(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、遊技機の一実施形態を
図1〜
図8にしたがって説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機の遊技盤10のほぼ中央には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する演出表示装置11が配設されている。演出表示装置11では、複数の図柄列(本実施形態では、3列)の装飾図柄を変動させて行う装飾図柄変動ゲームと、該装飾図柄変動ゲームに関連して実行される各種の表示演出が実行される。本実施形態の装飾図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では、3列)の装飾図柄からなる図柄組み合わせ(表示結果)を導出する。なお、演出表示装置11の装飾図柄変動ゲームで用いられる装飾図柄(演出図柄)は、表示演出を多様化するための図柄である。
【0014】
また、演出表示装置11の左下方には、7セグメント型の特別図柄表示装置12が配設されている。特別図柄表示装置12では、複数種類の特別図柄を変動させて表示する特別図柄変動ゲームが行われる。特別図柄は、大当りか否か(大当り抽選)等の内部抽選の結果を示す報知用の図柄である。また、特別図柄は、7セグメント型の特別図柄表示装置12を形成する7つの発光体の点灯や消灯の組み合わせによって構成される。
【0015】
本実施形態において特別図柄表示装置12には、複数種類の特別図柄の中から、大当り抽選の抽選結果に対応する1つの特別図柄が選択され、その選択された特別図柄が確定停止表示される。複数種類の特別図柄は、大当り図柄と、はずれ図柄と、に分類される。また、特別図柄表示装置12に大当り図柄が確定停止表示された場合、大当り遊技が付与(生起)される。
【0016】
また、本実施形態において演出表示装置11には、各図柄列に[1]〜[8]の8種類の数字が装飾図柄として表示される。そして、演出表示装置11には、特別図柄表示装置12の表示結果に応じた表示結果が表示される。具体的には、特別図柄表示装置12に大当り図柄が確定停止表示される場合、演出表示装置11にも大当り図柄(大当りの図柄組み合わせ)が確定停止表示される。一方、特別図柄表示装置12にはずれ図柄が確定停止表示される場合、演出表示装置11にもはずれ図柄(はずれの図柄組み合わせ)が確定停止表示される。
【0017】
因みに、本実施形態の大当りの図柄組み合わせは、全列の装飾図柄が同一の図柄組み合わせ([222]や[777]等)である。また、本実施形態のはずれの図柄組み合わせは、全列の装飾図柄が異なる図柄組み合わせ([123]や[426]等)、又は1列の装飾図柄が他の2列の装飾図柄と異なる図柄組み合わせ([122]や[767]等)である。
【0018】
また、本実施形態において、演出表示装置11における各図柄列の装飾図柄は、装飾図柄変動ゲームが開始すると、予め定めた変動方向(縦スクロール方向)に沿って変動表示される。また、装飾図柄変動ゲームが開始すると(各図柄列の装飾図柄が変動を開始すると)、演出表示装置11において遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に、変動表示された装飾図柄が一旦停止表示される。そして、一旦停止表示された左図柄と右図柄が同一の場合には、その図柄組み合わせ([1↓1]等、「↓」は変動中を示す)からリーチ状態を認識できる。リーチ状態は、複数列のうち、特定列(本実施形態では、左列と右列)の装飾図柄が同一となって一旦停止表示され、且つ前記特定列以外の図柄列(本実施形態では、中列)の装飾図柄が変動表示されている状態である。
【0019】
なお、演出表示装置11における装飾図柄の表示には、「変動表示」、「一旦停止表示」及び「確定停止表示」がある。演出表示装置11における装飾図柄の変動表示とは、装飾図柄の種類が変化して表示されている状態である。また、演出表示装置11における装飾図柄の一旦停止表示とは、確定停止していないことを報知するため一定の停止位置に停止されている装飾図柄が所定の動作(例えば、上下方向に揺れる)を伴って停止して表示されている状態である。また、演出表示装置11における装飾図柄の確定停止表示とは、装飾図柄が確定停止表示されたこと(特別図柄変動ゲームが終了したこと)を報知するため動作を伴わずに確定停止している状態である。
【0020】
また、特別図柄表示装置12における特別図柄の表示には、「変動表示」及び「確定停止表示」がある。特別図柄表示装置12における特別図柄の変動表示とは、特別図柄の種類が変化しているように見せるため、7セグメント型の特別図柄表示装置12を形成する7つの発光体のうち少なくとも1つの発光体が点滅している状態である。また、特別図柄表示装置12における特別図柄の確定停止表示とは、7セグメント型の特別図柄表示装置12を形成する各発光体の点灯や消灯の組み合わせによって構成される特別図柄が表示されている状態である。そして、特別図柄変動ゲームが終了する際には、演出表示装置11の装飾図柄と、特別図柄表示装置12の特別図柄が同時に確定停止表示する。以下の説明において、「図柄変動ゲーム」という場合には、装飾図柄変動ゲームと特別図柄変動ゲームの何れも意味する。
【0021】
また、本実施形態のパチンコ遊技機は、演出表示装置11にてリーチ演出を実行可能に構成されている。リーチ演出は、装飾図柄変動ゲームにおいて、リーチの図柄組み合わせが一旦停止表示されてから、最終的に装飾図柄によって構成される図柄組み合わせ(表示結果)が導出されるまでの間に行われる演出である。このため、リーチ演出は、実行中の図柄変動ゲームが大当りとなるか否かを遊技者に期待させるための演出となる。
【0022】
なお、本実施形態のパチンコ遊技機では、第1リーチ演出、第2リーチ演出及び第3リーチ演出の計3種類のリーチ演出を備えている。そして、本実施形態のパチンコ遊技機においては、第1リーチ演出<第2リーチ演出<第3リーチ演出の順に、大当りとなることへの期待度(大当り期待度)が高くなるように定めている。
【0023】
また、演出表示装置11の上方には、発光体(LED、ランプ等)の発光態様(点灯や点滅、消灯)により、各種の発光演出を実行する発光手段としての装飾ランプLaが配設されている。
【0024】
また、演出表示装置11の下方には、遊技球が入球するための上入球口を有する始動契機手段としての上始動入球装置15が配設されている。そして、上始動入球装置15の奥方には、入球した遊技球を検知する始動入球検知手段としての上始動スイッチSW1(
図2に示す)が配設されている。本実施形態のパチンコ遊技機では、上始動スイッチSW1で上始動入球装置15に入球した遊技球を検知することにより、特別図柄変動ゲームの始動条件を付与し得る。更に、上始動スイッチSW1によって上始動入球装置15に入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数の遊技球を賞球として払い出す。
【0025】
また、上始動入球装置15の下方には、遊技球が入球するための下入球口を有する始動契機手段としての下始動入球装置17が配設されている。下始動入球装置17は普通電動役物とされ、電動役物ソレノイドSOL1(
図2に示す)の作動により開閉動作を行う開閉部材18を備えている。下始動入球装置17は、開閉部材18が開状態となることにより下入球口(入口)が拡大されて遊技球が入球し易い開放状態となる。一方、下始動入球装置17は、開閉部材18が閉状態となることにより下入球口(入口)が拡大されず、遊技球が入球し難い閉鎖状態となる。また、下始動入球装置17の奥方には、下始動入球装置17に入球した遊技球を検知する始動入球検知手段としての下始動スイッチSW2(
図2に示す)が配設されている。本実施形態のパチンコ遊技機では、下始動スイッチSW2で下始動入球装置17に入球した遊技球を検知することにより、特別図柄変動ゲームの始動条件を付与し得る。更に、下始動スイッチSW2によって下始動入球装置17に入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数の遊技球を賞球として払い出す。
【0026】
また、特別図柄表示装置12の左下方には、複数個(本実施形態では、4個)の保留発光部を備えた特別図柄保留表示装置19が配設されている。特別図柄保留表示装置19は、機内部で記憶した特別図柄用の始動保留球の記憶数(以下、「保留記憶数」という)を遊技者に報知する。保留記憶数は、遊技盤10に配設した上始動入球装置15又は下始動入球装置17に遊技球が入球することで1加算される一方、特別図柄変動ゲームの開始により1減算される。したがって、特別図柄変動ゲーム中に、上始動入球装置15又は下始動入球装置17に遊技球が入球すると、保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では、4個)まで累積される。そして、本実施形態における4個の保留発光部は、保留記憶数に応じて点灯又は消灯する。なお、保留記憶数は、実行が保留されている特別図柄変動ゲーム(図柄変動ゲーム)の数を示す。
【0027】
また、上始動入球装置15の右方には、大入賞ソレノイドSOL2(
図2に示す)の作動により開閉動作を行う大入賞扉22を備えた特別入賞手段としての大入賞装置23が配設されている。大入賞装置23の奥方には、入球した遊技球を検知する特別入球検知手段としてのカウントスイッチSW3(
図2に示す)が配設されている。本実施形態形態のパチンコ遊技機では、カウントスイッチSW3で大入賞装置23に入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数の遊技球を賞球として払い出す。
【0028】
また、特別図柄保留表示装置19の右方には、複数個(本実施形態では、2個)の普通図柄発光部を備えた普通図柄表示装置24が配設されている。普通図柄表示装置24では、各普通図柄発光部の点灯又は消灯の組み合わせによって構成される普通図柄を変動させて表示する普通図柄変動ゲームが行われる。普通図柄は、下始動入球装置17を開放状態とする普通当り遊技を付与するか否か、つまり、普通当りか否かの内部抽選(普通当り抽選)の抽選結果を示す報知用の図柄である。また、普通図柄変動ゲームは、普通当り抽選に当選した場合、普通当り抽選に当選したことを認識できる普通当り図柄が確定停止表示される。一方、普通図柄表示装置24には、普通当り抽選に非当選した場合、普通当り図柄に当選しなかったことを認識できる普通はずれ図柄が確定停止表示される。そして、普通当り抽選に当選すると(普通当り図柄が普通図柄表示装置24に確定停止表示されると)、開閉部材18が開状態となることで下始動入球装置17を開放状態とし、当該下始動入球装置17へ遊技球を入球させ易くなり、特別図柄変動ゲームの始動条件を容易に獲得できる機会が与えられる。
【0029】
また、演出表示装置11の右方には、ゲート26が配設されている。また、ゲート26の奥方には、入球(通過)した遊技球を検知するゲートスイッチSW4(
図2に示す)が配設されている。本実施形態のパチンコ遊技機では、ゲートスイッチSW4でゲート26への遊技球の入球を検知することにより、普通図柄変動ゲームの始動条件が付与され得る。
【0030】
また、本実施形態のパチンコ遊技機では、遊技状態が、通常の低確率抽選状態から、通常よりも高確率となる高確率抽選状態へ変動(向上)して大当り抽選が行われる確率変動状態(以下、「確変状態」という)となる場合がある。確変状態でないとき(以下、「非確変状態」という)は、確変状態であるときよりも大当り抽選に当選し難くなる。すなわち、確変状態であるときは、大当り抽選の当選確率が高いため、大当り遊技が生起され易くなる。したがって、確変状態であるときは、遊技者にとって有利な状態であるといえる。なお、本実施形態における確変状態は、大当り遊技が生起されるまでの間、継続する。
【0031】
また、本実施形態のパチンコ遊技機では、遊技状態が、通常よりも単位時間あたりに下始動入球装置17へ遊技球が入球する確率を高める入球率向上状態となる場合がある。入球率向上状態でないとき(以下、「非入球率向上状態」という)は、入球率向上状態であるときよりも下始動入球装置17へ遊技球が入球し難くなる。すなわち、入球率向上状態であるときは、下始動入球装置17へ遊技球を入球させ易いため、特別図柄変動ゲームの始動条件を獲得し易くなる。したがって、入球率向上状態であるときは、遊技者にとって有利な状態であるといえる。なお、本実施形態における入球率向上状態は、入球率向上回数として定められる回数の特別図柄変動ゲームの実行が終了するまでの間、若しくは大当り遊技が生起されるまでの間、継続する。
【0032】
なお、「普通図柄変動ゲームの変動時間を通常よりも短くする」、「普通当り抽選の当選確率を通常よりも高くする」及び「普通当り遊技にて下始動入球装置17が開放状態となる時間を長くする」のうち少なくとも1つの方法を採用すれば、通常(非入球率向上状態)よりも単位時間あたりに下始動入球装置17へ遊技球が入球する確率を高められる。因みに、本実施形態のパチンコ遊技機では、上記3つの方法の全てを採用している。
【0033】
次に、本実施形態のパチンコ遊技機に規定する大当り遊技について説明する。
大当り遊技は、特別図柄変動ゲームにて、特別図柄表示装置12に大当り図柄が確定停止表示された後、開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出終了後には、大入賞装置23が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限(本実施形態では、16ラウンド)として複数回行われる。1回のラウンド遊技中に大入賞装置23は、規定個数(入球上限個数)の遊技球が入球するまでの間、又は規定時間(ラウンド上限時間)が経過するまでの間、開放される。また、ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、予め定めた規定ラウンド数のラウンド遊技の終了後には、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われ、大当り遊技は終了される。なお、本実施形態のパチンコ遊技機では、大当り抽選に当選した場合、大当り遊技終了後が確変状態となる確変大当りと、大当り遊技終了後が非確変状態となる非確変大当りのうち何れか一方の大当り遊技が付与(生起)される。
【0034】
また、本実施形態のパチンコ遊技機では、確変大当りと非確変大当りの何れが付与された場合であっても、大当り遊技終了後が入球率向上状態となる。そして、確変大当りの終了後は、次の大当り遊技が付与されるまでの間、入球率向上状態が継続する。一方、非確変大当りの終了後は、入球率向上回数(本実施形態では、100回)の特別図柄変動ゲームの実行が終了するまでの間、又は入球率向上回数の特別図柄変動ゲームの実行が終了するよりも前に大当り遊技が付与されるまでの間、入球率向上状態が継続する。
【0035】
次に、
図2に基づき、パチンコ遊技機の制御構成について説明する。
パチンコ遊技機の裏側には、パチンコ遊技機全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機全体を制御するための各種処理を実行するとともに、該処理結果に応じた各種の制御指令(制御コマンド)を出力する。また、パチンコ遊技機の裏側には、演出制御基板31が装着されている。演出制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置11の表示態様(図柄、背景、文字等の表示画像等)や、装飾ランプLaの発光態様、遊技盤10を装着する遊技枠に配設されている音声出力手段としてのスピーカSpの音声出力態様を制御する。
【0036】
以下、主制御基板30及び演出制御基板31の具体的構成を説明する。
まず、主制御基板30について説明する。
図2に示すように、主制御基板30には、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU30a、主制御用CPU30aの制御プログラムを格納する主制御用ROM30b、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30c及びハードウェア乱数を生成する乱数生成器30dが設けられている。
【0037】
そして、主制御用CPU30aには、各種スイッチSW1〜SW4が接続されている。また、各種スイッチSW1〜SW4は、各種スイッチが遊技球を検知した際に出力する検知信号を主制御用CPU30aが入力できるように、主制御用CPU30aに接続されている。
【0038】
また、主制御用CPU30aには、特別図柄表示装置12、特別図柄保留表示装置19及び普通図柄表示装置24が接続されている。また、主制御用CPU30aには、電動役物ソレノイドSOL1及び大入賞ソレノイドSOL2が接続されている。
【0039】
また、乱数生成器30dでは、内部クロックの1周期毎に1更新されるハードウェア乱数が生成される。なお、本実施形態のパチンコ遊技機では、内部クロックが10MHzに設定されているため、0.1μ秒毎にハードウェア乱数の値が1更新される。そして、本実施形態のパチンコ遊技機において、ハードウェア乱数は、大当り判定用乱数及び普通当り判定用乱数として用いられる。大当り判定用乱数は、大当り抽選(大当り判定)に用いる乱数である。普通当り判定用乱数は、普通当り抽選(普通当り判定)に用いる乱数である。
【0040】
また、主制御用RAM30cには、所定の周期(ハードウェア乱数の値が更新されるよりも長い時間(例えば、4m秒))毎に主制御用CPU30aが行う乱数更新処理によって、値が更新されるソフトウェア乱数が記憶されている。なお、本実施形態のパチンコ遊技機において主制御用RAM30cには、複数種類のソフトウェア乱数が記憶されており、各ソフトウェア乱数は取り得る数値の範囲が異なる。そして、本実施形態のパチンコ遊技機において、各ソフトウェア乱数は、特別図柄振分用乱数、演出判定用乱数、変動パターン振分用乱数として用いられる。特別図柄振分用乱数は、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特別図柄の種類(大当りの種類)を決定する際に用いる乱数である。また、演出判定用乱数は、特定の演出(本実施形態では、リーチ演出)を行うか否かを決定する際に用いる乱数である。また、変動パターン振分用乱数は、変動パターンを決定する際に用いる乱数である。
【0041】
また、主制御用ROM30bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、特別図柄変動ゲームが開始してから当該特別図柄変動ゲームが終了するまでの変動時間を特定し得る。また、本実施形態における変動パターンは、演出表示装置11、装飾ランプLa及びスピーカSpにて行われる演出の演出内容を特定し得る。また、変動パターンには、大当りのときに決定される大当り演出用の変動パターンと、はずれのときに決定されるはずれ演出用の変動パターンと、がある。はずれ演出用の変動パターンには、リーチ演出を演出内容に含むはずれ特別演出用の変動パターンと、リーチ演出を演出内容に含まないはずれ通常演出用の変動パターンと、がある。
【0042】
以下、
図3に基づき本実施形態における変動パターンについて説明する。
本実施形態の主制御用ROM30bには、はずれ通常演出用の変動パターンとして変動パターンHP11,HP12、はずれ特別演出用の変動パターンとして変動パターンHP21〜HP23、大当り演出用の変動パターンとして変動パターンHP31〜HP33が記憶されている。
【0043】
はずれ通常演出用の変動パターンHP11,HP12のうち変動パターンHP11には、変動パターンHP12に定められた変動時間よりも短い時間が変動時間として定められている。
【0044】
また、はずれ通常演出用の変動パターンHP21〜HP23のうち、変動パターンHP21には第1リーチ演出、変動パターンHP22には第2リーチ演出、変動パターンHP23には第3リーチ演出が、演出内容に含まれるリーチ演出の種類として定められている。また、大当り演出用の変動パターンHP31〜HP33のうち、変動パターンHP31には第1リーチ演出、変動パターンHP32には第2リーチ演出、変動パターンHP33には第3リーチ演出が、演出内容に含まれるリーチ演出の種類として定められている。
【0045】
また、主制御用ROM30bには、各種の判定値が記憶されている。例えば、主制御用ROM30bには、大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、大当り抽選で用いる判定値であり、大当り判定用乱数(ハードウェア乱数)の取り得る数値の中から定められている。なお、確変状態であるときの大当り判定値の個数は、非確変状態であるときの大当り判定値の個数よりも多くなっている。更に、確変状態であるときの大当り判定値は、非確変状態であるときの大当り判定値の全てを含むように定められている。以下の説明において、「確変状態と非確変状態の何れであっても大当り判定値として定められる値」を「共通大当り判定値」という。また、「確変状態と非確変状態のうち確変状態でのみ大当り判定値として定められる値」を「高確大当り判定値」という。
【0046】
また、主制御用ROM30bには、普通当り判定値が記憶されている。普通当り判定値は、普通当り抽選で用いる判定値であり、普通当り判定用乱数(ハードウェア乱数)の取り得る数値の中から定められている。なお、入球率向上状態であるときの普通当り判定値の個数は、非入球率向上状態であるときの普通当り判定値の個数よりも多くなっている。更に、入球率向上状態であるときの普通当り判定値は、非入球率向上状態であるときの普通当り判定値の全てを含むように定められている。
【0047】
また、主制御用ROM30bには、演出判定値が記憶されている。演出判定値は、演出抽選で用いる判定値であり、演出判定用乱数(ソフトウェア乱数)の取り得る数値の中から定められている。
【0048】
また、主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグ等)が記憶(設定)される。例えば、主制御用RAM30cには、確変状態であるか否かを示す情報が設定される主制御用確変フラグが記憶される。また、主制御用RAM30cには、入球率向上状態であるか否かを示す情報が設定される主制御用作動フラグが記憶される。また、主制御用RAM30cには、入球率向上状態から非入球率向上状態へ切り替わるまでの特別図柄変動ゲームの回数が設定される主制御用作動リミッタが記憶される。因みに、次の大当り遊技が付与されるまで入球率向上状態が継続する際には、次の大当り遊技が付与されるまで入球率向上状態が継続することを示す情報が主制御用作動リミッタに設定される。
【0049】
次に、
図2に基づき、演出制御基板31について説明する。
演出制御基板31には、制御動作を所定の手順で実行する演出制御用CPU31aと、演出制御用CPU31aの制御プログラムを格納する演出制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる演出制御用RAM31cが設けられている。また、演出制御用CPU31aには、演出表示装置11が接続されている。また、演出制御用CPU31aには、装飾ランプLaが接続されている。また、演出制御用CPU31aには、スピーカSpが接続されている。
【0050】
また、演出制御用ROM31bには、各種画像表示データ(装飾図柄、背景画像、文字等の画像データ)、各種の発光用データ及び各種の音声用データが記憶されている。
また、演出制御用RAM31cには、所定の周期(ハードウェア乱数の値が更新される時間よりも長い時間)毎に演出制御用CPU31aが行う乱数更新処理によって、値が更新されるソフトウェア乱数が記憶されている。そして、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cにて値が更新されるソフトウェア乱数を用いて、各種演出内容(例えば、予告演出等の種類)の決定(選択)を行う。
【0051】
また、演出制御用RAM31cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグ等)が記憶(設定)される。例えば、演出制御用RAM31cには、確変状態であるか否かを示す情報が設定される演出制御用確変フラグが記憶される。また、演出制御用RAM31cには、入球率向上状態であるか否かを示す情報が設定される演出制御用作動フラグが記憶される。また、演出制御用RAM31cには、入球率向上状態から非入球率向上状態へ切り替わるまでの特別図柄変動ゲームの回数(情報)が設定される演出制御用作動リミッタが記憶される。因みに、次の大当り遊技が付与されるまで入球率向上状態が継続する際には、次の大当り遊技が付与されるまで入球率向上状態が継続することを示す情報が演出制御用作動リミッタに設定される。
【0052】
以下、主制御基板30及び演出制御基板31が実行する制御内容を説明する。
まず、主制御基板30の主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する特別図柄入力処理や特別図柄開始処理、普通図柄入力処理等の各種処理について説明する。本実施形態において主制御用CPU30aは、所定の制御周期(例えば、4ms)毎に、特別図柄入力処理や特別図柄開始処理、普通図柄入力処理等の各種処理を実行する。
【0053】
最初に、特別図柄入力処理について説明する。
主制御用CPU30aは、上始動入球装置15又は下始動入球装置17へ遊技球が入球し、該遊技球を検知した上始動スイッチSW1又は下始動スイッチSW2が出力する検知信号を入力すると、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数が上限数(本実施形態では、「4」)未満であるか否かの保留判定を行う。保留判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、保留記憶数を1加算(+1)し、保留記憶数を書き換える。また、保留判定を肯定判定した主制御用CPU30aは、各種乱数(大当り判定用乱数、特別図柄振分用乱数、演出判定用乱数及び変動パターン振分用乱数)の値を主制御用RAM30cや乱数生成器30dから取得し、その値を保留記憶数に対応付けて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶(格納)する。このように保留記憶数に対応付けて各種乱数の値を主制御用RAM30cに記憶することは、各種乱数の値を実行が保留されている図柄変動ゲームに対応付けて主制御用RAM30cに記憶することに相当する。このように、保留記憶数が加算されて図柄変動ゲームの実行が保留されることで始動条件が成立することになり、当該始動条件の成立を契機として各種乱数の値を取得する主制御用CPU30aが、本実施形態において乱数取得手段として機能する。更に、取得した各種乱数の値を記憶手段となる主制御用RAM30cに記憶させる主制御用CPU30aが、本実施形態において乱数記憶制御手段として機能する。
【0054】
なお、主制御用CPU30aは、保留判定の判定結果が否定の場合、上限数を超える保留記憶数の書き換えを行わないとともに、前述した各乱数の値も取得しないで、特別図柄入力処理を終了する。
【0055】
また、各種乱数の値を記憶した主制御用CPU30aは、当該取得した各種乱数の値に基づき、先読みコマンド生成処理にて先読みコマンドを生成する。そして、主制御用CPU30aは、先読みコマンド生成処理にて生成した先読みコマンドを演出制御用CPU31aに出力し、特別図柄入力処理を終了する。
【0056】
ここで、
図4に基づき、先読みコマンド生成処理について説明する。なお、本実施形態のパチンコ遊技機における先読みコマンドには、先読みコマンドSC1〜SC7の計7種類がある。
【0057】
先読みコマンド生成処理において主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数として取得した値が、共通大当り判定値と一致する値(同値)であるか否かを判定する。この判定結果が否定の場合、つまり、取得した大当り判定用乱数の値が共通大当り判定値と不一致の場合、主制御用CPU30aは、演出判定用乱数として取得した値が演出判定値と一致する値(同値)であるか否かを判定する。
【0058】
そして、先読みコマンド生成処理において主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数として取得した値が共通大当り判定値と不一致であって、演出判定用乱数として取得した値が演出判定値と不一致である場合、先読みコマンドSC1を生成する。
【0059】
また、先読みコマンド生成処理において主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数として取得した値が共通大当り判定値と不一致であって、演出判定用乱数として取得した値が演出判定値と一致する場合、変動パターン振分用乱数として取得した値に基づき先読みコマンドSC2〜SC4のうち何れかの先読みコマンドを生成する。具体的に、主制御用CPU30aは、変動パターン振分用乱数として取得した値が、はずれ特別演出用の変動パターンHP21〜HP23のうち変動パターンHP21に振り分けられた値と一致する場合、先読みコマンドSC2を生成する。また、主制御用CPU30aは、変動パターン振分用乱数として取得した値が、はずれ特別演出用の変動パターンHP21〜HP23のうち変動パターンHP22に振り分けられた値と一致する場合、先読みコマンドSC3を生成する。また、主制御用CPU30aは、変動パターン振分用乱数として取得した値が、はずれ特別演出用の変動パターンHP21〜HP23のうち変動パターンHP23に振り分けられた値と一致する場合、先読みコマンドSC4を生成する。
【0060】
また、先読みコマンド生成処理において主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数として取得した値が共通大当り判定値と一致する場合、変動パターン振分用乱数として取得した値に基づき先読みコマンドSC5〜SC7のうち何れかの先読みコマンドを生成する。具体的に、主制御用CPU30aは、変動パターン振分用乱数として取得した値が、大当り演出用の変動パターンHP31〜HP33のうち変動パターンHP31に振り分けられた値と一致する場合、先読みコマンドSC5を生成する。また、主制御用CPU30aは、変動パターン振分用乱数として取得した値が、大当り演出用の変動パターンHP31〜HP33のうち変動パターンHP32に振り分けられた値と一致する場合、先読みコマンドSC6を生成する。また、主制御用CPU30aは、変動パターン振分用乱数として取得した値が、大当り演出用の変動パターンHP31〜HP33のうち変動パターンHP33に振り分けられた値と一致する場合、先読みコマンドSC7を生成する。
【0061】
次に、特別図柄開始処理について説明する。
主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームの実行中又は大当り遊技中か否かの実行条件判定を実行する。この実行条件判定の判定結果が肯定の場合、つまり、図柄変動ゲームの実行中又は大当り遊技中である場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、実行条件判定の判定結果が否定(図柄変動ゲーム中ではなく、且つ大当り遊技中ではない)の場合、保留記憶数を読み出し、当該保留記憶数が「0(零)」よりも大きいか否かの保留数判定を実行する。この保留数判定の判定結果が否定(保留記憶数=0)の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0062】
一方、保留数判定の判定結果が肯定(保留記憶数>0)の場合、主制御用CPU30aは、保留記憶数から1減算し、保留記憶数「1」に対応する記憶領域に記憶されている各種乱数(大当り判定用乱数、特別図柄振分用乱数、演出判定用乱数及び変動パターン振分用乱数)の値を読み出す。このとき、保留記憶数「1」に対応する記憶領域に記憶されている各種乱数の値を読み出した主制御用CPU30aは、当該読み出した各種乱数の値を現在実行中の特別図柄変動ゲームに係る各種乱数を記憶する主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶する。その後、主制御用CPU30aは、保留記憶数「2」に対応する記憶領域に記憶されている各種乱数の値を、保留記憶数「1」に対応する記憶領域に記憶する。次に、主制御用CPU30aは、保留記憶数「3」に対応する記憶領域に記憶されている各種乱数の値を、保留記憶数「2」に対応する記憶領域に記憶する。その次に、主制御用CPU30aは、保留記憶数「4」に対応する記憶領域に記憶されている各種乱数の値を、保留記憶数「3」に対応する記憶領域に記憶し、保留記憶数「4」に対応する記憶領域に記憶されている各種乱数の値を消去する。更に、主制御用CPU30aは、1減算後の保留記憶数を表すように特別図柄保留表示装置19の表示内容を変更させる。
【0063】
また、保留記憶数「1」に対応する記憶領域に記憶されている各種乱数の値を読み出した主制御用CPU30aは、読み出した大当り判定用乱数の値が、主制御用ROM30bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定して大当り判定(大当り抽選)を行う。このとき、主制御用CPU30aは、確変状態であれば、読み出した大当り判定用乱数の値が、共通大当り判定値又は高確大当り判定値と一致するか否かを判定する。一方、主制御用CPU30aは、非確変状態であれば、読み出した大当り判定用乱数の値が、共通大当り判定値と一致するか否かを判定する。
【0064】
そして、この大当り判定の判定結果が肯定の場合、つまり、大当りの場合、主制御用CPU30aは、大当りとなる特別図柄変動ゲームを実行させるための大当り変動処理を実行する。大当り変動処理において主制御用CPU30aは、読み出した特別図柄振分用乱数の値に基づいて、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特別図柄として大当り図柄を決定する。なお、本実施形態では、50%の確率で確変大当りに対応する大当り図柄、50%の確率で非確変大当りに対応する大当り図柄が決定される。このとき、確変大当りに対応する大当り図柄が決定されれば特別図柄変動ゲーム終了後に確変大当りが付与される一方、非確変大当りに対応する大当り図柄が決定されれば特別図柄変動ゲーム終了後に非確変大当りが付与されることになる。したがって、大当り図柄の種類を決定することが、本実施形態において大当りの種類を決定することに相当する。
【0065】
また、大当り変動処理において主制御用CPU30aは、読み出した変動パターン振分用乱数の値に基づき、複数種類の大当り演出用の変動パターンHP31〜HP33の中から変動パターンを決定する。各変動パターンHP31〜HP33には、変動パターン振分用乱数の取り得る数値が振り分けられており、読み出した変動パターン振分用乱数の値と同値が振り分けられた変動パターンを決定する。因みに、本実施形態のパチンコ遊技機では、大当り演出用の変動パターンHP31〜HP33の中からHP31<HP32<HP33の順に、決定され易くなるように各値が振り分けられている(変動パターンHP33が最も決定され易い)。そして、主制御用CPU30aは、大当り変動処理において変動パターンを決定すると、特別図柄開始処理を終了する。
【0066】
一方、上記大当り判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数の値が大当りとなる値ではないことからはずれを認識する。そして、主制御用CPU30aは、読み出した演出判定用乱数の値が、主制御用ROM30bに記憶されている演出判定値と一致するか否かを判定して演出判定(演出抽選)を行う。
【0067】
そして、この演出判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、リーチ演出が行われてはずれとなる図柄変動ゲームを実行させるためのリーチ変動処理を実行する。リーチ変動処理において主制御用CPU30aは、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定する。また、はずれ図柄を決定した主制御用CPU30aは、読み出した変動パターン振分用乱数の値に基づき、複数種類のはずれ特別演出用の変動パターンHP21〜HP23の中から変動パターンを決定する。各変動パターンHP21〜HP23には、変動パターン振分用乱数の取り得る数値が振り分けられており、読み出した変動パターン振分用乱数の値と同値が振り分けられた変動パターンを決定する。因みに、本実施形態のパチンコ遊技機では、はずれ特別演出用の変動パターンHP21〜HP23の中からHP23<HP22<HP21の順に、決定され易くなるように各値が振り分けられている(変動パターンHP21が最も決定され易い)。そして、主制御用CPU30aは、リーチ変動処理において変動パターンを決定すると、特別図柄開始処理を終了する。
【0068】
一方、上記演出判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、リーチ演出が行われないではずれとなる図柄変動ゲームを実行させるためのはずれ変動処理を実行する。はずれ変動処理において主制御用CPU30aは、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定する。また、はずれ図柄を決定した主制御用CPU30aは、取得した変動パターン振分用乱数の値に基づき、複数種類のはずれ通常演出用の変動パターンHP11,HP12の中から変動パターンを決定する。各変動パターンHP11,HP12には、変動パターン振分用乱数の取り得る数値が振り分けられており、読み出した変動パターン振分用乱数の値と同値が振り分けられた変動パターンを決定する。因みに、本実施形態のパチンコ遊技機では、非入球率向上状態であれば変動パターンHP11よりも変動パターンHP12が決定され易いように各値が振り分けられ、入球率向上状態であれば変動パターンHP12よりも変動パターンHP11が決定され易いように各値が振り分けられている。そして、主制御用CPU30aは、はずれ変動処理において変動パターンを決定すると、特別図柄開始処理を終了する。
【0069】
このように、本実施形態において、特別図柄開始処理にて大当り抽選等の各種抽選を行うとともに、変動パターンを決定する等して図柄変動ゲームの変動内容を決定する主制御用CPU30aが、変動内容決定手段として機能する。更に、特別図柄入力処理にて取得した各種乱数の値をもとに、特別図柄開始処理にて決定される図柄変動ゲームの変動内容を先読みコマンド生成処理にて事前判定する主制御用CPU30aが、本実施形態において事前判定手段として機能する。
【0070】
また、特別図柄開始処理において特別図柄及び変動パターンを決定した主制御用CPU30aは、決定した内容にしたがって生成した制御コマンドを所定のタイミングで演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に出力する。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、変動パターンを指定するとともに装飾図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを装飾図柄変動ゲームの開始に際して最初に出力するとともに、特別図柄を変動表示させるように特別図柄表示装置12の表示内容を制御する。同時に、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理にて決定した特別図柄を指定する特別図柄指定コマンドを演出制御用CPU31aに出力する。そして、主制御用CPU30aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に装飾図柄変動ゲームの終了(装飾図柄の確定停止表示)を指示する全図柄停止コマンドを前記変動時間の経過に伴って出力するとともに、決定した特別図柄を確定停止表示させるように特別図柄表示装置12の表示内容を制御する。
【0071】
次に、大当り抽選に当選した場合に、当該当選対象となる特別図柄変動ゲーム終了後に主制御用CPU30aが実行する大当り遊技処理を説明する。
大当り遊技処理において主制御用CPU30aは、最初にオープニング演出の実行を指示するオープニングコマンドを演出制御用CPU31aに出力する。次に、主制御用CPU30aは、オープニング演出の終了後、各ラウンド遊技を制御する。すなわち、主制御用CPU30aは、各ラウンド遊技の開始時にラウンド遊技の開始を指示するラウンドコマンドを演出制御用CPU31aに出力するとともに、大入賞装置23の開放及び閉鎖を制御する。そして、主制御用CPU30aは、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング演出の実行を指示するエンディングコマンドを演出制御用CPU31aに出力する。その後、主制御用CPU30aは、エンディング演出の終了によって大当り遊技を終了させる。
【0072】
また、主制御用CPU30aは、確変大当りを付与した場合、つまり、特別図柄開始処理にて確変大当りに対応する大当り図柄を決定した場合、大当り遊技の終了後、主制御用確変フラグに確変状態であることを示す情報を設定する。更に、主制御用CPU30aは、主制御用作動フラグに入球率向上状態であることを示す情報を設定するとともに、主制御用作動リミッタに次の大当り遊技が付与されるまで入球率向上状態が継続することを示す情報を設定する。
【0073】
また、主制御用CPU30aは、非確変大当りを付与した場合、つまり、特別図柄開始処理にて非確変大当りに対応する大当り図柄を決定した場合、大当り遊技の終了後、主制御用確変フラグに非確変状態であることを示す情報を設定する。更に、主制御用CPU30aは、主制御用作動フラグに入球率向上状態であることを示す情報を設定するとともに、主制御用作動リミッタに入球率向上回数となる「100回」を設定する。
【0074】
また、主制御用CPU30aは、特別図柄変動ゲームの終了時に主制御用作動リミッタに設定されている値が、「0」又は「次の大当り遊技が生起されるまで入球率向上状態が継続することを示す情報」でない場合、当該主制御用作動リミッタの値を1減算し、当該値を書き換える。また、減算後の主制御用作動リミッタの値が「0」となった場合、主制御用CPU30aは、主制御用作動フラグに非入球率向上状態であることを示す情報を設定し、入球率向上状態から非入球率向上状態へと切り替える。
【0075】
次に、普通図柄入力処理について説明する。
普通図柄入力処理において主制御用CPU30aは、ゲート26へ遊技球が入球したか否かのゲート入球判定を行う。主制御用CPU30aは、ゲートスイッチSW4が遊技球を検知したときに出力する検知信号を入力したか否かを判定することで、ゲート入球判定を行う。そして、ゲート入球判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、普通図柄入力処理を終了する。一方、ゲート入球判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、乱数生成器30dから普通当り判定用乱数の値を取得し、取得した値を主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶する。そして、主制御用CPU30aは、普通図柄入力処理を終了する。
【0076】
次に、普通図柄開始処理について説明する。
普通図柄開始処理において主制御用CPU30aは、普通図柄変動ゲーム中又は普通当り遊技中であるか否かの普通図柄実行中判定を行う。この普通図柄実行中判定の判定結果が肯定の場合、つまり、普通図柄変動ゲーム中又は普通当り遊技中である場合、主制御用CPU30aは、普通図柄開始処理を終了する。一方、普通図柄実行中判定の判定結果が否定の場合、つまり、普通図柄変動ゲーム中でなく、且つ普通当り遊技中でない場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている普通当り判定用乱数の値を読み出す。続いて、主制御用CPU30aは、読み出した普通当り判定用乱数の値が、主制御用ROM30bに記憶されている普通当り判定値と一致するか否かの普通当り抽選を行う。このとき、主制御用CPU30aは、入球率向上状態であるときには入球率向上状態であるときの普通当り判定値を用いて普通当り抽選を行い、非入球率向上状態であるときには非入球率向上状態であるときの普通当り判定値を用いて普通当り抽選を行う。
【0077】
そして、普通当り抽選に当選した場合、主制御用CPU30aは、普通図柄変動ゲームの終了時に普通図柄表示装置24に確定停止表示させる普通図柄として普通当り図柄を決定する。一方、普通当り抽選に非当選した場合、主制御用CPU30aは、普通図柄変動ゲームの終了時に普通図柄表示装置24に確定停止表示させる普通図柄として普通はずれ図柄を決定する。また、普通図柄表示装置24に確定停止表示させる普通図柄を決定した主制御用CPU30aは、普通図柄変動ゲームの変動時間を決定する。このとき、主制御用CPU30aは、入球率向上状態であるときには、非入球率向上状態であるときよりも普通図柄変動ゲームの変動時間として短い時間を決定する。
【0078】
その後、主制御用CPU30aは、普通図柄変動ゲームに係る各種処理を行う。具体的に、主制御用CPU30aは、普通図柄を変動表示させて普通図柄変動ゲームを開始するように普通図柄表示装置24の表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、普通図柄変動ゲームの変動時間の計測を開始する。そして、主制御用CPU30aは、普通図柄開始処理を終了する。
【0079】
また、普通図柄開始処理とは別の処理において、主制御用CPU30aは、普通図柄変動ゲームの変動時間として決定した変動時間の経過時、確定停止表示させる普通図柄として決定した普通図柄を確定停止表示させるように普通図柄表示装置24の表示内容を制御する。
【0080】
また、主制御用CPU30aは、普通当り抽選に当選した場合、当該当選の対象とする普通図柄変動ゲームの終了後、開閉部材18の開状態及び閉状態を制御し、普通当り遊技を付与(生起)する。なお、主制御用CPU30aは、普通当り遊技を付与するときが入球率向上状態である場合には、普通当り遊技を付与するときが非入球率向上状態である場合と比較して、開閉部材18を開状態とする時間を長くする。
【0081】
因みに、開閉部材18が開状態となる1回あたりの時間が同じであっても、1回の普通当り抽選の当選に対して開閉部材18が開状態となる回数を多くすれば、開閉部材18を開状態とする時間を長くできる。また、1回の普通当り抽選の当選に対して開閉部材18が開状態となる回数が同じであっても、開閉部材18が開状態となる1回あたりの時間を長くすれば、開閉部材18を開状態とする時間を長くできる。当然、非入球率向上状態であるときよりも1回の普通当り抽選の当選に対して開閉部材18が開状態となる回数を多くするとともに、開閉部材18が開状態となる1回あたりの時間を長くすれば、入球率向上状態において開閉部材18を開状態とする時間を長くできる。
【0082】
次に、演出制御基板31の演出制御用CPU31aが制御プログラムに基づき実行する各種の処理について説明する。
演出制御基板31の演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンド及び特別図柄指定コマンドを入力すると、当該コマンドの指示内容に応じて演出表示装置11に確定停止表示させる装飾図柄の図柄組み合わせを決定する。
【0083】
具体的に、演出制御用CPU31aは、大当り図柄が指定された場合、大当りの図柄組み合わせ([222]や[777]等)の中から確定停止表示させる装飾図柄の図柄組み合わせを決定する。また、演出制御用CPU31aは、はずれ特別演出用の変動パターンが指定された場合、リーチの図柄組み合わせを含むはずれの図柄組み合わせ([323]や[565]等)の中から確定停止表示させる装飾図柄の図柄組み合わせを決定する。また、演出制御用CPU31aは、はずれ通常演出用の変動パターンが指定された場合、リーチの図柄組み合わせを含まないはずれの図柄組み合わせ([426]や[211]等)の中から確定停止表示させる装飾図柄の図柄組み合わせを決定する。
【0084】
演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、各図柄列の装飾図柄を変動表示させて装飾図柄変動ゲームを開始するように、演出表示装置11の表示内容を制御する。そして、演出制御用CPU31aは、全図柄停止コマンドを入力すると、確定停止表示させると決定した装飾図柄の図柄組み合わせを演出表示装置11に確定停止表示させる。
【0085】
次に、大当り遊技が付与された際に演出制御用CPU31aが行う制御について説明する。
演出制御用CPU31aは、オープニングコマンドを入力すると、予め決められた演出内容のオープニング演出を実行させるように、演出表示装置11の表示内容を制御する。また、演出制御用CPU31aは、最初のラウンドコマンドを入力すると、最終回のラウンド遊技が終了するまでの間(エンディングコマンドを入力するまでの間)、予め決められた演出内容のラウンド演出を実行させるように、演出表示装置11の表示内容を制御する。そして、演出制御用CPU31aは、エンディングコマンドを入力すると、予め決められた演出内容のエンディング演出を実行させるように、演出表示装置11の表示内容を制御する。
【0086】
また、演出制御用CPU31aは、確変大当りに対応する大当り図柄が指定された場合、大当り遊技の終了後、演出制御用確変フラグに確変状態であることを示す情報を設定する。更に、演出制御用CPU31aは、演出制御用作動フラグに入球率向上状態であることを示す情報を設定するとともに、演出制御用作動リミッタに次の大当り遊技が付与されるまで入球率向上状態が継続することを示す情報を設定する。
【0087】
また、演出制御用CPU31aは、非確変大当りに対応する大当り図柄が指定された場合、大当り遊技の終了後、演出制御用確変フラグに非確変状態であることを示す情報を設定する。更に、演出制御用CPU31aは、演出制御用作動フラグに入球率向上状態であることを示す情報を設定するとともに、演出制御用作動リミッタに入球率向上回数となる「100回」を設定する。
【0088】
また、演出制御用CPU31aは、全図柄停止コマンドの入力時に演出制御用作動リミッタに設定されている値が、「0」又は「次の大当り遊技が生起されるまで入球率向上状態が継続することを示す情報」でない場合、当該演出制御用作動リミッタの値を1減算し、当該値を書き換える。また、減算後の演出制御用作動リミッタの値が「0」となった場合、演出制御用CPU31aは、演出制御用作動フラグに非入球率向上状態であることを示す情報を設定する。
【0089】
このため、演出制御用CPU31aは、演出制御用確変フラグ及び演出制御用作動フラグに設定された情報を参照することにより、現時点での遊技状態を特定することができる。また、演出制御用CPU31aは、演出制御用作動リミッタに設定された情報(値)を参照することにより、残り何回の図柄変動ゲームが実行されると入球率向上状態が終了するか(非入球率向上状態へ切り替わるか)について特定することができる。
【0090】
また、演出制御用CPU31aは、先読みコマンドを入力すると、当該先読みコマンドの種類に対応する先読み情報を演出制御用RAM31cの所定の記憶領域に記憶する。
演出制御用RAM31cの記憶領域には、保留記憶数「1」〜「4」に対応する記憶領域が定められている。そして、先読みコマンドを入力した際、演出制御用CPU31aは、先読みコマンドが記憶されていない最も小さい保留記憶数に対応する記憶領域に、入力した先読みコマンドに対応する先読み情報を記憶する。例えば、保留記憶数「1」、「2」に対応する記憶領域に先読み情報がそれぞれ記憶されている場合、演出制御用CPU31aは、保留記憶数「3」に対応する記憶領域と保留記憶数「4」に対応する記憶領域のうち保留記憶数「3」に対応する記憶領域に、入力した先読みコマンドに対応する先読み情報を記憶する。
【0091】
また、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、各保留記憶数に記憶された先読み情報を書き換える。具体的に、演出制御用CPU31aは、保留記憶数「1」に対応する記憶領域に記憶された先読み情報を消去するとともに、保留記憶数「2」に対応する記憶領域に記憶されている先読み情報を保留記憶数「1」に対応する記憶領域に記憶する。次に、演出制御用CPU31aは、保留記憶数「3」に対応する記憶領域に記憶されている先読み情報を、保留記憶数「2」に対応する記憶領域に記憶する。その次に、演出制御用CPU31aは、保留記憶数「4」に対応する記憶領域に記憶されている先読み情報を、保留記憶数「3」に対応する記憶領域に記憶し、保留記憶数「4」に対応する記憶領域に記憶されている先読み情報を消去する。
【0092】
本実施形態のパチンコ遊技機では、非入球率向上状態であるとき(本実施形態では、このとき非確変状態)、第1演出モードや第2演出モードを設定可能に構成されている。この第1演出モード及び第2演出モードの設定中は、通常時(第1演出モードでもなく、第2演出モードでもない状態)とは異なる演出態様で各種の遊技演出が行われる。具体的に、本実施形態では、第1演出モード又は第2演出モードの設定中は、通常時とは異なる演出態様の背景画像が演出表示装置11に表示される。更に、第1演出モード中(第1演出モードの設定中)は、第2演出モード中(第2演出モードの設定中)とは異なる演出態様の背景画像が演出表示装置11に表示される。このため、演出表示装置11に表示される背景画像の種類から、遊技者は、通常時、第1演出モード中及び第2演出モード中のうち何れの状態であるかを区別することができる。
【0093】
また、本実施形態のパチンコ遊技機では、複数あるリーチ演出のうち第3リーチ演出を含む演出内容で装飾図柄変動ゲームが実行されることが事前に判定される場合には、第1演出モードを設定可能に構成されている。更に、本実施形態のパチンコ遊技機では、第3リーチ演出を含む演出内容とは異なる演出内容で装飾図柄変動ゲームが実行されることが事前に判定される場合には、第2演出モードを設定可能に構成されている。
【0094】
このように、本実施形態のパチンコ遊技機では、第1演出モードが設定され、当該第1演出モードの背景画像が表示されると、第3リーチ演出を含む演出内容で装飾図柄変動ゲームが実行されることを把握することが可能である。更に、第2演出モードが設定され、当該第2演出モードの背景画像が表示されると、第3リーチ演出を含む演出内容とは異なる演出内容で装飾図柄変動ゲームが実行されることを把握することができる。因みに、本実施形態のパチンコ遊技機における「第3リーチ演出を含む演出内容とは異なる演出内容」は、「第2リーチ演出を含む演出内容」及び「リーチ演出が行われない演出内容」としている。したがって、第2演出モードの背景画像が表示されると、第2リーチ演出を含む演出内容又はリーチ演出が行われない演出内容で装飾図柄変動ゲームが実行されることを把握することができる。このため、本実施形態のパチンコ遊技機では、第1演出モードの背景画像が表示された場合には、第2演出モードの背景画像が表示された場合よりも、大当り期待度の高い第3リーチ演出が実行されて、装飾図柄変動ゲームが有利に展開されること(大当りになること)を期待できる。
【0095】
以下、第1演出モードと第2演出モードを設定するために演出制御用CPU31aが行う制御について説明する。演出制御用CPU31aは、非入球率向上状態であるときに主制御用CPU30aによって出力された先読みコマンドを入力すると、各演出モードの設定を決めるために、モード判定処理を行う。因みに、本実施形態では、既に第1演出モード又は第2演出モードの設定を決定している場合、演出制御用RAM31cに、第1演出モード又は第2演出モードの設定が既に決定されていることを示す決定情報が記憶される。そして、この決定情報が演出制御用RAM31cに記憶されている場合、演出制御用CPU31aは、モード判定処理を行わない。
【0096】
ここで、モード判定処理について説明する。
図5に示すように、モード判定処理において演出制御用CPU31aは、既に第1演出モード又は第2演出モードの設定を決定しているか否かを判定する(ステップS11)。本実施形態では、既に第1演出モード又は第2演出モードの設定を決定している場合、演出制御用RAM31cに、第1演出モード又は第2演出モードの設定が既に決定されていることを示す決定情報が記憶される。このため、ステップS11において演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cに決定情報が記憶されているか否かを判定する。そして、ステップS11の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、モード判定処理を終了する。
【0097】
一方、ステップS11の判定結果が否定の場合、演出制御用CPU31aは、先読みコマンドSC4又は先読みコマンドSC7を入力したか否かを判定する(ステップS12)。ステップS12の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、保留記憶数が「3」以上であるか否かを判定する(ステップS13)。ステップS13において演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cの保留記憶数「3」に対応する記憶領域に先読み情報が記憶されているか否かを判定し、保留記憶数が「3」以上であるか否かを判定する。因みに、モード判定処理の実行契機となった先読みコマンドに対応する先読み情報は、ステップS13の処理を行う時点で、演出制御用RAM31cの所定の記憶領域に記憶されている。
【0098】
また、ステップS13の判定結果が否定の場合、演出制御用CPU31aは、モード判定処理を終了する。一方、ステップS13の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、保留記憶数に応じて第1のモードパターンを決定し(ステップS14)、第1演出モードの設定を決定する。第1のモードパターンには、第1演出モードを設定するために、当該第1演出モードの設定契機となった図柄変動ゲーム(以下、「実行対象の図柄変動ゲーム」という)と、当該図柄変動ゲームが実行されるまでの1又は複数回の図柄変動ゲーム(以下、「途中の図柄変動ゲーム」という)にて設定可能な演出モードの種類が定められている。本実施形態では、保留記憶数が「3」のときに決定可能な第1のモードパターンと、保留記憶数が「4」のときに決定可能な第1のモードパターンと、が演出制御用ROM31bに記憶されている。
【0099】
図6(a)に示すように、保留記憶数が「3」のときに決定可能な第1のモードパターンには、第1のモードパターンMP11〜MP13の計3種類がある。なお、保留記憶数が「3」のときには、実行対象(3回目)の図柄変動ゲームと、それまでに実行が開始される1回目と2回目の図柄変動ゲームと、の計3回の図柄変動ゲームが、第1のモードパターンに定められる演出モードが設定され得る図柄変動ゲームとなる。第1のモードパターンMP11には、第1演出モードの設定を決定してから、1回目と2回目の図柄変動ゲーム中の演出モードを第2演出モード、3回目(実行対象)の図柄変動ゲーム中の演出モードを第1演出モードとすることが定められている。すなわち、第1のモードパターンMP11は、2回目(所定回数)までの図柄変動ゲームの演出モードとして第2演出モードを設定するとともに、2回目より後に実行が保留された図柄変動ゲーム(実行対象の図柄変動ゲームまでの図柄変動ゲーム)における演出モードとして第1演出モードを設定することが定められている。また、第1のモードパターンMP12には、第1演出モードの設定を決定してから、1回目の図柄変動ゲーム中の演出モードを第2演出モード、2回目と3回目の図柄変動ゲーム中の演出モードを第1演出モードとすることが定められている。また、第1のモードパターンMP13には、第1演出モードの設定を決定してから、1回目〜3回目の図柄変動ゲーム中の演出モードを第1演出モードとすることが定められている。
【0100】
また、
図6(b)に示すように、保留記憶数が「4」のときに決定可能な第1のモードパターンには、第1のモードパターンMP21〜MP24の計4種類がある。なお、保留記憶数が「4」のときには、実行対象(4回目)の図柄変動ゲームと、それまでに実行が開始される1回目〜3回目の図柄変動ゲームと、の計4回の図柄変動ゲームが、第1のモードパターンに定められる演出モードが設定され得る図柄変動ゲームとなる。第1のモードパターンMP21には、第1演出モードの設定を決定してから、1回目〜3回目の図柄変動ゲーム中の演出モードを第2演出モード、4回目(実行対象)の図柄変動ゲーム中の演出モードを第1演出モードとすることが定められている。また、第1のモードパターンMP22には、第1演出モードの設定を決定してから、1回目と2回目の図柄変動ゲーム中の演出モードを第2演出モード、3回目と4回目の図柄変動ゲーム中の演出モードを第1演出モードとすることが定められている。また、第1のモードパターンMP23には、第1演出モードの設定を決定してから、1回目の図柄変動ゲーム中の演出モードを第2演出モード、2回目〜4回目の図柄変動ゲーム中の演出モードを第1演出モードとすることが定められている。また、第1のモードパターンMP24には、第1演出モードの設定を決定してから、1回目〜4回目の図柄変動ゲーム中の演出モードを第1演出モードとすることが定められている。
【0101】
そして、
図5に示すように、ステップS14にて保留記憶数に応じた第1のモードパターンを決定した演出制御用CPU31aは、当該決定した第1のモードパターンを特定可能な情報を決定情報として、実行対象の図柄変動ゲームが終了するまでの間、演出制御用RAM31cに記憶し(ステップS15)、モード判定処理を終了する。
【0102】
また、ステップS12の判定結果が否定の場合、演出制御用CPU31aは、先読みコマンドSC3又は先読みコマンドSC6を入力したか否かを判定する(ステップS16)。そして、ステップS16の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、保留記憶数に応じた第2のモードパターンを決定する(ステップS17)。
【0103】
第2のモードパターンは、第2演出モードを設定するために、当該第2演出モードの設定契機となった図柄変動ゲーム(実行対象の図柄変動ゲーム)や、当該図柄変動ゲームが実行されるまでの1又は複数回の図柄変動ゲーム(途中の図柄変動ゲーム)にて設定可能な演出モードの種類が定められたパターンである。
【0104】
図7に示すように、本実施形態では、保留記憶数が「1」のときに決定可能な第2のモードパターンMP31と、保留記憶数「2」のときに決定可能な第2のモードパターンMP32と、保留記憶数が「3」のときに決定可能な第2のモードパターンMP33及び保留記憶数が「4」のときに決定可能な第2のモードパターンMP34がある。これら第2のモードパターンMP31〜MP33は、演出制御用ROM31bに記憶されている。そして、各第2のモードパターンMP31〜MP34には、実行対象の図柄変動ゲーム中と、当該図柄変動ゲームが実行されるまでの図柄変動ゲーム中の演出モードを第2演出モードとすることが定められている。但し、保留記憶数「1」のときに決定可能な第2のモードパターンには、実行対象の図柄変動ゲーム中にのみ演出モードを第2演出モードとすることが定められている。本実施形態において、各種のモードパターン(第1のモードパターン及び第2のモードパターン)を記憶する演出制御用ROM31bが、パターン記憶手段として機能する。
【0105】
また、ステップS17にて保留記憶数に応じた第2のモードパターンを決定した演出制御用CPU31aは、当該決定した第2モードパターンを特定可能な情報を決定情報として、実行対象の図柄変動ゲームが終了するまでの間、演出制御用RAM31cに記憶し(ステップS18)、モード判定処理を終了する。
【0106】
また、ステップS16の判定結果が否定の場合、演出制御用CPU31aは、先読みコマンドSC1を入力したか否かを判定する(ステップS19)。このステップS19の判定結果が否定の場合、演出制御用CPU31aは、モード判定処理を終了する。因みに、本実施形態において、ステップS17の判定結果が否定の状況とは、演出制御用CPU31aが先読みコマンドSC2又は先読みコマンドSC5を入力している状況となる。
【0107】
一方、ステップS19の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cにて値が更新されるソフトウェア乱数を用いてモード切替抽選を行い、当該抽選に当選したか否かを判定する(ステップS20)。このステップS20の判定結果が否定の場合、つまり、モード切替抽選に非当選の場合、演出制御用CPU31aは、モード判定処理を終了する。一方、ステップS20の判定結果が肯定の場合、つまり、モード切替抽選に当選の場合、演出制御用CPU31aは、ステップS17の処理へと進み、当該ステップS17の処理及びステップS18の処理を終えるとモード判定処理を終了する。
【0108】
次に、演出制御用RAM31cに記憶された決定情報に基づく制御について説明する。
演出制御用CPU31aは、モード判定処理にて決定情報を演出制御用RAM31cに記憶させた場合、当該決定情報を消去するまでの間、実行を開始した装飾図柄変動ゲームの回数を連続回数としてカウントする。
【0109】
そして、演出制御用CPU31aは、カウントしている連続回数及び記憶されている決定情報に応じて演出モードを設定する場合と、演出モードの設定を規制する場合と、がある。
【0110】
本実施形態において演出制御用CPU31aは、実行対象の図柄変動ゲームの実行までにリーチ演出が行われる可能性がある場合、演出モードの設定を規制する。演出制御用CPU31aは、決定情報の記憶契機となった先読みコマンドに対応する先読み情報よりも先に記憶されている先読み情報を参照し、当該先読み情報の中に先読みコマンドSC2〜SC7のうち何れかに対応する先読み情報が存在すれば、「実行対象の図柄変動ゲームの実行までにリーチ演出が行われる可能性がある」と判定する。一方、演出制御用CPU31aは、決定情報の記憶契機となった先読みコマンドに対応する先読み情報よりも先に記憶されている先読み情報を参照し、当該先読み情報の中に先読みコマンドSC2〜SC7のうち何れかに対応する先読み情報が存在しなければ、「実行対象の図柄変動ゲームの実行までにリーチ演出が行われる可能性がない」と判定する。
【0111】
そして、実行対象の図柄変動ゲームの実行までにリーチ演出が行われる可能性がある場合には、当該リーチ演出が行われる図柄変動ゲームの終了後、リーチ演出が行われる可能性がないと判定すれば、演出制御用CPU31aは、カウントしている連続回数及び記憶されている決定情報に応じて演出モードを設定する。
【0112】
例えば、カウントしている連続回数が「2」となる場合、演出制御用CPU31aは、決定情報から特定可能なモードパターンにて2回目の図柄変動ゲーム中の演出モードとして定められている種類の演出モードを設定する。このとき、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cに設定中の演出モードの種類を特定可能な演出モード情報を設定し、演出モードを設定する。この演出モード情報は、決定情報とともに消去される。
【0113】
演出制御用CPU31aは、実行させる図柄変動ゲーム中の演出モードを第2演出モードとすることがモードパターンで定められているとき、第2演出モードを設定する第1設定制御を行う。そして、演出制御用CPU31aは、第2演出モードを制御した図柄変動ゲーム終了後、次の図柄変動ゲーム中の演出モードを第1演出モードとすることがモードパターンに定められている場合、前記次の図柄変動ゲームが実行されることに伴って第2演出モードから第1演出モードへ設定を切り替える(変更する)第2設定制御を行う。
【0114】
また、本実施形態では、第1のモードパターンMP11,MP12,MP21〜MP23には、第2演出モードを設定した後、第1演出モードを設定することが定められている。このため、第1のモードパターンMP11,MP12,MP21〜MP23のうち何れかを特定可能な決定情報が記憶されている場合、演出制御用CPU31aは、第2設定制御を行う。本実施形態において、これら第1のモードパターンMP11,MP12,MP21〜MP23は、保留記憶数が「3」以上のとき、つまり、実行が保留されている図柄変動ゲームの回数が「3回」以上のときに決定され得る。したがって、本実施形態における特定回数は「3回」となる。
【0115】
また、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cに演出モード情報が記憶されている場合、当該演出モード情報から特定可能な演出モードの演出態様での遊技演出の実行を制御する。具体的に、演出制御用CPU31aは、演出モード情報から特定可能な演出モードの背景画像を表示するように、演出表示装置11の表示内容を制御する。なお、演出制御用RAM31cは、演出モード情報や先読み情報が演出制御用RAM31cに記憶されているとき、大当り遊技が付与された場合には決定情報を消去する。
【0116】
このように、本実施形態において、各種の演出モードを設定するとともに、設定中の演出モードの演出態様で各種遊技演出の実行を制御する演出制御用CPU31aが、演出制御手段として機能する。また、本実施形態において、各演出モードの背景画像を表示することで、各演出モードの演出態様での遊技演出を実行する演出表示装置11が、演出実行手段として機能する。
【0117】
また、本実施形態において、第1演出モードや第2演出モードの設定を規制することにより各種演出モードの演出態様での遊技演出が実行されることを規制する演出制御用CPU31aが、実行規制手段として機能する。また、本実施形態において、第3リーチ演出を含む演出内容で装飾図柄変動ゲームが実行される内容が、特定変動内容に相当する。そして、本実施形態において、第3リーチ演出が特定リーチ演出に相当する。更に、本実施形態において、第2リーチ演出を含む演出内容で装飾図柄変動ゲームが実行される内容と、リーチ演出が行われない演出内容で装飾図柄変動ゲームが実行される内容と、が非特定変動内容に相当する。このため、先読みコマンド生成処理において先読みコマンドSC4と先読みコマンドSC7のうち何れかの先読みコマンドが生成されることが、特定変動内容と事前判定されることに相当する。また、先読みコマンド生成処理において先読みコマンドSC1、先読みコマンドSC3及び先読みコマンドSC6のうち何れかの先読みコマンドが生成されることが、非特定変動内容と事前判定されることに相当する。
【0118】
ここで、
図8(a)〜(d)に基づき、演出制御用RAM31cの記憶内容、及び演出表示装置11に表示される背景画像の種類について、説明する。なお、先読みコマンドSC1の出力契機となった図柄変動ゲームの実行中、上始動入球装置15へ遊技球が入球し、演出制御用RAM31cの保留記憶数「3」に対応する記憶領域に、先読みコマンドSC7に対応する先読み情報が記憶されたものとする。更に、このとき、演出制御用RAM31cの保留記憶数「1」に対応する記憶領域には先読みコマンドSC2に対応する先読み情報、保留記憶数「2」に対応する記憶領域には先読みコマンドSC1に対応する先読み情報、が記憶されていたものとする。
【0119】
図8(a)に示すように、保留記憶数「3」に対応する記憶領域に先読みコマンドSC7に対応する先読み情報が記憶されると、モード判定処理が行われた結果、演出制御用RAM31cに決定情報が記憶される。このとき、第1のモードパターンMP11を特定可能な決定情報が、演出制御用RAM31cに記憶されたものとする。そして、実行中の図柄変動ゲームが終了すると、
図8(a)において保留記憶数「1」に対応する記憶領域に記憶されている先読み情報に対応する図柄変動ゲーム、つまり、先読みコマンドSC2の出力契機となった図柄変動ゲーム(1回目の図柄変動ゲーム)の実行が開始される。この先読みコマンドSC2の出力契機となった図柄変動ゲームは、変動パターンHP21に基づき実行されることから、第1リーチ演出が行われる。このため、モードパターンは決定するものの、当該モードパターンに基づき第1演出モードや第2演出モードを設定することが規制される。
【0120】
その結果、
図8(b)に示すように、1回目の図柄変動ゲームでは、決定情報から特定可能なモードパターンにて連続回数が「1」のときに対応する第2演出モードは設定されず、演出表示装置11には、通常時の背景画像(
図8(a),(b)では、斜線で示す)が表示される。また、1回目の図柄変動ゲームの実行に伴い、演出制御用RAM31cの保留記憶数「2」に対応する記憶領域に記憶されていた先読み情報は保留記憶数「1」に対応する記憶領域に記憶される。同様に、1回目の図柄変動ゲームの実行に伴い、演出制御用RAM31cの保留記憶数「3」に対応する記憶領域に記憶されていた先読み情報は保留記憶数「2」に対応する記憶領域に記憶され、保留記憶数「3」に対応する記憶領域に記憶されていた先読み情報は消去される。
【0121】
そして、1回目の図柄変動ゲームの実行が終了すると、
図8(b)において保留記憶数「1」に対応する記憶領域に記憶されている先読み情報に対応する図柄変動ゲーム、つまり、先読みコマンドSC1の出力契機となった図柄変動ゲーム(2回目の図柄変動ゲーム)の実行が開始される。この先読みコマンドSC1の出力契機となった図柄変動ゲームは、変動パターンHP11又はHP12に基づき実行されることから、リーチ演出が行われない。更に、このとき、実行が保留されている図柄変動ゲームであって、実行対象となる図柄変動ゲームよりも前にリーチ演出が実行される可能性のある図柄変動ゲームは存在しない。このため、モードパターンに基づき第1演出モードや第2演出モードを設定することの規制が解除され、既に決定しているモードパターンに基づき第1演出モードや第2演出モードを続きから設定することが可能となる。
【0122】
この結果、
図8(c)に示すように、2回目の図柄変動ゲームでは、決定情報から特定可能なモードパターンにて連続回数が「2」のときに対応する第2演出モードが設定され、演出表示装置11には、第2演出モードの背景画像(
図8(c)では、縦縞で示す)が表示される。また、2回目の図柄変動ゲームの実行に伴い、演出制御用RAM31cの保留記憶数「2」に対応する記憶領域に記憶されていた先読み情報は保留記憶数「1」に対応する記憶領域に記憶され、保留記憶数「2」に対応する記憶領域に記憶されていた先読み情報は消去される。
【0123】
そして、2回目の図柄変動ゲームの実行が終了すると、
図8(c)において保留記憶数「1」に対応する記憶領域に記憶されている先読み情報に対応する図柄変動ゲーム、つまり、先読みコマンドSC7の出力契機となった図柄変動ゲーム(実行対象(3回目)の図柄変動ゲーム)の実行が開始される。
【0124】
このとき、
図8(d)に示すように、実行対象の図柄変動ゲームでは、決定情報から特定可能なモードパターンにて連続回数が「3」のときに対応する第1演出モードが設定され、演出表示装置11には、第1演出モードの背景画像(
図8(d)では、横縞で示す)が表示される。また、実行対象の図柄変動ゲームの実行に伴い、演出制御用RAM31cの保留記憶数「1」に対応する記憶領域に記憶されていた先読み情報は消去される。
【0125】
なお、実行対象の図柄変動ゲームは、先読みコマンドSC7の出力契機となった図柄変動ゲームであることから、共通大当り判定値と同値の大当り判定用乱数を用いて大当り抽選が行われる。その結果、実行対象の図柄変動ゲームは大当りとなり、当該図柄変動ゲームの終了後には大当り遊技が付与される。
【0126】
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)第2リーチ演出が実行されること又はリーチ演出が実行されないこと(非特定変動内容であること)が事前に判定されている場合には、第2演出モードが設定され、当該第2演出モードの背景画像が表示される(第2演出モードの演出態様で遊技演出が実行される)場合がある。これに対して、第3リーチ演出が実行されること(特定変動内容であること)が事前に判定されている場合には、第2演出モードが設定された後に第1演出モードが設定され、第2演出モードの背景画像が表示された後に第1演出モードの背景画像が表示される場合がある。
【0127】
このため、第2演出モードから第1演出モードに設定が切り替えられ、最終的に第3リーチ演出を含む演出内容で装飾図柄変動ゲームが実行されることを遊技者に期待させることができる。したがって、第1演出モードや第2演出モードの背景画像が表示される図柄変動ゲーム(変動内容を事前に判定した結果に応じた演出態様による遊技演出を行う図柄変動ゲーム)に対する遊技者の興趣を向上できる。
【0128】
(2)保留記憶数が「3」(特定回数)以上である場合に、第2演出モードを設定した後に第1演出モードを設定する第2設定制御を行うことを可能に構成した。これによれば、第2演出モードの設定に少なくとも1回の図柄変動ゲームを割り当てることが可能になり易く、その後の第1演出モードの設定へ切り替え(変更)させることができることから、演出モードの設定変更を遊技者に印象付け、興趣の向上を図ることができる。
【0129】
(3)実行対象の図柄変動ゲームまでの実行が保留された図柄変動ゲームの中に、リーチ演出が行われる図柄変動ゲームが含まれていることが事前判定される場合、当該図柄変動ゲーム以前に実行される図柄変動ゲームでは、第1演出モードや第2演出モードの設定を規制した。このため、第1演出モードや第2演出モードの設定中にリーチ演出が行われることによって、演出として間延びしてしまったり、リーチ演出が行われたにもかかわらず第1演出モードや第2演出モードの設定が継続することで遊技者が混乱してしまったりすることを抑制できる。また、第1演出モードや第2演出モードが設定されていない場合であっても、各演出モードの設定が規制されているだけで、実際には第1演出モードや第2演出モードが設定され得る状況であることを遊技者に期待させることもできる。
【0130】
(4)実行対象の図柄変動ゲームまでの実行が保留された図柄変動ゲームの中に、リーチ演出が行われる図柄変動ゲームが含まれていることが事前判定される場合、当該図柄変動ゲーム以前に実行される図柄変動ゲームでは、第1演出モードや第2演出モードの背景画像が表示されること(遊技演出が実行されること)を規制した。更に、各演出モードの背景画像が表示されることが規制されているとき、前記リーチ演出が行われる図柄変動ゲームと事前判定された図柄変動ゲームの終了後の図柄変動ゲームからは、演出モードの背景画像が表示されるように構成した。このため、新たに図柄変動ゲームの実行が保留されなくても、図柄変動ゲームが開始される毎に、演出モードの背景画像が表示される可能性がある。したがって、図柄変動ゲーム中に新たな始動入球装置15,17への遊技球の入球がなくても、次の図柄変動ゲームにて第1演出モードや第2演出モードが設定されることを遊技者に期待させることができる。
【0131】
(5)実行が保留されている図柄変動ゲームにおいて設定可能な演出モードの種類が定められたモードパターンが、演出制御用ROM31b(パターン記憶手段)に記憶されている。そして、演出制御用CPU31aは、モードパターンを選択することにより、実行が保留されている各図柄変動ゲームにて設定する演出モードの種類を一括して決定することができる。このため、演出モードの決定にかかる制御プログラムを簡略化できる。更には、演出制御用CPU31aの制御負担を軽減することもできる。
【0132】
(6)第1演出モードが設定されれば大当り期待度の高い第3リーチ演出が行われることを認識でき、第2演出モードが設定された際には第2リーチ演出が行われることを期待できるように構成した。このため、第3リーチ演出よりも大当り期待度の低い第2リーチ演出が実行される可能性を期待できる第2演出モードが設定されるよりも、第1演出モードが設定されたときの方が、大当りへの期待感を高めることができる。したがって、第2演出モードが設定された場合(第2演出モードの背景画像が表示された場合)、第1演出モードの設定へ切り替わることを、より遊技者に期待させることができる。そして、第1演出モードや第2演出モードの背景画像が表示される図柄変動ゲームに対する遊技者の興趣を向上できる。
【0133】
(7)第2演出モードが設定された際には、図柄変動ゲーム中にリーチ演出が行われない状況と、第2リーチ演出が行われる状況と、がある。したがって、第2演出モードから第1演出モードへ設定が切り替わらない場合であっても、第2リーチ演出が行われ、大当りとなることへの期待感を遊技者に抱かせることができる。
【0134】
なお、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
・上記実施形態において、実行対象の図柄変動ゲームの終了後、少なくとも1回の図柄変動ゲームでは第1演出モードや第2演出モードを設定することを規制するように構成してもよい。このような規制を行う場合には、保留記憶数の上限となる「4」を超える回数の連続する図柄変動ゲームに亘って、第1演出モードや第2演出モードが設定されることによって遊技者を混乱させてしまうことを抑制することができる。
【0135】
・上記実施形態において、第1演出モードの設定と同様に、保留記憶数が特定回数以上でなければ第2演出モードの設定が決定されないように構成してもよい。
・上記実施形態において、実行が保留されている図柄変動ゲームの回数(保留記憶数)に関係なく、第1演出モードを設定可能に構成してもよい。
【0136】
・上記実施形態において、途中の図柄変動ゲームにてリーチ演出が実行される可能性がある場合であっても、第1演出モードや第2演出モードの設定を規制することなく、各演出モードを設定可能に構成してもよい。
【0137】
・上記実施形態において、モードパターンの選択(決定)によって実行対象の図柄変動ゲーム及び途中の図柄変動ゲームにて設定する演出モードを決定する方法以外の方法で、途中の図柄変動ゲームにて設定する演出モードの種類を決定するように構成してもよい。例えば、途中の図柄変動ゲームを実行する毎に当該途中の図柄変動ゲームにて設定する演出モードの種類を決定するように構成してもよい。但し、第1演出モードが設定された場合に第2演出モードが設定された場合よりも大当り期待度が高くなる仕様では、一度第1演出モードが設定された後に第2演出モードが設定されないようにすることが好ましい。
【0138】
・上記実施形態において、第1演出モードが設定された場合には、第2演出モードが設定された場合よりも大当り期待度が低くなったり、大当り期待度の高低に変化がなかったりしてもよい。
【0139】
・上記実施形態において、非特定変動内容は、特定リーチ演出(上記実施形態では、第3リーチ演出)を含む内容でなければ、第2リーチ演出を含む内容やリーチ演出が行われない内容に限らない。例えば、第1リーチ演出を含む内容を非特定変動内容としてもよいし、第1リーチ演出を含む内容と第2リーチ演出を含む内容を非特定変動内容としてもよい。その他、第2リーチ演出を含む内容のみを非特定変動内容としてもよい。
【0140】
・上記実施形態において、特定リーチ演出は、リーチ演出の中で最も大当り期待度の高いリーチ演出でなくてもよい。
・上記実施形態において、第1演出モードが設定された際に実行対象の図柄変動ゲームで行われるリーチ演出が、第2演出モードが設定された際に実行対象の図柄変動ゲームにて行われるリーチ演出よりも大当り期待度を低く設定した種類のリーチ演出であってもよい。このような場合であっても、先読みコマンドSC4を入力した際に第1演出モードが設定される確率と、先読みコマンドSC7を入力した際に第1演出モードが設定される確率と、を調整すれば、第2演出モードが設定されるよりも第1演出モードが設定されたときの方が、大当り期待度を高くすることもできる。このように調整される場合、第2演出モードの設定中、第1演出モードへ設定が切り替わることを遊技者に期待させることができる。
【0141】
・上記実施形態において、遊技演出は背景画像に限らず、演出表示装置11にて行われる予告演出や、スピーカSpによって音声出力される楽曲、装飾ランプLaの発光色であってもよい。なお、各演出モードの演出態様による遊技演出を実行する演出装置は、演出表示装置11に限らず、スピーカSpや装飾ランプLaであってもよい。
【0142】
・上記実施形態において、保留記憶数が「2」であっても、第1演出モードの設定を決定可能に構成してもよい。すなわち、特定回数を「2」とし、ステップS13では保留記憶数が「2」以上であるか否かを判定するように構成してもよい。このように構成する場合には、保留記憶数が「2」のときに決定可能な第1のモードパターンを備えることが好ましい。
【0143】
・上記実施形態において、保留記憶数の上限を「4」を超える数(例えば、「8」)に設定してもよい。この場合、各保留記憶数にて決定可能な第1のモードパターンをそれぞれ備えることが好ましい。また、保留記憶数に上限を設定しなくてもよい。この場合には、始動入球装置15,17に遊技球が入球することが、始動条件の成立に相当する。
【0144】
・上記実施形態では、先読みコマンドSC4又は先読みコマンドSC7を入力した場合であって、保留記憶数が「3」以上であっても、演出制御用CPU31aは、第1演出モードの設定を決定するか否かを内部抽選によって決めるように構成してもよい。同様に、先読みコマンドSC3又は先読みコマンドSC6を入力した場合であっても、演出制御用CPU31aは、第2演出モードの設定を決定するか否かを内部抽選によって決めるように構成してもよい。
【0145】
・上記実施形態のモード判定処理におけるステップS12、ステップS16及びステップS19の判定処理の順序は、各判定結果に応じて行われる処理が変わらなければ、どのような順序であってもよい。
【0146】
・上記実施形態において、図柄変動ゲーム実行時(特別図柄開始処理)における保留記憶数に応じて、演出抽選の当選確率、つまり、リーチ演出が実行される確率を異ならせてもよい。このように構成する場合には、保留記憶数によってリーチ演出が実行される場合と実行されない場合があること(リーチ演出が実行される可能性があること)や、保留記憶数に関係なくリーチ演出が実行されること(リーチ演出が確実に実行されること)を演出制御用CPU31aが特定できるように、先読みコマンドが生成されることが好ましい。また、保留記憶数によってリーチ演出が実行される可能性がある図柄変動ゲームの実行が保留されているときには、リーチ演出が実行される図柄変動ゲームの実行が保留されているときと同様、第1演出モードや第2演出モードの設定を規制するように構成してもよい。
【0147】
・上記実施形態において、演出モードの種類や数を変更してもよい。例えば、第1リーチ演出が実行される可能性を期待できる演出モードと、第2リーチ演出が実行される可能性を期待できる演出モード、第3リーチ演出が実行される可能性を期待できる演出モード等、リーチ演出の種類毎に対応する演出モードを設定可能に構成してもよい。
【0148】
・上記実施形態において、第2演出モードは、事前判定の判定結果に基づき設定される演出モードでなくてもよい。例えば、通常、所定回数の図柄変動ゲームが実行される(設定条件が成立する)度に設定される演出モードであってもよい。そして、この演出モードは、事前判定の判定結果によって第1演出モードが設定されるときに、一時的に(所定回数の図柄変動ゲームが実行されるまでの間)、設定され得るように構成してもよい。このように構成する場合、設定条件が成立する度に、第1演出モードが設定されることを遊技者に期待させることができる。
【0149】
・上記実施形態において、第1演出モードや第2演出モードの演出態様での遊技演出の実行が規制されれば、第1演出モードや第2演出モードを設定してもよい。例えば、第1演出モードや第2演出モードの演出態様での遊技演出の実行を規制する際、第1演出モードや第2演出モードを設定しても、当該設定に基づく遊技演出の実行を規制するように構成してもよい。
【0150】
・上記実施形態において、入球率向上状態であっても、第1演出モードと第2演出モードの設定有無を異ならせてもよい。なお、確変状態であるとき、高確大当り判定値と一致する値(同値)の大当り判定用乱数が取得された際には大当りとなるため、取得した大当り判定用乱数が高確大当り判定値と一致する値であるか否かを演出制御用CPU31aが特定できるように、先読みコマンドが生成されることが好ましい。
【0151】
・上記実施形態において、保留記憶数を特定可能な保留画像を演出表示装置11に表示するように構成してもよい。このように構成する場合には、前記保留画像の表示態様から保留記憶数を容易に認識することができる。また、実行対象の図柄変動ゲームが何回目に実行されるかを特定できるように、実行対象の図柄変動ゲームに対応する保留画像の表示態様を変更するように構成してもよい。
【0152】
・上記実施形態において、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理にて各種乱数の値を取得した場合、当該各種乱数の値を示す制御信号を演出制御用CPU31aに出力するように構成してもよい。このように構成する場合であっても、上記実施形態の先読みコマンドを生成しなくても、前記制御信号から特定可能な各種乱数の値に基づき演出制御用CPU31aが先読み情報を生成する(事前判定)ことが可能となる。なお、この場合、演出制御用CPU31aが事前判定を行うことから、演出制御用CPU31aが、事前判定手段として機能する。
【0153】
・上記実施形態において、リーチ演出は、装飾図柄変動ゲームにおいて、リーチの図柄組み合わせが一旦停止表示されてから、最終的に装飾図柄によって構成される図柄組み合わせが導出されるまでの間に行われる演出でなくても、演出抽選などの内部抽選によって実行が決定される演出であればよい。
【0154】
・上記実施形態において、上始動入球装置15へ遊技球が入球した際に実行され得る特別図柄変動ゲーム(例えば、第1特別図柄変動ゲーム)と、下始動入球装置17へ遊技球が入球した際に実行され得る特別図柄変動ゲーム(例えば、第2特別図柄変動ゲーム)と、を異ならせてもよい。更に、特別図柄変動ゲームの種類によって、大当りとなったときに決定される大当りの種類を異ならせてもよい。
【0155】
・上記実施形態において、演出表示装置11、装飾ランプLa及びスピーカSpをそれぞれ専用のCPUよって制御するように構成してもよい。このとき、各CPUは、単一の制御基板上に設けてもよいし、異なる制御基板上に設けてもよい。また、各CPUを設けることに伴い、各CPUがそれぞれ管理するROMやRAMを設けてもよい。
【0156】
・上記実施形態において、大当りの種類を変更してもよい。また、確変大当りが決定される確率や、非確変大当りが決定される確率を変更してもよい。
・上記実施形態は、特別図柄と装飾図柄を用いるパチンコ遊技機に具体化したが、特別図柄のみを用いるパチンコ遊技機に具体化してもよい。
【0157】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記第1演出モードは、前記第2演出モードと比較して大当りとなる可能性の高低を示す大当り期待度が高いことが好ましい。
【0158】
(ロ)前記非特定変動内容には、前記特定リーチ演出とは異なるリーチ演出を含む変動内容と、前記リーチ演出を含まない変動内容とを含むことが好ましい。
(ハ)遊技演出の演出態様を異ならせた複数の演出モードのうち何れかの演出モードを設定して図柄変動ゲームを実行可能な遊技機において、始動条件の成立を契機として乱数の値を取得する乱数取得手段と、前記乱数取得手段が取得した乱数の値を、実行が保留されている図柄変動ゲームに対応付けて記憶手段に記憶させる乱数記憶制御手段と、前記図柄変動ゲームの実行条件の成立を契機として、前記記憶手段に記憶されている乱数の値をもとに図柄変動ゲームの変動内容を決定する変動内容決定手段と、前記始動条件が成立したときに、該始動条件の成立を契機として前記乱数取得手段が取得する乱数の値をもとに前記変動内容決定手段が決定することとなる変動内容を事前判定する事前判定手段と、前記事前判定の結果をもとに複数ある演出モードのうちから演出モードを設定し、該設定した演出モードの演出態様により前記実行が保留されている図柄変動ゲームにおいて遊技演出が実行されるように演出実行手段を制御可能な演出制御手段と、を備え、前記演出モードには、複数あるリーチ演出のうち特定リーチ演出を含む特定変動内容であると事前判定されている場合に設定可能な第1演出モードを含み、前記演出制御手段は、前記特定変動内容であると事前判定されている場合には、前記実行が保留されている図柄変動ゲームのうち最も早く保留された図柄変動ゲームから所定回数目までの図柄変動ゲームにおける演出モードとして前記第1演出モードとは異なる第2演出モードを設定するとともに、前記所定回数目より後に保留された図柄変動ゲームにおける演出モードとして前記第1演出モードを設定する制御を実行可能に構成されたことを特徴とする遊技機。