特許第5989010号(P5989010)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5989010容器、特に化粧製品用容器、及びその製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5989010
(24)【登録日】2016年8月19日
(45)【発行日】2016年9月7日
(54)【発明の名称】容器、特に化粧製品用容器、及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 53/00 20060101AFI20160825BHJP
   A45D 33/00 20060101ALI20160825BHJP
   B65D 51/32 20060101ALI20160825BHJP
【FI】
   B65D53/00 Z
   A45D33/00 640
   B65D51/32 Z
【請求項の数】13
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2013-557089(P2013-557089)
(86)(22)【出願日】2012年3月8日
(65)【公表番号】特表2014-511317(P2014-511317A)
(43)【公表日】2014年5月15日
(86)【国際出願番号】EP2012053957
(87)【国際公開番号】WO2012120066
(87)【国際公開日】20120913
【審査請求日】2015年1月30日
(31)【優先権主張番号】1100696
(32)【優先日】2011年3月8日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】513223921
【氏名又は名称】アルベア サービス
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100085279
【弁理士】
【氏名又は名称】西元 勝一
(72)【発明者】
【氏名】セガン フランク
(72)【発明者】
【氏名】バレストリーニ ティエリ
(72)【発明者】
【氏名】ロンドー ニコラ
(72)【発明者】
【氏名】ラモス ビクトール
(72)【発明者】
【氏名】レネ レミー
【審査官】 藤井 眞吾
(56)【参考文献】
【文献】 独国実用新案第29804388(DE,U1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 53/00
A45D 33/00
B65D 51/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧製品(5)用容器などの容器(1)であって、
基部(10)と、
前記基部(10)上に閉じるように配置されている蓋(20)と、
前記基部(10)と前記蓋(20)との間に配置されている変形可能なパッド(30)と、を備え、
前記パッド(30)が、包囲空間(35)を形成する外殻(33)およびシール(40)を備えるとともに、前記包囲空間(35)内に含まれる流体(36)をも備え、
前記シール(40)は、変形可能な弾力性ある材料から形成され、
前記包囲空間(35)は、漏れ防止性を有し、且つ前記パッド(30)、前記蓋(20)が前記基部(10)上に閉じている場合、前記シール(40)によって前記基部(10)に負荷を加えるように配置されていることを特徴とする容器(1)。
【請求項2】
前記流体(36)が、大気圧に等しいか又は大気圧よりも大きい圧力にある、請求項1に記載の容器(1)。
【請求項3】
前記シール(40)が、熱可塑性エラストマー、スチレンエチレンブタジエンスチレン(SEBS)、又はシリコーンで作製される、請求項1又は請求項2に記載の容器(1)。
【請求項4】
前記外殻(33)が、上方部分(32)、及び前記上方部分(32)に結合されている下方部分(34)を備え、前記シール(40)が、前記外殻(33)の前記上方部分(32)又は前記下方部分(34)に固定された、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の容器(1)。
【請求項5】
前記外殻(33)が、上方部分(32)、及び前記上方部分(32)に結合されている下方部分(34)を備え、前記上方部分(32)及び前記下方部分(34)が、前記下方部分(34)を前記上方部分(32)に結合するために、中央ハブ(32c)と、及び前記中央ハブ(32c)と協働するように適合されている相補的なシャフト(34c)とを備える、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の容器(1)。
【請求項6】
前記蓋(20)と前記パッド(30)の前記上方部分(32)との間、又は前記パッドの前記上方部分(32)と前記パッドの前記下方部分(34)との間にスイベルジョイント(R)を更に備える、請求項5に記載の容器(1)。
【請求項7】
前記基部が、内壁(12a)を含む口部(12)を備え、前記シール(40)が、前記外殻(33)の周囲に配置され、前記口部(12)の内面に前記負荷を加える、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の容器(1)。
【請求項8】
前記口部(12)の前記内壁(12a)が、肩部(12c)として成形される、請求項7に記載の容器(1)。
【請求項9】
前記基部が、上方縁(12b)を含む口部(12)を備え、前記シール(40)が、前記外殻(33)の下方面上に配置され、前記口部(12)の前記上方縁(12b)に前記負荷を加える、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の容器(1)。
【請求項10】
前記パッド(30)が、プレート(34a)、及び前記プレート(34a)の周囲に沿って延び、前記シール(40)を収容する目的で、横切る通路(34f)によって前記プレート(34a)から分離されているボーダ(34e)から成る下方部分(34)を備える、請求項9に記載の容器(1)。
【請求項11】
前記シール(40)が、オメガ型の溝(40a)として形成され、前記シール(40)の腕部(40a’)が、前記ボーダ(34e)および前記プレート(34a)にそれぞれ固定され、一方、前記基部(40a”)が前記口部(12)の前記上方縁(12b)に向かって延在して、肩部を形成する、請求項10に記載の容器(1)。
【請求項12】
前記シール(40)が、前記シール(40)から半径方向外側に延在し、前記容器(1)と直径の封止をもたらすように、前記上方縁(12b)と側面の接触をするように適合されている弾力性のある唇部(40b)を更に備える、請求項11に記載の容器(1)。
【請求項13】
請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の容器(1)の製造方法であって、
容器(1)の基部(10)及び蓋(20)を用意するステップと、
パッド(30)を製造するステップと、
前記パッド(30)を前記蓋(20)に固定するステップと、
前記蓋(20)を前記基部(10)に固定するステップと
を含み、
前記パッド(30)が外殻(33)を備え、前記外殻(33)が、上方部分(32)、下方部分(34)、及びシール(40)を備え、
封止された包囲空間(35)内に流体(36)を含むように、前記上方部分(32)を前記下方部分(34)および前記シール(40)に組み立てるステップを更に含むとともに、
前記シール(40)が、前記外殻(33)の前記上方部分(32)又は前記下方部分(34)にオーバーモールドされ、又は前記上方部分(32)と前記下方部分(34)と共にデュアル射出される、
製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体的に、蓋が上に配置されており、特にクリーム、パウダーなどの化粧製品である製品を包含するように適合されている基部を備える容器、およびそれらの封止システムに関する。
【0002】
本発明は、化粧用途に関して限定しない方法で以下に説明することになる。しかしながら、本発明は、塗料のポット、お茶の缶など、蓋を備え付け、良好な封止を必要とするあらゆる容器にもまた応用可能であることを理解されよう。
【背景技術】
【0003】
従来の化粧製品用容器は、一般に、ねじ式の閉鎖システムを有し、容器は、蓋をその基部にねじで取り付けることによって閉鎖可能である。ねじで取り付けることによって、蓋の基部への圧力を確実に均一にするので、蓋の保持および封止を保証する。
【0004】
化粧製品の分野では、容器は、何百ミリバールの圧力変動にもかかわらず、最少の漏れ抵抗を保証することが可能でなければならず、その目的は、例えば、使用者の浴室内、または飛行中の航空機の貨物室内での運搬中など、あらゆる環境で製品の開封、または漏れの全ての危険性を避けることである。化粧製品用容器の漏れ抵抗を決定するために定期的に実施されるテストは、例えば、容器を液体(通常は色付きの水またはグリセリン)で充填すること、および真空のベルジャー内でその容器を上下逆に置く(言い換えれば、蓋を下にして、基部を上にする)こと、または吸収性のある白い紙の上にその側部を置くことを含む。次いで、圧力が約200ミリバールから250ミリバールに達するまで、圧力は毎分0.1バール、または75mmHg刻みに下げられる。その目的は、そのような圧力で、液体が少なくとも10秒間の間まったく漏れないことを確認することである。
【0005】
したがって、容器の閉鎖の漏れ抵抗が、蓋と容器との間に配置されるシールによって改善されることが、提案されてきた。
【0006】
しかし、化粧製品の容器の漏れ抵抗は、蓋が容器の基部に連節され、掛金型閉鎖部材によって閉鎖位置に保持されている場合、達成することがより困難である。この容器閉鎖システムが、従来のねじ式システムよりも使用するのがより簡単で、より快適であると考える使用者によって、市場で次第に需要が多くなっている。しかし、特に容器の基部上の蓋によって加えられる圧力が低減されるので、ねじ式システムに比較してそのシステムは、漏れ抵抗がより少ない。
【0007】
この不都合を改善するために、米国特許出願公開第2010/0096411号は、例えば、蓋と容器との間にリングシールを追加して、蓋と容器との間の漏れ抵抗を増加させるようにすることを提案した。しかし、このシステムの漏れ抵抗を上述の真空テストに準拠させるためには、シールおよびシールが作製される材料の寸法、ならびに閉鎖システムもまた、シールを閉鎖位置に強く押圧するように選択されるので、使用者が容器を開け、および/または閉じるために必要な労力が増加することになる。
【0008】
したがって、容器の漏れ抵抗と使用の容易さとの間で適切に妥協をすることが必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許出願公開第2010/0096411号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明の1つの目的は、蓋を備え、その閉鎖システムが、様々な環境で特に真空ベルジャー内で実施される漏れ抵抗テストに準拠する漏れ抵抗を有するが、使用者が開け又は閉じることがそれ程困難ではない容器、特にクリームまたはパウダーコンパクトを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
このために、本発明は、化粧製品用容器などの容器を提案し、その容器は、
基部と、
基部上に閉じるように配置されている蓋と、
基部と蓋との間に配置されている変形可能なパッドと
を備え、
パッドが、封止された包囲空間を形成する外殻、およびシール、ならびに外殻内に含まれる流体を更に備え、パッドが、蓋が基部上に閉じている場合、シールによって基部に負荷を加えるように配置されている。
【0012】
限定的ではないが、いくつかの好適な容器の態様は以下の通りである。
【0013】
流体は大気圧下である。
【0014】
流体は空気である。
【0015】
シールは、変形可能な弾力性のある材料、特に、加硫処理されたTPB、またはTPUウレタン(ショア硬度ショアA85未満)などの熱可塑性エラストマー、スチレンエチレンブタジエンスチレン(SEBS)、シリコーンTPU、ショア硬度ショアA85を有するTPVから作製される。
【0016】
パッドは固定され、その結果、パッドは蓋と一体である。
【0017】
外殻は、上方部分、および上方部分に結合されている下方部分を備える。
【0018】
上方部分および上方部分は、ポリプロピレンまたはスチレンエチレンブタジエンスチレン(SEBS)型プラスチック材料から成る。
【0019】
シールは、外殻の上方部分および下方部分にオーバーモールド(overmould)され、あるいは上方部分と下方部分と共にデュアル射出(dual−infected)される。
【0020】
上方部分および下方部分が、下方部分を上方部分に結合するために、中央ハブ、および中央ハブと協働するように適合されている相補的なシャフトを備える。
【0021】
その容器は、蓋とパッドの上方部分との間、またはパッドの上方部分とパッドの下方部分との間にスイベルジョイントを更に備える。
【0022】
基部が、内壁を含む口部を備え、シールが、外殻の周囲に配置され、口部の内面に負荷を加える。
【0023】
口部の内壁が、肩部として成形される。
【0024】
基部が、上方縁を含む口部を備え、シールが、外殻の下方面上に配置され、口部の上方縁に負荷を加える。
【0025】
パッドが、プレート、およびプレートの周囲に沿って延び、シールを収容する目的で、横切る通路によってプレートから分離されているボーダから成る下方部分を備える。
【0026】
シールが、オメガ型の溝(omega channel)として形成され、シールの腕部が、ボーダおよびプレートにそれぞれ固定され、一方、基部が口部の上方縁に向かって延在して、肩部を形成する。
【0027】
シールは、シールから半径方向外側に延在し、容器と直径の封止をもたらすように、上方縁と側面の接触をするように適合されている弾力性のある唇部(lip)を更に備える。
【0028】
パッドは、蓋の内側に配置されている。
【0029】
基部が口部を備え、蓋が基部に連節され、その結果、蓋が、蓋が基部に対して枢動することができる開放位置と、蓋が基部の口部上に押圧される閉鎖位置との間で移動可能である。
【0030】
容器は、閉鎖位置で基部の口部と接触する蓋を保持するように適合されている閉鎖システムを更に備える。
【0031】
蓋は、基部の口部の外面に配置されているねじと協働するように適合されているねじを備え付ける内面を備える。
【0032】
第2の態様によれば、本発明は、本発明による容器の製造方法を提示し、該方法は以下のステップ、
容器の基部および蓋を用意するステップと、
パッドを製造するステップと、
パッドを蓋に固定するステップと、
蓋を基部に固定するステップと
を含むことを特徴とする。
【0033】
その方法の限定的ではないが、いくつかの好適な態様は、以下の通りである。
【0034】
外殻が、上方部分、下方部分、およびシールを備え、その方法が、封止された包囲空間内に流体を含むように、上方部分を下方部分およびシールに組み立てるステップを更に含む。
【0035】
上方部分および下方部分は、レーザ溶接、超音波溶接、熱板溶接によって、または接着剤で取り付けること(glueing)によって、組み立てられる。
【0036】
その方法は、外殻の下方部分、または上方部分のどちらかにシールをオーバーモールドするステップ、またはデュアル射出するステップを更に含む。
【0037】
本発明の他の特徴、目的および利点が、限定しない実施例として提供する、添付の図面を参照して、以下の詳細な説明を読めば明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】本発明による容器の第1の実施形態の分解図である。
図2図1に示す実施形態の側面図である。
図3a図1に示す実施形態の横断面である。
図3b図3aの変形形態の図である。
図4a図1に示す実施形態で使用可能なパッドの第1の構成要素の立面図である。
図4b図1に示す実施形態で使用可能なパッドの第2の構成要素の立面図である。
図4c】シールを備え付ける図4bに示す第2の構成要素の立面図である。
図4d図4cに示す第2の構成要素の横断面図である。
図5】本発明による容器の第2の実施形態の分解図である。
図6図5に示す実施形態の側面図である。
図7a図5に示す実施形態の横断面である。
図7b図7aの変形形態である。
図8a図5に示す実施形態で使用可能なパッドの第1の構成要素の正面図である。
図8b図5に示す実施形態で使用可能なパッドの第1の構成要素の断面である。
図8c図5に示す実施形態で使用可能な、シールを備え付けるパッドの第2の構成要素の正面図である。
図8d図5に示す実施形態で使用可能な、シールを備え付けるパッドの第2の構成要素の断面である。
図9】本発明による容器内で使用するように適合されている塗布具用筐体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
次に、本発明による容器1を添付の図面を参照して以下に説明する。以下の説明では、容器1は、クリーム用容器などの化粧製品5向けの容器である。しかし、これは限定的ではない。
【0040】
図面に示すように、容器1は、基部10、および基部10の口部12を閉じるように適合されている蓋20を備える。
【0041】
蓋20は、ヒンジ22によって基部10上に連節され得る。容器が閉じている場合、蓋20を基部10上に押し下げた状態に保持するために、前記容器は、押しボタンまたは留め金などの閉鎖システム24を更に備えることができる。
【0042】
変形形態では(図示せず)、蓋20を基部10にねじで留めることができ、したがって、蓋20は、基部の口部12の外面の相補的なねじ山と協働するように適合されている内面上のねじ山を有する。
【0043】
容器1は、蓋20と基部10との間に配置されているパッド30を更に備える。ここで、パッド30は蓋20と一体であり、その結果、使用者が蓋20を基部10から分離することによって容器1を開けるとき、パッド30は口部12を解除し、その内容物5を自由に利用することができる。
【0044】
この実施形態には、パッド30が、基部10の口部12に対して、および蓋20に対して適切に配置されることを保証するという利点がある。
【0045】
しかし、このことは限定的ではない。基部10の口部12に取り外し可能に嵌合されるかまたは連節され、あるいは基部10にも蓋20にも結合されていない、可動式パッド30を使用することができる。容器1が使用される場合、パッド30は、内容物5を利用するために容易に取り外される。
【0046】
通常の使用状態下(浴室内のように大気圧で(約101,325Pa、すなわち約1バール))、または「非常に厳しい」状態下(真空ベルジャー内での漏れ抵抗テスト中、または飛行中の航空機の貨物室内で)のいずれであっても、パッド30の機能は、前記容器が閉じているとき、言い換えれば、蓋20が基部10上で閉じられているとき、(ねじで締めることよって、または押し下げることによって)容器1を封止することである。
【0047】
このために、容器1は、蓋に隣接する上方部分32、及び基部に隣接する下方部分34から成り、流体36を含み閉鎖され封止された包囲空間35を形成するように、上方部分32上のシール40と組み立てられた外殻33を備える。ここで、流体36は、周囲の空気であるが、水、ジェル、シリコーン、またはその組合せなどに置き換えることができる。
【0048】
加えて、シール40もまた、容器1が閉じている場合、容器1の外部環境とその内容物5との間のシールを生成するように適合されている。
【0049】
最後に、外殻33およびシール40の構成材料、寸法および形状、ならびに流体36もまた、変形可能なパッド30を得るように選択される。したがって、容器1が閉じている間、蓋20および基部10は互いに接近し、封止された包囲空間35の変形によって、流体36に力を加え、次いで、流体自体がシール40に力を加え、基部10の口部12に対してシール40を圧縮する。
【0050】
好ましい実施形態によれば、通常の使用状態では、包囲空間35内の流体36は大気圧である。このようにして、真空ベルジャー内での漏れ抵抗テスト中に、包囲空間35内の流体と周囲環境(ベルジャー下で)との間の圧力差が、パッド30によって生成される封止を強化する。これは、圧力差が流体の圧力を低下させ、それによって包囲空間35の内部体積が増加し、したがってシール40によって基部10に追加の圧力を加え、容器1が、基部10上に蓋20を閉じるための手段(ねじ、またはヒンジおよび押しボタン)によって閉じた状態に維持されるからである。
【0051】
したがって、シール40と組み合わせて包囲空間35内の流体36を使用することによって、非常に厳しい状態下の使用で、言い換えれば低圧で(飛行中の航空機の貨物室内、または真空ベルジャー内での漏れ抵抗テスト中)、容器1の漏れ抵抗が著しく増加することが可能になるが、大気圧での通常の使用状態で(浴室内など)、取扱いがより困難になるということはない。このようにして、使用者による容器1の取扱い(開放、または閉鎖)は変化せず、特に、通常の使用状態で容器1を閉じ、開けるために必要な労力を増加することによってより困難になることはないが、それでもやはり、漏れ抵抗に関して、容器を配達する者の要求を満たすことができる。真空ベルジャー内の圧力差自体が、周囲環境の圧力が低いことによって必要とされる、開放、閉鎖および漏れに対する抵抗を追加することに貢献する。
【0052】
次いで、図1から図4(添付)を参照して、容器1の第1の実施形態を説明する。
【0053】
図面からわかるように、基部10は、特に以下の要素、基部10の底部に隣接し、全体的に審美的役割を有する下方ケーシング14を含むことができ、下方ケーシング14内にはカップ18を収容するように適合されているライニング16が配置されている。
【0054】
ここで、下方ケーシング14は、四角い多角形の横断面を有する。しかし、下方ケーシング14が、全体的に審美的な役割、および基部10の他の構成要素用容器としての役割を有する限り、このことは限定的ではない。
【0055】
添付の図面では、ライニング16が、カップ18を受けるように配置されている筐体16aを備え、カップ18は、その口部に下方ケーシング14の口部に概ね相補的である形状のプラットフォーム16bを有し、その結果、プラットフォーム16bは、下方ケーシング14内の位置に、圧入によって、スナップ嵌めによって、および/または溶着によって挿入され、保持され得る。ここで、カップ18および筐体16aは円柱形であり、その結果、筐体16aの外側円柱壁と下方ケーシング14の多角形内壁との間に空間50が存在する。一実施形態によると、この空間50は、特に、塗布具55を収容するために使用可能である。
【0056】
カップ18は、例えば、クリームまたはパウダーなど、化粧製品5を受けることを目的としている。カップ18は、審美的機能を有し、および/または開放していることを証明する役割を果たすことができる保護カバーで覆われることも可能である。
【0057】
図1から図4に示す実施形態では、容器1が閉じている間、シール40が負荷を加える基部10の口部12が、事実上カップ18の口部に相当する。この口部12は、特に内壁12aを含む。
【0058】
蓋20は、典型的には、下方ケーシング14の断面と同様の断面を有する上方部分26、およびパッド30を受けるように適合されている下方部分28を更に備える。ここで、蓋20の上方部分26が、基部10から離れて最も遠い位置にあるのに対して、下方部分28は、パッド30に隣接し、基部10の側部上にある。
【0059】
蓋20の下方部分28は、圧入によって、スナップ嵌めによって、または溶着によって、例えば、蓋20の上方部分26内に挿入されるプレートであることができ、パッド30との確実な結合手段28aを備える。
【0060】
最後に、パッド30は、ここで、シール40による封止方法で組み立てられる2つの部品32、34で作製される。
【0061】
図4bに示すように、パッド30の上方部分32は、典型的には6つのスポーク32dであるスポーク32dによって、中央ハブ32cに結合されている縁部32bから成る。縁部32b、ハブ32c、およびスポーク32dは、加えて、プレート32aの下方面に固定されており、プレート32aの形状は、好適には、基部10の口部12、ここではカップ18の口部の内壁12aの形状に相当して、容器1の漏れ抵抗を改善するようになる。
【0062】
プレート32aは、蓋20の下方部分28と確実な結合を含む上方面を更に備える。
【0063】
したがって、次に、パッド30は、略円形形状を備えるが、カップ18の形状に応じて多角形または何らかの他の形状であってもよい。
【0064】
図4aに示すように、パッド30の下方部分34は、上方プレート32の形状および寸法と同様の形状および寸法を含むプレート34aを備え、典型的には4つのスポーク34dであるスポーク34dによって、上方部分のハブ32cに相補的である中央シャフト34cに結合されている縁部34bが、プレート34aの一方の面の上方に延在する。好適には、縁部34bは、プレート34aの周囲全体にわたって延在するボーダ34eを残すように、プレート34aの縁部から離れて配置されている。
【0065】
ボーダ34eは、シール40を受ける目的のものである。
【0066】
好ましい実施形態によると、シール40は、ボーダ34eの幅の全体または部分上に直接オーバーモールドされる。ここで、シール40は略L字型であり、L字型の基部はボーダ34e上にオーバーモールドされ、L字型の本体は、ボーダ34eに実質的に垂直に延在し、その結果、シール40はボーダ34eの縁部に隣接している。次いで、下方部分34は、ボーダ34eの長さに沿って連続的に、または非連続的に延びるリブ34fを更に備えることができ、パッド30の下方部分34上にシール40が保持されることを改善するために、ボーダ34e上にシール40のL字型の基部がオーバーモールドされる。
【0067】
変形形態では、シールは接着剤で取り付けることによって下方部分34に固定される。シールはまた、射出成形、または押出成形され、次いで上方部分上に直接組み立てられ(レーザ溶接、超音波溶接、または熱板溶接によって)、あるいは上方部分32と共にデュアル射出され得る。
【0068】
次いで、パッド30は、ハブ32cおよびシャフト34cと共に嵌合によって組み立てられ、その結果、上方部分32のプレート32aは、シール40と接触するようになる。ここで、プレート32aは、シール40のL字型本体の空き部分と実際に接触する。
【0069】
有利なことに、上方部分32、下方部分34、およびシール40は、例えば、レーザ溶接、超音波溶接、または熱板溶接によって、封止される方法で一体に固定され、封止された包囲空間35を形成するようになる。
【0070】
したがって、この実施形態では、封止された包囲空間35は、縁部32bとシール40との間に延在する環状空気室の形態を有する。
【0071】
流体36が周囲空気である場合、周囲空気は、組み立て中にパッド30の2つの部分32と34との間に容易に閉じ込められるので、大気圧である。この流体に、ガス、液体、ジェル、またはその組合せが含まれていても、圧縮された流体36を2つのプレート32と34との間に挿入することがもちろん可能である。加えて、外殻33の周囲に沿って延びるシール40が、カップ18の口部12の内壁12a上に半径方向に(言い換えれば、容器の内側から容器の外側に向かって)圧力を加えるために配置されるように、パッド30が蓋20の下方部分28に対して配置される。したがって、図2および図3に示す実施例では、パッド30は、下方部分28に対して突出している。しかし、容器1が閉じているとき、蓋20が口部12に対して十分に深いので、口部12および基部10の外壁を覆う場合、パッド30は、蓋20内部に配置可能であり、蓋を超えて突出することはできない。
【0072】
今まさに説明した実施形態は限定的ではないことはもちろん、本発明は、パッド30のハブが下方部分34のプレートから延在し、シャフトが上方部分32の縁部の中心に配置され、および/またはシール40がパッド30の上方部分32に固定され(下方部分34にではなく)、および/またはシール40が、上方部分32および下方部分34を組み立てた後にパッド30に固定されるなどのパッド30を更に包含するが、これらの実施形態は完全に等価物であるということを理解されよう。
【0073】
更に、この実施形態では、特に容器1が使用者によって最初に開封される後、容器1の開放および閉鎖の封止が容器1内部の空気の存在によって更に改善される。このことは、非常に厳しい使用状態で、容器1の中(化粧製品5とパッド30との間)に含まれる大気圧の空気が膨張し、結果的にパッド30の下方部分34上に圧力を加えることによるものである。したがって、パッド30の下方部分34上へのこの圧力が、封止された包囲空間35内部の流体36によってシール40上に加えられる負荷を増加させ、シール40と口部12の内壁12aとの間の接触を更に改善することにつながる。
【0074】
加えて、容器1の封止を改善するために、カップ18の口部12の内壁12aは、肩部12cとして成形され得る。したがって、蓋20が容器1の基部10上に閉じている間、シール40は、肩部12cの内壁12aにしっかりと押圧される。シール40は、その後変形し、肩部12cとの接触点で丸くなり、その結果、シール40の第1の部分が肩部12cの水平な基部12c’に対して着座して、第1の封止を生成する一方、シール40の第2の部分が肩部12cの垂直な部分12c”に対して着座して、第2の封止を生成する。
【0075】
この実施形態は、シール40の寸法上の要求を減少させることもできる。これは、シール40が内壁12aの肩部12cに対して変形している間、シール40に加えられる通常の、および半径方向の力によって封止が保証され、それによって、シール40が肩部12cの垂直部分に対してその周囲全体にわたってしっかりと押圧されるからである。したがって、必要とされる寸法の正確さはより少なくなる一方、同時にシール40の周囲全体にわたって接触を保証する。
【0076】
逆に、内壁12aがまっすぐで、肩部を備えない口部12の場合、半径方向の力のみがシール40に加えられ、その結果、この単一の接触が封止を保証することになる場合、シールは、より顕著な寸法上の均整を含まなければならない。この寸法の正確さは、内壁12aがまっすぐな場合、シール40のL字型の垂直部分がまっすぐであるので、なおさら重要である。したがって、変形形態は、特に図4cおよび図4dに示すように、L字型区域を含まないが、U字型区域(図示せず)を含むシール40を使用することから成り、U字型の基部は口部12の内壁12aの方に向いており、一方、U字型の腕部はパッド30の下方部分34に実質的に平行に延在する。このようにして、シール40の寸法および形状の欠陥にもかかわらず、より均一な接触が、U字型シール40と内壁12aとの間に口部12の周囲全体にわたって保証される。
【0077】
容器1の第2の実施形態によると、添付の図5図8、並びに図10及び図11に示すように、シール40は、外殻33の下方部分34の下方面から延在する。
【0078】
ここで再び、容器1の基部10は、第1の実施形態と実質的に同一の下方ケーシング14、ライニング16、およびカップ18を備える。
【0079】
更に、容器1が閉じている間、シール40もまたその上に負荷を加える基部10の口部12が、特に上方縁12bを含むカップ18の口部に相当する。
【0080】
蓋20が、下方ケーシング14の上方部分に類似している上方部分26、およびパッド30を受けるように適合されている下方部分28も更に備える。
【0081】
最後に、パッド30は、シールによって封止される方法で組み立てられる2つの部品に作製される。ここで、パッド30の形状および寸法は、基部10の口部12の形状および寸法、より具体的には、カップ18の口部12の上方縁12bに実質的に相当する。したがって、パッド30は再び略円形形状を有するが、カップ18の形状に応じて多角形または別の形状であることもできる。
【0082】
図8aに示すように、パッド30の上方部分32は、プレート32aによって形成され、プレート32aの上面は、蓋20の下方部分28との確実な結合手段28a、例えば、スナップ嵌め式手段などを備える。プレート32aは、確実な結合手段28aから半径方向に延在し、強化する役割を有する複数のスポーク32dを更に備えることもできる。
【0083】
パッド30の下方部分34は、プレート34aを備え、プレート34aの形状および寸法は、上方プレート32aの形状および寸法に類似している。
【0084】
下方部分34は、プレート34aの周囲に沿って延び、シール40を収容する目的で、横切る通路34fによってプレート34aから分離されているボーダ34eを更に備える。
【0085】
シール40は、例えば、下方プレート34aの通路34f内にオーバーモールドされることができ、下方面に対して直角に延在する。変形形態として、シールは下方部分34と共にデュアル射出されることも可能である。図8cおよび図8dに示す実施形態によると、シール40は、図7図8図10、および図11に示すように、全体に丸みを帯びることができる基部40”、ならびに基部40”から延在し、2つの突出部内でその自由先端部で終了する腕部40a’を備えるオメガ型の溝40aとして形成される。ここで、基部40aは、着座位置では(言い換えれば、蓋20が容器1上に閉じていない場合)、半円形状を有する。しかし、これは限定的ではない。加えて、溝(channel)の各突出部は、ボーダ34e、またはプレートにそれぞれ固定されるように構成されており、一方、その基部40a”は、容器の基部10の方に延在する。
【0086】
オメガ型の溝40aとして形成されたシール40は、シール40の半径方向先端部から容器1の外側に向かって半径方向に延在する弾力性のある唇部40bを更に所望により備えてもよい。この唇部40bは、容器の直径の封止を提供するために、容器と側面で接触するように作製されている(図10および図11参照)。
【0087】
このことのために、例えば、唇部40bは、環状形状を有し、溝(channel)40aの周囲全体または周囲の部分にわたって、オメガ型の溝40aの外部腕部40a’の突出部から、またはその近傍の領域から、カップ18に向かって延在することができ、溝40と共に単一の部品として作製可能であり、または溝40に取り付け可能である。唇部40bは、例えば図11からわかるように、反曲点を更に備えることができて、容器1に対して加えられる負荷を一段と強め、したがって、その間の封止を改善することができる。
【0088】
次いで、カップ18の口部12の内壁12aは、容器1の漏れ抵抗を更に改善するために、肩部12cの形状を有することができる。
【0089】
したがって、蓋20が容器1の基部10上に閉じている間、シール40の唇部40bは、肩部12cの内壁12aに対してしっかりと押圧され、それに加えられる圧力の影響下で変形する。このようにして、第1の実施形態と同様の方法で、シール40の第1の部分(すなわち、オメガ型の溝40aの基部40a”)は、肩部12cの水平の基部12c’上に着座し、第1のシールを生成し、一方、シール40の第2の部分(唇部40b)は、肩部12cの垂直の基部12c”上に半径方向に着座し、第2のシールを生成する。
【0090】
次いで、シール40に隣接しているプレート34aの外側縁部、および/またはボーダ34eの内側縁部は、シール40がその上にオーバーモールドされ、連続的または非連続的に延在する肩部34gをそれぞれ備えることができ、パッド30を下方部分34上に保持することを改善するようになる。肩部34gは、シール40の下方部分34上への強さを更に改善するように適合されている通路(channel)34fを所望により備えてもよい。
【0091】
変形形態として、シール40は、下方部分34に接着剤で取り付けられ、あるいはレーザ溶接、または超音波溶接されることが可能である。
【0092】
第2の変形形態(図面に図示せず)によると、下方部分34、ボーダ34e、およびシール40(唇部40bを含む、または含まない)は一体であり、例えば、スチレンエチレンブタジエンスチレン(SEBS)を射出成形することによって単一の部品に作製される。
【0093】
第3の変形形態(図面に図示せず)によると、シール40は、上方部分32上に直接オーバーモールドされ、またはその間にデュアル射出され、流体を閉じ込める。この変形形態では、したがって、パッド30は下方部分を備えない。
【0094】
次いで、パッド30は、例えば、レーザ溶接、超音波溶接、熱板溶接によって、封止される方法でプレート32aとプレート32bを一体に固定することによって組み立てられて、シール40によって封止された包囲空間35を形成するようになる。
【0095】
この実施形態では、封止された包囲空間35は環状形状を有し、その壁がシール40に相当し、シール40に隣接する上方壁32aの部分に相当する。
【0096】
再び、流体36は、組み立て中に外殻33の2つの部分32と34との間に閉じ込められた空気、または2つのプレート間の圧力下で挿入される流体(ガス、液体、ジェル、またはその組合せ)である。
【0097】
加えて、好適には、パッド30は、シール40がカップ18の口部12の上方縁12bに負荷を加えるように、蓋20の下方プレート28に配置される。したがって、パッド30は、蓋20から突出せずに、蓋20の内部に配置可能である。
【0098】
このために、蓋20の下方部分28は、パッド30を受けるように適合されている、例えば、筐体29を備えることができる。このようにして、本発明によって、パッド30を使用することにより、容器1内に占める空間を増加させることはない。したがって、容器1内に含むことができる化粧製品の体積はより大きくなる。
【0099】
加えて、図7に示すように、上方縁は平坦であり、容器1が閉じている場合、下方部分34に実質的に平行に延在することができる。
【0100】
この実施形態では、しかし、シール40の寸法の正確さは、シール40と口部12との間の接触が単一である限り(口部12の上方縁12bによってシール40上に加えられる通常の負荷のみ)、図3に示す実施形態よりも顕著でなければならない。したがって、シール40は、シール40が上方縁12bの全周囲上に実質的に均一に着座することを保証するために、その形状および寸法が十分に規則正しくなければならない。
【0101】
上述の両実施形態では、パッド30の上方部分32および下方部分34は、剛体のポリプロピレン型プラスチック材料で作製可能であり、一方、シール40は、変形可能な弾力性のある材料、例えば、加硫処理された熱可塑性エラストマー(TPV)、ショア硬度ショアA85未満を有する熱可塑性ウレタン(TPU)、SEBS、シリコーンなどから作製される。
【0102】
加えて、シール40によって口部12に加えられる圧力は、口部12が内壁12aを含むか(図1から図4を参照して、第1の実施形態のように)、または上方縁12bを含むか(図5から図8を参照して、第2の実施形態のように)のいずれの場合でも、蓋20の下方部分28とパッド30との間、および/またはパッド30の上方部分32と下方部分34との間のスイベルジョイントRを使用することによって均一にすることができる。このスイベルジョイントRによって、寸法の相違、または製造工程による相違を補償することができる。
【0103】
例えば、添付の図3aおよび図7aに示すように、中央ハブ32cおよび中央シャフト34cが、軸方向の遊び(ハブ32cおよびシャフト34cの軸に平行な方向に)、および半径方向の遊び(ハブ32cおよびシャフト34cの軸を横断して)を有することができ、スイベルジョイントとして作用し、下方部分34が、並進し、上方部分に対して中央ハブ32cの周りに枢動することを可能にする。
【0104】
変形形態では、図3bおよび図7bに示すように、パッド30の上方部分32と確実な結合手段28aとの間の結合は、スイベルジョイントであってよく、上方部分32が蓋20の下方部分28に対して枢動運動することを可能にする。
【0105】
約62mmの直径を有する口部12に対して、プレート32aおよびプレート32bは、例えば、一体に嵌合され、第1の実施形態に対しては約15mmのシール40、および第2の実施形態に対しては約6mmのシール40を備え付ける場合の高さに対して約60mmの直径を有することができる。
【0106】
容器1は、製品塗布具55を受けるように配置されている筐体60を更に備えることができる。この種の筐体60は、例えば、図5図7、および図9に見ることができる。
【0107】
この筐体60は、特に、下方ケーシング14の内面とライニング16の外面との間に生成される空間50内に配置可能である。
【0108】
ここで、塗布具55は、スプーンの形状を取り、平坦なまたは人間工学的形状であり得るハンドル56を有し、ハンドル56の先端部に、カップ18内の化粧製品5のある量を入れるように配置されている平面または中空部分57が延在している。加えて、スプーンは曲げられ、中空部分57とハンドル56との間に、例えば、90°以上、典型的には約120°の角度を有する。
【0109】
筐体60は、筐体60の底部64に弾力性のある方法で嵌合されている舌部62を備え、その結果、着座位置では、舌部62は筐体60の底部64から離れて移動する。
【0110】
図9からわかるように、底部64は、下方ケーシング14の側壁に実質的に平行である。
【0111】
使用中に、使用者が容器1を再び閉じるとき、使用者は、塗布具55を筐体60内に、下方に中空部分57内に、前記中空部分が弾力性のある舌部62に対して停止位置に達するまで挿入する。次いで、筐体60および塗布具55の寸法は、塗布具55のハンドル56が、筐体60の外側に突出し、したがって、基部10の口部12に対して突出するようになっている。次いで、蓋20が基部10上に閉じている場合、蓋20(およびパッド30を付着することができる場所)は、このときハンドル57の自由先端部上に着座し、舌部62を弾力的にその底部64に向かって付勢することによって、筐体60内に塗布具55を押し込む。
【0112】
塗布具55の挿入は、筐体60の底部で湾曲し、塗布具55の曲がった形状に適合する湾曲した面66を用いることによって、促進され得る。加えて、筐体の上方面68は、例えば、ライニング16の外面に相補的であることができ、例えば、入れ子状に重ねること、接着剤で取り付けることなどによってライニング16の外面に固定され得る。
【0113】
この実施形態は、特に、基部10上に連節されている蓋20を備え付ける容器に適しており、パッドによる封止手段を使用することに限定しないが、筐体60を受けることができる空間を有するあらゆる容器に適用することができる。
図1
図2
図3a
図3b
図4a
図4b
図4c
図4d
図5
図6
図7a
図7b
図8a
図8b
図8c
図8d
図9
図10
図11