特許第5988573号(P5988573)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5988573
(24)【登録日】2016年8月19日
(45)【発行日】2016年9月7日
(54)【発明の名称】VR型レゾルバ
(51)【国際特許分類】
   H02K 24/00 20060101AFI20160825BHJP
   H02K 3/46 20060101ALI20160825BHJP
【FI】
   H02K24/00
   H02K3/46 B
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2011-280698(P2011-280698)
(22)【出願日】2011年12月22日
(65)【公開番号】特開2013-132146(P2013-132146A)
(43)【公開日】2013年7月4日
【審査請求日】2014年11月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096884
【弁理士】
【氏名又は名称】末成 幹生
(72)【発明者】
【氏名】落合 貴晃
(72)【発明者】
【氏名】白▲柳▼ 秀明
【審査官】 田村 耕作
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−164534(JP,A)
【文献】 特開2009−180179(JP,A)
【文献】 特開2008−187787(JP,A)
【文献】 特開2006−158014(JP,A)
【文献】 特開2010−161874(JP,A)
【文献】 特開2010−127834(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0129131(US,A1)
【文献】 特開2009−067319(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 24/00
H02K 3/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の突極を備えたステータコアと、前記ステータコアを両側から挟む第1のインシュレータおよび第2のインシュレータと、前記第1のインシュレータおよび前記第2のインシュレータを介して前記ステータコアの前記複数の突極に巻回されたコイルとを有する環状のステータと、
前記ステータの内側に配されるロータと、
前記ステータを内側に収納し、前記ステータを筒状の筐体に嵌め込むハウジングと、
を備え、
前記第1のインシュレータ前記ハウジングに同軸的に一体成形されているVR型レゾルバにおいて、
前記第2のインシュレータに端子基台部を設け、前記端子基台部に、軸線方向に突出する複数の端子ピンを円周方向に沿って配置するとともに、前記端子ピンと導通し半径方向外方へ突出する複数の外部端子を円周方向に沿って配置し、前記ハウジングに、円周方向に沿って延在する切欠きを設け、前記外部端子を前記切欠きに臨ませ、前記外部端子の最外端は前記ハウジングの外周よりも内径側に位置していることを特徴とするVR型レゾルバ。
【請求項2】
前記第1のインシュレータと前記第2のインシュレータの互いの対向面のいずれか一方にボス部が形成され、他方に該ボス部に嵌合する結合用孔が形成され、前記結合用孔に前記ボス部を嵌合させて前記第1のインシュレータと前記第2のインシュレータとが結合されていることを特徴とする請求項1に記載のVR型レゾルバ。
【請求項3】
前記ハウジングには、測定対象機器との角度位置を合わせる位置決め手段が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のVR型レゾルバ。
【請求項4】
前記第2のインシュレータに温度検出手段が取り付けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のVR型レゾルバ。
【請求項5】
前記外部端子は、板状をなすことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のVR型レゾルバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータの回転角度の検出等に用いられるVR型レゾルバ(バリアブルリラクタンス型レゾルバ)に関する。
【背景技術】
【0002】
上記VR型レゾルバは、一般に、環状のステータと、ステータの内側に配されるロータとを主体とする構造となっている。ステータは、軟磁性材料をプレス抜きして得た薄板材からなる環状のヨーク部材を複数枚積み重ねて構成した環状のステータコアを、両端面側から絶縁性を有する第1のインシュレータと第2のインシュレータで挟み込み、ステータコアの内周面に形成された複数の突極に、各インシュレータを介してコイルを巻回した構成となっている。
【0003】
このようなレゾルバは、筒状の筐体内にモータ等の測定対象機器と同時に収納されて取り付けられる場合がある。すなわちレゾルバを筐体内に固定する必要があり、そのためにはレゾルバの外周面に取り付け用のネジ穴などを設ける必要がある。ところがこのような取り付けの場合は、レゾルバ本体の外周に取り付けのためのスペースが必要となり、車載などの限られたスペースへの取り付けにおいてはその空間が取れない場合がある。このような問題に鑑み、レゾルバ本体と取り付けのためのハウジングを一体にしたものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−164534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1では、ステータコアと端子板をインサート成形可能な金型として、ハウジングと絶縁のためのインシュレータと端子基台部を一体成形し、その後巻き線を行うことでレゾルバ本体とハウジングを一体に構成することができるとしている。ところで、測定対象機器とレゾルバを筒状の筐体内に嵌め込んで取り付ける場合には筐体とハウジングの外形形状が一致している必要があるが、上記特許文献1ではステータコアと端子板をインサート成形しているため金型が複雑になり、外部との接続箇所である端子基台部の周辺にはハウジング機能を形成できないという問題が生じる。また、ステータコアや端子板といった金属をインサート成形することによって生じる樹脂の冷却速度の違いにより寸法精度が犠牲になり、レゾルバが取り付けられる機器との軸合わせが容易ではないという問題を招く場合がある。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、レゾルバ本体とハウジングを一体的に構成することができ、レゾルバが取り付けられる機器側に余分なスペースを要せず、機器と同軸的に組み合わせることを容易とするVR型レゾルバを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1に記載のVR型レゾルバは、複数の突極を備えたステータコアと、前記ステータコアを両側から挟む第1のインシュレータおよび第2のインシュレータと、前記第1のインシュレータおよび前記第2のインシュレータを介して前記ステータコアの前記複数の突極に巻回されたコイルとを有する環状のステータと、前記ステータの内側に配されるロータと、前記ステータを内側に収納し、前記ステータを筒状の筐体に嵌め込むハウジングと、を備え、前記第1のインシュレータ前記ハウジングに同軸的に一体成形されているVR型レゾルバにおいて、前記第2のインシュレータに端子基台部を設け、前記端子基台部に、軸線方向に突出する複数の端子ピンを円周方向に沿って配置するとともに、前記端子ピンと導通し半径方向外方へ突出する複数の外部端子を円周方向に沿って配置し、前記ハウジングに、円周方向に沿って延在する切欠きを設け、前記外部端子を前記切欠きに臨ませ、前記外部端子の最外端は前記ハウジングの外周よりも内径側に位置していることを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、ハウジングと一体成形した第1のインシュレータにステータコアと第2のインシュレータを組み込んで、第1のインシュレータと第2のインシュレータで絶縁されたステータコアの突極にコイルを巻回することにより、ステータがハウジングと一体化したVR型レゾルバを得ることができる。そして、測定対象機器とレゾルバ本体を筒状の筐体内に取り付ける場合には、その筐体内にハウジングを嵌め込むだけで、筐体と同軸に組み付ける軸合わせを容易に行うことができる。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明において、前記第1のインシュレータと前記第2のインシュレータの互いの対向面のいずれか一方にボス部が形成され、他方に該ボス部に嵌合する結合用孔が形成され、前記結合用孔に前記ボス部を嵌合させて前記第1のインシュレータと前記第2のインシュレータとが結合されている形態を含む。
【0010】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記測定対象機器との角度位置を合わせる位置決め手段が設けられている形態を含む。
【0011】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記第2のインシュレータに温度検出手段が取り付けられている形態を含む。
請求項に記載の発明によれば、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、前記外部端子は、板状をなす形態を含む。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、レゾルバ本体とハウジングを一体的に構成することができ、レゾルバが取り付けられる機器側に余分なスペースを要せず、機器と同軸的に組み合わせることを容易とするVR型レゾルバが提供されるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係るVR型レゾルバの分解斜視図である。
図2】同レゾルバの組み立て状態の斜視図である。
図3】同レゾルバの側面図である。
図4】同レゾルバのロータを除いた状態の平面図である。
図5図4のV−V線矢視断面図である。
図6図5のVI部拡大図である。
図7】一実施形態のレゾルバを筐体に組み込まれるモータに取り付ける状態を示す斜視図である。
図8】サーミスタを示すためのステータの一部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(構成)
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
図1は一実施形態に係るVR型レゾルバ(以下、レゾルバ)1の分解斜視図であり、図2図3はそれぞれレゾルバ1の組み立て状態の斜視図、側面図である。一実施形態のレゾルバ1は、環状のステータ10と、ステータ10の内側に配される環状のロータ20と、ステータ10を内側に収納する円筒状のハウジング30とから構成される。ステータ10は、ステータコア100と、このステータコア100を軸方向両側から挟んで組み込まれる2つのインシュレータ、すなわち第1のインシュレータ110と第2のインシュレータ120と、第1のインシュレータ110と第2のインシュレータ120で絶縁されたステータコア100の複数の突極101に巻回されるコイル130から構成される。
(各部の特徴)
【0015】
(ステータコア・ロータ)
ステータ10の主体をなすステータコア100は、軟磁性材料(例えば、珪素鋼板)からなる板材を環状に打抜き加工したものを軸方向に複数積層して構成されたもので、内周部には、径方向の内側に向かって延び磁極として機能する複数の突極101が周方向に等間隔に形成されている。突極101の先端部は周方向に湾曲しており、その先端面は、ロータ20の外周面に対向する突極面102が形成されている。ロータ20は、軟磁性材料(例えば、珪素鋼板)からなる板材を環状に打抜き加工したものを軸方向に複数積層して構成されたもので、内周面は単純な真円状に形成され測定対象機器の回転軸に固定される。外周面は周方向に等間隔をおいて複数の円弧状の凸部201が形成されて凹凸状に形成されている。
【0016】
(ハウジング)
ハウジング30は樹脂等の絶縁性を有する材料によって円筒状に成形されたもので、一端側(ここでは上側とする)には、周方向に、ある程度の長さを有する複数の切欠き301が形成されている。本実施形態の図示例では切欠き301は2箇所に形成されているが、切欠き301は2箇所に限定されることは無く、1箇所でも良く、また、3箇所以上に設けても良い。切欠きは、後述する外部端子124の露出に使用される。
【0017】
(第1のインシュレータ)
ハウジング30の内周面には、環状の第1のインシュレータ110が一体成形されている。第1のインシュレータ110の内周縁はハウジング30と同軸的に形成されており、その内縁には、ステータコア100の突極101の側面を絶縁する壁112と端面方向に突出する複数の鍔部111が、周方向に等間隔に形成されている。突極101の側面を絶縁する壁112と鍔部111の位置および数は、ステータコア100の突極101に対応して形成されている。
【0018】
(第2のインシュレータ)
第2のインシュレータ120は第1のインシュレータ110と対をなすものであって、ハウジング30と同じく樹脂等の絶縁性を有する材料によって環状に成形されている。第2のインシュレータ120はハウジング30の内側に収納可能で、ハウジング30の内周よりも小さい径となっている。
【0019】
第2のインシュレータ120の内周縁には、ステータコア100の突極101の側面を絶縁する壁129と上側に突出する複数の鍔部121が、周方向に等間隔に形成されている。第2のインシュレータ120の突極101の側面を絶縁する壁129と鍔部121の位置および数も、ステータコア100の突極101に対応して形成されている。
【0020】
また、第2のインシュレータ120の外周縁の一部には、後述する外部端子の数に応じた長さで、上側に突出する端子基台部122が形成されている。
【0021】
端子基台部122の内側部分には、周方向に沿って複数の端子ピン123が所定の間隔をおいて立設されている。また、端子基台部122の外周側には、各端子ピン123に対応して導通する複数の外部端子124が、周方向に並んだ状態でインサート成形されている。なお、端子ピン123と外部端子124はひとつの部品で形成されている。
【0022】
外部端子124が配列された領域が、ハウジング30の切欠き301内に入り込むことが可能な大きさに、端子基台部122の長さは設定されている。
【0023】
(製造)
ステータ10は、ステータコア100をハウジング30内の第1のインシュレータ110の絶縁用の壁112にステータコア100の突極101を対応させ組み込まれる。そのステータコア100の上方から第2のインシュレータ120が、絶縁用の壁129を突極101に対応させながら組み込まれる。このとき第2のインシュレータ120の端子基台部122は、ハウジング30の切欠き301に合わせて設置される。ステータコア100の突極101を第1のインシュレータ110と第2のインシュレータ120で上下から挟み込まれた後、第1のインシュレータ110と第2のインシュレータ120の絶縁用の壁112、129で覆われたステータコア100の突極101にコイル130を巻回することにより、ステータ100が組み立てられる。巻回されたコイル130のリード線の両端は、端子基台部122の端子ピン123に接続される。
【0024】
図4はロータ20を除いたレゾルバ1の平面図である。図5図4のV−V線矢視断面図である。図6図5のVI部拡大図である。
図4図6に示すように、第2のインシュレータ120における第1のインシュレータ110への対向面には、第1のインシュレータ110側すなわち下方に突出する複数(この場合、3つ)のボス部127が形成されている。
【0025】
一方、第1のインシュレータ110には、図6に示すように第2のインシュレータ120の突出する複数のボス部127が嵌合する位置に複数の結合用孔117が形成されている。
【0026】
ステータ10の組み立て時においては、第1のインシュレータ110の結合用孔117に第2のインシュレータ120のボス部127を嵌合させ、この後、接着や溶着といった結合手段で第1のインシュレータ110と第2のインシュレータ120どうしを結合する。なお、ボス部と結合用孔は実施例に限定されるものではなく、第1のインシュレータ110にボス部が形成されており、第2のインシュレータ120に結合用孔が配置されていても良い。
【0027】
(角度検出方法)
コイル130は、レゾルバとして一般周知の励磁コイル用、sin相検出用、cos相検出用の三種類があり、それぞれのリード線の端部が所定の端子ピン123に接続されている。端子ピン123と一体の外部端子124を介して、外部からの励磁電流の供給、外部へのsin相信号の出力およびcos相信号の出力が行われるようになされている。
【0028】
励磁コイルに電流が供給されている状態で、モータ50と同期してロータ20が回転すると、sin相検出コイルおよびcos相検出コイルに誘起される誘導電流が、ロータ20の回転角と、ステータコア100の突極101の突極面102との距離が周期的に変わることにより、変化する。この、sin相検出コイルおよびcos相検出コイルに誘起される誘導電流が検出され、その変化がRDコンバータ等の所定の算出手段によってロータ20の回転角度として算出される。
【0029】
(組み込み)
以上のようにしてハウジング30内にステータ10が組み込まれたレゾルバ1は、図7に示すようにモータ50の駆動軸501にロータ20が固定される。さらにロータ20の外側にステータ10の内側が同心状に配される。モータ50は測定対象機器であって、モータ50の駆動軸501の回転角度がレゾルバ1で検出される。
【0030】
ここで、ハウジング30の下端縁には、下方に突出する複数(この場合、3つ)の位置決めピン(位置決め手段)305が周方向に等間隔をおいて形成されており、これら位置決めピン305をモータ50の円筒状の筐体502の端面外周縁に形成されている受け孔503に嵌め入れることで、レゾルバ1はモータ50に対して角度位置が決められる。
【0031】
(サーミスタ)
本実施形態のレゾルバ1には、角度検出手段のほかに温度検出手段も併設されている。第2のインシュレータ120の端子基台部122の外側面の一部で外部端子124の下側には、第1のインシュレータ110方向に突出してサーミスタホルダ125が一体成形されている。図8に示すように、第2のインシュレータ120のサーミスタホルダ125の内側には、サーミスタ端子126がインサート成形されて設けられており、サーミスタホルダ125にはサーミスタ(温度検出手段)40が下方から挿入されてサーミスタ端子126に接続される。
【0032】
また、図8に示すように、第1のインシュレータ110にはサーミスタホルダ125に対応する挿通孔118が形成されており、この挿通孔118にサーミスタホルダ125およびサーミスタ40が挿通される。
【0033】
サーミスタホルダ125に挿入されて取り付けられたサーミスタ40は、挿通孔118を経て、モータ50に向かって突出した状態となっており、モータ50の温度がサーミスタ40によって検出される。サーミスタ40のサーミスタ端子126には、温度測定器が接続され、この測定器で測定することによりモータ50の周辺温度やコイル温度が検知される。
【0034】
(優位性)
さて、本実施形態のレゾルバ1によれば、ハウジング30と一体成形した第1のインシュレータ110にステータコア100と第2のインシュレータ120を組み込んで、第1のインシュレータ110と第2のインシュレータ120で絶縁されたステータコア100の突極101にコイル130を巻回することにより、ステータ10がハウジング30に対し同軸的に一体化したレゾルバとなる。これにより、例えば図7に示すようにモータ50を円筒状の筐体60内に嵌め込んで組み込む際、筐体60側に余分なスペースを要せず、モータ50と同軸的に組み合わせることが容易となる。
【0035】
また、インシュレータを2分割し、第2のインシュレータ120に外部端子124が取り付けられていることにより、第1のインシュレータ110は形状が簡素化され、ハウジング30が全周にわたって形成される。また、ハウジング30と第1のインシュレータ110にはステータコア100などの金属部品をインサート成形しないことにより、ハウジング30とステータ10との寸法関係を精度の高いものとすることができる。
【0036】
また、第1のインシュレータ110に第2のインシュレータ120を接合する際には、第1のインシュレータ110の結合用孔117に第2のインシュレータ120のボス部127を嵌合させて両者を結合することにより、インシュレータ110,120どうしが強固に結合される。その結果、振動に強くなりコイル130の巻回状態が安定し、断線などの不具合が生じにくくなる。
【0037】
モータ50に取り付ける場合には、モータ50の受け孔503に角度位置決めピン305を嵌め込むことにより、モータ50との角度位置決めを容易に行うことができる。
【0038】
また、温度検出手段であるサーミスタ40がハウジング30の内部に設置されていることにより、モータ50の温度を外気にさらすことなくもれなく検出することができる。
【0039】
(その他の変形例)
本実施形態で記したハウジング30の形状は、測定対象機器やレゾルバ本体が取り付けられる筐体の形状によって円筒状でなくても良い。その筐体の形状が円筒状ではない場合であっても筒状であれば(例えば、角筒状)、ハウジングの外形形状をその筐体の形状に合うものに形成すれば良い。
【0040】
また、第1のインシュレータ110と第2のインシュレータ120どうしの結合のためのボス部127および結合用孔117の数と位置は実施例に限定されない。また、ハウジング30の位置決めピン305およびモータ50の受け孔503の数と位置は実施例に限定されない。
【0041】
モータ50に対するハウジング30の周方向位置を限定して位置決めする場合には、位置決めピン305を一箇所だけにするか、もしくは大きさを変えるか、位置決めピン305と受け孔503の位置を、不等間隔に配置しても良い。
【0042】
(その他)
本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではなく、当業者が想達しうる種々の変形を含むものであり、本発明の効果も上述した内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容、およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と主旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
【符号の説明】
【0043】
1…VR型レゾルバ
10…ステータ
20…ロータ
30…ハウジング
40…サーミスタ(温度検出手段)
50…モータ
60…筐体(測定対象機器)
100…ステータコア
101…突極
110…第1のインシュレータ
117…結合用孔
120…第2のインシュレータ
127…ボス部
130…コイル
305…位置決めピン(位置決め手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8