【文献】
Pantech,PCMAX format in CA[online],3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #72 R2-106547,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ra,2010年11月 9日
【文献】
CATT,Definition of Pcmax in CA[online],3GPP TSG-RAN WG4 Meeting #57 R4-104357,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG4_Radio/TSGR4_57/Docs/R4-104357.zip>,2010年11月 9日
【文献】
MediaTek Inc.,Analysis of PHR with Carrier Aggregation[online],3GPP TSG-RAN WG1 #62bis R1-105234,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_62b/Docs/R1-105234.zip>,2010年10月 5日
【文献】
Qualcomm Incorporated,Power Headroom Report for Rel.10[online],3GPP TSG RAN WG4 #57 R4-104126,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG4_Radio/TSGR4_57/Docs/R4-104126.zip>,2010年11月 9日
【文献】
Qualcomm Incorporated,Definition of Pcmax,c[online],3GPP TSG RAN4 #57AH R4-110207,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG4_Radio/TSGR4_57AH/Docs/R4-110207.zip>,2011年 1月11日
【文献】
Samsung,PCMAX definition in CA[online],3GPP TSG RAN WG4 Meeting #57AH R4-110257,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG4_Radio/TSGR4_57AH/Docs/R4-110257.zip>,2011年 1月12日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付の図面を参照して本発明の動作原理を詳しく説明する。下記において本発明を説明するに際して関連する公知機能または構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不明にするおそれがあると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。そして、後述する用語は、本発明での機能を考慮して定義された用語であって、これは、ユーザ、運用者の意図または慣例などによって変わることができる。したがって、本細書全般にわたる内容に基づいて定義されなければならない。
【0018】
本発明は、多重キャリアが集積された端末で多重逆方向キャリアを通じて逆方向伝送が行われるとき、各逆方向キャリアの逆方向伝送出力を決定する方法及び装置に関する。
【0019】
図1は、本発明が適用されるLTEシステムの構造を示す図である。
【0020】
図1を参照すると、LTEシステムの無線アクセスネットワークは、次世代基地局(Evolved Node B、以下、ENB、Node Bまたは基地局)105、110、115、120とMME(Mobility Management Entity)125及びS−GW(Serving−Gateway)130で構成される。そして、ユーザ端末(User Equipment、以下、UEまたは端末)135は、ENB 105、110、115、120及びS−GW 130を通じて外部ネットワークに接続される。
【0021】
ENB 105、110、115、120は、UMTSシステムの既存ノードBに対応する。そして、ENB 105、110、115、120は、UE 135と無線チャネルで連結され、既存ノードBより複雑な役目を行う。LTEシステムでインターネットプロトコルを通じたVoIP(Voiceover IP)のようなリアルタイムサービスを含めたすべてのユーザトラフィックが共用チャネル(shared channel)を通じてサービスされる。これより、UEのバッファ状態、可用伝送電力状態、チャネル状態などの状態情報を取り集めて、スケジューリングをする装置が必要であり、これをENB 105、110、115、120が担当する。通常、1つのENBは、多数のセルを制御する。例えば、LTEシステムは、100Mbpsの伝送速度を具現するために20MHz帯域幅において無線接続技術で直交周波数分割多重方式(Orthogonal Frequency Division Multiplexing、以下、OFDMという)を使用する。また、LTEシステムは、端末のチャネル状態に合わせて変調方式(modulation scheme)とチャネルコーディング率(channel coding rate)を決定する適応変調コーディング(Adaptive Modulation & Coding、以下、AMCという)方式を適用する。
【0022】
S−GW 130は、データベアラーを提供する装置であり、MME 125の制御によってデータベアラーを生成するか、または除去する。MME 125は、端末に対する移動性管理機能はもちろん、各種制御機能を担当する装置であって、多数の基地局と連結される。
【0023】
図2は、本発明が適用されるLTEシステムで無線プロトコル構造を示す図である。
【0024】
図2を参照すると、LTEシステムの無線プロトコルは、端末とENBでそれぞれPDCP(Packet Data Convergence Protocol)階層205、240)、RLC(Radio Link Control)階層210、235、MAC(Medium Access Control)階層215、230、そして物理(PHY)階層220、225よりなる。PDCP(Packet Data Convergence Protocol)205、240は、IP(Internet Protocol)ヘッダー圧縮/復元などの動作を担当する。無線リンク制御(Radio Link Control、以下、RLCという)210、235は、PDCP PDU(Packet Data Unit)を適切なサイズに再構成し、ARQ動作などを行う。MAC 215、230は、1つの端末に構成された多数のRLC階層装置と連結され、RLC PDU(Packet Data Unit)をMAC PDUに多重化し、MAC PDUからRLC PDUを逆多重化する動作を行う。物理階層220、225は、上位階層データをMAC PDU上でチャネルコーディングし、OFDMシンボルへと変調して、無線チャネルで伝送することができる。または、物理階層220、225は、無線チャネルを通じて受信したOFDMシンボルを復調し、チャネルデコーディングし、上位階層に伝達する動作を行う。
【0025】
図3は、端末でキャリア集積を説明するための図である。
【0026】
図3を参照すると、1つの基地局で多重キャリアが多数の周波数帯域にわたって送出され、受信される。例えば、基地局305で中心周波数がf1のキャリア315と、中心周波数がf3のキャリア310が送出されるとき、1つの端末が2つのキャリアのうち1つのキャリアを利用してデータを送受信する。しかし、キャリア集積能力を持っている端末330は、同時に複数個のキャリアからデータを送受信することができる。基地局305は、キャリア集積能力を持っている端末330に対しては、状況によってさらに多いキャリアを割り当てることによって、端末330の伝送速度を高めることができる。
【0027】
1つの基地局で送出され受信される1つの順方向キャリアと1つの逆方向キャリアが1つのセルを構成するとするとき、キャリア集積というのは、端末が同時に複数個のセルを通じてデータを送受信するものと理解することができる。これを通じて、最大伝送速度は、集積されるキャリアの数に比例して増加する。
【0028】
以下、本発明を説明するにあたって、端末が任意の順方向キャリアを通じてデータを受信するか、任意の逆方向キャリアを通じてデータを伝送するというのは、キャリアを特徴付ける中心周波数と周波数帯域に対応するセルで提供する制御チャネルとデータチャネルを利用してデータを送受信するということと同一の意味を有する。また、以下、本発明の実施形態では、説明の便宜のためにLTEシステムを仮定して説明するが、本発明を、キャリア集積を支援する各種無線通信システムに適用することができる。本発明の実施形態において端末が複数の逆方向キャリアを利用して逆方向伝送を行うとき、キャリア別の逆方向伝送出力を決定する方法及び装置を提示する。
【0029】
移動通信システムにおいて端末は、単一キャリアで逆方向伝送を行う場合、必要伝送出力を計算する。そして、端末は、必要伝送出力を所定の最大伝送出力に制限して逆方向伝送出力を決定する。最大伝送出力は、端末のパワークラスによって決定される端末の内在的な最大伝送出力、当該セルで許容する最大伝送出力及び端末の逆方向伝送がもたらすスプリアス放射(spurious emission)を所定の要求条件以下に調整するための端末の伝送出力縮小(transmission power reductionあるいはtransmission power backoff)、そしてSAR(Specific Absorption Rate:電磁波が人体に及ぶ影響を所定の基準以下に制御すること)のための伝送出力縮小などを考慮して決定される値である。必要伝送出力は、与えられた伝送資源、MCS(Modulation and Coding Scheme)水準及び経路損失などによって算出される伝送出力であって、与えられた逆方向伝送に適用されるのに適当な伝送出力である。例えば、端末が任意の時点に基地局から逆方向スケジューリングを受ければ、端末は、上記与えられた伝送資源、MCS水準及び経路損失などを利用して必要伝送出力を算出する。
【0030】
本発明の第1実施形態では、SARなどを考慮して端末が逆方向伝送出力を設定する方法及び装置を提示する。
【0032】
以下に提示する端末の動作は、端末が単一サービングセルで逆方向伝送出力を決定する従来動作と共通点を最大限維持しながらSAR要求事項を考慮して多数のサービングセルで同時に逆方向伝送が行われなければならない場合、逆方向伝送出力を決定する方法に関する。端末は、多重逆方向伝送を行う場合、すなわち1つ以上のセルを通じて逆方向伝送が行われるように多数のセルに対する多数の逆方向スケジューリング命令が受信されれば(以下、任意のセルに対する逆方向スケジューリングを受信するというのは、セルで逆方向伝送を行うように逆方向伝送資源とMCSレベルを割り当てられることを意味する)、それぞれの逆方向伝送に対する必要伝送出力を従来と同一の方式で算出する。そして、端末は、必要伝送出力を所定の最大伝送許容値に制限する。
【0033】
本発明の第1実施形態においてサービングセル別の最大伝送許容値を最大伝送出力1と命名する。端末は、最大伝送出力1に制限された値(以下、伝送出力1)を合算した値を他の最大伝送許容値と比較する。ここで、他の最大伝送許容値は、端末全体に対して適用されるものであって、最大伝送出力2と命名する。端末は、最大伝送出力1に制限された必要伝送出力の和が最大伝送出力2より大きければ、逆方向伝送出力を所定の方式で軽減させて、その和を最大伝送出力2と同一に調整する。このような過程を行うにあたって、端末は、最大伝送出力1と最大伝送出力2を次のように決定する。
【0034】
端末は、セル別の最大伝送出力1を決定するにあたって、各セルに対して共通的に適用することができるMPR(Maximum Power Reduction)、A−MPR(Additive−Maximum Power Reduction)などのパラメータを決定する。そして、端末は、逆方向伝送が行われるセルに対して同一のMPR、A−MPRなどを適用する。端末は、最大伝送出力2を決定するにあたって、SARを満たすための別途の伝送出力減少パラメータとしてA−MPR+(あるいはP−MPR)を判断し、上記値を適用する。また、最大伝送出力2を決定するにあたって、端末は、逆方向伝送が行われるサービングセルの最大伝送電力P
EMAXと端末の物理的特定による最大伝送電力P
powerclassから誘導した値を使用する。
【0035】
図4は、本発明の第1実施形態による端末において多重キャリア伝送時に、逆方向伝送出力を決定する方法の一例を示す図である。
【0036】
任意の端末がサービングセル1とサービングセル2で逆方向伝送を行うように逆方向スケジューリング命令を受信すれば、次のように逆方向伝送出力を決定する。以下では、キャリアとセルを区別する必要がない場合には、2つの用語を混用する。そして、サービングセルというのは、キャリア集積が設定された端末が順方向受信と逆方向伝送を行うセル、あるいは順方向受信を行うセルを意味する。
【0037】
端末は、サービングセル1とサービングセル2に対して最大伝送出力1を決定する。
図4の例において、サービングセル1であるキャリア1の最大伝送出力1 405とサービングセル2であるキャリア2の最大伝送出力1 407がいずれも200mWであると仮定する。ここで、最大伝送出力1 405、407には、サービングセル別に異なる値を設定することもできる。そして、最大伝送出力1 405、407がサービングセル別にどのように設定されるかは後述する。本発明において端末は、サービングセル1の周波数帯とサービングセル2の周波数帯が同一の周波数帯域の連続された周波数帯である場合、同一のMPR、A−MPRなどを使用して最大伝送出力1を決定する。
【0038】
このために、端末は、各サービングセルの必要伝送出力を計算する。例えば、サービングセル1の必要伝送出力410が150mW、逆方向伝送2の必要伝送出力415が250mWとして算出されたと仮定する。必要伝送出力410、415を算出する方式は、必要伝送出力決定方式と同一なので、詳しい説明を省略する。
【0039】
端末は、必要伝送出力410、415を当該サービングセルの最大伝送出力1 405、407と比較する。もし必要伝送出力410、415が最大伝送出力1 405、407よりも大きい場合、端末は、逆方向伝送出力420、425を最大伝送出力1 405、407に設定する。そして、必要伝送出力410、415が最大伝送出力1 405、407よりも小さい場合、端末は、逆方向伝送出力420、425を必要伝送出力410、415として決定する。以下、説明を通じてサービングセル別の必要伝送出力を最大伝送出力1に制限したもの(すなわち必要伝送出力と最大伝送出力1間の最小値)を当該サービングセルの伝送出力1として命名する。
【0040】
図4の例において、サービングセル1に対して、150mWの必要伝送出力410と200mWの最大伝送出力1 405を比較すれば、必要伝送出力410が最大伝送出力405よりも小さい。したがって、端末は、サービングセル1の逆方向伝送出力1 420を150mWの必要伝送出力410と同一に決定する。
【0041】
そして、サービングセル2の場合、250mWの必要伝送出力415と200mWの最大伝送出力1 407を比較すれば、必要伝送出力415が最大伝送出力407よりも大きい。したがって、端末は、サービングセル2の第1逆方向伝送出力425を200mWの最大伝送出力1 407と同一に決定する。
【0042】
その後、端末は、サービングセルの逆方向伝送出力1 420、425を合算した値が最大伝送出力2 430を超過するかを検査する。最大伝送出力2 430は、端末別に設定される値である。最大伝送出力2を設定するとき、端末は、P−MPR、P
PowerClass、サービングセルのP
EMAXなどを考慮する。検査結果、逆方向伝送出力1 420、425の和が最大伝送出力2 430を超過しなければ、端末は、各サービングセルの最終逆方向伝送出力435、440を当該サービングセルの逆方向伝送出力1 420、425に設定する。そして、逆方向伝送出力1 420、425の和が最大伝送出力2 430を超過すれば、端末は、逆方向伝送出力1 420、425の和を最大伝送出力2 430に調整するために最終逆方向伝送出力1 435、440を所定の方式で減少させる。すなわち、
図4の例で、最大伝送出力2 430が250mWなら逆方向伝送出力1 420、425の和である350mWから100mWの伝送出力縮小が要求される。端末は、所定の方式、例えば、キャリア別に同一に逆方向伝送出力を縮小させる方式で逆方向伝送出力1 420、425の和を250mWに制限する。
図4の例で、キャリア1の最終逆方向伝送出力435は、100mW、キャリア2の最終逆方向伝送出力440は、150mWである。
【0043】
以下、端末が最大伝送出力1及び最大伝送出力2を設定する方法について説明する。
【0045】
任意のサービングセルcの最大伝送出力1であるP
CMAX、cは、下記のように数式1によって設定される。そして数式1でサービングセルcの最大伝送出力1の最大値であるP
CMAX_H、cは、数式2によって決定される。次に、サービングセルcの最大伝送出力1の最小値であるP
CMAX_L、cは、数式3によって決定される。
【0046】
数式1
P
CMAX_L、c≦P
CMAX、c≦P
CMAX_H、c
【0047】
数式2
P
CMAX_H、c=MIN{P
EMAX、c、P
PowerClass}
【0048】
数式3
P
CMAX_L、c=MIN{P
EMAX、c−ΔT
C、c、P
CMAX_H、c−MPR
c−A-MPR
c−ΔT
C、c}
【0049】
ここで、P
EMAX、c、ΔT
C、c、P
PowerClass、MPR
c、A−MPR
cの意味は、次の通りである。
【0050】
P
EMAX、cは、サービングセルcで許容された最大逆方向伝送電力であり、基地局が端末に通知する。P
PowerClassは、端末の物理的特性で起因した最大伝送電力を意味する。端末の生産段階で端末のpower classが決定され、端末は、power classを所定のRRC(Radio Resource Control)メッセージを使用してネットワークに報告する。
【0051】
ΔT
C、c、MPR
c、A−MPR
cは、隣接チャネルに対する意図しない放射や干渉を所定の要求条件に合わせるために端末がサービングセルcで最大伝送電力を調整することができる限界値を定義するパラメータである。さらに詳細には、ΔT
C、cは、逆方向伝送が周波数帯域の端部で行われる場合、追加的な伝送電力調整を許容するための値である。例えば、逆方向伝送が任意の周波数帯域の最低4MHzに該当する帯域や最高4MHzに該当する帯域で行われる場合、端末は、ΔT
C、cを1.5dBに設定し、残りの場合には、0に設定することができる。
【0052】
MPR
cは、端末に割り当てられた伝送資源の量(すなわち帯域幅)と変調方式によって定められる値である。A−MPR
cは、逆方向伝送が行われる周波数帯域、地域的特性、逆方向伝送の帯域幅などによって定められる値である。A−MPR
cは、地域的特性と周波数帯域的特性によってスプリアス放射に特別に敏感な周波数帯域がある場合に備えて使用された。
【0053】
複数のサービングセルに逆方向伝送を行う場合、このようなパラメータをセル別に別々に決定する場合があり得る。本発明では、逆方向伝送を行うセルの周波数帯(任意のセルの周波数帯は、セルでデータが送受信される全体周波数資源を意味する)が同一の周波数帯域に属し、互いに隣接する場合なら(例えばセル1の逆方向周波数帯がx〜x+yMHz、セル2の逆方向周波数帯がx+y〜x+y+zMHz)、サービングセルに対してΔT
C、c、MPR
c、A−MPR
cが共通的に適用される。これより、複数のセルで逆方向伝送が行われても、このようなパラメータは1回だけ決定される。
【0054】
ΔT
C、c、MPR
c、A−MPR
cは、逆方向伝送が行われるセルの周波数あるいは周波数帯と密接な関係を有する(例えば周波数帯が周波数帯域の端部に位置しているか、あるいは逆方向伝送が行われる周波数資源のサイズと位置など)。n個のセルの周波数帯が同一の周波数帯域に属し、互いに連続的なら、n個のセルは、本質的にn倍の周波数帯を有する1つのセルと同一であると判断することができる。したがって、逆方向伝送が隣接する周波数帯のセルで進行する場合、複数のセルの周波数帯をすべて合わせた1つのセルで逆方向伝送が進行されたものとモデリングすることができる。すなわちセル1(周波数帯=x〜x+yMHz)とセル2(周波数帯=x+y〜x+y+zMHz)で逆方向伝送が行われる場合、端末は、同一の周波数帯を有する仮想のセル(周波数帯=x〜x+y+zMHz)を仮定してΔT
C、c、MPR
c、A−MPR
cを判断する。そして、端末は、判断したΔT
C、c、MPR
c、A−MPR
cを利用してセル1とセル2の最大伝送出力1を決定する。
【0056】
多数のセルで逆方向伝送を行う端末の最大伝送出力2であるP
CMAX2は、下記のように数式4によって設定される。そして、数式4でP
CMAX2の最大値であるP
CMAX2_Hは、数式5によって決定される。次に、P
CMAX2の最小値であるP
CMAX2_Lは、数式6によって決定される。
【0057】
数式4
P
CMAX2_L≦P
CMAX2≦P
CMAX2_H
【0058】
数式5
P
CMAX2_H=MIN{P
EMAX2、P
PowerClass}
【0059】
数式6
P
CMAX2_L=MIN{P
CMAX2_H-P−MPR、Highest P
CMAX_L、c}
【0060】
P
EMAXは、セル別にシグナリングされる当該セルで許容される最大伝送出力に関するパラメータである。この際、P
EMAX2は、多数のセルで同時に進行される逆方向伝送に対するものであるから、どんなセルのP
EMAX、cをP
EMAX2として使用すべきか明確ではない。それで、P
EMAX、cを逆方向伝送が行われるセルのP
EMAX、cをすべて考慮して選択する値として定義する。例えば、逆方向伝送が進行されるセルのP
EMAX、cのうち最も高い値を使用するか、すべてのP
EMAX、cを考慮し且つ他の方法でP
EMAX2を選択することができる。ここで、P
CMAX2_Hは、P
PowerClassと逆方向伝送が行われるすべてのセルのP
EMAX、cから誘導される値として定義することができる。例えば、P
EMAX、cのうち最も高いP
EMAX、cをP
CMAX2_Hとして定義することができる。
【0061】
P−MPRは、SAR要求条件を満たすために適用される伝送出力縮小値であり、機器と人体間の距離などを考慮して決定される値である。例えば、機器と人体間の距離が近ければ、機器の全体伝送出力値が低くならなければならないので、P−MPRは高い値が適用される。反対に、機器と人体間の距離が遠ければ、機器のすべて伝送出力値が高くなっても良いので、P−MPRで低い値が適用される。
【0062】
P−MPRは、1つの機器で発生する電磁気波の総量を制御するためのパラメータである。したがって、P−MPRは、機器の全体逆方向伝送のうち一部に該当するセル別の伝送出力を規制するP
CMAX、cを調整するパラメータとして利用されるよりは、機器の全体逆方向伝送を規制するP
CMAX2を調整するパラメータとして利用されることが好ましい。もしP−MPRを利用してP
CMAX、cを調整したら、P−MPRとして必要以上に高い値を使用しなければならないという副作用が発生するおそれがある。
【0063】
例えば、端末のセル1とセル2で逆方向伝送が行われる場合、P−MPRを考慮しなかったとき、セル1のP
CMAX、cは100mW、セル2のP
CMAX、cは200mW、そしてP
CMAX2は200mWであると仮定する。そして、SARを満たすために端末の最終伝送出力は150mWであると仮定する。P−MPRをP
CMAX、cに適用して最終伝送出力を150mWに合わせるためには、P−MPRは、セル1に対して50mW、セル2に対して100mWが適用されなければならない。しかし、このような値を適用したとき、セル別の最終伝送出力の適切な値ではないことがある。すなわちセル1とセル2の必要伝送出力がいずれも100mWとすれば、P−MPRがセル別に適用されることによって、セル1とセル2の最終伝送出力は、50mWと100mWになる。したがって、セル1のみに対して伝送出力縮小が適用される結果につながる。一方、P
CMAX2段階でP−MPRを適用すれば、100mWであるセル1の伝送出力1と、100mWであるセル2の伝送出力1の和が、P−MPRによって調整されたP
CMAX2、すなわち150mWに限定される。したがって、同一のサイズに伝送出力縮小が適用され、セル1とセル2の最終伝送出力は75mWと75mWになる。すなわちP
CMAX2でP−MPRを適用することがさらに好ましい伝送出力設定につながる。
【0064】
上記のように、端末は、逆方向伝送が行われるセルのP
EMAX、P
PowerClass、P−MPR、ΔT
C、c、MPR
c、A−MPR
cなどを適用してP
CMAX2を決定する。
【0065】
図5は、本発明の第1実施形態による端末と基地国間の逆方向伝送出力を決定するためのシグナリングフローを示す図である。
図5の移動通信システムにおいて多重逆方向キャリアを通じて逆方向伝送を行うことができる端末505とキャリア集積技術を支援する基地局510が存在する。
【0066】
図5を参照すると、515段階で、端末505は、端末性能報告のようなメッセージを通じて基地局510に周波数帯域別に使用できる最大伝送出力関連情報と最大伝送出力2関連情報を伝達する。最大伝送出力2関連情報は、基地局が端末505の最大伝送出力2を判断することができるように提供される情報である。そして、最大伝送出力2関連情報は、端末505の最大伝送出力2がどれぐらいであるか直接指示された情報であるか、端末505の電力クラス(Power class)情報であることができる。
【0067】
520段階で、基地局510は、端末505に多数のサービングセルを集積するとき、サービングセル別に、すなわちキャリア別に当該セルで許容された最大伝送出力情報であるP
EMAX、cを伝達する。P
EMAX、cは、セル間の干渉などを考慮してセル別に定義されるパラメータである。P
EMAX、cは、システム情報として端末505に伝達することができるが、キャリア集積のために端末505に設定される余分のサービングセルに対しては所定の制御メッセージを通じて端末505に伝達されることもできる。さらに詳しく説明すれば、端末がキャリア集積動作を行う前にただ1つのサービングセルのみを有している場合、当該セルのP
EMAX、cを、端末が当該セルのシステム情報を通じて直接獲得することができる。しかし、新しく集積されるサービングセルのP
EMAX、cは、基地局が端末に伝送するRRC CONNECTIONRE CONFIGURATIONメッセージである所定の一対一制御メッセージを通じて直接通知されることができる。
【0068】
525段階で、端末505は、基地局から伝達されたP
EMAX、c情報とP
PowerClassを利用して、設定されたキャリア別に最大伝送出力1の最大値を決定する。最大伝送出力1の最大値は、セル別に数式2を通じて決定される。530段階で、端末505が基地局510から多数のサービングセルで逆方向伝送を行うことを指示する逆方向スケジューリング命令を受信する。例えば、端末は、キャリア1のセル1に対してt1という時点に逆方向伝送を指示する逆方向グラント(CELL 1、t1)と、キャリア2のセル2に対して同じくt1という時点に逆方向伝送を指示する逆方向グラント(CELL 2、t1)出力を指示したメッセージを受信する。
【0069】
535段階で、端末505は、スケジューリングされたキャリアの最大伝送出力1最小値と最大伝送出力2を決定する。さらに詳細には、逆方向伝送が行われるセルの周波数帯が同一の周波数帯域で互いに隣接する周波数帯なら、端末は、2つのセルの状況がすべて考慮された1セットのΔT
C、c、MPR
c、A−MPR
cを決定する。そして、端末は、数式3を利用して複数のサービングセルに対する最大伝送出力1の最小値を決定する。また、端末は、数式4〜数式6を適用して最大伝送出力2を決定する。
【0070】
540段階で、端末505は、決定されたキャリア別の最大伝送出力1及び最大伝送出力2を選択する。そして、端末は、545段階で、キャリア別の伝送出力を最終選択する。この過程についてさらに詳細に説明すれば、端末は、選択された最大伝送出力1及び最大伝送出力2を利用してサービングセル別の逆方向伝送出力を決定する。すなわち、端末505は、サービングセル別の必要伝送出力を計算する。次に、端末505は、必要伝送出力を当該サービングセルの最大伝送出力1に制限して、サービングセル別の逆方向伝送出力1を決定する。そして、端末505は、サービングセル別の逆方向伝送出力1の和を計算した後、サービングセル別の逆方向伝送出力1の和と最大伝送出力2を比較する。その後、端末505は、サービングセル別の逆方向伝送出力1の和が最大伝送出力2より小さければ、サービングセル別の逆方向伝送出力をサービングセル別の逆方向伝送出力1と同一に最終決定する。そして、端末は、サービングセル別の逆方向伝送出力1の和が最大伝送出力2を超過すれば、サービングセル別の逆方向伝送出力を減少させる。それで、サービングセル別の逆方向伝送出力1の和が最大伝送出力2を超過しないように、端末は、サービングセル別の逆方向伝送出力を調整する。
【0071】
図6は、本発明の第1実施形態による端末において逆方向伝送出力を決定する動作を示す図である。
【0072】
図6を参照すると、605段階で、端末は、多数のキャリアで同時に逆方向伝送を指示する命令を受信すれば、逆方向伝送出力を決定するために610段階に進行する。
【0073】
610段階で、端末は、逆方向キャリア別に要求伝送出力である必要伝送出力を計算する。そして、端末は、615段階で、キャリア別に最大伝送出力1を利用して要求伝送出力である必要伝送出力から伝送出力1を決定する。言い換えれば、端末は、当該キャリアの最大伝送出力1と必要伝送出力のうち小さい値と同一に当該サービングセルの逆方向伝送出力1を決定する。ここで、サービングセルの最大伝送出力1の決定時に端末は、多数のサービングセルに同一のΔT
C、c、MPR
c、A−MPR
cを適用することができる。
【0074】
620段階で、端末は、決定された逆方向伝送出力1をすべて合算する。そして、端末は、625段階で、合算した値が最大伝送出力2を超過するかを判断する。ここで、最大伝送出力2は、次のようなパラメータが考慮されて決定される。
【0075】
−逆方向伝送が行われるセルのP
EMAX
−端末のP
PowerClass
−当該時点のP−MPR
−最大伝送出力1の決定時に使用したΔT
C、c、MPR
c、A−MPR
c
【0076】
判断結果、逆方向伝送出力1の和が最大伝送出力2を超過すれば、端末は、630段階で、逆方向伝送出力1の和が最大伝送出力2になるように、各キャリア別に逆方向伝送出力1を減少させる。例えば、端末は、逆方向伝送出力1の和と最大伝送出力2の差の値を逆方向伝送出力1の個数で分けて、逆方向伝送出力1から一括的に差し引くことができる。次に、635段階で、端末は、減少した逆方向伝送出力1と同一に当該キャリアの最終逆方向伝送出力を決定する。
【0077】
また、625段階で、逆方向伝送出力1の和が最大伝送出力2を超過しなければ、端末は、640段階に進行し、キャリア別に逆方向伝送出力1と同一に最終逆方向伝送出力を決定する。
【0078】
図7は、本発明の第1実施形態による端末の構成を示すブロック図である。
【0079】
図7を参照すれば、本発明の実施形態による端末は、送受信機705、制御部710、多重化及び逆多重化装置720、各種上位階層装置725、730及び制御メッセージ処理部735を含む。
【0080】
送受信機705は、サービングセルの順方向チャネルでデータ及び所定の制御信号を受信し、逆方向チャネルでデータ及び所定の制御信号を伝送する。多数のサービングセルが設定された場合、送受信機705は、上記多数のサービングセルを通じたデータ送受信及び制御信号送受信を行う。
【0081】
制御部710は、送受信機705を通じて受信されたスケジューリング命令、例えば逆方向グラントを確認し、適切な時点に適切な伝送資源で逆方向伝送が行われるように送受信機705と多重化及び逆多重化装置720を制御する。すなわち、制御部710は、逆方向伝送時に、各キャリア別に上記数式1〜数式3を利用して各キャリア別の最大伝送出力1を決定する。
【0082】
そして、制御部710は、数式4〜数式6を利用して最大伝送出力2を決定する。次に、制御部710は、
図6の615段階のように、各サービングセル別に必要伝送出力と決定された最大伝送出力1を比較し、逆方向伝送出力1を決定する。また、制御部710は、
図6の620段階〜640段階のように、各サービングセル別に決定された逆方向伝送出力1の和と決定された最大伝送出力2を比較し、各サービングセルの最終逆方向伝送出力を決定する。そして、制御部710は、各キャリア別に上記決定された最終逆方向伝送出力によって逆方向伝送が行われるように送受信機705を制御する。
【0083】
多重化及び逆多重化装置720は、上位階層装置725、730や制御メッセージ処理部735で発生したデータを多重化することができる。また、多重化及び逆多重化装置720は、送受信機705で受信されたデータを逆多重化し、適切な上位階層装置725、730や制御メッセージ処理部735に伝達する役目をする。
【0084】
上位階層装置725、730を、サービス別に構成することができる。すなわち上位階層装置725、730は、FTP(File Transfer Protocol)やVoIP(Voice over Internet Protocol)などのようなユーザサービスで発生するデータを処理し、多重化及び逆多重化装置720に伝達するか、多重化及び逆多重化装置720から伝達されたデータを処理し、上位階層のサービスアプリケーションに伝達する。
【0085】
制御メッセージ処理部735は、基地局から受信した制御メッセージを処理し、必要な動作を行う。すなわち、制御メッセージ処理部735は、制御メッセージに収納されたサービングセル別の逆方向伝送出力設定のための情報、例えばサービングセル別のP
EMAX、cなどを制御部710に伝達する。
【0087】
P
CMAX2の変化は、基地局が逆方向スケジューリングをするときに参考しなければならない重要な情報である。本発明の第2実施形態では、端末のP
CMAX2が所定の基準以上に変更されれば、これを基地局に通知する方法及び装置を提示する。
【0088】
本発明の第2実施形態では、P
CMAX2を報告するために新しい制御メッセージを導入する代わりに、既存のPHR(Power Headroom Report)MAC CE(Control Element)を利用する。
【0089】
PHR MAC CEは、端末の可用伝送出力(Power Headroom、以下、PH)を報告するために端末が基地局に伝送する制御メッセージである。ここで、PHは、PCMAXと必要伝送出力との差である。そして、1つのPHRには、多数のサービングセルに対するPH情報が含まれる。PHRは、所定の条件が満たされれば、トリガーされ、一般的にトリガーされた後、一番目の逆方向伝送時にMAC PDUに多重化されて伝送される。
【0090】
本発明では、PHRのトリガー条件でP
CMAX2が所定の基準以上に変更される場合を追加する。
【0091】
図8は、本発明によるPHR構造を示す図である。
【0092】
図8を参照すれば、PHRは、1バイトのビットマップ805と多数のPH 810、820及びP
CMAX、c 815、825のペアで構成される。ビットマップ805は、どんなサービングセルのPHが含まれているかを示す。PHRには、PHRがトリガーされた時点に活性化状態であるすべてのサービングセルのPHが含まれ、P
CMAX、Cは選択的に含まれる。これより、活性化された状態のサービングセルが1つしかないか、または最初に余分の逆方向キャリアが設定されていなければ、PHRは、ビットマップと1つのPH/P
CMAX、cの組合で構成される。
【0093】
本発明では、活性化状態のセルが1つである場合には、P
CMAX2は、既存のP
CMAX、cフィールドで報告される。そして、活性化状態のセルが1つ以上である場合には、新しいフィールドが導入され、P
CMAX2に報告される。すなわち活性化状態のセルが1つである場合には、P
CMAX、cとP
CMAX2が同一であるから、P
CMAX、cフィールドでP
CMAX2が報告される。しかし、活性化状態のセルが1つ以上である場合には、P
CMAX、cとP
CMAX2が互いに異なる値なので、P
CMAX2が別途のフィールドで報告される。
【0094】
活性化状態のセルが1つ以上である場合、基地局は、P
CMAX2フィールドの存在有無を判断することができるようにビットマップの所定のビートを通じて存在有無を指示する。この際、所定のビットは、ビットマップの最後のビットになることができる。
【0095】
図9は、本発明の第2実施形態によるPHR構造を示す図である。
【0096】
図9を参照すると、活性化状態のセルが1つである場合のPHRフォーマット905と活性化状態のセルが1つ以上である場合のPHRフォーマット910を示す。すなわちPHRフォーマット905の場合、活性化状態のセルに対するP
CMAX2を収納するP
CMAX2フィールドが1つである。そして、PHRフォーマット910の場合、P
CMAX2の変化によってPHRがトリガーされた場合にのみ報告される。
【0097】
PHR機能を設定する段階で、基地局が端末にP
CMAX2報告可否を設定することもできる。すなわち基地局は、端末にP
CMAX2報告可否を指示する1ビット情報を伝送する。端末は、P
CMAX2報告が設定されれば、すべてのPHRでP
CMAX2を含ませて報告する。
【0098】
図10は、本発明の第2実施形態による端末の動作を示す図である。
【0099】
図10を参照すると、1005段階で、P
CMAX2が基準値以上に変更され、PHRがトリガーされる。PHRは、現在活性化状態であるセルのうち経路損失参照の役目をしているセル(すなわちpath loss referenceの役目をしているセル)の経路損失が所定の基準値以上に変更されるか、またはPHRを伝送した後、所定の期間が経過すれば、トリガーされる。任意のサービングセルAが任意のサービングセルBに対して経路損失参照の役目をするというのは、サービングセルBの逆方向伝送時に逆方向伝送出力を決定するにあたってサービングセルAの経路損失を参照するということを意味する。したがって、サービングセルAとサービングセルBが同一の場合、各セルの順方向チャネルの経路損失を利用して逆方向伝送出力を決定することができる。また、必要に応じてサービングセルAとサービングセルBが互いに異なる場合、互いの順方向チャネルの経路損失を利用して逆方向伝送出力を決定することもできる。この場合、基地局は、RRCシグナリングを利用して経路損失参照セルを指示する。端末は、また、数式4、数式5、数式6を使用してP
CMAX2を計算し、P
CMAX2が最近に報告した値に比べて所定の基準以上変更された場合にも、PHRをトリガーする。
【0100】
1010段階で、端末は、逆方向伝送有無を考慮して所定の方式でサービングセル別にPHを計算する。すなわち端末は、現在活性化状態のセルに対するPHを計算する。この際、端末は、任意のサービングセルで実際逆方向伝送があるか否かによってPHを計算する。実際逆方向伝送があるサービングセルに対して、端末は、〈PH計算方法1〉を使用し、実際逆方向伝送がないサービングセルに対して、端末は〈PH計算方法2〉を使用する。〈PH計算方法1〉及び〈PH計算方法2〉は、次の通りである。
【0101】
〈PH計算方法1〉
PH=Real P
CMAX、c-Real PUSCH power
【0102】
Real P
CMAX、cは、実際MAC PDUが伝送される状況で数式1、数式2、数式3を利用して決定されるサービングセルcの最大伝送出力である。数式3は、P−MPR
Cが考慮されるように数式7のように変更されることもできる。
【0103】
数式7
P
CMAX_L、c=MIN{P
EMAX、c−P-MPR
c−T
C、c、P
CMAX_H、c−MPR
c−A-MPR
c−T
C、c}
【0104】
Real PUSCH powerは、所定の伝送品質を満たしながらMAC PDUを伝送するために必要な伝送出力である。そして、Serving cell cでi番目のsubframeのPUSCH powerは資源ブロックの数M
PUSCH、c(i)、MCSから誘導されるpoweroffset Δ
TF、c、経路損失PL
c、そしてTPC命令の累積値であるf
c(i)によって数式8のように計算される。
【0106】
数式8で、PL
cは、サービングセルcに対して経路損失を提供するように設定されているセルの経路損失である。すなわちPL
cは、任意のサービングセルの逆方向伝送出力決定に使用される経路損失は、当該セルの順方向チャネルの経路損失であるか、あるいは異なるセルの順方向チャネルの経路損失である。これらのうちどんな経路損失を使用するかは、呼設定過程で基地局が選択して端末に通知する。
【0107】
数式8で、f
c(i)は、サービングセルcの伝送出力調整命令(Transmission Power Control)の累積値である。P
O_PUSCH、Cは、上位階層でパラメータとして、cell−specific及びUE−specific値の和よりなる。α
cは、上位階層で提供される3−bit cell−specific値であって、逆方向伝送出力計算時経路損失に適用する加重値である。すなわちα
cが高いほど経路損失が逆方向伝送出力にさらに多い影響を及ぼす。
【0108】
〈PH計算方法2〉
PH=Reference P
CMAX、c−Reference PUSCH power
【0109】
Reference P
CMAX、cは、逆方向伝送が進行されないセルでの最大伝送出力である。実際、逆方向伝送が行われないので、最大伝送出力は現実的な意味を有しないが、PH計算のための用途に使用される。Reference P
CMAX、cは、P−MPR
c、T
C、c、MPR
c、A−MPR
cをすべて0に設定した場合に、数式1、数式2、数式7を適用して得られる値である。パラメータをすべて0に設定する理由は、Reference P
CMAX、cの値を基地局が把握することができる値になるようにして、P
CMAX、cを別に報告しないためである。言い換えれば、パラメータのうち1つを0ではない他の任意の値を使用すれば、基地局がPH計算に使用されたP
CMAX、cを把握できないので、P
CMAX、cを別に報告しなければならない。しかし、実際逆方向伝送が起きないサービングセルに対するPHでは、正確なP
CMAX、cを判断することができない。これより、実際逆方向伝送がないサービングセルに対しては、パラメータがすべて0に設定され、不正確な情報を別途に報告することによって発生する非効率を除去する。
【0110】
Reference PUSCH powerは、1個の伝送資源ブロックをlowest MCSでスケジューリングされた場合を仮定して数式8を適用することによって算出される。言い替えれば、数式8で、Reference PUSCH powerであるM
PUSCH、c(i)は、1、Δ
TF、cは、最も低い値である0に置換されたもの、すなわち下記の数式9を使用して算出される。
【0112】
端末は、〈PH計算方法1〉と〈PH計算方法2〉を使用して現在活性化状態であるサービングセルのPHを計算した後、1015段階に進行する。
【0113】
1015段階で、端末は、現在活性化状態であり、逆方向サービングセルが1つであるか、または1つ以上であるかを検査する。逆方向サービングセルというのは、サービングセルのうち逆方向が設定されているサービングセルを意味する。端末は、活性化状態である逆方向サービングセルが1つなら1020段階に、1つ以上なら1025段階に進行する。
【0114】
1020段階に進行した端末は、
図9の参照符号905で示したもののようなフォーマットのPHRを生成する。PHRには、現在活性化状態であるサービングセルのPHが収納され、P
CMAX、cフィールドには、P
CMAX2が収納される。これは、活性化状態である逆方向サービングセルが1つである場合、P
CMAX2とP
CMAX、cが同一なので、端末は、P
CMAX2を別途に報告する必要がないからである。したがって、端末は、現在活性化状態である逆方向サービングセルが1つしかない場合には、P
CMAX2を報告しないものと見なすこともできる。
【0115】
1025段階に進行した端末は、
図9の参照符号910で示したもののようなフォーマットのPHRを生成する。すなわちPHRの一番目のバイトでは、当該PHRにどんなサービングセルのPH情報が収納されているか指示される。そして、一番目のバイトの最後のビットは、P
CMAX2フィールドの存在可否を指示する用途に使用される。端末は、P
CMAX2が所定の基準以上に変更され、PHRがトリガーされたら、PHRにP
CMAX2を収納し、最後のビットを1に設定する。次に、端末は、現在活性化状態である逆方向サービングセル別にPHを収納する。そして、PHがPH計算方法1によって計算されたら(すなわちreal P
CMAX、cとreal PUSCH powerによって計算されたら、あるいは当該サービングセルに実際逆方向伝送があったら)、端末は、P
CMAX、cも一緒に報告する。または、PHがPH計算方法2によって計算されたら(すなわちreference P
CMAX、cとreference PUSCH powerによって計算されたら、あるいは当該サービングセルに実際逆方向伝送がなければ)、端末は、P
CMAX、cを報告しない。
【0116】
端末は、最後のバイトにP
CMAX2を収納する。あるいはP
CMAX2を収納する代わりに、P
CMAX2で端末が活性化状態である逆方向サービングセルで使用している逆方向伝送出力のトータル和を減算した値を収納することもできる。
【0117】
1030段階で、端末は、生成されたPHRをMAC PDUに収納した後、基地局に伝送する。
【0118】
第2実施形態の端末装置は、制御部と多重化及び逆多重化装置の動作を除いて、第1実施形態の端末装置と同一である。
【0119】
第2実施形態で、制御部は、PHRのトリガー可否を判断し、PHRがトリガーされた場合、活性化状態のサービングセルに対するPH、P
CMAX、c、P
CMAX2を計算し、PHRを生成し、多重化及び逆多重化装置に伝達する動作を行う。そして、第2実施形態で多重化及び逆多重化装置は、制御部が伝達したPHRをMAC PDUに多重化した後、送受信装置に伝達する。
【0120】
本発明によれば、移動通信システムの端末において多重キャリアを通じて逆方向伝送が行われる場合、必要伝送出力を最大限維持しながら、他の周波数バンドあるいは他のセルに対する干渉を最小化するように効率的に逆方向伝送出力を決定することができる。
【0121】
一方、本発明の詳細な説明では、具体的な実施形態について説明したが、本発明の範囲を逸脱しない限度内で様々な変形が可能であることは勿論である。したがって、本発明の範囲は、説明された実施形態に限定されず、後述する特許請求の範囲だけでなく、この特許請求の範囲と均等なものなどによって定められなければならない。