【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1特徴構成は室圧制御システムに係り、その特徴は、
対象室への給気風量を設定風量に調整する定風量装置を設けるとともに、
対象室からの排気路に装備した室圧調整ダンパの開度を調整して対象室からの排気風量を調整することで対象室の室圧を設定室圧に調整する室圧制御手段を設けた室圧制御システムであって、
前記室圧調整ダンパの検出開度に基づいて前記定風量装置の設定風量を変更することで、前記室圧制御手段による開度調整において前記室圧調整ダンパの開度が設定適正開度範囲内に調整される状態にする開度状態制御手段を設けてある点にある。
【0011】
つまり(
図1参照)、上記定風量装置qCの設定風量qssを増大側に変更して対象室1に対する給気風量qsを増大側(即ち、室圧上昇側)に変化させれば、室圧制御手段pCは対象室1からの排気風量qrも増大させて対象室1の室圧pを設定室圧psに調整しようと、室圧調整ダンパVpの開度bを速やかに増大側(即ち、室圧低下側)へ変更する。
【0012】
また逆に、上記定風量装置qCの設定風量qssを減少側に変更して対象室1に対する給気風量qsを減少側(即ち、室圧低下側)に変化させれば、室圧制御手段pCは対象室1からの排気風量qrも減少させて対象室1の室圧pを設定室圧psに調整しようと、室圧調整ダンパVpの開度bを速やかに減少側(即ち、室圧上昇側)へ変更する。
【0013】
このことを利用して、上記開度状態制御手段bCは、室圧制御手段pCによる開度調整において室圧調整ダンパVpの開度bが設定適正開度範囲Y内に調整されるように、室圧調整ダンパVpの検出開度bに基づいて定風量装置qCの設定風量qssを変更する。
【0014】
即ち、このように定風量装置qCの設定風量qssを変更して室圧調整ダンパVpの開度bが設定適正開度範囲Y内に調整されるようにすることで、先述した従来システムの如くファンFrの出力調整による風路圧frの調整で室圧調整ダンパVpの開度bが設定適正開度範囲Y内に調整されるようにするのに比べ、何らかの原因による室圧変動で室圧調整ダンパVpの開度bが室圧制御手段pCにより大きく調整されて設定適正開度範囲Yを逸脱することに対しても、遅れなく応答良く対応して室圧調整ダンパVpの開度bを速やかに設定適正開度範囲Y側に復帰させることができる。
【0015】
そして、この速やかな復帰により、室圧調整ダンパVpが100%開度(全開)又は0%開度(全閉)に振り切った状態や、設定適正開度範囲Yから大きく外れた開度領域で動作する状態に陥ることを効果的に回避することができ、これにより、先述の如き室圧逆転などの問題を一層効果的に防止することができる。
【0016】
また、定風量装置qCの設定風量qssを変更することの直接的な影響は対応の対象室1に対してのみ及ぶから、給気路2及び排気路3に対して並列的に複数の対象室1を接続する場合において、1つの対象室1に対する定風量装置qCの設定風量qssを変更することが他の対象室1での新たな室圧変動の原因になることもなく、この点からも、先述の従来システムに比べ各対象室1の室圧pを一層安定的に設定室圧psに保つことができる。
【0017】
本発明の第2特徴構成は、第1特徴構成の実施において、
前記室圧調整ダンパの検出開度に基づき対象室に対する排気ファンの出力を調整して前記排気路の風路圧を調整することで、前記室圧制御手段による開度調整において前記室圧調整ダンパの開度が設定適正開度範囲内に調整される状態にする風路圧制御手段を、前記開度状態制御手段とともに設けてある点にある。
【0018】
この構成によれば(
図1参照)、前記した開度状態制御手段bCの調整機能(即ち、定風量装置qCの設定風量qssを変更することで室圧調整ダンパVpの開度bが設定適正開度範囲Y内に調整されるようにする機能)と、上記の風路圧制御手段frCの調整機能(即ち、排気ファンFrの出力調整により排気路3の風路圧frを調整することで室圧調整ダンパVpの開度b(特に複数の室圧調整ダンパVp全ての開度b)が設定適正開度範囲Y内に調整されるようにする機能)との相乗機能により、室圧変動で設定適正開度範囲Yから逸脱した室圧調整ダンパVpの開度bを一層速やかに設定適正開度範囲Y側に復帰させることができる。
【0019】
そしてまた、風路圧制御手段frCが排気ファンFrの出力調整により排気路3の風路圧frを調整するにしても、開度状態制御手段bCを併用する分、風路圧制御手段frCによる風路圧調整の調整幅を小さくすることができて、風路圧制御手段frCによる排気路3の風路圧調整が他の対象室1での新たな室圧変動の原因になることも効果的に抑止することができる。
【0020】
なお、この構成の実施においては、室圧調整ダンパVpの開度bが設定適正開度範囲Yを逸脱することに対する開度状態制御手段bCの動作タイミングと風路圧制御手段frCの動作タイミングとの関係を最適化するように、開度状態制御手段bCの動作特性と風路圧制御手段frCの動作特性とを予め設定しおくようにしてもよい。
【0021】
本発明の第3特徴構成は室圧制御システムに係り、その特徴は、
対象室からの排気風量を設定風量に調整する定風量装置を設けるとともに、
対象室への給気路に装備した室圧調整ダンパの開度を調整して対象室への給気風量を調整することで対象室の室圧を設定室圧に調整する室圧制御手段を設けた室圧制御システムであって、
前記室圧調整ダンパの検出開度に基づいて前記定風量装置の設定風量を変更することで、前記室圧制御手段による開度調整において前記室圧調整ダンパの開度が設定適正開度範囲内に調整される状態にする開度状態制御手段を設けてある点にある。
【0022】
この構成は、第1特徴構成において給気側に装備していた定風量装置qCを排気側に装備するとともに、第1特徴構成において排気側に装備していた室圧調整ダンパVpを給気側に装備したものであり、実質的には第1特徴構成と同様の機能を得ることができる。
【0023】
つまり(
図7参照)、上記定風量装置qCの設定風量qrsを増大側に変更して対象室1からの排気風量qrを増大側(即ち、室圧低下側)に変化させれば、室圧制御手段pCは対象室1への給気風量qsも増大させて対象室1の室圧pを設定室圧psに調整しようと、室圧調整ダンパVpの開度bを速やかに増大側(即ち、室圧上昇側)へ変更する。
【0024】
また逆に、上記定風量装置qCの設定風量qrsを減少側に変更して対象室1からの排気風量qrを減少側(即ち、室圧上昇側)に変化させれば、室圧制御手段pCは対象室1への給気風量qsも減少させて対象室1の室圧pを設定室圧psに調整しようと、室圧調整ダンパVpの開度bを速やかに減少側(即ち、室圧低下側)へ変更する。
【0025】
このことを利用して、上記開度状態制御手段bCは、室圧制御手段pCによる開度調整において室圧調整ダンパVpの開度bが設定適正開度範囲Y内に調整されるように、室圧調整ダンパVpの検出開度bに基づいて定風量装置qCの設定風量qrsを変更する。
【0026】
即ち、このように定風量装置qCの設定風量qrsを変更して室圧調整ダンパVpの開度bが設定適正開度範囲Y内に調整されるようにすることで、先述した従来システムの如くファンFs(この場合は給気ファン)の出力調整による風路圧fsの調整で室圧調整ダンパVpの開度bが設定適正開度範囲Y内に調整されるようにするのに比べ、何らかの原因による室圧変動で室圧調整ダンパVpの開度bが室圧制御手段pCにより大きく調整されて設定適正開度範囲Yを逸脱することに対しても、遅れなく応答良く対応して室圧調整ダンパVpの開度bを速やかに設定適正開度範囲Y側に復帰させることができる。
【0027】
そして、この速やかな復帰により、室圧調整ダンパVpが100%開度(全開)又は0%開度(全閉)に振り切った状態や、設定適正開度範囲Yから大きく外れた開度領域で動作する状態に陥ることを効果的に回避することができ、これにより、先述の如き室圧逆転などの問題を一層効果的に防止することができる。
【0028】
また、定風量装置qCの設定風量qrsを変更することの直接的な影響は対応の対象室1に対してのみ及ぶから、給気路2及び排気路3に対して並列的に複数の対象室1を接続する場合において、1つの対象室1に対する定風量装置qCの設定風量qrsを変更することが他の対象室1での新たな室圧変動の原因になることもなく、この点からも、先述の従来システムに比べ各対象室1の室圧pを一層安定的に設定室圧psに保つことができる。
【0029】
本発明の第4特徴構成は、第3特徴構成の実施において、
前記室圧調整ダンパの検出開度に基づき対象室に対する給気ファンの出力を調整して前記給気路の風路圧を調整することで、前記室圧制御手段による開度調整において前記室圧調整ダンパの開度が設定適正開度範囲内に調整される状態にする風路圧制御手段を、前記開度状態制御手段とともに設けてある点にある。
【0030】
この構成によれば(
図7参照)、前記した開度状態制御手段bCの調整機能(即ち、定風量装置qCの設定風量qrsを変更することで室圧調整ダンパVpの開度bが設定適正開度範囲Y内に調整されるようにする機能)と、上記の風路圧制御手段fsCの調整機能(即ち、給気ファンFsの出力調整により給気路2の風路圧fsを調整することで室圧調整ダンパVpの開度b(特に複数の室圧調整ダンパVp全ての開度b)が設定適正開度範囲Y内に調整されるようにする機能)との相乗機能により、室圧変動で設定適正開度範囲Yから逸脱した室圧調整ダンパVpの開度bを一層速やかに設定適正開度範囲Y側に復帰させることができる。
【0031】
そしてまた、風路圧制御手段fsCが給気ファンFsの出力調整により給気路2の風路圧fsを調整するにしても、開度状態制御手段bCを併用する分、風路圧制御手段fsCによる風路圧調整の調整幅を小さくすることができて、風路圧制御手段fsCによる給気路2の風路圧調整が他の対象室1での新たな室圧変動の原因になることも効果的に抑止することができる。
【0032】
なお、この構成の実施においては、室圧調整ダンパVpの開度bが設定適正開度範囲Yを逸脱することに対する開度状態制御手段bCの動作タイミングと風路圧制御手段fsCの動作タイミングとの関係を最適化するように、開度状態制御手段bCの動作特性と風路圧制御手段fsCの動作特性とを予め設定しおくようにしてもよい。
【0033】
本発明の第5特徴構成は、第1〜第4特徴構成のいずれかの実施において、
前記定風量装置及び前記室圧調整ダンパにより風量調整される対象室への給気及び対象室からの排気とは別に、
対象室へ所定風量を給気する副給気手段、及び、この副給気手段による給気風量と同風量だけ対象室から排気する副排気手段を設け、
これら副給気手段と副排気手段とを同期させて運転及び停止する連動手段を設けてある点にある。
【0034】
この構成によれば(
図1参照)、給排気風量qs′,qr′が互いに等しい副給気手段ksと副排気手段krとが連動手段10により同期して運転及び停止されることで、それら副給気手段ksや副排気手段krの運転に原因する対象室1での室圧変動が防止される。
【0035】
従って、このような連動手段10による室圧変動防止機能と、前記した開度状態制御手段bCの調整機能(即ち、定風量装置qCの設定風量qss,qrsを変更することで室圧調整ダンパVpの開度bが設定適正開度範囲Y内に調整されるようにする機能)との協働により、対象室1の室圧pを一層安定的に設定室圧psに保つことができる。
【0036】
そしてまた、製作誤差などに原因して副給気手段ksによる給気風量qs′と副排気手段krによる排気風量qr′とに誤差Δqsr′がある場合や、停止状態にある副給気手段ksでの漏洩給気風量qs″と停止状態にある副排気手段krでの漏洩排気風量qr″とに誤差Δqsr″がある場合において、それらの誤差Δqsr′、Δqsr″が原因で副給気手段ks及び副排気手段krの運転時や停止時に室圧変動が生じて室圧調整ダンパVpが設定適正開度範囲Yを逸脱する状態が生じるとしても、それら誤差Δqsr′、Δqsr″を開度状態制御手段bCによる定風量装置qCの設定風量変更をもって吸収する形態で、開度状態制御手段bCの調整機能により室圧調整ダンパVpを設定適正開度範囲Y側へ速やかに復帰させることができ、この点からも、対象室1の室圧pを一層安定的に設定室圧psに保つことができる。
【0037】
なお、この構成の実施において、副給気手段ksによる給気風量qs′や副排気手段krによる排気風量qr′を変更可能にする場合、それら副給気手段ksによる給気風量qs′と副排気手段krによる排気風量qr′とを、それらが等しい関係を保つように連動手段10により同期させて変更させるようにすればよい。
【0038】
また、この構成の実施において、副給気手段ksと副排気手段krと連動手段10とからなる副給排システムKは、1つの対象室1に対して1つの副給排システムKだけを装備するのに限らず、1つの対象室1に対して複数の副給排システムKを装備するようにしてもよい。
【0039】
各副給排システムKは、所謂ドラフトチャンバ、クリーンブース、クリーンベンチなどの局所換気装置を初め、どのような用途のものであってもよい。
【0040】
本発明の第6特徴構成は、第1〜第5特徴構成のいずれかの実施において、
前記開度状態制御手段は、
前記室圧調整ダンパの検出開度が設定適正開度範囲の上限値より大きいとき、前記定風量装置の設定風量を設定変更風量だけ減少側へ変更し、かつ、前記室圧調整ダンパの検出開度が設定適正開度範囲の下限値より小さいとき、前記定風量装置の設定風量を設定変更風量だけ増大側へ変更する設定変更制御を、設定インターバル時間ごとに繰り返して実行する構成にしてある点にある。
【0041】
この構成によれば(
図1参照)、何らかの原因で室圧変動が生じて室圧制御手段pCによる開度調整で室圧調整ダンパVpの開度bが設定適正開度範囲Yを逸脱することに対し、上記設定変更制御の繰り返しにより、室圧調整ダンパVpの開度bを上記設定変更風量Δqssに相当する開度分ずつ復帰側へ変化させる形態で、最終的に室圧調整ダンパVpの開度bを室圧制御手段Cpによる開度調整において設定適正開度範囲Y内に復帰させることができる。
【0042】
そして、この設定変更制御の繰り返し間隔である設定インターバル時間Ts及び各回の設定変更制御での変更幅である設定変更風量Δqssとして適当な時間及び風量を設定しておくことで、室圧変動に対する開度状態制御手段bCの動作遅れ(機能遅れ)を確実に防止して、室圧変動による室圧調整ダンパVpの開度変化に対し開度状態制御手段bCを遅滞なく良好に調整機能させることができる。
【0043】
また、この設定において設定変更風量Δqssを適当な小風量に制限して設定することで、その設定変更風量Δqssだけ定風量装置qCの設定風量qssを変更することが原因で生じる副次的な室圧変動を効果的に防止することができ、これらのことで、室圧変動で設定適正開度範囲Yから逸脱した室圧調整ダンパVpの開度bを遅れなくかつ安定的な状態で円滑に設定適正開度範囲Y内に復帰させることができる。
【0044】
本発明の第7特徴構成は、第1〜第5特徴構成のいずれかの実施において、
前記開度状態制御手段は、
前記室圧調整ダンパの検出開度が設定適正開度範囲の上限値より大きいとき、それら検出開度と上限値との差に応じた変更風量だけ前記定風量装置の設定風量を減少側へ連続的に変更し、
かつ、前記室圧調整ダンパの検出開度が設定適正開度範囲の下限値より小さいとき、それら検出開度と下限値との差に応じた変更風量だけ前記定風量装置の設定風量を増大側へ連続的に変更する構成にしてある点にある。
【0045】
この構成によれば(
図1参照)、何らかの原因で室圧変動が生じて室圧制御手段pCによる開度調整で室圧調整ダンパVpの開度bが設定適正開度範囲Yを逸脱することに対し、その逸脱量に応じた変更風量Δqss′だけ定風量装置qCの設定風量qssをダンパ開度復帰側へ連続的に変更するから、設定適正開度範囲Yから逸脱した室圧調整ダンパVpの開度bを室圧制御手段pCによる開度調整において一層速やかかつ的確に設定適正開度範囲Y内に復帰させることができる。
【0046】
そして、このように定風量装置qCの設定風量qssを連続的に変更する際の変更速度(即ち、設定風量qssの単位時間当たりの変更量)を適当な緩速度に制限して設定しておくことで、その設定風量qssの変更が原因で生じる副次的な室圧変動も効果的に防止することができる。
【0047】
本発明の第8特徴構成は、第7特徴構成の実施において、
対象室における総給排気風量差と前記室圧調整ダンパの開度との相関を記憶する記憶手段を装備し、
前記開度状態調整手段は、この記憶手段が記憶する前記相関において前記室圧調整ダンパの検出開度に対応する前記総給排気風量差と等しい風量を前記変更風量とする構成にしてある点にある。
【0048】
この構成によれば(
図1参照)、何らかの原因で室圧変動が生じて室圧制御手段pCによる開度調整で室圧調整ダンパVpの開度bが設定適正開度範囲Yを逸脱することに対し、対象室における総給排気風量差ΔQsrと室圧調整ダンパVpの開度bの相関Lにおいて室圧調整ダンパVpの検出開度bに対応する総給排気風量差ΔQsrと等しい変更風量Δqss′だけ定風量装置qCの設定風量qssをダンパ開度復帰側(即ち、総給排気風量差ΔQsrの解消側)へ変更するから、設定適正開度範囲Yから逸脱した室圧調整ダンパVpの開度bを室圧制御手段pCによる開度調整においてさらに速やかかつ的確に設定適正開度範囲Y内に復帰させることができる。
【0049】
なお、対象室1における総給排気風量差ΔQsrとは、前記の副給気手段ksや副排気手段krがある場合(
図1参照)、それら副給気手段ksによる給気風量qs′や副排気手段krによる排気風量qr′を含む対象室全体としての給気風量Qsと排気風量Qrとの差であり、また、この場合、副給気手段ksによる給気風量qs′と副排気手段krによる排気風量qr′とは互いに異なる風量であってもよく、さらにまた、副給気手段ksと副排気手段krとのいずれか一方のみを対象室1に装備するシステム構成であってもよい。
【0050】
本発明の第9特徴構成は第8特徴構成の室圧制御システムの運転方法に係り、その特徴は、
前記定風量装置及び前記室圧調整ダンパにより風量調整される対象室への給気及び対象室からの排気とは別に、対象室へ所定風量を給気する副給気手段又は対象室から所定風量を排気する副排気手段を備えるシステム構成において、
これら副給気手段又は副排気手段を運転したときに対象室で生じる総給排気風量差及びその時の前記室圧調整ダンパの開度を測定し、
その測定結果に基づき求めた対象室における総給排気風量差と前記室圧調整ダンパの開度との相関を前記記憶手段に記憶させておく点にある。
【0051】
つまり、この構成によれば(
図1参照)、副給気手段ks又は副排気手段krの運転により対象室全体としての給気風量Qsと排気風量Qrとに差ΔQsrを生じさせて、その差ΔQsrの測定値とその時の室圧調整ダンパVpの測定開度bとに基づき、それら総給排気風量差ΔQsrとダンパ開度bとの相関Lを求めるから、対象室全体としての給気風量Qsと排気風量Qrとに差を生じさせる専用手段の装備を不要にすることができ、また、副給気手段ksによる給気風量qs′の測定や副排気手段krによる排気風量qr′の測定だけで対象室1における総給排気風量差ΔQsrを知ることもでき、これらのことから、上記相関Lを容易に求めることができて第8特徴構成の実施を容易にすることができる。
【0052】
なお、給排気風量qs′,qr′を等しくした副給気手段ksと副排気手段krとを連動手段10により同期させて運転する場合でも、それら給気風量qs′と排気風量qr′との間には一般に誤差Δqsr′があることが多い、従って、上記構成の実施においては、給排気風量qs′,qr′を等しくした副給気手段ksと副排気手段krとを連動手段10により同期させて運転することで上記総給排気風量差ΔQsrを生じさせる実施形態を採用してもよい。