティング液(a−9)を用いた以外は実施例13と同様にして、ガスバリア性積層体を得た。
【0243】
〔実施例23〕
コーティング液(b−1)に代えて、コーティング液(b−2)を、コーティング液(a−1)に代えて、コーティング液(a−10)を用いた以外は実施例13と同様にして、ガスバリア性積層体を得た。
【0244】
〔実施例24〕
コーティング液(b−1)に代えて、コーティング液(b−2)を、コーティング液(a−1)に代えて、コーティング液(a−11)を用いた以外は実施例13と同様にして、ガスバリア性積層体を得た。
【0245】
〔実施例25〕
コーティング液(b−1)に代えて、コーティング液(b−2)を、コーティング液(a−1)に代えて、コーティング液(a−12)を用いた以外は実施例13と同様にして、ガスバリア性積層体を得た。
【0246】
〔比較例3〕
コーティング液(b−1)に代えて、コーティング液(b−2)を、コーティング液(a−1)に代えて、コーティング液(a−13)を用いた以外は実施例13と同様にして、ガスバリア性積層体を得た。
【0247】
〔比較例4〕
コーティング液(b−1)に代えて、コーティング液(b−2)を、コーティング液(a−1)に代えて、コーティング液(a−14)を用い、コーティング液(b−2)から形成された層上に、コーティング液(a−14)を乾燥後の単位面積当たりの重量が、0.47g/m2、厚さが0.3μmとなるように塗工および乾燥を行った以外は実施例13と同様にして、ガスバリア性積層体を得た。
【0248】
〔実施例26〕
蒸留水67.0gに、酸化亜鉛超微粒子(堺化学工業株式会社製 FINEX50 平均一次粒子径20nm)を30.0g、分散剤としてアクリル酸−マレイン酸共重合体ナトリウム(東亞合成株式会社製 アロンA−6330:固形分濃度40重量%)を3.0g加えて、スターラーで充分攪拌した後、このうち30.0gを遊星ボールミル(フリッチュ社製 P−7)で0.3mm径のジルコニアビーズを用いて充分に分散させた後、ふるいでジルコニアビーズを分離し、酸化亜鉛超微粒子水分散液を得た。得られた酸化亜鉛超微粒子水分散液25.0gに、蒸留水55.1gとポリエステル樹脂水性分散体(ユニチカ株式会社製 エリーテル KT−8803:固形分濃度30重量%、ポリエステル樹脂の数平均分子量は13,000、Tgは65℃、酸価は7mgKOH/g)4.1gと、水分散性イソシアネート化合物(Henkel製 Liofol HardenerUR5889−21:固形分濃度100重量%)0.45gを加えて攪拌した後、IPAを10.3g加えて攪拌し、コーティング液(a−15)(固形分濃度10重量%)を得た。
【0249】
〔実施例27〕
蒸留水67.0gに、酸化亜鉛超微粒子(堺化学工業株式会社製 FINEX50 平均一次粒子径20nm)を30.0g、分散剤としてアクリル酸−マレイン酸共重合体ナトリウム(花王株式会社製 ポイズ520:固形分濃度40重量%)を3.0g加えて、スターラーで充分攪拌した後、このうち30.0gを遊星ボールミル(フリッチュ社製 P−7)で0.3mm径のジルコニアビーズを用いて充分に分散させた後、ふるいでジルコニアビーズを分離し、酸化亜鉛超微粒子水分散液を得た。得られた酸化亜鉛超微粒子水分散液25.0gに、蒸留水55.1gとポリエステル樹脂水性分散体(ユニチカ株式会社製 エリーテル KT−8803:固形分濃度30重量%、ポリエステル樹脂の数平均分子量は13,000、Tgは65℃、酸価は7mgKOH/g)4.1gと、水分散性イソシアネート化合物(Henkel製 Liofol HardenerUR5889−21:固形分濃度100重量%)0.45gを加えて攪拌した後、IPAを10.3g加えて攪拌し、コーティング液(a−16)(固形分濃度10重量%)を得た。
【0250】
〔実施例28〕
蒸留水67.0gに、酸化亜鉛超微粒子(堺化学工業株式会社製 FINEX50 平均一次粒子径20nm)を30.0g、分散剤としてアクリル酸−マレイン酸共重合体ナトリウム(花王株式会社製 ポイズ521:固形分濃度40重量%)を3.0g加えて、スターラーで充分攪拌した後、このうち30.0gを遊星ボールミル(フリッチュ社製 P−7)で0.3mm径のジルコニアビーズを用いて充分に分散させた後、ふるいでジルコニアビーズを分離し、酸化亜鉛超微粒子水分散液を得た。得られた酸化亜鉛超微粒子水分散液25.0gに、蒸留水54.3gとポリエステル樹脂水性分散体(ユニチカ株式会社製 エリーテルKT−0507: 固形分濃度25重量%、ポリエステル樹脂の数平均分子量は17,000、Tgは−25℃、酸価は11mgKOH/g)4.9gと、水分散性イソシアネート化合物(Henkel製 Liofol HardenerUR5889−21:固形分濃度100重量%)0.45gを加えて攪拌した後、IPAを10.3g加えて攪拌し、コーティング液(a−17)(固形分濃度10重量%)を得た。
【0251】
〔実施例29〕
蒸留水67.0gに、酸化亜鉛超微粒子(堺化学工業株式会社製 FINEX50 平均一次粒子径20nm)を30.0g、分散剤としてアクリル酸−マレイン酸共重合体ナトリウム(東亞合成株式会社製 アロンA−6330:固形分濃度40重量%)を3.0g加えて、スターラーで充分攪拌した後、このうち30.0gを遊星ボールミル(フリッチュ社製 P−7)で0.3mm径のジルコニアビーズを用いて充分に分散させた後、ふるいでジルコニアビーズを分離し、酸化亜鉛超微粒子水分散液を得た。得られた酸化亜鉛超微粒子水分散液25.0gに、蒸留水54.3gとポリエステル樹脂水性分散体(ユニチカ株式会社製 エリーテルKT−0507: 固形分濃度25重量%、ポリエステル樹脂の数平均分子量は17,000、Tgは−25℃、酸価は11mgKOH/g)4.9gと、水分散性イソシアネート化合物(Henkel製 Liofol HardenerUR5889−21:固形分濃度100重量%)0.45gを加えて攪拌した後、IPAを10.3g加えて攪拌し、コーティング液(a−18)(固形分濃度10重量%)を得た。
【0252】
〔実施例30〕
蒸留水67.0gに、酸化亜鉛超微粒子(堺化学工業株式会社製 FINEX 平均粒子径20nm)を30.0g、分散剤としてアクリル酸−マレイン酸共重合体ナトリウム(花王株式会社製 ポイズ521:固形分濃度40重量%)を3.0g加えて、スターラーで充分攪拌した後、このうち30.0gを遊星ボールミル(フリッチュ社製 P−7)で0.3mm径のジルコニアビーズを用いて充分に分散させた後、ふるいでジルコニアビーズを分離し、酸化亜鉛超微粒子水分散液を得た。得られた酸化亜鉛超微粒子水分散液25.0gに、蒸留水55.1gとポリエステル樹脂水性分散体(ユニチカ株式会社製 エリーテルKT−9204: 固形分濃度30重量%、ポリエステル樹脂の数平均分子量は17,000、Tgは18℃、酸価は7mgKOH/g)4.1gと、水分散性イソシアネート化合物(Henkel製 Liofol HardenerUR5889−21:固形分濃度100重量%)0.45gを加えて攪拌した後、IPAを10.3g加えて攪拌し、コーティング液(a−19)(固形分濃度10重量%)を得た。
【0253】
〔実施例31〕
コーティング液(b−1)に代えて、コーティング液(b−2)を、コーティング液(a−1)に代えて、コーティング液(a−15)を用いた以外は実施例13と同様にして、ガスバリア性積層体を得た。
【0254】
〔実施例32〕
コーティング液(b−1)に代えて、コーティング液(b−2)を、コーティング液(a−1)に代えて、コーティング液(a−16)を用いた以外は実施例13と同様にして、ガスバリア性積層体を得た。
【0255】
〔実施例33〕
コーティング液(b−1)に代えて、コーティング液(b−2)を、コーティング液(a−1)に代えて、コーティング液(a−17)を用いた以外は実施例13と同様にして、ガスバリア性積層体を得た。
【0256】
〔実施例34〕
コーティング液(b−1)に代えて、コーティング液(b−2)を、コーティング液(a−1)に代えて、コーティング液(a−18)を用いた以外は実施例13と同様にして、ガスバリア性積層体を得た。
【0257】
〔実施例35〕
コーティング液(b−1)に代えて、コーティング液(b−2)を、コーティング液(a−1)に代えて、コーティング液(a−19)を用いた以外は実施例13と同様にして、ガスバリア性積層体を得た。
【0258】
〔評価方法〕
実施例および比較例で得たガスバリア性積層体について、(i)ヘイズ、(ii)酸素透過度、および(iii)剥離強度を以下の方法により評価した。結果を表1および2に示す。
【0259】
(i)ガスバリア性積層体のヘイズ
実施例および比較例で得たガスバリア性積層体について、JIS K−7136に記載された方法に準拠して、ヘイズメーター(日本電色工業株式会社製 Haze Meter NDH2000)を用いて、ヘイズを測定した。
【0260】
(ii)酸素透過度
実施例および比較例で得た、ガスバリア性積層体の酸化亜鉛超微粒子を含む層(A)上に、ポリウレタン系接着剤(主剤:三井化学ポリウレタン株式会社製 タケラック A620 :硬化剤:三井化学ポリウレタン株式会社製 タケネート A65、主剤/硬化剤重量比=16/1)を介して、二軸延伸ナイロンフィルム(ユニチカ株式会社製 ONUM:厚さ15μm)および未延伸ポリプロピレンフィルム(東レフィルム加工株式会社製 ZK93−FM:厚み60μm)を順にドライラミネート法により接着し、積層フィルムを得た。得られた積層フィルムを、レトルト処理機(株式会社日阪製作所:RCS−60)を用いて、温度120℃にて40分間のレトルト処理を行った。
【0261】
このレトルト処理後の積層フィルムについて、JIS K−7126 B法(等圧法)、およびASTM D3985に記載された方法に準拠して、酸素透過試験機(Modern Control社製、TMOX−TRAN2/20)を用いて、温度20℃、試料面積50cm2、両側80%相対湿度(RH)の条件で、積層フィルムの酸素透過度を測定した。
【0262】
(iii)剥離強度
前記(ii)酸素透過度の評価と同様にして、レトルト処理を行った積層フィルムについて、レトルト処理直後に、引張試験機(株式会社オリエンテック製、TENSILON RC−1210A)を使用して、剥離強度の測定を行った。試験片の幅は、15mmとして、200mm/分の速度でT型剥離により、剥離強度を測定した。試験方法は、JIS K−6854−3に準拠した。
【0263】
【表1】
【0264】
【表2】
【産業上の利用可能性】
【0265】
本発明のコーティング液(a)は、無機化合物超微粒子の分散性が良好な、水系のコーティング液であり、該コーティング液から形成された層を有する、ガスバリア性積層体は透明性およびガスバリア性に優れる。このため、本発明のガスバリア性積層体は、食品、飲料、薬品、医薬品、電子部品などの精密金属部品の包装材料に用いることができ、中でも食品用の包装材料として好適に用いることができる。