【実施例】
【0037】
以下、本発明による銅合金板材およびその製造方法の実施例について詳細に説明する。
【0038】
[実施例1]
表1に示す化学成分の銅合金(2.33質量%のFeと、0.022質量%のPと、残部がCuおよび不可避不純物からなる銅合金)を高周波溶解炉で溶解し、厚さ30mm×幅50mm×長さ150mmの鋳塊を作製した。
【0039】
【表1】
【0040】
この鋳塊を加熱炉で1050℃まで加熱して3時間保持した後、750℃以上の温度域において圧延率67%で熱間圧延を6パス行って板厚10mmの圧延材を得た。なお、この熱間圧延のパス間で温度が低下するのを防止するために、950℃の加熱炉に2分間保持した。続いて、600℃の加熱炉に2分間保持した後、600〜450℃の温度域において圧延率40%で熱間圧延を2パス行って板厚6mmの圧延材を得た。
【0041】
次に、得られた熱間圧延材に、焼鈍炉によって高温時効焼鈍を600℃で6時間行った後に低温時効焼鈍を450℃で4時間行った。
【0042】
次に、これらの高温および低温の2段階の時効焼鈍後の圧延材の表面と裏面を研磨し、板厚が0.127mmになるまで仕上げ冷間圧延(圧延率98%)を行った後、425℃の焼鈍炉内に1分間保持する低温焼鈍を行って板厚0.127mmの銅合金板材を作製した。
【0043】
これらの製造条件を表2および表3に示す。
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
得られた銅合金板材について、Fe−P粒子の密度、磁化、導電率および硬さを求めるとともに、耐熱性の評価を行った。
【0047】
Fe−P粒子の密度は、SEM−EDX(走査型電子顕微鏡(SEM)として日立ハイテクフィールディング株式会社製のS−3000、エネルギー分散型X線分析装置(EDX)として株式会社堀場製作所製のEMAX−7000を使用した装置)を用いて、加速電圧20kV、倍率500倍(観察視野180μm×260μm)として銅合金板材上の任意の20箇所を観察し、粒径1μm以上の析出物の個数を数えて、析出物の密度(単位面積当たりの個数)を求めた。なお、析出物がFe−P粒子であることは、EDXを用いて分析することによって確認した。その結果、Fe−P粒子の密度は14個/mm
2であった。
【0048】
磁化は、銅合金板材を8mm角に切断し、試料振動型磁力計(VSM)を用いて、印加磁界5kOe、振動周波数80Hzの条件で、銅合金板材の圧延方向に磁場がかかるように測定した。その結果、磁化は3.3emu/gであった。
【0049】
導電率は、JIS H0505の導電率測定方法に従って測定した。その結果、導電率は64.2%IACSであった。
【0050】
硬さは、JIS Z2244に準拠して、試験荷重500gfとしてビッカース硬さHVを測定した。その結果、ビッカース硬さHVは154であった。
【0051】
耐熱性は、銅合金板材を500℃に加熱された(大気)炉内で30分間保持し、炉から取り出して室温まで空冷した後、ビッカース硬さHVを測定することによって評価した。その結果、500℃で30分間保持した後のビッカース硬さHVは146であった。
【0052】
これらの結果を表4に示す。
【0053】
【表4】
【0054】
[実施例2〜7]
表1に示す化学成分の銅合金(実施例2では、2.05質量%のFeと、0.034質量%のPと、0.04質量%のSnと、0.067質量%のZnと、残部がCuおよび不可避不純物からなる銅合金、実施例3では、1.68質量%のFeと、0.071質量%のPと、残部がCuおよび不可避不純物からなる銅合金、実施例4では、2.48質量%のFeと、0.018質量%のPと、0.05質量%のMgと、残部がCuおよび不可避不純物からなる銅合金、実施例5では、2.41質量%のFeと、0.028質量%のPと、0.254質量%のZnと、残部がCuおよび不可避不純物からなる銅合金、実施例6では、1.93質量%のFeと、0.048質量%のPと、0.073質量%のSnと、残部がCuおよび不可避不純物からなる銅合金、実施例7では、2.32質量%のFeと、0.032質量%のPと、0.097質量%のNiと、0.005質量%のMnと、残部がCuおよび不可避不純物からなる銅合金)から鋳塊を作製し、高温時効焼鈍を600℃で4時間、低温時効焼鈍を450℃で8時間(実施例2)、高温時効焼鈍を600℃で1時間、低温時効焼鈍を450℃で12時間(実施例3)、高温時効焼鈍を550℃で6時間、低温時効焼鈍を420℃で4時間(実施例4)、高温時効焼鈍を550℃で4時間、低温時効焼鈍を420℃で8時間(実施例5)、高温時効焼鈍を550℃で1時間、低温時効焼鈍を450℃で12時間(実施例6)、高温時効焼鈍を600℃で6時間、低温時効焼鈍を450℃で4時間(実施例7)行った以外は、実施例1と同様の方法により、銅合金板材を作製した。これらの製造条件を表2および表3に示す。
【0055】
得られた銅合金板材について、実施例1と同様の方法により、Fe−P粒子の密度、磁化、導電率および硬さを求めるとともに、耐熱性の評価を行った。その結果、Fe−P粒子の密度は、それぞれ8個/mm
2(実施例2)、18個/mm
2(実施例3)、13個/mm
2(実施例4)、9個/mm
2(実施例5)、16個/mm
2(実施例6)、10個/mm
2(実施例7)であった。また、磁化は、それぞれ2.9emu/g(実施例2)、3.4emu/g(実施例3)、2.2emu/g(実施例4)、2.7emu/g(実施例5)、2.1emu/g(実施例6)、3.1emu/g(実施例7)であった。また、導電率は、それぞれ62.1%IACS(実施例2)、67.9%IACS(実施例3)、65.1%IACS(実施例4)、62.8%IACS(実施例5)、66.1%IACS(実施例6)、63.2%IACS(実施例7)であった。また、ビッカース硬さHVは、それぞれ164(実施例2)、151(実施例3)、162(実施例4)、150(実施例5)、154(実施例6)、172(実施例7)であった。さらに、銅合金板材を500℃で30分間保持した後のビッカース硬さHVは、それぞれ157(実施例2)、142(実施例3)、158(実施例4)、145(実施例5)、150(実施例6)、165(実施例7)であった。これらの結果を表4に示す。
【0056】
[実施例8〜10]
表1に示す化学成分の銅合金(実施例8では、2.15質量%のFeと、0.026質量%のPと、0.054質量%のCoと、0.030質量%のSiと、残部がCuおよび不可避不純物からなる銅合金、実施例9では、2.24質量%のFeと、0.024質量%のPと、0.045質量%のTiと、0.009質量%のAlと、残部がCuおよび不可避不純物からなる銅合金、実施例10では、2.06質量%のFeと、0.016質量%のPと、0.006質量%のCrと、0.005質量%のZrと、残部がCuおよび不可避不純物からなる銅合金)から鋳塊を作製し、熱間圧延と時効焼鈍の間に圧延率75%で冷間圧延を行い、仕上げ冷間圧延の圧延率92%とした以外は、実施例1と同様の方法により、銅合金板材を作製した。これらの製造条件を表2および表3に示す。
【0057】
得られた銅合金板材について、実施例1と同様の方法により、Fe−P粒子の密度、磁化、導電率および硬さを求めるとともに、耐熱性の評価を行った。その結果、Fe−P粒子の密度は、それぞれ15個/mm
2(実施例8)、10個/mm
2(実施例9)、19個/mm
2(実施例10)であった。また、磁化は、それぞれ3.5emu/g(実施例8)、2.5emu/g(実施例9)、1.7emu/g(実施例10)であった。また、導電率は、それぞれ66.9%IACS(実施例8)、64.2%IACS(実施例9)、63.8%IACS(実施例10)であった。また、ビッカース硬さHVは、それぞれ174(実施例8)、168(実施例9)、171(実施例10)であった。さらに、銅合金板材を500℃で30分間保持した後のビッカース硬さHVは、それぞれ162(実施例8)、163(実施例9)、167(実施例10)であった。これらの結果を表4に示す。
【0058】
[実施例11〜12]
表1に示す化学成分の銅合金(実施例11では、2.34質量%のFeと、0.019質量%のPと、残部がCuおよび不可避不純物からなる銅合金、実施例12では、2.40質量%のFeと、0.030質量%のPと、残部がCuおよび不可避不純物からなる銅合金)から鋳塊を作製し、実施例11では熱間圧延の際の加熱温度を1050℃に代えて1080℃、750℃以上の温度域の圧延率を60%、600〜450℃の温度域の圧延率を50%とし、実施例12では熱間圧延の際の加熱温度を1050℃に代えて1020℃、750℃以上の温度域の圧延率を70%、600〜450℃の温度域の圧延率を33%とした以外は、実施例1と同様の方法により、銅合金板材を作製した。これらの製造条件を表2および表3に示す。
【0059】
得られた銅合金板材について、実施例1と同様の方法により、Fe−P粒子の密度、磁化、導電率および硬さを求めるとともに、耐熱性の評価を行った。その結果、Fe−P粒子の密度は、それぞれ7個/mm
2(実施例11)、16個/mm
2(実施例12)であった。また、磁化は、それぞれ2.8emu/g(実施例11)、1.9emu/g(実施例12)であった。また、導電率は、それぞれ65.4%IACS(実施例11)、63.3%IACS(実施例12)であった。また、ビッカース硬さHVは、それぞれ165(実施例11)、169(実施例12)であった。さらに、銅合金板材を500℃で30分間保持した後のビッカース硬さHVは、それぞれ160(実施例11)、165(実施例12)であった。これらの結果を表4に示す。
【0060】
[比較例1]
熱間圧延の際の加熱温度を1050℃に代えて950℃とした以外は、実施例1と同様の方法により、銅合金板材を作製した。これらの製造条件を表2および表3に示す。
【0061】
得られた銅合金板材について、実施例1と同様の方法により、Fe−P粒子の密度、磁化、導電率および硬さを求めるとともに、耐熱性の評価を行った。その結果、Fe−P粒子の密度は63個/mm
2、磁化は3.3emu/g、導電率は63.8%IACS、ビッカース硬さHVは152、銅合金板材を500℃で30分間保持した後のビッカース硬さHVは108であった。これらの結果を表4に示す。
【0062】
[比較例2]
熱間圧延の際の加熱温度を1050℃に代えて950℃とし、(実施例4と同様に)高温時効焼鈍を550℃で6時間、低温時効焼鈍を420℃で4時間行った以外は、実施例1と同様の方法により、銅合金板材を作製した。これらの製造条件を表2および表3に示す。
【0063】
得られた銅合金板材について、実施例1と同様の方法により、Fe−P粒子の密度、磁化、導電率および硬さを求めるとともに、耐熱性の評価を行った。その結果、Fe−P粒子の密度は91個/mm
2、磁化は3.0emu/g、導電率は65.1%IACS、ビッカース硬さHVは157、銅合金板材を500℃で30分間保持した後のビッカース硬さHVは91であった。これらの結果を表4に示す。
【0064】
[比較例3〜5]
高温時効焼鈍と低温時効焼鈍の2段階の時効処理に代えて、それぞれ600℃で10時間(比較例3)、450℃で24時間(比較例4)、550℃で14時間(比較例5)の等温時効を行った以外は、実施例1と同様の方法により、銅合金板材を作製した。これらの製造条件を表2および表3に示す。
【0065】
得られた銅合金板材について、実施例1と同様の方法により、Fe−P粒子の密度、磁化、導電率および硬さを求めるとともに、耐熱性の評価を行った。その結果、Fe−P粒子の密度は、それぞれ20個/mm
2(比較例3)、14個/mm
2(比較例4)、10個/mm
2(比較例5)であった。また、磁化は、それぞれ4.7emu/g(比較例3)、0.9emu/g(比較例4)、4.1emu/g(比較例5)であった。また、導電率は、それぞれ64.7%IACS(比較例3)、45.4%IACS(比較例4)、63.1%IACS(比較例5)であった。また、ビッカース硬さHVは、それぞれ119(比較例3)、159(比較例4)、158(比較例5)であった。さらに、銅合金板材を500℃で30分間保持した後のビッカース硬さHVは、それぞれ98(比較例3)、146(比較例4)、134(比較例5)であった。これらの結果を表4に示す。
【0066】
[比較例6〜7]
比較例6では、750℃以上の温度域の圧延率を40%、600〜450℃の温度域の圧延率を44%、仕上げ冷間圧延の圧延率を99%とし、比較例7では、600〜450℃の温度域の熱間圧延を行わず、仕上げ冷間圧延の圧延率を99%とした以外は、実施例1と同様の方法により、銅合金板材を作製した。これらの製造条件を表2および表3に示す。
【0067】
得られた銅合金板材について、実施例1と同様の方法により、Fe−P粒子の密度、磁化、導電率および硬さを求めるとともに、耐熱性の評価を行った。その結果、Fe−P粒子の密度は、それぞれ18個/mm
2(比較例6)、12個/mm
2(比較例7)であった。また、磁化は、それぞれ4.2emu/g(比較例6)、1.2emu/g(比較例7)であった。また、導電率は、それぞれ65.6%IACS(比較例6)、48.6%IACS(比較例7)であった。また、ビッカース硬さHVは、それぞれ142(比較例6)、177(比較例7)であった。さらに、銅合金板材を500℃で30分間保持した後のビッカース硬さHVは、それぞれ113(比較例6)、146(比較例7)であった。これらの結果を表4に示す。
【0068】
[比較例8〜9]
表1に示す化学成分の銅合金(比較例8では、3.48質量%のFeと、0.051質量%のPと、残部がCuおよび不可避不純物からなる銅合金、比較例9では、1.21質量%のFeと、0.044質量%のPと、残部がCuおよび不可避不純物からなる銅合金)から鋳塊を作製した以外は、実施例1と同様の方法により、銅合金板材を作製した。これらの製造条件を表2および表3に示す。
【0069】
得られた銅合金板材について、実施例1と同様の方法により、Fe−P粒子の密度、磁化、導電率および硬さを求めるとともに、耐熱性の評価を行った。その結果、Fe−P粒子の密度は、それぞれ128個/mm
2(比較例8)、16個/mm
2(比較例9)であった。また、磁化は、それぞれ2.6emu/g(比較例8)、3.5emu/g(比較例9)であった。また、導電率は、それぞれ46.9%IACS(比較例8)、61.9%IACS(比較例9)であった。また、ビッカース硬さHVは、それぞれ157(比較例8)、136(比較例9)であった。さらに、銅合金板材を500℃で30分間保持した後のビッカース硬さHVは、それぞれ124(比較例8)、104(比較例9)であった。これらの結果を表4に示す。
【0070】
[比較例10]
熱間圧延の際の加熱温度を1050℃に代えて950℃とし、熱間圧延と時効焼鈍の間に、圧延率75%で冷間圧延を行った後に900℃で3分間溶体化処理を行って300℃以下になるまで50℃/分以上の冷却速度で水冷し、高温時効焼鈍を600℃で2時間、低温時効焼鈍を450℃で2時間行い、仕上げ冷間圧延の圧延率92%とした以外は、実施例1と同様の方法により、銅合金板材を作製した。これらの製造条件を表2および表3に示す。
【0071】
得られた銅合金板材について、実施例1と同様の方法により、Fe−P粒子の密度、磁化、導電率および硬さを求めるとともに、耐熱性の評価を行った。その結果、Fe−P粒子の密度は79個/mm
2、磁化は3.0emu/g、導電率は47.2%IACS、ビッカース硬さHVは172、銅合金板材を500℃で30分間保持した後のビッカース硬さHVは151であった。これらの結果を表4に示す。
【0072】
[比較例11]
熱間圧延の際の加熱温度を1050℃に代えて950℃とし、熱間圧延と時効焼鈍の間に圧延率80%で冷間圧延を行い、高温時効焼鈍を600℃で23時間、低温時効焼鈍を500℃で23時間行い、仕上げ冷間圧延の圧延率89%とした以外は、実施例1と同様の方法により、銅合金板材を作製した。これらの製造条件を表2および表3に示す。
【0073】
得られた銅合金板材について、実施例1と同様の方法により、Fe−P粒子の密度、磁化、導電率および硬さを求めるとともに、耐熱性の評価を行った。その結果、Fe−P粒子の密度は106個/mm
2、磁化は4.6emu/g、導電率は69.0%IACS、ビッカース硬さHVは167、銅合金板材を500℃で30分間保持した後のビッカース硬さHVは101であった。これらの結果を表4に示す。
【0074】
表4に示すように、実施例1〜10の銅合金板材はいずれも、導電率が60%IACS以上、ビッカース硬さHVが150以上、500℃で30分間保持した後のビッカース硬さHVが140以上であった。
【0075】
一方、比較例1および2の銅合金板材では、熱間圧延時の加熱温度が低過ぎて、Fe−P粒子が固溶できず、Fe−P粒子の密度が高過ぎるため、500℃で30分間保持した後のビッカース硬さHVが低くなり、耐熱性が低下していた。
【0076】
比較例3の銅合金板材では、600℃と高い温度で長時間等温時効を行ったため、磁化が大きくなり(γFe粒子の密度が低くなって、αFe粒子とFe−P粒子の密度が高くなり)、導電率は高かったが、強度が低下し、耐熱性が低下していた。比較例4の銅合金板材では、450℃と低い温度で長時間等温時効を行ったため、磁化が小さくなり(時効後にγFe粒子の密度は高くなるものの、仕上げ圧延後に再固溶し)、導電率が低下していた。比較例5の銅合金板材では、550℃と中間の温度で長時間等温時効を行ったため、磁化が僅かに大きくなり(γFe粒子とαFe粒子のバランスが良好でなく)、耐熱性が低下していた。
【0077】
比較例6の銅合金板材では、1080〜750℃の温度域の熱間圧延率が40%と低過ぎたため、十分に再結晶することなく、Fe−P粒子が析出して、硬さと耐熱性のいずれも低かった。比較例7の銅合金板材では、600℃〜450℃の温度域で熱間圧延を行わなかったため、磁化が小さくなり(高温時効中のαFe粒子の生成量が少なくなり)、強度と耐熱性は良好であったが、導電率が低下していた。
【0078】
比較例8の銅合金板材では、Fe含有量が多過ぎたため、固溶量が高く、熱間圧延中に一部のFeが固溶できず、Fe−P粒子のままで最後まで残っており、導電率と耐熱性のいずれも低下していた。一方、比較例9の銅合金板材では、Fe量が少な過ぎて、硬さと耐熱性が低下していた。
【0079】
比較例10の銅合金板材では、熱間圧延と時効焼鈍の間で溶体化処理を行ったため、Fe−P粒子の密度が高過ぎて、導電率が低下していた。比較例11の銅合金板材では、時効処理時間が長過ぎたため、Fe−P粒子の密度が高く、磁化が大きくなり、耐熱性が低下していた。