特許第5988968号(P5988968)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5988968良好なドライバビリティ性能を有する含酸素ブタノールガソリン組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5988968
(24)【登録日】2016年8月19日
(45)【発行日】2016年9月7日
(54)【発明の名称】良好なドライバビリティ性能を有する含酸素ブタノールガソリン組成物
(51)【国際特許分類】
   C10L 1/06 20060101AFI20160825BHJP
   C10L 1/00 20060101ALI20160825BHJP
【FI】
   C10L1/06
   C10L1/00
【請求項の数】16
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2013-515518(P2013-515518)
(86)(22)【出願日】2011年6月16日
(65)【公表番号】特表2013-528695(P2013-528695A)
(43)【公表日】2013年7月11日
(86)【国際出願番号】US2011040716
(87)【国際公開番号】WO2011159908
(87)【国際公開日】20111222
【審査請求日】2014年6月10日
(31)【優先権主張番号】61/355,222
(32)【優先日】2010年6月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】310011310
【氏名又は名称】ビュータマックス・アドバンスド・バイオフューエルズ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】ロウェナ・ジュスト・トルレス−オルドネス
(72)【発明者】
【氏名】メラニー・クベルカ
(72)【発明者】
【氏名】ペーター・プラチェク
(72)【発明者】
【氏名】レスリー・アール・ウルフ
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ・ジェイ・バスチャン
【審査官】 菅野 芳男
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2009/137356(WO,A1)
【文献】 国際公開第2009/100848(WO,A1)
【文献】 国際公開第2009/102608(WO,A1)
【文献】 特表2011−520011(JP,A)
【文献】 特表2011−511870(JP,A)
【文献】 特表2011−511878(JP,A)
【文献】 特開2005−281590(JP,A)
【文献】 特開2006−348083(JP,A)
【文献】 特開2010−150428(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0086933(US,A1)
【文献】 米国特許第04541836(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C10L 1/06
C10L 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
良好な低温始動および暖機(CS&W)ドライバビリティ性能を有するブタノールガソリンブレンドの製造方法であって:
(a)少なくとも1つの生物源ブタノール異性体を備える工程
(b)該異性体をガソリンとブレンドして特定のASTM D4814表1蒸気圧/揮発度クラスを有する、ブタノールガソリンブレンドを形成する工程;および
(c)該ブタノールガソリンブレンドについて高ブタノールドライバビリティ指数(HBDIa)値を決定する工程であって、ここで、HBDIa値が式:BuOH(A1+A2E200+A3RVP)によって決定され、ここで、
BuOHは、ブタノールガソリンブレンド中の生物源ブタノール異性体の体積パーセント単位の濃度であり;
E200は、ブタノールガソリンブレンドの200°Fまでの温度で蒸発する留分の体積パーセントであり;
RVPは、psi単位のリード蒸気圧であり;
1、A2、およびA3は、最大で80体積パーセントまでの少なくとも1つの生物源ブタノール異性体の濃度で、少なくとも1つのブタノール異性体を含有するブタノールガソリンブレンドについての線形結合の値と、そのようなブレンドについての平均補正測定全加重デメリットの対数との間に実質的に直線の関係を与えるように選択される係数である、工程
を含み、
ここでブタノールガソリンブレンドの全加重デメリットが40未満である、
上記方法。
【請求項2】
ブタノールガソリンブレンドが最大で60体積パーセントまでの少なくとも1つの生物源ブタノール異性体を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ブレンドが、最大で40体積パーセントまでの少なくとも1つの生物源ブタノール異性体を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも1つの生物源ブタノール異性体がイソブタノールである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
HBDIの値をDIについての最大限度よりも下に調整する体積の軽質炭化水素をブレンドする工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1つの生物源ブタノール異性体濃度が最大で70体積パーセントまでであり、かつ
が100.2であり;
が−1.5であり;
が−2.4である、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
良好な低温始動および暖機(CS&W)ドライバビリティ性能を有する従来型車両用のブタノールガソリンブレンドの製造方法であって:
少なくとも1つの生物源ブタノール異性体をガソリンとブレンドして特定のASTM D4814表1蒸気圧/揮発度クラスを有するブタノールガソリンブレンドを形成する工程;
該ブタノールガソリンブレンドについて高ブタノールドライバビリティ指数(HBDIb)値を決定する工程であって、ここで、HBDIb値が式:DI+BuOH(44−0.61E200−0.83RVP)によって決定され、ここで、
BuOHは、ブタノールガソリンブレンド中の生物源ブタノール異性体の体積パーセント単位の濃度であり;
E200は、ブタノールガソリンブレンドの200°Fまでの温度で蒸発する留分の体積パーセントであり;
RVPは、psi単位のリード蒸気圧であり;
DIは、ASTM D4814−09bの表1に規定されるような上記クラスのガソリンについてのドライバビリティ指数であり;
HBDIb値は1400よりも低い、工程、
を含み、
ここでブタノールガソリンブレンドの全加重デメリットが40未満である、
上記方法。
【請求項8】
ブタノールガソリンブレンドが最大で60体積パーセントまでの少なくとも1つの生物源ブタノール異性体を含む、請求項に記載の方法。
【請求項9】
良好な低温始動および暖機(CS&W)ドライバビリティ性能を有する従来型車両用のブタノールガソリンブレンドの製造方法であって:
少なくとも1つの生物源ブタノール異性体をガソリンとブレンドして特定のASTM D4814表1蒸気圧/揮発度クラスを有する、ブタノールガソリンブレンドを形成する工程;および
該ブタノールガソリンブレンドについて設計可変指数(DVI)値を決定する工程であって、DVI値が式:BuOH(9.69−0.146E200−0.212RVP)によって決定され、ここで、
BuOHは、ブレンド中の生物源ブタノール異性体の体積パーセント単位の濃度であり;
E200は、ブタノールガソリンブレンドの200°Fまでの温度で蒸発する留分の体積パーセントであり;
RVPは、psi単位のリード蒸気圧である、工程
を含み、
ここで、DVI値が75よりも低く、そしてガソリンブレンドの全加重デメリットが40未満である、
上記方法。
【請求項10】
DVI値を75よりも下に調整する体積の軽質炭化水素をブタノールガソリンブレンドとブレンドする工程;をさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
良好な低温始動および暖機(CS&W)ドライバビリティ性能を有する従来型車両用のブタノールガソリンブレンドの同定方法であって:
(a)ガソリンをブタノールとブレンドしてブタノールガソリンブレンドを形成する工程;
(b)ブタノールガソリンブレンドについて燃料変数T10、T50、およびT90、E200ならびにRVPを測定する工程;
(c)エタノール濃度を容積パーセント単位で測定する工程;
(d)燃料変数を式DI+BuOH(44−0.61E200−0.83RVP)に代入してブタノールガソリンブレンドのHBDI値を計算する工程(ここで、
BuOHは、ブタノールガソリンブレンド中の生物源ブタノール異性体の体積パーセント単位の濃度であり;
10は、標準ASTM D86蒸留試験における10体積パーセントのブタノールガソリンブレンドの蒸留のための°F単位の温度であり;
50は、標準ASTM D86蒸留試験における50体積パーセントのブタノールガソリンブレンドの蒸留のための°F単位の温度であり;
90は、標準ASTM D86蒸留試験における90体積パーセントのブタノールガソリンブレンドの蒸留のための°F単位の温度であり;
E200は、ブタノールガソリンブレンドの200°Fまでの温度で蒸発する留分の体積パーセントであり;
RVPは、psi単位のリード蒸気圧であり;
DIは、ASTM D4814の表1に規定されるような上記クラスのガソリンについてのドライバビリティ指数である);
を含み、
ここで、ブタノールガソリンブレンドが1400よりも低いHBDI値を有し、そしてガソリンブレンドの全加重デメリットが40未満である、上記方法。
【請求項12】
ガソリンブレンドのHBDI値が1200よりも低い、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
良好な低温始動および暖機(CS&W)ドライバビリティ性能を有する従来型車両用のブタノールガソリンブレンドの同定方法であって:
(a)ガソリンをブタノールとブレンドしてブタノールガソリンブレンドを形成する工程;
(b)ブタノールガソリンブレンドについて燃料変数E200およびRVPを測定する工程;
(c)燃料変数を式BuOH(9.69−0.146E200−0.212RVP)に代入してブタノールガソリンブレンドの設計可変指数(DVI)値を計算する工程(ここで、
BuOHは、ブレンド中の生物源ブタノール異性体の体積パーセント単位の濃度であり;
E200は、ブタノールガソリンブレンドの200°Fまでの温度で蒸発する留分の体積パーセントであり;
RVPは、psi単位のリード蒸気圧である);
を含み、
ここで、ブタノールガソリンブレンドが75よりも低いDVI値を有し、そしてガソリンブレンドの全加重デメリットが40未満である、上記方法。
する、
上記方法。
【請求項14】
DVI値が65よりも低い、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
DVI値が45よりも低い、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
成分が、
i)ガソリン;および
ii)少なくとも1つの生物源ブタノール異性体;
を含む、ブタノールガソリンブレンド用の成分を備える工程;をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その内容が参照により本明細書に完全に援用される、2010年6月16日出願の、米国仮特許出願第61/355,222号明細書の優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は、燃料に、より具体的にはブタノールを含有するガソリンなどの含酸素ガソリンに関する。本発明は、良好な低温始動および暖機ドライバビリティ性能を有する含酸素ブタノールガソリンを提供する。
【背景技術】
【0003】
ガソリンは、火花点火エンジンでの使用に好適であり、そして異なる沸点を有し、大気圧下に約79°F〜約437°Fの範囲の温度で典型的には沸騰する多数の炭化水素の混合物を主成分として一般に含有する燃料である。この範囲はおおよそであり、存在する炭化水素分子の実際の混合物、(もしあれば)存在する添加剤またはその他の成分、および環境条件に依存して変わり得る。典型的には、ガソリンの炭化水素成分は、C4〜C10炭化水素を含有する。
【0004】
ガソリンは、一定の物理的基準および性能基準を満たすことが典型的には要求される。幾つかの特性は、エンジンまたはその他の燃料燃焼装置の適切な運転のために満たすことができる。しかし、多くの物理的特性および性能特性が、環境管理などのその他の理由のために国家規制または地域規制によって定められている。物理的特性の例としては、リード蒸気圧(Reid Vapor Pressure)、硫黄分、酸素含量、芳香族炭化水素含量、ベンゼン含量、オレフィン含量、燃料の90パーセントが蒸留される温度(T90)、燃料の50パーセントが蒸留される温度(T50)およびその他を挙げることができる。性能特性としては、オクタン価、燃焼特性、および排出成分を挙げることができる。
【0005】
たとえば、米国内の大部分で販売するためのガソリンの基準は、参照により本明細書に援用されるASTM Standard Specification Number(標準規格番号)D 4814(「ASTM D 4814」)に概して示されている。欧州内の大部分で販売するためのガソリンの基準は、参照により本明細書にまた援用される、European Standard(欧州標準)EN228:2008に概して示されている。
【0006】
追加の連邦および州規制がこのASTM標準を補っている。ASTM D 4814に示されているガソリン規格は、気候、季節、地理的位置および高度などの揮発度および燃焼に影響を及ぼす多数のパラメータに基づいて変わる。そのため、ASTM D 4814に準拠して製造されたガソリンは、各カテゴリーがそれぞれのクラスの要件を満たすガソリンを記載する規格のセットを有する、揮発度カテゴリーAA、A、B、C、DおよびEならびにベーパーロック防止カテゴリー1、2、3、4、5、および6に分けられる。これらの規格はまた、その規格におけるパラメータを測定するための試験方法を示している。
【0007】
たとえば、比較的暖かい気候において夏季運転シーズン中に使用するためにブレンドされるクラスAA−2ガソリンは、7.8psiの最大蒸気圧、158°Fのその成分の容積の10パーセントの蒸留のための最高温度(「T10」)、170°F〜250°Fのその成分の容積の50パーセントの蒸留のための温度範囲(「T50」)、374°Fのその成分の容積の90パーセントの蒸留のための最高温度(「T90」)、437°Fの蒸留終点、2容積パーセントの蒸留残渣最大、および1250の、以下に説明されるような、最大「ドライバビリティ指数(Driveability Index)」または「DI」を持たなければならない。
【0008】
低温始動および暖機(CS&W)性能は、ガソリンモーター燃料についての重要な品質指標であり;適切に調合されたガソリン燃料は、コールドエンジン(すなわち、以前の走行からの残留熱なしのその環境と本質的に同じ温度であるエンジン)がすべての気候条件下に迅速に始動し、円滑なドライブアウェイ性能を提供することを可能にする。始動およびドライブアウェイ性能は、長いクランキング時間、エンスト、および加速の失敗またはためらいなどの障害がないものであるべきである。
【0009】
ガソリンのCS&W性能は、蒸気圧およびとりわけ蒸留特性(すなわち、燃料の沸点範囲にわたっての成分沸点の分布)を伝統的に含む燃料の揮発度特性によってコントロールされる。米国(ASTM)、欧州(EN)、およびその他の地域における製品規格は、これらの個々の特性への限度、ならびに圧倒的多数の車両と燃料が用いられる条件とにわたっての観察CS&Wドライバビリティ性能に対して指数化されている特性組み合わせ(たとえば、3つの蒸留温度の線形結合から元々なるASTMドライバビリティ指数)への限度を用いている。
【0010】
ガソリン・ブレンディングプールへのバイオ成分(中でも注目すべきは米国では10容積%でのエタノール)の導入は、許容できるCS&Wドライバビリティを確保するためにガソリン揮発度規格の改訂を早めた。具体的には米国において用いられているASTMドライバビリティ指数は、
ASTMドライバビリティ指数(DI)=1.5T10+3T50+T90+2.4EtOH (式1)
(ここで、T10、T50、およびT90は、標準ASTM D86蒸留試験において燃料の10、50および90容積パーセントの蒸留のための°F単位の観察温度であり、EtOHは、容積パーセント単位の燃料のエタノール濃度である)のようにエタノール含量についての項を含めるように修正された。エタノール項の包含は、管理されたCS&Wドライバビリティ試験における車両の観察性能について改善された指数を生み出すことが分かった。これらの規格は、各シーズンの揮発度クラスについてのDIの最大値を定めており;この規格最大値よりも上のDIの燃料は、悪化したCS&W性能を有すると予期される。
【0011】
欧州の用途では、EN228ガソリン規格は、標準蒸留試験において100℃までに蒸留されなければならない燃料の最小容積パーセントE100を規定することにより良好なCS&Wドライバビリティのための中程度の揮発度を規制している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
以前の対照実験は、CS&Wドライバビリティ性能が高濃度のブタノール異性体を含有するガソリンブレンドについては問題含みであり得ることを示唆している。前記のドライバビリティ指数(式1)などの、燃料揮発度パラメータからCS&Wドライバビリティ性能を予測するための既存方法は高ブタノールブレンドについては無効であることがまた分かった。2009年4月28日出願の、Baustianの米国特許出願第12/431,217号明細書は、約200°F以下の温度で蒸留するブレンドの容積分率を少なくとも35容積パーセントに維持する工程を含む、高濃度の少なくとも1つのブタノール異性体を有するガソリンブレンドの製造方法を開示している。しかし、再生可能な燃料成分ブレンディングを最大にしながら、低温始動および暖機(CS&W)ドライバビリティを向上させるやり方で様々な条件下に高濃度のブタノールをガソリンとブレンドするための先行方法の使用は理解されなかった。それ故、ブタノールガソリンブレンドのCS&Wドライバビリティおよび再生可能な成分の両方をまた最大にしながら、修正されたドライバビリティ指数と高レベルの少なくとも1つの生物源ブタノール異性体、具体的には、イソブタノールを含有することができるブタノールガソリンブレンドの製造をもたらす方法とを開発することが非常に望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0013】
一態様においては、本発明は、(a)少なくとも1つの生物源ブタノール異性体をガソリンとブレンドして特定のASTM D4814表1蒸気圧/揮発度クラスを有する、ブタノールガソリンブレンドを形成する工程を含む、良好な低温始動および暖機(CS&W)ドライバビリティ性能を有するブタノールガソリンブレンドの製造方法であって;ブタノールガソリンブレンドが、ASTM D 4814の表1に規定されるような特定クラスのガソリンに関するドライバビリティ指数(DI)についての最大限度よりも下の線形結合BuOH(A+AE200+ARVP)に等しい高ブタノールドライバビリティ指数(HBDI)値を有し(ここで、BuOHは、ブタノールガソリンブレンド中の少なくとも1つの生物源ブタノール異性体の容積パーセント単位の濃度であり;E200は、約200°F以下の温度で蒸留するブタノールガソリンブレンドの容積パーセントであり;RVPは、psi単位のリード蒸気圧であり;A、A、およびAは、約80容積パーセント以下の少なくとも1つの生物源ブタノール異性体の濃度で、少なくとも1つのブタノール異性体を含有するブタノールガソリンブレンドについての線形結合の値と、そのようなブレンドについての平均補正測定全加重デメリット(total weighted demerit)の対数との間に実質的に直線の関係を与えるように選択される係数である);そして、ブタノールガソリンブレンドの全加重デメリットが約40未満である方法である。
【0014】
別の態様においては、本発明はまた、ガソリン;および少なくとも1つの生物源ブタノール異性体を含む、良好な低温始動および暖機(CS&W)ドライバビリティ性能を有するブタノールガソリンブレンドであって、ブタノールガソリンブレンドが特定のASTM D4814表1蒸気圧/揮発度クラスを有し;ブタノールガソリンブレンドが、ASTM D 4814−09bの表1に規定されるような特定クラスのガソリンに関するDIについての規定の最大限度よりも下の線形結合BuOH(A+AE200+ARVP)に等しいHBDI値を有し(ここで、BuOHは、ブタノールガソリンブレンド中の少なくとも1つの生物源ブタノール異性体の容積パーセント単位の濃度であり;E200は、約200°F以下の温度で蒸留するブタノールガソリンブレンドの容積パーセントであり;RVPは、psi単位のリード蒸気圧であり;A、A、およびAは、約80容積パーセント以下の少なくとも1つの生物源ブタノール異性体の濃度で、少なくとも1つのブタノール異性体を含有するブタノールガソリンブレンドについての線形結合の値と、そのようなブレンドについての平均補正測定全加重デメリットの対数との間に実質的に直線の関係を与えるように選択される係数である);そしてブタノールガソリンブレンドの全加重デメリットが約40未満であるブレンドである。
【0015】
別の態様においては、本発明は、(a)少なくとも1つの生物源ブタノール異性体をガソリンとブレンドして特定のASTM D4814表1蒸気圧/揮発度クラスを有するブタノールガソリンブレンドを形成する工程を含む、良好な低温始動および暖機(CS&W)ドライバビリティ性能を有する従来型車両用のブタノールガソリンブレンドの製造方法であって;ブタノールガソリンブレンドが、線形結合DI+BuOH(44−0.61E200−0.83Rvp)に等しい高ブタノールドライバビリティ指数(HBDI)を有し(ここで、BuOHは、ブタノールガソリンブレンド中の少なくとも1つの生物源ブタノール異性体の容積パーセント単位の濃度であり;E200は、約200°F以下の温度で蒸留するブタノールガソリンブレンドの容積パーセントであり;RVPは、psi単位のリード蒸気圧であり;DIは、ASTM D 4814−09bの表1に規定されるような前記クラスのガソリンについてのドライバビリティ指数であり;HBDI値は約1400よりも低い);そしてブタノールガソリンブレンドの全加重デメリットが約40未満である方法である。
【0016】
別の態様においては、本発明は、ガソリン;および少なくとも1つの生物源ブタノール異性体を含む、良好な低温始動および暖機(CS&W)ドライバビリティ性能を有する従来型車両用のブタノールガソリンブレンドであって、ブタノールガソリンブレンドが特定のASTM D4814表1蒸気圧/揮発度クラスを有し;ブタノールガソリンブレンドが、線形結合DI+BuOH(44−0.61E200−0.83Rvp)に等しいHBDI値を有し(ここで:BuOHは、ブタノールガソリンブレンド中の少なくとも1つの生物源ブタノール異性体の容積パーセント単位の濃度であり;E200は、約200°F以下の温度で蒸留するブタノールガソリンブレンドの容積パーセントであり;RVPは、psi単位のリード蒸気圧であり;DIは、ASTM D 4814−09bの表1に規定されるようなクラスのガソリンについてのドライバビリティ指数である)、HBDI値は約1400よりも低く;そしてガソリンブレンドの全加重デメリットが約40未満であるブレンドである。
【0017】
別の態様においては、本発明は、(a)少なくとも1つの生物源ブタノール異性体をガソリンとブレンドして特定のASTM D4814表1蒸気圧/揮発度クラスを有する、ブタノールガソリンブレンドを形成する工程を含む、良好な低温始動および暖機(CS&W)ドライバビリティ性能を有する従来型車両用のブタノールガソリンブレンドの製造方法であって;ブタノールガソリンブレンドが、BuOH(9.69−0.146E200−0.212Rvp)に等しい設計可変指数(DVI)値を有し(ここで、BuOHは、ブレンド中の少なくとも1つの生物源ブタノール異性体の容積パーセント単位の濃度であり;E200は、約200°F以下の温度で蒸留するブタノールガソリンブレンドの容積パーセントであり;RVPは、psi単位のリード蒸気圧である);DVI値が約75よりも低く、そしてガソリンブレンドの全加重デメリットが約40未満である方法である。
【0018】
別の態様においては、本発明は、ガソリン;および少なくとも1つの生物源ブタノール異性体を含む、良好な低温始動および暖機(CS&W)ドライバビリティ性能を有する従来型車両用のブタノールガソリンブレンドであって、ブタノールガソリンブレンドが特定のASTM D4814表1蒸気圧/揮発度クラスを有し;前記ブタノールガソリンブレンドが、BuOH(9.69−0.146E200−0.212Rvp)に等しいDVI値を有し(ここで:BuOHは、ブレンド中の少なくとも1つの生物源ブタノール異性体の容積パーセント単位の濃度であり;E200は、約200°F以下の温度で蒸留するブタノールガソリンブレンドの容積パーセントであり;RVPは、psi単位のリード蒸気圧である);DVI値が約75よりも低く、そしてガソリンブレンドの全加重デメリットが約40未満であるブレンドである。
【0019】
別の態様においては、本発明は、(a)ガソリンをブタノールとブレンドしてブタノールガソリンブレンドを形成する工程;(b)ブタノールガソリンブレンドについて燃料変数T10、T50、およびT90、E200ならびにRVPを測定する工程;(c)燃料変数を式DI+BuOH(44−0.61E200−0.83Rvp)に代入してブタノールガソリンブレンドのHBDI値を計算する工程(ここで、BuOHは、ブタノールガソリンブレンド中の少なくとも1つの生物源ブタノール異性体の容積パーセント単位の濃度であり;T10は、標準ASTM D86蒸留試験でのブタノールガソリンブレンドの10容積パーセントの蒸留のための°F単位の温度であり;T50は、標準ASTM
D86蒸留試験でのブタノールガソリンブレンドの50容積パーセントの蒸留のための°F単位の温度であり;T90は、標準ASTM D86蒸留試験でのブタノールガソリンブレンドの90容積パーセントの蒸留のための°F単位の温度であり;E200は、約200°F以下の温度で蒸留するブタノールガソリンブレンドの容積パーセントであり;RVPは、psi単位のリード蒸気圧であり;DIは、ASTM D 4814の表1に規定されるような前記クラスのガソリンについてのドライバビリティ指数である)を含む、良好な低温始動および暖機(CS&W)ドライバビリティ性能を有するブタノールガソリンブレンドの識別方法であって;ブタノールガソリンブレンドが約1400よりも低いHBDI値を有する方法である。
【0020】
別の態様においては、本発明は、(a)ガソリンをブタノールとブレンドしてブタノールガソリンブレンドを形成する工程;(b)ブタノールガソリンブレンドについて燃料変数E200およびRVPを測定する工程;(c)燃料変数を式BuOH(9.69−0.146E200−0.212Rvp)に代入してブタノールガソリンブレンドの設計可変指数(DVI)値を計算する工程(ここで、BuOHは、ブレンド中の少なくとも1つの生物源ブタノール異性体の容積パーセント単位の濃度であり;E200は、約200°F以下の温度で蒸留するブタノールガソリンブレンドの容積パーセントであり;RVPは、psi単位のリード蒸気圧である)を含む、良好な低温始動および暖機(CS&W)ドライバビリティ性能を有する従来型車両用のブタノールガソリンブレンドの識別方法であって;ブタノールガソリンブレンドが約75よりも低いDVI値を有する方法である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】高ブタノールガソリンドライバビリティの全加重デメリットの平均補正(40°Fへの)自然対数対ASTM DIのプロットである。
図2】高ブタノールガソリンドライバビリティの全加重デメリットの平均補正(40°Fへの)自然対数対HBDIのプロットである。
図3】それらのlog変形よりはむしろ平均補正(40°Fへの)全加重デメリットがy軸上にプロットされていることを除いて、図2にプロットされたデータの再プロットである。
図4】観察LSM ln TWDとHBDI式2cを用いる予測LSM ln TWDとの相関関係である。
図5】観察LSM ln TWDとDVI式2dを用いる予測LSM ln TWDとの相関関係である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
特に定義しない限り、本明細書で用いられるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。矛盾が生じた場合には、定義を含めて、本出願が優先される。また、文脈によって特に要求されない限り、単数用語は複数形を包含するものとし、複数用語は単数形を包含するものとする。本明細書で言及されるすべての刊行物、特許およびその他の参考文献は、あらゆる目的のためにそれらの全体を参照により援用される。
【0023】
本発明をさらに明確にするために、以下の用語および定義が本明細書で提供される。
【0024】
本明細書で用いるところでは、用語「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「包含する(includes)」、「包含する(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」、「含有する(contains)」、もしくは「含有する(containing)」、またはそれらのあらゆるその他の変形は、述べられる整数もしくは整数の群の包含を意味するが、あらゆるその他の整数もしくは整数の群の排除を意味しないと理解されるであろう。例えば、要素のリストを含む組成物、混合物、プロセス、方法、物品、もしくは装置は、それらの要素のみに必ずしも限定されず、明確にリストされないかまたはそのような組成物、混合物、プロセス、方法、物品、もしくは装置に固有であるその他の要素を包含してもよい。さらに、それとは反対を明らかに記述されない限り、「または」は、包含的な「または」を意味し、そして排他的な「または」を意味しない。例えば、条件AまたはBは、次のいずれか1つで満たされる:Aは真であり(または存在し)かつBは偽である(または存在しない)、Aは偽であり(または存在せず)かつBは真である(または存在する)、およびAおよびBの両方とも真である(または存在する)。
【0025】
本明細書で用いるところでは、用語「からなる(consists of)、または「からなる(consist of」もしくは「からなる(consisting of)」などの変形は、本明細書および特許請求の範囲の全体にわたって用いられるように、あらゆる列挙される整数もしくは整数の群の包含を示すが、追加の整数もしくは整数の群が明記される方法、構造、または組成物にまったく追加できないことを示す。
【0026】
本明細書で用いるところでは、用語「から本質的になる(consists essentially of)」、または「から本質的になる(consist essentially of)」もしくは「から本質的になる(consisting essentially of)」などの変形は、本明細書および特許請求の範囲の全体にわたって用いられるように、あらゆる列挙される整数もしくは整数の群の包含、および明記される方法、構造または組成物の基本的なまたは新規な特性を実質的に変えないあるゆる列挙される整数もしくは整数の群の任意選択の包含を示す。
【0027】
また、本発明の要素または成分に先行する不定冠詞「a」および「an」は、事例、すなわち、要素または成分の発生の数に関して非限定的であることを意図される。それ故「a」または「an」は、1つまたは少なくとも1つを包含すると読まれるべきであり、要素または成分の単数形単語形態はまた、その数が単数形であることを明らかに意味しない限り複数形をまた包含する。
【0028】
本明細書で用いるところでは用語「発明(invention)」または「本発明(present invention)」は、非限定的な用語であり、特定の発明のあらゆる単一実施形態を意味することを意図されず、本出願に記載されるようなすべての可能な実施形態を包含する。
【0029】
本明細書で用いるところでは、用いられる本発明の原料または反応剤の量を修飾する用語「約」は、例えば、現実の世界でコンセントレートまたは溶液を製造するために用いられる典型的な計測手順および液体取り扱い手順によって;これらの手順における故意ではない誤差によって;組成物を製造するためにまたは方法を実施するために用いられる原料の製造、製造業者、または純度における差などによって起こり得る数量のばらつきを意味する。用語「約」はまた、特定の初期混合物から生じる組成物についての異なる平衡状態のために異なる量を包含する。用語「約」によって修飾されようとされまいと、特許請求の範囲は、それらの量の等価物を包含する。一実施形態においては、用語「約」は、報告される数値の10%内を意味し;別の実施形態においては、報告される数値の5%内を意味する。
【0030】
本明細書で用いるところでは用語「実質的な」および「実質的に」は、10%以下、好ましくは5%以下の偏りが許されることを意味する。
【0031】
本明細書で用いるところでは用語「アルコール」は、一連のヒドロキシル化合物のいずれかを意味し、その最も簡単なものは、飽和炭化水素から誘導され、一般式C2n+
OHを有する。アルコールの例としては、エタノールおよびブタノールが挙げられる。
【0032】
本明細書で用いるところでは用語「ブタノール」は、個々にまたはそれらのあらゆる混合物で、n−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、第三ブチルアルコールを意味する。ブタノールは、たとえば、生物源(すなわち、バイオブタノール)であってもよい。生物源は発酵生産を意味する。たとえば、その全体を参照により本明細書に援用される、米国特許第7,851,188号明細書を参照されたい。
【0033】
本明細書で用いるところでは用語「再生可能な成分」は、石油または石油製品から誘導されていない成分を意味する。
【0034】
本明細書で用いるところでは用語「燃料」は、管理された方法で機械的作用を生み出すためのエネルギーを発生させるために使用することができるあらゆる材料を意味する。燃料の例としては、バイオ燃料(すなわち、バイオマスから何らかの方法で誘導される燃料)、ガソリン、ガソリンサブブレード、ディーゼルおよびジェット燃料が挙げられるが、それらに限定されない。好適な燃料の具体的な成分および許容量は季節ガイドラインおよび地域ガイドラインに基づいて変わり得ることが理解される。
【0035】
本明細書で用いるところでは用語「燃料ブレンド」または「混合燃料」は、少なくとも燃料および1つ以上のアルコールを含有する混合物を意味する。
【0036】
本明細書で用いるところでは用語「ガソリン」は、少量の添加剤を任意選択的に含有することができる液体炭化水素の揮発性混合物を一般に意味する。この用語には、従来型ガソリン、含酸素ガソリン、改質ガソリン、バイオガソリン(すなわち、バイオマスから何らかの方法で誘導されるガソリン)、およびフィッシャー−トロプシュ(Fischer−Tropsch)ガソリン、ならびにそれらの混合物が含まれるが、それらに限定されない。さらに、用語「ガソリン」には、ガソリンブレンド、ガソリンブレンド類、混合ガソリン、ガソリンブレンドストック、ガソリンブレンドストック類、およびそれらの混合物が含まれる。好適なガソリンの具体的な成分および許容量は季節ガイドラインおよび地域ガイドラインに基づいて変わり得ることが理解される。
【0037】
本明細書で用いるところでは用語「ガソリンブレンド」および「混合ガソリン」は、ガソリンおよび/またはガソリンサブグレードおよび/または1つ以上の製油所ガソリンブレンディング成分(たとえば、アルキレート、改質油、FCCナフサなど)の混合物と任意選択的に、1つ以上のアルコールとを少なくとも含有する混合物を意味する。ガソリンブレンドとしては、自動車エンジンにおける燃焼に好適な無鉛ガソリンが挙げられるが、それらに限定されない。
【0038】
本明細書で用いるところでは用語「American Society for Testing and Materials(米国材料試験協会)」および「ASTM」は、燃料を含む、広範囲の材料、製品、システム、およびサービスについての自発的合意技術標準を策定し、公表する国際標準機構を意味する。
【0039】
本明細書で用いるところでは用語「オクタン価」は、火花点火内燃エンジンにおける自動点火に対する燃料の抵抗の測定結果をまたは管理された方法で燃焼する燃料の傾向の尺度を意味する。オクタン価は、リサーチオクタン価(RON)またはモーターオクタン価(MON)であってもよい。RONは、管理条件下に可変圧縮比の試験エンジンにおいて燃料の試験を行い、そしてそれらの結果をイソ−オクタンとn−ヘプタンとの混合物についての結果と比較することによって決定される測定結果を意味する。MONは、RON試験において用いられる試験と類似の試験を用いて、しかし予熱された燃料混合物、より高いエンジン速度、および圧縮比に応じて調整される点火のタイミングを使って測定される測定結果を意味する。RONおよびMONは、それぞれ、ASTM D2699およびASTM D2700に記載されている標準試験手順によって測定される。
【0040】
本明細書で記載される燃料クラスは、ASTM D 4814およびEN228に記述されるガソリンについての規格によって定義され、気候、季節、地理的位置および高度などの揮発度および燃焼に影響を及ぼす多数のパラメータに基づいて変わる。ASTM D 4814に準拠して製造されたガソリンは、各クラスがそれぞれのクラスの要件を満たすガソリンを記載する規格のセットを有する、蒸気圧/蒸留クラスAA、A、B、C、DおよびE、ならびにベーパーロック防止クラス1、2、3、4、5、および6に分けられる。EN228に準拠して製造されたガソリンは、各クラスがそれぞれのクラスの要件を満たすガソリンを記載する規格のセットを有する、揮発度クラスA、B、C/C1、D/D1、E/E1、およびF/F1に分けられる。
【0041】
ガソリンブレンドの全加重デメリットは、Coordinating Research Council(研究調整評議会)(CRC)Cold−Start and Warm−up Driveability Procedure(低温始動および暖機ドライバビリティ手順)CRC Designation(呼称)E−28−94に従った低温始動および暖機ドライバビリティ性能の測定結果である。この手順においては、車両は、操作中に観察されるあらゆるドライバビリティ機能障害(エンスト、アイドルラフネス、逆火、ためらい、つまずき、波打ち)に重症度格付け(微量の、中くらい、重い、極端な)を与える訓練を受けた評価者による加速/減速操作のセットによって低温始動から駆動させられる。この重症度格付けは、試験条件での車両についての全加重デメリット(TWD)を計算するために用いられる。TWD値が高ければ高いほど、ガソリンブレンドのCS&Wドライバビリティ性能は不十分である。
【0042】
ガソリンは、当該技術分野において周知であり、大気圧下に約79°F〜約437°Fの範囲の温度で典型的には沸騰する、異なる沸点を有する炭化水素の混合物を主要成分として一般に含有する。この範囲はおおよそであり、存在する炭化水素分子の実際の混合物、(もしあれば)存在する添加剤またはその他の化合物、および環境条件に依存して変わることができる。含酸素ガソリンは、1つ以上のガソリンブレンドストックと1つ以上の含酸素化合物とのブレンドである。含酸素化合物は、その約99重量パーセントを占め、酸素が少なくともその約5重量パーセントを占める状態で、炭素、水素および酸素からなる化合物または化合物の混合物である。典型的には含酸素化合物は、アルコール、エーテルおよびそれらの混合物である。
【0043】
ガソリンブレンドストックは、製油所アルキル化装置からの生成物またはその他の製油所ストリームなどの、単一成分から製造することができる。しかし、ガソリンブレンドストックは、2つ以上の成分を使用してより一般的にはブレンドされる。ガソリンブレンドストックは、所望の物理的特性および性能特性を満たし、かつ、規制要件を満たすガソリンを製造するために組み合わせられ、いくつかのブレンディング成分を含んでいてもよい。たとえば、ガソリンブレンディングストックは、2〜4つのブレンディング成分を有してもよいか、または4つ超の成分などの、多数のブレンディング成分を有してもよい。
【0044】
ガソリンおよびガソリンブレンドストックは任意選択的に、その他の化学薬品または添加剤を含んでもよい。たとえば、添加剤またはその他の化学薬品は、規制要件を満たすようにガソリンの特性を調整する、望ましい特性を追加するもしくは高める、望ましくない有害影響を減らす、性能特性を調整する、またはさもなければガソリンの特性を修正するために添加することができる。そのような化学薬品または添加剤の例としては、洗浄剤、酸化防止剤、安定性エンハンサー、乳化破壊剤、腐食防止剤、金属不活性化剤などが挙げられる。2つ以上の添加剤または化学薬品を使用することができる。
【0045】
本明細書で用いるところでは用語「調整すること」には、沸騰特性/揮発度を修正するために成分の濃度を変えること、成分を排除すること、成分を添加すること、またはそれらのあらゆる組み合わせが含まれる。
【0046】
有用な添加剤および化学薬品は、参照により本明細書に援用される、Colucciらの米国特許第5,782,937号明細書に記載されている。そのような添加剤および化学薬品はまた、それらの両方とも本明細書に参照により援用される、Wolfの米国特許第6,083,228号明細書、およびIshidaらの米国特許第5,755,833号明細書に記載されている。ガソリンおよびガソリンブレンドストックはまた、添加剤を燃料中へ届けるために多くの場合使用される溶剤またはキャリア溶液を含有してもよい。そのような溶剤またはキャリア溶液の例としては、鉱油、アルコール、芳香族ナフサ、合成油、および当該技術分野において公知である多数のその他のものが挙げられるが、それらに限定されない。
【0047】
本発明の方法での使用に好適なガソリンブレンドストックは典型的には、火花点火エンジンでのまたはガソリンを燃焼させるその他のエンジンでの消費のためのガソリンを製造するために有用なブレンドストックである。好適なガソリンブレンドストックとしては、ASTM D 4814を満たすガソリン用のブレンドストックおよび改質ガソリン用のブレンドストックが挙げられる。好適なガソリンブレンドストックとしてはまた、地域要件を満たすために望ましいかもしれない低い硫黄分を有する、たとえば、約150未満、約140未満、約130未満、約120未満、約110未満、約100未満、約90未満、約80未満、約70未満、約60未満、約50未満、約40未満、または約30未満の重量で百万部当たりの部の硫黄を有するブレンドストックが挙げられる。そのような好適なガソリンブレンドストックとしてはまた、規制要件を満たすために望ましいかもしれない低い芳香族化合物含量を有する、たとえば、約8000未満、約7750未満、約7500未満、約7250未満、もしくは約7000未満の容積で百万部当たりの部のベンゼンを有する、または、たとえば、計約35未満、約34未満、約33未満、約32未満、約31未満、約30未満、約29未満、約28未満、約27未満、約26未満、もしくは約25未満の容積パーセントの存在する全芳香族化学種を有するブレンドストックが挙げられる。
【0048】
エタノールなどの含酸素化合物はまた、ガソリンブレンディングストックとブレンドすることができる。その場合には、生じたガソリンブレンドは、1つ以上のガソリンブレンディングストックと1つ以上のその他の好適な含酸素化合物とのブレンドを含む。別の実施形態においては、1つ以上のブタノール異性体を、1つ以上のガソリンブレンディングストックとおよび、任意選択的に、エタノールなどの、1つ以上の好適な含酸素化合物とブレンドすることができる。そのような実施形態においては、1つ以上のガソリンブレンドストック、1つ以上のブタノール異性体および任意選択的に1つ以上のその他の好適な含酸素化合物を、任意の順番にブレンドすることができる。たとえば、ブタノールを、ガソリンブレンドストックおよびその他の好適な含酸素化合物を含む、混合物に加えることができる。別の例として、1つ以上のその他の好適な含酸素化合物およびブタノールを、幾つかの異なる場所でまたは多段で加えることができる。さらなる例として、イソブタノール、n−ブタノール、または第三ブタノールなどの、ブタノールを、その他の好適な含酸素化合物と一緒に加えることができ、その他の好適な含酸素化合物の前に加えるかまたはガソリンブレンドストックに加えられる前にその他の好適な含酸素化合物とブレンドすることができる。別の実施形態においては、イソブタノールなどの、ブタノールは含酸素ガソリンに加えられる、別の実施形態においては、1つ以上のその他の好適な含酸素化合物およびブタノールを、同時にガソリンブレンドストックへブレンドすることができる。
【0049】
あらゆるそのような実施形態において、1つ以上のブタノール異性体および任意選択的に1つ以上のその他の好適な含酸素化合物は、流通網内のあるゆる地点で加えることができる。たとえば、ガソリンブレンドストックをターミナルに輸送することができ、そのときブタノールおよび任意選択的に1つ以上のその他の好適な含酸素化合物を、ターミナルで、個々にかまたは組み合わせて、ガソリンブレンドストックとブレンドすることができる。さらなる例として、1つ以上のガソリンブレンディングストック、1つ以上のブタノール異性体および任意選択的に1つ以上のその他の好適な含酸素化合物は、製油所で組み合わせることができる。その他の成分または添加剤はまた、流通網のあらゆる地点で加えることができる。さらに、本発明の方法は、製油所、ターミナル、小売店サイト、または流通網のあらゆるその他の好適な地点で実施することができる。
【0050】
本発明のある実施形態においては、ガソリンブレンドの全加重デメリットは、約40よりも下、約35よりも下、約30よりも下、約25よりも下、約20よりも下、約15よりも下、または約10よりも下である。
【0051】
本発明のある実施形態においては、ガソリンブレンドのHBDI値は、約1400よりも下、約1350よりも下、約1300よりも下、約1250よりも下、または約1200よりも下である。
【0052】
本発明のある実施形態においては、ガソリンブレンドのDVI値は、約75よりも下、約70よりも下、約65よりも下、約60よりも下、約55よりも下、約50よりも下、約45よりも下、約40よりも下、または約35よりも下である。
【0053】
さもなければ現行のASTMおよびEU揮発度規格限度を満たすように思われる多くの見込みのあるガソリン/ブタノールブレンド中にブタノールが多量に含まれるとき、低温始動および暖機(CS&W)ドライバビリティ性能は著しく悪化し得る。しかし、ブタノールが多量にガソリン/ブタノールブレンド中に含まれるとき、CS&Wドライバビリティ性能に関連した負の悪化が本明細書に記載される方法によって回避されることが意外にもおよび予想外にも見いだされた。
【実施例】
【0054】
具体的には、20〜60容積パーセントの範囲のイソブタノール濃度の29の燃料を、業界標準方法(たとえば、ASTM標準蒸留および蒸気圧燃料検査試験、CRC E28標準低温始動および暖機ドライバビリティ試験)を用いて揮発度特性およびCS&W性能について試験した。燃料を、従来型燃料車およびフレキシブル燃料車(FFV)を含む、3つの車両フリート間で分割した。CS&W性能について試験された燃料の数および揮発度クラス、容積パーセント単位の燃料のブタノール含量、試験に用いられた軽量車両の数、種類および年式、ならびに試験が行われた温度を表1に示す。表1はまた、統計的検出力を得るために繰り返された試験の数を示す。計364のCS&W評価を行った。従来型車両のフリートに関して試験される燃料ブレンドは、ASTM D 4814−09bガソリン蒸気圧規格を満たすように調合した。FFVのフリートに関して試験される燃料ブレンドは、ASTM D 4814−09bかASTM D 5798−09b燃料エタノール(Ed75−Ed85)かのどちらかの蒸気圧規格を満たすように調合した。米国内での販売のための燃料エタノール(夏季における「E85」および冬季における「E70」としても知られる)についての標準は、本明細書に参照により援用されるASTM標準規格番号D 5798−09b(「ASTM D 5798」)に概して記述されている。欧州においては、E85燃料についての規格は、現在まったく存在しない。しかし、2008年に出された独国規格DIN 51625:「Kraftstoffe fuer Fahrzeuge−Ethanolkraftstoff−Anforderungen und Pruefverfahren」(「Automotive fuels−ethanol fuel−Requirements and Test Methods(自動車燃料−エタノール燃料−要件および試験方法」)は、クラスA(夏季)35.0〜60.0kPaおよびクラスB(冬季)50.0〜90.0kPaの蒸気圧の70〜85容積%のエタノールを含有する、異なる季節グレードを定義している。
【0055】
【表1】
【0056】
これらの試験は、厳格な温度および湿度管理の全天候型シャーシ・ダイナモメータ(最大出力:315hp、最大速度:90mph、最大風速:90mph)で行った。寒空ドライバビリティ試験は、シャーシ・ダイナモメータでの実施について修正された、Coordinating Research Council(CRC) Cold−Start and Warm−up Driveability Procedure CRC Designation E−28−94に従って行った。この手順では、車両は、操作中に観察されるあらゆるドライバビリティ機能障害(エンスト、アイドルラフネス、逆火、ためらい、つまずき、波打ち)に重症度格付け(微量の、中くらい、重い、極端な)を与える訓練を受けた評価者による加速/減速操作のセットによって低温始動から運転される。この重症度格付けは、試験条件での車両についての全加重デメリット(TWD)を計算するために用いられる。TWD結果の解析は、Coordinating Research Councilによって行われる類似のプログラム(CRC Report No.638として文書化された、CRC Program CM−138−02)の後にパターン化され;このCRC Programの目的は、揮発度/CS&Wドライバビリティへの低エタノール(10容積パーセント未満)ガソリンの組成影響を明らかにすることであった。主題CRC Programは、エタノール「オフセット」項がASTMドライバビリティ指数、DIの先行定義に追加された、上の式1が、そのような低濃度のエタノールを含有するガソリンブレンドのCS&Wドライバビリティ性能を説明することを明らかにした。図1は、試験されたガソリンブレンドについての全加重デメリットの平均補正(40°Fへの)自然対数対それらのブレンドについてのASTM DIのプロットである。図1は、試験され、そして式1を用いて指数化された高ブタノール燃料についてのドライバビリティ結果を示す。グラフでおよび計算された適合度統計値(fit statistic)、Rからの両方で、明らかであるように、式1は、高ブタノール燃料のCS&Wドライバビリティ性能を説明できない。
【0057】
本出願の図の全加重デメリット(TWD)の平均補正(40°Fへの)自然対数は、CS&W試験のすべてについてのフリートデータから計算する。それらは、用いられる車両フリートにおける燃料の不偏平均性能を示す。燃料および車両組み合わせのすべての試験に加えて、それらのあらゆる組み合わせの幾つかの繰り返しである追加の試験もまた行った。こうして、計364の試験を行った。この補正平均は、あたかも同じ数の試験が各燃料−車両組み合わせに関して行われたかのようにバランスしている各燃料の最小二乗平均である。これは、車両のすべてにわたって平均された各燃料についての不偏TWDを与える。
【0058】
式1として示される慣習的ドライバビリティ指数DIは、従来型車両およびフレックス燃料車の両方に適用されるような、次式で置き換えられた。以下の式2aおよび2bは、ASTM DIの修正であり、そして項の線形結合である、高ブタノールドライバビリティ指数またはHBDIを示す。
HBDI=BuOH(A+AE200+ARVP) (式2a)
ここで、HBDIは、修正されたドライバビリティ指数であり;BuOHは、ブレンド中の、好ましくは生物源である、少なくとも1つのブタノール異性体の容積パーセントであり;E200は、約200°F以下の温度で蒸留するブレンドの容積パーセントであり;A、A、およびAは、少なくとも1つのブタノール異性体を含有するガソリンブレンドについての前記線形結合の値と、そのようなブレンドについての測定最小二乗平均補正全加重デメリットの対数との間に実質的に直線の関係を与えるように選択される係数であり、ここで、ガソリンブレンドの全加重デメリットは、約80容積パーセント以下、約75容積パーセント以下、約70容積パーセント以下、約65容積パーセント以下、約60容積パーセント以下、約55容積パーセント以下、約50容積パーセント以下、約45容積パーセント以下、約40容積パーセント以下の少なくとも1つの生物源ブタノール異性体の濃度で、約50未満である。
【0059】
一実施形態においては、高ブタノールドライバビリティ指数(HBDI)は、ブタノールガソリンブレンドを形成するために、ガソリンと少なくとも1つの生物源ブタノール異性体とをブレンドする前に測定することができる。別の実施形態においては、高ブタノールドライバビリティ指数(HBDI)は、ブタノールガソリンブレンドを形成するために、ガソリンと少なくとも1つの生物源ブタノール異性体とをブレンドした後に測定することができる。HBDIが後で測定される場合には、ガソリン量、少なくとも1つの生物源ブタノール異性体量、またはそれらのあらゆる組み合わせは、HBDIが、ASTM D 4814の表1に規定されるような特定クラスのガソリンに関するドライバビリティ指数(DI)についての最大限度よりも下の線形結合BuOH(A+AE200+ARVP)に等しい値を有するように任意選択的に調整することができる。さらに別の実施形態においては、高ブタノールドライバビリティ指数(HBDI)は、ブタノールガソリンブレンドを形成するために、ガソリンと少なくとも1つの生物源ブタノール異性体とをブレンドする間に測定することができる。HBDIがブレンドしている間に測定される場合には、ガソリン量および少なくとも1つの生物源ブタノール異性体量、またはそれらのあらゆる組み合わせは、HBDIが、ASTM D 4814の表1に規定されるような特定クラスのガソリンに関するドライバビリティ指数(DI)についての最大限度よりも下の線形結合BuOH(A+AE200+ARVP)に等しい値を有するように任意選択的に調整することができる。もちろん、高ブタノールドライバビリティ指数(HBDI)は、1回または2回以上測定することができ、ブタノールガソリンブレンドが生成する前、生成する間、および生成した後を含むが、それらに限定されない、ブタノールガソリンブレンドをブレンドする様々な段階で測定することができる。
【0060】
少なくとも1つの生物源ブタノール異性体の濃度が70容積パーセント以下であるとき、A、A、およびAは、それぞれ、100.2、−1.5、および−2.4に等しく、式2aは:
HBDI=BuOH(100.2−1.5E200−2.4RVP) (式2b)
になる。
【0061】
式2a〜2bは、図2および3に示されるような高ブタノール燃料についてのCS&Wドライバビリティ結果を相互に関連付けるのに式1よりも著しく有効である。図2は、高ブタノールガソリンのCS&Wドライバビリティ性能を揮発度および組成特性から説明することにおける式2a〜2bの有効性を明らかにする。ASTM D 4814からの現行の規格限度が新指数にとって適切であることを実証するために、図2のデータを図3においてlog変形なしに再プロットする。
【0062】
70容積パーセント以下のブタノール濃度の全域についての係数A、AおよびAを決定するための一般的な方法は、本明細書で上記のCRCプログラム(CRC Program CM−138−02、CRC Report No.638)によってエタノール・オフセットを決定するために用いられた方法に似ている。手短に言えば、この方法は、CRC E28標準CS&W試験によって測定されたTWDの自然対数を相当する燃料変数に関連付ける回帰式を開発する工程を含む。燃料変数E200、RVPおよびiBuOHを、試験方法のばらつき内のデータにぴったり合う相関関係を誘導するために用い、これらの燃料変数についての相関係数の値を、一般線形統計モデルを用いる最小二乗法によって計算した。具体的には、iBuOH含量は線形項として加え、E200およびRVPは、相互作用項(すなわちiBuOHE200およびiBuOHRVP)として加えた。図2は、この片対数相関についての良好な相関関係を示す。その他のブタノール異性体についての係数は、様々な濃度で興味のある異性体を含有する燃料を使用してCS&W試験を行い、そして要因:ブタノール異性体濃度ならびにE200ブタノール異性体濃度およびRVPブタノール異性体濃度込みの一般線形統計モデルを用いて結果(すなわちTWDの自然対数)を統計的に解析することによって誘導することができる。
【0063】
ガソリンと少なくとも1つの生物源ブタノール異性体とのブレンドのHBDIは、十分な容積の軽質炭化水素をブレンドに加えることによって、当該クラスのガソリンについての規定の最大値よりも下に維持できる、または最大値よりも下のレベルに低下させ得ることがまた発見された。そのような軽質炭化水素は、コールドエンジンにおける燃料の蒸発/燃焼性を向上させるようにブレンドの沸点分布を修正するのに役立つ。そのような軽質炭化水素として用いることができる幾つかの製油所ストリームを表2にリストする。一実施形態においては、使用される炭化水素は、ガソリンブレンド中の含酸素化合物、すなわち、ブタノール異性体と共沸混合物を形成する。そのような共沸混合物は、ブレンドに加えられる、そして共沸混合物の成分である特定の炭化水素よりもさらに低い温度で沸騰する。こうして、共沸混合物を形成する、加えられた軽質炭化水素は、加えられた炭化水素それ自体の沸点から予期されるであろうよりも大きい、ブレンドの沸点を低下させる効果を有する。好適なそのような炭化水素ならびにそれらとエタノールおよび各ブタノール異性体との共沸混合物の沸点を表3に示す。表3の単語「ゼオトロ−プ」は、共沸混合物がまったく形成されなかったことを示す。表3において、重量%は、共沸混合物中の炭化水素の重量パーセントである。好ましくも好適な軽質炭化水素は、5〜9個の炭素原子を含有し、260°F未満のT90を有するそしてパラフィン、シクロパラフィン、オレフィンもしくは芳香族化合物またはそれらの混合物を含む少なくとも1つの製油所ストリームか、216°Fでもしくはそれよりも下で沸騰する、ブタノールもしくはエタノールと共沸混合物を形成する少なくとも1つの炭化水素化かのどちらかあるいはそれらの混合物またはそれらの両方を含む。
【0064】
【表2】
【0065】
【表3】
【0066】
表4および5のデータは、ブレンドへの軽質炭化水素の添加によって達成されるHBDIの低下での利益を例示する。表4において、20容積パーセントのn−ペンタン(Pen)と20容積パーセントのアルキレート(alk)との組み合わせ(iB50+Pen20+Alk20、s)か20容積パーセントのn−ペンタンのみ(iB50+Pen20、s)かのどちらかとともに、50容積パーセントのi−ブタノール(iB50、s)を含有するブレンドについてのHBDIは、1つの車両(EU FFV#2)において5°FでTWDについて250超から20よりも下への実質的な低下を伴って、2200超から1250よりも下へと実質的に低下する。対照的に、表5のデータは、それが置き換わったブレンドのガソリン成分よりも高い沸点を有する、26容積パーセントの分岐炭化水素(HC)の添加が、HBDIまたはTWDの低下に本質的に何の利益も生み出さなかったことを例示する。表4および5において、sおよびSは夏季グレードを意味し、wおよびWは冬季グレードを意味する。
【0067】
【表4】
【0068】
【表5】
【0069】
別の実験において、10の独特の試験燃料を、下の表6に示されるパラメータを満たすために開発した。
【0070】
【表6】
【0071】
10の燃料のそれぞれを、それらのドライバビリティ特性について試験した。米国Tier2排出基準を満たす6つの軽量車両を、ドライバビリティ/揮発度評価のために用いた。車両は、自然誘導および強制誘導の両方、ポート注入および直接注入、ならびにBin8、Bin5、およびさらに1つのCalifornia PZEV(約Bin2)からのTier2排出証明などの様々なTier2技術タイプを提供するように選択した。試験車両の概要は下の表7に見られる。
【0072】
【表7】
【0073】
ドライバビリティ試験は、GFT’s Napervilleサイトでの全天候型シャーシ・ダイナモメータ(AWCD)施設で行った。車両に、試験の間ずっと約2Hz/チャネルでエンジンおよび車両運転パラメータを監視するためのHEM DAWN/SnapMaster OBD−IIデータ収集システムを取りつけた。全車両を、試験プログラムを開始する前に手入れし、検査した。車両のどれも、即座のまたは懸案の診断トラブルコードを示さなかった。各ドライバビリティ試験の準備において、主題車両燃料システムを試験燃料で完全にフラッシュし、満たした。ECUトラブルコードセットを燃料フラッシングプロセスによってチェックし、きれいにした後、各車両を、エンジン管理システムが様々な酸素含量の試験燃料についての給油を調節するのを可能にするために30分間Naperville試験走路上で順化させた。
【0074】
ドライバビリティ評価は、全天候型シャーシ・ダイナモメータ試験セルでの使用に適合させられたようなCRC E−28−94 Cold−start and Warm−up Driveability Test Procedureに従って行った。ドライバビリティ性能への温度の影響を調査するために、各車両/燃料組み合わせを2つの温度で試験した:冬季燃料(クラスD、12psi Rvp)は、20および40Fで試験したが、夏季燃料(クラスAA、7.5psi Rvp)は、40および70Fで試験した。16の燃料(繰り返しを含む)が2つの温度で6つの車両間で試験される状態で、ドライバビリティ/揮発度調査のために行われたE28試験の数の合計は192に達した。
【0075】
試験燃料レシピを下の表8に示す。
【0076】
【表8】
【0077】
表8のブレンディング成分の説明を下の表9に示す。
【0078】
【表9】
【0079】
低温始動および暖機ドライバビリティのCRC E28試験は、デメリットシステムで採点する。車両が始動され、管理サイクルにわたって駆動されるとき、長いクランク時間、エンスト、ためらいなどのドライバビリティ障害が、試験を操作する、訓練を受けた評価者によって観察され、重症度について採点される。観察されるデメリットは、標準不都合(objectionability)重み付けシステムによって試験にわたって全加重デメリット、またはTWDの全体評点にまとめられる。評価者はまた、10(障害なし)から0(極端な障害)の範囲の総合主観的格付けを割り当てるが、これらの格付けは、解析または結論において典型的にも、本明細書でも用いられない。計画された192のドライバビリティ評価のうち、189は、9週の期間にわたって完了した。Mazda CX−7での3つの試験は、極端な始動性問題のために中止された。これらのドライバビリティ評価からの結果を、下の表10にまとめる。
【0080】
【表10】
【0081】
ドライバビリティ結果の標準解析は、全加重デメリットについての最小二乗平均(LSM)補正レスポンスの計算から始まる。この技法は、非燃料要因、たとえば、車両、試験温度などによるばらつきを除去するために用いられる。この結果は、燃料変数に対して次にモデル化することができる各燃料についてのLSM補正TWDの単一値である。標準線形回帰技法を用いてドライバビリティを燃料特性と関連付けるモデルを開発した。各場合に、燃料特性をlog−変形燃料LSM TWDレスポンス(本明細書では以下TWDLSMと表す)で回帰させた。実験計画変数を用いる直接回帰、蒸留特性(たとえば、ASTMドライバビリティ指数)を用いる標準モデル、および標準モデルのばらつきなどの、幾つかのひな形を評価した。
【0082】
統計解析は、ドライバビリティ実験から生じたデータに関して行った。この解析は、実験計画変数i−BuOH、E200、ならびにRvpおよびすべての可能な相互作用と一緒に慣習的DI要因を組み合わせることで始まった。最良の相関関係は、DI、i−BuOH、およびi−BuOHとE200およびRvpとの2つの要因相互作用を含めることによって得られた。これらの結果を組み入れたモデルは:
ln(TWDLSM)=0.00197DI+i−BuOH(0.087−0.0012E200−0.0016Rvp) (式3)
である。
【0083】
DIについて単一係数を達成するために式(3)の右辺を標準化すると、HBDIについて以下の指数表現:
HBDI=DI+BuOH(44−0.61E200−0.83Rvp) (式2c)
(ここで、BuOHは、ブレンド中の少なくとも1つの生物源ブタノール異性体の容積パーセント単位の濃度であり;E200は、約200°F以下の温度で蒸留するブレンドの容積パーセントであり;RVPは、psi単位のリード蒸気圧であり;DIは、ASTM D 4814−09bの表1に規定されるような前記クラスのガソリンについてのドライバビリティ指数である)をもたらし;ここで、少なくとも1つの生物源ブタノール異性体の濃度は、約80容積パーセント以下、約75容積パーセント以下、約70容積パーセント以下、約65容積パーセント以下、約60容積パーセント以下、約55容積パーセント以下、約50容積パーセント以下、約45容積パーセント以下、または約40容積パーセント以下である。
【0084】
ドライバビリティについての別のモデルを、実験計画変数イソ−ブタノール濃度(i−BuOH)、200°FでのD86蒸発留分(E200)、および回帰子としての蒸気圧(Rvp)を簡単に評価することによって開発した。要因効果試験は、イソ−ブタノールおよびそれと他の2つの変数との相互作用を含むためのこのモデルの最も有効な形を示した。このモデルの最終形は:
ln(TWDLSM)=2.275+i−BuOH(0.0969−0.00146E200−0.00212Rvp) (式4)
である。
【0085】
式(4)における最終項は、燃料特性におけるある「指数」への基盤を形成し;そのような指数は、良好なドライバビリティの燃料を設計するために有用であり得る。この最終項を便宜上100で乗じると、設計変数指数(DVI)は式(2d):
(DVI)=i−BuOH(9.69−0.146E200−0.212Rvp) (式2d)
(ここで、i−BuOHは、ブレンド中のイソ−ブタノール異性体の容積パーセント単位の濃度であり;E200は、約200°F以下の温度で蒸留するブレンドの容積パーセントであり;RVPは、psi単位のリード蒸気圧である)によって与えられ;ここで、少なくとも1つの生物源ブタノール異性体の濃度は、約80容積パーセント以下、約75容積パーセント以下、約70容積パーセント以下、約65容積パーセント以下、約60容積パーセント以下、約55容積パーセント以下、約50容積パーセント以下、約45容積パーセント以下、または約40容積パーセント以下である。
【0086】
指数HBDIまたはDVIは、主題燃料についての蒸留試験データおよび蒸気圧試験データをこの式に挿入し、そして新指数の値を計算することで用いられる。式2cまたは2dから計算される、生じた値を次に、HBDIについては約1400、またはDVIについては約75の最大値と比較する。計算されたHBDIまたはDVIがこれらのレベルよりも下である場合には、この燃料は許容できるCS&W性能を有するであろう。
【0087】
HBDIおよびDVIモデルを、新セットのスプラッシュブレンドした高ブタノール燃料を使用して検証した。検証データにおける燃料についての特性を、HBDIおよびDVIモデルの両方を用いて予測TWDを計算するために用いた;これらの計算の結果を下の表11にリストし、図4および5にグラフで示す。
【0088】
【表11】
【0089】
表11から分かるように、HBDIモデルおよびDVIモデルの両方とも、燃料ブレンドのln TWDの良好な予測子である。
【0090】
HBDIモデルおよびDVIモデルの予測値をまた、図4および図5に示す。図4は、それらのHDBI値を用いて高ブタノール燃料についてのTWDを予測することにおける式2cの有効性を実証する。図5は、それらのDVI値を用いて高ブタノール燃料についてのTWDを予測することにおける式2dの有効性を実証する。
【0091】
表11のデータ、図4および図5は、約60容積パーセント以下のイソ−ブタノール濃度の従来型車両用燃料に及び、そしてまた許容できるから許容できないまでのドライバビリティ性能の範囲に及ぶ。これらの結果に基づいて、Aクラスの燃料について1400最大HBDIの限度が、イソブタノールが好ましくは生物源である、60容積パーセント以下のイソブタノールを含有する燃料にとって適切であると結論づけることができる。好ましくは生物源である、60容積パーセント以下のイソブタノールを含有する燃料が、75DVIを限度として用いて調合することができ、そして1250 DIに指数化される従来型のブタノールを含まない燃料と同じ低いデメリットレベルを達成できることもまた容易に明らかである。
【0092】
当業者は、ガソリンブレンドの、E158などの、揮発度または沸点プロフィールのその他の尺度がE200の代わりに用いられる場合に、これは、式2a〜2bの比較的小さい変形をもたらすが、本発明の特許請求される方法およびガソリンブレンドはそのような変形にまで及び、そしてそのような変形を包含することを容易に理解するであろう。
【0093】
本発明は具体的な手段、材料および実施例を参照することによって本明細書に記載されてきたが、本発明の範囲はそれらに限定されず、本発明の実施に好適なすべてのその他の手段および材料にまで及ぶことは当業者によって理解されるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5