特許第5989110号(P5989110)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5989110
(24)【登録日】2016年8月19日
(45)【発行日】2016年9月7日
(54)【発明の名称】埃などの侵入を抑制する基板収納容器
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/673 20060101AFI20160825BHJP
   B65D 85/86 20060101ALI20160825BHJP
【FI】
   H01L21/68 T
   B65D85/38 R
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-521075(P2014-521075)
(86)(22)【出願日】2012年6月15日
(86)【国際出願番号】JP2012065355
(87)【国際公開番号】WO2013186912
(87)【国際公開日】20131219
【審査請求日】2014年11月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000140890
【氏名又は名称】ミライアル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(72)【発明者】
【氏名】金森 雄大
【審査官】 鈴木 和樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−154699(JP,A)
【文献】 特開平10−184924(JP,A)
【文献】 特開2009−141108(JP,A)
【文献】 特開2007−308161(JP,A)
【文献】 実開昭52−008003(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/673
B65D 53/02
B65D 85/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の基板を収納可能な基板収納空間が内部に形成され、一端部に前記基板収納空間に連通する容器本体開口部が形成された開口周縁部を有する容器本体と、
前記開口周縁部に対して着脱可能であり、シール部材取付部を有し、前記容器本体開口部を閉塞可能な蓋体と、
前記蓋体の前記シール部材取付部に取り付けられ、前記開口周縁部に当接可能であり、前記開口周縁部と前記蓋体との間に介在して前記開口周縁部に密着して当接することにより、前記蓋体と共に前記容器本体開口部を気密状態で閉塞するシール部材と、を備え、
前記容器本体の一端部と当該一端部に対する他端部と結ぶ方向を手前奥行き方向といい、前記手前奥行き方向に直交する方向を直交方向という場合に、前記開口周縁部は、前記手前奥行き方向に沿う第1開口内面と、前記蓋体が前記容器本体開口部を閉塞している状態において前記第1開口内面よりも前記直交方向の内側において前記直交方向に沿う第2開口内面と、前記シール部材よりも前記直交方向の内側において前記第2開口内面から延出する気流邪魔壁であって、前記容器本体開口部を閉塞している前記蓋体が前記開口周縁部から取り外された瞬間に前記容器本体の外部から流入して前記第1開口内面及び前記第2開口内面に沿って流れる気流の経路上に設けられる気流邪魔壁と、
を備え
前記気流邪魔壁は、弾性変形可能であり、前記蓋体が前記容器本体開口部を閉塞している状態において前記開口周縁部と前記蓋体の内面との間で圧縮されていると共に、前記蓋体が前記開口周縁部から取り外された場合において前記シール部材が前記開口周縁部から離れたときにも、前記蓋体の内面に当接している基板収納容器。
【請求項2】
前記気流邪魔壁は、通気性を有するフィルタを主体として構成される
請求項1に記載の基板収納容器。
【請求項3】
気流の前記経路上において前記気流邪魔壁における気流がぶつかる面は、前記手前奥行き方向に対して、前記直交方向の外側に向けて傾いている
請求項1に記載の基板収納容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板収納容器に関し、特に、容器本体開口部を閉塞している蓋体が開口周縁部から取り外された瞬間に容器本体の外部から流入しようとする気流に伴う埃などの侵入を抑制する基板収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェーハ等の基板を収納する容器としては、容器本体と、蓋体と、シール部材と、を備える構成のものが、従来より知られている。容器本体は、複数の基板を収納可能な基板収納空間が内部に形成され、一端部に基板収納空間に連通する容器本体開口部が形成された開口周縁部を有する。蓋体は、開口周縁部に対して着脱可能であり、シール部材取付部を有し、容器本体開口部を閉塞可能である。シール部材は、蓋体のシール部材取付部に取り付けられ、開口周縁部に当接可能であり、開口周縁部と蓋体との間に介在して開口周縁部に密着して当接することにより、蓋体と共に容器本体開口部を気密状態で閉塞する(例えば、下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−170969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなシール部材を備えた基板収納容器においては、容器本体(基板収納空間)の内部から基板を取り出すために、容器本体開口部を閉塞している蓋体を開口周縁部から取り外そうとする(開こうとすると)と、開口周縁部に密着して当接しているシール部材は、奥行き方向に長くなる。そのため、容器本体と蓋体とによって形成される内部空間の容積は大きくなる。また、蓋体を開口周縁部から取り外す過程において、容器本体の内部は一時的に負圧になる。そして、蓋体が開口周縁部から取り外された瞬間に、容器本体の外部から内部に、気流が流入する。この気流に伴って、埃(塵を含む)なども容器本体の外部から内部に侵入する場合がある。そして、侵入した埃などが半導体ウェーハ等の基板に付着して、その基板が汚染されて不良となる虞がある。
【0005】
気流の速度を遅くする手段として、例えば、蓋体を開く速度を遅くして、内部空間の内部の圧力の変化を緩やかにしたり、あるいは、シール部材の気密性を低下させて、内部空間の内部の圧力と外部の圧力との差を少なくすることが考えられる。しかし、前者では、基板収納容器からの基板の取り出し効率(所要時間)が低下し、後者では、シール部材の気密性の低下に起因する埃などの侵入が起こりやすい。
【0006】
本発明は、容器本体開口部を閉塞している蓋体を開口周縁部から取り外した瞬間に容器本体の外部から流入しようとする気流に伴う埃などの侵入を抑制することができる基板収納容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、複数の基板を収納可能な基板収納空間が内部に形成され、一端部に前記基板収納空間に連通する容器本体開口部が形成された開口周縁部を有する容器本体と、前記開口周縁部に対して着脱可能であり、シール部材取付部を有し、前記容器本体開口部を閉塞可能な蓋体と、前記蓋体の前記シール部材取付部に取り付けられ、前記開口周縁部に当接可能であり、前記開口周縁部と前記蓋体との間に介在して前記開口周縁部に密着して当接することにより、前記蓋体と共に前記容器本体開口部を気密状態で閉塞するシール部材と、を備え、前記容器本体の一端部と当該一端部に対する他端部と結ぶ方向を手前奥行き方向といい、前記手前奥行き方向に直交する方向を直交方向という場合に、前記開口周縁部は、前記手前奥行き方向に沿う第1開口内面と、前記蓋体が前記容器本体開口部を閉塞している状態において前記第1開口内面よりも前記直交方向の内側において前記直交方向に沿う第2開口内面と、前記シール部材よりも前記直交方向の内側において前記第2開口内面から延出する気流邪魔壁であって、前記容器本体開口部を閉塞している前記蓋体が前記開口周縁部から取り外された瞬間に前記容器本体の外部から流入して前記第1開口内面及び前記第2開口内面に沿って流れる気流の経路上に設けられる気流邪魔壁と、を備える基板収納容器に関する。
【0008】
また、前記気流邪魔壁は、通気性を有するフィルタを主体として構成されることが好ましい。
【0009】
また、前記気流邪魔壁は、弾性変形可能であり、前記蓋体が前記容器本体開口部を閉塞している状態において前記開口周縁部と前記蓋体の内面との間で圧縮されていると共に、前記蓋体が前記開口周縁部から取り外された場合において前記シール部材が前記開口周縁部から離れたときにも、前記蓋体の内面に当接していることが好ましい。
【0010】
また、気流の前記経路上において前記気流邪魔壁における気流がぶつかる面は、前記手前奥行き方向に対して、前記直交方向の外側に向けて傾いていることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、容器本体開口部を閉塞している蓋体を開口周縁部から取り外した瞬間に容器本体の外部から流入しようとする気流に伴う埃などの侵入を抑制することができる基板収納容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1実施形態に係る基板収納容器を示す分解斜視図である。
図2】第1実施形態に係る基板収納容器の平面断面図である。
図3】第1実施形態に係る基板収納容器のシール部材及び気流邪魔壁の周辺を拡大して示す平面断面図である。
図4図3に示す状態から蓋体を取り外し始めた状態を示す平面断面図である。
図5図4に示す状態から更に蓋体を取り外した状態を示す平面断面図である。
図6】第2実施形態に係る基板収納容器の気流邪魔壁の周辺を拡大して示す平面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の第1実施形態による基板収納容器について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る基板収納容器を示す分解斜視図である。図2は、第1実施形態に係る基板収納容器の平面断面図である。図3は、第1実施形態に係る基板収納容器のシール部材及び気流邪魔壁の周辺を拡大して示す平面断面図である。図4は、図3に示す状態から蓋体を取り外し始めた状態を示す平面断面図である。図5は、図4に示す状態から更に蓋体を取り外した状態を示す平面断面図である。
【0014】
ここで、説明の便宜上、後述の容器本体2から蓋体3へ向かう方向(図2における右方向)を手前方向D11と定義し、その反対の方向を奥行き方向D12と定義し、これらを併せて手前奥行き方向D1と定義する。手前奥行き方向D1は、容器本体2の一端部と当該一端部に対する他端部と結ぶ方向ということもできる。また、後述の下壁24から上壁23へと向かう方向(図2における紙面の裏面から表面へと向かう方向)を上方向D21と定義し、その反対の方向を下方向D22と定義し、これら併せてを上下方向D2と定義する。また、後述する第2側壁26から第1側壁25へと向かう方向(図2における下方向)を左方向D31と定義し、その反対の方向を右方向D32と定義し、これらを併せて左右方向D3と定義する。手前奥行き方向D1に直交する方向であって面方向に拡がる方向を直交方向D2−D3と定義する。
【0015】
また、基板収納容器1に収納される基板W(図1図2等参照)は、円盤状のシリコンウェーハ、ガラスウェーハ、サファイアウェーハ等であり、産業に用いられる薄いものである。本実施形態における基板Wは、直径450mmのシリコンウェーハである。
【0016】
図1図3に示すように、基板収納容器1は、容器本体2と、蓋体3と、シール部材4と、基板支持板状部5と、フロントリテーナ(図示せず)とを有している。
【0017】
容器本体2は、一端部に容器本体開口部21が形成された開口周縁部28を有し、他端部が閉塞された筒状の壁部20を有する。容器本体2内には基板収納空間27が形成されている。基板収納空間27は、壁部20により取り囲まれて形成されている。壁部20の部分であって基板収納空間27を形成している部分には、基板支持板状部5が配置されている。基板収納空間27には、複数の基板Wを収納可能である。
【0018】
基板支持板状部5は、基板収納空間27内において左右方向D3に対をなすように壁部20に設けられている。基板支持板状部5は、手前方向D11側に設けられ且つ基板支持板状部5の大部分を構成する板状部本体51と、奥行き方向D12の側の端部に設けられる奥側基板支持部52と、を備える。板状部本体51は、蓋体3によって容器本体開口部21が閉塞されていないときに、隣接する基板W同士を所定の間隔で離間させて並列させた状態で、複数の基板Wの縁部を支持可能である。
【0019】
奥側基板支持部52は、基板収納空間27内において後述のフロントリテーナと対をなすように配置され、複数の基板Wの縁部を支持可能である。奥側基板支持部52は、蓋体3によって容器本体開口部21が閉塞されているときにフロントリテーナと協働して、複数の基板Wの縁部を基板支持板状部5の板状部本体51から離間させて並列させた状態で、複数の基板Wの後部を支持する。
【0020】
蓋体3は、開口周縁部28(容器本体開口部21)に対して着脱可能であり、容器本体開口部21を閉塞可能である。フロントリテーナは、蓋体3の部分であって蓋体3によって容器本体開口部21が閉塞されているときに基板収納空間27に対向する部分に設けられている。フロントリテーナは、基板支持板状部5の奥側基板支持部52と対をなすように配置されている。
【0021】
フロントリテーナは、蓋体3によって容器本体開口部21が閉塞されているときに、複数の基板Wの縁部の前部を支持可能である。フロントリテーナは、蓋体3によって容器本体開口部21が閉塞されているときに、基板支持板状部5の奥側基板支持部52と協働して複数の基板Wを支持することにより、隣接する基板W同士を所定の間隔で離間させて並列させた状態で、複数の基板Wを保持する。以下、各部について、詳細に説明する。
【0022】
容器本体2の壁部20は、奥壁22と上壁23と下壁24と第1側壁25と第2側壁26とを有する。奥壁22、上壁23、下壁24、第1側壁25、及び第2側壁26は、プラスチック材等により構成されており、第1実施形態では、ポリカーボネートにより一体成形されて構成されている。
【0023】
図1図3に示すように、第1側壁25と第2側壁26とは対向しており、上壁23と下壁24とは対向している。上壁23の後端、下壁24の後端、第1側壁25の後端、及び第2側壁26の後端は、全て奥壁22に接続されている。上壁23の前端、下壁24の前端、第1側壁25の前端、及び第2側壁26の前端は、奥壁22に対向する位置関係を有する容器本体開口部21を形成する開口周縁部28を構成する。
【0024】
開口周縁部28は、容器本体2の一端部に設けられており、奥壁22は、容器本体2の他端部に位置している。壁部20の外面により形成される容器本体2の外形は箱状である。壁部20の内面、即ち、奥壁22の内面、上壁23の内面、下壁24の内面、第1側壁25の内面、及び第2側壁26の内面は、これらによって取り囲まれた基板収納空間27を形成している。開口周縁部28に形成された容器本体開口部21は、壁部20により取り囲まれて容器本体2の内部に形成された基板収納空間27に連通している。
【0025】
開口周縁部28は、手前奥行き方向D1に沿う第1開口内面281と、直交方向D2−D3に沿う第2開口内面282と、気流邪魔壁283と、を備える。
第2開口内面282は、蓋体3が容器本体開口部21を閉塞している状態において第1開口内面281よりも直交方向D2−D3の内側において直交方向D2−D3に沿う内面である。
なお、第1開口内面281は、巨視的に視て手前奥行き方向D1に沿っていればよく、手前奥行き方向D1に平行でなくてもよい。同様に、第2開口内面282は、巨視的に視て直交方向D2−D3に沿っていればよく、直交方向D2−D3に平行でなくてもよい。
【0026】
気流邪魔壁283は、シール部材4よりも直交方向D2−D3の内側において第2開口内面282から延出する。図4に示すように、気流邪魔壁283は、容器本体開口部21を閉塞している蓋体3が開口周縁部28から取り外された瞬間に容器本体2の外部から流入して第1開口内面281及び第2開口内面282に沿って流れる気流A1の経路上に設けられる。
【0027】
気流邪魔壁283は、その基端部283Bが容器本体2の開口周縁部28に気密にインサート成形されて構成されていてもよく、あるいは、容器本体2の開口周縁部28に形成された勘合溝に基端部283Bが気密に嵌合されて構成されていてもよい。
第1実施形態においては、気流邪魔壁283は、通気性を有するフィルタを主体として構成される。気流邪魔壁283の一部は、フィルタ以外から構成してもよい。フィルタは、気流A1を通過可能であるが、気流A1に伴って容器本体2のの内部に侵入しようとする埃などの全部又は一部を通過させない。
【0028】
気流邪魔壁283は、弾性変形可能である。図3に示すように、気流邪魔壁283は、蓋体3が容器本体開口部21を閉塞している状態において開口周縁部28と蓋体3の内面32との間で圧縮されている。また、図4に示すように、気流邪魔壁283は、蓋体3が開口周縁部28から取り外された場合においてシール部材4が開口周縁部28から離れたときにも、先端部283Aにおいて蓋体3の内面32に当接している。
【0029】
手前奥行き方向D1に沿う気流邪魔壁283は、気流邪魔壁283と蓋体3の内面32とが未圧縮で接触した状態よりも例えば1〜3mmの潰し代が形成されるように、圧縮される。手前奥行き方向D1に沿う気流邪魔壁283の長さは、任意で設定可能である。また、手前奥行き方向D1に沿う気流邪魔壁283の長さは、圧縮されていない状態において、潰し代以上の長さを有しており、例えば、4〜10mmである。
【0030】
蓋体3は、容器本体2の開口周縁部28の形状と略一致する略長方形状を有している。蓋体3は、容器本体2の開口周縁部28に対して着脱可能である。開口周縁部28に蓋体3が装着されることにより、蓋体3は、容器本体開口部21を閉塞可能である。蓋体3の外周縁部には、シール部材取付部としてシール部材嵌合溝31が、蓋体3の外周縁部に沿って周状に形成されている。
【0031】
図3に示すように、シール部材嵌合溝31には、シール部材4の基端部42が嵌め込まれており、これにより、シール部材4は蓋体3に取り付けられている。シール部材4は、例えば、弾性変形可能なPOE(ポリオキシエチレン)、PEE、フッ素ゴム、シリコンゴムからなる。環状のシール部材4は、蓋体3の外周縁部を一周するように配置されている。シール部材4は、先端部41において開口周縁部28に当接可能である。シール部材4は、開口周縁部28と蓋体3との間に介在して開口周縁部28に密着して当接することにより、蓋体3と共に容器本体開口部21を気密状態で閉塞する。
【0032】
蓋体3が開口周縁部28に装着されたときに、蓋体3の外周縁部は、シール部材4を介して容器本体2の開口周縁部28の内周縁部に当接する。これにより、シール部材4は蓋体3の外周縁部と開口周縁部28の内周縁部とにより挟まれて弾性変形し、蓋体3は、容器本体開口部21を密閉した状態で閉塞する。開口周縁部28から蓋体3が取り外されることにより、容器本体2内の基板収納空間27に対して、基板Wを出し入れ可能となる。
【0033】
次に、蓋体3を容器本体2の開口周縁部28から取り外すときの動作・作用について説明する。図3に示すように、蓋体3が容器本体2の開口周縁部28に装着され、容器本体開口部21が気密状態で閉塞されている状態においては、シール部材4は、開口周縁部28の第2開口内面282に密着している。また、気流邪魔壁283は、第2開口内面282と蓋体3の内面32との間で圧縮されている。
【0034】
図3に示す状態から蓋体3を手前方向D11へ徐々に移動させると、シール部材4及び気流邪魔壁283の形状(長さ)は、手前奥行き方向D1に徐々に復元する。シール部材4が開口周縁部28の第2開口内面282に密着している状態では、容器本体開口部21が気密状態で閉塞されているため、容器本体2の内部が負圧状態となる。
【0035】
更に蓋体3を手前方向D11へ徐々に移動させると、図4に示すように、シール部材4及び気流邪魔壁283の形状(長さ)は、手前奥行き方向D1に更に復元する。すると先に、シール部材4の先端部41が第2開口内面282から離れる。なお、気流邪魔壁283の先端部283Aは、蓋体3の内面32に当接している。シール部材4の先端部41が第2開口内面282から離れると、容器本体2の内部が負圧状態であること及び容器本体開口部21が閉塞されなくなることに伴って、容器本体2の外部の空気(外気)が気流A1となり、容器本体2の内部に流入する。ここで、気流邪魔壁283がフィルタを主体として構成されているため、容器本体2の内部の気圧は、負圧状態から一気に外圧と同じにはならず、徐々に外圧に近づく。
【0036】
図4に示すように、気流A1は、開口周縁部28の第1開口内面281及び第2開口内面282に沿ってシール部材4を避けながら、流れる。また、気流A1に伴って、埃などが容器本体2の内部に侵入しようとする。気流A1及び埃などは、蓋体3の内面32に当接している気流邪魔壁283にぶつかることになる。ぶつかった気流A1は、フィルタを主体とする気流邪魔壁283を通過する。一方、ぶつかった埃などの全部又は一部は、気流邪魔壁283を通過できない。従って、容器本体2の内部に(気流邪魔壁283よりも下流側に)侵入する埃などの量を抑制することができる。
【0037】
更に蓋体3を手前方向D11へ徐々に移動させると、図5に示すように、気流邪魔壁283の形状(長さ)は、手前奥行き方向D1に更に復元する。すると、気流邪魔壁283の先端部283Aは蓋体3の内面32から離れる。これにより、容器本体2の内部の気圧は、容器本体2の外部の圧力と完全に同じとなる。
【0038】
上記構成の第1実施形態による基板収納容器1によれば、以下のような効果を得ることができる。
開口周縁部28は、手前奥行き方向D1に沿う第1開口内面281と、蓋体3が容器本体開口部21を閉塞している状態において第1開口内面281よりも直交方向D2−D3の内側において直交方向D2−D3に沿う第2開口内面282と、シール部材4よりも直交方向D2−D3の内側において第2開口内面282から延出する気流邪魔壁283であって、容器本体開口部21を閉塞している蓋体3が開口周縁部28から取り外された瞬間に容器本体2の外部から流入して第1開口内面281及び第2開口内面282に沿って流れる気流A1の経路上に設けられる気流邪魔壁283と、を備える。
【0039】
そのため、第1実施形態によれば、容器本体開口部21を閉塞している蓋体3が開口周縁部28から取り外された瞬間に容器本体2の外部から流入して第1開口内面281及び第2開口内面282に沿って流れる気流A1は、気流邪魔壁283にぶつかることになる。そのため、気流A1に伴って容器本体2の内部に侵入しようとする埃などは、容器本体2の内部に侵入し難くなる。
【0040】
また、第1実施形態においては、気流邪魔壁283は、通気性を有するフィルタを主体として構成される。そのため、第1実施形態によれば、気流A1に伴って容器本体2の内部に侵入しようとする埃などが容器本体2の内部に侵入することを抑制することができると共に、気流A1については、容器本体2の内部に流入させることができる。従って、埃などは気流邪魔壁283にぶつかった後拡散する等の現象が起こり難く、また、気流A1の速度が低下するため、埃などは気流邪魔壁283によって捕捉され易くなる。また、気流邪魔壁283によって捕捉された埃などは、第2開口内面282と気流邪魔壁283とによって形成される角部に、容易に溜められる。
【0041】
また、第1実施形態においては、気流邪魔壁283は、弾性変形可能であり、蓋体3が容器本体開口部21を閉塞している状態において開口周縁部28と蓋体3の内面32との間で圧縮されていると共に、蓋体3が開口周縁部28から取り外された場合においてシール部材4が開口周縁部28から離れたときにも、蓋体3の内面32に当接している。そのため、第1実施形態によれば、シール部材4が開口周縁部28から離れて、容器本体開口部21が閉塞されなくなっても、容器本体2の外部からの気流A1及び埃などは、蓋体3の内面32に当接している気流邪魔壁283にぶつかることになる。ぶつかった埃などの全部又は一部は、気流邪魔壁283を通過できない。従って、容器本体2の内部に(気流邪魔壁283よりも下流側に)侵入する埃などの量を抑制することができる。
【0042】
以下、本発明の第2実施形態による基板収納容器について説明する。図6は、第2実施形態に係る基板収納容器の気流邪魔壁の周辺を拡大して示す平面断面図である。図6では、蓋体3の図示を省略している。
【0043】
第2実施形態においては、図6に示すように、気流A1の経路上において気流邪魔壁283における気流がぶつかる面283Cは、手前奥行き方向D1に対して、直交方向D2−D3外側に向けて傾斜角度θ傾いている。傾斜角度θは、例えば、45度以上である。また、気流邪魔壁283は、通気性の無い部材から構成されている。ここで、気流邪魔壁283は、容器本体2の開口周縁部28と同時に成形しても良いし、また、別部品として成形した後に開口周縁部28にインサート成形してもよい。或いは、気流邪魔壁283は、別部品として成形した後に、開口周縁部28に取り付けてもよい。
第2実施形態については、第1実施形態と比べて主に前述した構成が異なるが、その他の構成は第1実施形態と同様である。そのため、第2実施形態において、第1実施形態と同一の部材については、同一の符号で図示し、説明を省略する。
【0044】
上記構成の第2実施形態による基板収納容器によれば、以下のような効果を得ることができる。
第2実施形態においては、気流A1の経路上において気流邪魔壁283における気流がぶつかる面283Cは、手前奥行き方向D1に対して、直交方向D2−D3外側に向けて傾いている。そのため、容器本体2の内部に侵入しようとする埃などを、気流邪魔壁283により上流側に押し返すことができる。この効果は、気流邪魔壁283が通気性の無い部材から構成されている場合に、特に顕著に奏される。
【0045】
本発明は、上述した実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲に記載された技術的範囲において変形が可能である。例えば、蓋体3が開口周縁部28から取り外された場合において気流邪魔壁283が開口周縁部28から離れたときにも、シール部材4が蓋体3の内面32に当接する構成を採ることもできる。
【0046】
第1実施形態において、気流邪魔壁283は通気性が無い部材から構成されていてもよい。
また、第1実施形態および第2実施形態において、シール部材4の先端部41は、第2開口内面282に当接する構成となっているが、これに制限されない。シール部材4は、蓋体3を閉じたときに基板収納容器1を気密に保持できればよいので、第1開口内面281に当接していても良い。
【0047】
また、容器本体及び蓋体の形状や、容器本体に収納可能な基板の枚数、寸法は、本実施形態における容器本体2及び蓋体3の形状や、容器本体2に収納可能な基板Wの枚数、寸法に限定されない。例えば、基板支持板状部は、本実施形態の基板支持板状部5の構成に限定されない。
【符号の説明】
【0048】
1 基板収納容器
2 容器本体
3 蓋体
4 シール部材
21 容器本体開口部
27 基板収納空間
28 開口周縁部
31 シール部材嵌合溝(シール部材取付部)
32 内面
281 第1開口内面
282 第2開口内面
283 気流邪魔壁
283C気流がぶつかる面
D11 手前方向
D12 奥行き方向
D2−D3直交方向
W 基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6