特許第5988999号(P5988999)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5988999
(24)【登録日】2016年8月19日
(45)【発行日】2016年9月7日
(54)【発明の名称】風味挿入物
(51)【国際特許分類】
   A24F 25/00 20060101AFI20160825BHJP
【FI】
   A24F25/00
【請求項の数】13
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-545487(P2013-545487)
(86)(22)【出願日】2011年12月19日
(65)【公表番号】特表2014-500037(P2014-500037A)
(43)【公表日】2014年1月9日
(86)【国際出願番号】GB2011001737
(87)【国際公開番号】WO2012085499
(87)【国際公開日】20120628
【審査請求日】2014年10月28日
(31)【優先権主張番号】1021827.9
(32)【優先日】2010年12月21日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】513076866
【氏名又は名称】フィルトロナ フィルター プロダクツ ディベロップメント シーオー.ピーティーイー.エルティーディー.
(74)【代理人】
【識別番号】110001070
【氏名又は名称】特許業務法人SSINPAT
(72)【発明者】
【氏名】クラーク, ポール エフ.
【審査官】 土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2008/148702(WO,A1)
【文献】 国際公開第2010/097252(WO,A1)
【文献】 独国特許出願公開第102006029092(DE,A1)
【文献】 米国特許第01972118(US,A)
【文献】 国際公開第98/044961(WO,A1)
【文献】 国際公開第2007/071990(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体及び風味剤を含む風味挿入物であって、
前記基体が酢酸セルロース製シートを含み、
前記風味剤がメントールまたはチョウジを含み、
前記メントールまたはチョウジの量が前記基体の体積1cm3当たり50から500mgであり、
喫煙物品のパッケージ又はタバコのパッケージに封入されることを特徴とする風味挿入物。
【請求項2】
基体及び風味剤を含む風味挿入物であって、
前記基体が酢酸アセテート製円柱状ロッドを含み、
前記風味剤がメントールまたはチョウジを含み、
前記メントールまたはチョウジの量が前記基体の体積1cm3当たり50から500mgであり、
喫煙物品のパッケージ又はタバコのパッケージに封入されることを特徴とする風味挿入物。
【請求項3】
基体及び風味剤を含む風味挿入物であって、
前記基体が喫煙物品でもパッケージ裏材でもなく、
前記基体が酢酸アセテート製円柱状ロッドまたは酢酸アセテート製シートを含み、
前記風味剤がメントールまたはチョウジを含み、
前記メントールまたはチョウジの量が前記基体の体積1cm3当たり50から500mgであり、
喫煙物品のパッケージ又はタバコのパッケージに封入されることを特徴とする風味挿入物。
【請求項4】
前記風味剤の量が、前記基体の体積1cm3当たり100から475mgであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の風味挿入物。
【請求項5】
前記風味剤が、メントールを、前記基体の体積1cm3当たり300から500mgの量で含むことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の風味挿入物。
【請求項6】
前記風味剤が、チョウジを、前記基体の体積1cm3当たり100から400mgの量で含むことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の風味挿入物。
【請求項7】
前記基体が繊維材料を含むことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の風味挿入物。
【請求項8】
前記基体用の包装材又は膜を更に含むことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の風味挿入物。
【請求項9】
障壁領域を更に含むことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の風味挿入物。
【請求項10】
接着部を更に含むことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の風味挿入物。
【請求項11】
喫煙物品のパッケージ中の1個以上の喫煙物品に、風味を付ける方法であって、
基体及び風味剤を含む個別の風味挿入物を前記パッケージに封入するステップを含み、
前記基体が酢酸アセテート製円柱状ロッドまたは酢酸アセテート製シートを含み、
前記風味剤がメントールまたはチョウジを含み、
前記メントールまたはチョウジの量が前記基体の体積1cm3当たり50から500mgであることを特徴とする風味を付ける方法。
【請求項12】
前記風味挿入物が請求項1から10のいずれかに記載の風味挿入物であることを特徴とする請求項11に記載の風味を付ける方法。
【請求項13】
個別の風味挿入物及び喫煙物品(単数又は複数)をその中に含む前記パッケージを25℃超の温度に加熱する更なるステップを含むことを特徴とする請求項11又は12に記載の風味を付ける方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シガレットなどの喫煙物品、特に風味剤を含む喫煙物品に関する。
【背景技術】
【0002】
メントール風味のシガレットは、タバコ産業において良く知られており、多数の喫煙者に好評である。シガレット製造者がメントールをシガレットに塗布することができる方法は多数ある。それは、タバコ加工段階においてタバコに塗布することができ、シガレット製造中に巻紙若しくはフィルターに塗布することができ、又はシガレットの箱を形成し密封する前にシガレットの箱の内装ホイルの裏に塗布することができる。メントールは揮発性であるため、(密閉容器中で貯蔵されると仮定して)メントールが最初に塗布された場所がどこであろうと、風味は、貯蔵中にシガレット全体に均等に分布することになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
メントールシガレットに関する二つの制約がある。喫煙者は、自分の好む銘柄がメントールシガレットとして入手可能かどうかほとんど自由に選択できない。さらに、喫煙者は、シガレットに塗布されたメントール量を調整することができない(これはシガレット製造者によってあらかじめ設定されている)。本発明は、これらの欠点の両方を克服するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様によれば、基体(例えば、繊維基体)及び風味剤(例えば、揮発性風味剤)を含む挿入物(例えば、風味挿入物、例えば、パッケージ用挿入物)が提供される。挿入物は、個別の挿入物であり、パッケージからは分離しており、別個のものである。好ましくは、風味剤は、基体の上及び/又は中にある。好ましくは、基体は、シガレットなどの喫煙物品ではない。好ましくは、基体は、ホイルなどのパッケージ裏材(例えば、パッケージと一体化されたパッケージ裏材)ではない。
【0005】
ここで、個別の挿入物という用語は、挿入物(風味挿入物)が、パッケージとは分離しており、別個のものであることを意味する(例えば、それは、パッケージと一緒に使用するために別々に販売することができる)。
【0006】
挿入物は、喫煙物品(例えば、シガレット)のパッケージ又はタバコのパッケージに封入することができる。
【0007】
風味剤は、公知の風味剤又はシガレットなどの喫煙物品における使用に適した風味剤、例えば、メントール、スペアミント、チョウジなどとすることができる。好ましくは、風味剤は、メントールである、又はメントールを含む。挿入物は、1種を超える風味剤を含むことができる(メントールを含んでも含まなくてもよい、異なる風味料のブレンドを提供することができる)。
【0008】
好ましくは、風味剤の量は、基体の体積1cm3当たり50から500mg、例えば、基体の体積1cm3当たり100から475mg、例えば、基体の体積1cm3当たり250から450mg、例えば、基体の体積1cm3当たり380から420mgである。一例においては、風味剤はメントールを含み、風味剤の量は基体の体積1cm3当たり300から500mgである。別の例においては、風味剤はチョウジ(例えば、チョウジ油)を含み、風味剤の量は基体の体積1cm3当たり100から400mgである。
【0009】
挿入物(例えば、風味挿入物)は、さらに、基体用の包装材(又は膜)を含むことができる。好ましくは、包装材又は膜は、風味剤に対して透過性である。
【0010】
挿入物(例えば、風味挿入物)は、さらに、接着部(例えば、自己接着部)を含むことができる。接着部を使用して、挿入物をパッケージ内(例えば、パッケージの蓋の内側)に固定することができる。
【0011】
基体は、繊維材料、例えば、天然又は合成繊維材料を含むことができる。好ましくは、基体は、酢酸セルロース、例えば、フィラメント状酢酸セルロースのトウを含む。一例においては、基体は、(例えば、集められ、圧縮されてロッド形状にされた)(例えば、酢酸セルロース)フィラメントを含む円柱状ロッドを含む。挿入物は、場合によっては、基体用包装材(又は膜)を含むことができる。好ましくは、包装材又は膜は、風味剤に対して透過性である。包装材は、天然透過性材料、又は透過性を付与するように処理(例えば、穿孔処理、例えば、機械的に穿孔処理)された非透過性材料とすることができる。包装材又は膜は、例えば、多孔質プラグ巻取紙とすることができる。(例えば、「非包装アセタート」シガレットフィルターロッドのように)膜は省略することができる。基体は、シガレットと類似した寸法とすることができる(例えば、長さ70から120mm、例えば84mm、及び外周約14から24.5mm、例えば約24.5mm)。
【0012】
別の例においては、基体は、シート状材料、例えば、シート材料を含むパッド又は詰め物を含む。(類似重量のロッド形状に比べて)シートの表面積が大きいほど、それが挿入される箱のシガレットに風味、例えば、メントールが移行する速度が高くなり得る。シート状材料は、不織材料、例えば、天然及び/又は合成繊維でできた不織布を含むことができる。詰め物の厚さは、その長さ又は幅よりもかなり小さくすることができ、喫煙者は満杯のシガレットの箱にパッドを容易に挿入することができる。パッドは、それが挿入される箱の長さ及び幅より小さい任意のサイズとすることができる。挿入物は、さらに、シート材料用の包装材(又は膜)を含むことができる。好ましい一実施形態においては、シート状材料(パッド又は詰め物)は、パッケージの蓋の部分に一致するような寸法(サイズ)であり、例えば、蓋が閉まるのを妨げずに、シガレットの硬質の箱の蝶番式蓋に一致する寸法である(かかる硬質の箱と蓋はよく知られている)。挿入物は、例えば、長さ30から60mm(例えば、50から55mm)、幅10から20mm、及び奥行き0.01から2mmとすることができる。この実施形態の例では、挿入物(例えば、風味挿入物)は、さらに、挿入物をパッケージの蓋の内側に固定する接着部(例えば、自己接着部)を含むことができる。この実施形態の例では、挿入物(個別の挿入物)は、シート、例えば、メントール入りシートとすることができる。
【0013】
パッケージの蓋に挿入物を配置することは、シガレットのフィルター端部が挿入物上の風味剤(例えば、メントール)に均一に曝露されることを意味し、それによって(パッケージ中のシガレットすべてに対して)より均一な風味付けが可能になる。
【0014】
したがって、本発明は、喫煙者がシガレット(必ずしもではないが、好ましくは、メントールの入っていないシガレット銘柄)の箱に入れることができ、箱の中に適当な期間残って、シガレットがメントール風味になるようにメントールがパッドからシガレットに移行することができる、風味付けされた(例えば、メントール風味の)挿入物(例えば、パッド若くはスティック又は他の類似の物体)を提供する。異なるレベルのメントールをパッド又はスティックに施すことができ、喫煙者は、適切なメントール付加レベルのパッドを選択することによって、さらに、パッドが箱の中にある時間によって、シガレット中に存在するメントールのレベルを調節することができる。挿入物を箱に入れた後、箱(及び挿入物)を(オーブン中で)加熱して、風味剤が挿入物からシガレットに移行するのを早めることができる。必要に応じて、例えば風味を高めるために1個を超える挿入物を箱に追加してよいことが理解されるであろう。
【0015】
本発明による更に別の一態様においては、喫煙物品のパッケージ中の1個以上の喫煙物品に、風味を付ける方法、又は施される風味レベルを増加させる方法であって、基体(例えば、繊維基体)及び風味剤(例えば、揮発性風味剤)を含む少なくとも1個の個別の挿入物をパッケージに封入するステップを含む、方法が提供される。その(又は各)個別の挿入物は、本明細書に記載の本発明による任意の挿入物とすることができる。その(又は各)個別の挿入物は、(喫煙物品と一緒にある期間(例えば、0.5から7日間))パッケージ中に貯蔵することができる。その(又は各)個別の挿入物は、パッケージの蓋の中に位置することができる。1個を超える個別の挿入物を使用する場合、挿入物は(サイズ、形状、使用量などの点で)同じでも異なってもよいことが理解されるであろう。方法は、(その中に個別の挿入物(単数又は複数)及び喫煙物品(単数又は複数)を含む)パッケージを加熱する更なるステップを含むことができる。加熱は、25℃を超える温度とすることができる。加熱は、1から10分間とすることができる。
【0016】
加熱は、オーブンで行うことができる。加熱は、挿入物からシガレットへの風味剤の移行を早める。
【発明の効果】
【0017】
本出願人らは、基体の体積1cm3当たり50から500mg、例えば、基体の体積1cm3当たり100から475mg、例えば、基体の体積1cm3当たり250から450mg、例えば、基体の体積1cm3当たり380から420mgの量の風味剤を含むと、パッケージ中の喫煙物品を効果的に風味付けできることを見いだした。
【0018】
基体(例えば、パッド又はスティック)は、溶融した風味剤(例えば、メントール)にそれを浸漬又はコーティングすることによって、風味剤(例えば、メントール)を添加されてよい。別法では、基体(パッド又はスティック)は、(プロピレングリコールなどの)適切な溶媒に溶解させた風味剤(例えば、メントール)を浸漬又は噴霧されてもよい。パッド上の風味剤(例えば、メントール)の量は、例えば、パッドサイズ及び/又は風味剤の添加濃度を選択することによって、調整することができる。
【0019】
挿入物(基体)を使用して、手巻き(Roll−Your−Own)又は自作(Make−Your−Own)の喫煙品(シガレットなど)の喫煙者用に、タバコ(例えば、刻みタバコ)のポーチ(又は別の容器)をメントール風味にすることもできる。
【0020】
挿入物は、密閉容器又は密閉箱に詰めて、使用前の貯蔵によるメントールの損失を最小化することが好ましい。喫煙者は、密封された密閉箱を使用直前に開けると予想される。挿入物は、1箱のシガレットをメントール風味にするのに十分なメントールを含むことができ、又は複数の連続した箱のシガレットに使用するのに十分なメントールを含むことができる。
【0021】
挿入物は、さらに、(風味剤を通さない障壁材料を含む)障壁領域を含むことができる。障壁領域は、ある保護作用を取扱時に発揮して、喫煙者の指と風味剤を含んだ(メントール風味の)繊維材料との接触可能性を最小化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明による挿入物の第1の例を示す。
図2】本発明による挿入物の別の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、本発明を以下の例及び添付の図面を参照して説明する。
【0024】
図1は、本発明による風味挿入物(個別の風味挿入物)の第1の例を示す。挿入物1は、当該技術分野で周知である方法によって集められ、圧縮されてロッド形状にされた酢酸セルロースのシリンダ2の形の基体を含む。シリンダ2は、外周約24.5mm及び長さ約84mm(すなわち、普通の大きさのフィルターシガレットとほぼ同じ寸法)である。シリンダ2は、やはり当該技術分野で周知である方法によってロッド形状に圧縮されると、又はその直後に、酢酸セルローストウの周囲に施される、多孔質プラグ巻取紙の包装材3で包まれる。酢酸セルローストウのシリンダ2は、シリンダ体積1cm3当たりメントール風味剤405mgを含む。この風味剤は、好ましくは、当該技術分野で公知の方法によって包装前に酢酸セルローストウに施される。例えば、集められ、圧縮されてロッド形状にされる前に、溶融メントールを酢酸セルローストウに施すことができ、又は包装前にロッド形状で溶融メントールに浸漬することができる。あるいは、ロッド体は、ロッドが形成され包装される前に、溶融メントールに浸漬することができる。
【0025】
(シリンダ2上の風味剤を含めてシリンダ2を含む)挿入物1を使用して、シガレットに風味を付けることができる。挿入物1の製造後、使用前の貯蔵によるメントールの損失を最小化する実質的に風味を通さない膜(図示せず)で挿入物1を密封(例えば、減圧包装)する。使用者は、膜を除去し、挿入物1をシガレットの包みの中に入れる(例えば、最初に1本のシガレットを取りだして空隙を作る)。図1の挿入物は、挿入物をシガレットと一緒に約1から3日間貯蔵した後、20本のシガレット1箱をメントール風味にする(すなわち、メントールで風味付けする)のに十分なメントールを含む。
【0026】
挿入物は、メントール入りシガレットのパッケージ(この場合、メントール風味はより強くなる)又はシガレットのメントール無しの包みと一緒に使用して、幾らかのメントール風味を付けることができることが理解されるであろう。
【0027】
挿入物を箱に入れた後、挿入物を含む箱を(オーブン中で)例えば5分間加熱して、風味剤が挿入物からシガレットに移行するのを早めることができるのも理解されるであろう。
【0028】
図2は、本発明による風味挿入物(個別の挿入物)の別の例を示す。挿入物21は、当該技術分野で周知である方法によって作製された不織材料でできたシート22の形の基体を含む。シート22は、場合によっては、多孔質軽量不織材料の包装材23に積層される。シート22は、シート体積1cm3当たりメントール風味剤405mgを含む。この風味剤は、当該技術分野で公知の方法によって、例えば、溶融メントールをシートに塗布することによって、積層前に不織シートに塗布することができる。風味挿入物22は、さらに、ポリエチレンの障壁25を一端に含む。障壁25は、ある保護作用を取扱時に発揮して、喫煙者の指と風味剤を含んだ(メントール風味の)不織材料との接触可能性を最小化する。
【0029】
図2の挿入物は、長さ57mm、幅19mm及び奥行き0.1mmとすることができ、挿入物が中にある状態で蓋がシガレットの上で閉まる(又は実質的に完全に閉まる)ように、シガレットの従来の硬質の包みの蓋の内側に位置させることができる。パッケージの蓋に挿入物を配置することは、シガレットのフィルター端部が挿入物上のメントールに均一に曝露されることを意味し、それによってより均一な風味付け効果を発揮することができる。
【実施例1】
【0030】
溶融メントールに浸漬して薄い繊維状細片にメントールを添加し、この繊維状細片をメントールの入っていない市販シガレット銘柄の新しく開けたばかりの箱に挿入した。2つの異なるサイズの細片を使用した。大きい方の細片は84×10×1mmであり細片1個当たりメントール約340mgを含み、小さい方の細片は42×10×1mmであり細片1個当たりメントール約170mgを含む。プラスチックシートの小さいタブを各細片に接着して、取扱いを容易にし、メントール入り細片との直接接触を最小限にした。各サイズの細片を5箱のシガレットの各々に付加し、24時間ごとに異なる箱をサンプリングし、ISO喫煙条件下でのメントール添加試験用に10本のシガレットを無作為に取り出した。結果を下表に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
メントールは、細片からシガレットに容易かつ急速に移行することがわかる。
【実施例2】
【0033】
メントール挿入物
2つの挿入物タイプを試験した。ロッド挿入物は、穿孔処理フィルムラップに包まれた外周15.7mm及び長さ84mmの可塑化酢酸セルロースの円柱状ロッドを含んだ(図1の実施形態に類似した構成、ただしプラグ巻取紙ではなく穿孔処理フィルム)。平坦なパッド挿入物は、幅20mm、厚さ3mm及び長さ84mmの可塑化酢酸セルロースの包装されていない平坦なパッドを含んだ。挿入物にメントール100mg、200mg及び300mgを前もって添加し、次いでシガレットの箱に挿入して、再密封した。挿入物の挿入後、シガレットを24及び48時間後にサンプリングし、挿入物に最も近いシガレットのメントール収率を測定した。結果を下表に示す。
【0034】
【表2】
【0035】
メントールは、挿入物からシガレットに容易かつ急速に移行することがわかる。
【符号の説明】
【0036】
1 挿入物
2 シリンダ
3 包装材
21 挿入物
22 シート
23 包装材
25 障壁
図1
図2