(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0003】
心臓弁疾患は、リウマチ熱及び先天異常を含む多くの疾患に起因して、疾病率及び病死率の重大な要因となり続けている。現在、大動脈弁疾患の主な処置は弁置換術である。世界中で、約300000もの心臓弁置換手術が毎年行なわれる。これらの患者の約半数は、柔軟な流体遮蔽小葉のための生物学的に誘導された組織を利用する生体人工心臓弁置換術を受ける。
【0004】
柔軟な小葉のための最も良好な生体人工材料は、無傷の豚弁、及び、三小葉弁を形成するために互いに縫い合わされるウシ心膜から成る別個の小葉である。最も一般的な柔軟な小葉弁構成は、流出方向に突出して流れの中央で出会い又は接合する自由縁部を有する外周支持構造の周囲の交連柱に装着される3つの小葉を含む。縫合糸を通すことができる縫合リングが流入端部の周囲に設けられる。
【0005】
生体人工心臓弁は、従来から、手術室内での使用の前に輸送して保管するために保存液で満たされた瓶内にパッケージングされる。比較的繊細な生体人工心臓弁への損傷の可能性を最小限に抑えるため、生体人工心臓弁は、それらが瓶の内面にぶつからないようにブラケット構造により安定化される。弁は、患者に埋め込む前に、瓶から除去された後、シャワーで濯がれ、又は、生理食塩水槽中に浸漬されてかき回される。人工弁は、一般に、中心に位置されて弁に縫合される-僧帽弁においては流入縫合リングに縫合され、大動脈弁においては流出交連端に縫合される-弁ホルダを有する。
【0006】
グルタルアルデヒドは、その滅菌剤特性に起因して保管溶液として幅広く使用されるが、石灰化をもたらすことが知られる。化学物質を組み入れて最終生成物中の非結合グルタルアルデヒド残留物を阻止する又は最小限に抑えるための方策が、生体内石灰化を軽減するために実証されている。
【0007】
1つのそのような方策は、グリセロール/エタノール混合物中で生体人工組織を脱水し、エチレンオキシドで滅菌し、最終生成物を「乾燥して」パッケージングすることである。このプロセスは、滅菌剤及び保管溶液としてのグルタルアルデヒドの潜在的な毒性及び石灰化作用を排除する。結果として生じる組織が過剰なグルタルアルデヒドを伴う湿潤状態ではなく「乾燥状態」になるように糖アルコール(すなわち、グリセリン)、アルコール、及び、それらの組み合わせをグルタルアルデヒド後処理法として使用する幾つかの方法が提案されてきた。例えばParker et al.(Thorax 1978 33:638)に記載されるようなグリセロールに基づく方法をそのような保管のために使用できる。同様に、米国特許第6,534,004号(Chen等)は、グリセロールなどの多価アルコール中での生体人工組織の保管について記載している。組織がエタノール/グリセロール溶液中で脱水されるプロセスでは、組織がエチレンオキシド(ETO)、ガンマ線照射、又は、電子ビーム照射によって滅菌される場合がある。
【0008】
最近になって、米国特許公開第2009/0164005号のDove等は、酸化の結果として起こり得る脱水組織中の特定の有害な変化のための解決策を提案している。Dove等は、組織中のアルデヒド基の永久的なキャッピング(還元的アミノ化)を提案している。また、Dove等は、脱水溶液(例えば、エタノール/グリセロール)に対して化学物質(例えば、抗酸化物質)を付加して滅菌(エチレンオキシド、ガンマ線照射、電子ビーム照射)中及び保管中の組織の酸化を防止することについても記載している。
【0009】
乾燥組織心臓弁の開発を考えると、そのような弁のための別のパッケージングの機会であって、コストを削減して手術分野での開発を促す機会が生じる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本出願は、乾燥生体人工心臓弁をそれらの送達システムと組み合わせて滅菌パッケージングする方法を開示する。新規な組織処置技術は、乾燥パッケージ内で液体グルタルアルデヒドを伴うことなく組織弁をパッケージングできる。本明細書中に開示される二重滅菌バリアパッケージは、ETO滅菌中、輸送中、及び、保管中に乾燥生体プロテーゼを収容し、保護し、及び、保存する。
【0012】
本明細書中に開示される乾燥組織心臓弁及びその送達システムをパッケージングするためのシステムは、その弁送達システムに結合される乾燥組織心臓弁を含む。その送達システムに結合される乾燥組織心臓弁を受けるように寸法付けられる主容器はガス透過性シールを有する。主容器を受けるように寸法付けられる副容器は、ガス不透過性材料から形成されるとともに、ガス透過性シールとガス不透過性シールとを含む二重シールを有する。主容器は、柔軟な袋又は比較的剛性のトレイを構成してもよい。同様に、副容器は、柔軟な袋又は比較的剛性のトレイを構成してもよい。1つの実施形態では、主容器及び副容器が比較的剛性のトレイを構成する。副容器は、ガス不透過性の箔ラベルシール又は箔袋を備えてもよい。副容器が防湿剤を含んでもよい。
【0013】
1つの実施形態によれば、弁送達システムは、伸縮セクションを有してもよい収縮可能なハンドルを含む。伸縮セクションが内部ルーメンへ開放するガス流口を含むことが望ましい。他の実施形態では、人工心臓弁が拡張可能であり、また、送達システムがバルーンカテーテルを含む。あるいは、人工心臓弁が非拡張可能弁部及び拡張可能ステントを有し、また、送達システムがバルーンカテーテルを含む。
【0014】
本明細書中に開示される他の方法は、乾燥組織心臓弁をパッケージングするためのものであり、
ガス透過性シールを有する主容器を用意するステップと、
乾燥組織心臓弁及びそれらの送達システムを主容器内に配置して、ガス透過性シールを閉じるステップと、
心臓弁の周囲にガス流通路を形成しつつ主容器内での心臓弁の動きを制限するステップと、
心臓弁と送達システムとを内部に伴うシールされた主容器をガス不透過性材料から成る副容器内に配置し、二重バリアアセンブリを形成するためのガス透過性シールで副容器をシールするステップと、
二重バリアアセンブリをガス系の滅菌に晒すステップと、
ガス不透過性シールを副容器に適用して、酸素又は水が副容器を通過するのを防止するステップと
を備える。
【0015】
前述した方法において、ガス系の滅菌に晒す前記ステップは、二重バリアアセンブリをエチレンオキシド(ETO)に晒すことを含む。好ましい実施形態によれば、主容器は、上面と、上縁によって取り囲まれて前記上縁から下方へ降下するキャビティとを有するトレイであり、トレイがガス不透過性材料から形成され、乾燥組織心臓弁及びその送達システムがトレイのキャビティ内に配置される。また、トレイをシールする前記ステップは、トレイの上面をガス透過性蓋で覆うことを含む。副容器は、上面と、上縁によって取り囲まれて前記上縁から下方へ降下するキャビティとを有する副トレイであってもよい。副トレイはガス不透過性材料から形成され、また、キャビティは第1のトレイを受けるように寸法付けられ、また、ガス不透過性シールは、第2のトレイの上縁に対してシールされるガス不透過性ラベルである。1つの実施形態において、第2のトレイは、二重フランジ付き上縁を備えるとともに、内側フランジに対してシールされるガス透過性蓋と、外側フランジに対してシールされるガス不透過性ラベルとを更に含む。あるいは、副容器は、ガス不透過性シールを含む柔軟な袋であってもよく、また、袋は、ガス不透過性シールの内側にガス透過性シールを含んでもよい。
【0016】
本出願の1つの実施形態によれば、心臓弁を取り扱うためのシステムは、人工心臓弁と、心臓弁送達システムと、人工心臓弁に取り外し可能に固定される弁ホルダとを含む。心臓弁送達システムは、一連の同心的な伸縮セクションを伴う収縮可能なハンドルを特徴とし、ハンドルが収縮状態と伸長状態とを有する。ハンドルの先端伸縮セクションは先端方向に突出するロッキングヘッドを有する。弁ホルダは、基端方向に延びるハンドルカプラを含み、ハンドルカプラは、人工心臓弁がハンドルの先端伸縮セクションから先端側へ延びるようにハンドルのロッキングヘッドと嵌合するように寸法付けられ形成される構造を有する。好ましい実施形態において、伸縮セクションは、略管状であるとともに、先端伸縮セクションから基端伸縮セクションへと直径が徐々に大きくなる。基端伸縮セクションは、ユーザの指を受けるための波状部を伴う人間工学的グリップを有することが望ましい。
【0017】
1つの実施形態において、伸縮セクションは、いずれか1つのセクションが他のセクション内を完全に通過するのを防止するとともにセクションが伸長状態を通り過ぎて外れるのを防止する干渉リップを含む。システムは、伸縮セクション間に摩擦緊密性を与えるために隣接する伸縮セクション間にエラストマーシールを更に含む。ロッキングヘッドはエラストマーであることが好ましく、ロッキングヘッドと嵌合するように寸法付けられ形成されるハンドルカプラの構造は、エラストマーのロッキングヘッドが緊密に嵌まり込む内部キャビティを備える。望ましくは、基端伸縮セクションを除く伸縮セクションは、外側に向けられたシール部分をその基端部に含み、また、先端伸縮セクションを除く伸縮セクションは、内側に向けられたリップをその先端部に含むとともに、その先端部から接近して離間される内側に向けられた円形形態部を含む。ハンドルを伸長状態へ変換することにより、隣接する伸縮セクションの内側に向けられたリップと内側に向けられた円形形態部との間の領域で各シール部分がロックされる。
【0018】
システムは、乾燥人工組織弁を取り扱うのに特に有益である。システムは、人工心臓弁、心臓弁送達システム、及び、弁ホルダのための保管容器を更に含む。例えば、主容器が、そのホルダに結合される心臓弁とハンドルがその収縮状態を成す送達システムとを受けるように寸法付けられ、主容器がガス透過性シールを有する。副容器が主容器を受けるように寸法付けられ、副容器は、ガス不透過性材料から形成されるとともに、ガス透過性シールとガス不透過性シールとを含む二重シールを有する。伸縮セクションは、ガス滅菌中に良好な流れを許容するために内部ルーメンへ開放するガス流口を含んでもよい。
【0019】
心臓弁を取り扱うための他の方法は、弁ホルダに取り外し可能に固定される人工心臓弁を収容する滅菌パッケージを入手するステップを備える。ホルダは心臓弁送達システムに結合され、心臓弁送達システムは一連の同心的な伸縮セクションを伴う収縮可能なハンドルを有する。ハンドルは、第1の長さを有する収縮状態と、第1の長さよりも相対的に長い第2の長さを有する伸長状態とを有し、ハンドルはその収縮状態で滅菌パッケージ内に収容される。方法は、弁、ホルダ、及び、ハンドルを滅菌パッケージから除去するステップと、ハンドルをその収縮状態からその伸長状態へと変換するステップであって、隣接する伸縮セクションが互いにロックするまで伸縮セクションを引き寄せて前記ハンドルを伸ばすことを含む、ステップと、人工心臓弁を送達して埋め込むステップとを含む。
【0020】
先の方法において、伸縮セクションは、好ましくは略管状であり、先端伸縮セクションから基端伸縮セクションへと直径が徐々に大きくなり、基端伸縮セクションは、ユーザの指を受けるための波状部を伴う人間工学的グリップを有する。伸縮セクションは、いずれか1つのセクションが他のセクション内を完全に通過するのを防止するとともにセクションが伸長状態を通り過ぎて外れるのを防止する干渉リップを含んでもよい。伸縮セクション間に摩擦緊密性を与えるために、隣接する伸縮セクション間にエラストマーシールが設けられることが望ましい。好ましい実施形態において、基端伸縮セクションを除く伸縮セクションは、外側に向けられたシール部分をその基端部に含み、また、先端伸縮セクションを除く伸縮セクションは、内側に向けられたリップをその先端部に含むとともに、その先端部から接近して離間される内側に向けられた円形形態部を含み、ハンドルを伸長状態へ変換することにより、隣接する伸縮セクションの内側に向けられたリップと内側に向けられた円形形態部との間の領域で各シール部分がロックされる。好ましくは、ハンドルの先端伸縮セクションが先端方向に突出するロッキングヘッドを有し、弁ホルダが基端方向に延びるハンドルカプラを含み、ハンドルカプラは、人工心臓弁がハンドルの先端伸縮セクションから先端側へ延びるようにハンドルのロッキングヘッドと嵌合するように寸法付けられ形成される構造を有する。また、ロッキングヘッドがエラストマーであることが好ましく、ロッキングヘッドと嵌合するように寸法付けられ形成されるハンドルカプラの前記構造は、エラストマーのロッキングヘッドが緊密に嵌まり込む内部キャビティを備える。
【0021】
取り扱い方法は乾燥人工組織弁において特に有益であり、滅菌パッケージは保存液を収容しない。滅菌容器は主容器と副容器とを含んでもよく、主容器は、ガス透過性シールを有するとともに、その内部の心臓弁の周囲にガス流通路を備え、シールされた主容器は副容器内に配置される。副容器は、酸素又は水が副容器を通過するのを防止できるガス不透過性シールの内側にガス透過性シールを伴う二重シールを含む。方法は、ガス不透過性シールを副容器から除去して、滅菌容器をガス系の滅菌に晒すステップと、ガス透過性シールを副容器から除去するステップと、ガス透過性シールを主容器から除去するステップと、弁、ホルダ、及び、ハンドルを滅菌パッケージから除去する前記ステップを行なうステップとを更に含む。主容器は、上面と、上縁によって取り囲まれて前記上縁から下方へ降下するキャビティとを有するトレイであり、トレイはガス不透過性材料から形成され、乾燥組織心臓弁及びその送達システムがトレイのキャビティ内に配置される。1つの実施形態では、副容器が柔軟な袋を構成する。
【0022】
本発明の本質の更なる理解及び利点は、特に同様の部分が同様の参照符号を有する添付図面と併せて考慮されるときに、以下の説明及び特許請求の範囲に記載される。
【0023】
ここで、本発明について説明するが、他の利点及び特徴は、添付の概略図面に関連して明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】伸長形態を成すその送達システムに接続される典型的な乾燥した人工心臓弁の斜視組み立て図である。
【
図2】
図1の人工心臓弁及び送達システムの構成要素の分解斜視図である。
【
図3】
図1の組み立てられた人工心臓弁及び送達システムの長手方向断面図である。
【
図4A】
図1の組み立てられた人工心臓弁及び送達システムのその伸長形態における正面図である。
【
図4B】
図1の組み立てられた人工心臓弁及び送達システムのその伸長形態における端面図である。
【
図4C】
図1の組み立てられた人工心臓弁及び送達システムのその伸長形態における反対側の端面図である。
【
図5A】
図4に類似するが90°回転された正面図である。
【
図5B】
図5Aと同じであるが心臓弁送達システムが収縮形態を成す。
【
図6A】
図5Aに類似するが、仮想内に内部特徴を示す正面図である。
【
図6B】
図6Aの線6B-6Bに沿う心臓弁及び伸長した送達システムの長手方向断面図である。
【
図7】送達システムが収縮された状態の
図6Bと同様の心臓弁及び伸長した送達システムの長手方向断面図である。
【
図8A】仮想内に内部特徴を示す別の心臓弁送達システムの正面図である。
【
図8B】
図8Aの線8B-8Bに沿う心臓弁及び送達システムの長手方向断面図である。
【
図9】送達システムが収縮された状態の
図8Bと同様の心臓弁及び伸長した送達システムの長手方向断面図である。
【
図10】トレイの形態を成す典型的な主保管容器内に装着される
図5Bと同様の人工心臓弁及び収縮された送達システムの分解平面図である。
【
図11】袋の形態を成す副保管容器内に収容される
図10と同様のトレイ内の人工心臓弁及び送達システムの斜視図である。
【
図12A】拡張可能な人工心臓弁及びその送達システムの収縮形態における破断された平面図である。
【
図12B】拡張可能な人工心臓弁及びその送達システムの拡張形態における破断された平面図である。
【
図13】保管カードシステム及び保護輸送パッケージを伴う、
図12Aと同様の拡張可能な人工心臓弁及び送達システムの分解斜視図である。
【
図14A】袋の形態を成す
図13のアセンブリのための主保管容器の斜視図である。
【
図14B】袋の形態を成す
図13のアセンブリのための副保管容器の斜視図である。
【
図15】トレイの形態を成す典型的な主保管容器内に装着される
図12Aと同様の拡張可能な人工心臓弁及び送達システムの分解平面図である。
【
図16】袋の形態を成す副保管容器内に収容される
図15と同様のトレイ内の人工心臓弁及び送達システムの斜視図である。
【
図17A】ハイブリッド人工心臓弁及びその送達システムの破断された正面図である。
【
図17B】ハイブリッド人工心臓弁及びその送達システムの破断された正面図である。
【
図17C】ハイブリッド人工心臓弁及びその送達システムの破断された正面図である。
【
図17D】ハイブリッド人工心臓弁及びその送達システムの破断された正面図である。
【
図18】ハイブリッド人工心臓弁及びその送達システムの斜視図である。
【
図19】トレイの形態を成す典型的な主保管容器内に装着される
図17Bと同様のハイブリッド人工心臓弁及び送達システムの分解平面図である。
【
図20】袋の形態を成す副保管容器内に収容される
図19と同様のトレイ内のハイブリッド人工心臓弁及び送達システムの斜視図である。
【
図21】トレイの形態を成す典型的な主保管容器内に装着される
図17Bと同様のハイブリッド人工心臓弁及び送達システムの分解平面図である。
【
図22】外側トレイの形態を成す副保管容器内に収容される
図21と同様のトレイ内のハイブリッド人工心臓弁及び送達システムの分解平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明は、ガス滅菌のための効率的な媒体を与えるとともに、長期の保管中に弁の酸化を防止する、乾燥した人工心臓弁及びそれらの送達システムのための改良されたパッケージシステムを提供する。乾燥した人工組織心臓弁を保管するためのパッケージシステムは、液体封じ込めを必要としない。
【0026】
本出願は、生体人工心臓弁、特に乾燥されてしまって保存液中に浸漬保管されない弁を保管するための技術を提供する。「乾燥した」又は「乾燥」生体人工心臓弁という用語は、単に、保存液を伴わずにそれらの心臓弁を保管できることを示す。生体人工心臓弁を乾燥させる、一般的には組織インプラントを乾燥させるための多くの提案された方法が存在し、本出願は、これらの方法のいずれかによって処理される生体人工心臓弁のための保管解決策を提供する。生体人工心臓弁を乾燥させる特に好ましい方法は、Tian等の米国特許公開第2008/0102439号に開示されている。別の乾燥方法がChen等の米国特許第6,534,004号に開示されている。先と同様、生体人工心臓弁を乾燥させるためのこれらの方法及び他の方法は、本明細書中に記載される保管技術を実施する前に使用されてもよい。
【0027】
本出願では、多くの典型的な生体人工心臓弁及びそれらの送達システムが図示されて説明される。これらの異なるタイプの心臓弁のそれぞれは、それらが乾燥して保管されるように処理されてもよい。読者は、この方法論が、乾燥して保管される任意の全ての生体人工心臓弁に適用されて、本明細書中に示される典型的な弁に限定されないことを理解できる。特に、4つの自然弁輪-大動脈弁輪、僧帽弁輪、肺動脈弁輪、及び、三尖弁輪-のいずれかに埋め込むための人工心臓弁は、本明細書中に記載される原理にしたがって乾燥されて保管されてもよい。
【0028】
また、乾燥した生体人工心臓弁及びそれらの送達システムをパッケージングするための多くの技術が本明細書中に例示されて記載されるが、これらの技術は他のパッケージ形態にも適用できる。一般に、生体人工心臓弁は滅菌状態で保管されなければならず、そのためには少なくとも1つの滅菌容器が必要である。しかしながら、外科手術時にインプラントの汚染の機会を減らすために、二重バリアパッケージシステムが使用されるのが好ましい。
【0029】
図1は、伸長形態を成す伸縮式送達システム22に接続される典型的な乾燥した人工心臓弁20を示しており、一方、
図2は構成要素を示し、また、
図3はアセンブリの長手方向断面図である。
【0030】
心臓弁20は、複数の、好ましくは3つの柔軟な小葉24を備え、これらの小葉は、外周ステント構造26に装着されるとともに、一方向弁を形成するために弁口内に流体遮蔽面を形成する。ステント構造26は、小葉24間に小葉24の数と同じ数で弁の周囲にわたって周方向に配設される複数の略軸方向に延びる交連28を含む。図示しないが、心臓弁20の更なる構成要素は、一般に、流入口を取り囲んで交連28を伸ばし上げる構造骨格を与える内側ステント及び/又はワイヤフォーム支持構造を含む。心臓弁20の内側構成要素は、適した金属又はプラスチックから形成されてもよい。良く知られるように、隣接する柔軟な小葉24は、各交連28に接続するとともに、上方へ延びて各交連28に沿って出会う。図示の実施形態において、心臓弁20の構造的な構成要素は、それぞれの柔軟な小葉24を弁尖30と2つの交連28の縁部とに沿って支持する。各小葉24の自由縁部は、中心流口へ向けて内側へと延びて接合し、又は、図示のように、他の小葉の自由縁部と一緒になる。弁口は、弁を通じた流入-流出方向に沿う軸の周りに方向付けられる。弁交連28は流出方向に突出し、その場合、凸状の弁尖30が隣接する交連間で流入方向に延びる。図示しないが、生体人工心臓弁は、しばしば、弁尖の波状輪郭に適合し、又は、略円形の平面リングを規定する縫合リングを流入端部に含む。本出願は、本明細書中で明確に述べられなければ、特定の弁構成に限定されると見なされるべきではない。
【0031】
柔軟な小葉24は、ウシ心膜などの様々な生体人工組織から形成されてもよく、この場合、個々の小葉24はウシの心膜から切断される。幾つかの最近の弁は条件付きの小葉24を含み、その場合、個々の小葉の厚さは、中央で薄く、縫合糸が通る縁部の周囲で厚いなど、異なるポイントで変わる。心膜の圧縮、レーザ削り、又は、機械的な剥ぎ取りなどの技術が利用されてもよい。本明細書中に記載されるパッケージシステムにおいて保存液を必要とすることなく保管され得る典型的な乾燥組織心臓弁は、カリフォルニア州のアービンにあるEdwards Lifesciencesから得られてもよい。1つの好ましい組織処理プロセスは、脱水組織の酸化を特に抑制して生体内石灰化を減少させるためにキャッピング剤又は抗酸化物質などの石灰化緩和剤を組織に対して加えることを含む。1つの方法において、組み付けられた生体人工心臓弁の組織小葉は、脱水及び滅菌の前に、アルデヒドキャッピング剤を用いて事前に処理される。典型的なプロセスは、2009年6月25日に出願されたDove等の米国特許出願第2009-0164005号に記載されており、その開示内容は参照することにより本願に明確に組み入れられる。
【0032】
前述したように、心臓弁20は、任意の多くの生体人工心臓弁を代表するものであるが、図示の心臓弁は大動脈弁輪インプラントに最も適している。特に、弁20の流出交連28は、送達システム22の先端にあるホルダ40に固定される。図示のホルダ40は、中心ハブから弁交連28の先端と近接する状態へと径方向外側に延びる3つの脚部を有しており、弁交連の先端に固定されるが、代わりに、ホルダは、外側に軸方向で傾いて弁尖30の中間に結合する脚部を有してもよい。
【0033】
図示の方向では、弁20は、その流入端部を前端に向けた状態で押し進められる。殆どの従来の大動脈弁送達は、上行大動脈を通じて大動脈弁輪に至るまで達成されるため、流入端部は、送達方向に関して前端又は先端(ユーザから離れた端部)である。無論、経心尖的に左心尖部を通じて大動脈弁輪へ至るなど、別の大動脈弁送達方向も可能である。同様に、従来の僧帽弁送達は、一般に、送達方向に関して流出端部及び交連28を前端部又は先端部にした状態で左心房を通じて達成される。したがって、例えば、典型的な心臓僧帽弁は、その流入端部がホルダに装着されるとともに、その交連が先端側に、すなわち、
図1の方向では左側に突出する。
【0034】
同様に、特定の送達システム22は、ホルダ40と外科医による操作のための長尺なハンドルとを一般に含む多くの送達システムの典型例を示す。例えば、多くの従来のシステムは簡単な長尺ロッドを利用し、このロッドは、屈曲可能であってもよく、又は、屈曲可能でなくてもよく、また、ホルダ40の雌ネジ付きソケットに結合する雄ネジ付き先端部を含む。典型的な送達システム22は、それを
図1に示されるその伸長形態から収縮させることができるため、本明細書中に記載される保管技術に特に良く適する。しかしながら、典型的な伸縮式送達システム22が経済的で直観的な構造などの明確な利点を有するが、このシステムが他のそのような収縮可能なシステムに取って代えられてもよいことを理解するのは重要である。例えば、伸縮セクションを有するのではなく、送達システム22は、ポケットナイフのように折り畳むことができてもよく、又は、ハサミ状又はアコーディオン型の伸長機構を伴って構成されてもよい。当業者であれば分かるように、送達システムを
図1に示される長尺形態から
図5Bに示される収縮形態へと変換するための多くの方法が存在する。本出願は、任意の数の送達システムを伴う生体人工心臓弁の保管を意図しており、また、本明細書中に記載される原理は、特許請求の範囲の言語により排除されなければ、任意の特定のシステムに限定されると見なされるべきではない。
【0035】
埋め込み中、外科医は、伸長した送達システム22を操作して、心臓弁20を対象の弁輪の埋め込み位置へと押し進める。所定の位置にくると、一般的には固定縫合糸が縫合リング(図示せず)と周囲の自然弁輪との間に配置された後、外科医は、ホルダ40を弁20に結合する取り付け縫合糸を切断して、送達システム22を除去する。
【0036】
ここで、
図1〜
図7を参照して、典型的な伸縮式送達システム22の要素について説明する。システム22は、基端キャップ52を有する大きな基端グリップセクション50を含む。図示の実施形態では、グリップセクション50は、弁送達中に外科医による伸縮構成要素の操作中のより良い取り扱い及び握持を可能にする波状の外側輪郭を特徴とし、例えば、外科医の指を受けるための波状部を有する人間工学的グリップを特徴とする。グリップセクション50は略管状であり、その先端部54は、管状の中間セクション58の基端部56の周囲に嵌合する。中間セクション58の外径は、グリップセクション50のルーメン60内に緊密に嵌合するように寸法付けられる。同様に、中間セクション58の先端部62は、円筒状の先端セクション66の基端部64の周囲に嵌合する。先端セクション66の外径は、中間セクション58のルーメン68内に緊密に嵌合するように寸法付けられる。重量を減らして伸縮式送達システム22の長さに沿うバランスを維持する目的で、先端セクション66も内側ルーメン70を有する管状であることが望ましい。先端セクション66の先端部はフェースプレート72を含み、このフェースプレートからプランジャロッド74及びロッキングヘッド76が先端方向に突出する。プランジャロッド74及びロッキングヘッド76の機能については後述する。
【0037】
伸縮式送達システム22の主要な構成要素-グリップ、中間セクション、及び、先端セクション-は、ABS(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン)などの軽量で剛性のポリマーから形成されるのが望ましいが、外科用途に適した任意の軽量材料が使用されてもよい。特に、送達システムの構成要素のための材料は、熱間押出ポリマー又は射出成形ポリマー、又は、機械加工ステンレス鋼、コバルトクロム、ニチノール、又は、他の金属合金であってもよい。プランジャロッド74もABSなどの剛性ポリマーから形成されるが、ロッキングヘッド76はシリコンゴムなどのエラストマー材料から形成されるのが望ましい。同様に、伸縮セクション間に介挿される一対のOリングシール78はそれぞれ、シリコンなどのエラストマー材料から形成される。Oリングシール78は、長尺なアセンブリを剛性化させて送達中の心臓弁20の操作を容易にするある程度の摩擦緊密性を伸縮セクション間に与えるが、シリコンを使用すると、潤滑性が加わり、したがって、これらのセクションの相対的な摺動が滑らかになる。
【0038】
ここで、
図2の分解図及び
図3、6B、6Cの断面図を参照して、伸縮する主構成要素50、58、66間の相互作用について説明する。2つの大きい方のセクション-グリップセクション50及び中間セクション58のそれぞれ-の先端部54、62は、いずれも、中間セクション58及び先端セクション66の基端部56、64のそれぞれの外側に向けられたリップ82と干渉する内側に向けられたリップ80を含む。これらの相互に作用するリップ80、82は、これらの3つのセクションが図示の長尺形態を通り過ぎて外れるのを防止する。また、2つの小さい方のセクション-中間セクション58及び先端セクション66-の先端部62、72は、グリップセクション50及び中間セクション58のそれぞれの先端部54、62と干渉する外側に向けられたフランジ84を有する。これらの外側に向けられたフランジ84は、2つの小さい方のセクションのそれぞれが隣接する大きい方のセクションのキャビティ内へと完全に摺動するのを防止する。なお、直径の違いは僅かであり、また、組み立て中に協働するセクションを最小の力で互いに嵌合させることができるように、干渉するフランジのそれぞれの対の一方又は両方に引き込み斜面が設けられてもよい。
【0039】
図2は、中間セクション58及び先端セクション66の基端部に形成される一対の摺動シール部分を最も良く示している。特に、シール部分は、セクション58、66の外面上に、それぞれの基端部56、64と外側に向けられた円形フランジ88との間に形成される環状の凹領域86を含む。エラストマーOリング78は、
図6Cの詳細図に見られるように、凹領域86内に緊密に嵌合する。Oリング78の外径は、摩擦干渉がもたらされるように、それぞれの嵌め合いセクションのルーメンの内径よりも僅かに大きい。2つの大きい方のセクション50、58のそれぞれは、それらのそれぞれのルーメン60、68から内側に突出する図示のような一連の丸みを帯びた隆起又は連続する円形リブなどの一連の内側に向けられた円形形態部90を含む。Oリング78を受けるシール部分の軸方向長さは、円形形態部90と大きい方のセクション50、58のそれぞれの先端部54、62との間の軸方向距離とほぼ同じである。これを
図6Cにおいて見ることができる。
図1に見られるように、セクションが伸長されると、セクション50、58の先端部にある円形形態部90間の領域でシール部分がロックし、したがって、伸長形態が維持される。しかしながら、円形形態部90は、丸みを帯びており、直径が円形フランジ88及び基端部56、64の外径に等しい又はそれよりもやや小さく、そのため、張力閾値を超えてセクションを伸長させることができるとともに、圧縮力の閾値を超えてセクションを収縮させることができる。張力の閾値は、システムの容易な伸長を可能にするレベルに設定されるが、圧縮閾値は、それが弁送達中に予期される力よりも大きくなるように較正される。したがって、システム22をかなり容易に伸長させることができるとともに、使用中にシステム22がその形態のままとどまる。
【0040】
ここで、
図2を参照するとともに、
図3の断面図を参照すると、弁ホルダ40は、弁20の交連28と嵌合するように形成されて寸法付けられる3つの外側に向けられた脚部100を含む。一般に、交連は繊維で覆われ、また、脚部100を交連に接続するために縫合糸が使用される。前述したように、別の実施形態では、脚部100は、更に長くてもよく、また、弁20の弁尖30と接触するように軸方向に傾けられてもよい。様々な他のホルダの構成が知られる。
【0041】
ホルダ40は、基端方向に延びる円筒状のハンドルカプラ102を更に含む。
図6B及び
図7に見られるように、ハンドルカプラ102は、2つの内側キャビティ-大きい方の基端キャビティ104及び小さい方の先端キャビティ103-を画定する。先端キャビティ103は、送達システム22の先端にあるロッキングヘッド76とほぼ同じ寸法を成して形成される。キャビティ103、104間の狭い首領域106が、ロッキングヘッド76の外径よりも小さい内径を有する。
【0042】
使用時、人工心臓弁20及び送達システム22は、
図5B及び
図7の収縮形態でパッケージングされる。
図7に見られるように、保管中にロッキングヘッド76は大きい方の基端キャビティ104内にある。弁埋め込み処置の直前に、技術者が、プランジャロッド74上の矢印によって分かるように、その収縮形態を成す送達システム22全体をカプラ102の方へ押し進め、それにより、エラストマーロッキングヘッド76は、狭い首部106を越えて押し進められて、小さい方の先端キャビティ103内へ緊密に嵌合する。その後、技術者は、グリップセクション50をカプラ102から離れるように引き寄せ、
図6Bに見られるようにOリング78が円形形態部90を越えて移動するまで、右方向の矢印によって分かるように伸縮セクション50、58を伸長させる。このとき、システムは、その伸長形態で効果的にロックされ、いつでも使用できる状態にある。
【0043】
図8A〜
図8B及び
図9は、送達システム22に対する僅かな変更を示している。特に、ロッキングヘッド76'がテーパ状のやや弾丸の形状を有し、それに伴って、カプラ102'内に画定される小さい方の先端キャビティ103'も弾丸形状を成す。ロッキングヘッド76'のテーパ状の性質は、狭い首領域106の通過を容易にする。
【0044】
図10は、
図5Bに見られるような収縮された送達システム22及び人工心臓弁20のための典型的な主保管容器を示している。主保管容器は、成形された保管トレイ110と、シート状のガス透過性の蓋112とを備える。特に、組み付けられた心臓弁20及び送達システム22は、保管トレイ110のキャビティ内に配置され、その場合、蓋112がトレイの上縁114に接着される。上縁114はトレイ上面を形成し、また、蓋112を縁114に接着するプロセスは、自動機器を使用して容易に行なうことができる。接着剤は、上縁114に、又は、蓋112の下面に設けられてもよい。好ましい実施形態では、トレイ110のキャビティ内に設けられる内側に向けられた形態部(図示せず)が、心臓弁20及び送達システム22がキャビティ内で移動しないように固定する。これらの形態部は、スナップ又は触覚フィードバックと係合することが好ましい。トレイ110はこのようにして構成要素を固定するため、心臓弁20は、トレイ110の側面と接触することなくキャビティ内で安定して保持される。
【0045】
好ましくは、蓋112は、上縁114の周囲の長さに合わせて厳密に寸法付けられ、また、接着剤の帯は、圧力下及び/又は温度下でのシールを容易にするために圧力シール接着剤又はヒートシール接着剤である。蓋112の材料は、トレイ110内のシールされる内容物、特に乾燥した組織心臓弁20のガス滅菌を可能にするために、通気性又はガス透過性のものである。1つの適したガス透過性材料は、引き裂くことが難しいがハサミを用いて容易に切断できる高密度ポリエチレン繊維のシートである。材料は非常に通気性があり、水蒸気及びガスが繊維を通過できるが、液体の水は通過できない。例えば、DuPontが提供する様々なTyvek材料が使用されてもよい。また、蓋112をトレイ110に固定するために使用される典型的なホットメルト接着剤が例えばPerfecseal又はOliver-Tolasから入手されてもよい。そのような材料は、内部のトレイへ向けて蓋112を徐々に通過するエチレンオキシド(ETO)を使用したトレイ内容物の滅菌を可能にする。蓋112は、滅菌バリアを与え、微生物の侵入を防止する。トレイ110は、ポリエチレンテレフタレート共重合体(PETG)などのガスを透過させない成形材料である。本出願の構成要素の組み立てに適する様々な医用保管材料及びパッケージは、Dupont、Perfecseal、Oliver-Tolas、及び、Mangarなどの会社から入手できる。滅菌の他の手段としては、ガンマ線照射又は電子ビーム照射が挙げられる。
【0046】
オキシランとも呼ばれるエチレンオキシド(ETO)は、化学式C
2H
4Oを有する有機化合物である。このETOは、一般に保冷液として扱われて出荷される。ETOは、それがバクテリア(及び、それらの内性胞子)、かび、及び、菌類を殺すため、しばしば滅菌剤として使用される。ETOは、低温滅菌又はオートクレーブなどの高温技術によって損傷される物質を滅菌するために使用される。エチレンオキシドは、包帯、縫合糸、及び、外科用器具などの医療用品の大部分を伝統的なチャンバ滅菌法で滅菌するために幅広く使用され、この場合、チャンバは、酸素の大部分が除去され(爆発を防止するため)、その後、後に曝気される他のガスとエチレンオキシドとの混合物で一杯にされる。
【0047】
送達システム22及びトレイ110の特定の特徴は例えばETOを用いるガス滅菌を容易にするが、ガンマ線照射又は電子ビーム照射などの他の手段を使用できる。具体的には、送達システム22は、様々な構成要素内外へのガス流のためのガス流路を備える。構成要素を通じた滅菌ガスの良好な流れは、乾燥した生体人工組織心臓弁20の完全で急速な滅菌を促進させるとともに、残留エチレンオキシド及び残留エチレンクロロヒドリン(ECH)ガスの急速な除去を促進させる。
図1〜
図7、特に
図2を参照すると、伸縮セクション50、58、66のそれぞれは、それらの管状側壁に少なくとも1つの、好ましくは少なくとも2つの開口120を含む。好ましくは、送達システム22が
図5Bに見られるようにその収縮形態で保管されるため、開口120が伸縮セクション50、58、66の基端部の方に位置され、それにより、隣接するセクションの開口がOリングシール78によって分離されず、ガスがセクションの同心ルーメン内に流入できる。開口120は、構成要素の内部ルーメン内への滅菌ガスの通過を許容し、それにより、システムの全ての部分が完全に滅菌される。その結果、送達システム22内にデッドスペースのキャビティが存在しない。同様に、トレイ110は、心臓弁20及び送達システム22を内部にしっかりと保持するが、任意の囲繞空間を排除するように内部の構成要素内及び構成要素の周囲に適切なチャネリングを与える。したがって、滅菌ガスが筐体全体にわたって均一に流れることができる。
【0048】
本明細書中に記載されるパッケージング解決策の1つの利点は二重滅菌バリアであり、この場合、内側滅菌容器及び外側滅菌容器が例えばETOを用いたガス滅菌を可能にし、また、第2のシールにより、外側滅菌容器が滅菌後に製品に対して酸素バリアも形成する。内側滅菌容器については、蓋112でシールされる保管トレイ110の形態で
図10に関連して前述した。シールされた保管トレイ110は副容器又は外側容器内に受けられ、その後、二重バリアアセンブリが滅菌され、それにより、非常に豊富な滅菌バリアが存在する。その後、二重バリアアセンブリは、酸素が心臓弁に到達しないようにシールされ、それにより、酸化が防止され、潜在的に、埋め込み後の石灰化が減少される。典型的なパッケージングシーケンスでは、主容器及び副容器が最初に互いに組み付けられ、また、これらの各容器は、ガス滅菌される二重バリアアセンブリを形成するためにガス透過性のバリアで閉じられる。その後、例えば副容器をガス透過性からガス不透過性へと変換することにより酸素バリアが加えられる。しかしながら、プロセス全体がクリーンルーム環境内などの滅菌状態で行なわれる場合には、主容器が閉じられて滅菌された後に副容器内に配置されてもよく、その後、副容器が閉じられて滅菌される。言い換えると、酸素が侵入しないようにアセンブリ全体をシールする前に1つ又は2つの滅菌ステップが存在してもよい。
【0049】
防湿剤が内側及び/又は外側パッケージ層内で使用されるのが望ましい。例えば、防湿剤袋を心臓弁及び送達システムと共に内側パッケージ内へ挿入して、ガス透過性トレイ蓋112が閉じられるときに内側パッケージ内に捕捉される任意の残留水蒸気を吸収してもよい。第2の防湿剤袋を内側バリアと外側バリアとの間に挿入して、内部の任意の残留水蒸気を吸収してもよく、又は、第2の防湿剤袋が使用される唯一の防湿剤袋であってもよい。
【0050】
本出願は、2つの異なる副バリア-一方の副バリアは前述した保管トレイと同様の保管トレイであり、他方のバリアは柔軟な袋である-について記載している。副バリアは、主滅菌バリアパッケージを保護して滅菌環境内で保存するとともに、酸素が内部の心臓弁に達するのを防止する。更なる外側シェルフボックスを使用して、配送中及び保管中に温度監視を容易にするとともに、繊細なインプラントを衝突、衝撃、及び、極端な温度などの配送の危険から保護してもよい。
【0051】
図11は、
図10のように蓋112が取り付けられた状態の主保管トレイ110内に入れられた人工心臓弁20及び送達システム22(全て図示せず)であって、その後に袋の形態を成す副保管容器130内に収容される主保管トレイ110内に入れられた人工心臓弁20及び送達システム22の斜視図である。保管袋130は二重シールシステムをその開放端に含むことが望ましく、二重シールシステムは、どのシールが閉じられるのかに応じて、ガス透過部及びガス不透過部の両方を与える。そのような二重シールシステムの更なる詳細については、
図13〜
図14に示される実施形態に関連して後述する。
【0052】
図12A及び
図12Bは、拡張可能な人工心臓弁140及びその送達システム142を示している。拡張可能な人工心臓弁は当該技術分野において知られており、また、図示の140は、細い収縮形態から幅広い拡張形態へと変換され得る多くのそのような弁を代表するものである。一般に、弁は、脈管構造を通じて押し進められた後に、対象の弁輪の位置へとバルーン拡張される。最も一般的な送達ルートは大腿動脈又は頸動脈で始まるが、胸部ポートを通じた他の更に直接的なルートも知られている。1つの特に良好な拡張できる人工心臓弁は、カリフォルニア州のアービンにあるEdwards Lifesciencesから入手できるEdwards SAPIEN経カテーテル心臓弁である。Edwards SAPIEN弁は、経大腿動脈的アプローチ(Edwards Lifesciencesが提供するRetroFlex 3経大腿動脈的送達システム)又は経心尖的(Edwards Lifesciencesが提供するAscendra経心尖的送達システム)アプローチのいずれかによって配置されてもよい。
図12A及び
図12Bは、Edwards Lifesciencesが提供するRetroFlex 3経大腿動脈的送達システムに酷似するシステムを示している。
【0053】
送達システム142は、その先端部近傍に拡張バルーン146を有する長尺カテーテル144を含む。人工心臓弁140がバルーン146の周囲に装着してこのバルーンによって拡張される。システムは、バルーン膨張流体の送達のため、ガイドワイヤの通過のため、又は、他のそのような機能のための基端ルアーコネクタ148を更に含む。典型的な実施形態において、人工心臓弁140は、3つの軸方向に向けられた交連バー152間に複数のバルーン拡張可能な支柱150を含む。生体人工組織は、例えば補助繊維を用いて支柱150及びバー152により形成される骨格内に装着する。
【0054】
図13は、幾つかの保管カード及び保護輸送パッケージを伴う、
図12Aと同様の拡張可能な人工心臓弁140及び送達システム142の分解斜視図である。具体的には、送達システム142が管状シース154と共に硬質の第1の保管カード160に装着し、第1の保管カード160は更に大きい第2の保管カード162に装着する。一対の小さい保護カバー164が、送達システム142の基端部及び先端部で第1の保管カード160上にわたって取り付く。カード160、162上の送達システム142のアセンブリが、保護発泡スチレン又は他のそのような保護挿入体168を内部に有するシェルフボックス166内に配置される。シェルフボックス166は、パッケージの完全性の表示として不正開封防止機能があるカートンラベルを有する板紙から構成されるのが望ましい。保護ラベル170と配送中の温度を監視するための温度表示器172とがシェルフボックス166に取り付けられる。
【0055】
図14A及び
図14Bは、袋の形態を成す
図13のアセンブリのための主保管容器及び副保管容器の斜視図である。特に、ガス透過性の主袋180が、シェルフボックス166を受け、その後、ガス不透過性の副袋182内に嵌まり込む。
【0056】
好ましい実施形態において、副袋182は前述した二重シールシステムを含む。特に、(左側の)開放端に隣接する第1のガス透過部192、及び、右端が閉じられる更に大きい第2のガス不透過部194がある。袋182全体は、上層の第1のガス透過部192のストリップを除き、ガス不透過部194から成ってもよく、又は、第1のガス透過部192が開放端に隣接する袋の上層及び下層の両方を形成してもよい。第1のシール196が第1のガス透過部192の領域で袋182の開口の幅にわたって延びる。第2のシール198も袋182の幅にわたって延びるが完全に第2のガス不透過部194内にある。パッケージング中、主保管トレイ110が袋182内に配置されて、第1のシール196が閉じられ、そのとき、内容物全体がガス滅菌される。アセンブリを滅菌した後、第2のシール198が閉じられて、袋182の内部への任意の更なる酸素の侵入が防止される。
【0057】
2つのシール196、198は、完全シール前に袋182の内容物のガス滅菌を可能にする。特に、第1のシール196が閉じられ、そのとき、パッケージがETO滅菌に晒されてもよい。第1のシール196が第1のガス透過部192にわたって延びるため、滅菌ガスが袋182の内部に入ることができる。滅菌後、第2のシール198が閉じられて、任意の更なるガス、特に酸素が袋182の内部に入るのが防止される。
【0058】
保管袋182は、柔軟な副滅菌バリアを形成するとともに、様々な材料又は少なくとも1つのガス不透過層を有する積層体から構成されてもよく、その場合、箔/ポリエチレン繊維積層体が好ましい。例えばAmcorから入手できる箔材料の内層は、圧力下及び温度下でのシールを容易にするために低密度ポリエチレン(LDPE)積層体を特徴とし得る。袋182には開放を容易にするために引き裂き切り欠きが設けられてもよい。第2のシール198が閉じられた状態で、箔袋182は、ETO滅菌後に酸素バリア及び水分バリアを形成する。
【0059】
図15は、トレイ200及びシート状のガス不透過性蓋202の形態を成す典型的な主保管容器内に装着された拡張可能な人工心臓弁140及び送達システム142を示している。トレイ200は、内部の構成要素を保持して安定させる弁140及び送達システム142のためのキャビティを特徴とする。
図10の実施形態と同様に、蓋202がトレイ200の上縁204に接着する。
【0060】
図16は、袋の形態を成す副保管容器206内に配置される
図15と同様のトレイ内の人工心臓弁及び送達システムの斜視図である。副袋206は、前述したような二重シールシステムをその開放端に含むことが望ましく、二重シールシステムは、どのシールが閉じられるのかに応じて、ガス透過部及びガス不透過部の両方を与える。
【0061】
図17A〜
図17D及び
図18は、新規なハイブリッド人工心臓弁210及びその送達システム212を示している。心臓弁210は、それが拡張可能部に加えて非拡張可能部を有するため、ハイブリッド弁と称される。特に、心臓弁210は、拡張可能ステント216に結合される非拡張可能弁部214を含む。
図1〜
図7に示される弁20とホルダ40との組み合わせに酷似して、弁部214の交連がホルダ218に取り付く。拡張可能ステント216は、弁輪に対して固定力を与えることにより、縫合糸が無い又は縫合糸がほぼ無いインプラント技術を容易にする。このタイプの弁は、大動脈弁輪に特に適している。
【0062】
図示の送達システム212は、ホルダ218に取り付く先端部222を有するハンドル220を含む。ハンドル220は、バルーン226をその先端部に有する長尺なカテーテル224を受ける貫通孔を含む。ハンドル220を貫通するカテーテル224の前進は、拡張可能なステント216内でのバルーン226の位置決めを可能にする。そのようなハイブリッド人工心臓弁210及びその送達システム212の更なる詳細は、2010年6月23日に出願された米国特許出願第12/821,628号で与えられ、この出願の開示内容は参照することにより明確に本願に組み入れられる。また、そのようなハイブリッド人工心臓弁のための別の送達システムが、2010年9月10日に出願された米国仮特許出願第61/381,931号[ECV-6368PRO]に開示されており、この出願の開示内容は参照することにより明確に本願に組み入れられる。
【0063】
図19は、トレイ230及びシート状のガス不透過性蓋232の形態を成す典型的な主保管容器内に装着されたハイブリッド人工心臓弁210及び送達システム212を示している。トレイ230は、内部の構成要素を保持して安定させる弁210及び送達システム212のためのキャビティを特徴とする。先の実施形態と同様に、蓋232がトレイ230の上縁234に接着する。
【0064】
図20は、袋の形態を成す副保管容器236内に配置される
図19と同様のトレイ内のハイブリッド人工心臓弁及び送達システムの斜視図である。副袋236は、前述したような二重シールシステムをその開放端に含むことが望ましく、二重シールシステムは、どのシールが閉じられるのかに応じて、ガス透過部及びガス不透過部の両方を与える。
【0065】
図21は、先と同様に、トレイ240及びシート状のガス不透過性蓋242の形態を成す典型的な主保管容器内に装着されたハイブリッド人工心臓弁210及び送達システム212を示している。トレイ240は、内部の構成要素を保持して安定させる弁210及び送達システム212のためのキャビティを特徴とする。蓋242はトレイ240の上縁244に接着する。
【0066】
図22は、
図21と同様のトレイ内のハイブリッド心臓弁210及び送達システム212であって、その後に外側トレイ又は副トレイ250の形態を成す副保管容器内に配置されるトレイ内のハイブリッド心臓弁210及び送達システム212を示している。副保管トレイ250は主保管トレイ240の形状を真似ており、それにより、主保管トレイ240を副保管トレイ250内に形成されるキャビティ内に容易に入れ子にすることができる。副保管トレイ250は、外周フランジ252を含む上面を備える。
【0067】
外側保管トレイ250は、内側保管トレイ240及びその蓋242によって形成される内側滅菌バリアを保護して保全する剛性の副滅菌バリアを形成する。先の主保管トレイと同様に、外側保管トレイ250は、ポリエチレンテレフタレート共重合体(PETG)などのガス不透過性の成形材料から構成されてもよい。シールされた内側トレイ240が外側保管トレイ250内に配置されると、ガス透過性蓋254は、フランジ252に対してシールして、滅菌ガス(例えば、ETO)が両方のトレイ内の空間へ達することができるようにする。
【0068】
その後、副保管トレイ250を覆うように寸法付けられるガス不透過性ラベル262が示される。ラベル262は、滅菌されたトレイ250を覆って貼り付けられ、蓋254の上端にシールされる。ラベル262は、蓋に対して圧力接着され又はヒートシールされると、ガス輸送に対する完全なバリアを形成する。ラベル262は、DuPont 1073B Tyvekなどのガス透過材料の層に積層される金属箔の層を含むことが好ましく、箔の単層であることが更に好ましい。ラベル262には、インプラントタイプ、モデル、製造者、製造番号、パッケージングの日付などのパッケージングの内容物に関する情報が印刷されてもよい。既に取り付けられた蓋254の上端をシールするために感圧接着剤の層が設けられてもよい。
【0069】
あるいは、副保管トレイ250は、その上縁の周囲の二重フランジ(図示せず)を特徴とする。また、内側フランジは、内側滅菌バリアパッケージの配置後、蓋254などのダイカットされてヒートシール接着剤がコーティングされたガス透過性蓋(例えば、Tyvek)を用いてシールされてもよく、それにより、パッケージ全体、特に2つの滅菌バリア間の空間のその後のETO滅菌が可能になる。その後、箔ラベル262などのガス不透過性ラベルが外側フランジにシールされる。
【0070】
本明細書中に開示されるパッケージング解決策は、埋め込み時の人工心臓弁及びそれらの送達システムへのアクセスを容易にする。
図17〜
図18のハイブリッド心臓弁210及び送達システム212をそのパッケージから除去するためのプロセスについて説明するが、同様のステップを使用して、他の弁及びそれらの送達システムを除去することができる。第1のステップは外側滅菌バリア又は副滅菌バリアの除去であり、そのうちの2つの実施形態については説明した(袋及びトレイ)。この説明は副保管トレイ250を想定する。外側トレイ250上の一方又は両方のシールされたラベルが最初に取り外され、また、滅菌蓋242によりシールされた内側トレイ240(
図21)が外側トレイから除去される(あるいは、
図20の場合のように、技術者が袋236を引き裂いて開放する)。この段階で、比較的剛性の内側トレイ240及び滅菌シール242のおかげによりパッケージの完全性における過度の懸念を伴うことなく、内側滅菌パッケージが手術部位の直ぐ近傍へ運ばれてもよい。
【0071】
その後、技術者は、蓋242を取り外して、
図17〜
図18に見られるアセンブリを露出させる。その後、心臓弁210が対象の弁輪内に位置するように送達システム212が予め組み込まれたガイドワイヤ上にわたって押し進められる。その後、基端ルアー取付具に接続される膨張流体が流れて、拡張式バルーン226及び弁ステント216を膨張させる。その後、ホルダ218が心臓弁210との接続から分断され、送達システム212が除去される。
【0072】
本明細書中のパッケージングアセンブリは、乾燥人工弁の製造者に対して多くの際立った利点を与える。Tyvek Header(通気性のあるベント)などのガス透過性滅菌バリアの存在に起因して、許容できるレベルの残留物に関して製品を容易にETO滅菌して曝気することができる。適切な曝気時間の後、外側容器又は第2のバリアをシールして(例えば、箔重ね)、乾燥組織弁の長期酸化を防止することができる。ETO滅菌は、従来の炉滅菌を未然に回避し、したがって、パッケージングされた製品を数日にわたって炉内で加熱するのに費やすエネルギー量が減少される。同様に、パッケージング前の瓶及び閉塞体のオートクレーブの排除は、滅菌プロセスで必要とされるエネルギー消費を減らす。
【0073】
前述したように、二重滅菌バリアは、例えばETOを用いたガス滅菌を可能にするが、滅菌後に製品に対して酸素バリアも形成する。その結果、長時間にわたって、更には数年にわたって、アセンブリ全体を酸素が無い状態で確実に保管することができるが、内側滅菌容器の内容物を汚染物質に晒すことなく使用時に外側滅菌容器を除去することができる。パッケージングの二重層は、滅菌手術領域への内側パッケージの滅菌移送を可能にし、また、製品が使用される前に内側パッケージをかなりの期間にわたって一時的に保管することさえできる。新規なパッケージ構造は、材料の選択(PETG/Tyvek及び空気対グルタルアルデヒドを伴うポリプロピレン)に起因して重量が軽く、そのため、単一ユニット輸送のための輸送コストが低減される。
【0074】
確かに、既存の「湿潤」心臓弁パッケージ構造に優る最も大きな利点は、パッケージング中及び保管プロセス中の液体グルタルアルデヒドの保管及び取り扱いの排除、及び、使用時にグルタルアルデヒドに存在しないことである。これにより、従業員、顧客、及び、患者の健康への危険、並びに、環境への危険が減る。また、グルタルアルデヒドの処分は生体に有害であり、そのため、OSHAは、処分前に化学物質の中和を求め、又は、処分に適した制御器の配置を求める。本明細書中に記載される取り扱い及び重大な保管要件の減少に起因して、パッケージングプロセスがより簡略化される。乾燥組織弁が既に55℃もの高温度に耐えることができる能力を有するため、グルタルアルデヒドの排除は、高温からの高レベルの断熱を必要としない。したがって、これは、恐らく、夏及び冬の間の弁の輸送のために使用される断熱材及びサイズを減らすことによって構造のかさ高性を減らす。
【0075】
Edwards Lifesciencesから入手できる現在の組織弁は、液体グルタルアルデヒドを伴う3.8オンスポリプロピレン瓶/閉塞体システム内にパッケージングされる。液体グルタルアルデヒドの存在は、組織弁を過熱しない又は凍らせない温度状態を維持するためのパッケージ構造を必要とする。したがって、現在のパッケージは、極端な温度状態から断熱する副パッケージ(シェルフカートン)の外側のEPS(発泡性ポリスチレン)発泡体エンドキャップの存在に起因して、大型で重い。液体グルタルアルデヒドを伴うポリプロピレン3.8オンス瓶/閉塞体システム、副パッケージ、及び、発泡断熱材は、パッケージ構造を大型で重くし、そのため、保管のための空間が増大するとともに、輸送のためのコストが増大する。現在の単一ユニット夏パックは約0.85ポンドの重量があり、これに対し、現在の単一ユニット冬パックは約1.85ポンドの重量がある。本明細書中に開示されるパッケージはかなり軽い。
【0076】
本発明をその好ましい実施形態において説明してきたが、使用されてきた用語は、説明の用語であり、限定的用語でないことは言うまでもない。したがって、本発明の真の範囲から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更がなされてもよい。