(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5989066
(24)【登録日】2016年8月19日
(45)【発行日】2016年9月7日
(54)【発明の名称】内燃機関を制御する方法及び制御装置
(51)【国際特許分類】
F02D 45/00 20060101AFI20160825BHJP
F02D 29/00 20060101ALI20160825BHJP
【FI】
F02D45/00 364A
F02D29/00 F
F02D29/00 G
【請求項の数】6
【外国語出願】
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-235634(P2014-235634)
(22)【出願日】2014年11月20日
(65)【公開番号】特開2015-102097(P2015-102097A)
(43)【公開日】2015年6月4日
【審査請求日】2014年11月21日
(31)【優先権主張番号】10 2013 112 967.6
(32)【優先日】2013年11月25日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】510238096
【氏名又は名称】ドクター エンジニール ハー ツェー エフ ポルシェ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Dr. Ing. h.c. F. Porsche Aktiengesellschaft
(74)【代理人】
【識別番号】100094525
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 健二
(74)【代理人】
【識別番号】100094514
【弁理士】
【氏名又は名称】林 恒徳
(72)【発明者】
【氏名】ペーター バウル
(72)【発明者】
【氏名】モーリッツ マルティニー
【審査官】
山村 和人
(56)【参考文献】
【文献】
特開平11−310062(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02D 29/00 − 29/06
F02D 45/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランスミッション(120)の入力シャフト(125)に連結された駆動出力シャフト(115)を有する内燃機関(110)を制御する方法(200)であって、前記内燃機関(110)および前記トランスミッション(120)は、自動車(100)駆動用の駆動系(105)に包含され、前記方法(200)は以下の、
−前記内燃機関(110)の前記駆動出力シャフト(115)の回転速度を求めるステップ(210)と、
−前記駆動出力シャフト(115)の前記回転速度に基づいて、前記駆動出力シャフト(115)の回転加速度を求めるステップ(215)と、
−前記回転加速度と前記内燃機関(110)の力学慣性モーメントとの積として、前記内燃機関(110)の動トルクを求めるステップ(220)と、
−前記トランスミッション(120)の前記入力シャフト(125)における所定の最大トルクと前記内燃機関(110)の前記動的負荷トルクとの合計から、前記内燃機関(110)の最大燃焼トルクを求めるステップ(230)と、
を含み、
前記回転速度を求めるステップ(210)の前に、制御装置(165)によって、前記内燃機関(110)の前記出力シャフト(115)を前記トランスミッション(120)の前記入力シャフト(125)に連結するクラッチ(130)が、少なくとも部分的に開いていることが確認される(205)、方法(200)。
【請求項2】
前記内燃機関(110)の燃焼トルクは、許容可能な前記最大燃焼トルクに制限される(255)、請求項1に記載の方法(200)。
【請求項3】
前記燃焼トルクは、要求トルクが前記許容可能な最大トランスミッション入力トルクを超えない限り、前記要求トルクに応じて制御される(250)、請求項2に記載の方法(200)。
【請求項4】
前記駆動出力シャフト(115)の前記回転加速度は、前記駆動出力シャフト(115)の前記回転速度の時間に関する微分に基づいて求められる(215)、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法(200)。
【請求項5】
前記クラッチ(130)は、クラッチペダル(135)を用いて、その開放範囲に関して制御することができ、前記クラッチペダル(135)の位置が検出される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法(200)。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法(200)を実行する制御装置(165)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関を制御する方法に関し、下流に連結されたトランスミッションにおいて、所定の最大入力トルクを厳守することが意図される。
【背景技術】
【0002】
自動車の絶え間ない改良の一部として、自動車の駆動部品を可能な限り小形かつ軽量にすることが求められている。それでもなお、駆動部品が十分な強度を発揮するように、駆動部品は、通常、所定の負荷に対して最適化される。部品の寸法を決める先進の方法は、駆動部品の要素が所定の負荷構成に対して正確に校正されることを可能にする。このようにして、駆動部品は、比較的長期間にわたってでさえ問題なくそれらの機能を果たすことができ、同時に、小形かつ軽量にすることができる。自動車の駆動性能は、このようにして改善することができる。部品の耐摩耗性のレベルは、所定の有効寿命に合わせることができる。
【0003】
この手法は、駆動部品が互いに的確に連係して機能するのを可能にする。しかし、例えば、自動車駆動用の内燃機関をその動力特性、その最大トルク、またはその最大回転速度に関して修正するために、部品の1つが変更された場合、これは、例えば、トランスミッションまたはクラッチなどの、内燃機関に連結された駆動部品が、再設計、再構築、または再試験されることを必要にする。そのような改造は、多数の作業員と、コストおよび時間の観点からの高い支出とを必要とし、ある程度の危険を伴う。
【0004】
この余分な支出を削減するために、少なくとも、減速比が高い低速段において、内燃機関のトルクを低減して、自動車の残りの駆動系(ドライブトレイン)のトルクを制限するのが一般的である。前記の低減は、通常、所定の固定値に対して実行される。しかし、トルク制限が固定されたために、自動車の駆動性能が悪影響を受けることがある。
【0005】
下記特許文献1は、自動車用の駆動力出力装置を提示している。エンジンおよび複数のモータ−発電機が非強制的にロックされた形で互いに連結される。1つのモータ−発電機のトルクが制限された場合、エンジンまたは下流のアセンブリにおけるトルクの変化が抑制されるように、他のモータ−発電機のトルクが修正される。
【0006】
下記特許文献2は、自動車の駆動系の内燃機関を制御する技術に関する。トランスミッションのギヤシフトプロセス中に、駆動用の内燃機関が、2段階設定の回転速度プロファイルを有する目標回転速度調整装置を用いて制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】独国特許出願公開第10 2013 200 175 A1号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第10 2008 046 849 A1号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第10 2004 044 193 A1号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第10 2005 004 224 A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、自動車駆動用の駆動系において、トランスミッションが過負荷を受けず、それと同時に、自動車駆動用の内燃機関の動力供給が極力制約されないで使用できるように、トランミッション駆動用の駆動エンジンを制御するという目的に基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、独立請求項の対象を用いて前記目的を達成する。改良方策および特徴は、従属請求項に示される。
【0010】
内燃機関は、トランスミッションの入力シャフトに連結された駆動出力シャフトを含み、内燃機関およびトランスミッションは、自動車駆動用の駆動系に包含される。本発明による、内燃機関を制御する方法は、内燃機関の駆動出力シャフトの回転速度を求めるステップと、駆動出力シャフトの回転速度に基づいて駆動出力シャフトの回転加速度を求めるステップと、内燃機関の動トルクを、回転加速度と回転に作用する内燃機関の一定の慣性モーメントとの積として求めるステップと、トランスミッションの入力シャフトにおける所定の最大トルクと内燃機関の動的負荷トルクとの合計から内燃機関の最大燃焼トルクを求めるステップとを含む。
【0011】
エンジン回転速度が変化する場合に、回転に作用する内燃機関の質量慣性モーメントは、下記に動的負荷トルクと呼ばれる動トルクを発生させ、この動トルクは回転速度の変化の兆候を打ち消す。動的負荷トルクの符合は、加速、すなわちエンジン回転速度が上がる場合にマイナスであり、エンジン回転速度の減速、すなわちエンジン回転速度が下がる場合にプラスである。エンジン出力シャフトに留められた、共に回転する質量(クランクシャフト、カムシャフト駆動体、ピストン、連接ロッドなど)のすべての合計は、内燃機関の「全質量慣性モーメント」になる。これは、下記に内燃機関の質量慣性モーメントと呼ばれる。
【0012】
内燃機関の動的負荷トルクは、エンジン回転速度の変化と内燃機関の質量慣性モーメントとの積から算出される。
【0013】
内燃機関の動的負荷トルクは、内燃機関自体の回転速度を上げるために、駆動系などの下流に連結された負荷とは無関係に加えられなければならないトルクである。内燃機関によって供給される燃焼トルクは、動的負荷トルクを差し引いて、内燃機関の駆動出力シャフトに常に供給される。内燃機関の最大燃焼トルクは、説明した態様で、トランスミッションの入力シャフトにおける最大トルクよりも大きい値に引き上げられることがある。燃焼トルクの静的制限に関して、このようにして、トランスミッションの入力シャフトにおいて最大トルクを超えることなく、より大きいトルクを駆動系で利用することが最終的に可能である。自動車の駆動挙動は、このようにして改善することができる。それと同時に、特に、例えば、傘歯車、冠歯車、シャフトベアリング、またはトランスミッションのギヤホイール対の歯などの駆動系の重要部品を、過負荷に対して、より効果的に保護することができる。トランスミッション、および、場合によっては、残りの駆動系の有効寿命をこのようにして延ばすことができる。説明した技術は、両方のトランスミッションタイプに使用できるが、様々な変速段を手動で選択できるトランスミッション(マニュアルトランスミッション)を有する自動車で使用するのに特に適している。
【0014】
本発明によれば、内燃機関の燃焼トルクと内燃機関の動的負荷トルクとの合計が、許容可能な最大トランスミッション入力トルクに制限される。燃焼トルクと動的負荷トルクとの合計が、許容可能な最大トランスミッション入力トルクよりも大きくなるトルクを内燃機関が要求された場合に、許容可能な最大トランスミッション入力トルクを超えないように、相応して小さい燃焼トルクが発生するような方法で、内燃機関を制御することができる。
【0015】
燃焼トルクと動的負荷トルクとの合計が、許容可能な最大トランスミッション入力トルクを超えない限り、内燃機関の燃焼トルクを要求されたトルクに応じて制御することができる。このようにして、運転者または自動プロセスが、トランスミッションまたは駆動系の要素に過負荷をかけることになるトルクを内燃機関に要求する場合のみ、内燃機関の燃焼トルクに対する制限を入れることができる。
【0016】
駆動出力シャフトの回転加速度は、有利にも、駆動出力シャフトの回転速度の時間に関する微分によって求められる。駆動出力シャフトの回転速度は、通常、自動車内で供給される値としてすでに利用可能であり、通常、高い精度かつ高い信頼性で求められる。一実施形態では、駆動出力シャフトの回転速度を求めるために、専用のセンサが設けられ、別の実施形態では、駆動出力シャフトの回転速度は、自動車に搭載された制御ユニットから、特に、内燃機関のエンジン制御装置から得ることができる。
【0017】
内燃機関の出力シャフトは、クラッチを用いてトランスミッションの入力シャフトに連結することができ、クラッチは、少なくとも部分的に閉じられる。特に、トランスミッションの入力シャフトが比較的低い回転速度にある一方で、内燃機関が高いトルクを供給できる回転速度で動作している場合に、このようにして、トランスミッション、および、場合によっては残りの駆動系を過剰なトルクから保護することが可能である。
【0018】
クラッチの開放範囲に関して、クラッチペダルを用いてクラッチを制御することが可能であるのが好ましく、クラッチが少なくとも部分的に閉じられたかどうかを判断するために、クラッチペダルの位置が検出される。クラッチの開放範囲が、完全な開放と完全な閉鎖との間にある、すなわち、クラッチが少なくとも部分的にスリップし、クラッチの入力側と出力側との間にスリップがあることが確認されるのが好ましい。
【0019】
添付図を参照して、本発明が以下にさらに詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図2】
図1の内燃機関を制御する方法の流れ図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、駆動系105を有する自動車100を示している。駆動系105は、駆動出力シャフト115を有する少なくとも1つの内燃機関110と、入力シャフト125を有するトランスミッション120とを含み、駆動出力シャフト115は、入力シャフト125に連結されている。シャフト115、125は、クラッチペダル135、制御可能なアクチュエータ、または何らかの他の装置を用いて少なくとも部分的に開くことができるクラッチ130によって、堅固に、または任意選択的に連結される。クラッチペダル135に連結され、クラッチ130が完全に開いているかどうかを示す信号を供給するように機能するクラッチスイッチ140が設けられるのが好ましい。
【0022】
駆動系105は、また、さらなる部品を含むことができる。特に、カルダン(Cardan)シャフト145、差動装置150、または1つもしくは複数の駆動ホイール155をトランスミッション120の出力側に配置することができる。少なくとも1つの駆動ホイール155は、その外周で非強制ロック式に道路160に接合されて、自動車100は、動力として駆動系105を介して道路160に伝達される燃焼トルクを内燃機関110が供給することにより駆動することができる。
【0023】
内燃機関160は、制御装置165を用いて制御されるのが好ましい。制御装置165により、アクチュエータを使用して、例えば、噴射される燃料の流量、供給される燃焼空気の流量、点火時間、または吸気もしくは排気時間を制御することで、供給される燃焼トルクを制御するのが好ましい。制御装置165は通常、トルクに対する要求に応じて内燃機関160を制御する。この場合、内燃機関160は、要求されたトルクが、駆動出力シャフト115において、できるだけ早く利用可能になるように制御される。要求は、例えば、車両100の運転者によって制御可能である。要求はまた、何らかの他の構成要素、例えば、電子式安定性制御システム、駆動スリップ調整システム、または車両100に搭載された何らかの他の支援システム用の制御ユニットから発することができる。
【0024】
さらに、制御装置165は、駆動系105の少なくとも1つの動的パラメータに応じて燃焼トルクを制限するように設計されて、トランスミッション120の入力シャフト125に作用する入力トルクが、所定の最大入力トルクを超えないようにする。このために、さらに下記で、より詳細に説明するように、制御装置165は、1つまたは複数の測定値にアクセスすることができる。
【0025】
駆動出力シャフト115の回転速度は、任意選択の第1の回転速度センサ170を用いて測定することができ、トランスミッション120の入力シャフト125の回転速度は、オプションの第2の回転速度センサ175を用いて測定することができ、トランスミッション120の係合した変速段は、オプションのギヤ選択センサ180を用いて特定することができる。トランスミッション120は、代替として係合できる複数の変速段を含むのが好ましい。変速段は通常、入力シャフト125と、この場合に、例としてカルダンシャフト145に連結された、トランスミッション120の出力シャフトとの間に様々な減速比を付与する。さらに、制御装置165は、自動車100の速度を測定する速度センサ185か、または自動車100の速度を付与する制御装置に接続するためのインターフェイスに接続することができる。
【0026】
図2は、
図1の内燃機関を制御する方法200の流れ図を示している。方法200は、特に、制御装置165で実行されるように設定されている。自動車100の通常の運転中に、クラッチ130は完全に閉じられ、内燃機関110の駆動出力シャフト115に連結されたクラッチ130の入力側の回転速度と、トランスミッション120の入力シャフト125に連結されたクラッチ130の出力側の回転速度とは等しい。同様に、この状態において、クラッチの入力側および出力側の回転加速度は等しい。
【0027】
オプションの第1のステップ205で、クラッチ130が完全に開いていないことが確認される。それでも、クラッチの入力側と出力側との間にスリップがあり、2つの側の回転速度が互いに異なるように、好ましくはクラッチ130が部分的に開放される。確認は、特に、クラッチスイッチ140からの信号に基づいて行うことができる。一実施形態では、方法200は、クラッチ130が完全に開いているか、または完全に閉じている場合に、ステップ205の後で早くも終了することができる。さらに別の実施形態では、方法は、クラッチ130が完全に閉じていない場合に、ステップ105の後で終了することもできる。
【0028】
それら以外の場合、ステップ210で、内燃機関110の駆動出力シャフト115の回転速度が求められる。前記回転速度は、センサを用いて検出することができるし、または、例えば、インターフェイスを介して、例えば、内燃機関110の制御用の何らかの他の制御装置から得ることもできる。内燃機関の回転速度は、通常、前記内燃機関の制御の枠内で求められ、前記回転速度は、頻繁に更新される値として供給することができる。
【0029】
ステップ215で、内燃機関110の駆動出力シャフト115の回転加速度が求められる。このために、特に、ステップ210で求めた回転速度を時間に関して微分することが可能である。あるいは、駆動出力シャフト115の回転加速度は、何らかの他の方法で、例えば、対応するセンサを用いて測定することもできる。さらに、駆動出力シャフト115の回転加速度は、インターフェイスを介して、自動車100に搭載された制御ユニットから得ることもできる。
【0030】
ステップ220で、トランスミッション120の入力シャフト125の回転加速度に基づいて、内燃機関110の動トルクが求められる。このために、一実施形態では、ステップ215で求めた回転加速度に内燃機関110の慣性モーメントを乗ずる。慣性モーメントは、内燃機関110のパラメータとして前もって特定することができる。動的トルクは、内燃機関110によって供給される燃焼トルクのうちのどのくらいの量のトルクが、内燃機関110自体の回転速度の上昇に費やされるかを表す。内燃機関110の駆動出力シャフト115において、内燃機関110によって供給されるトルクは、内燃機関110によって供給される燃焼トルクよりも動トルクの大きさだけ小さい。
【0031】
ステップ230で、内燃機関110の許容可能な最大燃焼トルクが動トルクに基づいて求められる。このために、特に、動トルクと、ステップ235で求めたトランスミッション120の許容可能な最大トルクとを互いに加算することが可能である。したがって、最大燃焼トルクは、トランスミッション120の最大トルクを動トルクの大きさだけ超えることができる。しかし、内燃機関110の動トルクは、駆動出力シャフト115で利用できないので、この場合に、実際には、入力シャフト125においてトランスミッション120の最大トルクを超えることはない。
【0032】
求めた最大燃焼トルクを使用して、供給される燃焼トルクに関して内燃機関110を制限することができる。このために、ステップ240で、内燃機関110に対して要求されるトルクを求めることができる。要求は、例えば、運転者が制御するペダル値から、または、例えば、自動車100で提供される別の走行支援機能を実行する制御ユニットからの要求に基づいて求めることができる。次のステップ245で、次いで、要求トルクが、ステップ230で求めた最大燃焼トルクを超えるかどうかをチェックする。最大燃焼トルクを超えない場合、ステップ250で、要求トルクを出力するように内燃機関110が制御される。この場合に、一実施形態では、内燃機関110の燃焼トルクは、ステップ220で求めた動トルクの大きさだけ要求トルクを超えることができる。別の実施形態では、内燃機関110の燃焼トルクは、ステップ240で求めた要求トルクに一致する。
【0033】
ステップ245で、要求トルクが最大燃焼トルクを超えると判断した場合、次いで、ステップ255で、ステップ230で求めた最大燃焼トルクを供給するように内燃機関110を制御するのが好ましい。
【0034】
内燃機関110の駆動出力シャフト115の回転動作が加速される度に、トランスミッション120の入力シャフト125における最大トルクを超えて、内燃機関110の燃焼トルクを増大させることができる。内燃機関110の回転速度が一定の場合、ステップ215で、回転加速度が0であるとして求められるので、ステップ220での内燃機関110の動トルクも同様に0である。この場合に、ステップ230で求めた最大燃焼トルクは、トランスミッション120の入力シャフト125における、トランスミッション120の最大トルクに一致する。
【符号の説明】
【0035】
100 自動車
105 駆動系
110 内燃機関
115 駆動出力シャフト
120 トランスミッション
125 入力シャフト