(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記一方のタイヤ構成部材、及び前記他方のタイヤ構成部材を形成する前記熱可塑性材料と、前記溶着用の熱可塑性材料とは、同種の熱可塑性材料である、請求項1に記載のタイヤ。
前記タイヤ構成部材は、リムのビードシート、及びリムフランジに接触するビード部をタイヤ径方向内側に備え、前記ビード部に環状のビードコアが埋設されている、請求項1または請求項2に記載のタイヤ。
前記タイヤ構成部材には、路面と接触する部分に前記熱可塑性材料よりも耐摩耗性に優れたゴムからなるトレッドゴム層が設けられ、前記トレッドゴム層が前記第1の溶着部及び前記第2の溶着部を覆っている、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載のタイヤ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
熱可塑性の高分子材料を用いたタイヤは、ゴム製の従来タイヤ対比で製造が容易で、低コストである。
ところで、タイヤを金型で成形するにあたり、中子でタイヤ内腔部を形成すると、成形後のタイヤから中子を取り出せなくなる問題がある。そのため、特許文献1では、タイヤを軸方向に分割した半環状のタイヤ片を成形し、2つのタイヤ片を互いに接合することで空気入りタイヤを得ている。
【0006】
そして、タイヤ片の接合は、一方のタイヤ片と他方のタイヤ片の接合部分周辺を金型自身で加熱、あるいは高周波加熱機等により加熱し、タイヤ片を構成している熱可塑性の高分子材料を溶融、流動させることで行われている。
しかしながら、一度成形したタイヤ片を金型を用いて再び加熱して溶融させると、接合部分が長時間熱にさらされて、溶融して固化した部分の材料強度が熱劣化により他の部分に比較して低下する場合があり、改善の余地がある。
【0007】
本発明は、上記問題を解決すべく成されたもので、接合部分の強度を確保したタイヤを提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載のタイヤは、熱可塑性材料で形成されタイヤ赤道面を挟んでタイヤ一方側を構成する一方のタイヤ構成部材及びタイヤ赤道面を挟んでタイヤ他方側を構成する他方のタイヤ構成部材と、前記一方のタイヤ構成部材と前記他方のタイヤ構成部材で構成されるタイヤ内面側、かつタイヤ赤道面上に設けられ、前記一方のタイヤ構成部材の一部分と前記他方のタイヤ構成部材の一部分と
に設けられタイヤ内面側が凸状、タイヤ外面側が凹状とされた第1の溶着部と、タイヤ外面側、かつタイヤ赤道面上に設けられ、前記第1の溶着部の凹状部分
の表面に溶着用の熱可塑性材料
で形成された第2の溶着部と、を備え、前記第1の溶着部、及び前記第2の溶着部は、
それぞれタイヤ赤道面を挟んで左右対称形状である。
【0009】
請求項1に記載のタイヤは、一方のタイヤ構成部材の一部分と他方のタイヤ構成部材の一部分
とに第1の溶着部
が設けられ、第1の溶着部の表面に溶着用の熱可塑性材料
で形成された第2の溶着部が形成されている。
タイヤ構成部材自身を溶融して溶着し、さらに、別体の溶着用の熱可塑性材料を補充して溶着を行うので、何れか一方の溶着のみの場合に比較して接合部分の強度を向上することができる。
これにより、一方のタイヤ構成部材と他方のタイヤ構成部材とが強固に溶着される。
【0011】
請求項1に記載のタイヤでは、第2の溶着部をタイヤ外面側に設けたので、第2の溶着部をタイヤ内面側に設ける場合に比較して、溶着用の熱可塑性材料をタイヤ構成部材に溶着させる作業が容易となる。
【0013】
請求項1に記載のタイヤでは、第1の溶着部はタイヤ内面側が凸状、タイヤ外面側が凹状とされている。そして、第1の溶着部の凹状部分に溶着用の熱可塑性材料が充填されて第2の溶着部を構成している。
凹状とされた部分に溶着用の熱可塑性材料を充填して凹状部分を埋めるので、タイヤ外面を平坦にすることができる。
【0014】
凹状部分に溶着用の熱可塑性材料を充填してタイヤ構成部材の熱可塑性材料と溶着用熱可塑性材料とを溶着することで、平坦な部分で溶着用の熱可塑性材料を溶着する場合に比較して溶接用の熱可塑性材料の付着する面積を大きくとることができ、平坦な部分で溶着用の熱可塑性材料を溶着する場合に比較して溶着強度を高めることができる。
さらに、第1の溶着部はタイヤ内面側に凸状とされているので、凸状とされていない場合に比較して溶着部分の体積が増えており、溶着強度を高めることができる。
請求項1に記載のタイヤでは、一方のタイヤ構成部材でタイヤ赤道面を挟んでタイヤ一方側を構成し、他方のタイヤ構成部材でタイヤ赤道面を挟んでタイヤ他方側を構成し、第1の溶着部、及び第2の溶着部をタイヤ赤道面上に設けることで、タイヤとして左右対称構造となっている。また、第1の溶着部、及び第2の溶着部の形状を、タイヤ赤道面を挟んで左右対称形状とすることで、タイヤの左右の重量バランスを取る事ができる。
【0019】
請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載のタイヤにおいて、前記一方のタイヤ構成部材、及び前記他方のタイヤ構成部材を構成する前記熱可塑性材料と、前記溶着用の熱可塑性材料とは、同種の熱可塑性材料である。
【0020】
請求項2に記載のタイヤでは、一方のタイヤ構成部材、及び他方のタイヤ構成部材を構成する熱可塑性材料と、溶着用の熱可塑性材料とが同種の熱可塑性材料とされているので、第2の溶着部において、タイヤ構成部材の熱可塑性材料と溶着用の熱可塑性材料との相溶性が良好に発揮され、高い溶着強度を得ることができる。
【0021】
請求項3に記載の発明は、
請求項1または請求項2に記載のタイヤにおいて、前記タイヤ構成部材は、リムのビードシート、及びリムフランジに接触するビード部をタイヤ径方向内側に備え、前記ビード部に環状のビードコアが埋設されている。
【0022】
請求項3に記載のタイヤでは、リムとの嵌合部位であるビード部に、環状のビードコアが埋設されているので、従来のゴム製の空気入りタイヤと同様に、リムに対してタイヤを強固に保持することが出来る。
【0023】
請求項4に記載の発明は、
請求項3に記載のタイヤにおいて、リムと接触する部分に、前記熱可塑性材料よりもシール性に優れたゴムからなるシール部が設けられている。
【0024】
請求項4に記載のタイヤでは、リムと接触する部分に、熱可塑性材料よりも軟質な材料からなるシール部が設けられているので、タイヤとリムとの間のシール性(気密性)が向上する。このため、リムと熱可塑性材料とでシールする場合に比較して、タイヤ内の空気の漏れをより一層抑えることができる。また、シール部を設けることで、リムフィット性も向上する。
【0025】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載のタイヤにおいて、前記熱可塑性材料よりも剛性の高い
螺旋状に巻回しているコードにより形成された補強層が前記タイヤ構成部材のタイヤ外周部に設けられている。
【0026】
請求項5に記載のタイヤでは、熱可塑性材料よりも剛性の高い
螺旋状に巻回しているコードにより形成された補強層がタイヤ外周部に設けられているので、タイヤの路面と接地する側が補強される。なお、この補強層は、ゴム製の空気入りタイヤのベルトに相当する役目をする。したがって、タイヤの外周部に補強層を設けることで、補強層を設け無い場合に比較して耐パンク性、耐破壊性、周方向剛性、クリープ防止効果等が向上する。
【0027】
請求項6に記載の発明は、
請求項1〜請求項5の何れか1項に記載のタイヤにおいて、前記タイヤ構成部材には、路面と接触する部分に前記熱可塑性材料よりも耐摩耗性に優れたゴムからなるトレッドゴム層が設けられ、前記トレッドゴム層が前記第1の溶着部及び前記第2の溶着部を覆っている。
【0028】
請求項6に記載のタイヤでは、路面と接触する部分に、熱可塑性材料よりも耐摩耗性に優れたゴムからなるトレッドゴム層が設けられているので、路面と接触する部分にゴムを設けない場合に比較して、耐摩耗性、耐破壊性等が向上する。また、溶着部分がトレッドゴム層で保護される。
【発明の効果】
【0029】
請求項1に記載のタイヤは上記構成としたので、熱可塑性材料からなるタイヤ構成部材の接合部分の強度を確保できる、という優れた効果を有する。
【0030】
請求項1に記載のタイヤは上記構成としたので、溶着用の熱可塑性材料をタイヤ構成部材に溶着させる作業を容易にできる。
【0032】
請求項1に記載のタイヤは上記構成としたので、タイヤの左右の性能を同一にできる。
【0033】
請求項1に記載のタイヤは上記構成としたので、タイヤの左右の重量バランスが良好になる。
【0034】
請求項2に記載のタイヤは上記構成としたので、高い溶着強度を得ることができる。
【0035】
請求項3に記載のタイヤは上記の構成としたので、リムに対してタイヤを強固に保持することが出来る。
【0036】
請求項4に記載のタイヤは上記の構成としたので、タイヤ内の空気の漏れをより一層抑えることができ、また、リムフィット性を向上することができる。
【0037】
請求項5に記載のタイヤは上記の構成としたので、補強層を設け無い場合に比較して耐パンク性、耐破壊性、周方向剛性、クリープ防止効果等を向上することができる。
【0038】
請求項6に記載のタイヤは上記の構成としたので、耐摩耗性、耐破壊性を向上することができる。また、溶着部分がトレッドゴム層で保護される。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下に、図面にしたがって本発明のタイヤの一実施形態に係るタイヤを説明する。
図1に示すように、本実施形態のタイヤ10は、従来一般のゴム製の空気入りタイヤと略同様の断面形状を呈している。
タイヤ10は、リム20のビードシート部21、及びリムフランジ22に接触する1対のビード部12、ビード部12からタイヤ径方向外側に延びるサイド部14、一方のサイド部14のタイヤ径方向外側端と他方のサイド部14のタイヤ径方向外側端とを連結するクラウン部16からなるタイヤケース(タイヤ骨格部材)17を備えている。
【0041】
本実施形態のタイヤケース17は、第1の熱可塑性材料で形成されている。
本実施形態のタイヤケース17は、一つのビード部12、一つのサイド部14、及び半幅のクラウン部16が一体としてモールド等で成形された同一形状とされた円環状の、タイヤ構成部材としてのタイヤ半体17Aを互いに向かい合わせてタイヤ赤道面部分で接合することで形成されており、リムとの間で空気室を形成する。なお、タイヤケース17は、2つの部材を接合して形成するものに限らず、例えば、一方のビード部12とサイド部14と一体とした第1の部材、トレッド部(タイヤ外周部)に対応する第2の部材、及び他方のビード部12とサイド部14とを一体とした第3の部材等、3以上の部材を接合して形成しても良く、1対のビード部12、1対のサイド部14、及びクラウン部16を一体で成形したものであっても良い。
【0042】
また、タイヤケース17(例えば、ビード部12、サイド部14、クラウン部16等)に、補強材(高分子材料や金属製の繊維、コード、不織布、織布等)を埋設配置し、補強材でタイヤケース17を補強しても良い。
【0043】
第1の熱可塑性材料としては、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー(TPE)等を用いることができるが、走行時に必要とされる弾性と製造時の成形性等を考慮すると熱可塑性エラストマーを用いることが好ましい。
【0044】
熱可塑性エラストマーとしては、例えば、JIS K6418に規定されるアミド系熱可塑性エラストマー(TPA)、エステル系熱可塑性エラストマー(TPC)、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、スチレン系熱可塑性エラストマー(TPS)、ウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)、熱可塑性ゴム架橋体(TPV)、若しくはその他の熱可塑性エラストマー(TPZ)等が挙げられる。特に、一部ゴム系の樹脂が混錬されているTPVが好ましい。
また、熱可塑性樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、オレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂等が上げられる。
【0045】
これらの熱可塑性材料としては、たとえば、ISO75−2又はASTM D648に規定される荷重たわみ温度(0.45MPa荷重時)が78°C以上、JIS K7113に規定される引張降伏強さが10MPa以上、同じくJIS K7113に規定される引張降伏伸びが10%以上、同じくJIS K7113に規定される引張破壊伸び(JIS K7113)が50%以上、JIS K7206に規定されるビカット軟化温度(A法)が130°C以上であるものを用いることができる。
【0046】
第1の熱可塑性材料からなるタイヤ半体17Aは、例えば、真空成形、圧空成形、インジェクション成形、メルトキャスティング等で成形することができ、ゴムで成形(加硫)する場合に比較して、製造工程を大幅に簡略化でき、成形時間も短くて済む。
【0047】
また、本実施形態では、タイヤ半体17Aは左右対称形状、即ち、一方のタイヤ半体17Aと他方のタイヤ半体17Aとが同一形状とされているので、タイヤ半体17Aを成形する金型が1種類で済むメリットがある。
【0048】
本実施形態のビード部12には、従来一般の空気入りタイヤと同様の、スチールコードからなる円環状のビードコア18が埋設されているが、ビード部12の剛性が確保され、リム20との嵌合に問題なければビードコア18は省略しても良い。なお、ビードコア18は、有機繊維コード等、スチール以外のコードや材料で形成されていても良い。
【0049】
本実施形態では、ビード部12のリム20との接触部分、少なくともリム20のリムフランジ22と接触する部分に、第1の熱可塑性樹脂よりも軟質な材料であるシール性(気密性)に優れたゴムからなる円環状のシール層24が形成されている。このシール層24はビードシートと接触する部分にも形成されていても良い。シール層24を形成するゴムとしては、従来一般のゴム製の空気入りタイヤのビード部外面に用いられているゴムと同種のゴムを用いることが好ましい。熱可塑性樹脂のみでリム20との間のシール性(気密性)が確保できれば、ゴムのシール層24は省略しても良く、サイド部14を形成している第1の熱可塑性樹脂よりもシール性(気密性)に優れる他の種類の熱可塑性樹脂を用いても良い。
【0050】
クラウン部16には、螺旋状に巻回されたスチールの補強コード26からなるクラウン部補強層28が埋設されている。なお、補強コード26は、全体がクラウン部16に埋設されていても良く、一部分がクラウン部16に埋設されていても良い。このクラウン部補強層28は、従来のゴム製の空気入りタイヤのカーカスの外周面に配置されるベルトに相当するものである。
なお、補強コード26を樹脂材料で被覆し、樹脂材料で被覆された補強コード26をクラウン部16に巻き付ける事でクラウン部補強層28を形成することもできる。この場合
、補強コード26を被覆する樹脂材料は、クラウン部16との接触部位において、クラウン部16と溶着または接着にて接合されている。
【0051】
なお、補強コード26の埋設量は、補強コード26の直径の1/5以上であれば好ましく、1/2を超えることがさらに好ましい。そして、補強コード26全体がクラウン部16に埋設されることが最も好ましい。補強コード26の埋設量が、補強コード26の直径の1/2を超えると、補強コード26が寸法上、表面から飛び出し難くなる。また、補強コード26全体がクラウン部16に埋設されると、表面がフラットになり、上に部材の載ってもエア入りし難くなる。
【0052】
クラウン部補強層28の外周側には、サイド部14を形成している第1の熱可塑性材料よりも耐摩耗性に優れたゴムからなるトレッドゴム層30が配置されている。トレッドゴム層30に用いるゴムは、従来のゴム製の空気入りタイヤに用いられているゴムと同種のゴムを用いることが好ましい。なお、サイド部14を形成している第1の熱可塑性材料よりも耐摩耗性に優れる他の種類の熱可塑性材料からなるトレッド層を外周部に設けても良い。
【0053】
(タイヤの製造装置)
次に、本実施形態のタイヤ10の製造装置を説明する。
図2には、タイヤ10を形成する際に用いる成形機32の要部が斜視図にて示されている。成形機32は、床面に接地された台座34の上部に、水平に配置された軸36を回転させるギヤ付きモータ37が取り付けられている。
【0054】
軸36の端部側には、タイヤ支持部40が設けられている。タイヤ支持部40は、軸36に固定されたシリンダブロック38を備え、シリンダブロック38には径方向外側に延びる複数のシリンダロッド41が周方向に等間隔に設けられている。
シリンダロッド41の先端には、外面がタイヤ内面の曲率半径と略同等に設定された円弧曲面42Aを有するタイヤ支持片42が設けられている。
【0055】
図2、及び
図3(A)は、シリンダロッド41の突出量が最も小さい状態(タイヤ支持部40が最小径の状態)を示しており、
図3(B)はシリンダロッド41の突出量が最も大きい状態(タイヤ支持部40が最大径の状態)を示している。
各シリンダロッド41は連動して同一方向に同一量移動可能となっている。
【0056】
図4に示すように、成形機32の近傍には、溶着用熱可塑性材料43を押し出す押出機44が配置されている。押出機44は、溶融した溶着用熱可塑性材料43を下方に向けて吐出する樹脂吐出用ノズル46を備えている。
【0057】
溶着用熱可塑性材料43は、タイヤケース17を構成している第1の熱可塑性材料と同種のものが好ましいが、溶着できれば異なる種類のものであっても良い。溶着用熱可塑性材料43と第1の熱可塑性材料とを同種の材料とすれば、溶着用熱可塑性材料43と第1の熱可塑性材料との溶着強度を高くなる。また、溶着用熱可塑性材料43と第1の熱可塑性材料とを同種の材料とすれば、タイヤケース17を全体として1種類の熱可塑性材料で構成できるので、低コストとなる。また、異種材料とすれば、タイヤ骨格部材用の第1の熱可塑性材料と接合用の溶着用熱可塑性材料43との、それぞれに対して好ましい特性を有する材料とすることが可能である。
【0058】
また、溶着用熱可塑性材料43は、第1の熱可塑性材料に対して、ヤング率で0.1〜10倍の範囲内が好ましい。なお、ヤング率で10倍以下ではリム組み性に問題は無いが、10倍を超えるとタイヤクラウン部が硬くなり過ぎて強引にリム組みすると、溶着部分が割れる虞がある。一方、ヤング率で0.1倍未満では、溶着用熱可塑性材料43が軟らかすぎて、内圧充填時にタイヤに生ずるタイヤ幅方向の張力でセンター部のみがタイヤ幅方向に伸びてしまい、タイヤ10が変形する虞がある。
【0059】
樹脂吐出用ノズル46の近傍には、タイヤケース17の回転方向下流側(矢印A方向側)に、タイヤ外面に付着させた溶着用熱可塑性材料43を押圧して均しローラ48、及び均しローラ48を上下方向に移動するシリンダ装置50が配置されている。シリンダ装置50は、図示しないフレームを介して押出機44の支柱52に支持されている。
【0060】
なお、本実施形態の均しローラ48は、ローラ内部に冷却水が循環されており、冷却水によって水冷されている。均しローラ48を水冷するには、均しローラ48の内部及び軸を中空構造とし、軸の両端に回転継手を介して配管を接続し、一方の回転継手側から冷却水をローラ内部へ供給し、他方の回転継手側から使用後の冷却水を排出すれば良い。
【0061】
均しローラ48の タイヤ骨格部材回転方向下流側には、冷却用の空気を噴出する冷却エアー噴出ノズル45が配置されている。
【0062】
また、樹脂吐出用ノズル46のタイヤケース回転方向側とは反対方向側(矢印A方向とは反対方向側)には、熱鏝47が配置されている。
図5に示すように、熱鏝47は、金属材料から形成されており、内部には図示しない電気ヒータが内蔵されている。本実施形態の熱鏝47は、全体が板形状を呈しており、下面には前述したドラム22の外周面の接線方向と平行とされるリブ47Aが形成されている。なお、熱鏝47は、熱可塑性材料の融点以上の温度に加熱することが出来る。
【0063】
図4,5に示すように、熱鏝47の上方には、熱鏝47を上下方向に移動するシリンダ装置51が配置されている。シリンダ装置51は、図示しないフレームを介して押出機44の支柱52に支持されている。
【0064】
なお、この押出機44は、床面に配置されたガイドレール54に沿って、成形機32の軸36と平行な方向に移動可能となっている。
ガイドレール54には、
図6に示すような、リール58、コード加熱装置59等を備えたコード供給装置56が移動可能に搭載されている。
【0065】
コード供給装置56は、補強コード26を巻き付けたリール58、リール58のコード搬送方向下流側に配置されたコード加熱装置59、補強コード26の搬送方向下流側に配置された第1のローラ60、第1のローラ60をタイヤ外周面に対して接離する方向に移動する第1のシリンダ装置62、第1のローラ60の補強コード26の搬送方向下流側に配置される第2のローラ64、及び第2のローラ64をタイヤ外周面に対して接離する方向に移動する第2のシリンダ装置66を備えている。なお、コード供給装置56は、第1のローラ60、及び第2のローラ64の何れか一方が設けられていれば良い。
【0066】
また、コード加熱装置59は、熱風を生成する図示しないヒーター、及びファンと、内部に熱風が供給され、内部空間を補強コード26が通過する加熱ボックス68と、加熱された補強コード26を排出する排出部70を備えている。
【0067】
(タイヤの製造方法)
(1)
図2に示すように、先ず、径を縮小したタイヤ支持部40の外周側に、互いに向かい合わせに2つのタイヤ半体17Aを配置すると共に、2つのタイヤ半体17Aの内部に、薄い金属板(例えば、厚さ0.5mmの鋼板)からなる筒状のタイヤ内面支持リング72を配置する(なお、
図2では、内部を見せるために一方のタイヤ半体17Aを外して記載されている。)。
【0068】
図7の断面図に示すように、本実施形態のタイヤ半体17Aは、タイヤ赤道面CL側の形状がテーパー形状となっている。本実施形態のタイヤ半体17Aは、内周面がタイヤ赤道面側において平坦(タイヤ回転軸に対して平行)であり、外周面にタイヤ赤道面CL側の端部に向かうにしたがってタイヤ径が小さくなる方向となる外側傾斜面17Aaが形成されている。
【0069】
本実施形態では、互いに向かい合わせに2つのタイヤ半体17Aを配置する際に、一方のタイヤ半体17Aの端部と他方のタイヤ半体17Aの端部とを突き合わせて接触させているが、若干の隙間を開けても良い。
【0070】
タイヤ内面支持リング72の外径は、タイヤ半体17Aの外周部分の内径と略同一寸法に設定されており、タイヤ内面支持リング72の外周面が、タイヤ半体17Aの外周部分の内周面に密着するようになっている。
【0071】
図7、及び
図8に示すように、タイヤ内面支持リング72の外周面には、幅方向中央部に周方向に沿って連続して延びる環状溝72Aが形成されている。本実施形態の環状溝72Aは、断面形状が略半円形であるが、半円形状以外の形状であっても良い。
【0072】
2つのタイヤ半体17Aの内部に、筒状のタイヤ内面支持リング72を配置することで、タイヤ半体17A同士の接合部の内面側がタイヤ内面支持リング72の外周面に密着し、タイヤ支持部40のタイヤ支持片42とタイヤ支持片42との間の隙間(凹部)によりタイヤ支持部外周に生ずるタイヤ周方向の凹凸に起因する接合部分(後述)の凸凹(前記凹凸の逆形状)の発生を抑制することができ、タイヤケース17自身のタイヤ周方向の凹凸も抑制できる。
なお、タイヤ内面支持リング72は薄い金属板で形成されているため、曲げ変形させてタイヤ半体17Aの内部に容易に挿入可能である。
【0073】
そして、
図8に示すように、タイヤ支持部40の径を拡大して、タイヤ内面支持リング72の内周面に複数のタイヤ支持片42を接触させて、複数のタイヤ支持片42によってタイヤ内面支持リング72を内側から保持する(
図8では、内部を見せるために両方のタイヤ半体17Aを外して記載している。)。なお、タイヤ内面支持リング72の内周面において、環状溝72Aの裏側が凸形状となる場合、この凸形状を逃げるようにタイヤ支持片42の外周面に溝を形成すれば良い。
【0074】
本実施形態では、タイヤ内面支持リング72を曲げ変形させるために薄い金属板で形成したが、タイヤ内面支持リング72は中空の剛体であっても良い。
このようにして2つのタイヤ半体17Aを互いに向かい合わせて支持するので、タイヤ半体17Aのタイヤ赤道面側の端部同士を1周分精度良く合わせることができる。
【0075】
(2) 次に、押出機44を移動して、
図4に示すように、2つのタイヤ半体17Aの突き当て部分(タイヤケース17のタイヤ赤道面CL)を、熱鏝47、樹脂吐出用ノズル46、均しローラ48及び冷却エアー噴出ノズル45の下方に配置する。
【0076】
(3) 次に、熱鏝47、及び均しローラ48を下降させる。
図9(A)に示す状態から熱鏝47を下降させ、
図9(B)に示すように、熱鏝47を2つのタイヤ半体17Aの突き当て部分外周に押付ける。
【0077】
(4) タイヤ支持部40で支持されたタイヤケース17を矢印A方向に回転させながら熱鏝47で押付けた部分、即ち、一方のタイヤケース17の端部と他方のタイヤケース17の端部とはタイヤ赤道面CL上で順次溶融され、端部同士は、境界を生ずることなく順次完全に溶着される(
図9(B)において、網点部分が溶融している箇所を示しており、この部分が本発明の第1の溶着部となる。この第1の溶着部は、タイヤ赤道面CLを挟んで左右対称形状である。)。
なお、本実施形態では、下面にリブ47Aの形成された熱鏝47を溶着部分に押圧しているので、溶融した部分は、タイヤ内面側が環状溝72Aに密着して周方向に沿って凸形状となり、また、タイヤ外面側の溶着部分表面には周方向に沿って凹部が形成される。
【0078】
(5) タイヤ支持部40の回転により、溶融された部分は回転方向下流側(矢印A方向側)へ移動し、樹脂吐出用ノズル46から押し出された溶融された溶着用熱可塑性材料43が溶着部分のタイヤ外面側の凹部上に順次供給(充填)される。これにより、タイヤケース17の溶融した部分と溶融された溶着用熱可塑性材料43とが溶着され、溶着部分においては凹部が完全に消滅すると共に、
図9(C)に示すように溶融された溶着用熱可塑性材料43によってなだらかな凸部がタイヤ外面側に形成される。なお、溶着用熱可塑性材料43の溶着した部分が、本発明の第2の溶着部となる。この第2の溶着部は、タイヤ赤道面CLを挟んで左右対称形状である。
【0079】
(6) その後、溶融状態の溶着用熱可塑性材料43は、
図9(D)に示すように、均しローラ48によって径方向外側から内側へ向けて順次押し付けられ、表面がほぼ平らに均される。
このように、本実施形態のタイヤの製造方法では、一方のタイヤ半体17Aと他方のタイヤ半体17Aとを完全に溶着させてタイヤ内面側へ凸形状とし、タイヤ外面側を凹形状とした後に、さらに、溶着部分の凹状部分に溶融状態の溶着用熱可塑性材料43を供給して盛り上げ、溶着部分の厚みを増しているので、高い接合強度が得られており、特に曲げ変形、及び引っ張りに強くなっている。
【0080】
なお、接着前のタイヤ半体17Aにおいて、接合部位は、アルコール等の溶剤で洗浄しておくことが好ましい。また、接着前のタイヤ半体17Aにおいて、溶着用熱可塑性材料43が付着し易い様に、接合部位にコロナ処理や紫外線処理等を行っても良い。
【0081】
その後、
図9(E)に示すように、タイヤ半体17Aに付着した溶着用熱可塑性材料43は固化し、一方のタイヤ半体17Aと他方のタイヤ半体17Aとが強固に接合され、2つのタイヤ半体17Aが完全に一体化したタイヤケース17が得られる。
なお、
図9(F)に示すように、溶着用熱可塑性材料43が突出しないように溶着用熱可塑性材料43の充填量を調整しても良く、突出した溶着用熱可塑性材料43の表面を削り取り、溶着用熱可塑性材料43の表面をタイヤケース17の表面と面一にしても良い。
【0082】
なお、本実施形態では、溶着部分に対して水冷した均しローラ48を接触させ、かつ冷却エアー噴出ノズル45から噴出する冷却用の空気を当てることで、溶着部分を迅速に冷却固化している。溶着部分は自然冷却により固化させることも可能であるが、固化するまでに長い時間がかかると、溶着部分が変形等する場合がある。
【0083】
したがって、溶着した後の変形等を抑えるために、本実施形態では、水冷した均しローラ48と、冷却エアー噴出ノズル45から噴出する冷却用の空気とを用いて溶着部分の強制冷却を行っている。なお、冷却エアー噴出ノズル45に代えて更に水冷した均しローラ48を増設しても良い。
【0084】
(7) 次に、押出機44を退避させて、コード供給装置56をタイヤ支持部40の近傍に配置する。
図6に示すように、タイヤケース17を矢印A方向に回転させ、コード供給装置56の排出部70から排出された加熱された補強コード26をタイヤケース17の外周面に螺旋状に巻き付けてクラウン部補強層28を形成する。補強コード26をタイヤケース17の外周面に螺旋状に巻き付けるには、タイヤケース17を回転しながら、コード供給装置56をタイヤケース17の軸方向に移動させれば良い。
【0085】
補強コード26を第1の熱可塑性材料の融点よりも高温に加熱(例えば、補強コード26の温度を100〜200°C程度に加熱)することで、補強コード26が接触した部分の第1の熱可塑性材料が溶融し、タイヤケース17の外周面に補強コード26の一部または全体を埋設することができる。
【0086】
本実施形態では、補強コード26は、第1のローラ60、及び第2のローラ64に押圧されて第1の熱可塑性材料内部に埋設される。
補強コード26の埋設量は、補強コード26の温度、補強コード26に作用させるテンション等によって調整することができる。なお、補強コード26に作用させるテンションは、例えば、リール58にブレーキを掛ける、補強コード26の搬送経路途中にテンション調整用ローラを設ける等して調整可能である。
【0087】
(8) 次に、タイヤケース17の外周面に、加硫済みの帯状のトレッドゴム層30を1周分巻き付けてタイヤケース17の外周面にトレッドゴム層30を接着剤や未加硫ゴム(未加硫ゴムを用いる場合、接着するための加硫は後工程で行う。)等を用いて接着する。なお、トレッドゴム層30は、例えば、従来知られている更生タイヤに用いられるプレキュアトレッドを用いることができる。本工程は、更生タイヤの台タイヤの外周面にプレキュアトレッドを接着する工程と同様の工程である。
【0088】
接着剤としては、トリアジンチオール系接着剤、塩化ゴム系接着剤、フェノール系樹脂接着剤、イソシアネート系接着剤、ハロゲン化ゴム系接着剤などを用いることができる。接着力を向上させるためには、接着剤を塗布した後に、ある程度乾燥させておくことが好ましい。このため、接着剤を塗布する際には、湿度70%以下の雰囲気で行うことが好ましい。
【0089】
また、トレッドゴム層30を接着する部位は、予めバフして表面を粗し、アルコール等の溶剤で洗浄しておくことが好ましい。また、接着前のタイヤ半体17Aにおいて、溶着用熱可塑性材料43が付着し易い様に、接合部位にコロナ処理や紫外線処理等を行っても良い。
【0090】
(9) タイヤケース17のビード部12に、加硫済みのゴムからなるシール層24を接着剤等を用いて接着すれば、
図1に示すタイヤ10の完成となる。
(10) 最後に、タイヤ支持部40の径を縮小し、完成したタイヤ10をタイヤ支持部40から取り外し、内部のタイヤ内面支持リング72を曲げ変形させてタイヤ外へ取り外す。
【0091】
(作用)
次に、本実施形態のタイヤ10の作用を説明する。
本実施形態のタイヤ10では、タイヤ半体17Aの接合部分において、一方のタイヤ半体17Aと他方のタイヤ半体17Aとを予め溶着させ、該溶着部分に更に溶着用熱可塑性材料43を溶着させているので高い接合強度が得られている。
【0092】
なお、溶融させた第1の熱可塑性材料に対して溶融させた溶着用熱可塑性材料43を溶着させることで、第1の熱可塑性材料に対して溶着用熱可塑性材料43との親和性(相溶性)が高まり、第1の熱可塑性材料を溶融しない場合に比較して、第1の熱可塑性材料と溶着用熱可塑性材料43との間で高い接合強度が得られる。例えば、
図10(A)に示すように、一方の部材100の溶融していない端部と他方の部材102の溶融していない端部とを間隔を開けて配置し、
図10(B)に示すように、端部間、及び端部周囲に溶融させた熱可塑性材料104を付着させて固化させた場合、接合部分の内部に部材の端部の角部分が残っているため、大きな応力が作用した場合、角部分が破壊核となって角部分から破壊し易くなる。
【0093】
なお、本実施形態では、タイヤ半体17Aの端部を溶融しているが、溶着用熱可塑性材料43を付着させて直ちに冷却しているので、第1の熱可塑性材料の劣化は抑制されている。
本実施形態では、同一形状のタイヤ半体17Aを互いに向かい合わせてタイヤケース17を形成しているため、タイヤ半体17Aの成形用の金型は1種類で済む。即ち、一方のタイヤ半体17Aと他方のタイヤ半体17Aで金型の形状を変えなくても左右対称のタイヤ10を製造することができる。
【0094】
本実施形態のタイヤ10では、トレッド部を除く略全体を第1の熱可塑性材料で形成したので、真空成形、圧空成形、インジェクション成形等で成形することができ、ゴム製の空気入りタイヤに比較して、製造工程を大幅に簡略化できる。
本実施形態のタイヤ10では、ビード部12にビードコア18を埋設しているので、従来のゴム製の空気入りタイヤと同様に、リム20に対する嵌合強度を確保できる。
【0095】
本実施形態のタイヤ10では、タイヤ構成材料の中で第1の熱可塑性材料の占める割合が大きいので、リサイクル性が良好である。
【0096】
第1の熱可塑性材料よりも剛性の高い補強コード26を螺旋状に巻回することで形成されたクラウン部補強層28をクラウン部16に設けることで、クラウン部16が補強され、耐パンク性、耐破壊性、周方向剛性、クリープ防止効果等が向上する。
リム20と接触する部分、特にはリムフランジ22と接触する部分に、第1の熱可塑性材料よりもシール性(気密性)に優れたゴムからなるシール層24を設けているので、従来のゴム製の空気入りタイヤと同様のシール性が得られる。
【0097】
本実施形態のタイヤ10では、従来のゴム製の空気入りタイヤのトレッドに用いられているゴムと同種のゴムからなるトレッドゴム層30を供えているので、従来のゴム製の空気入りタイヤと同等の耐摩耗性、グリップ等が得られる。
なお、本実施形態のタイヤケース17は、2つのタイヤ半体17Aを接合して形成したが、3つの部材から構成する場合、タイヤケース17は、一方のサイド部14、他方のサイド部14、及び略円筒状のクラウン部16の3部材に分けることが出来る。これらを接合する際も、本実施形態と同様にして溶着することができる。なお、サイド部14とクラウン部16との接合部分は、路面と接地しない部位に配置することが好ましい。
【0098】
[その他の実施形態]
上記実施形態では、タイヤ半体17Aのタイヤ赤道面側の端部が鋭角形状であったが、該端部は溶着時に熱鏝47によって溶融させてしまうので、他の形状であっても良い。
上記実施形態では、一方のタイヤ半体17Aの端部形状と他方のタイヤ半体17Aの端部形状とがタイヤ赤道面CLを挟んで左右対称形状であったが、場合によっては非対称形状としても良い。タイヤ半体17Aの端部は、上記実施形態で説明した形状に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【0099】
上記実施形態では、加硫済みの帯状のトレッドゴム層30をタイヤケース17の外周面に1周分巻き付けてトレッド部を形成したが、
図11に示すように、予め円環状に形成した加硫済みのトレッドゴム層30を、タイヤケース17の軸方向から挿入してタイヤケース17と円環状に形成した加硫済みのトレッドゴム層30とを接着剤等を用いて接着することも出来る。
【0100】
上記実施形態では、補強コード26の材質がスチールであったが、有機繊維等であっても良い。補強コード26が有機繊維である場合、補強コード26自身を加熱せず、又は加熱しつつタイヤケース17の外周部の外表面を加熱して溶融させながら補強コード26を巻き付けることが出来、外表面を加熱する方が接合の観点で好ましい。
【0101】
また、この場合も、接合面を、接合前に加熱(熱風を当てたり、熱ロールを転がす等)することが好ましい。
なお、クラウン部補強層28は、補強コード26を螺旋状に巻回して形成することが製造上容易だが、タイヤ幅方向でコードを不連続としても良い。
【0102】
タイヤ半体17Aの端部を溶融させるために、上記実施形態では図に示す形状の熱鏝47を用いたが、タイヤ半体17Aの端部を溶融できれば熱鏝47の形状は上記実施形態のものに限定されず、タイヤ半体17Aの端部を溶融できるものでれば熱鏝47以外の別部材を用いても良い。
【0103】
上記実施形態では、一方のタイヤ半体17Aと他方のタイヤ半体17Aとの溶着部分に対し、溶着用熱可塑性材料43をタイヤ外面側から溶着したが、タイヤ内面側から溶着しても良い。
【0104】
上記実施形態では、タイヤケース17を同一形状の二つのタイヤ半体17Aを組み合わせて構成したが、タイヤケース17は各々形状の異なる3以上のタイヤ構成部材で構成しても良い。
【0105】
上記実施形態では、第1の溶着部及び第2の溶着部の位置がタイヤ赤道面CL上に設けられていたが、タイヤ構成部材の形状によっては、第1の溶着部及び第2の溶着部の位置がタイヤ赤道面CL上でなくても良い。