(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5988768
(24)【登録日】2016年8月19日
(45)【発行日】2016年9月7日
(54)【発明の名称】容器
(51)【国際特許分類】
B65D 77/20 20060101AFI20160825BHJP
B65D 43/02 20060101ALI20160825BHJP
B65D 81/38 20060101ALI20160825BHJP
B65D 1/22 20060101ALI20160825BHJP
【FI】
B65D77/20 B
B65D43/02 Z
B65D81/38 L
B65D1/22
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-180851(P2012-180851)
(22)【出願日】2012年8月17日
(65)【公開番号】特開2014-37255(P2014-37255A)
(43)【公開日】2014年2月27日
【審査請求日】2015年2月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】505471978
【氏名又は名称】株式会社積水化成品山口
(73)【特許権者】
【識別番号】000002440
【氏名又は名称】積水化成品工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074332
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100138416
【弁理士】
【氏名又は名称】北田 明
(72)【発明者】
【氏名】有吉 勝秀
【審査官】
藤井 眞吾
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−212844(JP,A)
【文献】
実公昭35−029887(JP,Y1)
【文献】
実公昭35−029888(JP,Y1)
【文献】
特表2009−508781(JP,A)
【文献】
特開平05−085569(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 77/20
B65D 1/22
B65D 43/02
B65D 81/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端部に開口部を有する発泡合成樹脂よりなる容器本体と、この容器本体の開口部を開閉するように該容器本体に対して着脱自在に取り付けられる発泡合成樹脂よりなる上蓋とを備えた容器であって、
前記容器本体の上端部における内側に、上下方向に複数の被嵌合部が形成され、該複数の被嵌合部に嵌合すべく前記上蓋に上下方向に複数の嵌合部が形成され、前記上蓋を前記容器本体に嵌合するときに前記容器本体内の空気抜きをするための切欠きが該上蓋の最下段の嵌合部に形成され、
前記容器本体の複数の被嵌合部が、該容器本体の上端面と該上端面の内側端から下方に垂下した第1内側面とからなる上側被嵌合部と、該第1内側面の下側部分から内側に突出した略水平な水平面と該水平面の内側端から略下方へ垂下した第2内側面とからなる下側被嵌合部とから構成され、前記上蓋が、天板部と、該天板部の下面の外周縁よりも内側となる内側部分から下方に突出する枠状の第1凸状部と、該第1凸状部の下面の外周縁よりも内側となる内側部分から下方に突出する枠状の第2凸状部とからなり、前記上蓋の複数の嵌合部が、前記上側被嵌合部に嵌合すべく前記天板部の外周縁の下面とこの下面から下方に垂下する前記第1凸状部の第1外側面とからなる上側嵌合部と、前記下側被嵌合部に嵌合すべく前記第1凸状部の外周縁の下面とこの下面から下方に垂下する前記第2凸状部の第2外側面とからなる下側嵌合部とから構成され、前記上蓋の最下段の嵌合部に形成される切欠きが、前記第2凸状部の周方向の複数個所において、該第2凸状部が上下方向に切欠かれて形成されていることを特徴とする容器。
【請求項2】
前記容器本体及び上蓋が、矩形状に構成され、前記第1凸状部及び前記第2凸状部が、矩形枠状であり、前記切欠きが、前記第2凸状部の対向する2辺に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上端部に開口部を有する発泡合成樹脂よりなる容器本体と、この容器本体の開口部を開閉するように該容器本体に対して着脱自在に取り付けられる発泡合成樹脂よりなる上蓋とを備えた容器に関する。
【背景技術】
【0002】
上記容器では、容器本体に被嵌合部を形成し、この被嵌合部に嵌合する嵌合部を上蓋に形成している。そして、容器の容器本体内に収容物を蓄冷材と一緒に入れ、上蓋の嵌合部を容器本体の被嵌合部に嵌合することによって、容器本体が上蓋で閉止された状態になる。このように閉止状態になった容器を運搬することが行われている。
【0003】
具体的には、容器本体に形成される被嵌合部が、下部に空気溜まり部が形成され、上方が開放された係合溝からなり、上蓋に形成される嵌合部が、前記係合溝に係合すべく下方に突出する係合頭部からなっている。また、空気溜まり部に、容器本体の内部と連通する内部連通部及び外部と連通する外部連通部が連通されている。これにより、容器本体が上蓋で閉止された状態において、外部連通部、空気溜まり部、内部連通部を通して容器の内部と外部が常時連通された状態になっている。このような構成にすることによって、上蓋を容器本体に閉止するときに容器の内圧が外気圧よりも高くなって上蓋の閉止動作が良好に行えないことがないようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実公平7−14205号公報(
図1及び
図4参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1の構成では、係合溝に係合頭部が係合した状態において係合頭部の下方に隙間となる空気溜まり部を備えている関係上、強固な係合状態にすることができない。そのため、輸送中の振動等により上蓋が外れやすいといった不都合があった。また、容器の内外が、外部連通部、空気溜まり部、内部連通部を通して常時連通された状態になっているため、上蓋を容器本体に閉止した後において密閉性を高めることができないという不都合もあり、改善の余地があった。
【0006】
本発明の目的は、前述の問題に鑑みてなされたもので、上蓋を容器本体に強固に閉止することができるだけでなく、上蓋の閉止後において密閉性を高めることができる容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る容器は、上端部に開口部を有する発泡合成樹脂よりなる容器本体と、この容器本体の開口部を開閉するように該容器本体に対して着脱自在に取り付けられる発泡合成樹脂よりなる上蓋とを備えた容器であって、前記容器本体の上端部における内側に、上下方向に複数の被嵌合部が形成され、該複数の被嵌合部に嵌合すべく前記上蓋に上下方向に複数の嵌合部が形成され、前記上蓋を前記容器本体に嵌合するときに前記容器本体内の空気抜きをするための切欠
きが該上蓋の最下段の嵌合部に形成され
、前記容器本体の複数の被嵌合部が、該容器本体の上端面と該上端面の内側端から下方に垂下した第1内側面とからなる上側被嵌合部と、該第1内側面の下側部分から内側に突出した略水平な水平面と該水平面の内側端から略下方へ垂下した第2内側面とからなる下側被嵌合部とから構成され、前記上蓋が、天板部と、該天板部の下面の外周縁よりも内側となる内側部分から下方に突出する枠状の第1凸状部と、該第1凸状部の下面の外周縁よりも内側となる内側部分から下方に突出する枠状の第2凸状部とからなり、前記上蓋の複数の嵌合部が、前記上側被嵌合部に嵌合すべく前記天板部の外周縁の下面とこの下面から下方に垂下する前記第1凸状部の第1外側面とからなる上側嵌合部と、前記下側被嵌合部に嵌合すべく前記第1凸状部の外周縁の下面とこの下面から下方に垂下する前記第2凸状部の第2外側面とからなる下側嵌合部とから構成され、前記上蓋の最下段の嵌合部に形成される切欠きが、前記第2凸状部の周方向の複数個所において、該第2凸状部が上下方向に切欠かれて形成されていることを特徴としている。
【0008】
本発明の構成によれば、容器本体に上蓋を閉止する場合には、上下方向に形成された複数の被嵌合部に、これに対応するように上下方向に形成された複数の嵌合部が嵌合するから、上蓋を容器本体に強固に閉止することができる。そして、上蓋を容器本体に嵌合するときに、上蓋の最下段の嵌合部に備えた切欠き又は貫通孔を通して容器本体内の空気が外部へ排出されることによって、容器の内圧が外気圧よりも高くなって上蓋の閉止動作が良好に行えないといったことがない。また、上蓋を容器本体に閉止した後は、少なくとも最下段の嵌合部以外の嵌合部で嵌合状態となり、容器の高い密閉性を維持することができる。
また、上蓋を容器本体に閉止した状態では、上蓋の上側嵌合部が容器本体の上側被嵌合部に嵌合し、かつ、上蓋の下側嵌合部が容器本体の下側被嵌合部に嵌合している。この嵌合状態では、第1枠状部の下面と下側被嵌合部の水平面との間、第1枠状部の第1外側面と上側被嵌合部の第1内側面との間、天板部の外周縁の下面と容器本体の上端面との間で封止されているため、第2枠状部の周方向の複数個所において、第2枠状部が上下方向に切欠かれて形成された切欠きを通して容器本体内の空気が外部に排出されることを確実に阻止することができる。また、上蓋を天板部と第1枠状部と第2枠状部とから構成することによって、上蓋の軽量化及び発泡合成樹脂材料の削減化を図ることができる。
【0011】
また、本発明に係る容器は、前記容器本体及び上蓋が、矩形状に構成され、前記第1枠状部及び前記第2枠状部が、矩形枠状であり、前記切欠きが、前記第2枠状部の対向する2辺に形成されていてもよい。
【0012】
かかる構成によれば、切欠きが、第2枠状部の対向する2辺に形成されていることで、1辺にのみ切欠きが形成されている場合に比べて、容器本体の内部の空気を上蓋が閉止されるまでの間に確実に排出することができ、上蓋の閉止作業をより一層良好に行うことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の容器によれば、上蓋を容器本体に嵌合するときに容器本体内の空気抜きのための切欠き又は貫通孔を上蓋の最下段の嵌合部に備えることによって、上蓋を容器本体に強固に閉止することができるだけでなく、上蓋の閉止後において密閉性を高めることができる容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施形態の容器を示した側面図である。
【
図8】同容器における上蓋と容器本体との嵌合部を示す要部の縦断面図を示し、(a)は嵌合直前の状態を示し、(b)は嵌合が完了した状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の容器である保冷容器の一実施形態について、
図1〜
図8を参照しつつ説明する。この保冷容器1は、上端部に開口部2を有する発泡合成樹脂でなる箱状の容器本体3と、この容器本体3の開口部2を開閉するように容器本体3に対して着脱可能に取付けられる発泡合成樹脂でなる上蓋4とを備えている。尚、発泡合成樹脂としては、特に限定されないが、例えば、発泡ポリスチレン、発泡ポリエチレン、発泡ポリプロピレン等の各種発泡合成樹脂が利用できる。また、保冷容器1内には、冷蔵食品又は冷凍食品を蓄冷材又はドライアイスとともに収容したり、魚を蓄冷材や氷とともに収容する。尚、以下の説明において、保冷容器1の短辺方向を左右方向とし、保冷容器1の長辺方向を前後方向とする。
【0016】
容器本体3は、
図1〜
図5に示すように、底壁30と本体側壁31とを備えている。底壁30は、平面視略長方形に形成された平板状に形成されている。底壁30の表面(上面)30Aは、容器本体3の底面に相当し、冷蔵食品や冷凍食品あるいは魚の他、常温保存する食品等の収容物を支持する面である。また、底壁30の表面30Aは平坦面である。さらに、底壁30の裏面(下面)30Bは、外周部に位置する外側部分30aと、外側部分30aで囲まれるとともに外側部分30aよりも下方に突出した内側部分30bとを備えている。これら外側部分30aと内側部分30bは共に底壁30の表面30Aと平行な平坦面である。
【0017】
本体側壁31は、底壁30の表面30Aの外周縁部から上方に立ち上げられていることで、矩形枠状(矩形環状)に形成されている。本体側壁31は、左右側壁310,310及び前後側壁320,320から構成されている。左右側壁310,310は、底壁30の一対の長辺である左右の縁部から上方に立ち上げられ、左右方向で互いに対向している。前後側壁320,320は、底壁30の一対の短辺である前後の縁部から上方に立ち上げられ、前後方向で互いに対向している。
【0018】
前後側壁320,320の厚み方向外面(以下単に、外面と称する)の左右方向中心部には、指を掛けて保冷容器1を把持するための把持用凹部321,321が形成されている。把持用凹部321,321は、底壁30の下面である裏面30Bにおける外側部分30aから上方に向けて、前後側壁320,320の上下方向(高さ方向)途中部分まで延長されている。そして、前後側壁320,320では、把持用凹部321,321を形成することにより厚みが薄くなるのを避けるために、把持用凹部321,321に対応する部分320A(
図5参照)を、容器本体3の内側に突出させている。
【0019】
上蓋4は、天板部40と上蓋側壁41とを備えている。天板部40は平面視略長方形に形成され、その上面の外周縁には、外周部全域に亘って枠状の凸条401が形成され、その凸条401の所定箇所に、容器本体3と上蓋4とに掛け回して両者を固定するバンドを入り込ませる切欠き部Sが形成されている。この切欠き部Sは、凸条401の対向する二辺のうちの短辺側の二辺それぞれの辺方向中央部に所定長さを持って形成されている。天板部40の内側の下面には、天板部40の強度を高めるための十字状で帯状のリブ40T(
図7参照)が下方に突出形成されている。
【0020】
また、天板部40の外形寸法が容器本体3の外形寸法よりも少し小さい寸法になるように天板部40及び容器本体3の寸法を設定している。つまり、
図3の平面視において、天板部40の4つの側壁部40A,40B,40C,40Dに対して容器本体3の前後側壁320,320及び左右側壁310,310が外側に突出した状態になっている。このように構成することによって、例えば保冷容器1を荷台上に縦横に隙間なく配置して運搬する場合に、走行中の振動等によって、隣り合う保冷容器1の上蓋4,4同士が当接して上蓋4が外れてしまうといったことを阻止することができる。
【0021】
凸条401は、
図3に示すように、所定高さに形成された凸条本体402と、凸条本体402の外側に位置し、凸条本体402よりも高さが低く、かつ、凸条本体402よりも厚みが薄い外側部403とからなっている。
【0022】
前記凸条401を設ける(形成する)ことによって、凸条の内側部分に底壁30の内側部分30bが内嵌する凹部40Hが形成される。これにより、保冷容器1を上下方向に積み重ねたときに、下側の保冷容器1の上蓋4の凹部40Hに、上側の保冷容器1の底壁30の内側部分30bが内嵌することによって、上側の保冷容器1が下側の保冷容器1に対して前後方向及び左右方向のいずれの方向にも位置ずれすることがないようにしている。
【0023】
上蓋側壁41は、
図6及び
図7に示すように、天板部40の下面の外周縁よりも内側となる内側部分から下方に突出する平面視長方形状の第1枠状部410と、第1枠状部410の下面の外周縁よりも内側となる内側部分から下方に突出し、第1枠状部410よりも上下方向の長さが短いとともに厚みも薄い第2枠状部411とからなっている。
【0024】
また、容器本体3の上端部における内側には、複数段の階段状になるように上下方向に複数(図では2個)の被嵌合部301が形成され、複数の被嵌合部301に嵌合すべく上蓋4に、複数段の逆階段状になるように上下方向に複数(図では2個)の嵌合部412が形成されている。さらに、上蓋4を容器本体3に嵌合するときに容器本体3内の空気抜きをするための切欠き414を上蓋4の最下段の嵌合部412に備えている。
【0025】
容器本体3の被嵌合部301が、
図5及び
図8に示すように、容器本体3の上端面3Aと上端面3Aの内側端から下方に垂下した第1内側面3Bとからなる上側被嵌合部3011と、第1内側面3Bの上側被嵌合部3011の上端面よりも下方に位置する下側部分から内側に突出した略水平な水平面3Cと水平面3Cの内側端から略下方へ垂下した第2内側面3Dとからなる下側被嵌合部3012とから構成されている。
【0026】
これに対して、上蓋4の嵌合部412が、上側被嵌合部3011に嵌合すべく天板部40の外周縁の下面40bとこの下面40bから下方に垂下する第1枠状部410の第1外側面410Aとからなる上側嵌合部4121と、下側被嵌合部3012に嵌合すべく第1枠状部410の外側の下面410Bとこの下面410Bの内側端から下方に垂下する第2枠状部411の第2外側面411Aとからなる下側嵌合部4122とから構成されている。尚、
図5に示すように、容器本体3の4つの角部の内側には、容器本体3の中心部側に突出する突出部312が下側嵌合部4122よりも下部から底壁30の表面30Aまで延びるように形成され、4つの角部の強度アップを図っている。
【0027】
また、切欠き414が、第2枠状部411の周方向の複数個所(図では4箇所)において第2枠状部411が上下方向に切欠かれて形成されている。具体的には、切欠き414は、第2枠状部411の対向する2辺のそれぞれに互いに対向するように2個の切欠き414A,414Bから構成されている。
【0028】
上蓋4の上面及び容器本体3の一方の側壁310の外面には、
図1及び
図3に示すように、保冷容器1に関する情報が保冷容器1を形成する成形時に一体形成されている。つまり、保冷容器形成用の金型(図示せず)に銘板(図示せず)を備えさせることによって、保冷容器1に凹凸を付けて保冷容器1に関する情報を形成している。
【0029】
図3の上蓋4に形成された情報は、上蓋4の上面よりも下方に凹んだ凹部4Sの表面から文字である「この箱は」4M(
図3の文字4Mの右隣の8個の○4Vは、文字を省略している)や図形4N(
図3の図形4Nの右隣の6個の○4Wは、文字を省略している)等が上方に突出するように形成されている。
【0030】
また、
図1の側壁310の外面に形成された情報は、側壁310の外面と面一となる表面3101に凹んだ上下の凹部3101A,3101Bを形成することによって、それら凹部3101A,3101B内に「C」の文字3101C(
図1の「C」の右隣の3個の○3101Cは、文字を省略している)「この」の文字3101D(
図1の「この」以外の○3101Dは、文字を省略している)等が外側に突出するように形成されている。尚、
図1の情報を表示する部分の表面3101の上下方向中央に記した3個の○3101Eは、凹んだ文字を形成したものであるが、その文字は省略している。
【0031】
要するに、上蓋4に形成された情報は、金型の表面に銘板を取り付けて保冷容器1を成形することによって、銘板の厚み分だけ上蓋4の表面から下方に凹んだ凹部4Sが形成されることになる。これに対して、側壁310に形成された情報は、金型に形成された凹部内に銘板を収容して銘板の表面と金型の表面とが面一になるように取り付けて保冷容器1を成形することによって、表示する部分の表面3101を側壁310の表面と面一にすることができる。しかも、金型に形成された凹部内に銘板を収容して銘板の表面と金型の表面とを面一にすることによって、金型が厚くなることがなく、その分熱伝導率を良くすることができる。
【0032】
前記のように構成された保冷容器1の容器本体3内に収容物を収容し、必要に応じて蓄冷材(又は氷)あるいはドライアイス等を収容する。この後、容器本体3に上蓋4を嵌合して密閉状態にする。上蓋4を容器本体3に嵌合するに伴い、容器本体3内で圧力が高まることになるが、第2枠状部411に形成された4個の切欠き414A,414Bを通して、容器本体3の内部の空気が、
図8(a)に示すように、上蓋4の第1枠状部410の外面410Aと容器本体3の第1内側面3Bとの隙間及び上蓋4の天板部40の下面40bと容器本体3の上端面3Aとの隙間を通して保冷容器1外へ排出される。これにより保冷容器1の内圧が外気圧よりも高くなって上蓋4の閉止動作が良好に行えないといったことがない。また、上蓋4を容器本体3に閉止した後は、
図8(b)に示すように、上蓋4の上側嵌合部4121及び下側嵌合部4122が、容器本体3の上側被嵌合部3011及び下側被嵌合部3012に嵌合した嵌合状態になっているので、保冷容器1の高い密閉性を維持することができる。要するに、上蓋4の上側嵌合部4121及び下側嵌合部4122と容器本体3の上側被嵌合部3011及び下側被嵌合部3012との嵌合が完了するまでは、4個の切欠き414A,414Bを通して、容器本体3内の空気を保冷容器1の外部へ排出することができながらも、嵌合が完了した後は、上蓋4の上下の2つの嵌合部4121,4122と容器本体3の上下の2つの被嵌合部3011,3012とが嵌合状態となって保冷容器1を高い密閉状態に維持することができる。また、上蓋4を天板部40と第1枠状部410と第2枠状部411とから構成することによって、上蓋4の軽量化及び発泡合成樹脂材料の削減化を図ることができる。
【0033】
以上、本発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0034】
前記実施形態では、第2枠状部411に切欠き414を形成したが、第2枠状部411に貫通孔を形成してもよい。
【0035】
また、前記実施形態では、保冷容器に2個の嵌合部を備えさせた場合を示したが、3個以上の嵌合部を備えたものであってもよい。
【0036】
また、前記実施形態では、矩形状の容器本体3及び上蓋4を示したが、楕円形状又は円形状あるいは多角形状に容器本体3及び上蓋4を構成してもよい。
【符号の説明】
【0037】
1…保冷容器、2…開口部、3…容器本体、3A…上端面、3B…内側面、3C…水平面、3D…内側面、4…上蓋、4M…文字、4S…凹部、30…底壁、30A…表面、30B…裏面、30a…外側部分、30b…内側部分、31…本体側壁、40…天板部、40H…凹部、40b…下面、40A…上面、40T…リブ、41…上蓋側壁、301…被嵌合部、310…左右側壁、312…突出部、320…前後側壁、320A…部分、321…把持用凹部、401…凸条、402…凸条本体、403…外側部、410…第1枠状部、410A…外側面、410B…下面、411…第2枠状部、411A…外側面、412…嵌合部、3011…上側被嵌合部、3012…下側被嵌合部、3101…表面、3101A,3101B…凹部、3101M…文字、4121…上側嵌合部、4122…下側嵌合部