(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5988594
(24)【登録日】2016年8月19日
(45)【発行日】2016年9月7日
(54)【発明の名称】灯具ユニットおよび車両用灯具
(51)【国際特許分類】
F21S 8/12 20060101AFI20160825BHJP
F21W 101/10 20060101ALN20160825BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20160825BHJP
【FI】
F21S8/12 268
F21S8/12 210
F21S8/12 291
F21W101:10
F21Y115:10
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-12011(P2012-12011)
(22)【出願日】2012年1月24日
(65)【公開番号】特開2013-152808(P2013-152808A)
(43)【公開日】2013年8月8日
【審査請求日】2014年12月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 逸平
(72)【発明者】
【氏名】徳竹 寛貴
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 隆芳
【審査官】
杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−287610(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0008335(US,A1)
【文献】
特開2007−080605(JP,A)
【文献】
特開2000−348508(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/12
F21W 101/10
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の光源と、
第二の光源と、
投影レンズと、
前記第一の光源が発する光を前記投影レンズの第一の領域に向けて反射する第一のリフレクタと、
前記第一のリフレクタに対向して配置され、前記第二の光源が発する光を、前記投影レンズ上の、前記第一の領域の少なくとも一部を含む第二の領域に向けて反射する第二のリフレクタと、
前記第二のリフレクタから前記第一の領域に対して入射する光の少なくとも一部と前記第一のリフレクタから前記第一の領域に対して入射する光のすべてを遮蔽する第一の位置と、該第一の位置から離間した第二の位置との間を移動可能に設けられたシェード部と、
前記シェード部が前記第一の位置にあるときに、前記第二のリフレクタからの反射光の一部を反射して前記第二の領域に導く反射部と、を備えた灯具ユニット。
【請求項2】
前記シェード部は、前記第一の位置にあるときに、前記灯具ユニットの光軸に対して交差する方向に延在し、
前記反射部は、前記シェード部が前記第一の位置にあるときに、前記光軸と平行な方向に延在するように設けられていることを特徴とする請求項1記載の灯具ユニット。
【請求項3】
前記反射部は、前記シェード部が前記第一の位置にあるときに、前記第二のリフレクタの焦点近傍に位置していることを特徴とする請求項1または2に記載の灯具ユニット。
【請求項4】
前記第一の光源は、前記灯具ユニットの光軸を基準として前記第二のリフレクタ側に配置され、前記第二の光源は、前記光軸を基準として前記第一のリフレクタ側に配置されていることを特徴とする請求項3記載の灯具ユニット。
【請求項5】
前記第二の領域は、前記第一の領域の周辺に形成された領域であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の灯具ユニット。
【請求項6】
前記第一のリフレクタは、前記第二のリフレクタに対して前記灯具ユニットの光軸方向の異なる位置に配置されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の灯具ユニット。
【請求項7】
前記シェード部および前記反射部を支持するアームをさらに有し、
前記シェード部および前記反射部は前記アームの先端部に設けられ
前記アームがその基端部を中心に旋回することにより前記シェード部が前記第一の位置と前記第二の位置との間を移動することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の灯具ユニット。
【請求項8】
開口部を有するランプボティと、
前記開口部を閉塞して前記ランプボティとの間に灯室を形成するランプカバーと、
前記灯室内に配置された請求項1から7のいずれか一項に記載の灯具ユニットとを備えた車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の発光素子を備え、かつ照射光として十分な光束を利用することが可能な灯具ユニット、およびそれを利用した車両用灯具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の灯具ユニットとしては特許文献1に示すようなものが知られている。
【0003】
特許文献1に記載された灯具ユニットでは、開口部を有する一対のリフレクタが投影レンズの光軸を挟んで上下に対向配置されるとともに、それぞれのリフレクタの開口部にLED素子が配置されている。これらのLED素子は、灯具ユニットの光軸を挟んで位置する上下のリフレクタに対向配置されており、その照射光が、リフレクタによりそれぞれ反射されて車両前方の投影レンズに投射されるようになっている。
【0004】
このような構成により、上下に配置されたLED素子の光束を損失なく投影レンズに導くことが可能となる。また、LED素子が上下に離間されて配置されるために、これらの素子が発熱した場合に相互に熱の影響を受けることが少なく、熱によるLED素子への光束値への影響を緩和することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−135076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に示した灯具ユニットを車両前照灯に適用する場合、上下のリフレクタからの反射光により、全体照射用の配光パターンとハイビーム用の配光パターンとそれぞれを形成し、ロービームのみの使用時には、全体照射用の配光パターンの一部をシェード等の手段を用いて遮断することが考えられる。しかしながら、このように単純に反射光を遮断すると、光束の利用率が低下してしまう。
【0007】
上記課題を解決するために、本発明においては、複数の発光素子を用いた場合に、配光パターンの切替えに関わらず光束の利用率が低下することのない灯具ユニットを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の一実施の形態の灯具ユニットは、第一の光源と、
第二の光源と、
投影レンズと、
前記第一の光源が発する光を前記投影レンズの第一の領域に向けて反射する第一のリフレクタと、
前記第一のリフレクタに対向して配置され、前記第二の光源が発する光を、前記投影レンズの前記第一の領域の少なくとも一部を含む第二の領域に向けて反射する第二のリフレクタと、
前記第二のリフレクタから前記第一の領域に対して入射する光の少なくとも一部を遮蔽する第一の位置と、該第一の位置から離間した第二の位置との間を移動可能に設けられたシェード部と、
前記シェード部が前記第一の位置にあるときに、前記第二のリフレクタからの反射光の一部を反射して前記第二の領域に導く反射部と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
このような構成により、シェードを駆動して照射領域を変化させようとする場合に、本来であればシェードにより遮蔽される第二のリフレクタからの第一の領域への入射光の一部を投影レンズに導くことが可能となる。
【0010】
前記シェード部は、前記第一の位置にあるときに、前記光軸に対して交差する方向に延在し、前記反射部は、前記シェード部が前記第一の位置にあるときに、前記光軸と平行な方向に延在するように設けられていてもよい。これにより、簡易な構造で、シェード部および反射部を実現することができる。
【0011】
また、前記反射部を、前記シェード部が前記第一の位置にあるときに、前記第二のリフレクタの焦点近傍に位置させるように構成してもよい。これにより、反射部に入射される第二のリフレクタからの光線を収束させることができる。
【0012】
前記第一の光源は、前記光軸を基準として前記第二のリフレクタ側に配置され、前記第二の光源は、前記光軸を基準として前記第一のリフレクタ側に配置されるようにしてもよい。これにより第一および第二のリフレクタを、光軸を挟んで対向配置させることができる。
【0013】
また、前記第二の領域を前記第一の領域の周辺領域としてもよい。これにより、第一の光源より照射される前記第一の領域をハイビーム照射用の領域とし、第二の光源より照射される第一および第二の領域をロービーム照射用の領域とすることができる。
【0014】
また、前記第一のリフレクタを、前記第二のリフレクタに対して前記光軸方向の異なる位置に配置するようにしてもよい。このような構成により第一の光源の位置と第二のリフレクタの位置、および第二の光源の位置と第一のリフレクタの位置が互いに干渉することを避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態に係る車両用灯具の縦断面図である。
【
図2】
図1に示した灯具ユニットを拡大して示す縦断面図である。
【
図4】
図2に示した灯具ユニットにおいてシェード機構を開放した場合の光の経路図である。
【
図5】
図4の場合の投影レンズ上の照射領域および仮想鉛直スクリーン上の配光パターンを示す模式図である。
【
図6】
図2に示した灯具ユニットにおいてシェード機構を閉じた場合の光の経路図である。
【
図7】
図6の場合の投影レンズ上の照射領域を示すおよび仮想鉛直スクリーン上の配光パターンを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施の形態である車両用灯具1の縦断面図である。車両用灯具1は、4輪あるいは2輪等の車両の前照灯として用いられるものであり、図中に示すように、開口部2を有するランプボディ3と、開口部2を閉塞する透光カバー4と、ランプボディ3と透光カバー4とにより形成される灯室Sの内部に配置された灯具ユニット5とにより概略構成されている。灯具ユニット5は、ランプボディ3に固定されたエイミング機構6を介してランプボディ3から支持されており、エイミング機構6を調整することにより、その光軸Axの向きを調整することができるようになっている。
【0017】
図2は灯具ユニット5を拡大して示す縦断面図であり、
図3は、灯具ユニット5の分解斜視図である。図中に示すように、灯具ユニット5は、ランプボディ3(
図1参照)により支持された支持ブラケット11と、支持ブラケット11により支持された光源ユニット12と、支持ブラケット11により支持されるとともに光源ユニット12の車両前方F側に配置された平凸レンズからなる投影レンズ13と、光源ユニット12と投影レンズ13との間に配置可能なビームシェイパー(シェード部)14を有するシェード機構15とを備えた構成とされている。
【0018】
光源ユニット12は、略水平に配置された支持ブラケット11の上部板16に対して取り付けられており、上部板16上に固定された放熱部17と、放熱部17の下面17aに取り付けられた第一のLED基板18と、上部板16の上面16aに取り付けられた第二のLED基板19とを備えている。第一のLED基板18には、ハイビーム用の光源となる第一のLED素子(第一の光源)20が搭載されており、第二のLED基板19には、ロービーム用の光源となる第二のLED素子(第二の光源)21が搭載されている。また、上部板16上の第一のLED基板18に対向する位置には、第一のLED素子20が発する光を反射して投影レンズ13に対して導く第一のリフレクタ23が配置されている。一方、上部板16上の第二のLED基板19を覆う位置には、第二のLED素子21が発する光を反射して投影レンズ13に対して導く第二のリフレクタ24が設けられている。第一、第二のリフレクタ23、24はともに、回転楕円面からなり、第一のLED素子20は、第一のリフレクタ23の一方の焦点近傍に、第二のLED素子21は、第二のリフレクタ24の一方の焦点近傍に位置するように配置されている。また、第一、第二のリフレクタ23、24は、光軸Axに沿って互いに異なる位置に配置されている。
【0019】
シェード機構15は、支持ブラケット11に取り付けたモータ26と、モータ26にその基端部27aが取り付けられたアーム27とを備えており、ビームシェイパー14はアーム27の先端部27bに設けられている。
図2に示すように、アーム27は、モータ26を駆動することによりその基端部27bを中心に旋回可能となっている。これにより、ビームシェイパー14は、
図2中実線にて示す、光源ユニット12と投影レンズ13との間の第一の位置14aと、鎖線にて示す第一の位置14aから離間した第二の位置14bとの間を移動可能とされている。ビームシェイパー14は、第一の位置14aにあるときには、灯具ユニット5の光軸Axと交差するように延在し、これにより、光源ユニット12からの照射光の一部を遮蔽するように機能する。
【0020】
また、ビームシェイパー14の上面は、照射光を反射可能な反射部28として形成されている。反射部28は、ビームシェイパー14が第一の位置14aにあるときに光軸Axと平行な方向に延在して位置するように設けられている。この場合、反射部28は、その位置が、第二のリフレクタ24の他方の焦点F2の近傍となるように調整されている。
【0021】
なお、モータ26は、制御部29に接続されている。そして、制御部29からの入力信号に基づきビームシェイパー14が第一の位置14aと第二の位置14bとの間を移動して、シェード機構15を機械的に開閉することが可能となっている。
【0022】
次に、灯具ユニット5における照射光の経路について説明する。
図4は、灯具ユニット5においてシェード機構15を開放した状態、すなわち、ビームシェイパー14が光軸Axから離間した第二の位置14bにあるときの灯具ユニット5における照射光の経路を示す模式図である。
【0023】
図中に示すように、シェード機構15を開放した状態においては、第一のLED素子20から発せられた光は、第一のリフレクタ23によって反射されて投影レンズ13に導かれる。投影レンズ13上の第一のLED素子20の照射光による照射領域(第一の領域)を
図5中に符号30により示す。
【0024】
一方、第二のLED素子21から発せられた光は、第二のリフレクタ24により反射されて投影レンズ13に導かれる。第二のリフレクタ24は回転楕円面としての径が第一のリフレクタ23より大となるように形成されている。したがって、投影レンズ13上の第二のLED素子21の照射光による照射領域(第二の領域)31は、第一のLED素子20による照射領域30と、その周辺領域32とを含む領域となる。
【0025】
なお、
図5中に示す照射領域30、31は、そのまま車両前方の所定位置に配置された仮想鉛直スクリーン上への配光パターンとして投影される。すなわち、第一のLED素子20による照射領域30は、灯具前方のエルボー点であるHVを中心としたハイビーム用配光パターンPHとして車両前方に投射される。また、第二のLED素子21による照射領域31は、エルボー点HVを通る水平線H−Hの下方に拡大するロービーム用配光パターンPLとして車両前方に投射される。この場合、ロービーム用配光パターンPLとハイビーム用配光パターンPHは重複しており、したがって、ハイビーム用配光パターンPHに対しては、上下の第一、第二のリフレクタ23、24からの光が重複して照射されることとなる。これにより、高光度のハイビームを実現することが可能となる。
【0026】
一方、シェード機構15を閉じた状態、すなわちビームシェイパー14が光源ユニット12と投影レンズ13との間の第一の位置14aにあるときの光の経路を
図6に示す。図中に示すようにビームシェイパー14が第一の位置14aにある場合には、ビームシェイパー14は、第一のリフレクタ23の前方に位置し、第二のLED素子21から発せられて第二のリフレクタ24において反射される光の一部もビームシェイパー14により遮蔽される。これにより
図7に示すように車両前方の仮想鉛直スクリーンには、水平線H−Hの下方にカットオフラインCLが形成されることとなる。
【0027】
この場合、
図7に示すように、投影レンズ13上においてビームシェイパー14により照射光が遮蔽される遮蔽領域33には、ハイビーム用の照射領域30(
図5参照)が含まれ、ロービーム用の照射領域31のうち遮蔽領域33以外の部分が、第二のリフレクタ24から反射光が入射する照射領域34として形成されることとなる。
【0028】
このようにシェード機構15を閉じた状態では、第一のリフレクタ23からの反射光の全部と第二のリフレクタ24から反射光の約半分が遮蔽されてしまうため、光束利用率が低下してしまうが、本実施の形態においては反射部28が、ビームシェイパー14により遮蔽された第二のリフレクタ24からの反射光の一部を投影レンズ13に導くように機能し、光束利用率の低下を防ぐようになっている。すなわち、
図6に示すように、ビームシェイパー14が第一の位置14aにあるときには、第二のリフレクタ24の焦点F2の近傍に設けられた反射部28に対して、第二のリフレクタ24からの反射光の一部が入射する。反射部28は、これを、ロービーム用の照射領域31のうち、ハイビーム用の照射領域30を避けた周辺領域32(
図5参照)の一部である反射領域36(
図7参照)に対して導く。この反射領域36には、第二のリフレクタ24から直接入力する反射光、および反射部28からの反射光の双方が入射するため、反射領域36は、仮想鉛直スクリーン上では、ロービーム用配光領域PLのうちH−H線の下方において大光量領域PLxとして投影される。このような大光量領域PLxを形成することにより、光度を低下させることなく、ハイビームからロービームへの配光パターンの切り替えが可能となる。
【0029】
以上説明したように、本実施の形態の灯具ユニット5においては、ビームシェイパー14が第一の位置14aにあるときに、ビームシェイパー14により遮蔽される第二のリフレクタ24から照射領域31への入射光の一部を反射して、照射領域31の一部である反射領域36に導く反射部28が備えられているので、シェード機構15を閉じた場合にも、本来であれば遮蔽される第二のリフレクタ24からの入射光の一部を投影レンズ13に導くことが可能となる。これにより、光束利用率を低下させずにハイビームからロービームへの配光パターンの切替を行うことができ、効率のよい車両用灯具を実現することが可能となる。
【0030】
また、ビームシェイパー14は、第一の位置14aにあるときに、光軸Axに対して交差する方向に延在し、反射部28は、ビームシェイパー14が第一の位置14aにあるときに、光軸Axと平行な方向に延在するように設けられている。これにより、簡易な構造で、シェード機構15および反射部28を実現することができる。
【0031】
さらに、反射部28は、ビームシェイパー14が第一の位置14aにあるときに、第二のリフレクタ24の焦点近傍に位置するようになっているため、反射部28に入射される第二のリフレクタ24からの光線を反射部28近傍で収束させることができ、光の利用効率が高い。
【0032】
また、上記実施の形態の灯具ユニット5では、第一のLED素子20が、光軸Axを基準として第二のリフレクタ24側に配置され、第二のLED素子21が、光軸Axを基準として第一のリフレクタ23側に配置されている。これにより第一および第二のリフレクタ23,24を、光軸Axを挟んで対向配置させて、限定されたスペースに対面式リフレクタ光学系をコンパクトに実現することができる。
【0033】
また、第二のLED素子21により照射される照射領域31が、第一のLED素子20の照射領域30とその周辺領域32とされているので、照射領域30をハイビーム用配光パターンとして、照射領域31をロービーム用配光パターンとして好適に利用することができる。
【0034】
また、第一のリフレクタ23と第二のリフレクタ24とが光軸Ax方向の異なる位置に配置されているので、第一のLED素子20の位置と第二のリフレクタ24の位置、および、第二のLED素子21と第一のリフレクタ23の位置が、それぞれ互いに干渉することを避けることができる。これにより、LED素子を配置するためにリフレクタに開口部を設ける必要がなく、反射光の利用効率が高い。
【0035】
以上、本発明の一実施の形態を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で必要に応じて他の構成を採用することができる。
たとえば、上記実施の形態においては、光源としてLED素子が用いられていたが、これに限らず他の発光素子あるいはランプを用いるようにしてもよい。
また、上記実施の形態においてはシェード機構15がモータ26により駆動される構成とされていたが、これに限らず、ソレノイド等を用いてシェード機構を駆動するようにしてもよい。
【0036】
また、上記実施の形態においては、第一のリフレクタ23と第二のリフレクタ24とが光軸Axに沿って異なる位置に配置されていたが、これに限らず、これらを同位置に配置するようにしてもよい。
さらに、上記実施の形態においては、第一および第二のリフレクタ23,24からの反射光がそれぞれハイビーム・ロービームに用いられていたが、これに限らず、その逆の構成を採用してもよいし、これらの反射光により他の配光パターンを形成するようにしてもよい。
【0037】
この他にも、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で他の構造・材料等を採用することができ、これらを適宜選択的に用いてもよいのはいうまでもない。
【符号の説明】
【0038】
1:車両用灯具、2:開口部、3:ランプボディ、4:透光カバー、5:灯具ユニット、Ax:光軸、13:投影レンズ、14:ビームシェイパー(シェード部)、20:第一のLED素子(第一の光源)、21:第二のLED素子(第二の光源)、23:第一のリフレクタ、24:第二のリフレクタ、28:反射部、30:照射領域(第一の領域)、31:照射領域(第二の領域)