【実施例1】
【0011】
図1は、自動取引装置の外観構成図である。自動取引装置100は、例えば、銀行などの金融機関に設置されるATM(Automated Teller Machine)や、両替機、証明書発行機などのような利用者が自ら操作する端末(セルフ操作型端末)のことである。以下では、自動取引装置100としてATMを用いた例について説明する。
【0012】
自動取引装置100は、操作表示ユニット102と、通帳ユニット103と、紙幣ユニット104と、カードユニット105と、レシートユニット106と、生体認証ユニット107とを備える。
【0013】
操作表示ユニット102は、エンドユーザ(第一の利用者)の取引画面を表示するLCD(Liquid Crystal Display)等の表示部(第一の表示部)と、エンドユーザの操作を受け付けるタッチパネル等の操作部とを重ね合わせて構成されるユニットである。また、操作表示ユニット102は、金融機関などの係員(第二の利用者)の利用にも供される物であり、自動取引装置100の運用に関する情報を表示すると共に、係員の操作を受け付ける。
【0014】
通帳ユニット103は、通帳挿入口103aを介して、取引時に使用される通帳の挿入及び排出を実行し、挿入された通帳への印字を実行するユニットである。さらに、通帳に貼付された磁気ストライプの情報の読取や、磁気ストライプへの情報の書込を実行する。
【0015】
紙幣ユニット104は、紙幣の真偽、金種などを鑑別する鑑別部や、紙幣を収納する収納部などを備えており、紙幣入出金口104aを介して、紙幣の入金処理、出金処理、鑑別処理などを実行するユニットである。なお、
図1には示していないが、硬貨の入金処理、出金処理、鑑別処理などを実行する硬貨ユニットを備えても良い。
【0016】
カードユニット105は、カード挿入口105aを介して、取引時に使用されるエンドユーザのキャッシュカードなどの挿入及び排出や、また、カードに付加された磁気ストライプやICチップの情報の読取・磁気ストライプやICチップへの情報の書込を実行するユニットである。また、レシートユニット106は、レシート発券口106aを介して、取引明細の印字や、印字済のレシートの排出を実行するユニットである。
図1に示した自動取引装置100の場合、カード挿入口105aとレシート発券口106aとを隣接した口として示しているが、カード挿入口105aとレシート発券口106aとをそれぞれ独立した口として構成しても良い。
【0017】
生体認証ユニット107は、エンドユーザまたは係員の本人認証に用いられるユニットである。本人認証に用いられる生体情報としては、例えば指紋、指静脈、掌などがある。
【0018】
図2は、自動取引装置の機能ブロック図である。自動取引装置は、上述した操作表示ユニット102、通帳ユニット103、紙幣ユニット104、カードユニット105、レシートユニット106、生体ユニット107の他に、制御ユニット101と記憶ユニット108とを備える。
【0019】
制御ユニット101は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)などのハードウェア構成と、自動取引装置100の制御プログラム等のソフトウェア構成とを総称したものであり、自動取引装置100の各部を制御するユニットである。
【0020】
記憶ユニット108は、RAM(Random Access Memory)などから構成され、利用者による操作の内容や係員による仮操作の内容を記録するユニットである。
【0021】
次に、記憶ユニット108に記憶される情報について、
図3、
図4を用いて説明する。
図3は、エンドユーザ(第一の利用者)の操作に関する情報である、操作情報テーブルを示した図である。操作情報テーブル200は、エンドユーザの操作の順番を示す操作順番情報201と、各操作において用いるユニットの種類等を示す操作ユニット情報202と、各操作においてエンドユーザが操作または実行した項目を示す操作項目情報203と、各操作項目における操作内容を示す操作内容情報204と、エンドユーザの操作のうち、最新の操作であることを示す最新操作情報205と、係員(第二の利用者)により仮操作された内容であることを示す仮操作情報206とから構成される。仮操作情報206は、操作情報テーブル200に仮操作に関する情報を記憶する場合は必須であるが、操作情報テーブル200に仮操作に関する情報を記憶しない場合は必須ではない。
【0022】
なお、
図3の場合、利用者の操作のうち、一番目の操作から最新の操作までを記憶ユニット108に記憶しているが、少なくとも最新の操作のみを記憶すれば良い。すなわち、一〜三番目の操作を記憶ユニット108に記憶するか否かは任意で設定することが可能である。
【0023】
図4は、係員(第二の利用者)の操作に関する情報である、仮操作情報テーブルを示した図である。仮操作情報テーブル210は、エンドユーザの操作の順番に引き続く、係員の仮操作の順番を示す操作順番情報211と、各仮操作において用いるユニットの種類等を示す仮操作ユニット情報212と、各仮操作において係員が操作または実行した項目を示す仮操作項目情報213と、各仮操作項目における仮操作内容を示す仮操作内容情報214とから構成される。
【0024】
以下、本実施例における処理について詳細に説明する。
図5は、自動取引装置の処理を示すフローチャートである。各ステップにおける処理は以下の通りである。
【0025】
ステップS10:制御ユニット101は、取引内容の選択画面(図示せず)を操作表示ユニット102に表示する。このとき、制御ユニット101は、取引内容の選択画面の中から取引開始の操作がされることにより、取引開始のイベントが発生したことを検出する。このとき、制御ユニット101は、エンドユーザによる操作のみを受け付ける操作モード(以下、「第一モード」と称する)である。また、取引開始のイベントの発生後、制御ユニット101は、エンドユーザの操作を受け付け、エンドユーザ操作の内容を、記憶ユニット108の操作情報テーブル200に順次記憶する。
【0026】
ステップS20:制御ユニット101は、所定の操作がされることにより、係員による操作のみを受け付ける仮操作モード(以下、「第二モード」と称する)の開始を受け付ける。また、制御ユニット101は、第二モードの開始を検出した場合、第一モードを中断し、第二モードに遷移する。
【0027】
ステップS30:制御ユニット101は、係員による仮操作を受け付け、記憶ユニット108の仮操作情報テーブル210に仮操作内容を順次記憶する。詳細については後述する。
【0028】
ステップS40:制御ユニット101は、所定の操作がされることにより、第一モードへの復帰を受け付ける。また、制御ユニット101は、第二モードの終了を検出した場合、第二モードを終了し、第一モードに遷移する。
【0029】
ステップS50:制御ユニット101は、記憶ユニット108の操作情報テーブル200のうち、ステップS22(後述)において、最新操作情報205のフラグをONとした操作に対応する処理(操作表示ユニット102への画面表示、キャッシュカードの挿入受付等)、すなわち第一モードにおける最新処理を実行する。
【0030】
ステップS60:制御ユニット101は、記憶ユニット108の仮操作情報テーブル210に記憶された仮操作情報の読み取りを実行する。なお、操作情報テーブル200に仮操作情報を記憶する場合、操作情報テーブル200に記憶された操作のうち、仮操作情報206のフラグがONである仮操作情報の読み取りを実行する。また、読み取られた仮操作情報は、操作表示ユニット102に表示された状態でエンドユーザによる操作を受け付ける。そのため、エンドユーザは、係員による仮操作の内容を確認しながら、自ら操作することが可能となる。
【0031】
以下、各ステップにおける詳細な処理や、操作表示ユニット102に表示される画面にについて説明する。
図6は、ステップS10〜ステップS30の処理、特にステップS20の詳細な処理を示すフローチャートである。各ステップにおける処理は以下の通りである。
【0032】
ステップS21:制御ユニット101は、操作表示ユニット102を介して、第二モードの開始を受け付ける。このとき操作表示ユニット102に表示される画面(第二の画面)300は、例えば
図7(a)に示すように、キー301〜304の他に、第二モードの開始時に押下され、第二モードの開始指示を受け付ける仮操作開始キー305を含む。
【0033】
ステップS22:制御ユニット101は、記憶ユニット108の操作情報テーブル200のうち、最新の操作に対して、最新操作情報205のフラグをONとする。また、制御ユニット101は、最新の処理(操作表示ユニット102への画面表示、キャッシュカードの挿入受付等)に関する情報を記憶ユニット108に記憶する。
【0034】
ステップS23:制御ユニット101は、操作表示ユニット102に第二モードの実行中である旨を表示する。このとき操作表示ユニット102に表示される画面(第三の画面)310は、例えば
図7(b)に示すように、キー311〜314の他に、第二モードであることを示すラベル315を含む。なお、
図7(b)のラベルは「仮操作モード」の文字であるが、第二モードであることを示すことが明確であれば図形等でも良い。
【0035】
図8は、ステップS20〜ステップS40の処理、特にステップS30の詳細な処理を示すフローチャートである。各ステップにおける処理は以下の通りである。
【0036】
ステップS31:制御ユニット101は、係員による仮操作内容を受け付ける。このとき、操作表示ユニット102、通帳ユニット103、紙幣ユニット104、カードユニット105、レシートユニット106、生体認証ユニット107から仮操作内容を受け付ける。
【0037】
ステップS32:ステップS31で受け付けた仮操作内容を記憶ユニット108に記憶する。このとき、仮操作内容は、記憶ユニット108の仮操作情報テーブル210に記憶される。具体的には、操作順番情報211には、操作情報テーブル200の最新操作情報205のフラグがONである情報に対応する操作順番情報201の次の番号となる数値が記憶され、仮操作において用いるユニットの種類等が仮操作ユニット情報212に記憶され、仮操作において係員が操作または実行した項目が仮操作項目情報213に記憶され、仮操作項目における仮操作内容が仮操作内容情報214に記憶される。仮操作内容は、操作情報テーブル200(または、操作情報テーブル200及び仮操作情報テーブル210)に記憶しても良く、
図3は仮操作内容を操作情報テーブル200にも記憶している状態を示す。このとき、仮操作内容に対しては、仮操作情報206のフラグをONとする。
【0038】
なお、ステップS31で一つの仮操作内容が受け付けられたときにステップS32の処理を実行しても良く、ステップS31で複数の仮操作内容が受け付けられたときにステップS32の処理を実行しても良い。また、ステップS40の処理を先に実行した後に、ステップS32の処理を実行しても良い。
【0039】
ステップS40では、第二モード終了時に押下され、第二モード終了の指示を受け付ける仮操作終了キーを含む画面(図示せず)を操作表示ユニット102に表示する。
【0040】
図9は、ステップS50以降の処理、特にステップS60の詳細な処理を示すフローチャートである。各ステップにおける処理は以下の通りである。
【0041】
ステップS50:制御ユニット101は、記憶ユニット108の操作情報テーブル200のうち、最新操作情報205のフラグをONとした操作に対応する処理を実行する。具体的には、最新操作情報205のフラグがONである操作以降の操作(すなわち、仮操作情報テーブル210または操作情報テーブル200に記憶された仮操作内容)が取り消され、必要に応じて通帳ユニット103に挿入された通帳や、紙幣ユニット104に投入された紙幣や、カードユニット105に挿入されたキャッシュカード等の媒体は全て排出される。
【0042】
ステップS61:制御ユニット101は、記憶ユニット108の仮操作情報テーブル210(または操作情報テーブル200)に記憶された仮操作情報のうち、操作順番情報211が最先の情報を読み込む。具体的には、仮操作情報を仮操作情報テーブル210から読み込む場合は、仮操作情報テーブル210の仮操作ユニット情報212から仮操作されたユニットの種別を読み込み、仮操作項目情報213から仮操作された項目を読み込み、仮操作内容情報214から仮操作内容を読み込む。
【0043】
ステップS62:制御ユニット101は、ステップS61で読み込まれた仮操作情報を操作表示ユニット102に表示する。このとき、操作表示ユニット102に表示される画面(第一の画面)320には、
図10に示すようにキー321〜324が表示される。このうち、仮操作されたキー323の背景色を、他のキー321、322、324と背景色と別色にすることにより、仮操作されたキーを他のキーと明確に区別することが可能となる。
【0044】
また、
図11に示すように、操作表示ユニット102以外のユニット(この場合はカードユニット105)が仮操作された場合、制御ユニット101は、操作表示ユニット102に操作案内画面400を表示する。操作案内画面400は、装置イメージ401や、媒体を挿入すべきユニットや方向を示す矢印402等が含まれる。エンドユーザは、操作案内画面400を確認することにより、係員による仮操作においてカードユニット105にカードが挿入されたことを把握することが可能となる。
【0045】
ステップS63:制御ユニット101は、エンドユーザによる操作内容を受け付ける。このとき、操作表示ユニット102、通帳ユニット103、紙幣ユニット104、カードユニット105、レシートユニット106、生体認証ユニット107から操作内容を受け付ける。
【0046】
ステップS64:制御ユニット101は、ステップS63において受け付けられた操作内容を記憶ユニット108に記憶する。このとき、操作内容は、記憶ユニット108の操作情報テーブル200に記憶される。具体的には、操作順番情報201には、操作情報テーブル200の最新操作情報205のフラグがONである情報に対応する操作順番情報201の次の番号となる数値が記憶され、操作において用いるユニットの種類等が操作ユニット情報202に記憶され、操作においてエンドユーザが操作または実行した項目が操作項目情報203に記憶され、操作項目における操作内容が操作内容情報204に記憶される。また、最新操作情報205のフラグのON、OFFを更新する。
【0047】
なお、操作情報テーブル200に仮操作情報を記憶する場合は、操作順番情報201、操作ユニット情報202、操作項目情報203は既に記憶されているため、操作項目における操作内容が操作内容情報204、最新操作情報205のフラグがON、OFF、仮操作情報206のOFFを更新する。
【0048】
ステップS65:制御ユニット101は、記憶ユニット108の仮操作情報テーブル210(または操作情報テーブル200)に記憶された仮操作情報が全て読み込まれ、エンドユーザによる全ての操作が終了したか判断する。終了した場合は、自動取引装置の処理を終了する。一方、終了していない場合は、ステップS61以降の処理に戻る。
【0049】
なお、ステップS61において、仮操作情報テーブル210(または操作情報テーブル200)に記憶された全ての仮操作情報を読み込んでも良い。このとき、ステップS64では、エンドユーザによる全ての操作内容が終了したかのみを判断し、終了した場合は、自動取引装置の処理を終了する。一方、終了していない場合は、ステップS62以降の処理に戻る。
【0050】
本実施例によれば、係員による仮操作とエンドユーザによる操作とを区別し、エンドユーザに対して必要な操作を学習させることが可能となる。
【実施例2】
【0051】
実施例1の場合、エンドユーザ(第一の利用者)と係員(第二の利用者)が同一の自動取引装置を用いる場合について説明したが、例えば係員が遠隔地にいる場合や、係員が複数の自動取引装置に対して仮操作をする場合などに本実施例が適用可能である。本実施例によれば、エンドユーザの利用に供される自動取引装置(第一の装置)と係員の利用に供される上位装置(第二の装置)とをネットワークを介して接続しているため、自動取引装置から離れた場所から係員が仮操作をすることや、複数の自動取引装置に対して係員が仮操作をすることが容易となる。
【0052】
図12、
図13は、それぞれ、本実施例における自動取引システムの外観構成図及び機能ブロック図である。自動取引システム150は、複数の自動取引装置100と、複数の上位装置110と、自動取引装置100と上位装置とを接続するネットワーク120とから構成される。
このうち、自動取引装置100は、制御ユニット101がネットワーク120との通信部であることを除くと、実施例1と同様の構成であるため、詳細な説明を省略する。上位装置110は、係員が操作するための端末であり、制御ユニット111と、表示ユニット112と、操作ユニット113と、記憶ユニット114とを備える。
【0053】
制御ユニット111は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)などのハードウェア構成と、制御端末110の制御プログラム等のソフトウェア構成とを総称したものであり、制御端末110の各部を制御するユニットである。また、制御ユニット111は、外部のネットワーク120との通信部である。
【0054】
表示ユニット112は、エンドユーザの取引画面や、係員の保守画面を表示するLCD(Liquid Crystal Display)等の表示部である。操作ユニット113は、係員の操作に供されるキーボード、マウス、タブレット等である。記憶ユニット114は、RAM(Random Access Memory)などから構成され、実施例1のように利用者による操作の内容や係員による仮操作の内容の他、仮操作を行う自動取引装置のID等を記録するユニットである。
【0055】
ネットワーク120は、例えばLAN(Local Area Network)、MAN(Metropolitan Area Network)、WAN(Wide Area Network)などがある。
【0056】
本実施例における自動取引システムの処理は、
図5、
図6、
図8、
図9に示す処理のうち、一部の処理を制御端末110側で実行する点において実施例1とは異なる。以下、実施例1と異なる処理について説明する。
【0057】
ステップS20:上位装置110の制御ユニット111は、所定の操作がされることにより、第二モードの開始を受け付ける。また、上位装置110の制御ユニット111は、第二モードの開始を検出した場合、自動取引装置100に対して、第一モードの中断指示と、第二モードへの遷移指示とを送信する。第一モードの中断指示と、第二モードへの遷移指示を受信した自動取引装置100の制御ユニット101は、第一モードを中断し、第二モードに遷移する。
【0058】
ステップS21:上位装置110の制御ユニット111は、表示ユニット112を介して、第二モードの開始を受け付ける。このとき表示ユニット112に表示される画面(図示せず)は、
図7(a)の仮操作開始キー305に相当する第二モード開始の指示を受け付けるキーを含む。なお、自動取引装置100に取り付けられたハンドセット等により上位装置110にアクセスがあった場合に、第二モード開始の指示を受け付けるキーを表示する構成としても良い。
【0059】
ステップS22:上位装置110の制御ユニット111は、第二モードが開始したことを示す情報を自動取引装置100に送信する。上記情報を受信した自動取引装置100の制御ユニット101は、記憶ユニット108の操作情報テーブル200のうち、最新の操作に対して、最新操作情報205のフラグをONとする。また、制御ユニット101は、最新の処理(操作表示ユニット102への画面表示、キャッシュカードの挿入受付等)に関する情報を記憶ユニット108に記憶する。その後、制御ユニット101は、記憶ユニット108に記憶された上記の情報を上位装置111に送信する。上位装置110の制御ユニット111は、受信した上記の情報を記憶ユニット114に記憶する。
【0060】
ステップS30:上位装置110の制御ユニット111は、係員による仮操作を受け付け、仮操作内容を記憶ユニット114に記憶する。なお、記憶ユニット114には、記憶ユニット108の仮操作情報テーブル210に相当するテーブルを備えており、当該テーブルに仮操作内容を記憶する。
【0061】
ステップS31:上位装置110の制御ユニット111は、係員による仮操作内容を受け付ける。このとき、係員は、操作表示ユニット102、通帳ユニット103、紙幣ユニット104、カードユニット105、レシートユニット106、生体認証ユニット107を直接操作せずに、上位装置110の操作ユニット113を用いて仮操作内容を操作する。
【0062】
ステップS32:ステップS31で受け付けた仮操作内容を記憶ユニット114に記憶する。このとき、仮操作内容は、記憶ユニット108の仮操作情報テーブル210に相当するテーブルに記憶される。また、仮操作内容は、記憶ユニット108の操作情報テーブル200に相当するテーブル(または、記憶ユニット114の上記2つのテーブルのそれぞれ)に記憶しても良い。
【0063】
ステップS40:上位装置110の制御ユニット111は、操作ユニット113において所定の操作がされることにより、表示ユニット112を介して、第一モードへの復帰を受け付ける。このとき表示ユニット112に表示される画面(図示せず)は、第二モード開始の終了を受け付けるキーを含む。また、上位装置110の制御ユニット111は、第一モードの復帰を検出した場合、自動取引装置100に対して、第二モードの終了指示と、第一モードへの遷移指示と、記憶ユニット114に記憶された係員による仮操作内容とを送信する。第二モードの終了指示と第一モードへの遷移指示を受信した自動取引装置100の制御ユニット101は、第二モードを終了し、第一モードに遷移する。
【0064】
ステップS50: 自動取引装置100の制御ユニット101は、仮操作内容を記憶ユニット108の仮操作情報テーブル210(または操作情報テーブル200)に記憶する。また、自動取引装置100の制御ユニット101は、操作情報テーブル200のうち、最新操作情報205のフラグをONとした操作に対応する処理を実行する。このとき、ステップS31において、係員は、各種ユニットを直接操作せずに上位装置110の操作ユニット113を用いて仮操作内容を操作している。そのため、通帳ユニット103に挿入された通帳や、紙幣ユニット104に投入された紙幣や、カードユニット105に挿入されたキャッシュカード等の媒体の排出を実行しない。
【0065】
以上のような構成を採用することにより、自動取引装置から離れた場所から係員が仮操作をすることや、複数の自動取引装置に対して係員が仮操作をすることが容易となる。
【0066】
本発明の自動取引装置、及び、自動取引システムは、上述した取引処理フローや操作案内画面などを含め、実施例1、2の自動取引装置100、及び、自動取引システム150の構成に限定されるものでなく、本発明の趣旨の範囲内において種々変形可能である。
(変形例1)
図14(a)は、第二の画面300の変形例(変形例1)である。
図7(a)に示す第二の画面300とは、第二モード開始の指示を受け付ける仮操作開始キー306を背景色と同色にしたことにより、エンドユーザには視覚的に認識することができないようにした点において異なる。このような構成を採用することにより、エンドユーザが仮操作開始キー306を操作することを防止し、操作開始キー306の存在を把握している係員が仮操作開始キー306を操作しなければ、第二モードに遷移しない。すなわち、不必要な第二モードへの遷移を防止することが可能となる。
(変形例2)
図14(b)は、第二の画面300の別の変形例(変形例2)である。
図7(a)に示す第二の画面300、及び
図14(a)に示す第二の画面300とは、仮操作開始キーを二箇所(306、307)に設けている点において異なる。このとき、仮にエンドユーザが仮操作開始キー306を押下した場合であっても第二モードに遷移することを防止するために、制御ユニット101は、二箇所の仮操作開始キー306、307を同時に押下した時や、所定時間内に予め定められた順序で押下した場合に限り、第二モードに遷移する。従って、単一の仮操作開始キーを表示する場合に比べ、不必要な第二モードへの遷移を防止することが可能となる。なお、
図14(b)の仮操作開始キー306、307は背景色と同色としているが、
図7(a)に示すように背景色と同色としなくても良い。
(変形例3)
図15は、変形例(変形例3)における自動取引装置の外観構成図である。自動取引装置100は、実施例1、2で説明した構成に加え、さらに第二モード開始の指示を受け付ける仮操作開始スイッチ109を備える。仮操作開始スイッチ109は、例えば
図15に示すように、操作表示ユニット102に比べて自動取引装置100の下側に配置することにより、エンドユーザが自動取引装置100を利用する際に視認しにくくなる。また、画面300に仮操作開始キー305(306、307)を設ける必要がなくなるため、エンドユーザが画面300に表示された仮操作開始キー305(306、307)接触する可能性を排除することが可能となる。
(変形例4)
図16は、第三の画面310の変形例(変形例4)である。
図7(b)に示す第三の画面310とは、第二モードであることを示すラベル315を表示する代わりに、第三の画面310の背景色を変更する点において異なる。このような構成を採用することにより、ラベル315の大きさが小さいために視認することが困難なエンドユーザであっても第二モード中であることを容易に把握することが可能となる。
(変形例5)
図17(a)は、第一の画面320の変形例(変形例5)である。
図10に示す第一の画面320とは、仮操作されたキー323のサイズを、他のキー321、322、324のサイズと変える点において異なる。なお、
図17(a)は、仮操作されたキー323のサイズを、他のキー321、322、324のサイズより大きくしているが、仮操作されたキー323のサイズを、他のキー321、322、324のサイズより小さくしても良い。このような構成を採用することにより、エンドユーザは、キー323と他のキーとを明確に区別することが可能となる。
(変形例6)
図17(b)は、第一の画面320の別の変形例(変形例6)である。
図10に示す第一の画面320とは、仮操作されたキー323を示すように指状の図形325を表示する点において異なる。このような構成を採用することにより、エンドユーザが操作すべきキーを容易に把握することが可能となる。
(変形例7)
図18は、操作表示ユニット102以外のユニットが仮操作された場合に、操作表示ユニット102に表示される操作案内画面410の変形例(変形例7)である。操作案内画面410は、装置イメージ411や、媒体を挿入すべきユニットの周辺を示す図形412等が含まれる。図形412の色彩を周辺より明るくしたり、図形412を点滅させたりすることにより、媒体を挿入すべきユニットを強調して表示することが可能となる。
【0067】
また、通帳挿入口103a、紙幣入出金口104a、カード挿入口105a、レシート発券口106aのそれぞれの周辺に表示部(第二の表示部)を設けて、媒体を挿入すべきユニットの口の周辺に設けられた表示部に媒体を挿入すべき旨の表示をする。例えば、紙幣入出金口104a、カード挿入口105a、レシート発券口106aを取り囲むようにフリッカランプ(発光部)を設けて、媒体を挿入すべきユニットの口周辺のフリッカランプを発光、または点滅させることにより、エンドユーザが実際に操作すべき部分を把握することが可能となる。また、仮操作がされた場合におけるフリッカランプの発光パターンを、仮操作がされていない通常の操作時におけるフリッカランプの発光パターンと区別することにより、エンドユーザに対して仮操作であるか否かを容易に把握させることが可能となる。