(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5988923
(24)【登録日】2016年8月19日
(45)【発行日】2016年9月7日
(54)【発明の名称】ごみ箱装置
(51)【国際特許分類】
B65F 1/14 20060101AFI20160825BHJP
G08B 23/00 20060101ALI20160825BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20160825BHJP
G08B 27/00 20060101ALI20160825BHJP
G08B 5/00 20060101ALI20160825BHJP
G09F 23/00 20060101ALI20160825BHJP
B65F 1/00 20060101ALI20160825BHJP
G06Q 30/02 20120101ALI20160825BHJP
【FI】
B65F1/14 Z
G08B23/00 510D
G08B25/04 E
G08B27/00 A
G08B5/00 C
G08B5/00 S
G09F23/00 Z
B65F1/00 A
G06Q30/02
【請求項の数】2
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2013-122349(P2013-122349)
(22)【出願日】2013年6月11日
(65)【公開番号】特開2014-240309(P2014-240309A)
(43)【公開日】2014年12月25日
【審査請求日】2015年1月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】513146882
【氏名又は名称】株式会社ピースノート
(74)【代理人】
【識別番号】100095739
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 俊夫
(72)【発明者】
【氏名】河村 公威
【審査官】
伊藤 秀行
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−310107(JP,A)
【文献】
特開2010−055223(JP,A)
【文献】
特開2002−046807(JP,A)
【文献】
特開平10−011500(JP,A)
【文献】
特開2003−151021(JP,A)
【文献】
特開2001−093066(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65F 1/00−1/16
G06F 19/00
G06Q 10/00−10/10
30/00−30/08
50/00−50/20
50/26−99/00
G08B 1/00−9/20
23/00−31/00
G09F 19/00−27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を販売する店舗の店先に設置されるものであって、ごみ箱本体の前面に設けられデータが表示される表示部と、ごみ箱本体の内部に収容され表示部に表示されるデータが記憶されたコントローラとを備えたごみ箱装置において、コントローラは商品の広告等の表示を行う通常データと店舗で強盗事件が発生した際に救助を求める表示を行う緊急データとが記憶されて通常時に通常データを表示するように設定され、
コントローラには店舗の内部に設置されて通常データから緊急データへの表示の切換えを指示するスイッチが接続され、
コントローラは通信端末を有して第1送信元となる地方自治体に設置され災害時に機能する災害対策用サーバに接続され、災害対策用サーバはコントローラに記憶されていない災害時の避難先を案内する外部データを表示部に表示させるようにコントローラに指示するものであり、
コントローラは通信端末を有して第2送信元となる店舗の内部に設置された店舗用コントローラに接続され、店舗用コントローラはコントローラに記憶されていない商品の取扱状態に関する外部データを表示部に表示させるようにコントローラに指示するものであり、
コントローラは表示部に表示させる優先順位として第1送信元の避難先を案内する外部データ,コントローラの緊急データ,第2送信元の外部データ,コントローラの通常データの順が設定されている
ことを特徴とするごみ箱装置。
【請求項2】
請求項1のごみ箱装置において、ごみ箱本体に太陽電池パネル装置及びバッテリを備えるものであることを特徴とするごみ箱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンビニエンスストアのような商品を販売する店舗の店先に設置されるごみ箱装置に係る技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
最近、ごみ箱については、各種の表示機能を備えて多目的利用される傾向がある。
【0003】
従来、表示機能が備えられたごみ箱装置としては、例えば、特許文献1に記載のものが知られている。
【0004】
特許文献1には、ごみ箱本体の前面に設けられデータが表示される表示部と、ごみ箱本体の内部に収容され表示部に表示されるデータが記憶されたコントローラとを備えたごみ箱装置が記載されている。
【0005】
特許文献1に係るごみ箱装置は、表示部に表示されるデータとして広告が提供され、ごみ箱を広告装置として利用しようとするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−310107号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に係るごみ箱装置では、表示内容が広告に限定されてしまうため、商品を販売する店舗の店先に設置されるものとしてはあまり普及が望めないという問題点がある。
【0008】
本発明は、このような問題点を考慮してなされたもので、表示内容を拡張して商品を販売する店舗の店先に設置されるものとして大きく普及させることのできるごみ箱装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述の課題を解決するため、本発明に係るごみ箱装置は、特許請求の範囲の各請求項に記載の手段を採用する。
【0010】
即ち、請求項1では、商品を販売する店舗の店先に設置されるものであって、ごみ箱本体の前面に設けられデータが表示される表示部と、ごみ箱本体の内部に収容され表示部に表示されるデータが記憶されたコントローラとを備えたごみ箱装置において、コントローラは商品の広告等の表示を行う通常データと店舗で強盗事件が発生した際に救助を求める表示を行う緊急データとが記憶されて通常時に通常データを表示するように設定され、コントローラには店舗の内部に設置されて通常データから緊急データへの表示の切換えを指示するスイッチが接続され、コントローラは通信端末を有して第1送信元となる地方自治体に設置され災害時に機能する災害対策用サーバに接続され、災害対策用サーバはコントローラに記憶されていない災害時の避難先
を案内する外部データを表示部に表示させるようにコントローラに指示するものであり、
コントローラは通信端末を有して第2送信元となる店舗の内部に設置された店舗用コントローラに接続され、店舗用コントローラはコントローラに記憶されていない商品の取扱状態に関する外部データを表示部に表示させるようにコントローラに指示するものであり、コントローラは表示部に表示させる優先順位として第1送信元の避難先
を案内する外部データ,コントローラの緊急データ,第2送信元の外部データ,コントローラの通常データの順が設定されていることを特徴とする。
【0011】
この手段では、表示内容として強盗事件が発生した際に救助を求める表示が含まれ、店舗の内部に設置されたスイッチで迅速に表示を実行させることができることから、防犯装置としても機能させることができるようになる。
【0012】
又、表示内容として災害時の避難先
を案内する外部データが外部からの送信によって提供されることで、災害時の避難案内装置として機能させることができるようになる。
【0013】
又、表示部に表示されるデータの優先順位として第1送信元の避難先
を案内する外部データ,コントローラの緊急データ,第2送信元の外部データ,コントローラの通常データの順がコントローラに設定されることで、災害対応性,緊急性を有するデータの表示が優先される。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るごみ箱装置は、表示内容として強盗事件が発生した際に救助を求める表示が含まれ、店舗の内部に設置されたスイッチで迅速に表示を実行させることができることから、防犯装置としても機能させることができるようになるため、表示内容を拡張して商品を販売する店舗の店先に設置されるものとして大きく普及させることができる効果がある。
【0015】
さらに、表示内容として災害時の避難先
を案内する外部データが外部からの送信によって提供されることで、災害時の避難案内装置としても機能させることができるようになるため、私的な店舗の店先に設置されるものの公的な設備としても機能される効果がある。
【0016】
さらに、表示部に表示されるデータの優先順位として第1送信元の避難先
を案内する外部データ,コントローラの緊急データ,第2送信元の外部データ,コントローラの通常データの順がコントローラに設定されることで、災害対応性,緊急性を有するデータの表示が優先されるため、私的な店舗の店先に設置されるものの公的な設備としてもより確実に機能される効果がある効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明に係るごみ箱装置を実施するための形態の斜視図である。
【
図5】
図1に表示されるデータの正面図であり、(A)〜(D)にそれぞれ異なるデータが示されている。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係るごみ箱装置を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
この形態では、
図1,
図2に示すように、商品を販売する店舗であるコンビニエンスストアの店先(軒先)に設置される直方体形からなるものを示してある。
【0020】
この形態は、
図1〜
図3に示すように、ごみ箱本体1,太陽電池パネル装置2,バッテリ3,表示部4,コントローラ5,スイッチ6,災害対策用サーバ7,店舗用コントローラ8で構成されている。
【0021】
ごみ箱本体1は、箱形の上半部11,下半部12がヒンジ13で開閉可能に連結され、ごみを収容する本体部分である下半部12に対して上半部11が蓋体として機能され、収容されているごみの回収を容易に行うことができるようになっている。上半部11の前面には、ごみが投入れる投入口14が開口され、投入口14に近接して投入されるごみの分別を指示する分別案内板15が取付けられている。下半部12の内部には、投入されたごみを収容するごみ袋16が吊下げられるフック17が取付けられている。上半部11,下半部12の内部には、下半部12に固定されて上半部11側に屈曲突出されて投入口14の周囲を覆い太陽電池パネル装置2,バッテリ3,コントローラ5のごみによる汚損を防止する区画板18が設けられている。
【0022】
太陽電池パネル装置2は、太陽エネルギを収集して電気エネルギに変換するもので、ごみ箱本体1の上半部11の傾斜した天面に取付けられている。
【0023】
バッテリ3は、太陽電池パネル装置2によって変換された電気エネルギを蓄電するもので、太陽電池パネル装置2と一体的に設けられている。
【0024】
表示部4は、各種のデータ(テキスト,イメージ等)を表示するもので、液晶,有機EL等によって薄型に形成されてごみ箱本体1の下半部12の前面に取付けられている。なお、この表示部4には、音声からなるデータを表示(発音)するスピーカを内蔵させることもできる。
【0025】
コントローラ5は、
図3に詳細に示されるように、表示部4に接続されマイクロプロセッサを有して各種の制御,演算を行う中央処理部51と、中央処理部51に接続された電源管理部52,記憶部53,通信端末54とからなるもので、ごみ箱本体1の上半部11の内部の背板に取付けられている。
【0026】
コントローラ5の電源管理部52は、交流電源にケーブル55で電気的に接続されるとともにバッテリ3とも電気的に接続され、交流電源が遮断された際にバッテリ3をコントローラ5や表示部4に通電させる切換機能を有している。
【0027】
コントローラ5の記憶部53は、表示部4に表示されるデータを記憶(内蔵)させておくもので、抜差し交換可能なカード型が好ましいものである。記憶部53に記憶されるデータは、通常データと緊急データとからなる。通常データは、
図5(A)に示すように、商品の広告等の文字や画像(動画,静止画)からなる。通常データについては、記憶部53カード型としておくことによって簡単に更新することができる。緊急データは、
図5(C)に示すように、店舗で強盗事件が発生した際に救助を求める文字や画像(動画,静止画)からなる。なお、中央処理部51は、通常時に通常データを表示部4に表示させ、スイッチ6の指示で緊急データを表示部4に切換表示するように設定されている。
【0028】
コントローラ5の通信端末54は、災害対策用サーバ7,店舗用コントローラ8から送信されたデータを受信するもので、災害対策用サーバ7,店舗用コントローラ8に有線または無線で接続されている。なお、中央処理部51は、通信端末54を介して受信した災害対策用サーバ7,店舗用コントローラ8から送信された外部データを表示部4に表示することができるものであるが、災害対応性,緊急性を考慮して、災害対策用サーバ7から送信された避難先
を案内する外部データが最優先に表示され、続いて緊急データ,店舗用コントローラ8から送信された外部データ,通常データの順に表示する優先順位が設定されている。
【0029】
スイッチ6は、コントローラ5の中央処理部51に緊急データの表示を指示する迅速な操作が可能なワンタッチの押ボタン等からなるもので、店舗のカウンター等に設置されてコントローラ5の中央処理部51に接続されている。
【0030】
災害対策用サーバ7は、第1送信元となる地方自治体に設置され、災害時の避難先
を案内する外部データ(
図5(D)参照)を送信するものである。
【0031】
店舗用コントローラ8は、第2送信元となる店舗の内部に設置され、商品の取扱状態に関する外部データを送信するものである。商品の取扱状態とは、商品の製造(調理),搬入,陳列等のことである。この外部データについては、店舗用コントローラ8に予め作成,記憶させておいて送信することもできるし、カメラ等でリアルタイムに作成して送信することもできる。
【0032】
この形態によると、通常時には、コントローラ5の記憶部53に記憶されている通常データが表示部4に表示される。即ち、広告装置として機能する。そして、店舗内に強盗事件が発生した緊急時には、店舗の内部に設置されたスイッチ6から緊急データを表示部4に迅速に表示させることができる。即ち、防犯装置として機能する。従って、表示部4の表示内容を拡張することができて、商品を販売する店舗の店先に設置されるものとして大きく普及させることができることになる。
【0033】
さらに、店舗用コントローラ8から送信される商品の取扱状態に関する外部データによって、コントローラ5の記憶部53に記憶されている通常データよりもはるかに高品質の商品の広告等を表示部4に表示することができるようになるため、広告装置として広告機能が向上することになる。又、商品の取扱状態を臨場感ある映像で表示できるので、観る人に興味を喚起することができる。
【0034】
さらに、災害対策用サーバ7から送信される災害時の避難先
を案内する外部データによって、災害時の避難案内装置としても機能させることができるようになるため、私的な店舗の店先に設置されるものの公的な設備としても機能されることになる。特に、災害対応性,緊急性を考慮して、表示部4への表示の順位として第1送信元(災害対策用サーバ7)の避難先
を案内する外部データ,緊急データ,第2送信元(店舗用コントローラ8)の外部データ,通常データの順が設定されているため、私的な店舗の店先に設置されるものの公的な設備としてもより確実に機能されることになる。
【0035】
以上、図示した形態の外に、コントローラ5,表示部4の機能を利用して他の各種の情報を表示することもできる。この際には、コントローラ5の通信端末54を介してインターネット等のコンピュータネットワークに接続させることも可能である。また、表示部4にタッチパネル機能を備えて、表示部4を各種情報の表示のための入力部として機能させることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明に係るごみ箱装置は、コンビニエンスストア以外の商品(サービスを含む)を販売する広範な店舗の店先に設置されて有効性を発揮する。
【符号の説明】
【0037】
1 ごみ箱本体
4 表示部
5 コントローラ
6 スイッチ
7 災害対策用サーバ(第1送信元)
8 店舗用コントローラ(第2送信元)