(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に本発明の実施形態に係る通電部材と固定構造を、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。まず、太陽光パネル架台の全体構成を説明する。
【0022】
図1に示すように、太陽光パネル架台1は、垂木30を支持する垂木受け(第一部材)10,10と、太陽光パネル2(
図3参照)を固定するための垂木(第二部材)30,30・・・と、垂木受け10を支持する支柱40とを備えている。本実施形態では、太陽光パネル架台1を正面側(垂木30が低くなっている側)から見て、前後方向を縦方向とし、左右方向を横方向とする。
【0023】
垂木受け10は、横方向に延在しており、長手方向が水平方向になるように配置されている。垂木受け10は、前側と後側の二箇所に設けられている。前側の垂木受け10は、後側の垂木受け10よりも低い位置に配置されている。一対の垂木受け10,10は、間隔をあけて互いに平行に配置されている。
【0024】
図2にも示すように、垂木30は、縦方向に延在している。垂木30の長手方向は、水平方向に対して傾斜して配置されている。垂木30は、正面から見て、前方が低くなるとともに、後方が高くなっている。垂木30は、垂木受け10,10上に架け渡されている。垂木30の両端部は、一対の垂木受け10,10からそれぞれ前後外側に張り出している。垂木30の傾斜角度は、太陽光パネル2の傾斜角度と一致している。
【0025】
図1に示すように、支柱40は、前側の垂木受け10を支持する2本と、後側の垂木受け10を支持する2本の、合計4本設けられている。1本の垂木受け10は、2本の支柱40,40に支持されている。前側の垂木受け10を支持する2本の支柱40,40は、後側の垂木受け10を支持する2本の支柱40,40よりも短い。支柱40は、杭41の頭部に固定支持されている。杭41は、例えば軸部が螺旋状に形成されたスパイラル杭にて構成されており、回転させながら地盤に押し込むことで、その杭本体部が地盤内に埋設されている。なお、支柱40が設置される部位は、杭41の頭部に限定されるものではなく、例えば独立基礎や布基礎などの安定した支持面であればよい。
【0026】
前側の垂木受け10を支持する支柱40と、後側の垂木受け10フレームを支持する支柱40との間には、ブレース45が設けられている。ブレース45は、正面から見て左側に位置する垂木受け10,10同士の間、および右側に位置する垂木受け10,10同士の間にそれぞれ架け渡されている。また、前側の支柱40,40間にも、ブレース45が設けられている。さらに、後側の2本の支柱40,40間にも、ブレース45が設けられている。
【0027】
図3に示すように、太陽光パネル架台1上には、複数の太陽光パネル2が設置される。本実施形態では、太陽光パネル2は、縦方向に5枚、横方向に4枚がそれぞれ配列されて、合計20枚の太陽光パネル2が一台の太陽光パネル架台1上に載置される。太陽光パネル2は、左右に隣り合う垂木30,30間に架け渡されており、太陽光パネル2の左側端部と右側端部が、垂木30,30にそれぞれ支持されている。なお、太陽光パネル2の設置枚数や設置形態は一例であって、本実施形態の構成に限定されるものではない。
【0028】
本実施形態に係る固定構造は、ボルトの頭部が収容される収容溝を備えた第一部材と、第二部材とを固定する構造である。
まず、垂木受け10が第一部材であり、垂木30が第二部材である場合の固定構造の構成を説明する。
図4および
図5に示すように、垂木受け10(第一部材)と垂木30(第二部材)の固定構造は、ボルトBの頭部が収容される収容溝11を備えた垂木受け10と、この収容溝11の内部に収容される第一補強部材50と、収容溝11の外部に位置する第二補強部材70と、係止プレート片が形成された垂木30と、垂木受け10と垂木30との間に挟持される第一通電部材80とを備えている。
【0029】
垂木受け10は、アルミニウム合金製の中空押出形材からなる。
図4に示すように、垂木受け10は、断面台形(横向きの台形)形状を呈している。垂木受け10の上端面は、その幅方向が水平方向に対して傾斜している。垂木受け10の上端面の傾斜角度は、垂木30の傾斜角度と等しくなっている。垂木受け10の上端部には、収容溝11が形成されている。収容溝11には、ボルトBの軸部が上向きの状態で、ボルトBの頭部が収容される。ボルトBは、例えば六角ボルトが用いられている。
【0030】
収容溝11は、上端面が傾斜した断面四角形形状を呈している。収容溝11の上部開口端には、両側の溝側壁12a,12bから内側にそれぞれ延出する一対の係止部13,13が形成されている。係止部13,13は、垂木受け10の長手方向全長に渡って形成されている。係止部13,13は、断面方向に見たとき、ともに水平方向に対して傾斜している。一対の係止部13,13のうち、高さが低い溝側壁12aから延出する係止部13は、斜め上方に延びており、高さが高い溝側壁12bから延出する係止部13は、斜め下方に延びている。係止部13,13は、水平方向に対して同一の傾斜角度で傾斜しており、同一面内に形成されている。これらの係止部13,13が、垂木受け10の傾斜した上端面を構成している。
【0031】
係止部13,13は、第一補強部材50に係合して、第一補強部材50が収容溝11から離れるのを防いでいる。係止部13,13間の隙間は、ボルトBの軸部およびその周辺部(第一補強部材50の基板部51のうち、二列のガイド溝54,54に挟まれた肉厚部分)が挿通可能な幅寸法を有している。係止部13には、第一補強部材50の移動をガイドするための突条14(以下「ガイド用突条14」という場合がある)が形成されている。ガイド用突条14は、収容溝11の長手方向全長に渡って形成されている。ガイド用突条14は、係止部13の幅方向先端部(内側端部)から溝内に向かって突出している。
【0032】
図5に示すように、垂木30は、アルミニウム合金製の中空押出形材からなる。垂木30は、ウエブ部31と、ウエブ部31の上下に形成されたフランジ部32,32・・とを備えてなる。なお、フランジ部32を、上側のフランジ部と下側のフランジ部とで区別する場合は、「上フランジ部32b」と「下フランジ部32a」と言う場合がある。上フランジ部32b,32bは、ウエブ部31の上端から外側両方向(ウエブ部31の厚さ方向両側)にそれぞれ延出して設けられている。下フランジ部32a,32aは、ウエブ部31の下端から外側両方向(ウエブ部31の厚さ方向両側)にそれぞれ延出して設けられている。下フランジ部32aは、第二補強部材70にて押えられる係止プレート片を構成している。なお、以下、下フランジ部32aを係止プレート片32aと言う。係止プレート片32aの幅方向先端部(外側端部)には、上方に立ち上がる立上り部33が形成されている。
【0033】
ウエブ部31の断面形状は、下側が広がった中空の台形形状を呈している。ウエブ部31の上端部には、太陽光パネル2(
図3参照)を固定するためのボルトB(
図12参照)の頭部が挿入される収容溝34が形成されている。収容溝34の上部開口端には、両側の溝側壁から内側にそれぞれ延出する一対の係止部35,35が形成されている。
【0034】
図4および
図6に示すように、第一補強部材50は、アルミニウム合金製の押出形材からなる。第一補強部材50は、基板部51と、基板部51から垂下する仮止め用壁部52とを備えている。基板部51は、ボルトBの頭部と係止部13との間に挟まれる部分である。基板部51は、係止部13よりも厚く形成されている。基板部51は、係止部13,13間の隙間の幅より大きい幅寸法を有している。第一補強部材50を収容溝11内に収容すると、基板部51の幅方向両端部が、係止部13,13の下面に当接する。第一補強部材50が固定された状態では、基板部51の上面が係止部13の下面に押し付けられて摩擦力を発生する。基板部51には、押出方向に間隔をあけて二つのボルト貫通孔53,53が形成されている(
図6参照)。ボルト貫通孔53には、垂木30を垂木受け10に固定するためのボルトBの軸部が挿通される。ボルト貫通孔53,53間の距離は、ボルトB,B間に垂木30の下端部が配置可能な長さとなっている。
【0035】
基板部51の上面には、押出方向に沿った二列のガイド溝54,54が形成されている。ガイド溝54は、係止部13のガイド用突条14に対応する位置に形成されている。二列のガイド溝54,54は、互いに平行になっている。ガイド溝54には、ガイド用突条14が入り込む。基板部51のうち、二列のガイド溝54,54に挟まれた部分は、表面が上方に突出しており、その両側の部位よりも肉厚になっている。その突出寸法は、係止部13の厚さ寸法と略同等であり、第一補強部材50を上部収容溝11a内に収容すると、係止部13の外側表面と基板部51の厚板部の表面が略面一になる。
【0036】
基板部51の下面には、ボルトBが回転するのを防止するための一対のボルト回転防止用突条56a,56bが形成されている。ボルト回転防止用突条56a,56bは、第一補強部材50の長手方向に沿って形成されている。一対のボルト回転防止用突条56a,56b間の内法寸法は、ボルトBの頭部の二面幅の寸法より大きく、対角距離より小さくなっている。これによって、ボルトBは、ボルト回転防止用突条56a,56b間に頭部が挿入可能でありながらも、回転が阻止された状態となる。ボルト回転防止用突条56a,56bは、ボルトBの頭部の厚さ寸法より短い突出寸法を有している。仮止め用壁部52に近い側のボルト回転防止用突条56bは、後記する仮止め用のビスVaと干渉しないよう、遠い側のボルト回転防止用突条56bよりも短い突出寸法になっている。
【0037】
仮止め用壁部52は、基板部51の幅方向端部のうち、傾斜して配置されたときに上側に配置される端部(上側端)に設けられている。第一補強部材50を収容溝11内に収容すると、仮止め用壁部52は、基板部51の上側端から溝側壁12bに沿って垂下し、仮止め用壁部52の外側面と溝側壁12bとが当接する。つまり、仮止め用壁部52は基板部51に対して鋭角を成して交差している。また、仮止め用壁部52の下端部が収容溝11の底部に当接するように、仮止め用壁部52の垂下長さが設定されている。なお、仮止め用壁部52の下端部は、必ずしも収容溝11の底部に当接していなくてもよく、収容溝11の底部との間に若干の隙間をあける構成であってもよい。仮止め用壁部52には、ビス孔55が形成されている。ビス孔55には、第一補強部材50を溝側壁12bに仮止めするためのビスVa(
図4参照)が挿通される。ビス孔55は、押出方向の略中間部に一箇所形成されている。なお、ビス孔55の位置は中間部に限定されるものではなく、またビス孔55の箇所数も一箇所に限定されるものではない。なお、溝側壁12bにもビスVaが挿通されるビス孔15が形成されている。ビス孔15は、第一補強部材50を取付位置に設置した際に、ビス孔55に相当する位置に形成されている。
【0038】
図5に示すように、第一補強部材50は、その押出方向が収容溝11の溝長手方向と同じになるように配置されている。第一補強部材50は、溝長手方向に沿って隣り合う複数のボルトB,Bが貫通できるように、通常のワッシャよりも長尺に形成されている。具体的には、第一補強部材50の長さ寸法は、収容溝11の長手方向(垂木受け10の押出方向)に見て、垂木30の両側に設けられる一対の第二補強部材70,70の外側端部間の距離よりも長くなるように設定されている。
【0039】
第二補強部材70は、アルミニウム合金製の押出形材からなる。第二補強部材70は、押出方向が第一補強部材50の押出方向に直交する方向(垂木30の長手方向)となるように配置されている。
図7にも示すように、第二補強部材70は、基板部71と脚部72とを備えており、第二補強部材70は、断面L字状を呈している。脚部72は、基板部71の幅方向(押出方向に直交する方向)の一端部に形成されている。
【0040】
基板部71の中心部には、ボルト貫通孔73が形成されている。ボルト貫通孔73には、垂木30を垂木受け10に固定するためのボルトBの軸部が挿通される。脚部72は、垂木30とは離れた側に配置される。脚部72は、基板部71の幅方向端部から下方に突出している。脚部72の下端部は、垂木受け10の上端面(係止部13の上面)に当接する。基板部71の幅方向の他端部(垂木30の係止プレート片32aと接する側)である側縁部は、係止プレート片32aの端部を押さえて係止する押圧部74を構成している。押圧部74の下面には、係止プレート片32aの幅方向先端部に形成された立上り部33が入り込む凹溝75が形成されている。
【0041】
図5に示すように、第二補強部材70は、垂木30の幅方向両端部にそれぞれ配置されている。各第二補強部材70がボルトBとナットNによって締め付けられると、垂木30の両側の係止プレート片32aが、各第二補強部材70によってそれぞれ押さえられて係止される。これと同時に、第二補強部材70の脚部72は、垂木受け10の係止部13上に配置された第一通電部材80に押し付けられる。
【0042】
第一通電部材80は、垂木受け10と垂木30間の通電性を高めるための部材である。第一通電部材80は、金属製板材からなる。
図9および
図10に示すように、金属製板材は、ボルトBの軸部が挿通されるボルト貫通孔81と、一方の部材(垂木受け10)側に突出する第一通電突部82と、他方の部材(垂木30)側に突出する第二通電突部83とを備えている。
【0043】
金属製板材は、ステンレス鋼にて形成されている。金属製板材は、長方形形状を呈している。金属製板材の長辺長さは、第一補強部材50の長手寸法より若干短い(
図5参照)。金属製板材の短辺長さは、互いに対向する係止部13,13間の開口の距離よりも長くなっている。金属製板材は、係止部13,13上に架け渡される(
図4および
図8参照)。ボルト貫通孔81は、金属製板材に二箇所設けられている。第一補強部材50の上方で、金属製板材を設置位置に取り付けると、第一補強部材50のボルト貫通孔53,53と、ボルト貫通孔81,81が同軸状に位置する。ボルト貫通孔81には、ボルトBの軸部が貫通する。
【0044】
図9の(c)に示すように、第一通電突部82は、金属製板材の一方の長辺に沿って形成されている。第一通電突部82は、金属製板材の面に対して略直角になるように立ち上げられている。
【0045】
第二通電突部83は、金属製板材の他方の長辺に沿って形成されている。第二通電突部83とは、第一通電突部82とは反対方向に向いて、金属製板材の面に対して略直角になるように立ち上げられている。
【0046】
第一通電突部82および第二通電突部83は、金属製板材の長辺の全長に渡って端縁部をプレスにて折り曲げ加工して形成されている。第一通電突部82および第二通電突部83は、折り曲げプレス加工時に先端の板厚が薄くなり、断面形状は先端が尖った鋭角の楔形状となっている。
【0047】
図8に示すように、この第一通電部材80は、垂木受け10の係止部13,13の上面と、垂木30の下面および第二補強部材70の脚部72との間に配置される。第一通電部材80は、その長辺方向が垂木受け30の長手方向に沿って、短辺方向が上下に傾斜するように配置される。また、第一通電部材80は、第一通電突部82が係止部13に向かって下向きに突出し、第二通電突部83が垂木30の下面および第二補強部材70の脚部72に向かって突出するように配置される。第一通電突部82は、傾斜の下側に位置している。第一通電突部82は係止部13の外表面に食い込む(
図4の(b)参照)。第二通電突部83は、垂木30の下面(係止プレート片32aの下面)と、第二補強部材70の脚部72の下端に食い込む(
図4の(c)参照)。
【0048】
次に、垂木30が第一部材であり、太陽光パネル2が第二部材である場合の固定構造の構成を説明する。
図11および
図12に示すように、垂木30(第一部材)と太陽光パネル2(第二部材)の固定構造は、ボルトBの頭部が収容される収容溝34を備えた垂木30と、垂木30に固定される一対の太陽光パネル2,2と、太陽光パネル2,2の端部を押さえる押圧部材90と、垂木30と太陽光パネル2の間に挟持される第二通電部材85とを備えている。ボルトBは、例えば、長尺の六角ボルトが用いられている。
【0049】
垂木30の収容溝34は、上方に開口している。収容溝34の溝幅寸法は、ボルトBの頭部の二面幅の寸法より大きく、対角距離より小さくなっている。これによって、ボルトBは、支柱部収容溝41内を長手方向に移動可能でありながらも、回転が阻止された状態となる。
【0050】
垂木30の係止部35は、収容溝34の長手方向全長に渡って形成されている。係止部35は、両側の溝側壁からそれぞれ内側に向かって一対形成されている。一対の係止部35,35は、互いに対称形状になっている。係止部35は、上フランジ部32bよりも肉厚になっている。係止部35,35の離間距離は、ボルトBの軸部の外径よりも僅かに大きい寸法になっている。ボルトBの軸部は、係止部35,35間を通過して、垂木30の上面から突出する。ボルトBの頭部は、収容溝34に収容されており、頭部の座面が係止部35,35の下面に当接することで、ボルトBの抜け落ちが防止されている。係止部35,35の上面(外面)は、上フランジ部32b,32bの上面と面一になっている。
【0051】
太陽光パネル2は、所定厚さの平面長方形の板状に形成されており、周縁部の一部が押圧部材90に押えられて係止されることで、垂木30に固定されている。押圧部材90は、太陽光パネル2の周縁部の上端出隅部を押える部材である。押圧部材90は、基板部91と、基板部91に直交する挿入板部92とを備えている。なお、以下の押圧部材90の説明においては、設置した状態(
図11参照)での上下方向を基準とする。また、垂木受け10の長手方向に沿った方向を押圧部材90の長さ方向と言い、垂木30の長手方向に沿った方向を押圧部材90の幅方向という。基板部91は、隣り合う太陽光パネル2の上面に架け渡される部分であって、垂木受け10の長手方向に沿って装着になっている(
図12参照)。基板部91の幅方向両端部は、太陽光パネル2を押える押圧部91aを構成している。押圧部91aの先端部は、先端に向かうに連れて下面が上面に近付くように傾斜しており、徐々に薄くなっている。基板部91の幅方向中間部は、太陽光パネル2,2間の隙間の上部を覆う部分である。幅方向中間部には、ボルト貫通孔93が形成されている。
【0052】
挿入板部92は、隣り合う太陽光パネル2,2間の隙間に挿入される板部である。挿入板部92は、第一板部92aと第二板部92bを備えてなる。第一板部92aと第二板部92bは、互いに平行になっており、その間にボルトBの軸部が挿通可能な離間寸法となっている。第一板部92aは、第二板部92bよりも下がり長さが長い。第一板部92aは、太陽光パネル2の厚さ寸法の半分よりも長い下がり長さを有している。第一板部92aは、傾斜方向下側に位置する太陽光パネル2の上縁端面2aに当接する。第二板部92bは、太陽光パネル2の厚さ寸法の半分よりも短い下がり長さを有している。第二板部92bは、傾斜方向上側に位置する太陽光パネル2の下縁端面2bに当接する。
【0053】
このような構成にしたことによって、例えば傾斜方向下側から順に太陽光パネル2を取り付けて設置する際に、2枚の太陽光パネル2,2の間のボルト溝において、下側の太陽光パネル2の上側端部に押圧部材91の長い第一板部92aを当接させると、押圧部材91が安定するため、押圧部材90が倒れずに済む。したがって、下側の太陽光パネル2、押圧部材90、上側の太陽光パネル2・・の順に取付け作業がスムーズに行える。さらには、太陽光パネル2,2間のボルトBは比較的長いボルトであるが、押圧部材90の少なくとも一方の挿入板部92の下がり長さが長ければ、太陽光パネル2,2間に長いボルトBを挿通するための幅を確保しやすいという利点もある。もし挿入板部91の下がり長さが両方とも短いと、太陽光パネル2,2間の下の方の間隔が狭まることがある問題が発生するが、少なくとも一方の挿入板部92の下がり長さを長くすることで前記の問題を解決している。
【0054】
図14および
図15に示すように、第二通電部材85は、垂木30と太陽光パネル2間の通電性を高めるための部材である。第二通電部材85は、金属製板材からなる。この金属製板材は、ボルトBの軸部が挿通されるボルト貫通孔86と、一方の部材(垂木30)側に突出する第一通電突部87と、他方の部材(太陽光パネル2)側に突出する第二通電突部88とを備えている。
【0055】
金属製板材は、ステンレス鋼にて形成されている。金属製板材は、正十二角形の各辺が内側にV字状に切り欠かれた形状を呈しており、各出隅部は直角になっている。言い換えれば、金属製板材の外径は、3つの同形状の正方形を、それぞれの重心(対角線の交差位置)を重ねて60度ずつ位相をずらした形状になっている。金属製板材は、垂木30の上端面(係止部35,35の上面と上フランジ部32b,32bの上面)からはみ出さない大きさになっている。ボルト貫通孔86は、金属製板材の重心位置に形成されている。このボルト貫通孔86には、ボルトBの軸部が挿通する。
【0056】
第一通電突部87は、金属製板材の出隅部に形成されている。第一通電突部87は、金属製板材の面に対して略直角になるように立ち上げられている。
【0057】
第二通電突部88は、金属製板材の出隅部に形成されている。第二通電突部88は、第一通電突部87とは反対方向に向いて、金属製板材の面に対して略直角になるように立ち上げられている。
【0058】
第一通電突部87および第二通電突部88は、金属製板材の出隅部の三角形部分をプレスにて折り曲げ加工して形成されている。第一通電突部82および第二通電突部83は、折り曲げプレス加工時に先端の板厚が薄くなり、断面形状は先端が尖った鋭角の楔形状となっている。また、第二通電部材85の通電突部87,88は、平面視でも三角形状である。
【0059】
図13に示すように、この第二通電部材85は、垂木30の係止部35,35の上面と、太陽光パネル2,2の下面との間に配置される。第一通電突部87は係止部35の外表面に食い込み(
図11の部分拡大図参照)、第二通電突部88は、太陽光パネル2の下面に食い込む。
【0060】
ボルトBはその軸部の先端が太陽光パネル2の上面に架け渡された押圧部材90よりも上方に突出する長さを有している。ボルトBは、軸部が上向きの状態で、収容溝34に収容されており、突出した軸部は、第二通電部材85のボルト貫通孔86を挿通するとともに、押圧部材90のボルト貫通孔93を挿通して、押圧部材90の上方に突出している。ボルトBの軸部の先端には、ナットNが螺合されており、その締付け力で押圧部材90が太陽光パネル2を押さえつけている。そして、第二通電部材85が、太陽光パネル2と垂木30に挟持されることとなる。第一通電突部87は、係止部35の外表面に食い込んで、係止部13の表面の耐食被覆層を貫通するので、第二通電部材85と垂木30との通電性が確保される。一方、第二通電突部88は、太陽光パネル2の下面に食い込んで、太陽光パネル2の表面の耐食被覆層を貫通するので、第二通電部材85と太陽光パネル2との通電性が確保される。
【0061】
以下に、本実施形態に係る部材の固定構造によって第一通電部材80を介して垂木受け10と垂木30を固定する手順を説明する。
図4に示すように、まず、第一補強部材50の下面(ボルト回転防止用突条56a,56bが形成されている面)側からボルト貫通孔53,53にボルトB,Bの軸部を挿通する。そして、第一補強部材50とボルトB,Bを収容溝11の端部から挿入し、ボルトBの軸部の先端部を係止部13,13間の隙間から突出させた状態で、所望の位置(垂木30を固定する位置)まで溝長手方向に沿って移動させる。このとき、第一補強部材50は、収容溝11の内法寸法より若干小さいので、収容溝11の内面に引っ掛からない。また、基板部51の上面のガイド溝54に、係止部13の下面のガイド用突条14が入り込んでいるので、第一補強部材50が収容溝11に沿って円滑に移動する。さらに、仮止め用壁部52の下端部が収容溝11の底部に当接しているので、第一補強部材50の傾斜角度を一定に保った状態で、第一補強部材50を収容溝11内で容易に移動させることができる。第一補強部材50を所定位置まで移動させたなら、垂木受け10のビス孔15と、第一補強部材50のビス孔55にビスVaを挿通させて、第一補強部材50を垂木受け10に仮止めする。
【0062】
この状態で、垂木受け10を現場に搬送する。搬送時には、第一補強部材50が垂木受け10に仮止めされているので、第一補強部材50ががたつくことなく安定した状態で搬送できる。
【0063】
そして太陽光パネル架台の施工現場において、垂木受け10を支柱40上に設置した後、垂木受け10から突出しているボルトB,Bの軸部に第一通電部材80を装着し、ボルト貫通孔81,81にボルトB,Bの軸部を挿通させる。このとき、垂木受け30に向かって突出する第一通電突部82が傾斜方向の下側になるように配置する。
【0064】
その後、第一通電部材80から突出したボルトB,Bの軸部間に、垂木30を設置する。垂木30は、その長手方向が、垂木受け10の長手方向に直交するように、前後一対の垂木受け10,10間に架け渡して設置する。ここで、垂木30は、第一通電部材80の上に載置される。このとき、垂木30には、その長手方向の垂木受け10に対する位置を決めるための位置決めビスVbを取り付けておく。位置決めビスVbは、係止プレート片32aの下側から打ち付けておき、位置決めビスVbの頭部が係止プレート片32aの底面から突出するようにしておく。位置決めビスVbの頭部が垂木受け10の上端面の角部に係止することで、垂木30の長手方向位置が容易に決定される。
【0065】
さらに、第一補強部材50は、所望の設置位置に仮止めされているので、突出したボルトBの軸部が垂木受け10に対する垂木30の設置位置のガイドとなる。したがって、垂木30は、ボルトB,Bの軸部間に設置するだけで、垂木受け10の長手方向における位置決めを容易に行うことができる。よって、設置作業が容易になる。
【0066】
その後、垂木30の係止プレート片32aの先端部を押さえるように、第二補強部材70,70を設置する。第二補強部材70は、脚部72を下側にしてボルトBの上方から下ろして、ボルトBの軸部をボルト貫通孔73に挿通させる。そして、第二補強部材70の基板部71から突出するボルトBの軸部の先端部にナットNを装着して締め付ける。このとき、ボルトBの頭部は、ボルト回転防止用突条56a,56bによって回転が阻止された状態であるので、ナットNの締付けを容易に行うことができる。この締付けによって、ボルトBおよびナットNが、第一補強部材50と第二補強部材70と係止部13と第一通電部材80と係止プレート片32aを締め付けて挟持することとなる。そして、第二補強部材70の脚部72が第一通電部材80を押圧して、第一通電部材80が垂木受け10の係止部13を押える。さらに、第二補強部材70の押圧部74が係止プレート片32aの端部を押さえて係止し、係止プレート片32aが第一通電部材80を押圧する。ナットNのボルトBへの本締めが完了した後、ビスVaは取り外してもよいし、そのまま取り付けたままでもよい。
【0067】
このような構成の固定構造によれば、第一通電部材80の第一通電突部82が係止部13の外表面に食い込むので、係止部13の表面の耐食被覆層を貫通する。これによって、第一通電部材80と垂木受け10の通電性が確保される。さらに、第一通電部材80の第二通電突部83は、垂木30の下面(係止プレート片32aの下面)と、第二補強部材70の脚部72の下端に食い込む。ここで、第二通電突部83が係止プレート片32aの下面に食い込んでいるので、係止プレート片32aの表面の耐食被覆層を貫通する。これによって、第一通電部材80と垂木30の通電性が確保される。つまり、固定構造によれば、第一通電部材80を介して垂木受け10と垂木30の通電性を確保することができる。これによって、垂木受け10と垂木30の一方の部材に漏電や落雷などが発生した場合であっても、一部材内での帯電を防ぐことができる。
【0068】
また、本実施形態では、第一通電突部82および第二通電突部83の断面形状は、先端が尖っているので、垂木受け10あるいは垂木30の表面に食い込みやすい。特に、垂木受け10および垂木30はアルミニウム合金にて形成され、第一通電部材80は、アルミニウム合金よりも硬質であるステンレス鋼にて形成されているので、第一通電突部82および第二通電突部83が、垂木受け10あるいは垂木30の表面に食い込みやすい。
【0069】
第一通電突部82および第二通電突部83は、金属製板材の縁端部をプレスにて折り曲げ加工しているので、加工が比較的容易で、精度の高い形状とすることができる。また、第一通電突部82および第二通電突部83は、金属製板材に対して略90度に屈曲しているので、垂木受け10あるいは垂木30の表面に食い込む際に広がり難い(加工前の形状に戻り難い)。さらに、
図8に示すように、第一通電突部82が傾斜方向の下側に配置され、第二通電突部83が傾斜方向の上側に配置されているので、垂木30の荷重は、第一通電突部82および第二通電突部83が金属部板材に対してさらに屈曲する方向に作用する。したがって、第一通電突部82および第二通電突部83は食い込む際に広がり難く、また、垂木30の荷重は、第一通電突部82および第二通電突部83が垂木受け10および垂木30に、さらに食い込む方向に作用する。
【0070】
一方、本実施形態によれば、第一補強部材50によって、係止部13への接触面積を大きくできる。太陽光パネル2を持ち上げる方向への風圧(負圧)によって垂木30が垂木受け10から離反する方向に引っ張られた(垂木30が持ち上げられる方向に引っ張られた)としても、第一補強部材50が上方に移動しようとする押圧力(ボルトBの頭部からの支圧力)が、広い面積に分散されて係止部13に作用することとなる。これによって係止部13にかかる面圧を小さくできるので、係止部13の変形(捲れ上がり)を抑制できる。したがって、大きな負圧に耐えることができる。
【0071】
特に、本実施形態では、第一補強部材50が、収容溝11の溝側壁12a,12bの上端部間と距離と略同等の幅寸法を備えているので、第一補強部材50の幅寸法を最大限に大きくすることができる。これによって、第一補強部材50の係止部13への接触面積を大きくでき、負圧への対抗性能を高めることができる。さらに、第一補強部材50の基板部51は、係止部13より厚く形成されているので、ボルトBの頭部から集中的に作用する支圧力を広い範囲に分散させて伝達することができる。
【0072】
また、第一補強部材50が、収容溝11内で溝長手方向に沿って隣り合う一対のボルトB,Bの軸部をそれぞれ貫通させるように構成され、第二補強部材70,70の両端部間の距離よりも長尺に形成されているので、第一補強部材50の係止部13への接触面積をさらに大きくできる。したがって、係止部13にかかる面圧をより一層小さくできる。また、第一補強部材50の係止部13への接触面積が大きくなることで第一補強部材50と係止部13との摩擦力を大きくでき、第一補強部材50の溝長手方向への滑りを抑制できる。さらに、一つの第一補強部材50で、二つのボルトB,Bを固定しているので、ボルトB,Bごとに第一補強部材50を設けた場合と比較して、第一補強部材50の設置手間を低減できる。
【0073】
また、第一補強部材50では、仮止め用壁部52やボルト回転防止用突条56a,56bが補強リブの役目を果たすことになるので、第一補強部材50の軽量化を図りつつ効率的に第一補強部材50の断面剛性を大きくすることができる。第二補強部材70においても、脚部72が補強リブの役目を果たすことになるので、第二補強部材70の軽量化を図りつつ効率的に第二補強部材70の断面剛性を大きくすることができる。
【0074】
さらに、係止部13が、係止プレート片32a、第一補強部材50の幅方向両端部と第二補強部材70の脚部72とで挟まれるので、係止部13が表裏両面から押さえられることとなり、係止部13の変形をより一層抑制することができる。
【0075】
また、垂木30は幅方向両側が、第二補強部材70にて押さえられ、ボルトBおよびナットNの締付けによって強固に係止されるので、垂木受け10と垂木30の固定強度を高めることができる。特に、第二補強部材70は、断面L字状に形成されているので、ボルトB、ナットNによる締付け力が、係止プレート片32aおよび係止部13に伝達されやすくなるので、係止プレート片32aを押える力を大きくできる。
【0076】
さらに、係止プレート片32aの立上り部33が、押圧部74の凹溝75に入り込んでいるので、垂木受け10と垂木30の固定強度をより一層高めることができる。具体的には、立上り部33が凹溝75に噛み合うことで、垂木30が幅方向にずれるのを確実に防止できる。さらには、係止プレート片32aと第二補強部材70との接触面積を大きくできるので、垂木30と第二補強部材70との間に発生する摩擦力を大きくできる。したがって、垂木30がその長手方向にずれることも防止できる。
【0077】
以下に、本実施形態に係る部材の固定構造によって第二通電部材85を介して垂木30と太陽光パネル2を固定する手順を説明する。
太陽光パネル架台1が完成した後に、
図12に示すように、ボルトBを垂木30の収容溝34の端部から挿入し、ボルトBの軸部の先端部を係止部35,35間の隙間から突出させた状態で、所望の位置(太陽光パネル2を固定する位置で、太陽光パネル2,2間の位置)まで溝長手方向に沿って移動させる。
【0078】
垂木30から突出しているボルトBの軸部に、第二通電部材85を装着して、ボルト貫通孔86にボルトBの軸部を挿通させる。このとき、第二通電部材85は、適宜回転させながら、係止部35,35間の隙間に位置する第一通電突部87の数と、この後設置する太陽光パネル2,2間の隙間に位置する第二通電突部88の数が少なくなるように設置するのが好ましい。
【0079】
その後、第二通電部材85上に太陽光パネル2を設置する。太陽光パネル2は、ボルトBの軸部および押圧部材90を挟んで、傾斜方向の上下に2枚配置する。このとき、押圧部材90のボルト貫通孔93にボルトBの軸部を挿通する。押圧部材90は、太陽光パネル2,2間に掛け渡される。2枚の太陽光パネル2は、ボルトBおよび押圧部材90を配置するために隙間をあけて配置する。
【0080】
その後、押圧部材90から突出するボルトBの軸部の先端部にナットNを装着して締め付ける。このとき、ボルトBの頭部は、垂木30の収容溝34によって回転が阻止された状態であるので、ナットNの締付けを容易に行うことができる。この締付けによって、ボルトBおよびナットNが、係止部35と第二通電部材85と押圧部材90を締め付けて挟持することとなる。これによって、押圧部材90が太陽光パネル2を押圧して、太陽光パネル2が第二通電部材85に押し付けられ、第二通電部材85が、太陽光パネル2と係止部35とに挟持されることとなる。これと同時に、押圧部材90の第一板部92a(挿入板部92)が下側の太陽光パネル2の上縁端面2aに当接するとともに、第二板部92b(挿入板部92)が上側の太陽光パネル2の下縁端面2bに当接する。
【0081】
太陽光パネル2は、傾斜方向の上下両端において押圧部材90に係止される(
図11では一方のみ図示)ことで、固定される。
【0082】
このような固定構造によれば、第二通電部材85の第一通電突部87が係止部35の外表面に食い込むので、係止部35の表面の耐食被覆層を貫通する。これによって、第二通電部材85と垂木30の通電性が確保される。さらに、第二通電部材85の第二通電突部88は、太陽光パネル2の下面の下端に食い込むので、太陽光パネル2の表面の耐食被覆層を貫通する。これによって、第二通電部材85と太陽光パネル2の通電性が確保される。つまり、この固定構造によれば、第二通電部材85を介して垂木30と太陽光パネル2の通電性を確保することができるので、太陽光パネル2の帯電を防ぐことができ、作業者が、太陽光パネル2や太陽光パネル架台1のフレーム材に触れても問題ない。なお、太陽光パネル2や垂木30や垂木受け10に流れた電流は、支柱40と杭41を固定するファスナー部材(図示せず)に設置されたアースを介して地盤へと流される。
【0083】
また、第二通電部材85では、第一通電部材80で得られる作用効果の他に以下のような作用効果が得られる。第二通電部材85では、第一通電突部87および第二通電突部88は、断面形状だけでなく平面視でも三角形状であるので、第一通電部材80の通電突部82,83と比較して、小さい圧力でプレス加工を行える。さらに、第二通電部材85の第一通電突部87および第二通電突部88は、他の部材に食い込みやすい。
【0084】
さらに、第一通電部材80および第二通電部材85によれば、当接する部材に食い込む第一通電突部82,87と第二通電突部83,88を備えているため、太陽光パネル2と垂木30、あるいは垂木30と垂木フレーム10の部材同士の滑りを抑制することもできる。
【0085】
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。例えば、本実施形態では、部材の固定構造を、垂木受け10と垂木30の固定、および垂木30と太陽光パネル2の固定に採用しているが、他の部材の一方に収容溝を形成すれば他の部材同士の固定にも採用可能である。さらには、太陽光パネル架台以外の部材同士の固定構造としても採用可能である。
【0086】
また、前記実施形態では、第二通電部材85は、正十二角形の各辺が内側にV字状に切り欠かれた形状を呈しているがこれに限定されるものではない。例えば、
図16の(a)に示すように、正八角形の各辺が内側にV字状に切り欠かれた形状の通電部材85aであってもよいし、
図16の(b)に示すように、正十角形の各辺が内側にV字状に切り欠かれた形状の通電部材85bであってもよい。通電部材85a,85bは、ともに各出隅部が直角になっている。なお、出隅部は直角に限定されるものではなく、鋭角であっても鈍角であってもよい。通電部材85a,85bは、ともに第一通電突部87と第二通電突部88が、隣り合う出隅部に交互に形成されている。また、通電部材85a,85bは、ともに金属製板材の重心位置にボルト貫通孔86が形成されている。
【0087】
このように、出隅部の数を変更すると以下のような作用効果が得られる。出隅部を増やしたときは、第一通電突部87と第二通電突部88が増加するので、通電性を高めることができる。一方、出隅部を減らしたときは、第一通電突部87と第二通電突部88が減少するので、加工手間を低減することができる。