(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
  基板上に形成され、第1の絶縁膜に配線が埋め込まれた配線層と第2の絶縁膜にコンタクト又はビアが埋め込まれたコンタクト層を、繰り返し積層して形成された多層ローカル配線層と、
  平面視において、前記基板内に設けられたメモリ回路領域に形成され、前記多層ローカル配線層内に埋め込まれているメモリ素子を有するメモリセル領域と、
  平面視において、前記基板内の前記メモリ回路領域とは異なる領域に形成されたロジック回路領域と、を備え、
  前記ロジック回路領域を構成する配線を有するローカル配線層の層数をMとし、前記メモリセル領域を構成する前記ローカル配線層の層数をNとしたとき(MおよびNは自然数であって、M>N)、
  (M−N)層の前記多層ローカル配線層にわたって、前記メモリ素子が形成されており、
  さらに、
  前記多層ローカル配線層の厚さ方向において、前記メモリ素子よりも下に位置する第1絶縁膜と、
  前記第1絶縁膜に形成され、前記メモリ回路領域に位置するビット線と、
  前記第1絶縁膜に形成され、前記ロジック回路領域に位置する第1配線と、
を備え、
  前記多層ローカル配線層は、
    第2絶縁膜と、
    前記第2絶縁膜に形成され、前記ロジック回路領域に位置する第2配線と、
    前記メモリ素子に接続し、かつ前記メモリ素子を覆う導電性部材と、
を備え、
  前記多層ローカル配線層の厚さ方向において、前記メモリ素子の上端は、前記第2絶縁膜の下面と上面との間に位置し、
  前記多層ローカル配線層の厚さ方向において、前記メモリ素子の下端は、前記第2絶縁膜の下面よりも下に位置し、
  前記第2配線の上面は、前記第2絶縁膜の上面から露出し、
  前記第2配線の下面は、前記第2絶縁膜の下面よりも上に位置しており、
  前記導電性部材の上面は、前記第2絶縁膜の上面から露出している半導体装置。
  Nが4であり、前記メモリセル領域を構成するローカル配線が、前記ビット線、上部電極ライン、ゲート吊り配線およびグローバルビット線であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の半導体装置。
  前記メモリ回路領域のセミグローバル配線及びグローバル配線の層数と、前記ロジック回路領域のセミグローバル配線及びグローバル配線の層数が同じであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の半導体装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
  上述のメモリ回路とロジック回路とを有する半導体装置(混載DRAM)においては、微細化が進んでもほぼ一定のセルキャパシタ容量を必要とするので、微細化が進むほど、キャパシタ高さを高くする必要がある。
  しかしながら、メモリ回路のキャパシタ高さが高くなると、ロジック回路のコンタクト抵抗がキャパシタ高さに応じて高くなり、ロジック回路の性能が低下することがあった。
  また、特許文献1に記載の技術においては、メモリ回路領域におけるメタル配線のピッチは、ゲート配線よりも密ピッチで形成されている。このような構造は、メモリ回路領域の微細化を妨げることになる。そのため、特許文献1に記載の技術は、例えば混載DRAMのように、メモリ回路領域の高密度化が求められるような半導体装置に適用するのが困難であった。
 
【課題を解決するための手段】
【0007】
  本発明によれば、
  基板上に形成され、第1の絶縁膜に配線が埋め込まれた配線層と第2の絶縁膜にコンタクト又はビアが埋め込まれたコンタクト層を、繰り返し積層して形成された多層ローカル配線層と、
  平面視において、前記基板内に設けられたメモリ回路領域に形成され、前記多層ローカル配線層内に埋め込まれているメモリ素子を有するメモリセル領域と、
  平面視において、前記基板内の前記メモリ回路領域とは異なる領域に形成されたロジック回路領域と、を備え、
  前記ロジック回路領域を構成する配線を有するローカル配線層の層数をMとし、前記メモリセル領域を構成する前記ローカル配線層の層数をNとしたとき(MおよびNは自然数であって、M>N)、
  (M−N)層のあるいは(M−N+1)層の前記多層ローカル配線層にわたって、前記メモリ素子が形成されていることを特徴とする、半導体装置が提供される。
【0008】
  また、本発明によれば、
  基板上に形成され、第1の絶縁膜に配線が埋め込まれた配線層と第2の絶縁膜にコンタクト又はビアが埋め込まれたコンタクト層を、繰り返し積層して形成された多層ローカル配線層を備え、
  平面視において、前記基板内に設けられメモリセル領域と入出力回路領域とを有しており、前記多層ローカル配線層内に埋め込まれているメモリ素子を有するメモリ回路領域と、
  平面視において、前記基板内の前記メモリ回路領域とは異なる領域に形成されたロジック回路領域と、を備え、
  前記ロジック回路領域を構成する配線を有するローカル配線層の層数をMとし、前記メモリセル領域を構成する前記ローカル配線層の層数をNとしたとき(MおよびNは自然数であって、M>N)、
  (M−N+1)層の前記多層ローカル配線層にわたって、前記メモリ素子が形成されていることを特徴とする、半導体装置が提供される。
【0009】
  また、本発明によれば、
  基板上に形成され、配線および絶縁層により構成された配線層が複数積層された多層ローカル配線層と、
  平面視において、前記基板内に設けられたメモリ回路領域に形成され、前記多層ローカル配線層内に埋め込まれているメモリ素子を有するメモリセル領域と、
  平面視において、前記メモリ回路領域に形成され、前記メモリ素子を制御する周辺回路と、
  平面視において、前記基板内の前記メモリ回路領域とは異なる領域であるロジック回路領域に形成され、トランジスタを有するロジック回路と、を備える半導体装置の製造方法であって、
  前記ロジック回路領域を構成するローカル配線層の層数をMとし、前記メモリセル領域を構成する前記ローカル配線層の層数をNとしたとき(MおよびNは自然数であって、M>N)、
  前記メモリ回路領域のみに、ローカル配線であるビット線を形成する工程と、
  前記ロジック回路領域に、(M−N+1)層のローカル配線層を形成する工程と、
  前記メモリ回路領域おいて、(M−N+1)層のローカル配線層にわたって前記メモリ素子を形成する工程と、
  前記ローカル配線層上および前記メモリ素子上に、残りのローカル配線層をさらに形成する工程と、を備える、半導体装置の製造方法が提供される。
【0010】
  また、本発明によれば、
  基板上に形成され、配線および絶縁層により構成された配線層が複数積層された多層ローカル配線層と、
  平面視において、前記基板内に設けられたメモリ回路領域に形成され、前記多層ローカル配線層内に埋め込まれているメモリ素子を有するメモリセル領域と、
  平面視において、前記メモリ回路領域に形成され、前記メモリ素子を制御する周辺回路と、
  平面視において、前記基板内の前記メモリ回路領域とは異なる領域であるロジック回路領域に形成され、トランジスタを有するロジック回路と、を備える半導体装置の製造方法であって、
  前記ロジック回路領域を構成するローカル配線層の層数をMとし、前記メモリセル領域を構成する前記ローカル配線層の層数をNとしたとき(MおよびNは自然数であって、M>N)、
  前記メモリ回路領域および前記ロジック回路領域に、第1のローカル配線層を形成する工程と、
  前記ロジック回路領域に、(M−N)層のローカル配線層を形成する工程と、
  前記メモリ回路領域おいて、(M−N)層のローカル配線層にわたって前記メモリ素子を形成する工程と、
  前記ローカル配線層上および前記メモリ素子上に、残りのローカル配線層をさらに形成する工程と、を備える、半導体装置の製造方法が提供される。
【0011】
  通常、ロジック回路を形成するために必要なローカル配線層数は、メモリ回路を形成するために必要なローカル配線層数より大きい。
  そこで、本発明においては、ロジック回路のローカル配線層の層数Mを、全体のローカル配線層数の上限値としている場合に、ロジック回路の配線層の層数Mから、メモリ回路のローカル配線層の層数Nを除いた(M−N)層あるいは(M−N+1)層のスペース(配線層の積層方向のスペース)を最大限に利用して、容量素子の高さを高くしている。このため、メモリ回路を微細化したとしても、ロジック回路の配線層の構造を変更しなくても、メモリ回路の容量素子の高さを高くすることができる。したがって、本発明においては、ロジック回路のコンタクトの抵抗の増加を抑制しつつ、メモリ回路のキャパシタ容量を最大限に高めることができる。
 
【発明の効果】
【0012】
  本発明によれば、ロジック回路のコンタクト抵抗の増加を抑制しつつ、メモリ回路のキャパシタ容量を最大限に高めることが実現される半導体装置の構造およびその製造方法が提供される。
 
 
【発明を実施するための形態】
【0014】
  以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
 
【0015】
(第1の実施の形態)
  
図1は、本実施の形態における半導体装置を模式的に示す上面図である。
図3は、本実施の形態における半導体装置のメモリ回路領域を模式的に示す上面図である。また、
図2、
図4および
図5は、それぞれ
図3中のA−A'断面方向、B−B'断面方向、C−C'断面方向から見たときの、本実施の形態における半導体装置の構成を示す断面図である。
 
【0016】
  本実施の形態の半導体装置は、基板(シリコン基板101)上に形成され、配線および絶縁層により構成された配線層が複数積層された多層ローカル配線層と、平面視において、シリコン基板101内に設けられたメモリ回路領域200に形成され、多層ローカル配線層内に埋め込まれているメモリ素子(容量素子150)を有するメモリセル領域202と、平面視において、メモリ回路領域200に形成され、容量素子150を制御する周辺回路204(入出力回路領域)と、平面視において、シリコン基板101内のメモリ回路領域200とは異なる領域であるロジック回路領域206に形成され、トランジスタを有するロジック回路と、を備え、ロジック回路を構成するローカル配線を有するローカル配線層の層数をMとし、メモリ回路を構成するローカル配線を有するローカル配線層の層数をNとしたとき(MおよびNは自然数であって、M>N)、(M−N)層あるいは(M−N+1)層のローカル配線層にわたって、容量素子150が設けられている。
 
【0017】
  本実施の形態においては、ロジック回路のローカル配線層の層数Mにメモリ回路領域200のビット線1層を加えた数を、全体のローカル配線層数の上限値としている。このため、ロジック回路の配線層を必要最低限の数にした場合における層数Mとメモリ回路領域のビット線を有するローカル配線層の1層を加えたM+1から、メモリセル領域202のローカル配線層の層数Nを除いた(M−N+1)層のスペースを、容量素子150用のスペースに利用できる。このため、(M−N+1)層の配線層分という最大値まで、容量素子150の高さを高くすることができる。このため、メモリ回路を微細化したとしても、ロジック回路のコンタクト高さを高くせずに、メモリセル領域202の容量素子150の高さを高くすることができる。したがって、本実施の形態においては、ロジック回路のコンタクトの抵抗の増加を抑制しつつ、メモリセル領域202のキャパシタ容量を最大限に高めることができる。ここで、(M−N+1)層のスペースを利用する場合とは、メモリ回路領域200のキャパシタ容量より下側に、ロジック回路領域206に使われる配線材料とは異なる材料でビット線を形成する場合である。
 
【0018】
  ここで、本明細書で記載する配線層においては、その層内の離れた領域間に電流を流すためあるいは電位を伝えるための導電性の細長い構造体が(少なくとも1つは)存在し、層間絶縁膜を介して下層もしくは上層(あるいは両方)に導電性領域が設けられ、その構造体が異なる下層の導電体間あるいは異なる上層の導電体間あるいは下層と上層の導電体間を(層間膜中に形成されたコンタクトを介して)結ぶ機能を有しているものである。下層あるいは上層に形成された導電性領域は、例えば、ソースドレイン(シリサイド)領域、ゲート電極層、下層の配線層、上層の配線層、ボンディング領域などである。ゲート電極層(その表面のシリサイド層あるいはジャーマナイド層を含む)や、基板半導体表面に形成した表面のシリサイド層(あるいはジャーマナイド層)、基板半導体表面に形成された低抵抗層などは上記の定義に即したものになることはあるが、本発明の思想を的確に表現するため、本明細書では配線と呼ぶ対象から除外する。したがって、ゲート電極層(ゲート絶縁膜を介して半導体チャネルに接している層)に加え、半導体基板表面や半導体ゲート電極表面をシリサイド化(あるいはジャーマナイド化)した層、コンタクト(但し、デュアルダマシンのように配線層とコンタクト層が一体として形成される場合には、配線層が含まれるのでその層は当然配線層となる)、ボンディングパッドのようなものが形成された層などは、本明細書で配線層と記載している対象には含まれない。
 
【0019】
  図1に示すように、本実施の形態の半導体装置は、メモリセル領域202を含むメモリ回路領域200と半導体素子が形成されるロジック回路領域206とが混載された構成を有する。ロジック回路領域206は、メモリ回路領域200中のメモリ素子(メモリセル領域202)の周辺回路204ではなく、メモリ回路領域200とは異なる領域に形成されたものである。たとえば、ロジック領域は、CPU(Central  Processing  Unit)等の高速ロジック回路が形成された領域とすることができる。
  また、本実施の形態の半導体装置は、メモリ回路領域200とロジック回路領域206とが混載された半導体基板(シリコン基板101)上に、不図示のSRAM領域を有してもよい。
 
【0020】
  また、ロジック回路を構成する配線が形成された配線層の層数については、6層〜13層とすることができる。たとえば、CPU等の高速ロジック回路においては、配線層の層数は、8層〜13層とすることができる。これらの配線層の層数からセミグローバル配線およびグローバル配線の層数を引いた値が、ロジック回路領域206のローカル配線層の層数Mとなる。
 
【0021】
  一方、メモリセル領域202を構成する配線が形成された配線層の層数としては、例えば、3層〜7層とすることができる。この範囲の配線層の層数であれば、メモリセル領域202は、記憶すべき情報を記憶できる。また、DRAMの動作スピードや容量によって、この配線層の層数(N)は、決定される。これらの配線層の層数からセミグローバル配線およびグローバル配線の層数を引いた値が、メモリセル領域202のローカル配線層の層数Nとなる。
  なお、本実施の形態においては、メモリセル領域202だけに形成されたローカル配線(ビット線)が存在している。このため、メモリ回路領域200とロジック回路領域206を合わせたローカル配線層の層数はM+1になる。
 
【0022】
  本実施の形態のロジック回路領域206においては、ローカル配線5層、セミグローバル配線1層、グローバル配線2層で構成される多層配線層を用いた例について説明する。この多層配線層を構成する各配線層や配線の厚さは特に限定されない。一部または全部の配線層の各配線層や配線の厚さが同じでもよく、下層から上層に向かって配線層の各配線層や配線の厚さが厚くなってもよい。また、メモリ回路領域200には、ロジック回路領域206とは異なる材料で形成されたローカル配線(ビット線)が存在するので、ロジック回路領域206とメモリ回路領域200を合わせた配線層数は9層になる。
 
【0023】
  まず、本実施の形態に係るロジック回路領域206の構造について
図2を用いて説明する。
  シリコン基板101上に、半導体素子(トランジスタ)が設けられており、このトランジスタ間は、素子分離領域103で分離されている。このトランジスタは、シリコン基板101上に設けられたゲート絶縁膜152およびゲート電極102と、ゲート電極102の両側のシリコン基板101の表層近傍に設けられた拡散層108とで構成されている。拡散層108は、ソースドレインとして機能する。また、ゲート電極102の側壁上にはサイドウォール153が設けられている。また、トランジスタ上には、エッチングストッパ膜151、第1コンタクト絶縁層104および第2コンタクト絶縁層105が設けられている。
 
【0024】
  また、第1コンタクト絶縁層104および第2コンタクト絶縁層105中には、それぞれ第1コンタクト106および第2コンタクト107が設けられている。これらのコンタクトは、たとえばタングステン(W)で構成されている。また、第1コンタクト106は、拡散層108と接続している。そして、第1コンタクト106と接触する拡散層108の表層近傍には、シリサイド層109が設けられている。
 
【0025】
  また、第2コンタクト絶縁層105上には、ローカル配線層が5層設けられている。すなわち、ローカル配線層は、第1配線111および第1ローカル配線絶縁層112、第2配線113および第2ローカル配線絶縁層114、第3配線115および第3ローカル配線絶縁層116、第4配線117および第4ローカル配線絶縁層118、第5配線119および第5ローカル配線絶縁層120で構成される。また、各配線層の間には、エッチングストッパ膜110が設けられている。
 
【0026】
  また、第5ローカル配線絶縁層120上には、セミグローバル配線層、グローバル配線層が設けられている。セミグローバル配線層は、第6配線121およびセミグローバル配線絶縁層122で構成される。また、グローバル配線層は、第1グローバル配線絶縁層124および第2グローバル配線絶縁層125および、これらの絶縁層にわたって設けられたグローバル配線123で構成されている。また、各配線層の間には、エッチングストッパ膜126が設けられている。
 
【0027】
  ここで、多層配線層は、ローカル配線層とローカル配線層上に形成されたグローバル配線層とを備える。
  ローカル配線層とは、最も半導体基板(シリコン基板101)に近い配線の最小ピッチ(ライン状部分のピッチ)と同程度(大きくても1.1倍まで)の最小ピッチの配線を少なくとも一つは有する配線層のことである。このローカル配線層を構成するローカル配線の配線幅は、通常は、最長100μm程度となる。各領域(例えば、メモリ回路領域200、あるいはロジック回路領域206)におけるローカル配線は、その領域の、最も半導体基板に近い配線の最小ピッチを基に定義され、チップ上の異なる領域の設計ルールが違う場合には、ローカル配線の幅は、領域ごとに違った値になることになる。
  また、多層ローカル配線層は、第1の絶縁膜に配線が埋め込まれた配線層と第2の絶縁膜にコンタクト又はビアが埋め込まれたコンタクト層を、繰り返し積層して形成されている。
 
【0028】
  メモリ回路領域200に位置するローカル配線層には、メモリセル領域202を構成する各種素子を相互に接続してメモリセル領域202を構成する配線(ローカル配線)が形成され、かつメモリ回路領域200に位置するローカル配線層の各配線層には、容量素子150およびメモリセル領域202を構成する配線(ローカル配線)の少なくとも一方が設けられている。
  一方、ロジック回路領域206に位置するローカル配線層には、ロジック回路を構成する各種素子を相互に接続してロジック回路を構成する配線が形成され、かつロジック回路領域206に位置するローカル配線層の各配線層には、ロジック回路を構成する配線(ローカル配線)が設けられている。
  このようなローカル配線は、メモリ回路領域200内でのみ延在するか、またはロジック回路領域206内で延在する。
  また、グローバル配線層には、メモリセル領域202およびロジック回路に電力を供給する電源ライン(グローバル配線123、第6配線121)が形成されている。グローバル配線層中のグローバル配線(セミグローバル配線を含む)は、メモリ素子群で構成される第1機能ブロックやトランジスタ群で構成される第2機能ブロック等の機能ブロック同士を接続する。たとえば、本実施の形態においては、グローバル配線は、メモリセル領域202とロジック回路領域206とを接続している。これらの配線は、配線幅が太くかつ配線膜厚が厚い金属配線となる。
 
【0029】
  一方、本実施の形態に係るメモリセル領域202の構造について
図2を用いて、詳細に説明する。
図2に示すメモリセル領域202の断面構造は、
図3のA−A'断面に対応している。
 
【0030】
  図2に示すように、メモリ回路領域200においては、ローカル配線層の各層には、容量素子150およびメモリセル領域202を構成する配線のいずれか一方が設けられている。一方、ロジック回路領域206においては、ローカル配線層の各層には、ロジック回路を構成する配線が設けられている。言い換えると、平面視におけるローカル配線層においては、メモリセル領域202では、容量素子150またはメモリセル領域202を構成するローカル配線が存在し、一方、ロジック回路領域206では、ロジック回路領域206を構成するローカル配線が必ず存在する。
 
【0031】
  また、メモリ回路領域200における多層配線層中の絶縁層は、ロジック回路領域206と同様に、第1ローカル配線絶縁層112、第2ローカル配線絶縁層114、・・・第2グローバル配線絶縁層125の8層で構成されている。一方、メモリ回路領域200における多層配線層中の配線層のうち3つを、ロジック回路領域206と同様に、電源配線としてグローバル配線123および第6配線121(セミグローバル配線)に割り当てる。また、ローカル配線層のうち2つを、ゲート吊り配線117'(図示せず)およびグローバルビット線119'に割り当てる。そして、残り3つのローカル配線層については、容量素子150を3層にわたって埋め込むために用いる配線層に割り当てている。
 
【0032】
  以下、メモリセル領域202を構成する各配線ついて説明する。
  本実施の形態においては、メモリセル領域202上に配置が必要なローカル配線数として、たとえば最少3つとすることができる。一つはビット線130であり、もう一つはゲート吊り配線117'であり、さらにもう一つがグローバルビット線119'である。
 
【0033】
[ゲート吊り配線117'について]
  
図3に示すように、シリコン基板101上には、拡散層140、ワード線141(=選択トランジスタ)、ビット線142、ビットコンタクト143、容量コンタクト144が設けられている。
図3には示していないが、拡散層140の間には、素子分離領域が設けられている。また、容量コンタクト144の上部の絶縁層中にメモリ素子が設けられている。
 
【0034】
  次いで、
図3に示すように、ワード線141としては、選択トランジスタのゲート電極を用いている。現在のSiトランジスタのゲート電極は、n型不純物を高濃度に含む多結晶シリコン層とシリサイド層の積層構造で形成されていることが多い。このようなゲート電極は、金属膜に較べて抵抗が高い。そのため、通常使われる大容量メモリにおいては、ワード線141に沿って電圧降下が生じることがある。
 
【0035】
  そこで、本実施の形態においては、ワード線141と同じピッチかつ低い電気抵抗を有する金属配線層を、適切な間隔でゲート電極とコンタクトを介して接続するように配置している。このように、電気抵抗が低い金属配線により、ワード線141となるゲート電極を電気的に接続することができる。このため、上述の電圧降下を抑制することができる。本願明細書では、このような金属配線層を、ゲート吊り(Word  shunt)配線と称する。
図3に示すように、ゲート吊り配線145は、ワード線141の直上に配置されている。
 
【0036】
  また、
図4および
図5に示すように、ゲート吊り配線117'はワード線102'(選択トランジスタのゲート電極)直上に設けられている。ゲート吊り配線117'とワード線102'はセルブロックの端など、適切な間隔で接続される。このゲート吊り配線117'は、
図3のゲート吊り配線145に相当し、ワード線102'は、
図3のワード線141に相当する。
 
【0037】
[グローバルビット線119'について]
  また、
図4および
図5に示すように、DRAM(容量素子150)上の第5の配線層に、グローバルビット線119'が設けられている。
  ここで、DRAMの1ビットは、1Tr(トランジスタ)、1キャパシタで構成されている。このDRAMは、Trをオンオフするワード線とDRAMにデータを出し入れするビット線とに接続されている。そして、グローバルビット線119'は、センスアンプの信号をIOバスに出力するためなどに用いられる。
 
【0038】
  このようなゲート吊り配線117'およびグローバルビット線119'などの配線は、必要な電流密度が小さく、かつ密ピッチで配置する必要がある。そのため、これらの配線は、いずれもローカル配線で構成することができる。ローカル配線は、高集積化のために概ね最小設計ルールで形成されるメタル配線である。また、ローカル配線は、最長100μm程度で形成される。ローカル配線は、多層配線の比較的下層に配置されることが多い。
 
【0039】
  次に、本実施の形態の半導体装置の製造方法について説明する。
  この半導体装置の製造方法は、基板(シリコン基板101)上に形成され、配線および絶縁層により構成された配線層が複数積層された多層ローカル配線層と、平面視において、シリコン基板101内に設けられたメモリ回路領域200に形成され、多層配線層内に埋め込まれているメモリ素子(容量素子150)を有するメモリセル領域202と、平面視において、メモリ回路領域200に形成され、容量素子150を制御する周辺回路204と、平面視において、シリコン基板101のうちメモリ回路領域200とは異なる領域であるロジック回路領域206に形成され、トランジスタを有するロジック回路と、を備える半導体装置の製造方法であって、
  ロジック回路を構成するローカル配線層の層数をMとし、メモリセル領域202を構成するローカル配線層の層数をNとしたとき(MおよびNは自然数であって、M>N)、メモリ回路領域200のみに、ローカル配線であるビット線130を形成する工程と、ロジック回路領域206に、(M−N+1)層のローカル配線を形成する工程と、メモリ回路領域200において、(M−N+1)層のローカル配線層にわたって容量素子150を形成する工程と、該ローカル配線層上および容量素子150上に、残りの(N−1)層のローカル配線層をさらに形成する工程と、を備える。
 
【0040】
  まず、トランジスタ等の素子を形成した半導体基板(シリコン基板101)上に、第1コンタクト絶縁層104および接続孔を形成し、この接続孔を埋め込むように、コンタクト(第1コンタクト106、第1容量コンタクト106'、ビットコンタクト106'')を形成する。続いて、コンタクト(第2コンタクト107、第2容量コンタクト107')を形成した後、ビット線130を形成する。そして、これらを埋め込むように第2コンタクト絶縁層105を形成し、この絶縁層をCMP(Chemical  Mechanical  Polishing)により平坦化する。
 
【0041】
  たとえば、絶縁層としては、シリコン酸化膜などの絶縁性を有する膜であればよく、単層または多層でもよい。また、絶縁層としては、シリコン酸化膜(比誘電率3.9〜4.0程度)よりも比誘電率の低い多孔質絶縁膜を用いてもよい。多孔質絶縁膜としては、例えば、シリコン酸化膜を多孔化して、比誘電率を小さくしたポーラスシリカ材料や、HSQ(ハイドロゲンシルセスキオキサン(Hydrogen  Silsesquioxane))膜、もしくはSiOCH、SiOC(例えば、Black  Diamond
TM、Aurora
TM)などを多孔化して、比誘電率を小さくした材料などがある。
 
【0042】
  本実施の形態において、金属配線材およびコンタクトプラグ材とは、主にCuを主成分とすることができる。金属配線材の信頼性を向上させるため、Cu以外の金属元素がCuからなる部材に含まれていても良く、Cu以外の金属元素がCuの上面や側面などに形成されていても良い。また一部の実施の形態においては、第1コンタクト絶縁層104および第2コンタクト絶縁層105中のコンタクトプラグ材は主にタングステン(W)を主成分とすることができる。
  また、ビット線130の材料が、タングステン、アルミニウム、チタン、窒化チタン、タンタル、窒化タンタルから選ばれる材料を主成分とすることができる。
  ここで、本実施の形態では、コンタクトおよびビット線130として、たとえばタングステン(W)を用いる。
 
【0043】
  続いて、ロジック回路領域206における(M−N+1)層の配線層を形成する。
 
【0044】
  第2コンタクト絶縁層105上に、シリコン窒化膜(エッチングストッパ膜110)およびシリコン酸化膜(第1ローカル配線絶縁層112)を形成する。引き続き、マスクとしてシリコン酸化膜を形成する。リソグラフィとドライエッチングを用いたいわゆるデュアルダマシン方法によって、配線(第1配線111)用の開口部を形成する。このとき開口部の一部は、下層の配線またはコンタクトに電気的に接続するためのビアホールを含んでいる。これらの開口部にスパッタリング法によってバリアメタル膜を堆積し、引き続いて銅めっきのシード層となる銅を堆積する。さらにめっき法によって銅を埋め込む。この銅にはアルミニウムや銀などの金属の添加物を含んでいてもよい。この第1配線111用の開口部にバリアメタル膜と銅が残るように余分なバリアメタル膜と銅をCMPなどの手法を用いて除去し、第1配線111を形成する。この工程中に上記シリコン酸化膜(マスク)は除去され、第1ローカル配線絶縁層112上には残らない。その後、第1ローカル配線絶縁層112上にエッチングストッパ膜110を形成する。以上の工程により、第1の配線層が形成される。
 
【0045】
  バリアメタル膜とは、配線あるいはコンタクトプラグを構成する金属元素が層間絶縁膜や下層へ拡散することを防止するために、配線の側面および底面を被覆する、銅の拡散に対してバリアとなる性質を有する導電性膜を示す。例えば、配線がCuを主成分とする金属元素からなる場合には、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)、炭窒化タングステン(WCN)、ルテニウム(Ru)のような高融点金属やその窒化物等、またはそれらの積層膜が使用される。またタングステンを主成分に用いるコンタクトプラグのバリアメタルにも前記の金属膜が用いられる。
 
【0046】
  また、配線としては、Al、AlSi、AlSiCu、AlCu、Cuなどの金属配線で構成することができる。本実施の形態では、配線としては、たとえばCu配線を用いる。
 
【0047】
  第1の配線層を形成した後、第1の配線層の形成方法と同様の工程により、第2の配線層を形成する。ここでは、メモリ回路領域200に容量素子150を形成するため、ロジック回路領域206のみに、第1および第2の配線層の配線を形成する。
 
【0048】
  この後、メモリ回路領域200においては、第3の配線層の絶縁層の一部(たとえば、第3ローカル配線絶縁層116の半分程度の膜厚に相当する)を形成後、第1の配線層から第3の配線層の一部にわたって、容量素子150用のシリンダ形状の開口部を形成する。引き続き、開口部の少なくとも底面上および側壁上に下部電極膜131を成膜する。続いて、開口部内の下部電極膜131をレジストで保護し、エッチバックにより、開口部の底面上および側壁上のみに下部電極膜131を残すように加工する。レジストを除去した後に、この下部電極膜131の表面を覆うように容量絶縁膜132を成膜する。次いで、容量絶縁膜132の内部に沿って上部電極膜133を成膜するとともに、開口部を金属膜134(W)で埋め込む。続いて、CMP法により平坦化処理及び除去を行う。ここで、容量素子150形成プロセスは、たとえば350℃以下で実施することができる。また、成膜方法としては、たとえばCVD法を用いることができる。350℃以下で容量素子150を形成することは、第1の配線層および第2の配線層の信頼性を高めるために望ましい。
 
【0049】
  ここで、容量素子150は、MIM(Metal  Insulator  Metal)構造を有する。容量素子150はシリンダ形状を有する。この容量素子150の平面形状は、円形状、楕円状、矩形形状などとすることができる。また、容量素子150の断面形状は、矩形形状、テーパ形状、樽形状などとすることができる。
 
【0050】
  また、容量素子150は、下部電極膜131、容量絶縁膜132および上部電極膜133から構成される。容量素子150に用いる材料としては、上部電極膜133及び下部電極膜131にはTiあるいはTiN、およびその積層構造が挙げられる。また、容量絶縁膜132としてはZrO
2、Ta
2O
5、HfO
2やこれらにTb、Er、Ybなどのランタノイドを添加した膜などが挙げられる。
 
【0051】
  続いて、第3配線層の絶縁層を追加成膜した後は、ロジック回路領域206においては、第1の配線層の形成方法と同様の工程により、第3配線115および第3ローカル配線絶縁層116から構成される第3の配線層を形成する。この工程において、メモリ回路領域200には、金属膜134を介して上部電極膜133と接続する上部電極ライン115'(プレート線)が形成されている。この上部電極ライン115'は、第3配線115を用いて形成されている。ここで、第3配線層の最終的な膜厚は、メモリ回路領域200とロジック回路領域206とが同じ膜厚になるように調整されている。
 
【0052】
  このように、メモリ回路領域200における(M−N+1)層の配線層にわたって容量素子150を埋め込むことができる。本実施の形態では、3層のローカル配線層わたって、容量素子150が設けられている。
 
【0053】
  また、上部電極ライン115'(プレート線)は、少なくとも2以上の容量素子150を接続するように、容量素子150の直上に形成することができる。また、複数の上部電極ライン115'は、互いに平行(ラインアンドスペース状)に形成することができる。これにより、セル上に設けられ大面積を有するCuをCMPする際、このCuにディッシングが入るのを防止することができる。また、上部電極ライン115'のスペース幅は、シリンダ形状の開口幅よりも小さく設定することができる。これにより、目ずれが起きた場合において、上部電極ライン115'が、容量素子150用の開口部から外れた位置に形成されることを抑制することができる。
 
【0054】
  また、上部電極ライン115'の平面形状は、ストライプ状に代えて、網目状などでもよい。この網目状の網目は、矩形形状でもよいし、円形状でもよい。
 
【0055】
  この後、第1の配線層の形成方法に示す一連の工程を繰り返すことにより、残りの多層ローカル配線層を形成することができる。そして、メモリ回路領域200のセミグローバル配線及びグローバル配線の層数と、ロジック回路領域206のセミグローバル配線及びグローバル配線の層数が同じになるようにする。以上により、本実施の形態の半導体装置が得られる。
 
【0056】
  次に本実施の形態の半導体装置の作用効果について説明する。
  本実施の形態の混載DRAMにおいては、ロジック回路を構成する配線が形成された配線層(ローカル配線層)の層数をMとし、メモリセル領域202を構成する配線が形成された配線層(ローカル配線層)の層数をNとしたとき(M>N)、(M−N+1)層の配線層(1層は、ロジック回路部にはないビット線130が形成されている)にわたって、メモリ素子(容量素子150)が設けられている。この(M−N)層の配線層は、ロジック回路の動作に必要な配線層の厚みから、メモリセル領域202の動作に必要な配線層の厚みを除いた、残りの配線層厚み分の利用可能なスペースに相当する。この残りスペースを最大限に利用して、容量素子150の高さを高くすることができる。このため、メモリ回路を高密度化(微細化)したとしても、ロジック回路のコンタクト高さを高くせずに、メモリセル領域202の容量素子150の高さを高くすることができる。したがって、本実施の形態においては、ロジック回路のコンタクトの寄生抵抗の増加を抑制しつつ、メモリ回路のキャパシタ容量を少なくとも維持させ、さらには最大限に高めることができる。
 
【0057】
  加えて、ロジック回路のコンタクト高さを増加せずに済むので、コンタクト間の寄生容量の増加も抑制できる。コンタクトの寄生抵抗や寄生容量の増加を抑制できるので、ロジック回路の高速化を実現できる。以上により、本実施の形態の混載DRAMにおいては、高速化と高密度化(チップサイズ最小化)との両立を実現することができる。
 
【0058】
  また、平面視におけるローカル配線層においては、メモリセル領域202では、容量素子150またはメモリセル領域202を構成するローカル配線が存在し、一方、ロジック回路領域206では、ロジック回路領域206を構成するローカル配線が必ず存在する。すなわち、ロジック回路の動作に必要な配線が形成されたローカル配線層の膜厚方向のスペースを、メモリ素子用のスペース、またはメモリ回路の動作に必要な最小限のローカル配線が形成されたローカル配線層の膜厚方向のスペースに割りふることができる。このように、ロジック回路のローカル配線層の膜厚方向のスペースを、無駄なくメモリ回路に利用できる。したがって、メモリ回路を設けるために、ロジック回路のローカル配線層の層数を追加する必要がない。これにより、ロジック回路の配線(ビアを含む)やコンタクトなどの寄生抵抗や寄生容量の増加を抑制することができる。
 
【0059】
  また、本実施の形態では、メモリ回路領域のローカル配線層の膜厚方向のスペースは、容量素子150用のスペースに最大限に利用されている。このため、メモリ回路の動作に必要なローカル配線は、最小限の配線数に設計されている。言い換えると、メモリ回路領域のローカル配線層の膜厚方向のスペースにおいては、容量素子150のスペースを除くと、ローカル配線は、ゲート吊り配線とグローバルビット線との2つに止めている。これにより、メモリ回路において、配線として利用するローカル配線層の層数を、できるだけ最小限にすることができる。このため、メモリ回路において、最小設計ルールで形成されるローカル配線層の総厚を薄膜化することができる。したがって、メモリ回路における配線(ビアを含む)などの寄生抵抗や寄生容量の増加を抑制することができる。
 
【0060】
  本実施の形態においては、ロジック回路に必要なローカル配線数とメモリ回路上に配置必要なローカル配線数との間の層間内に容量素子を形成することができる。これにより、最少工程数で、メモリ回路では、ロジック回路と共通のライブラリを使用することが可能となる。また、上述のとおり、寄生抵抗や寄生容量の増加を抑制することができるので、ロジック回路の動作周波数が低下することを抑制することができる。
 
【0061】
  Cu配線層をダマシン方法で形成する場合には、この上部電極ライン115'はCMP時のディッシング抑制の観点から、ストライプ状に複数の容量素子150上部を覆っていることが望ましい。
 
【0062】
  また、本実施の形態においては、上部電極ライン115'(プレート線)が上部電極膜133に金属膜134を介して接続された構造が得られる。この上部電極ライン115'が容量素子150間を接続することにより、容量素子150間の電気抵抗を低減させることができる。
 
【0063】
  たとえば、Nが3または4であり、メモリセル領域202を構成するローカル配線が、ビット線130、上部電極ライン115'、ゲート吊り配線117'およびグローバルビット線119'とすることができる。これらのビット線130、上部電極ライン115'、ゲート吊り配線117'およびグローバルビット線119'は、ロジック回路領域206のローカル配線と同時に形成することができる。
 
【0064】
  また、上述の特許文献2に記載の技術においては、メモリ回路を形成した後に、別途新たに、周辺回路部における最下層のコンタクトから配線層までを形成している。そのため、最下層のコンタクト形成時に、フォーカスずれ等の悪影響を避けるためにパターンを大きくする必要が生じたり、あるいは適正な位置にコンタクトが形成できないことがあった。また、メモリ回路段横に残る金属配線と近傍の周辺回路のコンタクトがショートする危険性があった。さらに、同文献に記載の半導体装置の構造では、メモリ回路のコンタクトや配線と周辺回路のコンタクトや配線とを共通にすることができず、結果として配線層数は増えることがあった。
 
【0065】
  これに対して、本実施の形態においては、メモリ回路、周辺回路およびロジック回路の各配線層を、同時に形成しているので、共通のライブラリを使用することが可能となる。そのため、コンタクト等の位置ズレを抑制できる。これにより、上記ショートを防止することができる。さらには、配線層数の増加を防止することができる。
 
【0066】
(第2の実施の形態)
  
図6および
図7は、第2の実施の形態における半導体装置を示す断面図である。
  
図6に示すように、第2の実施の形態においては、上部電極ラインとして、第3の配線層の第3配線115を使用せずに、第4の配線層の第4配線117の一部を使用する点が第1の実施の形態と異なる。この場合においても、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。また、上部電極ラインを設ける位置が一層分高くなる分、容量素子150の高さを高くできる。したがって、第2の実施の形態においては、容量素子150の容量を第1の実施の形態と比較して増加させることができる。
 
【0067】
  また、本実施の形態の製造工程について、第1の実施の形態と異なる点を説明する。
  まず、第1の配線層から第3の配線層を形成する。この後、第4の配線層を構成する絶縁層の一部を形成し、上述の方法と同様にして、容量素子150用の開口部を形成する。この開口部内に、下部電極膜131、容量絶縁膜132、上部電極膜133および金属膜134を形成する。この金属膜134は、エッチングで加工する。そして、第4の配線層を構成する残りの絶縁層を追加成膜する。
 
【0068】
  図7に示すように、このとき、第4配線層の第4配線117の第3ビア127の下方には、ダミー容量素子(ダミーMIM)が設けられている。また、第4配線層(4Cu)と上部電極を接続する第3ビア127の下部は、シリンダー形状のダミー容量素子と同じ構造を有する。このため、第3ビア127の深さがロジック回路よりも浅くても、第3ビア127が突き抜けることはない。
 
【0069】
(第3の実施の形態)
  
図8は、第3の実施の形態における半導体装置を示す断面図である。
  第3の実施の形態においては、容量素子150はSAC(Self−Align  Contact)構造を有し、かつ第2容量コンタクトが無い点が第1の実施の形態と異なる。
 
【0070】
  第3の実施の形態においては、容量素子150の底部の一部が、底部の下側に向かって凸部状に設けられている。言い換えると、多層配線層の積層方向と平行かつ、容量素子150からシリコン基板101に向かう方向に、容量素子150の底部の一部に、凸部が設けられている。ここでは、たとえば、W配線(ビット線130)/SiNハードマスクの積層構造をリソマスクで開口し、更にSiNのサイドウォールを形成し、W配線をSiNで覆う。そしてシリンダー(開口部)を開口し、更に第2コンタクト絶縁層105(SiO
2)をエッチングする。このとき、SiN膜で守られたW線とはショートさせずに、シリンダー(開口部)は、下のコンタクト(第1容量コンタクト106')に到達する。また、W配線(ビット線130)/SiO
2ハードマスクの積層構造を用いた場合には、第2コンタクト絶縁層105にはSiN膜を用いる。これにより、第2コンタクト絶縁層105(SiN膜)エッチング時におけるSiO
2との選択比によって、ビット線130と第1容量コンタクト106'とのショートを防止できる。
  第1の実施の形態における第2容量コンタクトのスペースを、第3の実施の形態では、容量素子150用のスペースとして利用できる。これにより、第2容量コンタクトが無い状態で、容量素子150は第1容量コンタクト106'を介して拡散層108と接続できる。このため、メモリセル領域202内では、第2コンタクトが不要となる。この場合、ロジック回路の第2コンタクト107をCuで埋め込み、Cu−Plugにすることで、コンタクト抵抗を低減することが可能になる。また、第3の実施の形態では、第1の実施の形態と比較して、凸部状の底部分だけキャパシタ容量を向上させることができる。また、第3の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
 
【0071】
(第4の実施の形態)
  
図9は、第4の実施の形態における半導体装置を示す断面図である。
  第4の実施の形態においては、第1コンタクト絶縁層104と第2コンタクト絶縁層105との間に、ビットコンタクト絶縁層135を設けた点が、第1の実施の形態と異なる。
  本実施の形態では、第1容量コンタクト106'の周囲にビットコンタクト絶縁層135を設ける。また、ビットコンタクト絶縁層135は所定の厚みを有する。これにより、第1容量コンタクト106'とビット線130との形成位置を離すことができる。このため、ビット線130が目ずれて、ビット線130と第1容量コンタクト106'とがショートする可能性をより確実に低減させることができる。また、第4の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
 
【0072】
(第5の実施の形態)
  また、第5の実施の形態においては、メモリ回路領域200のローカル配線であるビット線をロジック回路部(例えば第1配線)の配線材料と同一にすることができる。ビット線の材料は、配線材料と同じ、たとえば、銅とすることができる。
 
【0073】
  図10は、第5の実施の形態における半導体装置を示す断面図である。
図10は、第1の実施の形態の
図4に対応させて示している。ここで、第5の実施の形態では、ローカル配線層は7層とした。
図4のロジック回路領域206と比較すると、第2コンタクトおよび第2コンタクト絶縁層がなく、ビット線130と同時に形成された第1配線層211が第1ローカル配線絶縁層212中に形成されている。その上層に、第2ローカル配線絶縁層214、第2配線層213、第3ローカル配線絶縁層216、第3配線層215、第4ローカル配線絶縁層218、第4配線層217、第5ローカル配線絶縁層220、第5配線層219、第6ローカル配線絶縁層222、第6配線層221、第7ローカル配線絶縁層224、第7配線223が順次形成されていて、その上にセミグローバル配線絶縁層226と第8配線225(セミグローバル配線)が形成されている。
 
【0074】
  第5の実施の形態の製造方法としては、メモリ回路領域200およびロジック回路領域206に、第1のローカル配線層を形成する工程と、ロジック回路領域206に、(M−N)層のローカル配線層を形成する工程と、メモリ回路領域200おいて、(M−N)層のローカル配線層にわたって容量素子150を形成する工程と、ローカル配線層上および容量素子150上に、残りのローカル配線層をさらに形成する工程を行うことができる。すなわち、ビット線と第1配線を同層(同時に)で形成することもできる。この場合には、メモリ回路領域200において、(M−N)層の配線層にわたって容量素子150を形成し、その後N層のローカル配線層を形成する。このような半導体装置においても、第1の実施の形態と同等の効果が得られる。
 
【0075】
  以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
 
【0076】
  ここでは、DRAMを有するメモリ回路とロジック回路とが混載した半導体装置について説明したが、本実施の形態は、メモリセルとその上方に配置された上部電源線を有し、トランジスタによってメモリセルを選択してメモリセルの書込み・読出しを行なうものであれば、DRAMに代えて、例えばPRAMやReRAMを有するメモリ回路とロジック回路とを混載した半導体装置の場合にも適用できる。
 
【0077】
  本実施の形態では、メモリ素子上に設置が必要なローカル配線数と、ロジック/SRAM回路上に設置が必要なローカル配線層数との差分(ビット線材料をロジック回路部と異なる材料で形成する場合には、差分+1)に相当する厚さ方向空間(差分の空間)に、メモリ素子を設置することができる。設置可能なメモリ素子の高さの最大値は、差分の空間で制限されることになる。このとき、DRAMの場合には、容量絶縁膜の誘電率を高めたり、PRAM、ReRAMの場合には、抵抗体の抵抗比率を高めたりすることができる。これにより、記憶素子(メモリ素子)としての性能、ロジック回路の動作周波数のバランスをとることができる。さらには、これらに加えて、生産コストとのバランスをとることができる。
 
【0078】
(付記)
  また、本実施の形態の半導体装置は、以下の態様を含むことができる。
  (1)基板上に形成され、ビット配線を含む配線および絶縁層により構成された配線層が複数積層された多層配線層と、
  平面視において、前記基板内に設けられたメモリ回路領域に形成され、前記多層配線層内に埋め込まれているメモリ素子を有するメモリ回路と、
  平面視において、前記メモリ回路領域に形成され、前記メモリ素子を制御する周辺回路と、
  平面視において、前記基板のうち前記メモリ回路領域とは異なる領域であるロジック回路領域に形成され、トランジスタを有するロジック回路と、を備え、
  前記ロジック回路を構成する配線を有する前記配線層の層数をMとし、前記メモリ回路を構成する配線を有する前記配線層の層数をNとしたとき(MおよびNは自然数であって、M>N)、
  (M−N)層の前記配線層にわたって、前記メモリ素子が設けられている、半導体装置。
  (2)前記ビット配線以外の前記配線がダマシン構造を有し、
  前記ビット配線が形成されている前記配線層をビット配線層としたとき、前記ロジック回路領域における前記ビット配線層には、前記配線が形成されている、(1)に記載の半導体装置。
  (3)前記ビット配線を含む前記配線がダマシン構造を有し、
  前記ビット配線が形成されている前記配線層をビット配線層としたとき、前記ロジック回路領域における前記ビット配線層には、前記配線が形成されている、(1)に記載の半導体装置。